JP2004273896A - 荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光に用いるパターンより大きなアスペクト比の補助パターンを作ることなく、クーロン効果による解像度低下せずに、パターン位置歪を緩和する。
【解決手段】マスク基板1に貫通孔としてパターン2が形成された荷電粒子ビーム露光用マスクであって、マスク基板1は引っ張り応力が与えられ、マスク基板1のパターン2の密度が低い部分に、マスク基板1の表面に対して斜めに形成された貫通孔として補助パターン3を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】マスク基板1に貫通孔としてパターン2が形成された荷電粒子ビーム露光用マスクであって、マスク基板1は引っ張り応力が与えられ、マスク基板1のパターン2の密度が低い部分に、マスク基板1の表面に対して斜めに形成された貫通孔として補助パターン3を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の微細化が著しい。この半導体集積回路の微細化のためには、パターン転写工程の解像性能を向上させると共に、パターン転写工程の転写位置精度を向上させることが必須である。そして、パターン転写位置精度を向上させるためには、露光装置の転写位置精度を向上させると共に、転写に用いられるマスクに形成されるパターンの位置精度を向上させる必要がある。
【0003】
ところで、90nm世代の半導体集積回路の製造までは、従来のように光を用いた光露光方式が用いられる。この光露光方式において解像性能を向上させるためには、露光波長を短くし、結像光学系の開口部係数を大きくしなければならない。しかし、これに伴い焦点深度が低下してしまう。そして、この焦点深度の低下により、実用上の限界解像度を向上させることが難しくなる。
【0004】
このため、65nm世代の半導体集積回路の製造には、電子ビーム露光の適用が検討され、そのための露光装置、マスクおよびレジストの研究開発が進められている。しかし、従来の直接描画方式の電子ビーム露光方法は、解像性能は高いけれど、スループットが小さいという問題があり、量産に適用するのが困難であった。そこで、この問題を解決して、光露光方式と同等の高いスループットを実現すべく、1ショットの露光面積を従来の2500倍以上にしたマスクを用いた転写型の電子ビーム露光技術の開発が進められている。
【0005】
図6に、従来の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法を示す。これは、EPL(Electron Projection Lithography)という露光方法を用いている。このEPLに使用されるマスクとしてはいくつかの方式が提案されているが、解像度の観点から、ステンシルタイプのマスクが用いられる。これは、図6に示すように、マスク基板51bに貫通孔としてパターン51aを形成したマスク51である。そして、電子線で照射されたマスク51の像は、電子レンズ52と53で縮小されて、基板54の表面に結像する。なお、52aと53aはそれぞれレンズの主面を示す。
【0006】
マスク51は、パターン51aの部分に入射される電子ビーム56aとマスク基板51b部分に入射される電子ビーム56bで照明される。この電子ビーム56a,56bの加速電圧としては、100kVが用いられる。そして、パターン51aを通り抜けた電子ビーム56aは、レンズ52aを通過し、レンズ52の後焦点面に設けられたコントラストアパーチャ55の開口部55aを通り抜け、レンズ53によって基板54の表面に縮小されたパターンを結像する。一方、電子ビーム56bは、マスク基板51bを構成する原子による散乱を受けて、散乱電子ビーム56cとしてレンズ52aに入射する。この散乱電子ビーム56cは、コントラストアパーチャ55上に広がるので、開口部55aを殆ど通過することができない。
【0007】
よって、結像に寄与する電子ビーム56aは、マスク51による散乱を殆ど受けないため、基板表面に結像した像のボケ(ブラー)が小さく、高い解像度でパターンを転写することができる。
【0008】
このように、EPLでは電子の散乱の強弱である散乱コントラストを用いて、マスクパターンを転写する。このため、マスク基板は、完全に入射電子を遮蔽するほどの厚みは必要でなく、内部で入射電子を数回散乱させる程度の厚みであれば十分であり、主として2〜0.5μmのシリコン板が用いられる。よって、マスク基板を薄くできるので、マスクパターンを微細化することが可能である。また、パターン転写に必要な散乱コントラストは、主としてコントラストアパーチャ55の開口部55aで決まる。つまり、開口部55aが小さいほど、散乱電子56cが開口部55aを通りにくくなるので、散乱コントラストが弱い場合でも、透過電子56aのみを基板上に結像することが可能で、マスク51の厚さを薄くすることが可能である。
【0009】
以上のように、ステンシルマスクを形成するマスク基板は、薄膜であるため、その弛みを防止するために、引っ張り応力が与えられている。しかし、この状態で貫通孔としてパターンを形成すると、パターンの開口で応力が開放され、マスクの各サブフィールドに歪が生じる。この歪量と歪の方向は、サブフィールドに形成されるパターンレイアウトに依存する。ただし、この歪の1次成分による倍率、直行度、非等方倍率などへの影響は、電子光学系に倍率補正レンズ、非点調整レンズなどの補正光学系を設けることによって補正することが可能である。しかし、非線形歪による影響は、電子光学系で補正することができない。
