JP2004274131A - 色変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3次元ルックアップテーブルを安価なダイナミックメモリに格納し、色変換処理装置には高価なSRAMを全て用いず、小容量のキャッシュメモリを設けることで、安価で高速な精度の高い色変換装置を実現する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイレクトマッピング方式を採用した色変換装置に関するものであり、特に、格子点数を多くとった精密な色変換を、高速処理で、かつ安価に実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーコピー機やカラープリンタなど、カラー画像を扱う入出力機器では、CCDの色域補正やカラーマッチング、RGB色空間からCMYK色空間への変換など、非線形の色空間変換に、ルックアップテーブル(以下LUT)と補間処理を併用したダイレクトマッピング方式の色変換処理が用いられる。
【0003】
ダイレクトマッピング方式では、格子点数を増やしLUTを大きくとれば変換の精度が上がる。しかしLUTサイズが大きくなると、メモリコストが上昇するため、これまで限られたメモリコストの中で色変換の精度を高めるための工夫がなされてきた。例えば、格子点数は増加させずに、変換精度が要求される色域の変換精度を高めることを行ってきた(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
図2は従来の色変換装置の構成を示したブロック図である。入力されたカラーデータは3次元LUT201と補間係数生成回路202に入力され、3次元LUT201からは注目カラー近傍のLUT内容が補間処理に必要な4頂点分出力され、補間係数生成器202からは補間係数が出力され、3次元4点補間処理器203にて補間処理され、最終のカラーデータが出力される。3次元LUT201は、LUTアドレス生成器201aと、LUTが格納されたメモリ201b,201c,201d,201eからなる。メモリ201b,201c,201d,201eは同一の内容を保持し、同時リードされる4頂点のアドレスが異なるために、補間に必要な頂点分複製されている。より精度の高い8頂点を参照する補間の場合、メモリは8つとなる。
【0005】
各色8bit、格子点数16、出力CMYK4色の場合のLUTのサイズは、ひとつが4色x16x16x16=16KByteであり、これを4頂点設けるため、16KBytex4頂点=64KByteとなる。より精度の高い格子点数32の場合にはこれが8倍の4色x32x32x32x4頂点=512KByteとなる。
【0006】
色変換装置をLSI上に構成しようとすると、LUTを格納するメモリはSRAMで構成することになる。現在のLSI製造プロセスでは、512KByteのSRAMを実装するには多大なコストを要する。
【0007】
コストを抑えるために複製されたLUTの数を減らし、各頂点のLUT参照を時分割で行うことも考えられた。しかし、これは色変換処理装置の処理性能を1/Nに低下させるといった問題があった。4点補間の場合にLUTメモリを2つにすれば、2頂点が1つのメモリに時分割でアクセスするため、性能は1/2に、LUTメモリを1つにすれば、4頂点が1つのメモリに時分割でアクセスするため、性能は1/4になる。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−181874号公報
【特許文献2】
特開平8−161468号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、性能の低下を抑え、少ないメモリコストで、格子点数の多い精度の高いダイレクトマッピング方式の色変換装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本課題を解決するために、まず各頂点に独立の、小容量のメモリで構成されるキャッシュメモリを設け、これらのキャッシュメモリに共有され、時分割にてアクセスされるメモリを設ける。この共有されるメモリにはLUTの全てを格納する。このことにより、LUTのメモリの総容量が減り、コストが少なくなるとともに、性能の低下を抑えられる。
【0011】
次に、格子点数の多いLUTを実現するために、LUTを安価なDRAM上に置き、前記の共有メモリを2次キャッシュとすることで、少ないメモリコストで、格子点数の多い色変換装置を実現する。ある頂点で参照されたLUTのエントリは、続く色変換で別の頂点で参照される可能性が高く、2次キャッシュはこの場合の1次キャッシュミスレイテンシを低減することが出来る。
【0012】
