JP6808712B2 - 画像処理装置及びその制御方法、並びに、プログラム - Google Patents

画像処理装置及びその制御方法、並びに、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置及びその制御方法、並びに、プログラムに関する。
近年、入力デバイスとして、スキャナ、ビデオカメラなどが普及している。また、出力デバイスとして、インクジェット、染料熱昇華型あるいは電子写真などの方式を用いた、各種カラープリンタが普及している。一般に、これらのカラー入/出力デバイスの中で使用されている代表的な画像処理として、「色空間変換」や「空間フィルタ処理」が挙げられる。
「色空間変換」とは、カラー画像等に対する、上記入/出力デバイス間での色再現性に関する問題を解決するために、入力デバイスの色空間を出力デバイスの色空間に変換する処理である。具体的には入力γ補正、輝度濃度変換、マスキング、黒生成、UCR、出力γ補正等の一連の画像処理全体のことを指す場合と、その中の一定の処理のみを指す場合とがある。
また「空間フィルタ処理」とは、処理対象となる画素(以下、処理画素と略称する)を含む空間フィルタ領域に含まれるすべての画素を用いて何らかの演算を行なう局所(近傍)画像処理のことである。例えば、エッジ強調処理やぼかし処理といった処理のことを指す。
このような画像処理を実現する画像処理回路では、各種演算回路の他に、各種演算回路で必要となる参照データを一時的に記憶したり、カラー画像の処理画素の画素値を一時的に記憶したりするためのメモリを付属することが多い。これらの画像処理回路で用いられるメモリについて、具体的な例を挙げて詳しく説明する。
先の色空間変換では、入力デバイスの3色のデジタル画像信号を同時に参照して、出力デバイスの3色あるいは4色のデジタル画像信号に変換することが多い。ここで、入力デバイスの3色とは、例えば、レッド、ブルー、グリーンの3色(以下、「RGB」と略す)を指す。また、出力デバイスの3色とは、例えば、シアン、マゼンタ、イエローの3色を指す(以下、「CMY」と略す)。また、出力デバイスの4色とは、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色(以下、「CMYK」と略す)を指す。また電子写真方式の複写機の場合、稼働時間とともにプリンタのエンジン特性が変化するため、定期的なキャリブレーションが必要となる。このような場合には、出力デバイスの4色(例えば、「CMYK」)から出力デバイスの4色(例えば、「C'M'Y'K'」)への変換も必要となる。
上記色空間変換を実現する手段として、予め変換結果をルックアップ・テーブル(以下、「LUT」と略す)としてメモリに記憶しておき、入力されたデジタル画像信号に対してそのLUTから変換結果を出力する方法がある。
このLUTを用いた色空間変換方法では、3色入力のデジタル画像信号に対して使用されるLUTを、三次元ルックアップ・テーブル(以下、「3D-LUT」と略す)と呼ぶ。また、4色入力のデジタル画像信号に対して使用されるLUTを、四次元ルックアップ・テーブル(以下、「4D-LUT」と略す)と呼ぶ。
ここで、三次元入力の色空間(RGB空間)の各軸方向に16分割される場合、3D-LUTは16の3乗のエントリ数をもつメモリが必要となる(特許文献1を参照)。従って、RGB空間をCMYK空間に変換するために1エントリあたり4バイトのデータ量なら、16Kバイトの容量のメモリが色空間変換回路の専用メモリ(同回路の一部)として実装される。
また、四次元入力の色空間(CMYK空間)の各軸方向に16分割される場合、4D-LUTは16の4乗のエントリ数(3D-LUTの16倍の大きさ)をもつメモリが必要となる。即ち、CMYK空間をC'M'Y'K'空間に変換するため、1エントリあたり4バイトのデータ量なら、256Kバイトの容量のメモリが色空間変換回路の専用メモリ(同回路の一部)として実装される。
また先の空間フィルタ処理の場合、デジタル画像データの左上端の画素から主走査方向に沿って1画素ずつ画像処理を行ない、右端の画素まで画像処理を行なう。そして、副走査方向に1画素だけ進み、再度左端の画素から主走査方向に沿って1画素ずつ右端まで画像処理を行なう。この一連の画像処理を、デジタル画像データの右下端の画素についての画像処理を終えるまで繰り返し実行し、所望の画像処理を行なう。
かかる技術では、デジタル画像データの主走査方向の幅が大きくなるにつれて、大きなメモリ容量が必要になる。例えば、A4サイズの画像を、解像度が600dpiのスキャナで読み取り、デジタル画像データに変換した場合、デジタル画像データの幅は4953画素となる。また1画素が前述RGBで構成され、RGBが3バイトのデータ量である場合に、3×3の空間フィルタ領域に対しては2ライン分の遅延メモリが必要となる。約29Kバイト(4953画素×2ライン×3バイト)の容量をもつメモリが空間フィルタ回路の専用メモリ(同回路の一部)として実装される。
また1画素が前述CMYKで構成され、CMYKが4バイトのデータ量である場合を考える。この場合、上記3×3の空間フィルタ領域に対しては、約39Kバイト(4953画素×2ライン×4バイト)の容量をもつメモリが空間フィルタ回路の専用メモリ(同回路の一部)として実装される。
近年、製品の高画質化や機能強化のために画像処理装置には種々の画像処理回路が必要となる。しかしながら、画像処理回路はCPUのようにプログラムを交換すれば、処理内容を変更できるというものではない。よって、多岐に渡る製品の動作モードの変更により、画像処理装置の種々の画像処理回路のうち、ある画像処理回路は動作させられ、別の画像処理回路は不必要であるために一時的に停止させられるという状況が起こる。
このとき、停止状態の画像処理回路付属の専用メモリも同時に停止し、動作中の他の画像処理回路から使用することはできない。上述の説明で示したように画像処理回路に専用メモリとして接続されるメモリ容量は非常に大きく、専用メモリの回路規模は画像処理LSI全体の中で占める割合は大きい。これらのメモリは一時的に無駄となってしまい、ハードウェア資源が有効活用されない(画像処理LSI全体の活性率が向上しない)。
特開2007−67956号公報
このように複数画像処理回路を含む画像処理装置において、動作モードにより一時的に停止状態の画像処理回路付属の専用メモリが、動作中の他の画像処理回路から使用できないという課題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、複数の画像処理回路の専用メモリを互いに共用することで、一部の画像処理回路が動作しない場合でも、他の動作中の画像処理回路が使用できるような技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明に係る画像処理装置は、
