JP2004273948A - 半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体発光素子の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子の電気光学特性を正確に評価することができる半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る半導体発光素子評価装置20は、ウエハ10表面に形成された半導体発光素子12から放出される光量を測定するための受光装置22と、半導体発光素子12に電流を供給するためのプローブ電極24と、受光装置22と半導体発光素子12との間に配置された、半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くための光導波路26とを備えている。また、光導波路26は、その断面形状が外側に凸であり、その側面から光導波路26の内部に向かう法線とウエハ10側の端面の法線とのなす角が90°以下であり、かつ空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る半導体発光素子評価装置20は、ウエハ10表面に形成された半導体発光素子12から放出される光量を測定するための受光装置22と、半導体発光素子12に電流を供給するためのプローブ電極24と、受光装置22と半導体発光素子12との間に配置された、半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くための光導波路26とを備えている。また、光導波路26は、その断面形状が外側に凸であり、その側面から光導波路26の内部に向かう法線とウエハ10側の端面の法線とのなす角が90°以下であり、かつ空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法に関し、さらに詳しくは、半導体レーザ、発光ダイオード等の半導体発光素子の光出力、発光スペクトル等の電気光学特性を評価するための半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザ、発光ダイオード等の半導体発光素子は、一般に、ウエハ上にp型半導体領域、n型半導体領域、電極等を所定の順序で形成することによって製造され、ウエハ上には多数個の半導体発光素子が同時に作り込まれる。また、ウエハ上に作り込まれた半導体発光素子は、個々のチップに切断された後、適当な支持体上に固定され、さらに電極にリード線が接合されて、個々の製品となる。
【0003】
このような方法により製造された半導体発光素子は、電流電圧特性や、逆耐圧などの電気特性の他、光出力・発光スペクトルなどの電気光学特性の評価が必要である。しかしながら、ウエハから切断された後の個々のチップ毎に電気光学特性の評価を行うのは、極めて効率が悪いという問題がある。そのため、半導体発光素子の電気光学特性をウエハの段階で検査する方法に関し、従来から種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、発光素子と受光素子との位置合わせを容易化し、かつ発光素子の光出力を高精度、高信頼でかつ安価に測定することを可能とするために、受光装置の受光面をウエハ上に形成された発光素子に対して斜め方向に配置した半導体検査装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ウエハ基板に対してほぼ垂直な発光端面を持つ端面発光型発光光半導体素子の電気光学特性を評価するために、ウエハ上の検査すべき端面発光型発光光半導体素子より発せられる光のうち、ウエハ基板面に対して光出射方向で5度から35度までの角度範囲内の光が入射する位置に、受光装置の受光面を配置した半導体検査装置が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、底部に開口を有する筒状又は柱状の治具内に光ファイバを挿入したプローブをウエハ上の発光素子の鉛直上方に近接させ、発光素子から放出される光を光ファイバを介して測定系に導く面発光・受光素子の検査装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−201945号公報の図2
【特許文献2】
特開平11−340512号公報の請求項1及び図1
【特許文献3】
特開平5−183192号公報の請求項1及び図1
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
半導体発光素子は、その構造によって、光の放射方向、放射角度、放射強度の分布等が異なっている。例えば、半導体レーザから放出される光は、一定方向に集中する性質を有しているが、発光ダイオードから放出される光は、一般に、放射光束が一定方向に集中せず、円錐形となる。
【0009】
また、半導体レーザは、一般に、ウエハ面に対して平行に活性層が形成されるので、ウエハ面に対して垂直な面(端面)が発光面となる。一方、発光ダイオードには、ウエハ面と平行な面から発光する面発光型と、端面から発光する端面発光型とがある。
【0010】
さらに、図7に示すように、面発光型の通常の発光ダイオード(図7中、「Conv」と表示)は、ウエハ面に対して垂直な方向の放射強度が最も強く、ウエハ面の法線方向と測定方向とのなす角が大きくなるほど放射強度が弱くなる、いわゆる「ランバート分布」を示し、しかも、このランバート分布は、温度によって変化しないことが知られている。
【0011】
一方、図7に示すように、共鳴キャビティ発光ダイオード(RCLED。図7中、「RC1」及び「RC2」は、それぞれ、構造の異なるRCLEDを示す。)は、放射強度の分布がランバート分布からはずれており、ウエハの法線方向に対して傾いた方向に放射強度の最大値がある。しかも、RCLEDの放射強度の分布は、デバイスの構造、温度等によって変化することが知られている。
【0012】
これらの半導体発光素子の内、ランバート分布のような一様な放射強度分布を持つものについては、特許文献3に開示されているように、光ファイバを用いて鉛直方向に放射される光のみを捉えるだけでも、かなり正確に電気光学特性を評価することができる。しかしながら、特許文献1、2に開示されるように、受光装置の受光面をウエハに対して傾けると、鉛直方向に放射される光を受光装置に導くことができなくなり、正確な電気光学特性の評価が困難になる。
【0013】
また、例えば、RCLEDのように、放射強度の分布がデバイス構造や温度で変化する半導体発光素子について正確な電気光学特性を評価するためには、鉛直方向に放射される光だけでなく、横方向に放射される光も取り込む必要がある。
【0014】
しかしながら、特許文献3に記載された検査装置は、素子から放射される光を測定系に導く光導波路として、その周囲に低屈折率層がクラッドされた(すなわち、開口数の小さい)光ファイバが用いられている。そのため、これをRCLEDのような半導体発光素子の評価に用いた場合には、半導体発光素子から放射される光のうち、入射角が一定値以下の光のみが光ファイバに導入されるので、正確な電気光学特性の評価ができないという問題がある。
【0015】
同様に、特許文献1、2に記載された検査装置は、受光装置の受光面に放射される光のみが受光装置に導かれ、他の方向の光を捉えることができない。そのため、これをRCLEDのような半導体発光素子の評価に用いた場合には、正確な電気光学特性の評価ができないという問題がある。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、半導体発光素子の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子の電気光学特性を正確に評価することができる半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る半導体発光素子評価装置は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置と、前記半導体発光素子に電流を供給するためのプローブ電極と、前記受光装置と前記半導体発光素子との間に配置された、前記半導体発光素子から放出される光を前記受光装置に導くための光導波手段とを備え、該光導波手段は、空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなることを要旨とする。
