JP2004273360A - 高電圧ソケット及びそれを用いたx線管装置 - Google Patents

高電圧ソケット及びそれを用いたx線管装置 Download PDF

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隆志 宮下
Koji Akita
浩二 秋田
Yoshiaki Tsuburaya
喜明 円谷
Yoshitaka Seki
善隆 関
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Abstract

【課題】X線管装置の使用時にX線管容器内の絶縁油中で発生する放電を防止し、かつ高強度を保持する高電圧ソケットを提供する。
【解決手段】高電圧ソケット132はソケット本体142とリード結合部140とから成る。ソケット本体142は3個の端子150と、この端子150を埋め込んだ円筒状のソケット絶縁筒144を有する。リード結合部140は3本の陰極リード線136とこれを端子150の外面側の面に固定する頭の丸い丸小ねじ152を有する。ソケット絶縁筒144は周方向の一部に開口部156を有する円筒状のリード結合部カバー148を備えている。陰極リード線136がその平板状のリード端末162で端子150に結合され、開口部156より横方向に引き出された後、リード結合部カバー148の内側に絶縁物(樹脂)158が充填される。このような構成により、高電圧ソケットのリード結合部及びリード線の電界が緩和される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用X線管装置などに使用される高電圧ソケットに係り、特に医用X線管装置などが100kV〜150kVの高電圧下で使用される場合において放電などの発生がなく安定した性能を発揮することができる高電圧ソケットの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医用X線装置などにおいて、医用X線管装置(以下、X線管装置という)と医用X線高電圧装置(以下、X線高電圧装置という)との間で高電圧回路を接続する場合には、通常両端末に高電圧プラグを備えた高電圧ケーブルと、X線管装置及びX線高電圧装置に取り付けられ、前記高電圧プラグとの嵌合部を備えた高電圧ソケットを用いて行われる。このため、機器の互換性などを考慮して、高電圧ソケットと高電圧プラグに関しては、日本工業規格JIS Z4731(医用X線装置用高電圧プラグ及びソケット)に種類や構造などが規定されている。特に、構造については、高電圧ケーブルの共用に鑑み、高電圧プラグと高電圧ソケットとの嵌合部の寸法が細かく規定されている。しかし、高電圧ソケットの外側の形状、寸法などについては、取り付けられる装置との関連性があるため、参考寸法などが記載されているのみで、特に規定はされていない。
【0003】
図9及び図10に従来のX線管装置の一例の構造を示す断面図を、図10に従来の高電圧ソケットの第一の例の構造図を、それぞれ示す。図9において、X線管装置10のX線管容器12内に回転陽極X線管(以下、X線管と略称する)14が絶縁油16に浸漬されて内包されている。X線管12は、X線を発生するターゲット円盤20を備えた回転陽極(以下、単に陽極と呼ぶ場合もある)18と、電子ビームを発生する陰極22と、回転陽極18と陰極20と絶縁支持し、真空気密に内包する外囲器24とを備えている。また、X線管12は、陽極端26を陽極側支持体28により、外囲器24の陰極側外周を陰極側支持体30により、それぞれX線管容器12の内壁に絶縁支持されている。X線管14の回転陽極18のロータ32の外周部には、回転陽極18を回転駆動するためのステータ34が配置され、このステータ34はX線管容器12の内壁にステータ支持体36により支持されている。また、X線管14の外囲器24の最大径部24aのターゲット円盤20の近傍に管球X線放射窓38が取り付けられている。
【0004】
X線管容器12はほぼ円筒状をしていて、金属材料から成り、円筒の内面には鉛板などを貼り、防X線、防電撃構造をとっている。X線管容器12の円筒長手方向の両端部に近い位置に2個の高電圧ソケット(44、46)を取り付けるための2個のソケット取付部(40、42)が設けられている。陰極側ソケット取付部40には陰極側高電圧ソケット44が、陽極側ソケット取付部42には陽極側高電圧ソケット46がそれぞれ取り付けられている。また、X線管容器12の円筒長手方向の中央部には、容器X線放射窓48を取り付ける放射窓部50が設けられている。X線管14は、この放射窓部50の中心位置とX線管14のターゲット円盤20上に形成される焦点52の位置が一致するようにX線管容器12内に固定される。
【0005】
X線管装置10の高電圧ソケット44、46には、外部のX線高電圧装置から高電圧ケーブル(図示せず)を経由して高電圧が供給される。この高電圧はX線管14の陽極18と陰極22との間に印加され、X線を発生するために利用されるが、陽極側高電圧ソケット46には正電位の高電圧が、陰極側高電圧ソケット44には負電位の高電圧がそれぞれ印加される。更に、陰極側高電圧ソケット44には、X線管14の陰極22での電子発生のために利用されるフィラメント加熱電圧もX線高電圧装置から供給される。このため、陽極側高電圧ソケット46と陰極側高電圧ソケット44とでは、端子の接続や構造が異なるのが通例である。
【0006】
X線管14の陰極22は、熱電子の放出源となるフィラメント54と、フィラメント54を収容する集束電極56と、集束電極56を保持するホルダー58と、ホルダー58を支持するステム60などを備えている。フィラメント54はタングステン線などをコイル状に巻いたものが多く用いられ、これをフィラメント加熱電圧にて加熱することにより熱電子を放出する。集束電極56はフィラメント54を収容する電子集束溝を備え、高電圧印加時にこの電子集束溝およびその周辺に形成される電位分布によってフィラメント54から放出された熱電子を集束して、陽極18のターゲット円盤20上に必要な焦点52を形成している。X線管14では通常2種類の寸法の異なる焦点(大きい寸法のものを大焦点、小さい寸法のものを小焦点という)を有しているため、陰極22は2個のフィラメント54と、2個の電子集束溝を設けた集束電極56を備えている。ホルダー58は、集束電極56を支持する部分を有する板状体と、ステム60の先端部を覆う円筒部とから成り、主として金属材料で形成されている。ステム60は主要部分がガラスなどの絶縁物から成り、その中心軸近傍に複数本のステムリード62が通常環状に埋め込まれている。ステム60の外周は外囲器24の陰極側と結合されている。ステム60のリード線62はフィラメント54及び集束電極56へのフィラメント加熱電圧及び陰極電位の供給と、ホルダー58の支持に使用されている。