前記画像処理装置の外部の外部記憶に保持されている画像データを部分画像データごとに処理する複数の画像処理手段と、
前記外部記憶とのインタフェースと、前記複数の画像処理手段が共有し、前記インタフェースを介して前記画像処理手段が処理するデータを保持する、前記画像処理装置が内部に有する前記外部記憶より読み書き速度が高速な複数のメモリで構成される共有メモリと、
前記共有メモリに、前記画像処理手段へ前記外部記憶から入力される前記部分画像データであって前記画像処理手段が処理する前の前記部分画像データを一時的に保持する入力バッファ領域と、前記画像処理手段から前記外部記憶へ出力される前記画像処理手段が前記部分画像データを処理した後のデータを一時的に保持する出力バッファ領域と、前記画像処理手段が前記部分画像データを処理するための参照データの記憶領域と、を割り当てるメモリ制御回路と
を有する。
本発明によれば、複数の画像処理回路の専用メモリを互いに共用することで、一部の画像処理回路が動作しない場合でも、当該回路のための領域を他の動作中の画像処理回路に割り当てることができる。これにより、常に画像処理に使用するメモリの活性率を向上させることができる。
画像処理装置10の全体構成の一例を示すブロック図である。 画像処理部150の回路構成の一例を示すブロック図である。 共有メモリ制御回路270の一例を説明する図である。 共有メモリ280のアドレスマップの一例を説明する図である。 未使用メモリのクロックを停止可能な状態の画像処理部の回路構成の一例と、共有メモリのアドレスマップの一例を示す図である。 共有メモリ制御処理の一例を示すフローチャートである。 発明の第4の実施形態に対応するバンド処理の動作の一例を説明する図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1実施形態による画像処理装置10の全体構成の一例を示すブロック図である。図1において、画像読み取り部120は、レンズ124、CCDセンサ126、及びA/D変換部127等を有する。画像読み取り部120において、レンズ124を介しCCDセンサ126に結像された原稿110の画像情報が、CCDセンサ126によりR(Red),G(Green),B(Blue)のアナログ電気信号に変換される。アナログ電気信号に変換された画像情報は、A/D変換部127に入力され、R,G,Bの色毎に補正等が行われた後にアナログ/デジタル変換(A/D変換)される。こうして、デジタル化されたフルカラー信号(デジタル画像信号という)が生成される。1組のR,G,Bで構成されるデジタル画像信号が画像の1画素を表現する。
CPU102は書込用のDMAC(Direct Memory Access Controller)192を制御し、生成されたデジタル画像信号を、共有バス190を介してCPU回路部100のRAM106に画像データとして格納させる。次にCPU102は読出用DMAC194を制御して、RAM106に格納された画像データを読み出して画像処理部150に入力する。
画像処理部150は、入力されたデジタル画像信号に対し、例えばスキャナなどのセンサ・デバイスの読み取り素子の個体差の補正と入力ガンマ補正などの色補正を行い、読み取り画像を正規化して一定水準の画像データを作成する。そしてこれら処理が施されたデジタル画像信号は、CPU102の制御に応じて、書込用DMAC196によりRAM106に再度、格納させる。
画像処理部150は、入力されたデジタル画像信号に対し、その他に入力色補正処理、空間フィルタ処理、色空間変換、および濃度補正処理、印刷のための前処理としての画像処理を施し印刷可能な画像データを作成することもできる。この場合も、上述同様に書込用DMAC196によりRAM106に格納させる。
最後にCPU102は、読出用DMAC198を制御してRAM106に格納された画像処理済みの画像データを読み出し、中間調処理を施して画像印刷(プリンタ)部170へ出力する。この画像印刷(プリンタ)部170は、たとえば、インクジェットヘッドやサーマルヘッド等を使用したラスタプロッタ等の印刷出力部(図示せず)を備えて構成され、入力されたデジタル画像信号により紙上に画像を記録する。
また、CPU回路部100は、演算制御用のCPU102、固定データやプログラムを格納するROM104、データの一時保存やプログラムのロードに使用されるRAM106、及び外部記憶装置108等を備える。CPU回路部100は、画像読み取り部120、画像処理部150、及び画像印刷(プリンタ)部170等を制御し、本実施形態の画像処理装置10のシーケンスを統括的に制御する。
外部記憶装置108は、本実施形態の画像処理装置10が使用するパラメータやプログラムや補正データを記憶するディスク等の記憶媒体であり、RAM106のデータやプログラム等は、外部記憶装置108からロードされる構成としても構わない。
次に、図1の画像処理部150について詳細に説明する。図2は、本実施形態の画像処理部150の回路構成の一例を示すブロック図である。
デジタル画像信号が画像処理部150に入力され、以下に説明する画像処理が実行される。画像処理部150は、画像処理入力回路210、空間フィルタ処理回路(1)220、空間フィルタ処理回路(2)230、色空間変換回路240、出力γ補正回路250、及び画像処理出力回路260を備えて構成される。
以下、画像処理入力回路210、空間フィルタ処理回路(1)220、空間フィルタ処理回路(2)230、色空間変換回路240、出力γ補正回路250、及び画像処理出力回路260について詳細に説明する。
[画像処理入力回路210]
画像処理部150の外部にある読出用DMAC194を経由してデジタル画像信号205が入力される。このデジタル画像信号205はR,G,Bの輝度信号で構成される。画像処理入力回路210は、ダブルバッファ構成のメモリを制御可能でデジタル画像信号205を受け取りながら、一旦バッファに格納する。また一方で前回バッファに格納したデジタル画像信号を読み出してデジタル画像信号215として出力する。
[空間フィルタ処理回路(1)220/空間フィルタ処理回路(2)230]