【0018】
また、本発明に係る半導体発光素子の評価方法は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子と該半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置との間に、空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなる光導波手段を配置し、プローブ電極を用いて前記半導体発光素子に電流を供給し、前記半導体発光素子から放出される光を前記光導波手段を介して前記受光装置に導くことを要旨とする。
【0019】
光導波手段として、所定の屈折率nを有する高屈折率体を用いると、その開口数が大きくなるので、相対的に入射角が大きい光であっても光導波手段に入射する。また、光導波手段が所定の形状を有している場合には、光導波手段に入射した光がその側面において全反射され、受光装置に到達する。そのため、放射強度の分布が一様でない半導体発光素子、あるいは、放射強度の分布がデバイス構造や温度によって変化する半導体発光素子であっても、その電気光学特性を正確に評価することができる。
【0020】
また、本発明に係る半導体発光素子評価装置の2番目は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置と、前記半導体発光素子に電流を供給するためのプローブ電極と、前記受光装置と前記半導体発光素子の間に配置された、前記半導体発光素子から放出される光を前記受光装置に導くための光導波手段とを備え、前記光導波手段は、その内面の形状が回転楕円体であり、前記ウエハ側の開口部及び前記受光装置側の開口部にそれぞれ前記回転楕円体の焦点を有し、かつその内面が鏡面である中空体からなることを要旨とする。
【0021】
また、本発明に係る半導体発光素子の評価方法の2番目は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子と該半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置との間に、その内面の形状が回転楕円体であり、前記ウエハ側の開口部及び前記受光装置側の開口部にそれぞれ前記回転楕円体の焦点を有し、かつ、その内面が鏡面である中空体からなる光導波手段を配置し、プローブ電極を用いて前記半導体発光素子に電流を供給し、前記半導体発光素子から放出される光を前記光導波手段を介して前記受光装置に導くことを要旨とする。
【0022】
光導波手段として開口部に焦点を有する回転楕円体からなり、かつ内面が鏡面である中空体を用い、1つの焦点が受光装置の受光面にあり、他の焦点が半導体発光素子上に来るように光導波手段を配置すると、半導体発光素子から放射されるほぼすべての光が光導波手段の内面において1回だけ反射され、受光装置に到達する。そのため、放射強度の分布が一様でない半導体発光素子、あるいは、放射強度の分布がデバイス構造や温度によって変化する半導体発光素子であっても、その電気光学特性を正確に評価することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)及び図1(b)に、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置(以下、これを「評価装置」という。)の概略構成図及びそのA−A’線断面図を示す。なお、図1においては、半導体発光素子と評価装置との配置を明確にするために、各部の大きさ、距離等は、適宜、実際の寸法より拡大して描いてある。
【0024】
図1において、評価装置20は、受光装置22と、プローブ電極24と、光導波路(光導波手段)26とを備えている。受光装置20は、ウエハ10表面に作り込まれた半導体発光素子12から放出される光を測定するための装置である。受光装置20で受光された光は、フォトダイオード(図示せず)等により電気信号に変換され、光の出力や光の波長スペクトルの評価に供される。
【0025】
プローブ電極24は、評価対象である半導体発光素子12に電流を供給するためのものである。プローブ電極24の形状は、特に限定されるものではないが、後述するように、光導波路26にスリット26aを形成し、スリット26aにプローブ電極24を挿入する場合には、プローブ電極24の厚さは、薄い方が好ましい。
【0026】
なお、図1において、1個のプローブ電極24のみが表示されているが、これは単なる例示であり、プローブ電極24は、必要に応じて設けられる。例えば、半導体発光素子12の表面に2個の電極が形成される場合には、ウエハ10の表面には、2個のプローブ電極が配置される。一方、半導体発光素子12の表面に一方の電極が形成され、ウエハ10の裏面に他方の電極が形成される場合には、半導体発光素子12の表面及びウエハ10の裏面に、それぞれプローブ電極が配置される。
【0027】
光導波路26は、プローブ電極24を介して半導体発光素子12に電流を供給したときに半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くためのものであり、受光装置22と評価対象である半導体発光素子12との間に配置される。
【0028】
光導波路26は、少なくとも、高屈折率体である必要がある。具体的には、空気に対する屈折率nが1.42以上であることが望ましい。屈折率が1.42未満になると、光導波路26の形状によっては光導波路26に入射した光が光導波路26の内面において全反射せず、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。
【0029】
このような条件を満たす高屈折率体としては、具体的には、BK−7、石英ガラス等のガラス、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネート)等の透明プラスチックが好適な一例として挙げられる。
【0030】
光導波路26の形状については、特に限定されるものではないが、半導体発光素子12から放出される光を効率よく受光装置22に伝送するためには、光導波路26は、以下のような条件を備えていることが望ましい。
【0031】
第1に、光導波路26は、後述するスリット26aのある部分を除き、その軸方向に対して垂直な断面の形状が外側に凸であることが好ましい。具体的には、光導波路26の断面形状は、円形、楕円形、あるいは、三角形、四角形等の凸多角形が好ましい。軸方向に対して垂直な断面の一部に、内側に凸の部分があると、内側に凸の部分において、光の多重反射が起こるので好ましくない。
【0032】
第2に、光導波路26は、その側面から光導波路26の内部に向かう法線と、ウエハ10側の端面の法線とのなす角が90°以下であることが好ましい。具体的には、光導波路26の外形は、円柱、角柱等の「柱状」、受光装置26側からウエハ10側に向かって連続的に断面積を小さくした円錐台、角錘台等の「テーパ状」、ウエハ10側に配置された断面積の小さな円柱、角柱等と、受光装置26側に配置された断面積の大きな円柱、角柱等とを結合させた「段付状」、あるいはこれらの組み合わせが好ましい。
【0033】
例えば、受光素子26側よりもウエハ10側の断面積が大きい「逆テーパ状」、あるいは、「逆段付状」のように、側面の一部に、その法線と端面の法線とのなす角が90°を越える領域があると、その領域において、光導波路26に導入された光の一部が反射され、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。
【0034】
なお、光導波路26の断面及び側面は、上述の条件を満たしている限り、必ずしも光導波路26の軸に対して対称な形状を有している必要はない。また、光導波路26のウエハ10側の端面は、平面であっても良く、あるいは、後述するように、凹面を含むものであっても良い。この場合、「端面の法線」とは、光導波路26先端の外周部に接する平面の法線をいう。本実施の形態においては、光導波路26として、図1に示すように、ウエハ10側の端面が平坦である円柱状の高屈折率体が用いられている。
【0035】
また、本実施の形態において、光導波路26の下端の側面には、プローブ電極24を挿入するためのスリット26aが形成されている。このスリット26aは、プローブ電極24と光導波路26との干渉を回避し、プローブ電極24による半導体発光素子12のプロービングを容易化するためのものである。