さらに、LUTの並びを、3次元的に隣接したLUTのエントリを、LUTインデックスの近い位置に配置することにより、色が連続的に変化する写真画像処理時のキャッシュメモリのヒット率を高くし、高い性能を得る。色が連続的に変化する写真画像は、3次元の色空間上で連続の軌跡を描くことになる。そのため、一度参照された頂点の近傍は、続くカラーの変換時に参照される可能性が高く、キャッシュのヒット率を向上させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は本実施例のシステム構成を示したブロック図である。
【0014】
本実施例のデジタル機器は、スキャナ106とプリンタ108とコントローラ111から成り、ネットワークに接続される。
【0015】
スキャナ106でスキャンされた画像は、コントローラ111のスキャナインターフェース107、クロスバースイッチ104を介してメインメモリ103へと格納される。
【0016】
全体を制御するCPU102は、色変換処理DMAC101を起動し、スキャンされた画像をRGBカラーからCMYKカラーに変換する。色変換処理DMAC101が起動されると、まずラスタリードDMAC101aがクロスバースイッチ104経由でメインメモリ103からスキャン画像をリードし、色変換装置101bへ送る。色変換処理装置101bはメインメモリ103に格納された3次元LUTをリードし、色変換処理装置101b内のキャッシュメモリに3次元LUTの一部をキャッシュし、3次元LUTを用いて、ラスタリードDMAC101aから入力されたカラー画素をRGBからCMYKに色変換し、ラスタライトDMAC101cに送る。ラスタライトDMAC101cは色変換後の画素をラスタデータとして、メインメモリ103へクロスバースイッチ104経由でライトする。
【0017】
色変換処理が終わると、色変換処理DMAC101はCPU102へ割り込みを発生し、処理の終了を知らせる。割り込みを感知したCPU102は、プリンタインターフェース109を起動し、色変換されたカラー画像のプリント出力を開始する。プリンタインターフェース109は、クロスバースイッチ104、画像処理装置110経由でメインメモリ103からカラー画像を取得し、プリンタエンジン108へ転送する。プリンタエンジン108はプリンタインターフェース109から受信したカラー画像を、記録媒体に記録することで、コピー処理が終了する。
【0018】
ホスト115がPDLデータを生成し、ネットワーク経由でコントローラ111に転送すると、PDLデータはネットワークインターフェース105、クロスバースイッチ104を介してメインメモリ103にいったん格納される。CPU102は、メインメモリ103に格納されたPDLデータの解釈を開始し、ディスプレイリストをメインメモリ103へ生成する。
【0019】
PDLデータを解釈する際に、PDLデータ内にカラーイメージ画像を認識すると、レンダリングを行う色空間に合わせるため、CPU102は色変換処理DMAC101を起動して、色変換処理を開始する。色変換処理DMAC101が起動されると、まずラスタリードDMAC101aがクロスバースイッチ104経由でメインメモリ103からスキャン画像をリードし、色変換装置101bへ送る。色変換処理装置101bはメインメモリ103に格納された3次元LUTをリードし、色変換処理装置101b内のキャッシュメモリに3次元LUTの一部をキャッシュし、3次元LUTを用いて、ラスタリードDMAC101aから入力されたカラー画素を入力の色空間からレンダリングする色空間へ色変換し、ラスタライトDMAC101cに送る。ラスタライトDMAC101cは色変換後の画素をラスタデータとして、メインメモリ103へクロスバースイッチ104経由でライトする。色変換処理が終わると、色変換処理DMAC101はCPU102へ割り込みを発生し、処理の終了を知らせる。
【0020】
割り込みを感知したCPU102は、色変換後のカラーイメージ画像をひとつのオブジェクトとしてディスプレイリストに結合する。ディスプレイリスト生成が終了すると、CPU102はディスプレイリストに従ってレンダリング処理を開始し、レンダリング後の画像をメインメモリ103へ格納していく。レンダリング処理が終了すると、CPU102はプリンタインターフェース109を起動し、レンダリングされたカラー画像のプリント出力を開始する。プリンタインターフェース109は、クロスバースイッチ104、画像処理装置110経由でメインメモリ103からカラー画像を取得し、プリンタエンジン108へ転送する。プリンタエンジン108はプリンタインターフェース109から受信したカラー画像を、記録媒体に記録することで、PDLプリント処理が終了する。
【0021】
図3は本実施例の色変換処理装置101bの構成を示したブロック図である。
【0022】
