JP2004273583A - 配線基板構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化にも好適であって、部品点数や組立て工程を大幅に増やすことのない配線基板構造体を提供する。
【解決手段】配線基板構造体は、第1の基板としての基板1と、第1の基板1の少なくとも一部の上方を覆うように配置され、固定部21および可動部22を含む第2の基板としての基板2と、基板1と固定部21との間の相対的位置関係を一定に固定する拘束部材5と、基板1と可動部22との間を電気的に接続する接続端子3とを備える。ただし、可動部22は、固定部21に対してスリット8で実質的に区画されることで規定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】配線基板構造体は、第1の基板としての基板1と、第1の基板1の少なくとも一部の上方を覆うように配置され、固定部21および可動部22を含む第2の基板としての基板2と、基板1と固定部21との間の相対的位置関係を一定に固定する拘束部材5と、基板1と可動部22との間を電気的に接続する接続端子3とを備える。ただし、可動部22は、固定部21に対してスリット8で実質的に区画されることで規定されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の配線基板を上下方向に重ねて配置し、なおかつこれらの複数の配線基板間を電気的に接続したもの(以下、「配線基板構造体」というものとする。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上下方向に離れた位置にありながら上から見たときに互いに重なり合うような関係に固定的に配置された2枚の配線基板において、これらの基板同士の間に棒状の端子を渡して電気的接続を行ないたい場合がある。一例を図7に示す。基板101と基板102とは、上下に離れた位置で互いに重なり合う関係にあり、部材105によって互いに位置関係を固定されている。基板101の上面から上に向かって延びる端子103は基板102を貫通して、基板102の上側に若干突出した位置でハンダ104によって固定されている。
【0003】
このように端子と基板との間の接続としてはハンダづけが一般的である。しかし、図7に示すようにただ単純に接続したのでは、温度変化による端子103の線膨張によってハンダ104に応力が発生し、ハンダ104が破断するなどして接触不良になるおそれがある。
【0004】
この問題を解消するための第1の技術としては、実開平2−138444号公報(特許文献1)に開示されたものが挙げられる。この技術を適用した場合、図8に示す構造体が得られる。この技術は、上下に延びる端子103bの途中に側方に向かって突出するように曲げた部分(以下、「ベント部」という。)106を設け、この部分を応力吸収部とするものである。
【0005】
上記問題を解消するための第2の技術としては、上側の基板102fを下側の基板101に直接固定するのではなく、図9に示すように、下側の基板101に固定された他の部材からなる保持部107によって挟み込み、ガタをもたせた状態で緩く保持するという技術を挙げることができる。図9では、基板102fが保持部107によって挟まれている状態の説明のため、保持部107のみ断面を示している。この技術を適用して得られる構造体においては、端子103fが膨張収縮したとしても、上側の基板102fはそれに合わせて変位することができるので、ハンダに高い応力が発生することを防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
実開平2−138444号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の第1の技術においては、ベント部106を有する端子103bを形成するには現実的には1枚の平板からベント部に対応する形状も描かれた平面パターンで複数の端子を一括して打抜く方法が採られるため、複数の端子が一列に並んだ構造の場合、1枚の平板から直接取り出せる形状という観点から、図8にも表れているように、ある端子のベント部はすぐ隣の端子の方に向かって突出するような平面的な構造にせざるを得ない。そのため、端子間の距離をある程度以上確保せざるを得ず、構造全体を小型化するために端子間ピッチを小さくしたいという要求に対応するには不都合である。
【0008】