【0010】
ここで、サブフィールド内のパターン分布が一様である場合は、サブフィールド全体が一様に広がる。このようなパターン分布に伴うサブフィールドの変形はほぼ線形であることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。この場合は、サブフィールド周囲の転写領域外に位置精度測定マークを配置しておいて、応力開放に伴うサブフィールド形状の変形を測定して、補正光学系によってサブフィールドの変形を補正して、転写パターンの位置精度の劣化を抑制することができる。
【0011】
しかし、サブフィールド内のパターン分布が一様でない場合、例えば、サブフィールドの半分にパターンが密に配置され、他の半分に殆どパターンが配置されない場合には、パターン密度が急変する部分で、大きな非線形なパターン位置歪が生じることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。このようなサブフィールド内の局所的な歪を補正光学系で補正することは不可能であり、パターン密度が変わる部分における位置精度の劣化は避けることができない。これを防止するために、サブフィールド内のパターン密度の小さい領域にダミーパターンを配置して、サブフィールド内のパターン密度の急変を抑制することが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。しかし、ダミーパターンは本来のパターンと同様に転写されるので、パターンレイアウト設計の自由度を制限する。
【0012】
このようなレイアウト設計の制限を緩和するために、解像限界以下の微小ダミーパターンを配置する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
【非特許文献1】
P. L. Reu, et. al, J. Vac. Sci. Technol. B, Vol. 19, pp. 2652−2658
【非特許文献2】
P. L. Reu, et. al, Proc. SPIE, Vol. 4688, pp. 547−558
【特許文献1】
特開2000−58446
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ステンシルマスクにおいては、0.5〜2μm膜厚のシリコン薄膜にドライエッチングによって貫通孔を開けなければならない。4倍マスクの場合、65nmノードのゲートパターンとして約200nm幅の開口部パターンを設ける必要があり、断面のアスペクト比は10に達する。解像限界以下のパターンではさらにアスペクト比の高いパターンを形成する必要があり、ドライエッチングが非常に困難になる。
【0015】
また、ダミーパターンは、サブフィールドの開口面積率を大きくする。解像度は、結像光学系の幾何収差とクーロン効果によって決定される。クーロン効果とは、電子光学系内部で荷電粒子同士が反発することによって、荷電粒子ビームの速度分布が広がって、ビームブラーが大きくなる現象であり、電子光学系内部を透過する荷電粒子ビームの電流値が大きいほど顕著になる。このため、ダミーパターンを設けたマスクは、ダミーパターンを設けないマスクに比較して結像光学系を透過する電流値が大きいためにクーロン効果が大きくなり、解像度が低下する。
【0016】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、露光に用いるパターンより大きなアスペクト比の補助パターンを作ることなく、クーロン効果により解像度低下することなく、パターン位置歪を緩和することができる荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法を得るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る荷電粒子ビーム露光用マスクの特徴は、マスク基板に貫通孔としてパターンが形成された荷電粒子ビーム露光用マスクであって、マスク基板は引っ張り応力が与えられ、マスク基板のパターンの密度が低い部分に、マスク基板の表面に対して斜めに形成された貫通孔として補助パターンが形成されている。この発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクの上面図である。本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクは、図1に示すように、マスク基板1にパターン2及び補助パターン3が形成されている。このマスク基板1は、通常、0.5〜2μm膜厚のシリコン薄膜が使用される。このシリコン薄膜は、SOI(silicon on insulator)構造の基板を裏面からバックエッチしてバルクシリコン部分を除去し、自立構造として形成される。また、このマスク基板1は、弛みが生じないように、5〜10Mpaの引っ張り応力が与えられている。なお、図示は省略するが、マスク部分(メンブレン部)は、強度を確保するために、エッチング時にバルクシリコン部分を残して形成された梁(ストラット)構造で一定間隔ごとに支えられている。
【0019】