【0007】
X線管14と高電圧ソケット44、46の端子との間の高電圧の接続はリード線64、66によって行われている。陽極リード線66が1本であるのに対し、陰極リード線64の本数はX線管14の陰極22の構造の違い、すなわちフィラメント54の数の違いや電極構造の違い(グリッド電極を有するか否か)などによって異なり、2〜4本となっている。2極管構造のものでは、単一焦点の場合には2本、二焦点の場合には3本となるが、3極管構造のものではグリッド電極の分として更に1本増加する。現状では、2極管構造で二焦点のものが多いので、3本のものが多い。これに対応して、陰極側高電圧ソケット44も3端子のものが多く用いられている。
【0008】
図10は、図9のB−B’断面図で、陰極側高電圧ソケット44のX線管容器12への取付構造と陰極リード線64の配線状況を説明するために示したものである。図11は、前述の如く、従来の陰極側高電圧ソケットの第一の例の構造を示したもので、図9及び図10のX線管装置10にはこのような構造の陰極側高電圧ソケットが使用されている。図10において、陰極側ソケット取付部40は大略円筒形状をしており、X線管容器12の中心軸方向に対し直交する方向に、中心軸から離れた位置に設けられており、円筒の一端には開口部68を有する。この開口部68に陰極側高電圧ソケット44のフランジ部70がパッキンなどを介して油密に固定される。陰極側高電圧ソケット44は陰極リード線64と結合するための端子72を備え、その先端のリード結合部74において陰極リード線64の一端と端子72が接続されている。図示のものでは、X線管14が二焦点を有するため、陰極リード線64は3本あり、それぞれ大焦点フィラメント用、小焦点フィラメント用、両焦点共通用となる。陰極リード線64の他端にはステム60のステムリード線62が嵌合する金属チューブなどが取り付けられ、その金属チューブなどがステムリード線62と結合される。
【0009】
次に、図11を用いて、従来の陰極側高電圧ソケットの構造について説明する。図11において、陰極側高電圧ソケット44は、ソケット本体76とリード結合部74とから成る。また、ソケット本体76はソケット絶縁筒77と高電圧接続のための端子72とから成る。ソケット絶縁筒77は図示の如く大略底の付いた円筒形状をしており、円筒部78と底部80とフランジ部70と中空部82とから成る。このソケット絶縁筒77の中空部82に高電圧ケーブルの先端に取り付けられた高電圧プラグ(以下、プラグと略称する場合もある)が挿入される。ソケット絶縁筒77は高い絶縁性能を要求されるため、充填材の入ったエポキシ樹脂などの絶縁物を成型して作られている。底部80には高電圧接続のための端子72が複数個取り付けられている。この端子72は導電性の良い金属材料から成り、中空部82側の端面には高電圧ケーブルのプラグの接触子が嵌合する穴84を有し、外側に突出した部分にはX線管14の陰極22に給電するための陰極リード線64を接続するリード接続部86を有する。更に端子72は、それをソケット絶縁筒77の底部80に取り付けるためのねじ部88なども備えている。端子72は、リード結合部74の側で、そのねじ部88とナット90によって、ソケット絶縁筒77の底部80に固定されている。端子72の部分の油密は底部80との間にパッキン(図示せず)などを挿入して行っている。
【0010】
陰極側高電圧ソケット44のリード結合部74においては、端子72の先端のリード接続部86にて陰極リード線64が半田付けなどにより結合されている。半田付けをする場合には端子72の先端に設けた穴に陰極リード線64の銅線の一端を挿入して、半田付けしている。また、ソケット絶縁筒77のフランジ部70の内側にはキー溝92が設けられており、このキー溝92と高電圧ケーブルのプラグに設けられているキー凸部とを嵌合させることにより、陰極側高電圧ソケット44の3個の端子72と高電圧ケーブルのプラグの3個の接触子との位置合わせが行われている。ここで、ソケット本体76の3個の端子72は円筒部78の中心軸を中心にして円周上に120度間隔で配置されており、キー溝92の方向に両焦点共通用のリード線に結合される端子(以下、共通リード端子という)が位置する。
【0011】
陽極側高電圧ソケット46と陽極側ソケット取付部42についても、陰極側高電圧ソケット44と陰極側ソケット取付部40とほぼ同じ構造をしているが、陽極側高電圧ソケット46ではリード結合部にて接続される陽極リード線66が1本である点で異なる。このため、陽極側高電圧ソケット46では、図12に示す如く、リード結合部74において、ソケット本体76の3個の端子72を同電位にするために円板状の導通板94が用いられており、その導通板94をソケット本体76の底部80の上面に配置して3個のナット90で固定している。陽極リード線66との接続は1個の端子72の先端でのみ接続されている。導通板94はアルミニウムやめっきを施した鉄鋼などの板材で作られており、3個の端子72のねじ部88を通すための穴が設けられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
近年、X線管装置は高出力化が求められており、X線管装置が大型化される傾向にある。しかし、X線管装置はX線CT装置などに搭載されるため、その大型化も最小限に抑える必要があり、X線管容器の外形を小さくする必要がある。そのため、X線管容器の内壁と高電圧が印加される高電圧ソケットの端子との間の距離には制限があり、図9などに示すような従来のX線管装置10の高電圧ソケット44、46では、以下に記すような問題があった。
【0013】
高電圧ソケット44、46の端子72の先端部に設けられたねじ部88のねじ山が鋭利な形状となっていること、このねじ部88に嵌合するナット90の外周が角張った形状をしていること、また端子72の全体としての形状が円柱状であるため、円柱の端部が角張っていることなどで、X線管装置10に高電圧を印加したときに、上記の端子72などの尖った部分に電界の集中が起こり、この局部的な高電界部の発生により、絶縁油16の中で放電を起こす場合があった。
【0014】