【0036】
従って、例えば、図2(a)に示すように、光導波路26の形状が、受光装置22側が柱状であり、かつ先端側がテーパ状になっている場合、あるいは、図2(b)に示すように、その全体がテーパ状である場合等において、プロービングに支障がないときには、スリット26aを省略しても良い。
【0037】
光導波路26にスリット26aを形成する場合、スリット26aの形状は、平面のみによって構成されていることが望ましい。光導波路26の内部に曲面を有するスリットを形成すると、曲面において光が多重反射し、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。さらに、スリット26aの幅は、プローブ電極24の挿入に支障がない限り、狭い程良い。スリット26aの幅が広くなるほど、スリット26aの側面において光が多重反射し、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。
【0038】
本実施の形態において、スリット26aは、図1に示すように、厚さの薄い矩形状になっている。このようなスリット26aは、柱状の光導波路26に直接形成することもできるが、以下の方法により製造するのが好ましい。
【0039】
すなわち、図3に示すように、スリット26aに相当する切欠26bを有し、かつ所定の屈折率nを有する材料からなる薄板26cの両側に、薄板26cと屈折率の等しい材料からなる接着剤を塗布する。次いで、薄板26cの両側に、薄板26cと同一材料からなる2つのブロック26d、26dを接着する。接着後、必要に応じて、外形や端面を加工する。このような方法によれば、幅が極めて薄く、かつ曲面を含まないスリット26aを備えた光導波路26を容易に作製することができる。
【0040】
なお、スリット26aは、必要に応じて、必要な個数だけ形成される。すなわち、図1においては、1個のプローブ電極24と1個のスリット26aが示されているが、これは単なる例示であり、半導体発光素子12の2つの電極がウエハ10の表面側に形成される場合には、光導波路26の先端には、各電極に対応する2個のスリットを形成すれば良い。
【0041】
図1に示す評価装置を用いた半導体発光素子の電気光学特性の評価は、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、受光装置22の先端に取り付けられた光導波路26の先端面をウエハ10上の半導体発光素子12の表面に近接させる。次いで、スリット26a内にプローブ電極24を挿入し、半導体発光素子12に電流を供給する。これにより、半導体発光素子12が発光し、放出された光が光導波路26を介して、受光装置22に導かれる。
【0042】
次に、本実施の形態に係る評価装置20の作用について説明する。屈折率nを有し、かつ側面が平行な高屈折率体に入射角θiで入射した光が、高屈折率体の内面において全反射する条件は、次式で表されることが知られている。
n2−1≧sin2θi
【0043】
従って、屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなり、かつ、その側面が少なくとも平行である光導波路26を半導体発光素子12の表面に近接させると、理論的には、入射角θiが90°の光(すなわち、半導体発光素子12から水平方向に放出される光)であっても、受光素子22に導くことができる。
【0044】
実際には、入射角θiが70°を越えると、端面で反射される割合が高くなるので、高い入射角θiの光のすべてを検出することはできない。しかしながら、開口数の小さい光ファイバを用いたり、あるいは受光装置の受光面をウエハに対して傾ける従来の方法に比べて、受光装置22に取り込める光の量が増加する。そのため、本実施の形態に係る評価装置20によれば、半導体発光素子12の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子12の電気光学特性を正確に評価することができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る評価装置について説明する。図4(a)及び図4(b)に、それぞれ、本実施の形態に係る評価装置30の断面模式図及びその先端部分の拡大断面図を示す。
【0046】
図4において、本実施の形態に係る評価装置30は、受光装置22と、プローブ電極24と、光導波路(光導波手段)32とを備えている。これらの内、受光装置22及びプローブ電極24は、それぞれ、第1の実施の形態に係る受光装置22及びプローブ電極24と同一であるので、説明を省略する。
【0047】
光導波路32は、半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くためのものであり、受光装置22と半導体発光素子12の間に配置される。本実施の形態において、光導波路32は、その先端がテーパ状になっており、かつその先端面に凹面32aを備えている。先端面に凹面32aを形成すると、半導体発光素子12から水平方向に放出される光をより効率よく取り込むことができるという利点がある。
【0048】
先端のテーパ部及び凹面32aの形状は、特に限定されるものではないが、半導体発光素子2から放出される光のほぼすべてを取り込むためには、以下のような条件を満たす形状とするのが好ましい。なお、θは、図5に示すように、凹面32a先端の接面と水平面とのなす角であり、αは、光導波路32先端(すなわち、テーパ部先端)の側面32bと凹面32a先端の接面とのなす角である。また、nは、光導波路32の屈折率である。
【0049】
(1) θ≧20°
(2) nsin{α−sin−1([sin70°]/n)}≧1
(3) α+θ<180°
【0050】
上述した(1)〜(3)式の内、(1)式は、凹面32aの表面での光の反射を抑制するための条件である。凹面32aでの反射を抑制するためには、入射角φは、70°以下にする必要がある。一方、凹面32aの先端近傍においては、入射角φは、ほぼ90°−θに等しい。従って、θは、20°以上にする必要がある。また、(3)式は、光導波路32の先端をウエハ10上の半導体発光素子12に近接させるための物理的な制約によるものである。
【0051】
一方、(2)式は、以下のようにして求められる。図5に示すように、その先端に凹面32aを有する光導波路32を半導体発光素子12に近接させると、凹面32aの先端近傍には、半導体発光素子12から放出される水平方向の光が入射する。
【0052】
半導体発光素子12の水平方向に放出された光が光導波路32の先端の凹面32aに入射するときの入射角及び屈折角を、それぞれ、φ及びφ’とし、光導波路32内に入射した光が、光導波路32の側面32bで反射するときの入射角をβとする。
【0053】
この時、φ及びφ’の間には、スネルの法則から、次の(4)式の関係が成り立つ。また、光導波路32内に入射した光が側面32bで全反射するためには、次の(5)式の条件を満たす必要がある。さらに、三角形の内角の和から、α、φ’及びβには、次の(6)式の関係が成り立つ。
【0054】
(4) nsinφ’=sinφ
(5) nsinβ≧1
(6) β=α−φ’
【0055】
ところで、(1)式より、φの最大値は70°であるが、φ=70°の時が、側面32bで光が全反射するための最も厳しい条件となる。すなわち、φ=70°の時に全反射の条件を満たせば、半導体発光素子12から水平方向に放出される光のほとんどすべてを取り込み、かつ取り込まれた光を全反射させることができることになる。従って、(4)〜(6)式からβ、φ’を消去し、φ=70°を代入すれば、(3)式が得られる。
【0056】
なお、光導波路32は、その先端がテーパ状になっているので、プローブ電極24を挿入するためのスリットを必ずしも形成する必要はないが、必要に応じて1個又は複数個のスリットを形成しても良い。この場合、光の多重反射を防ぐためには、スリットの形状は曲面を有しないものが好ましい点、及びスリットの幅はできる限り薄い方が好ましい点は、第1の実施の形態と同様である。
【0057】
図4に示す評価装置を用いた半導体発光素子の電気光学特性の評価は、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、受光装置22の先端に取り付けられた光導波路32の先端面をウエハ10上の半導体発光素子12の表面に近接させる。次いで、プローブ電極24を用いて半導体発光素子12に電流を供給する。これにより、半導体発光素子12が発光し、放出された光が光導波路32を介して、受光装置22に導かれる。