一方、上述の従来の第2の技術においては、端子103fは直線状のものであってもよいため、端子間ピッチを短くするには好都合であるが、上側の基板102fを緩く保持するための保持部107を構成するために部品数が大幅に増えてしまう。したがって、部品コストや組立てコストが増えてしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、小型化にも好適であって、部品点数や組立て工程を大幅に増やすことのない配線基板構造体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づく配線基板構造体は、第1の基板と、上記第1の基板の少なくとも一部の上方を覆うように配置され、固定部および可動部を含む第2の基板と、上記第1の基板と上記固定部との間の相対的位置関係を一定に固定する拘束部材と、上記第1の基板と上記可動部との間を電気的に接続する接続端子とを備え、上記可動部は、上記固定部に対してスリットで実質的に区画されることで規定されている。この構成を採用することにより、接続端子の膨張収縮に対して、可動部が変位することによって接続端子と可動部との間の接続箇所に過度な負荷がかかることを防止できる。したがって、この接続箇所におけるハンダなどが破断することを防止でき、全体の寿命を長く確保することができる。
【0011】
上記発明において好ましくは、上記可動部は、上記固定部の内側において少なくとも3方をスリットで区切られるようにして配置されている。この構成を採用することにより、簡単な構造で可動部を設定することができる。また、可動部はたわむことによって円滑に変位することができるようになる。
【0012】
上記発明において好ましくは、上記可動部と上記固定部とは一体成形された基板であり、上記可動部は、上記固定部とくびれ部を介してつながっている。この構成を採用することにより、可動部は小さな荷重に対してもくびれ部を中心として回転するように変位することができ、接続端子と可動部との接続箇所に生じる応力を低減することができる。
【0013】
上記発明において好ましくは、上記接続端子は一定方向に並んで上記第1の基板から立ち上がるように配置されており、上記くびれ部の幅方向は、上記接続端子の並ぶ方向と略平行となっている。この構成を採用することにより、接続端子が温度変化などによって膨張収縮した際に、各接続端子と可動部との間の接続箇所にそれぞれ生じる応力を、くびれ部を中心とした可動部の変位によってそれぞれほぼ均等に吸収することができる。
【0014】
上記発明において好ましくは、上記可動部は、柔軟部を介して上記固定部とつながっている。この構成を採用することにより、柔軟部の材質を適宜選択することによって、可動部を変位しやすくし、各接続端子と可動部との間の接続箇所に生じる応力をさらに低減することもできる。
【0015】
上記発明において好ましくは、上記可動部は上記固定部に取り囲まれるように配置されており、上記柔軟部は上記可動部を少なくとも2方から挟み込むように配置されている。この構成を採用することにより、柔軟部のみで可動部を支えることができる。可動部は容易に変位することができるので、各接続端子と可動部との間の接続箇所に生じる応力をさらに低減することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図4を参照して、本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体について説明する。図1に示す配線基板構造体は、第1の基板としての基板1と、第2の基板としての基板2と、拘束部5と、接続端子3とを備えている。基板2は、基板1の少なくとも一部の上方を覆うように配置されている。基板2は、固定部21と可動部22とを含む。拘束部5は、基板1と、基板2の固定部21との間の相対的位置関係を一定にするように固定している。基板1,2とも、その表面または内部に配線(図示省略)を有している。接続端子3は、基板1の配線と、基板2の可動部22にある配線との間を電気的に接続している。なお、可動部22は、固定部21に対してスリット8で区画されることで規定されている。固定部21と可動部22との間は、くびれ部9によってつながっている。固定部21における配線と可動部22における配線との間を電気的に接続するための配線(図示省略)は、くびれ部9を通過するように配置されている。
【0017】
(作用・効果)
上述のように、二層構造の基板のうちの一方である基板2にスリットを設けて可動部22を規定することとし、基板1からの接続端子3による接続は、この可動部22に対して行なうこととしているので、接続端子3が長手方向に膨張収縮しても可動部22が変位することによって無理なく追従することができる。可動部22が変位することにより、可動部22内にある接続端子3と可動部22との間の接続を担っているハンダ4には過度な負荷がかかることを防止できる。したがって、この配線基板構造体の寿命は長く確保することができる。さらに、接続端子にはベント構造などを設ける必要もなく直線状のものであってよいため、端子間ピッチを短くするにも好都合である。また、この技術の実現のためには、余計な部品を必要としないため、部品点数の増加を回避できる。また、図7に示したような従来構造に比べて、基板2にスリット8を設けるだけでよく、複雑な組立て作業も要しないため、組立て工程が大幅に増えることも回避できる。
【0018】