パターン2は、基板に転写されるマスクパターンである。そして、このパターン2は、マスク基板1の表面に対して垂直に形成された貫通孔として形成されている。また、このパターン2は、通常、マスク基板1を形成した後、表面にレジストパターンを形成してドライエッチングによって形成される。図1では、マスク基板1の上半分のみにパターン2が形成されている。
【0020】
補助パターン3は、マスク基板1のパターン2の密度が低い部分に形成される。図1(a)では、マスク基板1の下半分に形成されている。この補助パターン3は、マスク基板1の歪みによるパターン2の位置精度の劣化を防ぐために設けられている。また、補助パターン3の開口部は短辺と長辺を有する矩形である。そして、図1(b)は、図1の荷電粒子ビーム露光用マスクのA−A’(補助パターン3の開口部の短辺と平行な方向)での断面図である。補助パターン3は、図2に示すように、マスク基板1の表面に対して斜めに形成された貫通孔として形成されている。 そして、補助パターン3の開口部の短辺の幅w及び補助パターン3の貫通孔のマスク基板1の表面の法線方向となす角度θは、マスク基板1の表面に対して法線方向に補助パターン3を通り抜けることができないように設定されている。
【0021】
図2は、本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法の説明図である。図2に示すように、上記の荷電粒子ビーム露光用マスクを通過した荷電粒子ビームは、第1の電子レンズ12及び第2の電子レンズ13によって、被露光対象である基板14上に結像される。ただし、第1の電子レンズ12及び第2の電子レンズ13の間には、光軸C上に開口部15aを有するコントラストアパーチャ15が設けられている。また、基板14上には、レジスト14aが塗布されている。なお、12aは第1の電子レンズ12のレンズ主面であり、13aは、第2の電子レンズ13のレンズ主面である。
【0022】
マスク基板1は、全面を荷電粒子ビームにより露光されるが、図2では、パターン2の開口部に入射される荷電粒子ビーム16aと補助パターン3の開口部に入射される荷電粒子ビーム16bのみを図示した。このパターン2の開口部に入射した荷電粒子ビーム16aは、マスク基板1による散乱をほとんど受けることなく通過するので、コントラストアパーチャ15の開口部15aを透過して、レンズ13によって基板14上に結像し、レジスト14aを感光させる。
【0023】
一方、補助パターン3の開口部に入射した荷電粒子ビーム16bは、マスク基板1により散乱を受ける。これは、補助パターン3はマスク基板1の表面に対して斜めに形成された貫通孔であるため、荷電粒子ビーム16bは、マスク基板1の表面に対して法線方向に補助パターン3を通り抜けることができないからである。そして、散乱を受けた荷電粒子ビーム16cは、その大部分がコントラストアパーチャ15で遮蔽される。このため、補助パターン3の解像を抑制することができる。
【0024】
また、マスク基板1の厚みは、照射された荷電粒子ビームを完全に遮蔽せず、散乱コントラストを発生させるように設定する。これにより、マスク基板1を薄膜化できるので、パターン2の寸法精度が向上する。そして、発熱、帯電によるパターン2の位置精度の劣化を抑制できる。よって、半導体装置の性能、信頼性、歩留まりを向上することができる。さらに、露光に用いる荷電粒子ビームとして、電子ビームを用いる。電子ビームは、マスクに与えるダメージが小さいので、マスクの寿命を長くすることができる。
【0025】
以上のような荷電粒子ビーム露光用マスク及びそれを用いた荷電粒子ビーム露光方法は、半導体装置であるDRAMを製造する際に用いることができる。ここで、図3(a) は、DRAMのチップレイアウト図である。また、図3(b)は、このDRAMのチップを形成する基板を露光するための荷電粒子ビーム露光用マスクのマスクレイアウト図である。そして、図3(a)に示すように、DRAMのチップ21は、メモリセル部22及び周辺回路部23を有している。また、図3(b)に示すように、マスク24は、メモリセル部22を露光するためのメモリセル部用マスク25及び周辺回路部23を露光するための周辺回路部用マスク26を有している。
【0026】
一般的に、DRAMでは、メモリセル部22のパターン密度が、周辺回路部23よりも大きい。特に、メモリセルの中で各ビットの状態が書き込まれるストレージノードでは、パターンがメモリセル部22のみに存在し、周辺回路部23にはパターンが存在しない。このようなストレージノードを露光するためのマスクでは、大きな非線形の位置歪みが生じ、重ね合わせ精度が劣化する。
【0027】
そこで、DRAMのチップを露光するためのマスク24では、位置歪みを抑制するために、周辺回路部用マスク26に、補助パターンを形成する。この補助パターンは基板に転写されないので、DRAMチップのレイアウトに何ら制限を与えることなく、位置歪みを抑制することができる。
【0028】
よって、本実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法では、露光に用いるパターンより大きなアスペクト比の補助パターンを作ることなく、クーロン効果により解像度低下することなく、パターン位置歪を緩和することができる。