【0058】
次に、本実施の形態に係る評価装置30の作用について説明する。光導波路32の先端に凹面32aを設けると、光導波路32の端面をウエハ10上の半導体発光素子12に、より近接させることができる。そのため、半導体発光素子12の水平方向に放出される光を、より効率よく受光装置22に導くことができる。
【0059】
特に、上述した(1)〜(3)式の関係を満たすように、光導波路32の凹面32a及び側面32bの形状を定めた場合には、半導体発光素子12の水平方向に放出される光のほぼすべてを光導波路32に導入することができ、しかも光導波路32に導入された光を光導波路32の内面において全反射させることができるので、半導体発光素子12から放出される光のほぼすべてを受光装置22に導くことができる。そのため、本実施の形態に係る評価装置30によれば、半導体発光素子12の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子12の電気光学特性を正確に評価することができる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る評価装置について説明する。図6(a)及び図6(b)に、それぞれ、本実施の形態に係る評価装置40の概略構成図及びそのA−A’線断面図を示す。
【0061】
図6において、本実施の形態に係る評価装置40は、受光装置22と、プローブ電極24と、回転楕円鏡(光導波手段)42とを備えている。これらの内、受光装置22及びプローブ電極24は、それぞれ、第1の実施の形態に係る受光装置22及びプローブ電極24と同一であるので、説明を省略する。
【0062】
回転楕円鏡42は、半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くためのものであり、受光装置22と半導体発光素子12の間に配置される。本実施の形態において、回転楕円鏡42は、その内面の形状が回転楕円体であり、ウエハ10側の開口部及び受光装置22側の開口部にそれぞれ回転楕円体の焦点を有し、かつその内面が鏡面である中空体からなる。
【0063】
回転楕円鏡42の材質は、特に限定されるものではない。例えば、回転楕円鏡42は、内面が回転楕円体形状を有する金属製中空体からなり、かつ内面を鏡面研磨したものであっても良い。あるいは、回転楕円鏡42は、内面が回転楕円体形状を有するガラス製中空体からなり、かつ内面に金属メッキが施されたものであっても良い。
【0064】
また、回転楕円鏡42の内面を構成する回転楕円体の長軸と短軸の比は、特に限定されるものではなく、評価対称である半導体発光素子12の構造、配置等に応じて最適なものを選択すればよい。
【0065】
さらに、回転楕円鏡42には、必要に応じて、プローブ電極24を挿入するためのスリット42aを必要な数だけ形成する。この場合、スリット42aの幅は、プローブ電極24の挿入に支障がない限り、狭い程良い。スリット42aの幅が広くなるほど、スリット42aから洩れる光の量が多くなるので好ましくない。なお、プロービングに支障がない場合には、スリット42aを省略しても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
【0066】
図6に示す評価装置を用いた半導体発光素子の電気光学特性の評価は、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、受光装置22に取り付けられた回転楕円鏡42の先端面を、その焦点が半導体発光素子12上に来るように、ウエハ10表面に近接させる。次いで、プローブ電極24を用いて半導体発光素子12に電流を供給する。これにより、半導体発光素子12が発光し、放出された光が回転楕円鏡42の内面で反射され、受光装置22に導かれる。
【0067】
次に、本実施の形態に係る評価装置40の作用について説明する。光導波手段として開口部に焦点を有する回転楕円鏡42を用い、一方の焦点を半導体発光素子12近傍に置き、他方の焦点を受光装置22側に置くと、半導体発光素子12から放出された光は、回転楕円鏡42の内面において1回だけ反射され、そのまま他方の焦点がある受光装置22に到達する。そのため、半導体発光素子12から放出された光は、ほとんど減衰することなく受光装置22に導かれる。
【0068】
また、回転楕円鏡42の焦点に半導体発光素子12が来るように、回転楕円鏡42を半導体発光素子12に近接させると、半導体発光素子12から水平方向に放出される光であっても、受光装置22に導くことができる。そのため、本実施の形態に係る評価装置40によれば、半導体発光素子12の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子12の電気光学特性を正確に評価することができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明に係る半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法の1番目は、光導波手段として高屈折率体を用いているので、入射角の大きい光であっても受光装置に導くことができるという効果がある。また、光導波手段の先端に所定の条件を満たす凹面を形成した場合には、半導体発光素子から水平方向に放出される光であっても受光装置に導くことができるので、半導体発光素子の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、電気光学特性を正確に評価できるという効果がある。
【0071】
また、本発明に係る半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法の2番目は、光導波手段として回転楕円鏡を用いているので、入射角の大きい光であっても、減衰させることなく受光装置に導くことができるという効果がある。また、これによって、半導体発光素子の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、電気光学特性を正確に評価できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の概略構成図であり、図1(b)は、そのA−A’線断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の他の具体例を示す概略構成図である。
【図3】図1に示す光導波路の製造方法の一例を示す図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の概略構成図であり、図4(b)は、その先端部分の拡大断面図である。
【図5】図4に示す光導波路において、水平方向に入射した光が側面において全反射するための条件を説明するための図である。
【図6】図6(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の概略構成図であり、図6(b)は、そのA−A’線断面図である。
【図7】極座標表示による各種発光ダイオードの相対強度(r軸)及びウエハの鉛直方向と測定方向とのなす角(θ軸)との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 ウエハ
12 半導体発光素子
20 半導体発光素子評価装置
22 受光装置
24 プローブ電極
26 光導波路(光導波手段)
26a スリット
30 半導体発光素子評価装置
32 光導波路(光導波手段)
32a 凹面
40 半導体発光素子評価装置
42 回転楕円鏡(光導波手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法に関し、さらに詳しくは、半導体レーザ、発光ダイオード等の半導体発光素子の光出力、発光スペクトル等の電気光学特性を評価するための半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザ、発光ダイオード等の半導体発光素子は、一般に、ウエハ上にp型半導体領域、n型半導体領域、電極等を所定の順序で形成することによって製造され、ウエハ上には多数個の半導体発光素子が同時に作り込まれる。また、ウエハ上に作り込まれた半導体発光素子は、個々のチップに切断された後、適当な支持体上に固定され、さらに電極にリード線が接合されて、個々の製品となる。