また、高電圧ソケット44、46をX線管装置10に取り付ける場合、上記の如く高電圧ソケット44、46の端子72とX線管14のステムリード線62及び陽極端26との間をリード線64、66にて接続しているが、その際に高電圧ソケット44、46の端子72に接続されたリード線64、66が高電圧ソケット44、46の上方向に引き出されているため、リード線64、66を折り曲げて配線されている。しかし、リード線64,66を高電圧ソケット44、46の上方向に引き出していることに起因して、リード線64、66とX線管容器12の内壁との距離が接近し、リード線64、66とX線管容器12との間で放電する場合があった。
【0015】
上記の油中放電の防止のために、高電圧ソケット及び周辺部について、種々の改良が行われている。先ず、第1の改良例としては、X線管容器12と高電圧ソケットとの間に絶縁隔壁を設けたものがある。図10に破線で示した如く、陰極側高電圧ソケット44のリード結合部74の周辺を覆うように絶縁カバー96を配置したものである。この絶縁カバー96は底付き円筒形状をしており、側面に陰極リード線64を引き出すための切り込み溝が設けられている。その材料としては、充填材入りのエポキシ樹脂などが用いられている。この改良は陽極側高電圧ソケット46についても行われている。この改良によって、高電圧ソケット44、46の端子72とX線管容器12の内壁との間の直接的な油中放電は防止されたが、高電圧ソケット44、46の端子72の周辺の高電界は緩和されていないため、端子72の周辺での微小油中放電は抑止されていない。
【0016】
次に、第2の改良例を図13に示す。図13は従来の高電圧ソケットの第二の例の構造図を示したものである。この第二の側の陰極側高電圧ソケット98では、そのリード結合部100の周辺部は充填された絶縁物102で被覆されている。絶縁物102としては、充填材の入らない透明なエポキシ樹脂が用いられており、端子72周辺におけるエポキシ樹脂充填の欠陥(例えば、クラックや気泡)の有無の確認ができるようになっている。また、この従来例では、高電圧ソケット98の外周に上記の絶縁カバー96を追加適用している場合もある。これらの改良は陽極側高電圧ソケットについても行われている。この改良例では、高電圧ソケットのリード結合部の電界は大幅に緩和され、この部分からの放電は防止されるが、他の部分の放電が抑止されないことや透明なエポキシ樹脂がねじ部88の近傍でクラックを発生するという副作用が発生する場合があるなどの問題がある。
【0017】
次に、第3の改良例を図14に示す。図14は従来の高電圧ソケットの第三の例の構造図を示したものである。この第三の例の陰極側高電圧ソケット104では、陰極リード線106をソケット本体76の中心軸にほぼ直交する方向に引き出している。図14において、陰極リード線106の先端に圧着端子108が取り付けられており、その圧着端子108を端子72とナット90にて挟んで固定することにより、陰極リード線106と陰極側高電圧ソケット104の端子72が接続されている。この改良は陽極側高電圧ソケットについても行われている。この改良例では、陰極リード線106をソケット本体76の中心軸にほぼ直交する方向に引き出したことにより、陰極リード線106とX線管容器12の内壁との距離が広がり、高電圧印加時の陰極リード線106の周辺の電界が緩和される。しかし、リード結合部110のねじ部88やナット90の角部などの尖り部分における電界集中の問題は残り、更に、圧着端子108の端部の角張りなどの尖り部分における電界集中の問題が追加される。
【0018】
次に、第4の改良例を図15に示す。図15は従来の高電圧ソケットの第四の例の構造図を示したものである。この第四の例の陰極側高電圧ソケット112では、リード結合部114の周辺にコロナリング116を設けている。コロナリング116は図示の如くアルミニウムや鉄鋼などの薄い金属板をリング状に丸めたもので、このコロナリング116がソケット本体76の底部80に、端子72のねじ部88やナット90を囲むように取り付けられている。このコロナリング116はソケット本体76と接する側に端子72への取付部が設けられており、この取付部をソケット本体76の一つの端子(共通端子)72に固定することにより、X線管14の陰極22と同電位に保たれている。この改良は陽極側高電圧ソケットについても行われている。この改良例では、高電圧ソケットの端子72のねじ部88やナット90などのリード結合部114の周辺の電界集中は緩和されるが、リード線64、66がソケット本体76の上方向に引き出していることによる電界集中の問題は残っている。
【0019】
また、従来の高電圧ソケットの改良例については、いくつかの改良を組み合わせることにより、例えば図13の第二の例と図14の第三の例を組み合わせることにより、油中放電の問題は大幅に改善される。しかし、これらの高電圧ソケットの改良に付随して高電圧ソケットの強度の問題が発生している。すなわち、X線管装置の使用時に絶縁油の温度が上昇すると、高電圧ソケットのリード結合部の周辺に充填した樹脂が、この樹脂と端子及びその周辺の金属部品との熱膨張率の差異により、両者の界面で大きな熱応力が生じ、樹脂のクラックを引き起こし、樹脂が剥がれる場合がある。これに伴い、高電圧ソケットの端子及びその周辺部で油中放電を起こすことがある。
【0020】
以上のことに鑑み、本発明では、X線管装置の使用時にX線管容器内の絶縁油中で発生する放電を防止し、かつ高強度を保持する高電圧ソケットと、これを組み込んで、安定した使用を可能にしたX線管装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するため、本発明の高電圧ソケットでは、円筒部の一端に板状の底部を有し、他端の外周にドーナツ板状のフランジ部を有し、絶縁材料から成るソケット絶縁筒と、該ソケット絶縁筒の底部に取り付けられた複数個の大略円柱状をしていて、導電性の金属材料から成る端子とを持つソケット本体と、該ソケット本体の端子に結合される1本以上のリード線とを備え、前記端子は前記ソケット絶縁筒の中心軸に対し同じ半径の円周上に前記底部を貫通して配列されており、前記端子の前記底部の内面側にある面には高電圧プラグの接触子が嵌合するための穴が設けられており、前記端子の前記底部の外面側にある面またはその近傍にて前記リード線と電気的に結合されている高電圧ソケットにおいて、前記端子は前記ソケット絶縁筒の底部に埋め込まれており、前記リード線のリード端末が前記端子の前記底部の外面側にある面に頭の丸い雄ねじにて固定されている(請求項1)。
【0022】
この構成では、高電圧ソケットのソケット本体の端子にリード線のリード端末を固定するのに頭の丸い雄ねじを使用しているので、このリード結合部の表面が丸味を帯びて、なだらかになるため、このリード結合部の電界が従来品に比べ大幅に緩和される。更に、リード結合部における頭の丸い雄ねじの上面のソケット本体の底部の表面からの高さが大幅に低くなるため、リード結合部とX線管容器の内壁との間の距離を大きくすることができる。