【0029】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。この荷電粒子ビーム露光用マスクは、図4に示すように、補助パターン3がT−w/tanθ≧tの関係を有する。ここで、マスク基板1は、その材質からして、露光に用いられる荷電粒子ビームに対して遮光体として機能できる最小の厚さがtである。また、マスク基板の厚さがTである。これにより、マスク基板1の表面に対して法線方向から、補助パターン3の開口部に入射した荷電粒子ビームは、必ずマスク基板1の膜厚t以上の部分を通過するので、確実に補助パターン3が被露光基板へ転写されるのを抑制することができる。また、補助パターン3の開口部に入射した荷電粒子ビームは、散乱されているために、結像に寄与する電子と異なる軌道を通るので、結像に寄与する電子に与える静電力が小さく、マスク基板1より下の電子光学系内部でのクーロン効果に寄与しないため、クーロン効果による解像性能の劣化を抑制することができる。ここで、θの値が大きいほど、上記のような補助パターン3の転写抑制効果が大きくなり、解像性能の劣化を防止できる。一方、θの値が小さいほど、補助パターン3の貫通孔の長さを短くできるので、補助パターン3の形成が容易になる。
【0030】
また、この実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクは、実施の形態1と同様に、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法に適用することができる。
【0031】
よって、本実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスク及びそれを用いた荷電粒子ビーム露光方法では、実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法と同様の効果を有する。
【0032】
実施の形態3.
図5は、実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。この荷電粒子ビーム露光用マスクは、図5に示すように、補助パターン3の貫通孔の上側の開口部と下側の開口部とが、マスク基板1に対して法線方向に投影した場合に、幅Qの重なりを有する。そして、この幅Qは、マスク基板1の表面に対して法線方向に補助パターンの貫通孔を通り抜けた荷電粒子ビームがパターン転写における解像限界以下の幅になるように設定されている。すなわち、そのような幅Qを有するように、補助パターン3の開口部の幅と補助パターン3の貫通孔のマスク基板1の表面に対する角度θが設定されている。これにより、補助パターン3部分の上記の幅Qの重なり部分に入射した荷電粒子ビームは、散乱を受けずに通過するが、解像限界以下の幅であるためパターン転写されない。
【0033】
また、この実施の形態3の荷電粒子ビーム露光用マスクは、実施の形態1と同様に、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法に適用することができる。
【0034】
よって、本実施の形態3の荷電粒子ビーム露光用マスク及びそれを用いた荷電粒子ビーム露光方法では、実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法と同様の効果を有する。さらに、実施の形態1にくらべて、補助パターンの貫通孔のマスク基板の表面の法線方向となす角度を小さくすることができ、補助パターンの貫通孔の深さを浅くすることができるので、補助パターンを形成しやすい。
【0035】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、露光に用いるパターンより大きなアスペクト比の補助パターンを作ることなく、クーロン効果により解像度低下することなく、パターン位置歪を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスクである。
【図2】本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法の説明図である。
【図3】DRAMのチップレイアウト図とその露光に用いる荷電粒子ビーム露光用マスクのマスクレイアウト図である。
【図4】実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。
【図5】実施の形態3の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。
【図6】従来の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法の説明図である。
【符号の説明】
1 マスク基板
2 パターン
3 補助パターン
【発明の属する技術分野】
この発明は、荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の微細化が著しい。この半導体集積回路の微細化のためには、パターン転写工程の解像性能を向上させると共に、パターン転写工程の転写位置精度を向上させることが必須である。そして、パターン転写位置精度を向上させるためには、露光装置の転写位置精度を向上させると共に、転写に用いられるマスクに形成されるパターンの位置精度を向上させる必要がある。
【0003】
ところで、90nm世代の半導体集積回路の製造までは、従来のように光を用いた光露光方式が用いられる。この光露光方式において解像性能を向上させるためには、露光波長を短くし、結像光学系の開口部係数を大きくしなければならない。しかし、これに伴い焦点深度が低下してしまう。そして、この焦点深度の低下により、実用上の限界解像度を向上させることが難しくなる。