画像処理入力回路210から出力されたデジタル画像信号215が、空間フィルタ処理回路(1)220に入力される。空間フィルタ処理回路(1)220は、フィルタ処理を行うための遅延メモリを制御可能であり、すでに遅延メモリに蓄積されたデジタル画像信号と入力されたデジタル画像信号215をもとに平滑化やエッジ強調といった局所(近傍)画像処理を行う。処理結果は、デジタル画像信号225として出力される。処理と同時に、既に遅延メモリに蓄積されたデジタル画像信号のうち、不必要なデジタル画像信号を入力されたデジタル画像信号215と置き換える。
また空間フィルタ処理回路(2)230も、デジタル画像信号225の入力を受け、空間フィルタ処理回路(1)220と同様な処理を行い、デジタル画像信号235として出力する。
[色空間変換回路240]
空間フィルタ処理回路(2)230から出力されたデジタル画像信号235が、色空間変換回路240に入力される。色空間変換回路240は色変換のための3D−LUTや4D−LUTを保持するメモリを制御可能である。色空間変換回路240は、3D−LUTから参照データを取得して補間演算を行い、入力されたデジタル画像信号235の輝度信号R,G,Bを別色空間の輝度信号R',G',B'や濃度信号C,M,Yや濃度信号C,M,Y,Kに変換する。変換結果は、デジタル画像信号245として出力される。また入力されたデジタル画像信号235が、濃度信号C,M,Y,Kの4成分の場合、色空間変換回路240は、4D−LUTから参照データを取得して補間演算を行う。デジタル画像信号235の濃度信号C,M,Y,Kは、別の濃度信号C',M',Y',K'に変換され、デジタル画像信号245として出力される。
[出力γ補正回路250]
色空間変換回路240から出力されたデジタル画像信号(輝度信号R',G',B'、濃度信号C,M,Yなど)245が、出力γ補正回路250に入力される。出力γ補正回路250は出力デバイス機器固有の色補正を行うための1D−LUTを保持するメモリを制御可能である。出力γ補正回路250は、1D−LUTから参照データを取得して補間演算を行い、入力されたデジタル画像信号245を補正し、デジタル画像信号255として出力する。
[画像処理出力回路260]
画像処理出力回路260は、ダブルバッファ構成のメモリを制御可能でデジタル画像信号255を受け取りながら、一旦バッファに格納する。また一方で前回バッファに格納したデジタル画像信号を読み出して画像処理部150の外部にある書込用DMAC196を経由してRAM106へデジタル画像信号265を出力する。
画像処理部150を構成する複数の画像処理回路210〜260は、いずれもメモリを制御して画像処理を行う。各処理回路は、このメモリ制御のために制御ポート272を介して共有メモリ制御回路270を操作する。画像処理回路の各々は、共有メモリ制御回路270に対してメモリ・アクセス方法指定信号274を送付し、共有メモリ制御回路270からメモリ・アクセス終了信号276を受け取り、共有メモリ制御回路270との同期を実現する。また画像処理回路の各々からのメモリ制御がデータ書き込み(ライト)の場合、メモリ・アクセス方法指定信号274の送付と同時もしくは連続して書き込み(ライト)データを画像処理回路の各々は共有メモリ制御回路270へ送付する。
また画像処理回路の各々からのメモリ制御がデータ読み出し(リード)の場合、読み出し(リード)データを画像処理回路の各々は共有メモリ制御回路270から受け取る。メモリ制御がデータ読み出し(リード)の場合には、読み出し(リード)データの受け取りにより、メモリ制御の完了を画像処理回路の各々は判断できる。そこで、メモリ・アクセス終了信号276を省く実装方法でも良いし、読み出し(リード)データの受け取りと同時、もしくは、前もって、もしくは最後にメモリ・アクセス終了信号276を受け取る実装方法でもよい。
共有メモリ制御回路270は、共有メモリ280と読出用DMAC290と書込用DMAC294とに接続される。但し、画像処理回路のすべてが後述するリード・キャッシュ・モードをサポートしない場合、共有メモリ制御回路270は、読出用DMAC290と接続する必要がない。また、画像処理回路のすべてが後述するライト・キャッシュ・モードをサポートしない場合、共有メモリ制御回路270は、書込用DMAC294と接続する必要がない。たとえ画像処理回路のいずれかが、リード・キャッシュ・モードもしくはライト・キャッシュ・モードをサポートする場合であっても、読出用DMAC290と書込用DMAC294とが画像処理部150の外側にあってよい。その際、共有メモリ制御回路270は、読出用DMAC290もしくは書込用DMAC294を制御するための制御ポートと接続する実装方法でかまわない。
本実施形態の共有メモリ280は、1個以上のメモリ(メモリ280−1からメモリ280−Nで図示)で構成されており、画像処理回路210から260の処理性能との兼ね合いで共有メモリを構成すべきメモリの個数が決定される。このとき共有メモリ280は、複数のメモリ(実体)を統合してできる仮想的なメモリである。
またLSI実装において、ある容量のメモリを1個で実装するより、より小さい容量の複数個のサブメモリに分割して実装する方が、回路規模は増加する。これは、1個のメモリには電源を確保するための領域やメモリをテストするためのテスト回路を接続するための領域が必要となるからである。しかしながら、メモリを複数のサブメモリに分割した場合、並列に読み書きできるデータ量が増加するため、1サイクルあたりの処理性能を向上しやすい。画像処理回路210から260は、合計8個の制御ポート272を必要としている。
たとえば、コンシューマ向けのプリンタ用画像処理装置で、画像処理回路210から260の処理性能が1/10[pixel/cycle]でよければ、画像処理回路の各々は10クロックに1回の割合でメモリ制御すればよいこととなる。この場合、共有メモリ280をメモリ(1)280−1だけで実現すればよい。
一方、事務機向けのプリンタ用画像処理装置で、画像処理回路210から260の処理性能が1/1[pixel/cycle]であれば、共有メモリ280を少なくとも10基のメモリ(1)〜(N)(N=10)で実現する必要がある。なお、空間フィルタ処理回路は、データの読み出しと書き込みの2回のメモリ制御を必要とすると仮定した場合、上述のような概算となる。
また共有メモリ制御回路270は、メモリ(1)280−1〜メモリ(N)280−Nを制御するためのチップ・セレクト信号(cs)、リード/ライト識別信号(rw)、アドレス信号(address)、ライトデータ(write_data)を出力する。また、メモリ(1)280−1〜メモリ(N)280−Nから、リードデータ(read_data)を受け取る(これらの信号を、メモリ制御信号284と総称する)。