【0023】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記頭の丸い雄ねじが丸小ねじである。この構成では、頭の丸い雄ねじとして丸小ねじを用いているので、リード結合部の表面は丸味を帯びて、なだらかとなり、また、リード結合部における丸小ねじの頭のソケット本体の底部の表面からの高さも従来品に比べて大幅に低くなるので、請求項1の高電圧ソケットと同じ効果が得られる。
【0024】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記リード線の端末に導電性を有する平板状のリード端末を取り付け、該リード端末を前記頭の丸い雄ねじにて前記端子の前記底部の外面側にある面に固定し、前記リード線を前記ソケット本体の中心軸とほぼ直交する方向(以下、横方向と略称する)に引き出したものである(請求項2)。
【0025】
この構成では、高電圧ソケットの端子に結合されるリード線のリード端末が平板状に形成されているので、リード結合部を固定する頭の丸い雄ねじの頭のソケット本体の底部の表面からの高さが従来品に比べ大幅に低くなり、リード結合部の電界を大幅に緩和することができる。また、リード線をソケット本体の横方向に引き出しているので、この高電圧ソケットをX線管装置に適用したとき、リード線とX線管容器の内壁との間の距離を大きくすることが可能となり、リード線の表面の電界が緩和し、リード線の周辺の絶縁油中での放電が抑制される。
【0026】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記リード端末は外周の大部分が円形で、その一部分に大略長方形の突起部を有し、前記円形の中心には前記頭の丸い雄ねじの通る穴を有する板状体(以下、ターミナルという)であり、前記リード線の端末と前記ターミナルとの接続を前記ターミナルの突起部にて行い、前記リード線を前記ソケット本体の端子に前記ターミナルの穴を介して前記頭の丸い雄ねじにて固定している。この構成では高電圧ソケットの端子に結合されるリード線のリード端末として平板状のターミナルを使用したことにより、リード線を横方向に引き出し易い構造となっている。また、ターミナルの穴を介してリード線を端子に固定しているので、リード線の固定は容易であり、リード線を固定する頭の丸い雄ねじの頭の底部の表面からの高さも低くすることができる。
【0027】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記ソケット本体の端子の前記底部の外面側にある面に前記リード線のリード端末を前記頭の丸い雄ねじにて固定した後に、前記端子と前記リード線のリード端末との結合部(以下、リード結合部という)を覆うように絶縁性樹脂でモールドし、前記リード結合部を絶縁性樹脂にて埋め込んだものである。この構成では、高電圧ソケットの端子とリード線の結合に頭の丸い雄ねじを用い、更に、このリード結合部を絶縁性樹脂でモールドして埋め込んでいるので、高電位となるリード結合部の電界は大幅に緩和され、リード結合部とX線管容器内壁との間の絶縁油中の放電は抑制される。
【0028】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記絶縁性樹脂は透明である。この構成では、高電圧ソケットのリード結合部を覆うようにモールドした絶縁性樹脂が透明であるため、リード結合部及びその周辺に発生するモールドの欠陥、例えばクラックや気泡などを目視にて容易に検出することができるので、欠陥のない高強度の高電圧ソケットを提供することができる。
【0029】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記ソケット本体のソケット絶縁筒が前記底部から、その外面側に同じ外径で延長され、前記リード結合部を囲む円筒部(以下、リード結合部カバーという)を有し、該リード結合部カバーはその周方向の一部に開口部を備えており、該開口部から前記リード線を横方向に引き出したものである。この構成では、高電圧ソケットのリード結合部の周囲を絶縁材料から成る円筒状のリード結合部カバーで囲んでいるので、リード結合部から周方向への放電は抑制される。また、高電圧ソケットのリード線をソケット本体の横方向に引き出しているので、X線容器の内壁との間の距離を大きくすることができ、リード線の表面の電界を緩和することができる。
【0030】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記ソケット本体の端子と前記リード線のリード端末を結合して、前記リード線を横方向に引き出した後、前記ソケット絶縁筒のリード結合部カバーの内側を、前記リード結合部を覆うように絶縁性樹脂でモールドし、前記リード結合部を絶縁性樹脂にて埋め込んだものである。この構成では、高電圧ソケットのリード結合部及びその周辺部を絶縁性樹脂でモールドしているので、リード結合部の電界が緩和され、リード結合部とX線管容器内壁などとの間の放電は抑制される。また、リード線をソケット本体の横方向に引き出しているので、リード線とX線管容器の内壁との間の距離を大きくすることができる。
【0031】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記リード線は1本であり、前記複数個の端子の前記底部の外面側にある面を、厚さが薄く幅が狭い帯状体で構成され、導電性材料から成る1個以上の導通片と複数個の頭の丸い雄ねじにて接続して導通させ、前記リード線のリード端末を前記端子のうちの1個に前記頭の丸い雄ねじにて結合したものである。(請求項3)。この構成では、高電圧ソケットの複数個の端子を同電位にするために、厚さが薄く幅の狭い帯状体から成る導通片を使用しているので、リード結合部及びその周辺部に絶縁性樹脂を充填したときには、絶縁性樹脂と導通片との接触面積が小さくなり、温度上昇時に両者の界面に生じる熱応力を従来品に比べ大幅に緩和することができる。その結果、絶縁性樹脂と導通片との間の剥離や絶縁性樹脂のクラックなどを防止することができるので、高強度の陽極側高電圧ソケットが得られる。
【0032】