なお、可動部は、固定部の内側において少なくとも3方をスリットで区切るようにして配置されていることが好ましい。スリットの形状としては、図1の例では図2に示すC字形のものを用いているが、図3に示すようなコの字形のものであってもよい。ただし、接続端子の長さの変化を円滑に吸収するためには、可動部がより柔軟に弾性変形することが好ましいから、図3に示す形状よりは図2に示す形状の方が好ましい。
【0019】
また、可動部と固定部とを別々の部品として製造されてきたものを接続して第2の基板を構成するようにしてもよいが、図1で示したように、可動部と固定部とは一体成形された基板であって、くびれ部9を介して互いにつながっていることが好ましい。
【0020】
くびれ部の位置に関しては、図1に示した例では長辺の中央に配置していたが特に位置を限定するものではない。接続端子が複数ある場合、接続端子の並ぶ方向をSとすると、図4に示すように、くびれ部9cの幅方向W2と方向Sとが異なるような配置であっても本発明の実施の形態のひとつとしてある程度の効果を得ることができるが、これよりは、図1に示すように、くびれ部9の幅方向W1と接続端子の並ぶ方向Sとが略平行となっていることが好ましい。
【0021】
図4のように方向W2と方向Sとが全く異なる場合、各接続端子からくびれ部9cまでの水平方向の距離が接続端子ごとに異なる値となってしまう。そのため、各接続端子が同じように膨張収縮する場合に、くびれ部9cを中心軸として可動部22cが回転するように弾性変形するとしても、各接続端子3が対応するハンダ4にそれぞれ与える負荷を均等に吸収できるわけではない。ハンダの距離によっては却って負荷を増大してしまうおそれもある。
【0022】
これに対して、図1に示すように方向W1と方向Sとが略平行になっていれば、くびれ部9を中心軸として可動部22が回転するように弾性変形することによって各接続端子3が対応するハンダ4にそれぞれ与える負荷をほぼ均等に吸収することができる。したがって、配線基板構造体の長寿命化により大きく寄与することができる。
【0023】
なお、本実施の形態では、第1の基板と第2の基板とが外形において同一の大きさの例を示したが、第1の基板と第2の基板とは同じ大きさである必要はなく、第2の基板が第1の基板の少なくとも一部の上方を覆う位置関係でありさえすれば、異なる大きさであってもよい。また、第1の基板、第2の基板とも形状は長方形に限らず、他の形状であってもよい。
【0024】
本実施の形態では、拘束部5として上下の基板同士をつなぐ柱状の部材を例示したが、柱状のものには限らない。たとえば、壁状のものであってもよい。
【0025】
本実施の形態では、1枚の基板2の中に可動部22が1つだけ配置されている例を示したが、1枚の基板の中に複数の可動部が配置されていてもよい。1枚の基板の中に広範囲に渡って接続端子のハンダ接続箇所が分布している場合、1つの大きな可動部によってこれらのハンダ接続箇所を一括して包含するように構成するよりも、互いに近い関係にある接続箇所同士をグループにまとめて、各グループごとに個別の可動部によって包含するようにし、全体として複数の可動部が配置された構成とする方が好ましい。
【0026】
(実施の形態2)
(構成)
図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2における配線基板構造体について説明する。この配線基板構造体は、第1の基板としての基板1と、第2の基板としての基板2dと、拘束部5と、接続端子3とを備えている。基板2dは、固定部21dと可動部22dとを含む。拘束部5は、基板1と、基板2dの固定部21dとの間の相対的位置関係を一定にするように固定している。接続端子3は、基板1の配線と、基板2dの可動部22dにある配線との間を電気的に接続している。なお、可動部22dは、固定部21dに対してスリット8dで区画されることで規定されている。固定部21dと可動部22dとの間には、互いに対向する2ヶ所に柔軟部10が橋渡しをするような形で配置されている。柔軟部10は、柔軟な部材、たとえばフレキシブルプリント基板である。
【0027】
(作用・効果)
上述の構成によっても、接続端子3の膨張収縮に対して実施の形態1で説明したのと同様の効果を奏することができる。さらに、本実施の形態では、くびれ部ではなく柔軟部10によって可動部22dを支えているので、柔軟部10の材質を適宜選択することによって、可動部22dを変位しやすくし、ハンダ4にかかる荷重をさらに低減することもできる。また、可動部22dが接続端子3の長手方向(上下方向)に変位しただけでなく、水平方向に変位した場合であっても、柔軟部10の変形によって応力を吸収することができる。
【0028】
基板2dは、固定部21d、可動部22dおよび柔軟部10をそれぞれ別々に製作して、後から接続することによって組立ててもよいが、固定部21d、可動部22dおよび柔軟部10を、公知技術を用いて最初から互いに接続された状態で一括して製作することが、部品点数の増加や組立て工程の複雑化を防止する上で好ましい。
【0029】