【0004】
このため、65nm世代の半導体集積回路の製造には、電子ビーム露光の適用が検討され、そのための露光装置、マスクおよびレジストの研究開発が進められている。しかし、従来の直接描画方式の電子ビーム露光方法は、解像性能は高いけれど、スループットが小さいという問題があり、量産に適用するのが困難であった。そこで、この問題を解決して、光露光方式と同等の高いスループットを実現すべく、1ショットの露光面積を従来の2500倍以上にしたマスクを用いた転写型の電子ビーム露光技術の開発が進められている。
【0005】
図6に、従来の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法を示す。これは、EPL(Electron Projection Lithography)という露光方法を用いている。このEPLに使用されるマスクとしてはいくつかの方式が提案されているが、解像度の観点から、ステンシルタイプのマスクが用いられる。これは、図6に示すように、マスク基板51bに貫通孔としてパターン51aを形成したマスク51である。そして、電子線で照射されたマスク51の像は、電子レンズ52と53で縮小されて、基板54の表面に結像する。なお、52aと53aはそれぞれレンズの主面を示す。
【0006】
マスク51は、パターン51aの部分に入射される電子ビーム56aとマスク基板51b部分に入射される電子ビーム56bで照明される。この電子ビーム56a,56bの加速電圧としては、100kVが用いられる。そして、パターン51aを通り抜けた電子ビーム56aは、レンズ52aを通過し、レンズ52の後焦点面に設けられたコントラストアパーチャ55の開口部55aを通り抜け、レンズ53によって基板54の表面に縮小されたパターンを結像する。一方、電子ビーム56bは、マスク基板51bを構成する原子による散乱を受けて、散乱電子ビーム56cとしてレンズ52aに入射する。この散乱電子ビーム56cは、コントラストアパーチャ55上に広がるので、開口部55aを殆ど通過することができない。
【0007】
よって、結像に寄与する電子ビーム56aは、マスク51による散乱を殆ど受けないため、基板表面に結像した像のボケ(ブラー)が小さく、高い解像度でパターンを転写することができる。
【0008】
このように、EPLでは電子の散乱の強弱である散乱コントラストを用いて、マスクパターンを転写する。このため、マスク基板は、完全に入射電子を遮蔽するほどの厚みは必要でなく、内部で入射電子を数回散乱させる程度の厚みであれば十分であり、主として2〜0.5μmのシリコン板が用いられる。よって、マスク基板を薄くできるので、マスクパターンを微細化することが可能である。また、パターン転写に必要な散乱コントラストは、主としてコントラストアパーチャ55の開口部55aで決まる。つまり、開口部55aが小さいほど、散乱電子56cが開口部55aを通りにくくなるので、散乱コントラストが弱い場合でも、透過電子56aのみを基板上に結像することが可能で、マスク51の厚さを薄くすることが可能である。
【0009】
以上のように、ステンシルマスクを形成するマスク基板は、薄膜であるため、その弛みを防止するために、引っ張り応力が与えられている。しかし、この状態で貫通孔としてパターンを形成すると、パターンの開口で応力が開放され、マスクの各サブフィールドに歪が生じる。この歪量と歪の方向は、サブフィールドに形成されるパターンレイアウトに依存する。ただし、この歪の1次成分による倍率、直行度、非等方倍率などへの影響は、電子光学系に倍率補正レンズ、非点調整レンズなどの補正光学系を設けることによって補正することが可能である。しかし、非線形歪による影響は、電子光学系で補正することができない。
【0010】
ここで、サブフィールド内のパターン分布が一様である場合は、サブフィールド全体が一様に広がる。このようなパターン分布に伴うサブフィールドの変形はほぼ線形であることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。この場合は、サブフィールド周囲の転写領域外に位置精度測定マークを配置しておいて、応力開放に伴うサブフィールド形状の変形を測定して、補正光学系によってサブフィールドの変形を補正して、転写パターンの位置精度の劣化を抑制することができる。
【0011】
しかし、サブフィールド内のパターン分布が一様でない場合、例えば、サブフィールドの半分にパターンが密に配置され、他の半分に殆どパターンが配置されない場合には、パターン密度が急変する部分で、大きな非線形なパターン位置歪が生じることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。このようなサブフィールド内の局所的な歪を補正光学系で補正することは不可能であり、パターン密度が変わる部分における位置精度の劣化は避けることができない。これを防止するために、サブフィールド内のパターン密度の小さい領域にダミーパターンを配置して、サブフィールド内のパターン密度の急変を抑制することが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。しかし、ダミーパターンは本来のパターンと同様に転写されるので、パターンレイアウト設計の自由度を制限する。
【0012】