また本発明の高電圧ソケットでは、前記導通片はその外形が長円形となるように前記帯状体で形成されており、前記端子と前記導通片との接続を前記長円形の両端に位置する半円形部にて行っている。この構成では、導通片の長円形の両端の半円形部を頭の丸い雄ねじで端子に固定することによって、2個の端子の導通接続をすることができるので、端子の導通作業は容易である。また、導通片は長円形であり、単純な形状であるので、加工は容易である。
【0033】
また、本発明の高電圧ソケットでは、前記ソケット本体の前記複数個の端子に結合された複数本のリード線を一緒に捩り合わせて、前記ソケット本体の横方向に引き出したものである。この構成では、ソケット本体の複数個の端子に結合された複数本のリード線をまとめて捩り合わせて1本の捩り線としているので、この捩り線の外径は1本のリード線の外径と比べて約2倍以上となるので、この捩り線の外周における電界は1本のリード線の場合のものに比べ大幅に低下する。その結果、リード線の表面からの放電を抑制することができる。
【0034】
また、本発明のX線管装置は、前記本発明の高電圧ソケットを、陰極側高電圧ソケット及び陽極側高電圧ソケットのうちの少なくとも一方に用いている(請求項4)。本発明の高電圧ソケットでは、そのリード結合部及びリード線の周辺部の電界が緩和されて、その周辺の絶縁油中での放電を抑制する効果が得られるので、これを適用したX線管装置では、高電圧ソケット周辺の絶縁油中での放電を防止することができる。更には、高電圧ソケットの高絶縁性能を生かして、X線管装置の小型化も可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高電圧ソケットとそれを用いたX線管装置の実施例について添付図面を参照しながら説明する。以下において、図面の中で従来例のものと同じ構成の要素については同じ符号を用いることにする。
図1は本発明に係る高電圧ソケットの第一の実施例の構造図、図2は図1の部分拡大図、図3は本発明に係るX線管装置の一実施例の構造を示す断面図、図4は図3のA‐A´断面図である。ここで、図3のX線管装置には、図1の高電圧ソケットが使用される。
【0036】
先ず、図1、図2を用いて本発明に係る高電圧ソケットの第一の実施例について説明する。図1には、本実施例の陰極側高電圧ソケットの構造図を、図2には陰極リード線のリード端末の拡大図をそれぞれ示している。図1において、図1(a)は陰極側高電圧ソケット全体の縦断面図、図1(b)は図1(a)のA方向から視た図で、リード結合部を上面から見た図である。図1(a)において、陰極側高電圧ソケット132はソケット本体142とリード結合部140とから構成される。本実施例では、リード結合部140とその周辺のソケット本体142の構造に特徴がある。
【0037】
ソケット本体142は絶縁物のソケット絶縁筒144と導電体の端子150とから成る。ソケット絶縁筒144は充填材入りのエポキシ樹脂などの絶縁物から成り、円筒部78とフランジ部70と底部146と中空部82とリード結合部カバー148を有する。円筒部78、フランジ部70、中空部82は従来品とほぼ同じ構造をしており、フランジ部70はX線管容器に取り付けるための中空、円板状のフランジであり、円筒部78と中空部82は高電圧ケーブルのプラグが挿入される中空の円筒部である。また、円筒部78の入口の内周側には高電圧ケーブルのプラグのキー凸部が嵌合するキー溝92が設けられている。
【0038】
次に、ソケット144の底部146は円筒部78の底となる部分で、フランジ部70とは反対側に位置し、円板状をしている。この底部146には3個の端子150がソケット本体142の中心軸を中心にした円周上に120度間隔で埋め込まれている。この端子150の埋め込みは通常モールド成型加工によって行われている。3個の端子150のうちの1個の端子150は上記のキー溝92の方向に位置する。リード結合部カバー148は底部146の円筒部78とは反対側に接続されており、長さの短い円筒形をしている。リード結合部カバー148の短い円筒はリード結合部140を囲むように配置され、高電位のリード結合部140とその周囲のアース電位の部分(例えばX線管容器の内壁など)との間の絶縁隔壁となる。リード結合部カバー148の円周の一部に陰極リード線134を外部に引き出すための溝状のリード線引出し口156を設けている。このリード線引出し口156の形状は溝状に限定されず、円形または角形の穴でもよい。このリード線引出し口156は陰極リード線134をX線管容器12の内壁からできるだけ離すために通常X線管の陰極のステムリード線に近い側に設けられる。
【0039】
ソケット絶縁筒144に埋め込まれている3個の端子150は円柱状をしていて、中空部82側(底部146の内面側)には高電圧ケーブルのプラグの接触子が嵌合する穴84が設けられており、リード結合部140側(底部146の外面側)にはリード線接続のために用いられるねじ穴154が設けられている。端子150の材料としては導電性のよい金属が用いられている。リード結合部140においては、3本の陰極リード線136のリード端末162が頭の丸い雄ねじ152を用いて3個の端子150に固定されている。
【0040】
本実施例の陰極側高電圧ソケット132では、リード結合部140における3本の陰極リード線136の配置は図1(b)に示す如く行われており、また、陰極リード線136のリード端末162の構造は図2に示す如くなっている。図1(b)において、陰極側高電圧ソケット132の端子150及び陰極リード線136のリード端末162を固定する丸小ねじ152は、高電圧ソケット132の中心軸を中心にして円周方向に120度間隔で配置されている。3本の陰極リード線136のリード端末162は引き出し方向がリード線引出し口156の方に向くように、丸小ねじ152にて端子150に固定され、3本の陰極リード線136はリード線引出し口から横方向に引き出される。
【0041】
図2において、陰極リード線136のリード端末162はリード線170の端部にターミナル164を半田166で取り付けたものである。ターミナル164は薄い金属板から成り、その形状は外周の一部に長方形の突出部169のある円板で、円板の中心には丸小ねじ152で固定するための穴168が設けられている。リード線170には通常絶縁被覆174の施された銅より線(以下、芯線という)172が用いられており、その端部では絶縁被覆174が剥かれて、芯線172が露出されている。このリード線70の端部の芯線172がターミナル164の突出部169に半田166で結合される。ここで、芯線172の結合をより確実にするために、ターミナル164の突出部169に小穴を設け、芯線172を小穴に通した後に半田付けをしてもよい。
【0042】