柔軟部10は、単なる樹脂フィルムなどのような帯状のものであってもよいが、フレキシブルプリント基板であるような場合、固定部21dと可動部22dとの間の電気的接続は、この柔軟部10に配線を通すことによって行なうことができる。
【0030】
図5に示した例では、柔軟部10を2ヶ所としたが、柔軟部の個数、配置はこれに限らない。たとえば、図6に示すように柔軟部10eを4ヶ所に設けることとしてもよい。
【0031】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、接続端子の膨張収縮に対して、可動部が変位することによって接続端子と可動部との間の接続箇所に過度な負荷がかかることを防止できる。したがって、この接続箇所におけるハンダなどが破断することを防止でき、配線基板構造体の全体の寿命を長く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体の斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体のスリットの形状の第1の例である。
【図3】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体のスリットの形状の第2の例である。
【図4】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体の変形例の斜視図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態2における配線基板構造体の斜視図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態2における配線基板構造体の変形例の斜視図である。
【図7】従来技術に基づく配線基板構造体の第1の例の正面図である。
【図8】従来技術に基づく配線基板構造体の第2の例の正面図である。
【図9】従来技術に基づく配線基板構造体の第3の例の正面図である。
【符号の説明】
1,2,2c,2d,101,102,102f 基板、3,103,103b,103f 端子、4,104 ハンダ、8 スリット、9,9c くびれ部、10,10e 柔軟部、21,21c,21d 固定部、22,22c,21d 可動部、105 (基板同士の位置関係を固定するための)部材、106 ベント部、107 保持部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の配線基板を上下方向に重ねて配置し、なおかつこれらの複数の配線基板間を電気的に接続したもの(以下、「配線基板構造体」というものとする。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上下方向に離れた位置にありながら上から見たときに互いに重なり合うような関係に固定的に配置された2枚の配線基板において、これらの基板同士の間に棒状の端子を渡して電気的接続を行ないたい場合がある。一例を図7に示す。基板101と基板102とは、上下に離れた位置で互いに重なり合う関係にあり、部材105によって互いに位置関係を固定されている。基板101の上面から上に向かって延びる端子103は基板102を貫通して、基板102の上側に若干突出した位置でハンダ104によって固定されている。
【0003】
このように端子と基板との間の接続としてはハンダづけが一般的である。しかし、図7に示すようにただ単純に接続したのでは、温度変化による端子103の線膨張によってハンダ104に応力が発生し、ハンダ104が破断するなどして接触不良になるおそれがある。
【0004】
この問題を解消するための第1の技術としては、実開平2−138444号公報(特許文献1)に開示されたものが挙げられる。この技術を適用した場合、図8に示す構造体が得られる。この技術は、上下に延びる端子103bの途中に側方に向かって突出するように曲げた部分(以下、「ベント部」という。)106を設け、この部分を応力吸収部とするものである。
【0005】
上記問題を解消するための第2の技術としては、上側の基板102fを下側の基板101に直接固定するのではなく、図9に示すように、下側の基板101に固定された他の部材からなる保持部107によって挟み込み、ガタをもたせた状態で緩く保持するという技術を挙げることができる。図9では、基板102fが保持部107によって挟まれている状態の説明のため、保持部107のみ断面を示している。この技術を適用して得られる構造体においては、端子103fが膨張収縮したとしても、上側の基板102fはそれに合わせて変位することができるので、ハンダに高い応力が発生することを防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