本実施形態の動作モードに応じた共有メモリ280の使用領域の割り当てについて、図4を用いて説明する。まず、第1の動作モードに対応するcase1記載のアドレスマップは、図2記載の画像処理回路の全てが使用される場合を示している。
画像処理入力回路210で使用するダブルバッファは、入力バッファ410および入力バッファ412を切り替えて使用することで実現される。また空間フィルタ処理回路(1)220は遅延メモリ(1)420を使用し、空間フィルタ処理回路(2)230は遅延メモリ(2)430を使用する。色空間変換回路240は、3次元LUT440を使用し、出力γ補正回路250は1次元LUT(1)450を使用する。画像処理出力回路260で使用するダブルバッファは出力バッファ460および出力バッファ462を切り替えて使用することで実現される。
図4に記載のcase2およびcase3は、第1の動作モードとは異なる第2及び第3の動作モードにおけるアドレスマップの一例と画像処理回路の構成例を示している。case2では前述case1の空間フィルタ処理回路(1)220が停止しており、共有メモリ280の未使用領域をcase1の入力バッファ410と412、遅延メモリ(2)430、出力バッファ460と462で使用する。より具体的処理内容は、第4実施形態において説明する。case2では、3次元LUT440および、1次元LUT(1)450についてはcase1と共有メモリ280上の先頭アドレスは異なるが容量は同じである。
またcase3は、前述case1の空間フィルタ処理回路(1)220、空間フィルタ処理回路(2)230が停止しており、未使用領域は、色空間変換回路240と出力γ補正回路250に割り当てられている。case3の一例では、入力デジタル画像信号がC,M,Y,Kの4色であり、色空間変換回路240が4次元四面体補間法を用いた色空間変換でC',M',Y',K'の4色を出力している。このとき必要となる4D−LUTは前述のように256Kバイトも必要であるため、図示の例ではキャッシュ・データが共有メモリ280の4次元LUT用データキャッシュ440に展開されている。また出力γ補正回路250も4色のデジタル画像信号のための1次元LUT450が割り当てられている。
上記のように画像処理装置10の動作モードにより、停止中の画像処理回路が使用していた共有メモリ280の使用領域を、あるときは画像処理の効率(処理性能)向上のために動作中の別の画像処理回路が使用することができる。また、あるときは高画質化を含む機能向上のために動作中の別の画像処理回路が使用することができる。
図6に記載のフローチャートの処理により、停止中の画像処理回路が使用していた共有メモリ280の使用領域を適切に動作中の別の画像処理回路に割り振る。まず、ステップS601では、CPU回路部100において画像処理の動作モードを決定する。次に、ステップS602では、決定した画像処理の動作モードに基づいて、CPU回路部100が処理回路制御部として機能して、使用する画像処理回路を選定する。さらに、ステップS603では、画像処理部150が他の関連ドメインからデジタル画像データを入出力するためのバッファの容量を読出用DMAC194及び書込用DMAC196の転送量から算出する。続くステップS604以降では、動作モードにより選定された画像処理回路各々に必要となるメモリ容量を画像処理内容に応じて算出する。
まず、ステップS604では、色空間変換回路240を用いた色空間変換を行うか否かを判定する。もし、色空間変換を行う場合(ステップS604において「YES」)、ステップS605に移行する。一方、色空間変換を行わない場合(ステップS604において「NO」)、ステップS606に移行する。
ステップS605では、色空間変換のLUT容量を算出する。色空間変換では、3次元LUTまたは4次元LUTを使用するので、使用するLUTに応じた容量を算出する。前述のように、例えば3D−LUTの場合は16Kバイト、4D−LUTの場合は256Kバイトとなる。その後、ステップS606に移行する。
次に、ステップS606では、出力γ補正回路250による出力γ補正を行うか否かを判定する。もし、出力γ補正を行う場合(ステップS606において「YES」)、ステップS607に移行する。一方、出力γ補正を行わない場合(ステップS606において「NO」)、ステップS608に移行する。ステップS607では、出力γ補正に使用する4色のデジタル画像信号のための1次元LUT450の容量を算出する。
続くステップS608では、空間フィルタ処理回路(1)220を使用するか否かを判定する。もし、空間フィルタ処理回路(1)220を使用する場合(ステップS608において「YES」)、ステップS609に移行する。ステップS609では、遅延メモリ容量を算出し、ステップS610に移行する。このとき必要で有れば、バンド高さを算出する。バンド高さの算出については、第4の実施形態において詳細を後述する。一方、空間フィルタ処理回路(1)220を使用しない場合(ステップS608において「NO」)、ステップS610に移行する。
続くステップS610では、空間フィルタ処理回路(2)230を使用するか否かを判定する。もし、空間フィルタ処理回路(2)230を使用する場合(ステップS610において「YES」)、ステップS611に移行する。ステップS611では、遅延メモリ容量を算出する。このとき必要で有ればバンド高さを算出する。一方、空間フィルタ処理回路(2)230を使用しない場合(ステップS610において「NO」)、ステップS612に移行する。
続くステップS612では、共有メモリ280の使用領域の割当てを決定する。続くステップS613では未使用のメモリの有無を判定し、もし未使用のメモリが存在する場合(ステップS613において「YES」)、ステップS614に移行する。一方、未使用のメモリが存在しない場合(ステップS613において「NO」)、ステップS615に移行する。
ステップS614では、未使用のメモリに対するクロック供給が停止され、ステップS615に移行する。ステップS615では、決定された共有メモリ280の割り当てに従い、共有メモリ制御回路の変換テーブルに所定の値を予め設定する。ステップS616では、ステップS601において決定された動作モードにおける画像処理を実行する。
以下、図3を参照して共有メモリ制御回路の動作と画像処理回路との連携について、より詳細な説明を行う。