図1において、ソケット絶縁筒144のリード結合部カバー148の内周側には絶縁物158が充填されている。この絶縁物158は高電位となるリード結合部140の電界を緩和するためのもので、エポキシ樹脂などの合成樹脂が用いられる。この合成樹脂としては、絶縁物158の内部にクラックや気泡などの欠陥の有無を目視で確認できるように充填材の入らないものがよい。また、絶縁物158の厚さは図示ではリード結合部カバー148の高さと同じにしてあるが、これに限定されず、リード結合部140の丸小ねじ152の頭やリード端末162などを完全に覆うことができればよいので、それらのものより2〜3mm以上高くなるような厚さでもよい。また、この絶縁物158の充填作業は、例えば高電圧ソケット132を結合部カバー148が上になるように置き、リード結合部カバー148の外周にプラスチックフィルムなどを巻いてリード線引出し口156を覆って、上方向から液状の合成樹脂を必要な高さまで流し込み、その後静止して固化する。ここで、プラスチックフィルムには予め陰極リード線136を通す穴をリード線引出し口156に対応する位置にあけておき、陰極リード線136を通した後に合成樹脂が漏れないように接着剤などで封止しておき、合成樹脂の固化後除去する。
【0043】
本実施例では、リード線136のリード端末162を端子150に結合するために、頭の丸い丸小ねじ152を使用しているが、このねじは頭の丸い小さい雄ねじであれば同じ効果を発揮できるので、他の類似形状の雄ねじ、例えばトラスねじなどを使用してもよい。トラスねじの場合、頭が丸く、更に頭の高さが丸小ねじより低いので、リード結合部140の底部146の表面からの高さを丸小ねじ152の場合より低くすることができる。その結果、リード結合部140とX線管容器の内壁との距離が広がるので、電界緩和の効果がより向上する。
【0044】
また、本実施例では、リード線136のリード端末162として円板状のターミナル164を使用しているが、このリード端末としてはこれに限定されず、厚さの薄い他の端末用部品を用いてもよい。例えば、圧着端子なども使用可能である。圧着端子を使用した場合には、リード線170との結合部が機械的にかしめられるため、強度は向上するが、この結合部の長さはターミナル164を使用した場合よりも長くなる。
【0045】
また、本実施例では、高電圧ソケット132のリード結合部カバー148の内周側を絶縁物158で充填しているが、この絶縁物158は無くても本発明の大部分の効果を発揮することができる。すなわち、本実施例では、リード線136のリード端末162を端子150に固定するのに頭の丸い雄ねじを使用していること、及びリード端末162に薄くて小さいターミナル164を使用していることにより、高電圧ソケット132のリード結合部140とX線管容器の内壁との間の距離を広げ、かつリード結合部140における部品の突起をなくして部品自体の電界強度を低減しているので、リード結合部140における電界は従来に比べ大幅に緩和されている。従って、高電圧ソケット132の使用環境に応じて、特にリード結合部140周辺の絶縁油の温度の上昇を考慮して、絶縁物158の要否を判断する必要がある。
【0046】
次に、本実施例を陽極側高電圧ソケット134に適用した場合について、図1を参照しながら簡単に説明する。陽極側高電圧ソケット134の場合、通常陽極リード線138は1本であるので、高電圧ソケットの1個の端子150(例えば共通端子)にのみ接続される。更に、この陽極リード線138はリード線引出し口156から横方向に引き出される。このとき、陽極リード線138は陰極リード線136と同様にリード端末162を取り付けて、丸小ねじ152を用いて端子150に固定される。また、3個の端子150については、図12の従来例に示したような円板状の導通板94を用いて同電位にしている。リード結合部カバー148の内周側の絶縁物158については、陰極側高電圧ソケット132の場合と同様に必要に応じて充填する。
【0047】
次に、図3、図4を用いて、本発明に係る高電圧ソケットを用いたX線管装置について説明する。図3において、本発明のX線管装置130では、X線管14が防X線、防電撃構造のX線管容器12内に絶縁油16に浸漬されて内包されている。X線管14は回転陽極18と陰極22とこれらを絶縁支持し真空気密に内包する外囲器24とから成る。X線管容器12はX線管14の中心軸に沿うほぼ同筒形状をしており、その円筒長手方向の両端部には陰極側ソケット取付部40と陽極側ソケット取付部42が設けられ、その中央部には放射窓部50が設けられている。X線管14は陽極端26を陽極側支持体28により、外囲器24の陰極側外周を陰極側支持体30により、それぞれX線管容器12の内壁に絶縁支持されている。また、X線管14の回転陽極18のロータ32の外周部にはステータ34が配置され、X線管容器12の内壁にステータ支持体36により支持されている。
【0048】
X線管14の回転陽極18は、陰極22からの電子線を焦点(X線源)52で受けてX線を放射する円板状のターゲット円盤20と、これを支持しステータ34からの回転磁界を受けて回転するロータ32と、これを回転自在に支持する回転支持部(図示せず、陽極端26を含む)などから成る。また、X線管14の陰極22は、熱電子を放出するフィラメント54と、フィラメント54を支持する集束電極56と、集束電極56を保持するホルダー58と、ホルダー58を支持するステム60などから成る。フィラメント54はタングステン線をコイル状に巻いたもので、通常大焦点用のものと小焦点用のものと、2個ある。集束電極56は、フィラメント54から放出された熱電子をターゲット円盤20上の焦点52に集束するための2個の電子集束溝と、フィラメント54の支持部を備えている。ホルダー58は、集束電極56を支持する部分を有する板状体と、ステム60のリード線62を覆う円筒部とから成る。ステム60は主要部分はガラスなどの絶縁物から成り、その中心軸近傍に複数本のステムリード線62が環状に埋め込まれている。ステム60の外周は外囲器24の陰極側端部に結合されている。ステムリード線62としては、フィラメント加熱電圧をフィラメント54に接続するためのもの3本と、ホルダーを支持するためのものなどがあり、3本以上必要となる。
【0049】