実開平2−138444号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の第1の技術においては、ベント部106を有する端子103bを形成するには現実的には1枚の平板からベント部に対応する形状も描かれた平面パターンで複数の端子を一括して打抜く方法が採られるため、複数の端子が一列に並んだ構造の場合、1枚の平板から直接取り出せる形状という観点から、図8にも表れているように、ある端子のベント部はすぐ隣の端子の方に向かって突出するような平面的な構造にせざるを得ない。そのため、端子間の距離をある程度以上確保せざるを得ず、構造全体を小型化するために端子間ピッチを小さくしたいという要求に対応するには不都合である。
【0008】
一方、上述の従来の第2の技術においては、端子103fは直線状のものであってもよいため、端子間ピッチを短くするには好都合であるが、上側の基板102fを緩く保持するための保持部107を構成するために部品数が大幅に増えてしまう。したがって、部品コストや組立てコストが増えてしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、小型化にも好適であって、部品点数や組立て工程を大幅に増やすことのない配線基板構造体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づく配線基板構造体は、第1の基板と、上記第1の基板の少なくとも一部の上方を覆うように配置され、固定部および可動部を含む第2の基板と、上記第1の基板と上記固定部との間の相対的位置関係を一定に固定する拘束部材と、上記第1の基板と上記可動部との間を電気的に接続する接続端子とを備え、上記可動部は、上記固定部に対してスリットで実質的に区画されることで規定されている。この構成を採用することにより、接続端子の膨張収縮に対して、可動部が変位することによって接続端子と可動部との間の接続箇所に過度な負荷がかかることを防止できる。したがって、この接続箇所におけるハンダなどが破断することを防止でき、全体の寿命を長く確保することができる。
【0011】
上記発明において好ましくは、上記可動部は、上記固定部の内側において少なくとも3方をスリットで区切られるようにして配置されている。この構成を採用することにより、簡単な構造で可動部を設定することができる。また、可動部はたわむことによって円滑に変位することができるようになる。
【0012】
上記発明において好ましくは、上記可動部と上記固定部とは一体成形された基板であり、上記可動部は、上記固定部とくびれ部を介してつながっている。この構成を採用することにより、可動部は小さな荷重に対してもくびれ部を中心として回転するように変位することができ、接続端子と可動部との接続箇所に生じる応力を低減することができる。
【0013】
上記発明において好ましくは、上記接続端子は一定方向に並んで上記第1の基板から立ち上がるように配置されており、上記くびれ部の幅方向は、上記接続端子の並ぶ方向と略平行となっている。この構成を採用することにより、接続端子が温度変化などによって膨張収縮した際に、各接続端子と可動部との間の接続箇所にそれぞれ生じる応力を、くびれ部を中心とした可動部の変位によってそれぞれほぼ均等に吸収することができる。
【0014】
上記発明において好ましくは、上記可動部は、柔軟部を介して上記固定部とつながっている。この構成を採用することにより、柔軟部の材質を適宜選択することによって、可動部を変位しやすくし、各接続端子と可動部との間の接続箇所に生じる応力をさらに低減することもできる。
【0015】
上記発明において好ましくは、上記可動部は上記固定部に取り囲まれるように配置されており、上記柔軟部は上記可動部を少なくとも2方から挟み込むように配置されている。この構成を採用することにより、柔軟部のみで可動部を支えることができる。可動部は容易に変位することができるので、各接続端子と可動部との間の接続箇所に生じる応力をさらに低減することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図4を参照して、本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体について説明する。図1に示す配線基板構造体は、第1の基板としての基板1と、第2の基板としての基板2と、拘束部5と、接続端子3とを備えている。基板2は、基板1の少なくとも一部の上方を覆うように配置されている。基板2は、固定部21と可動部22とを含む。拘束部5は、基板1と、基板2の固定部21との間の相対的位置関係を一定にするように固定している。基板1,2とも、その表面または内部に配線(図示省略)を有している。接続端子3は、基板1の配線と、基板2の可動部22にある配線との間を電気的に接続している。なお、可動部22は、固定部21に対してスリット8で区画されることで規定されている。固定部21と可動部22との間は、くびれ部9によってつながっている。固定部21における配線と可動部22における配線との間を電気的に接続するための配線(図示省略)は、くびれ部9を通過するように配置されている。