図3記載のブロック図は、共有メモリ制御回路270の詳細を示している。画像処理回路の各々は、共有メモリ制御回路270との間で接続される制御ポート272を介し、前述のメモリ・アクセス方法指定信号を命令キュー314に入力する。
制御ポート272には、各画像処理回路に対して1つのポート311が配置されている。ポート311は、命令キュー314と、命令完了キュー316とを有する。命令キュー314には、各画像処理回路からの共有メモリ280に対するメモリ・アクセス方法指定信号が書き込まれる。また、命令完了キュー316には、メモリへの制御の終了を通知するメモリ制御終了信号、又は、共有メモリ280からの読み出し(リード)データが書き込まれる。
メモリ・アクセス調停回路310は優先順位付けに従い、画像処理回路の各々から入力された制御ポートの命令キュー314のメモリ・アクセス方法指定信号を取り出し、変換テーブル370へ送付する。
メモリ・アクセス方法指定信号は、メモリ・アクセス方法を識別するためのID(タグ)と、メモリアクセス位置を特定するための相対開始アドレス(ポインタ)からなる。また変換テーブル370を構成する1エントリのテーブル値は、共有メモリのアドレスマップ上の開始アドレスと容量(ワード数)と1命令で実行すべきメモリ制御回数とメモリ・アクセス方法で構成される。
本実施形態におけるメモリ・アクセス方法には、書き込み(Write)、読み出し(Read)、読み出し後の書き込み(Read&Write)、リード・キャッシュ、ライト・キャッシュの5通りがある。これらのメモリ・アクセス方法には、それぞれID(タグ)が割り当てられる。変換テーブル370からは、当該ID(タグ)に従って予め登録された画像処理のためのメモリ・アクセスを実現するためのテーブル値を取得する。
以下に各メモリ・アクセス方法の動作を簡単に説明する。
[書き込み(Write)]
テーブル値のメモリ・アクセス方法が書き込み(Write)の場合、相対開始アドレス(ポインタ)と開始アドレスの加算結果からメモリ制御回数だけ連続で共有メモリに書き込み(ライト)データを書き込む。
[読み出し(Read)]
テーブル値のメモリ・アクセス方法が読み出し(Read)の場合、相対開始アドレス(ポインタ)と開始アドレスの加算結果からメモリ制御回数だけ連続で共有メモリから読み出し(リード)データを読み出す。
[読み出し後の書き込み(Read&Write)]
テーブル値のメモリ・アクセス方法が読み出し後の書き込み(Read&Write)の場合、相対開始アドレス(ポインタ)と開始アドレスの加算結果からメモリ制御回数だけ連続で共有メモリから読み出し(リード)データを読み出す。その後、共有メモリの同アドレスに書き込み(ライト)データを書き込む。
[ライト・キャッシュ]
テーブル値のメモリ・アクセス方法がライト・キャッシュの場合、相対開始アドレス(ポインタ)をキャッシュのタグ番号に見立て、キャッシュのヒット/ミスヒットを判定する。ヒットであれば相対開始アドレス(ポインタ)と開始アドレスの加算結果からメモリ制御回数だけ連続で共有メモリに書き込み(ライト)データを書き出す。
また、ミスヒットであれば相対開始アドレス(ポインタ)と開始アドレスの加算結果からメモリ制御回数だけ連続で共有メモリの所定アドレスのデータを書込用DMACコントローラ360で書込用DMACを制御する。一端RAM106へ書き込む。その後共有メモリの所定アドレスに書き込み(ライト)データを書き込む。
[リード・キャッシュ]
テーブル値のメモリ・アクセス方法がリード・キャッシュの場合、相対開始アドレス(ポインタ)をキャッシュのタグ番号に見立て、キャッシュのヒット/ミスヒットを判定する。ヒットであれば相対開始アドレス(ポインタ)と開始アドレスの加算結果から、メモリ制御回数だけ連続で共有メモリから読み出し(リード)データを読み出す。また、ミスヒットであれば相対開始アドレス(ポインタ)と開始アドレスの加算結果から、メモリ制御回数だけ連続で読出用DMACコントローラ350で読出用DMACを制御する。そして、RAM106から読み出し(リード)データを再取得し、共有メモリの所定アドレスに(リード)データを書き込むと同時に読み出し(リード)データを読み出す。
上記メモリ・アクセス方法毎の制御は、制御回路380で行われる。制御回路380は、キャッシュのヒット/ミスヒットを判定するキャッシュタグ判定回路、FIFOポインタ回路、読出用回路(READ)、書込用回路(WRITE)と、各回路への入出力を制御するセレクタ(sel)を含む。
制御回路380からは、共有メモリ280へのアクセス先を規定する所定アドレスとメモリ制御回数とがメモリ制御回路330に送られる。メモリ制御回路330は、所定アドレスとメモリ制御回数から、メモリ(1)からメモリ(N)のいずれに対するメモリ制御であるかを判別する。メモリ制御回路330は、メモリ制御信号を生成してメモリ(1)からメモリ(N)に対して読み書きを行う。
SRAMコントローラ340−1から340−Nと読出用DMACコントローラ350、および書込用DMACコントローラ360には、メモリ制御回数だけ連続でメモリ制御を行うためにシーケンサ345がそれぞれ搭載されている。
SRAMコントローラ340−1から340−Nと読出用DMACコントローラ350、および書込用DMACコントローラ360は、書き込みであれば、メモリ制御終了信号をリード・データ取得回路320に送る。また、読み出しであれば読出(リード)データもしくは及びメモリ制御終了信号をリード・データ取得回路320に送る。メモリ制御終了信号は、画像処理回路の各々の制御ポート272にある命令完了キュー316へ入力され、画像処理回路の各々がメモリ制御終了信号もしくは、および読み出し(リード)データを得る。
以下、各画像処理回路におけるメモリ・アクセス方法を説明する。
画像処理入力回路210は、ダブルバッファ構成を実現する必要があり、読出用DMAC194からの入力デジタル画像データを随時、メモリ・アクセス方法を「書き込み(Write)」を指定して共有メモリへ書き込む。また前回バッファに格納済みのデジタル画像データを後段画像処理回路へ送る場合は、メモリ・アクセス方法を「読み出し(Read)」を指定して共有メモリからデジタル画像データを読み出す。
空間フィルタ処理回路(1)220と空間フィルタ処理回路(2)230は遅延メモリを制御する。遅延メモリ制御の場合、メモリ・アクセス方法を「読み出し後の書き込み(Read&Write)」を指定して共有メモリの読み出しと書き込みを同時に行う。
色空間変換回路240と出力γ補正回路250はLUTを制御する。LUT制御の場合、メモリ・アクセス方法を「読み出し(Read)」を指定して共有メモリからデジタル画像データを読み出す。