このようなレイアウト設計の制限を緩和するために、解像限界以下の微小ダミーパターンを配置する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
【非特許文献1】
P. L. Reu, et. al, J. Vac. Sci. Technol. B, Vol. 19, pp. 2652−2658
【非特許文献2】
P. L. Reu, et. al, Proc. SPIE, Vol. 4688, pp. 547−558
【特許文献1】
特開2000−58446
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ステンシルマスクにおいては、0.5〜2μm膜厚のシリコン薄膜にドライエッチングによって貫通孔を開けなければならない。4倍マスクの場合、65nmノードのゲートパターンとして約200nm幅の開口部パターンを設ける必要があり、断面のアスペクト比は10に達する。解像限界以下のパターンではさらにアスペクト比の高いパターンを形成する必要があり、ドライエッチングが非常に困難になる。
【0015】
また、ダミーパターンは、サブフィールドの開口面積率を大きくする。解像度は、結像光学系の幾何収差とクーロン効果によって決定される。クーロン効果とは、電子光学系内部で荷電粒子同士が反発することによって、荷電粒子ビームの速度分布が広がって、ビームブラーが大きくなる現象であり、電子光学系内部を透過する荷電粒子ビームの電流値が大きいほど顕著になる。このため、ダミーパターンを設けたマスクは、ダミーパターンを設けないマスクに比較して結像光学系を透過する電流値が大きいためにクーロン効果が大きくなり、解像度が低下する。
【0016】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、露光に用いるパターンより大きなアスペクト比の補助パターンを作ることなく、クーロン効果により解像度低下することなく、パターン位置歪を緩和することができる荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法を得るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る荷電粒子ビーム露光用マスクの特徴は、マスク基板に貫通孔としてパターンが形成された荷電粒子ビーム露光用マスクであって、マスク基板は引っ張り応力が与えられ、マスク基板のパターンの密度が低い部分に、マスク基板の表面に対して斜めに形成された貫通孔として補助パターンが形成されている。この発明のその他の特徴は以下に明らかにする。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクの上面図である。本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクは、図1に示すように、マスク基板1にパターン2及び補助パターン3が形成されている。このマスク基板1は、通常、0.5〜2μm膜厚のシリコン薄膜が使用される。このシリコン薄膜は、SOI(silicon on insulator)構造の基板を裏面からバックエッチしてバルクシリコン部分を除去し、自立構造として形成される。また、このマスク基板1は、弛みが生じないように、5〜10Mpaの引っ張り応力が与えられている。なお、図示は省略するが、マスク部分(メンブレン部)は、強度を確保するために、エッチング時にバルクシリコン部分を残して形成された梁(ストラット)構造で一定間隔ごとに支えられている。
【0019】
パターン2は、基板に転写されるマスクパターンである。そして、このパターン2は、マスク基板1の表面に対して垂直に形成された貫通孔として形成されている。また、このパターン2は、通常、マスク基板1を形成した後、表面にレジストパターンを形成してドライエッチングによって形成される。図1では、マスク基板1の上半分のみにパターン2が形成されている。
【0020】
補助パターン3は、マスク基板1のパターン2の密度が低い部分に形成される。図1(a)では、マスク基板1の下半分に形成されている。この補助パターン3は、マスク基板1の歪みによるパターン2の位置精度の劣化を防ぐために設けられている。また、補助パターン3の開口部は短辺と長辺を有する矩形である。そして、図1(b)は、図1の荷電粒子ビーム露光用マスクのA−A’(補助パターン3の開口部の短辺と平行な方向)での断面図である。補助パターン3は、図2に示すように、マスク基板1の表面に対して斜めに形成された貫通孔として形成されている。 そして、補助パターン3の開口部の短辺の幅w及び補助パターン3の貫通孔のマスク基板1の表面の法線方向となす角度θは、マスク基板1の表面に対して法線方向に補助パターン3を通り抜けることができないように設定されている。
【0021】
図2は、本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法の説明図である。図2に示すように、上記の荷電粒子ビーム露光用マスクを通過した荷電粒子ビームは、第1の電子レンズ12及び第2の電子レンズ13によって、被露光対象である基板14上に結像される。ただし、第1の電子レンズ12及び第2の電子レンズ13の間には、光軸C上に開口部15aを有するコントラストアパーチャ15が設けられている。また、基板14上には、レジスト14aが塗布されている。なお、12aは第1の電子レンズ12のレンズ主面であり、13aは、第2の電子レンズ13のレンズ主面である。