X線管容器12の陰極側ソケット取付部40には本発明に係る陰極側高電圧ソケット132が、陽極側ソケット取付部42には本発明に係る陽極側高電圧ソケット134が、それぞれのフランジ部70をパッキンなどを介してソケット取付部40、42の開口部68に固定することにより取り付けられる。また、陰極側高電圧ソケット132からの3本の陰極リード線136はX線管14の陰極22のステムリード線62に接続され、陽極側高電圧ソケット134からの陽極リード線138はX線管14の陽極18の陽極端26に接続される。X線管容器12の放射窓部50には、X線透過性のよい材料、例えば充填材の入らない合成樹脂などから成る容器X線放射窓48が取り付けられる。また、X線管14のX線管容器12への取付け時には、X線管14の焦点52の位置と放射窓部50の中心位置が一致するように、位置の調整が行われる。
【0050】
本実施例のX線管装置130をX線CT装置などと組合せて使用する場合には、X線高電圧装置からX線管装置130に、X線管14の陽極18と陰極22との間に印加する高電圧やフィラメント加熱電圧などが供給される。高電圧やフィラメント加熱電圧は高電圧ケーブルを介して供給され、ステータ駆動電圧などは低圧ケーブルで供給される。高電圧などの供給はX線管容器12に取り付けられた高電圧ソケット132、134の中空部82に高電圧ケーブルのプラグを挿入し、プラグの接触子を高電圧ソケット132、134の端子150の穴84に嵌合させて行われる。陽極側高電圧ソケット134には正電位の高電圧が、陰極側高電圧ソケット132には負電位の高電圧と大焦点または小焦点のフィラメント加熱電圧がそれぞれ供給される。X線管容器12内では、正電位の高電圧は陽極側高電圧ソケット134から陽極リード線138を経由してX線管14の陽極18の陽極端26に印加され、負の高電位とフィラメント加熱電圧は陰極側高電圧ソケット132から陰極リード線136を経由して、X線管14の陰極22のステムリード線62に印加される。
【0051】
上記の結果、X線管14の陽極端26と同電位のターゲット円盤20とステムリード線62のうちの1本と同電位の集束電極56との間に高電圧が印加される。また、ステムリード線62に印加されたフィラメント加熱電圧は大焦点フィラメントまたは小焦点フィラメントのうちの一方のフィラメントの両端に印加される。また、上記のX線高電圧装置の操作と並行または先行させて、ステータ駆動電圧をステータ34に印加することにより、X線管14の回転陽極18を回転させておき、X線管14への高電圧負荷印加の準備をしておく。この回転陽極18が回転している状態で、X線管14に高電圧及びフィラメント加熱電圧が印加されると、陰極22のフィラメント54が加熱されて熱電子が放射され、この熱電子は陽極18と陰極22との間の高電圧によって陽極18のターゲット円盤20に向けて加速される。この加速される熱電子は、同時に高電圧によって陰極22の集束電極56の集束溝部に形成される電子集束電界によってターゲット円盤20上の焦点52に集束されるので、焦点52に衝突してX線を発生する。焦点52で発生したX線の一部がX線管14の管球X線放射窓38及びX線管容器12の容器X線放射窓48を通して外部に導かれ、X線撮影などに利用される。ターゲット円盤20の焦点52でのX線発生効率は非常に低い(約1%以下)ため、X線管14への入力は殆んど熱となり、ターゲット円盤20が加熱される。その後、ターゲット円盤20からの熱輻射や熱伝導によって、X線管14の陽極18全体や外囲器24、更には絶縁油16などが過熱され、温度上昇する。高電圧ソケット132、134は絶縁油16からの熱伝達によって温度上昇する。
【0052】
本実施例のX線管装置130において、使用時には陰極側高電圧ソケット132及び陽極側高電圧ソケット134の端子150、リード結合部140及びリード線136、138には高電圧が印加されることになるが、高電圧ソケット132、134の構造を図1、図2に示す如く改善した結果、(1)リード線136、138を端子150に固定するのに頭の丸い雄ねじ(丸小ねじなど)を使用したことにより、リード結合部140の電界が緩和されること、(2)リード線136、138をソケット本体142に対し横方向(ソケット本体142の中心軸に対して直交する方向)に引き出したことにより、リード線136、138とX線管容器12の内壁との間の距離が大きくなること、(3)ソケット絶縁筒144の上部にリード結合部カバー148を設けたことにより、リード結合部140の周囲が絶縁物隔壁にて囲われること、(4)リード結合部140の周囲に絶縁物138を充填することにより、リード結合部140の電界が緩和されること、などの効果が得られ、高電圧ソケット132、134の絶縁耐力を大幅に向上することができた。これに伴い、X線管容器130内の高電圧ソケット132、134周辺の絶縁油16中で発生する放電を防止することが可能となった。
【0053】
次に、図5を用いて、本発明に係る高電圧ソケットの第二の例について説明する。図5は本実施例の高電圧ソケットの上面図、すなわちリード結合部の側から見た図である。本実施例は陽極側高電圧ソケットに係るもので、特にリード結合部の改良に関するものである。図5(a)は全体図、図5(b)は主要部品の拡大図である。本実施例の陽極側高電圧ソケット180では、ソケット本体142は第一の実施例と同じで、リード結合部182の部分が異なる。図5(a)において、陽極側高電圧ソケット180はソケット本体142とリード結合部182と陽極リード線138とから構成され、ソケット本体142と陽極リード線138のリード端末162は図1に示す第一の実施例と同じ構造をしている。リード結合部182では、3個の丸小ねじ152と2個の導通片184によって、3個の端子150を同電位にするとともに、1個の端子150と陽極リード線138との接続を行っている。丸小ねじ152は第一の実施例と同じもので、頭の丸い雄ねじである。また、リード結合部カバー148の内周側には第一の実施例と同様に絶縁物158が充填されている。
【0054】
図5(a)において、リード結合部182に同じ形状、寸法の導通片184が2個使用されているが、その形状は図5(b)の如くなっている。導通片184は厚さ約0.3mmの導電性のある金属板から成り、その外周186及び内周188は長円形(図示のもの)または楕円形をしており、外周186と内周188との間の帯状体190の幅はほぼ一様で、約1.5mmになっている。導通片184の帯状体190の厚さは薄い方がよく、0.3mm前後が望ましいが、約0.6mm以下であればよい。また、図5では帯状体190の幅は加工上の理由からほぼ一様にしているが、この帯状体190は狭い帯状のものであればよく、その幅は凹凸があってもよく、全体としては狭い方が望ましい。この導通片184では、両端の半円形部が端子150との接続部192となり、この2箇所の接続部192を丸小ねじ152によって端子150に固定することによって、2個の端子150が導通される。図示の如く、2個の導通片184を用いることにより、3個の端子150が同電位にされる。また、3個の端子150のうちの1個の端子150では、導通片184は陽極リード線138のリード端末162と共に固定される。