【0003】
このような方法により製造された半導体発光素子は、電流電圧特性や、逆耐圧などの電気特性の他、光出力・発光スペクトルなどの電気光学特性の評価が必要である。しかしながら、ウエハから切断された後の個々のチップ毎に電気光学特性の評価を行うのは、極めて効率が悪いという問題がある。そのため、半導体発光素子の電気光学特性をウエハの段階で検査する方法に関し、従来から種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、発光素子と受光素子との位置合わせを容易化し、かつ発光素子の光出力を高精度、高信頼でかつ安価に測定することを可能とするために、受光装置の受光面をウエハ上に形成された発光素子に対して斜め方向に配置した半導体検査装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、ウエハ基板に対してほぼ垂直な発光端面を持つ端面発光型発光光半導体素子の電気光学特性を評価するために、ウエハ上の検査すべき端面発光型発光光半導体素子より発せられる光のうち、ウエハ基板面に対して光出射方向で5度から35度までの角度範囲内の光が入射する位置に、受光装置の受光面を配置した半導体検査装置が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、底部に開口を有する筒状又は柱状の治具内に光ファイバを挿入したプローブをウエハ上の発光素子の鉛直上方に近接させ、発光素子から放出される光を光ファイバを介して測定系に導く面発光・受光素子の検査装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−201945号公報の図2
【特許文献2】
特開平11−340512号公報の請求項1及び図1
【特許文献3】
特開平5−183192号公報の請求項1及び図1
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
半導体発光素子は、その構造によって、光の放射方向、放射角度、放射強度の分布等が異なっている。例えば、半導体レーザから放出される光は、一定方向に集中する性質を有しているが、発光ダイオードから放出される光は、一般に、放射光束が一定方向に集中せず、円錐形となる。
【0009】
また、半導体レーザは、一般に、ウエハ面に対して平行に活性層が形成されるので、ウエハ面に対して垂直な面(端面)が発光面となる。一方、発光ダイオードには、ウエハ面と平行な面から発光する面発光型と、端面から発光する端面発光型とがある。
【0010】
さらに、図7に示すように、面発光型の通常の発光ダイオード(図7中、「Conv」と表示)は、ウエハ面に対して垂直な方向の放射強度が最も強く、ウエハ面の法線方向と測定方向とのなす角が大きくなるほど放射強度が弱くなる、いわゆる「ランバート分布」を示し、しかも、このランバート分布は、温度によって変化しないことが知られている。
【0011】
一方、図7に示すように、共鳴キャビティ発光ダイオード(RCLED。図7中、「RC1」及び「RC2」は、それぞれ、構造の異なるRCLEDを示す。)は、放射強度の分布がランバート分布からはずれており、ウエハの法線方向に対して傾いた方向に放射強度の最大値がある。しかも、RCLEDの放射強度の分布は、デバイスの構造、温度等によって変化することが知られている。
【0012】
これらの半導体発光素子の内、ランバート分布のような一様な放射強度分布を持つものについては、特許文献3に開示されているように、光ファイバを用いて鉛直方向に放射される光のみを捉えるだけでも、かなり正確に電気光学特性を評価することができる。しかしながら、特許文献1、2に開示されるように、受光装置の受光面をウエハに対して傾けると、鉛直方向に放射される光を受光装置に導くことができなくなり、正確な電気光学特性の評価が困難になる。
【0013】
また、例えば、RCLEDのように、放射強度の分布がデバイス構造や温度で変化する半導体発光素子について正確な電気光学特性を評価するためには、鉛直方向に放射される光だけでなく、横方向に放射される光も取り込む必要がある。
【0014】
しかしながら、特許文献3に記載された検査装置は、素子から放射される光を測定系に導く光導波路として、その周囲に低屈折率層がクラッドされた(すなわち、開口数の小さい)光ファイバが用いられている。そのため、これをRCLEDのような半導体発光素子の評価に用いた場合には、半導体発光素子から放射される光のうち、入射角が一定値以下の光のみが光ファイバに導入されるので、正確な電気光学特性の評価ができないという問題がある。
【0015】
同様に、特許文献1、2に記載された検査装置は、受光装置の受光面に放射される光のみが受光装置に導かれ、他の方向の光を捉えることができない。そのため、これをRCLEDのような半導体発光素子の評価に用いた場合には、正確な電気光学特性の評価ができないという問題がある。
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、半導体発光素子の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子の電気光学特性を正確に評価することができる半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る半導体発光素子評価装置は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置と、前記半導体発光素子に電流を供給するためのプローブ電極と、前記受光装置と前記半導体発光素子との間に配置された、前記半導体発光素子から放出される光を前記受光装置に導くための光導波手段とを備え、該光導波手段は、空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなることを要旨とする。
【0018】
また、本発明に係る半導体発光素子の評価方法は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子と該半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置との間に、空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなる光導波手段を配置し、プローブ電極を用いて前記半導体発光素子に電流を供給し、前記半導体発光素子から放出される光を前記光導波手段を介して前記受光装置に導くことを要旨とする。
【0019】
光導波手段として、所定の屈折率nを有する高屈折率体を用いると、その開口数が大きくなるので、相対的に入射角が大きい光であっても光導波手段に入射する。また、光導波手段が所定の形状を有している場合には、光導波手段に入射した光がその側面において全反射され、受光装置に到達する。そのため、放射強度の分布が一様でない半導体発光素子、あるいは、放射強度の分布がデバイス構造や温度によって変化する半導体発光素子であっても、その電気光学特性を正確に評価することができる。
【0020】
また、本発明に係る半導体発光素子評価装置の2番目は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置と、前記半導体発光素子に電流を供給するためのプローブ電極と、前記受光装置と前記半導体発光素子の間に配置された、前記半導体発光素子から放出される光を前記受光装置に導くための光導波手段とを備え、前記光導波手段は、その内面の形状が回転楕円体であり、前記ウエハ側の開口部及び前記受光装置側の開口部にそれぞれ前記回転楕円体の焦点を有し、かつその内面が鏡面である中空体からなることを要旨とする。
【0021】
また、本発明に係る半導体発光素子の評価方法の2番目は、ウエハ表面に形成された半導体発光素子と該半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置との間に、その内面の形状が回転楕円体であり、前記ウエハ側の開口部及び前記受光装置側の開口部にそれぞれ前記回転楕円体の焦点を有し、かつ、その内面が鏡面である中空体からなる光導波手段を配置し、プローブ電極を用いて前記半導体発光素子に電流を供給し、前記半導体発光素子から放出される光を前記光導波手段を介して前記受光装置に導くことを要旨とする。