色空間変換回路240が4次元LUTから読み出し(リード)データを読み出す場合に、全てのLUTを共有メモリへ納めることができない場合は、メモリ・アクセス方法を「リード・キャッシュ」を指定する。これにより、共有メモリからLUT参照時にキャッシュ機能を付加する。
画像処理出力回路260は、ダブルバッファ構成を実現する必要があり、画像処理回路からの出力デジタル画像データを随時、メモリ・アクセス方法を「書き込み(Write)」を指定して共有メモリへ書き込む。また前回バッファに格納済みのデジタル画像データをDMAC(Write)を介してRAM106へ送る場合は、メモリ・アクセス方法を「読み出し(Read)」を指定して共有メモリから出力デジタル画像データを読み出す。
以上、複数画像処理回路においてメモリを共有するための制御方法を説明したが、以上の内容は一例である。よって、メモリ・アクセス方法指定信号のID(タグ)と相対開始アドレス(ポインタ)は、必ずしも上述の通り出なくてもよい。また、変換テーブル370を構成する1エントリのテーブル値である、共有メモリのアドレスマップ上の開始アドレスと容量(ワード数)と1命令で実行すべきメモリ制御回数とメモリ・アクセス方法も、必ずしも上述のような回路構成でなくとも構わない。たとえば変換テーブル370の実装は行わず、上記のメモリ制御を行うための情報をすべてメモリ・アクセス方法指定信号に入れても構わない。
[第2の実施形態]
第1の実施形態ではメモリ・アクセス方法を一般的なメモリ制御要件で定義し、画像処理回路がそれらを組み合わせて共有メモリへの読み書きを実現した。
具体的には、画像処理入力回路210は、2つのメモリ・アクセス方法である[書き込み(Write)]と[読み出し(Read)]を組み合わせた。実際には変換テーブルに4つのメモリ・アクセス方法(入力バッファ[A]410への[書き込み(Write)]と[読み出し(Read)]、入力バッファ[B]412への[書き込み(Write)]と[読み出し(Read)])を登録する。その上で、画像処理入力回路210が4つの変換テーブル値のうち2つを選びダブルバッファを実現していた。
これに対し第2の実施形態ではメモリ・アクセス方法を画像処理回路特有の要件で定義する。つまり、上述の画像処理入力回路210に対しては、メモリ・アクセス方法としてダブル・バッファ・モードを定義する。そして、メモリ・アクセス方法指定信号の相対開始アドレス(ポインタ)の指定により入力バッファ[A]410と入力バッファ[B]412を共有メモリ制御回路側で自動的に切り替える。
また空間フィルタ処理回路(1)220および(2)230のメモリ・アクセス方法に対しては上述の[読み出し後の書き込み(Read&Write)]を遅延バッファ(FIFO)モードとして定義する。このとき変換テーブルに遅延バッファの容量とは別にリング式FIFOの長さを登録してもよい。また色空間変換回路240と出力γ補正回路250のメモリ・アクセス方法に対しては上述の[読み出し(Read)]をルックアップテーブル・モードとして定義する。このとき変換テーブルにLUTの読み出し方を共有メモリの所定アドレスから連続に読み出すのではなく、特開2007−67956号公報に記載の4面体補間に必要な頂点を連続的に読み出すことを共有メモリ制御回路側で自動的に行う実装方法であってもよい。
またメモリ・アクセス方法指定信号のID(タグ)が、第1実施形態のような変換テーブルのエントリ番号を示すのではなく、画像処理内容を示す固有の番号とする実装方法であってもよい。
[第3の実施形態]
図5は、本実施形態を示し、未使用メモリのクロックを停止可能な状態の画像処理部の回路構成の一例と共有メモリのアドレスマップの一例を説明する図である。図5の回路構成では共有メモリは同容量のメモリ(1)280−1、メモリ(2)280−2、メモリ(3)280−3、およびメモリ(4)280−4の4個のメモリにより構成されている。またアドレスマップも図5に示すようにメモリ(1)、メモリ(2)、メモリ(3)、メモリ(4)の順で同容量ずつ割り振られているとする。
図5の回路構成にあるように、画像処理装置10のすべての画像処理回路の中で動作モードにより、画像処理入力回路210、空間フィルタ処理回路(1)220、および画像処理出力回路260だけが動作し、それ以外が停止しているとする。このとき共有メモリ280の指定領域を図5記載のメモリマップのように、共有メモリを構成するメモリ(1)280−1の領域に収まるように割り当てる。或いは、使用領域が複数のメモリ間に分散しないように、できるだけまとめるようにして、領域が割り当てられないメモリが存在するように割当てを調整する。
この結果、図5の場合ではメモリ(2)280−2からメモリ(4)280−4は未使用となり、画像処理に使用されない。そして、画像処理回路の消費電力を下げるために余剰なメモリのクロックを停止することができる。それ以外の場合でも、領域が割り当てられないメモリについてはクロックを停止して、消費電力を下げることができる。
画像処理回路の各々が専用メモリと接続されている場合は、動作モードにより未使用の画像処理回路とその専用メモリに対するクロックを停止し、消費電力を押さえることが可能である。その一方、本発明では動作モードによる共有メモリの指定領域を操作することで、消費電力を抑制することができる。
[第4の実施形態]
特開2006−139606号公報に記載されるように、エッジ強調処理やぼかし処理といった局所(近傍)画像処理の空間フィルタ処理回路に必要な遅延メモリ容量を小さくすることができる。たとえば、図7のデジタル画像データ700に対してエッジ強調処理やぼかし処理といった局所画像処理を施すとする。このときデジタル画像データを領域ごとに分割し、別々の領域ごとに局所画像処理を行なう。一般に、かかる技術では、図7の(a)〜(d)に示されるように、1枚のデジタル画像データ全体が帯状(短冊状)に分割され、逐次的に領域毎に各種の画像処理が行なわれる。
この分割された細長い領域をバンド領域と呼び、バンド領域が展開される記憶領域をバンドメモリと呼び、画像を分割する行為をバンド分割と呼ぶ。バンドメモリは、メインメモリ内に記憶領域として確保されると決まっているわけではなく、システム上のどの記憶領域に確保してもよいが、ここでは、説明を簡潔にするためにバンドメモリをメインメモリ内に確保する場合を例に挙げて説明する。