入力されたカラー画素は、3次元LUT301と補間係数生成器202へ入力される。3次元LUT301に入力されたカラーデータは、アドレス生成器301aに入力され、補間に用いる4頂点のLUTのアドレスを生成し、それぞれの頂点に対応するLUTの1KBの1次キャッシュ301b,301c,301d,301eへ入力される。それぞれの1次キャッシュにおいて、参照されたLUTの内容がキャッシュ内に存在し、キャッシュヒットすると、LUTの内容が出力され3次元4点補間器203へと送られる。
【0023】
3次元4点補間器203は、3次元LUT301からのLUTの内容と、補間係数生成器202からの補間係数を用いて、補間処理を行い、最終のカラーデータを生成し、出力する。1次キャッシュ301b,301c,301d,301eがキャッシュミスを発生すると、まず、色変換装置101bの上流モジュールへstall信号303を生成し、続くカラー画素の入力を止める。同時に1次キャッシュ301b,301c,301d,301eは8KBの2次キャッシュ302へLUTのリード要求を行う。
【0024】
リード要求を受けた2次キャッシュ302は、順番に1次キャッシュ301b,301c,301d,301eそれぞれからの要求を処理し、もし2次キャッシュ302内に要求のLUTの内容が保持されていれば、キャッシュヒットとしてLUTの内容を1次キャッシュ301b,301c,301d,301eに返し、要求のLUTの内容が保持されていなければ、キャッシュミスとしてメインメモリ103にリード要求を発行し、メインメモリからのリードデータが返るのを待ち、リードデータが返ってくると2次キャッシュ302に内容をキャッシュするとともに1次キャッシュ301b,301c,301d,301eにリードデータを送る。1次キャッシュ301b,301c,301d,301eは、キャッシュミスしたデータが全てフィルされると、LUTの内容を3次元4点補間器203に出力し、色変換装置101bの上流モジュールへstall信号303を解消し、続くカラー画素の処理を可能とする。
【0025】
図4はメインメモリ103に格納されたLUTの構成を示した模式図である。
【0026】
本実施例のLUTでは、出力色空間の全てのコンポーネントがLUTのひとつのエントリに格納されており、配列LUT[index]がメインメモリ103上に連続に置かれている。配列LUT[index]のインデックスは、入力カラーデータにビットがインターリーブされた形式で生成されており、この形式に相当するならびに配列LUT[index]が並べられている。ビットがインターリーブされたインデックスを採用することにより、3次元空間で隣接するLUTのエントリがメモリ上で隣接するアドレスに存在することになる。例をあげると、R=0x0,G=0x0,B=0x0のLUTエントリのインデックスはindex=0であり、R=0x10,G=0x10,B=0x10の画素は、格子点数16の場合、index=7となる。1次キャッシュ301b,301c,301d,301e、2次キャッシュ302のキャッシュラインサイズが32Byteとすると、index=0はバイトアドレスで、LUTの先頭に置かれており、index=7は7x4byte=28byteのアドレスオフセットにおかれるから、この2つの3次元空間の隣接カラーは、キャッシュヒットすることを示している。
【0027】
図5は、キャッシュのヒットする状況を示す模式図である。
【0028】
入力のカラー画素が、はじめに色αが入力され、続いて色βが入力される。はじめ入力された色αの色変換処理において、補間処理のために4頂点が選択され、LUTが引かれる。色αに対して参照される4頂点のIndexは、index=0,index=6,index=2,index=7である。キャッシュラインサイズが32バイトであるから、index=0が参照された1次キャッシュ301bではindex=0からindex=7までのLUTがキャッシュされる。同様に1次キャッシュ301c,301d,301eでもindex=0からindex=7までのLUTがキャッシュされる。続く色βを処理する際には、参照される4頂点のindexがindex=0,index=1,index=3,index=7となる。1次キャッシュ301b,301c,301d,301eともにindex=0からindex=7までがキャッシュされているため、キャッシュヒットが得られる。
【0029】
【表1】
【0030】
本実施例では、図3に示したように、キャッシュメモリ構成をとることにより、メモリのサイズが1KBx4+8KB=12KBとなり、従来例の64KBのメモリに対して大幅に容量を削減してメモリコストを低減させるとともに、高速の色変換処理を実現できる。
【0031】
(実施例2)
図6は本実施例の色変換装置の構成を示したブロック図である。
【0032】