【0022】
光導波手段として開口部に焦点を有する回転楕円体からなり、かつ内面が鏡面である中空体を用い、1つの焦点が受光装置の受光面にあり、他の焦点が半導体発光素子上に来るように光導波手段を配置すると、半導体発光素子から放射されるほぼすべての光が光導波手段の内面において1回だけ反射され、受光装置に到達する。そのため、放射強度の分布が一様でない半導体発光素子、あるいは、放射強度の分布がデバイス構造や温度によって変化する半導体発光素子であっても、その電気光学特性を正確に評価することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)及び図1(b)に、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置(以下、これを「評価装置」という。)の概略構成図及びそのA−A’線断面図を示す。なお、図1においては、半導体発光素子と評価装置との配置を明確にするために、各部の大きさ、距離等は、適宜、実際の寸法より拡大して描いてある。
【0024】
図1において、評価装置20は、受光装置22と、プローブ電極24と、光導波路(光導波手段)26とを備えている。受光装置20は、ウエハ10表面に作り込まれた半導体発光素子12から放出される光を測定するための装置である。受光装置20で受光された光は、フォトダイオード(図示せず)等により電気信号に変換され、光の出力や光の波長スペクトルの評価に供される。
【0025】
プローブ電極24は、評価対象である半導体発光素子12に電流を供給するためのものである。プローブ電極24の形状は、特に限定されるものではないが、後述するように、光導波路26にスリット26aを形成し、スリット26aにプローブ電極24を挿入する場合には、プローブ電極24の厚さは、薄い方が好ましい。
【0026】
なお、図1において、1個のプローブ電極24のみが表示されているが、これは単なる例示であり、プローブ電極24は、必要に応じて設けられる。例えば、半導体発光素子12の表面に2個の電極が形成される場合には、ウエハ10の表面には、2個のプローブ電極が配置される。一方、半導体発光素子12の表面に一方の電極が形成され、ウエハ10の裏面に他方の電極が形成される場合には、半導体発光素子12の表面及びウエハ10の裏面に、それぞれプローブ電極が配置される。
【0027】
光導波路26は、プローブ電極24を介して半導体発光素子12に電流を供給したときに半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くためのものであり、受光装置22と評価対象である半導体発光素子12との間に配置される。
【0028】
光導波路26は、少なくとも、高屈折率体である必要がある。具体的には、空気に対する屈折率nが1.42以上であることが望ましい。屈折率が1.42未満になると、光導波路26の形状によっては光導波路26に入射した光が光導波路26の内面において全反射せず、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。
【0029】
このような条件を満たす高屈折率体としては、具体的には、BK−7、石英ガラス等のガラス、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネート)等の透明プラスチックが好適な一例として挙げられる。
【0030】
光導波路26の形状については、特に限定されるものではないが、半導体発光素子12から放出される光を効率よく受光装置22に伝送するためには、光導波路26は、以下のような条件を備えていることが望ましい。
【0031】
第1に、光導波路26は、後述するスリット26aのある部分を除き、その軸方向に対して垂直な断面の形状が外側に凸であることが好ましい。具体的には、光導波路26の断面形状は、円形、楕円形、あるいは、三角形、四角形等の凸多角形が好ましい。軸方向に対して垂直な断面の一部に、内側に凸の部分があると、内側に凸の部分において、光の多重反射が起こるので好ましくない。
【0032】
第2に、光導波路26は、その側面から光導波路26の内部に向かう法線と、ウエハ10側の端面の法線とのなす角が90°以下であることが好ましい。具体的には、光導波路26の外形は、円柱、角柱等の「柱状」、受光装置26側からウエハ10側に向かって連続的に断面積を小さくした円錐台、角錘台等の「テーパ状」、ウエハ10側に配置された断面積の小さな円柱、角柱等と、受光装置26側に配置された断面積の大きな円柱、角柱等とを結合させた「段付状」、あるいはこれらの組み合わせが好ましい。
【0033】
例えば、受光素子26側よりもウエハ10側の断面積が大きい「逆テーパ状」、あるいは、「逆段付状」のように、側面の一部に、その法線と端面の法線とのなす角が90°を越える領域があると、その領域において、光導波路26に導入された光の一部が反射され、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。
【0034】
なお、光導波路26の断面及び側面は、上述の条件を満たしている限り、必ずしも光導波路26の軸に対して対称な形状を有している必要はない。また、光導波路26のウエハ10側の端面は、平面であっても良く、あるいは、後述するように、凹面を含むものであっても良い。この場合、「端面の法線」とは、光導波路26先端の外周部に接する平面の法線をいう。本実施の形態においては、光導波路26として、図1に示すように、ウエハ10側の端面が平坦である円柱状の高屈折率体が用いられている。
【0035】
また、本実施の形態において、光導波路26の下端の側面には、プローブ電極24を挿入するためのスリット26aが形成されている。このスリット26aは、プローブ電極24と光導波路26との干渉を回避し、プローブ電極24による半導体発光素子12のプロービングを容易化するためのものである。
【0036】
従って、例えば、図2(a)に示すように、光導波路26の形状が、受光装置22側が柱状であり、かつ先端側がテーパ状になっている場合、あるいは、図2(b)に示すように、その全体がテーパ状である場合等において、プロービングに支障がないときには、スリット26aを省略しても良い。
【0037】
光導波路26にスリット26aを形成する場合、スリット26aの形状は、平面のみによって構成されていることが望ましい。光導波路26の内部に曲面を有するスリットを形成すると、曲面において光が多重反射し、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。さらに、スリット26aの幅は、プローブ電極24の挿入に支障がない限り、狭い程良い。スリット26aの幅が広くなるほど、スリット26aの側面において光が多重反射し、受光装置22に到達する光の量が減少するので好ましくない。
【0038】
本実施の形態において、スリット26aは、図1に示すように、厚さの薄い矩形状になっている。このようなスリット26aは、柱状の光導波路26に直接形成することもできるが、以下の方法により製造するのが好ましい。
【0039】
すなわち、図3に示すように、スリット26aに相当する切欠26bを有し、かつ所定の屈折率nを有する材料からなる薄板26cの両側に、薄板26cと屈折率の等しい材料からなる接着剤を塗布する。次いで、薄板26cの両側に、薄板26cと同一材料からなる2つのブロック26d、26dを接着する。接着後、必要に応じて、外形や端面を加工する。このような方法によれば、幅が極めて薄く、かつ曲面を含まないスリット26aを備えた光導波路26を容易に作製することができる。
【0040】
なお、スリット26aは、必要に応じて、必要な個数だけ形成される。すなわち、図1においては、1個のプローブ電極24と1個のスリット26aが示されているが、これは単なる例示であり、半導体発光素子12の2つの電極がウエハ10の表面側に形成される場合には、光導波路26の先端には、各電極に対応する2個のスリットを形成すれば良い。
【0041】
図1に示す評価装置を用いた半導体発光素子の電気光学特性の評価は、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、受光装置22の先端に取り付けられた光導波路26の先端面をウエハ10上の半導体発光素子12の表面に近接させる。次いで、スリット26a内にプローブ電極24を挿入し、半導体発光素子12に電流を供給する。これにより、半導体発光素子12が発光し、放出された光が光導波路26を介して、受光装置22に導かれる。