また、デジタル画像データの座標系(主走査方向−副走査方向)は、図7の(e)に示すように、長さ方向、高さ方向という新たな座標系(バンド領域座標系)を定義し、バンド領域を長さ×高さで表現する。バンド領域は、長さ及び高さのいずれかが必ずデジタル画像データの主走査方向の幅、或いは、副走査方向の高さの値を有するように設定される。例えば、バンド領域の長さをデジタル画像データの主走査方向の幅に合わせる場合、バンドの高さは任意の値となる。一方、バンド領域の高さをデジタル画像データの副走査方向の高さに合わせる場合、バンドの長さは任意の値となる。
バンド処理について詳しく説明する。まず、図7の(a)に示す第1のバンド領域701を、メインメモリ上のバンドメモリに展開して画像処理を行なう。次に、図7の(b)に示す第2のバンド領域702を第1のバンド領域701が展開されたバンドメモリに上書き展開して画像処理を行なう。さらに、図7の(c)に示す第3のバンド領域703を第2のバンド領域702が展開されたバンドメモリに上書き展開して画像処理を行なう。最後に、図7の(d)に示す第4のバンド領域704を第3のバンド領域703が展開されたバンドメモリに上書き展開して画像処理を行なう。
図7の(a)〜(d)で明らかなように、バンド領域701〜704の長さは同じであるが、高さは同じである必要性はない。図7では、バンド領域701〜703は同じ高さを有し、バンド領域704はそれよりも低い高さを有している。よって、メインメモリに確保される記憶領域であるところのバンドメモリの高さは、高さ方向のサイズが最も大きいバンド領域(図7の場合、第1〜第3のバンド領域701〜703)によって決定される。
かかる技術では、各バンド領域間で隙間なく局所画像処理を行なうために、各バンド領域が、夫々隣接する領域との境界で一部分が互いに重なり合うように工夫している。また、特開2006−139606号公報では各バンド領域の高さと同一の方向に1画素ずつ画素を走査し、局所画像処理に必要な処理画素を保持する遅延メモリの容量を各バンド領域の高さの大きさで規定する。これにより、この遅延メモリの省メモリ化を実現している。
通常、例に挙げた局所画像処理を行うためには、紙面の横幅の画素数の整数(空間フィルタ処理のタップ数−1)倍の容量の遅延メモリが必要となる。かかる技術では、遅延メモリ容量は紙面の大きさにより決定し、変更することができない。しかしながら特開2006−139606号公報では、遅延メモリ容量は分割したバンド高さの整数(空間フィルタ処理のタップ数−1)倍となるが、バンド分割数に応じて任意のバンド高さを指定できるため、遅延メモリ容量を変更することができる。
本実施形態では、この遅延メモリ容量を変更できるという特徴を利用する。つまり、共有メモリの空き容量(共有メモリ上に確保できる遅延メモリ容量)と空間フィルタ処理のタップ数に応じて下記の式1によりバンド高さを算出する。
バンド高さ =共有メモリ上に確保できる遅延メモリ容量/(タップ数-1)/(1画素のデータ量)・・・(式1)
本発明によれば、画像処理装置10の画像処理回路の一部が動作しない場合でも、常に他の動作中の画像処理回路がメモリを使用し、画像処理用に実装されたメモリを有効活用でき、LSI全体のメモリの活性率を向上できる。また、各画像処理回路は接続先のメモリが共有されていることを意識する必要がないため、各画像処理回路にとってメモリ制御方法は容易で、各画像処理回路の設計も容易となる。
また、従来は各画像処理回路に付属する専用メモリは各々の処理内容に応じて様々な大きさを持ち、各々偏在していた。これに対し本発明は、ある程度の大きさのメモリ(多くの場合、同一容量が望ましい)を統合して1つの仮想的な共有メモリとして構成するため、LSI開発時の回路の配置配線も容易となる。
さらに、複数画像処理回路のうち動作モードの指定により動作する画像処理回路のメモリの総量より共有メモリの容量が大きければよいので、従来のように複数画像処理回路のすべてのメモリの総量をLSIに実装する必要はない。よって、トータルとして搭載されるメモリの回路規模は小さくなる。
また、バンド分割して逐次的に画像処理を行う方法では、空間フィルタ回路などの局所画像処理に使用する遅延メモリの容量は、空間フィルタのタップ数とバンド高さに依存する。このような画像処理では、バンド高さに対する空間フィルタのタップ数の割合により、重複して再送される画素数が変わり、バンド高さが大きいほど画像処理の効率が良い。本発明の共有メモリとバンド分割して逐次的に画像処理を組み合わせることで、より柔軟な画像処理を実現することができる。具体的には、機能を重視し動作モードにより動作する画像処理回路が非常に多い場合、当然共有メモリの空き容量は小さくなる。このとき、共有メモリの空き領域と空間フィルタのタップ数から、実行可能なバンド高さを算出し、効率は落ちるが所定のバンド高さ毎の逐次的な画像処理を行う。また逆に動作モードにより動作する画像処理回路が非常に少ない場合、当然共有メモリの空き容量も多くなり、できるだけ大きなバンド高さを設定することで効率的な画像処理を行うことができる。つまり、共有メモリの空き領域に応じてバンド高さを調節し、画像処理の機能と効率をトレードオフし、柔軟な画像処理を実現することができる。
以上の各実施形態では、本発明を、複数の画像処理回路を有する画像処理装置として説明したが、発明の実施形態は画像処理装置に限定されるものではない。即ち、複数の処理回路を含む情報処理装置において、動作モードにより一時的に停止状態の処理回路付属の専用メモリが動作中の他の処理回路から使用できないという課題を解決するために本発明を提供することができる。このような情報処理装置では、複数の処理回路の専用メモリを互いに共用させてことで、一部の処理回路が動作しない場合でも、当該回路のための領域を他の動作中の処理回路に割り当てることができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した機能を実現するコンピュータプログラムのコードを記録した記憶媒体を、システムに供給し、そのシステムがコンピュータプログラムのコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたコンピュータプログラムのコード自体が前述した実施形態の機能を実現し、そのコンピュータプログラムのコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。また、そのプログラムのコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した機能が実現される場合も含まれる。