【0022】
マスク基板1は、全面を荷電粒子ビームにより露光されるが、図2では、パターン2の開口部に入射される荷電粒子ビーム16aと補助パターン3の開口部に入射される荷電粒子ビーム16bのみを図示した。このパターン2の開口部に入射した荷電粒子ビーム16aは、マスク基板1による散乱をほとんど受けることなく通過するので、コントラストアパーチャ15の開口部15aを透過して、レンズ13によって基板14上に結像し、レジスト14aを感光させる。
【0023】
一方、補助パターン3の開口部に入射した荷電粒子ビーム16bは、マスク基板1により散乱を受ける。これは、補助パターン3はマスク基板1の表面に対して斜めに形成された貫通孔であるため、荷電粒子ビーム16bは、マスク基板1の表面に対して法線方向に補助パターン3を通り抜けることができないからである。そして、散乱を受けた荷電粒子ビーム16cは、その大部分がコントラストアパーチャ15で遮蔽される。このため、補助パターン3の解像を抑制することができる。
【0024】
また、マスク基板1の厚みは、照射された荷電粒子ビームを完全に遮蔽せず、散乱コントラストを発生させるように設定する。これにより、マスク基板1を薄膜化できるので、パターン2の寸法精度が向上する。そして、発熱、帯電によるパターン2の位置精度の劣化を抑制できる。よって、半導体装置の性能、信頼性、歩留まりを向上することができる。さらに、露光に用いる荷電粒子ビームとして、電子ビームを用いる。電子ビームは、マスクに与えるダメージが小さいので、マスクの寿命を長くすることができる。
【0025】
以上のような荷電粒子ビーム露光用マスク及びそれを用いた荷電粒子ビーム露光方法は、半導体装置であるDRAMを製造する際に用いることができる。ここで、図3(a) は、DRAMのチップレイアウト図である。また、図3(b)は、このDRAMのチップを形成する基板を露光するための荷電粒子ビーム露光用マスクのマスクレイアウト図である。そして、図3(a)に示すように、DRAMのチップ21は、メモリセル部22及び周辺回路部23を有している。また、図3(b)に示すように、マスク24は、メモリセル部22を露光するためのメモリセル部用マスク25及び周辺回路部23を露光するための周辺回路部用マスク26を有している。
【0026】
一般的に、DRAMでは、メモリセル部22のパターン密度が、周辺回路部23よりも大きい。特に、メモリセルの中で各ビットの状態が書き込まれるストレージノードでは、パターンがメモリセル部22のみに存在し、周辺回路部23にはパターンが存在しない。このようなストレージノードを露光するためのマスクでは、大きな非線形の位置歪みが生じ、重ね合わせ精度が劣化する。
【0027】
そこで、DRAMのチップを露光するためのマスク24では、位置歪みを抑制するために、周辺回路部用マスク26に、補助パターンを形成する。この補助パターンは基板に転写されないので、DRAMチップのレイアウトに何ら制限を与えることなく、位置歪みを抑制することができる。
【0028】
よって、本実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法では、露光に用いるパターンより大きなアスペクト比の補助パターンを作ることなく、クーロン効果により解像度低下することなく、パターン位置歪を緩和することができる。
【0029】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。この荷電粒子ビーム露光用マスクは、図4に示すように、補助パターン3がT−w/tanθ≧tの関係を有する。ここで、マスク基板1は、その材質からして、露光に用いられる荷電粒子ビームに対して遮光体として機能できる最小の厚さがtである。また、マスク基板の厚さがTである。これにより、マスク基板1の表面に対して法線方向から、補助パターン3の開口部に入射した荷電粒子ビームは、必ずマスク基板1の膜厚t以上の部分を通過するので、確実に補助パターン3が被露光基板へ転写されるのを抑制することができる。また、補助パターン3の開口部に入射した荷電粒子ビームは、散乱されているために、結像に寄与する電子と異なる軌道を通るので、結像に寄与する電子に与える静電力が小さく、マスク基板1より下の電子光学系内部でのクーロン効果に寄与しないため、クーロン効果による解像性能の劣化を抑制することができる。ここで、θの値が大きいほど、上記のような補助パターン3の転写抑制効果が大きくなり、解像性能の劣化を防止できる。一方、θの値が小さいほど、補助パターン3の貫通孔の長さを短くできるので、補助パターン3の形成が容易になる。
【0030】
また、この実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクは、実施の形態1と同様に、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法に適用することができる。
【0031】
よって、本実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスク及びそれを用いた荷電粒子ビーム露光方法では、実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法と同様の効果を有する。
【0032】
実施の形態3.