【0042】
次に、本実施の形態に係る評価装置20の作用について説明する。屈折率nを有し、かつ側面が平行な高屈折率体に入射角θiで入射した光が、高屈折率体の内面において全反射する条件は、次式で表されることが知られている。
n2−1≧sin2θi
【0043】
従って、屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなり、かつ、その側面が少なくとも平行である光導波路26を半導体発光素子12の表面に近接させると、理論的には、入射角θiが90°の光(すなわち、半導体発光素子12から水平方向に放出される光)であっても、受光素子22に導くことができる。
【0044】
実際には、入射角θiが70°を越えると、端面で反射される割合が高くなるので、高い入射角θiの光のすべてを検出することはできない。しかしながら、開口数の小さい光ファイバを用いたり、あるいは受光装置の受光面をウエハに対して傾ける従来の方法に比べて、受光装置22に取り込める光の量が増加する。そのため、本実施の形態に係る評価装置20によれば、半導体発光素子12の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子12の電気光学特性を正確に評価することができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る評価装置について説明する。図4(a)及び図4(b)に、それぞれ、本実施の形態に係る評価装置30の断面模式図及びその先端部分の拡大断面図を示す。
【0046】
図4において、本実施の形態に係る評価装置30は、受光装置22と、プローブ電極24と、光導波路(光導波手段)32とを備えている。これらの内、受光装置22及びプローブ電極24は、それぞれ、第1の実施の形態に係る受光装置22及びプローブ電極24と同一であるので、説明を省略する。
【0047】
光導波路32は、半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くためのものであり、受光装置22と半導体発光素子12の間に配置される。本実施の形態において、光導波路32は、その先端がテーパ状になっており、かつその先端面に凹面32aを備えている。先端面に凹面32aを形成すると、半導体発光素子12から水平方向に放出される光をより効率よく取り込むことができるという利点がある。
【0048】
先端のテーパ部及び凹面32aの形状は、特に限定されるものではないが、半導体発光素子2から放出される光のほぼすべてを取り込むためには、以下のような条件を満たす形状とするのが好ましい。なお、θは、図5に示すように、凹面32a先端の接面と水平面とのなす角であり、αは、光導波路32先端(すなわち、テーパ部先端)の側面32bと凹面32a先端の接面とのなす角である。また、nは、光導波路32の屈折率である。
【0049】
(1) θ≧20°
(2) nsin{α−sin−1([sin70°]/n)}≧1
(3) α+θ<180°
【0050】
上述した(1)〜(3)式の内、(1)式は、凹面32aの表面での光の反射を抑制するための条件である。凹面32aでの反射を抑制するためには、入射角φは、70°以下にする必要がある。一方、凹面32aの先端近傍においては、入射角φは、ほぼ90°−θに等しい。従って、θは、20°以上にする必要がある。また、(3)式は、光導波路32の先端をウエハ10上の半導体発光素子12に近接させるための物理的な制約によるものである。
【0051】
一方、(2)式は、以下のようにして求められる。図5に示すように、その先端に凹面32aを有する光導波路32を半導体発光素子12に近接させると、凹面32aの先端近傍には、半導体発光素子12から放出される水平方向の光が入射する。
【0052】
半導体発光素子12の水平方向に放出された光が光導波路32の先端の凹面32aに入射するときの入射角及び屈折角を、それぞれ、φ及びφ’とし、光導波路32内に入射した光が、光導波路32の側面32bで反射するときの入射角をβとする。
【0053】
この時、φ及びφ’の間には、スネルの法則から、次の(4)式の関係が成り立つ。また、光導波路32内に入射した光が側面32bで全反射するためには、次の(5)式の条件を満たす必要がある。さらに、三角形の内角の和から、α、φ’及びβには、次の(6)式の関係が成り立つ。
【0054】
(4) nsinφ’=sinφ
(5) nsinβ≧1
(6) β=α−φ’
【0055】
ところで、(1)式より、φの最大値は70°であるが、φ=70°の時が、側面32bで光が全反射するための最も厳しい条件となる。すなわち、φ=70°の時に全反射の条件を満たせば、半導体発光素子12から水平方向に放出される光のほとんどすべてを取り込み、かつ取り込まれた光を全反射させることができることになる。従って、(4)〜(6)式からβ、φ’を消去し、φ=70°を代入すれば、(3)式が得られる。
【0056】
なお、光導波路32は、その先端がテーパ状になっているので、プローブ電極24を挿入するためのスリットを必ずしも形成する必要はないが、必要に応じて1個又は複数個のスリットを形成しても良い。この場合、光の多重反射を防ぐためには、スリットの形状は曲面を有しないものが好ましい点、及びスリットの幅はできる限り薄い方が好ましい点は、第1の実施の形態と同様である。
【0057】
図4に示す評価装置を用いた半導体発光素子の電気光学特性の評価は、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、受光装置22の先端に取り付けられた光導波路32の先端面をウエハ10上の半導体発光素子12の表面に近接させる。次いで、プローブ電極24を用いて半導体発光素子12に電流を供給する。これにより、半導体発光素子12が発光し、放出された光が光導波路32を介して、受光装置22に導かれる。
【0058】
次に、本実施の形態に係る評価装置30の作用について説明する。光導波路32の先端に凹面32aを設けると、光導波路32の端面をウエハ10上の半導体発光素子12に、より近接させることができる。そのため、半導体発光素子12の水平方向に放出される光を、より効率よく受光装置22に導くことができる。
【0059】
特に、上述した(1)〜(3)式の関係を満たすように、光導波路32の凹面32a及び側面32bの形状を定めた場合には、半導体発光素子12の水平方向に放出される光のほぼすべてを光導波路32に導入することができ、しかも光導波路32に導入された光を光導波路32の内面において全反射させることができるので、半導体発光素子12から放出される光のほぼすべてを受光装置22に導くことができる。そのため、本実施の形態に係る評価装置30によれば、半導体発光素子12の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子12の電気光学特性を正確に評価することができる。
【0060】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る評価装置について説明する。図6(a)及び図6(b)に、それぞれ、本実施の形態に係る評価装置40の概略構成図及びそのA−A’線断面図を示す。
【0061】
図6において、本実施の形態に係る評価装置40は、受光装置22と、プローブ電極24と、回転楕円鏡(光導波手段)42とを備えている。これらの内、受光装置22及びプローブ電極24は、それぞれ、第1の実施の形態に係る受光装置22及びプローブ電極24と同一であるので、説明を省略する。
【0062】
回転楕円鏡42は、半導体発光素子12から放出される光を受光装置22に導くためのものであり、受光装置22と半導体発光素子12の間に配置される。本実施の形態において、回転楕円鏡42は、その内面の形状が回転楕円体であり、ウエハ10側の開口部及び受光装置22側の開口部にそれぞれ回転楕円体の焦点を有し、かつその内面が鏡面である中空体からなる。
【0063】
回転楕円鏡42の材質は、特に限定されるものではない。例えば、回転楕円鏡42は、内面が回転楕円体形状を有する金属製中空体からなり、かつ内面を鏡面研磨したものであっても良い。あるいは、回転楕円鏡42は、内面が回転楕円体形状を有するガラス製中空体からなり、かつ内面に金属メッキが施されたものであっても良い。