さらに、以下の形態で実現しても構わない。すなわち、記憶媒体から読み出されたコンピュータプログラムコードを、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。そして、そのコンピュータプログラムのコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行って、前述した機能が実現される場合も含まれる。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するコンピュータプログラムのコードが格納されることになる。
10:画像処理装置10、100:CPU回路部、150:画像処理部、280:共有メモリ

Claims (14)

  1. 画像処理装置であって、
    前記画像処理装置の外部の外部記憶に保持されている画像データを部分画像データごとに処理する複数の画像処理手段と、
    前記外部記憶とのインタフェースと、
    前記複数の画像処理手段が共有し、前記インタフェースを介して前記画像処理手段が処理するデータを保持する、前記画像処理装置が内部に有する前記外部記憶より読み書き速度が高速な複数のメモリで構成される共有メモリと、
    前記共有メモリに、前記画像処理手段へ前記外部記憶から入力される前記部分画像データであって前記画像処理手段が処理する前の前記部分画像データを一時的に保持する入力バッファ領域と、前記画像処理手段から前記外部記憶へ出力される前記画像処理手段が前記部分画像データを処理した後のデータを一時的に保持する出力バッファ領域と、前記画像処理手段が前記部分画像データを処理するための参照データの記憶領域と、を割り当てるメモリ制御回路と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記参照データは、前記画像処理手段が使用するキャッシュされたデータであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記参照データは、前記画像処理手段が使用するルックアップテーブルであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記メモリ制御回路では、前記画像処理装置の画像処理モードが使用する画像処理手段によって、前記共有メモリに割り当てる前記参照データの記憶領域に記憶する参照データの種類を異ならせることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記入力バッファ領域は、DMA転送量に基づいて割り当てられることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記出力バッファ領域は、DMA転送量に基づいて割り当てられることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  7. 前記外部記憶から前記入力バッファ領域にDMA転送により、前記画像処理手段が処理する前の前記部分画像データを入力することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  8. 前記入力バッファ領域には、ダブルバッファ可能な記憶領域を確保することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  9. 前記出力バッファ領域には、ダブルバッファ可能な記憶領域を確保することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  10. 前記画像処理手段が処理する前の前記部分画像データのデータ量と、前記画像処理手段が処理した後の前記部分画像データのデータ量とが予め定められてることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  11. 前記メモリ制御回路は、前記入力バッファ領域と前記出力バッファ領域と前記参照データの記憶領域とを割り当てた残りの領域の共有メモリへのクロック供給を停止することを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
  12. 前記外部記憶から新しい部分画像データが入力されると、前記入力バッファ領域と前記出力バッファ領域とに保持されるデータが新しい部分画像データに上書きされることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 画像処理装置の外部の外部記憶に保持されている画像データを部分画像データごとに処理する複数の画像処理手段と、
    前記外部記憶とのインタフェースと、
    前記複数の画像処理手段が共有し、前記インタフェースを介して前記画像処理手段が処理するデータを保持する、前記画像処理装置が内部に有する前記外部記憶より読み書き速度が高速な複数のメモリで構成される共有メモリと、
    を有する画像処理装置の制御方法であって、
    前記共有メモリに、前記画像処理手段へ前記外部記憶から入力される前記部分画像データであって前記画像処理手段が処理する前の前記部分画像データを一時的に保持する入力バッファ領域と、前記画像処理手段から前記外部記憶へ出力される前記画像処理手段が前記部分画像データを処理した後のデータを一時的に保持する出力バッファ領域と、前記画像処理手段が前記部分画像データを処理するための参照データの記憶領域と、を割り当てるメモリ制御工程を有する、画像処理装置の制御方法。
  14. コンピュータを、
    画像処理装置の外部の外部記憶に保持されている画像データを部分画像データごとに処理する複数の画像処理手段と、
    前記外部記憶とのインタフェースと、
    前記複数の画像処理手段が共有し、前記インタフェースを介して前記画像処理手段が処理するデータを保持する、前記画像処理装置が内部に有する前記外部記憶より読み書き速度が高速な複数のメモリで構成される共有メモリに、前記画像処理手段へ前記外部記憶から入力される前記部分画像データであって前記画像処理手段が処理する前の前記部分画像データを一時的に保持する入力バッファ領域と、前記画像処理手段から前記外部記憶へ出力される前記画像処理手段が前記部分画像データを処理した後のデータを一時的に保持する出力バッファ領域と、前記画像処理手段が前記部分画像データを処理するための参照データの記憶領域と、を割り当てるメモリ制御手段
    として機能させるためのプログラム。
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