【0017】
(作用・効果)
上述のように、二層構造の基板のうちの一方である基板2にスリットを設けて可動部22を規定することとし、基板1からの接続端子3による接続は、この可動部22に対して行なうこととしているので、接続端子3が長手方向に膨張収縮しても可動部22が変位することによって無理なく追従することができる。可動部22が変位することにより、可動部22内にある接続端子3と可動部22との間の接続を担っているハンダ4には過度な負荷がかかることを防止できる。したがって、この配線基板構造体の寿命は長く確保することができる。さらに、接続端子にはベント構造などを設ける必要もなく直線状のものであってよいため、端子間ピッチを短くするにも好都合である。また、この技術の実現のためには、余計な部品を必要としないため、部品点数の増加を回避できる。また、図7に示したような従来構造に比べて、基板2にスリット8を設けるだけでよく、複雑な組立て作業も要しないため、組立て工程が大幅に増えることも回避できる。
【0018】
なお、可動部は、固定部の内側において少なくとも3方をスリットで区切るようにして配置されていることが好ましい。スリットの形状としては、図1の例では図2に示すC字形のものを用いているが、図3に示すようなコの字形のものであってもよい。ただし、接続端子の長さの変化を円滑に吸収するためには、可動部がより柔軟に弾性変形することが好ましいから、図3に示す形状よりは図2に示す形状の方が好ましい。
【0019】
また、可動部と固定部とを別々の部品として製造されてきたものを接続して第2の基板を構成するようにしてもよいが、図1で示したように、可動部と固定部とは一体成形された基板であって、くびれ部9を介して互いにつながっていることが好ましい。
【0020】
くびれ部の位置に関しては、図1に示した例では長辺の中央に配置していたが特に位置を限定するものではない。接続端子が複数ある場合、接続端子の並ぶ方向をSとすると、図4に示すように、くびれ部9cの幅方向W2と方向Sとが異なるような配置であっても本発明の実施の形態のひとつとしてある程度の効果を得ることができるが、これよりは、図1に示すように、くびれ部9の幅方向W1と接続端子の並ぶ方向Sとが略平行となっていることが好ましい。
【0021】
図4のように方向W2と方向Sとが全く異なる場合、各接続端子からくびれ部9cまでの水平方向の距離が接続端子ごとに異なる値となってしまう。そのため、各接続端子が同じように膨張収縮する場合に、くびれ部9cを中心軸として可動部22cが回転するように弾性変形するとしても、各接続端子3が対応するハンダ4にそれぞれ与える負荷を均等に吸収できるわけではない。ハンダの距離によっては却って負荷を増大してしまうおそれもある。
【0022】
これに対して、図1に示すように方向W1と方向Sとが略平行になっていれば、くびれ部9を中心軸として可動部22が回転するように弾性変形することによって各接続端子3が対応するハンダ4にそれぞれ与える負荷をほぼ均等に吸収することができる。したがって、配線基板構造体の長寿命化により大きく寄与することができる。
【0023】
なお、本実施の形態では、第1の基板と第2の基板とが外形において同一の大きさの例を示したが、第1の基板と第2の基板とは同じ大きさである必要はなく、第2の基板が第1の基板の少なくとも一部の上方を覆う位置関係でありさえすれば、異なる大きさであってもよい。また、第1の基板、第2の基板とも形状は長方形に限らず、他の形状であってもよい。
【0024】
本実施の形態では、拘束部5として上下の基板同士をつなぐ柱状の部材を例示したが、柱状のものには限らない。たとえば、壁状のものであってもよい。
【0025】
本実施の形態では、1枚の基板2の中に可動部22が1つだけ配置されている例を示したが、1枚の基板の中に複数の可動部が配置されていてもよい。1枚の基板の中に広範囲に渡って接続端子のハンダ接続箇所が分布している場合、1つの大きな可動部によってこれらのハンダ接続箇所を一括して包含するように構成するよりも、互いに近い関係にある接続箇所同士をグループにまとめて、各グループごとに個別の可動部によって包含するようにし、全体として複数の可動部が配置された構成とする方が好ましい。
【0026】
(実施の形態2)
(構成)
図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2における配線基板構造体について説明する。この配線基板構造体は、第1の基板としての基板1と、第2の基板としての基板2dと、拘束部5と、接続端子3とを備えている。基板2dは、固定部21dと可動部22dとを含む。拘束部5は、基板1と、基板2dの固定部21dとの間の相対的位置関係を一定にするように固定している。接続端子3は、基板1の配線と、基板2dの可動部22dにある配線との間を電気的に接続している。なお、可動部22dは、固定部21dに対してスリット8dで区画されることで規定されている。固定部21dと可動部22dとの間には、互いに対向する2ヶ所に柔軟部10が橋渡しをするような形で配置されている。柔軟部10は、柔軟な部材、たとえばフレキシブルプリント基板である。