【0064】
また、回転楕円鏡42の内面を構成する回転楕円体の長軸と短軸の比は、特に限定されるものではなく、評価対称である半導体発光素子12の構造、配置等に応じて最適なものを選択すればよい。
【0065】
さらに、回転楕円鏡42には、必要に応じて、プローブ電極24を挿入するためのスリット42aを必要な数だけ形成する。この場合、スリット42aの幅は、プローブ電極24の挿入に支障がない限り、狭い程良い。スリット42aの幅が広くなるほど、スリット42aから洩れる光の量が多くなるので好ましくない。なお、プロービングに支障がない場合には、スリット42aを省略しても良い点は、第1の実施の形態と同様である。
【0066】
図6に示す評価装置を用いた半導体発光素子の電気光学特性の評価は、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、受光装置22に取り付けられた回転楕円鏡42の先端面を、その焦点が半導体発光素子12上に来るように、ウエハ10表面に近接させる。次いで、プローブ電極24を用いて半導体発光素子12に電流を供給する。これにより、半導体発光素子12が発光し、放出された光が回転楕円鏡42の内面で反射され、受光装置22に導かれる。
【0067】
次に、本実施の形態に係る評価装置40の作用について説明する。光導波手段として開口部に焦点を有する回転楕円鏡42を用い、一方の焦点を半導体発光素子12近傍に置き、他方の焦点を受光装置22側に置くと、半導体発光素子12から放出された光は、回転楕円鏡42の内面において1回だけ反射され、そのまま他方の焦点がある受光装置22に到達する。そのため、半導体発光素子12から放出された光は、ほとんど減衰することなく受光装置22に導かれる。
【0068】
また、回転楕円鏡42の焦点に半導体発光素子12が来るように、回転楕円鏡42を半導体発光素子12に近接させると、半導体発光素子12から水平方向に放出される光であっても、受光装置22に導くことができる。そのため、本実施の形態に係る評価装置40によれば、半導体発光素子12の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、半導体発光素子12の電気光学特性を正確に評価することができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【0070】
【発明の効果】
本発明に係る半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法の1番目は、光導波手段として高屈折率体を用いているので、入射角の大きい光であっても受光装置に導くことができるという効果がある。また、光導波手段の先端に所定の条件を満たす凹面を形成した場合には、半導体発光素子から水平方向に放出される光であっても受光装置に導くことができるので、半導体発光素子の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、電気光学特性を正確に評価できるという効果がある。
【0071】
また、本発明に係る半導体発光素子評価装置及び半導体発光素子の評価方法の2番目は、光導波手段として回転楕円鏡を用いているので、入射角の大きい光であっても、減衰させることなく受光装置に導くことができるという効果がある。また、これによって、半導体発光素子の種類、デバイス構造、測定温度等によらず、電気光学特性を正確に評価できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の概略構成図であり、図1(b)は、そのA−A’線断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の他の具体例を示す概略構成図である。
【図3】図1に示す光導波路の製造方法の一例を示す図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の概略構成図であり、図4(b)は、その先端部分の拡大断面図である。
【図5】図4に示す光導波路において、水平方向に入射した光が側面において全反射するための条件を説明するための図である。
【図6】図6(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体発光素子評価装置の概略構成図であり、図6(b)は、そのA−A’線断面図である。
【図7】極座標表示による各種発光ダイオードの相対強度(r軸)及びウエハの鉛直方向と測定方向とのなす角(θ軸)との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 ウエハ
12 半導体発光素子
20 半導体発光素子評価装置
22 受光装置
24 プローブ電極
26 光導波路(光導波手段)
26a スリット
30 半導体発光素子評価装置
32 光導波路(光導波手段)
32a 凹面
40 半導体発光素子評価装置
42 回転楕円鏡(光導波手段)
Claims (9)
- ウエハ表面に形成された半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置と、
前記半導体発光素子に電流を供給するためのプローブ電極と、
前記受光装置と前記半導体発光素子との間に配置された、前記半導体発光素子から放出される光を前記受光装置に導くための光導波手段とを備え、
該光導波手段は、空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなる半導体発光素子評価装置。 - 前記光導波手段は、その断面形状が外側に凸であり、その側面から前記光導波手段の内部に向かう法線と前記ウエハ側の端面の法線とのなす角が90°以下である請求項1に記載の半導体発光素子評価装置。
- 前記光導波手段は、少なくともその先端にテーパ部を備えている請求項1又は2に記載の半導体発光素子評価装置。
- 前記光導波手段は、前記ウエハ側の端面に凹面を備えている請求項1から3までのいずれかに記載の半導体発光素子評価装置。
- 前記光導波手段は、前記凹面先端の接面と水平面とのなす角θ、前記光導波手段先端の側面と前記凹面先端の接面とのなす角α、及び前記屈折率nの間に、
(1) θ≧20°
(2) nsin{α−sin−1([sin70°]/n)}≧1
(3) α+θ<180°
の関係を有している請求項4に記載の半導体発光素子評価装置。 - 前記光導波手段は、その先端に、前記プローブ電極を挿入するための平面のみによって構成されるスリットを備えている請求項1から5までのいずれかに記載の半導体発光素子評価装置。
- ウエハ表面に形成された半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置と、
前記半導体発光素子に電流を供給するためのプローブ電極と、
前記受光装置と前記半導体発光素子の間に配置された、前記半導体発光素子から放出される光を前記受光装置に導くための光導波手段とを備え、
該光導波手段は、その内面の形状が回転楕円体であり、前記ウエハ側の開口部及び前記受光装置側の開口部にそれぞれ前記回転楕円体の焦点を有し、かつその内面が鏡面である中空体からなる半導体発光素子評価装置。 - ウエハ表面に形成された半導体発光素子と該半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置との間に、空気に対する屈折率nが1.42以上である高屈折率体からなる光導波手段を配置し、プローブ電極を用いて前記半導体発光素子に電流を供給し、前記半導体発光素子から放出される光を前記光導波手段を介して前記受光装置に導く半導体発光素子の評価方法。
- ウエハ表面に形成された半導体発光素子と該半導体発光素子から放出される光量を測定するための受光装置との間に、その内面の形状が回転楕円体であり、前記ウエハ側の開口部及び前記受光装置側の開口部にそれぞれ前記回転楕円体の焦点を有し、かつ、その内面が鏡面である中空体からなる光導波手段を配置し、プローブ電極を用いて前記半導体発光素子に電流を供給し、前記半導体発光素子から放出される光を前記光導波手段を介して前記受光装置に導く半導体発光素子の評価方法。
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