図5は、実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。この荷電粒子ビーム露光用マスクは、図5に示すように、補助パターン3の貫通孔の上側の開口部と下側の開口部とが、マスク基板1に対して法線方向に投影した場合に、幅Qの重なりを有する。そして、この幅Qは、マスク基板1の表面に対して法線方向に補助パターンの貫通孔を通り抜けた荷電粒子ビームがパターン転写における解像限界以下の幅になるように設定されている。すなわち、そのような幅Qを有するように、補助パターン3の開口部の幅と補助パターン3の貫通孔のマスク基板1の表面に対する角度θが設定されている。これにより、補助パターン3部分の上記の幅Qの重なり部分に入射した荷電粒子ビームは、散乱を受けずに通過するが、解像限界以下の幅であるためパターン転写されない。
【0033】
また、この実施の形態3の荷電粒子ビーム露光用マスクは、実施の形態1と同様に、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法に適用することができる。
【0034】
よって、本実施の形態3の荷電粒子ビーム露光用マスク及びそれを用いた荷電粒子ビーム露光方法では、実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスク、それを用いた荷電粒子ビーム露光方法及びその露光方法を用いた半導体装置の製造方法と同様の効果を有する。さらに、実施の形態1にくらべて、補助パターンの貫通孔のマスク基板の表面の法線方向となす角度を小さくすることができ、補助パターンの貫通孔の深さを浅くすることができるので、補助パターンを形成しやすい。
【0035】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、露光に用いるパターンより大きなアスペクト比の補助パターンを作ることなく、クーロン効果により解像度低下することなく、パターン位置歪を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の荷電粒子ビーム露光用マスクである。
【図2】本発明の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法の説明図である。
【図3】DRAMのチップレイアウト図とその露光に用いる荷電粒子ビーム露光用マスクのマスクレイアウト図である。
【図4】実施の形態2の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。
【図5】実施の形態3の荷電粒子ビーム露光用マスクの断面図である。
【図6】従来の荷電粒子ビーム露光用マスクを用いた荷電粒子ビーム露光方法の説明図である。
【符号の説明】
1 マスク基板
2 パターン
3 補助パターン
Claims (8)
- マスク基板に貫通孔としてパターンが形成された荷電粒子ビーム露光用マスクであって、前記マスク基板は引っ張り応力が与えられ、前記マスク基板の前記パターンの密度が低い部分に、前記マスク基板の表面に対して斜めに形成された貫通孔として補助パターンが形成されていることを特徴とする荷電粒子ビーム露光用マスク。
- 前記補助パターンの開口部の幅及び補助パターンの貫通孔の前記マスク基板の表面に対する角度は、前記マスク基板の表面に対して法線方向に前記補助パターンを通り抜けることができないように設定されていることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム露光用マスク。
- 前記補助パターンの開口部の幅がwであり、前記マスク基板が露光に用いられる荷電粒子ビームに対して遮光体として機能できる最小の厚さがtであり、前記補助パターンの貫通孔が前記マスク基板の表面の法線方向となす角度がθであり、前記マスク基板の厚さがTであり、T−w/tanθ≧tの関係を有することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム露光用マスク。
- 前記補助パターンの開口部の幅と前記補助パターンの貫通孔の前記マスク基板の表面に対する角度は、前記マスク基板の表面に対して法線方向に前記補助パターンの貫通孔を通り抜けた荷電粒子ビームがパターン転写における解像限界以下の幅になるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム露光用マスク。
- 前記マスク基板の厚みは、照射された荷電粒子ビームを完全に遮蔽せず、散乱コントラストを発生させるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム露光用マスク。
- 請求項1〜5のいずれかの荷電粒子ビーム露光用マスクを用いることを特徴とする荷電粒子ビーム露光方法。
- 荷電粒子ビームとして電子ビームを用いることを特徴とする請求項6記載の荷電粒子ビーム露光方法。
- 請求項6又は請求項7の荷電粒子ビーム露光方法を用いて基板を露光する工程を有する半導体装置の製造方法。
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