【0027】
(作用・効果)
上述の構成によっても、接続端子3の膨張収縮に対して実施の形態1で説明したのと同様の効果を奏することができる。さらに、本実施の形態では、くびれ部ではなく柔軟部10によって可動部22dを支えているので、柔軟部10の材質を適宜選択することによって、可動部22dを変位しやすくし、ハンダ4にかかる荷重をさらに低減することもできる。また、可動部22dが接続端子3の長手方向(上下方向)に変位しただけでなく、水平方向に変位した場合であっても、柔軟部10の変形によって応力を吸収することができる。
【0028】
基板2dは、固定部21d、可動部22dおよび柔軟部10をそれぞれ別々に製作して、後から接続することによって組立ててもよいが、固定部21d、可動部22dおよび柔軟部10を、公知技術を用いて最初から互いに接続された状態で一括して製作することが、部品点数の増加や組立て工程の複雑化を防止する上で好ましい。
【0029】
柔軟部10は、単なる樹脂フィルムなどのような帯状のものであってもよいが、フレキシブルプリント基板であるような場合、固定部21dと可動部22dとの間の電気的接続は、この柔軟部10に配線を通すことによって行なうことができる。
【0030】
図5に示した例では、柔軟部10を2ヶ所としたが、柔軟部の個数、配置はこれに限らない。たとえば、図6に示すように柔軟部10eを4ヶ所に設けることとしてもよい。
【0031】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、接続端子の膨張収縮に対して、可動部が変位することによって接続端子と可動部との間の接続箇所に過度な負荷がかかることを防止できる。したがって、この接続箇所におけるハンダなどが破断することを防止でき、配線基板構造体の全体の寿命を長く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体の斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体のスリットの形状の第1の例である。
【図3】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体のスリットの形状の第2の例である。
【図4】本発明に基づく実施の形態1における配線基板構造体の変形例の斜視図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態2における配線基板構造体の斜視図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態2における配線基板構造体の変形例の斜視図である。
【図7】従来技術に基づく配線基板構造体の第1の例の正面図である。
【図8】従来技術に基づく配線基板構造体の第2の例の正面図である。
【図9】従来技術に基づく配線基板構造体の第3の例の正面図である。
【符号の説明】
1,2,2c,2d,101,102,102f 基板、3,103,103b,103f 端子、4,104 ハンダ、8 スリット、9,9c くびれ部、10,10e 柔軟部、21,21c,21d 固定部、22,22c,21d 可動部、105 (基板同士の位置関係を固定するための)部材、106 ベント部、107 保持部。
Claims (6)
- 第1の基板と、
前記第1の基板の少なくとも一部の上方を覆うように配置され、固定部および可動部を含む第2の基板と、
前記第1の基板と前記固定部との間の相対的位置関係を一定に固定する拘束部材と、
前記第1の基板と前記可動部との間を電気的に接続する接続端子とを備え、
前記可動部は、前記固定部に対してスリットで実質的に区画されることで規定されている、配線基板構造体。 - 前記可動部は、前記固定部の内側において少なくとも3方をスリットで区切られるようにして配置されている、請求項1に記載の配線基板構造体。
- 前記可動部と前記固定部とは一体成形された基板であり、前記可動部は、前記固定部とくびれ部を介してつながっている、請求項1に記載の配線基板構造体。
- 前記接続端子は一定方向に並んで前記第1の基板から立ち上がるように配置されており、前記くびれ部の幅方向は、前記接続端子の並ぶ方向と略平行となっている、請求項3に記載の配線基板構造体。
- 前記可動部は、柔軟部を介して前記固定部とつながっている、請求項1に記載の配線基板構造体。
- 前記可動部は前記固定部に取り囲まれるように配置されており、前記柔軟部は前記可動部を少なくとも2方から挟み込むように配置されている、請求項5に記載の配線基板構造体。
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2003
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