入力されたカラー画素は、3次元LUT301と補間係数生成器202へ入力される。3次元LUT301に入力されたカラーデータは、アドレス生成器301aに入力され、補間に用いる4頂点のLUTのアドレスを生成し、それぞれの頂点に対応するLUTの1KBの1次キャッシュ301b,301c,301d,301eへ入力される。それぞれの1次キャッシュにおいて、参照されたLUTの内容がキャッシュ内に存在し、キャッシュヒットすると、LUTの内容が出力され3次元4点補間器203へと送られる。3次元4点補間器203は、3次元LUT301からのLUTの内容と、補間係数生成器202からの補間係数を用いて、補間処理を行い、最終のカラーデータを生成し、出力する。1次キャッシュ301b,301c,301d,301eがキャッシュミスを発生すると、まず、色変換装置101bの上流モジュールへstall信号303を生成し、続くカラー画素の入力を止める。同時に1次キャッシュ301b,301c,301d,301eは16KBのLUTメモリ601,602へLUTのリードを行い、1次キャッシュ301b,301c,301d,301eのキャッシュラインを置き換えるとともにLUTの内容を3次元4点補間器203に出力し、色変換後のカラーを出力する。また、同時に色変換装置101bの上流モジュールへstall信号303を解消し、続くカラー画素の処理を可能とする。
【0033】
実施例1との相違は、2次キャッシュ302の替りにメモリ601,602を設けたことである。キャッシュ構成をとった場合のデメリットは、最悪の場合のスループット性能が大きく低下することである。本実施例は、キャッシュが常にミスするデータが流れた場合の性能低下を、ある一定性能に保たなければならないシステムの実施例である。本実施例のメモリ容量は、1KBx4+16KBx2=36KBであり、実施例1の12KBよりは大きくなるが、従来例の64KBよりも小さく、実施例1よりも高い性能を保証できることが出来る。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少ないメモリコストで、格子点数の多いLUTを使用したダイレクトマッピング方式の色変換処理が実現できるため、高速で精度の高い色変換装置を、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のシステム構成を示すブロック図
【図2】従来例の色変換装置の構成を示すブロック図
【図3】実施例1の色変換装置の構成を示すブロック図
【図4】実施例1のルックアップテーブルの構造を示した模式図
【図5】実施例1の色遷移における参照頂点を説明するための模式図
【図6】実施例2の色変換装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101 色変換処理DMAC
101a ラスタリードDMAC
101b 色変換装置
101c ラスタライトDMAC
102 CPU
103 メモリ
104 クロスバースイッチ
105 ネットワークインターフェース
106 スキャナ
107 スキャナインターフェース
108 プリンタ
109 プリンタインターフェース
110 イメージ処理回路(画像処理装置)
111 コントローラ
115 ホスト
201 3次元LUT
201a アドレス生成装置(LUTアドレス生成器)
201b−201e LUTメモリ
202 補間係数生成器(補間係数生成回路)
203 3次元4点補間器
301 3次元LUT
301a アドレス生成装置
301b−301e 1次キャッシュ
302 2次キャッシュ
303 ストール信号
601,602 LUTメモリ
Claims (10)
- ダイレクトマッピング方式を採る色変換装置であって、
ルックアップテーブルを格納するメモリと、
ルックアップテーブルの一部をキャッシュするキャッシュメモリとを設けたことを特徴とする色変換装置。 - キャッシュミス時に、当該装置に接続された上流の画像出力装置に、出力を停止させる機能を設けたことを特徴とする請求項1記載の色変換装置。
- 補間に用いる頂点それぞれに、独立にキャッシュメモリを設けたことを特徴とする請求項2記載の色変換装置。
- 補間に用いる頂点それぞれに独立したキャッシュメモリによって共有される、2次キャッシュメモリを設けたことを特徴とする請求項3記載の色変換装置。
- ルックアップテーブルを格納するメモリが、ダイナミックラムで構成されたことを特徴とする請求項2記載の色変換装置。
- ルックアップテーブルを格納するメモリが、ダイナミックラムで構成されたことを特徴とする請求項3記載の色変換装置。
- ルックアップテーブルを格納するメモリが、ダイナミックラムで構成されたことを特徴とする請求項4記載の色変換装置。
- ルックアップテーブルを格納するメモリが、スタティックラムで構成されたことを特徴とする請求項2記載の色変換装置。
- ルックアップテーブルを格納するメモリが、スタティックラムで構成されたことを特徴とする請求項3記載の色変換装置。
- ルックアップテーブルを格納するスタティックラムを複数も受けたことを特徴とする請求項9記載の色変換装置。
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