【0055】
上記の如く、導通片184の帯状体の厚さを従来に比べて薄くし、幅を狭くして、帯状体部分の単位長さ当りの表面積を小さくしたことにより、絶縁物158の充填時に絶縁物158と導通片184との接触面積が小さくなり、X線管装置130使用時の絶縁油16の温度上昇によって絶縁物158と導通片184との界面に生じる熱応力が緩和され、絶縁物158と導通片184との剥離や絶縁物158のクラックなどが防止される。その結果、高電圧ソケットは高強度となり、また高電圧ソケットの絶縁耐力も向上させることができる。
【0056】
導通片184の形状に関しては、図5(b)に示した長円形や楕円形のものに限定されず、厚さの薄い、幅の狭い帯状体であれば、本発明の目的を達成することができる。図6に、本実施例の導通片の形状の他の変形例を示す。図6においては、参考のために、導通片を固定する端子150と丸小ねじ152の位置と大略外形を破線で示してある。図6(a)の導通片194では、帯状体195の外形は円形であり、その内周196の3箇所の接続部197において端子150に接続されている。図6(b)の導通片198では、帯状体199の形は三角形であり、その三角形の内周200のうちの頂点の位置にある3箇所の接続部201において端子150に接続されている。図6(c)の導通片202では、帯状体203の外形は先端を3個有する星形であり、その星形の先端に設けられた3箇所の凹部を接続部204として端子150に接続されている。
【0057】
次に、図7を用いて本発明に係る高電圧ソケットの第三の例について説明する。図7は、本実施例の高電圧ソケットの側面図を示したものである。本実施例の高電圧ソケットでは、ソケット絶縁筒のリード結合部側にリード結合部カバーのない構造のもので、リード線と端子との結合を行った後に、リード結合部の周辺に合成樹脂から成る絶縁物を充填するものである。図7において、陰極側高電圧ソケット210は、リード結合部カバーの付いていないソケット本体212と、リード結合部140と、陰極リード線136と、絶縁物216とから構成される。リード結合部140と陰極リード線136は図1の第一の実施例のものと同じである。ソケット本体212は、ソケット絶縁筒213と3個の端子150から成り、ソケット絶縁筒213は図1の第一実施例のソケット絶縁筒144からリード結合部カバー148を取り除いた構造をしており、端子150は図1の第一の実施例のものと同じである。絶縁物216は、ソケット絶縁筒213の底部146の外面側に第一の実施例のリード結合部カバー148とほぼ同じ外径及び高さで、その内側全域にわたって充填されており、その材料は第一の実施例の絶縁物158と同じものである。
【0058】
本実施例では、ソケット絶縁筒213の底部146の外面側のリード結合部140にて端子150に陰極リード線136を結合した後に、リード結合部140の周囲を絶縁物216の材料となる液状の合成樹脂を流し込んで埋めることになるので、その作業工程の一例について説明する。先ず、ソケット本体212の3個の端子150に3本の陰極リード線136のリード端末162を丸小ねじ152にて固定する。このとき、陰極リード線136は3本揃えて横方向に引き出す(円周方向の向きは第一の実施例と同じ)。次に、ソケット本体212をそのフランジ70が下になるようにして立て、ソケット本体212の円筒部78の外径とほぼ等しい内径を持つ円筒状のモールド用治具をソケット本体212の上部に嵌合させて取り付ける。次に、モールド用治具の円筒側面に設けた穴から陰極リード線136を引き出し、穴のすきまを絶縁物216の材料が漏れないように接着剤などを用いて封じておく。次に、絶縁物216の材料となる液状の合成樹脂をモールド用治具の所定の高さまで流し込み、合成樹脂が固化するまで静置する。合成樹脂の固化後、モールド用治具の側面の穴を封じた接着剤などを除去し、モールド用治具をソケット本体212から取りはずす。
【0059】
以上のような作業工程により、陰極リード線136を横方向に引き出し、リード結合部140を絶縁物216で埋め込んだ陰極側高電圧ソケット210が得られる。この構造の陰極側高電圧ソケット210は、完成状態では第一の実施例とほぼ同じ構成となるので、前記した第一の実施例の効果と同様な効果が得られる。また、本実施例の構造は陽極側高電圧ソケットにも適用可能であり、適用された陽極側高電圧ソケットでは陰極側高電圧ソケット210と同様な効果が得られる。
【0060】
次に、図8を用いて本発明に係る高電圧ソケットの第四の例について説明する。図8は本実施例の高電圧ソケットの上面図を示したものである。本実施例は陰極側高電圧ソケットの陰極リード線の引き出し構造に関するものである。図8において、本実施例の陰極側高電圧ソケット220はソケット本体142とリード結合部140と陰極リード線136と絶縁物158とから構成されるが、陰極リード線136以外の部分は図1の第一の実施例と同じ構造をしている。本実施例では、3本の陰極リード線136のリード端末62を丸小ねじ152にてソケット本体142の端子150に固定した後に、3本の陰極リード線136のリード線170の部分を一緒に捩り合わせて、1本の捩り線222とした後に、リード結合部カバー148のリード線引出し口156から横方向に引き出す。ただし、陰極リード線136のX線管14のステムリード線62との結合部の近傍では、リード線170の捩りを行わない。陰極リード線136の引き出し後に、リード結合部カバー148の内周側に絶縁物158の充填を行う。本実施例では、3本の陰極リード線136のリード線170の部分を捩り合わせて捩り線222としたことにより、捩り線222の外周の外径が単一のリード線170の約2倍以上となるため、捩り線222の周囲の電界が約10%以上緩和され、絶縁油16中の放電の抑制に寄与する。
【0061】
上記の高電圧ソケットの実施例では、ソケット絶縁筒に埋め込まれる端子の数を3個として説明してきたが、この個数はこれに限定されず、4個以上であってもよい。例えば、X線管の陰極が2個のフィラメントとグリッド電極を有する場合には、陰極側高電圧ソケットとして、4個の端子が必要となる。この場合、ソケット絶縁筒の底部での端子の配置は同一円周上に配置されるが、等角度間隔ではなく、グリッド電極用の端子は他の端子から間隔を離して配置される。リード線の本数についても同様であり、陽極リード線の1本、陰極リード線の3本に限定されるものではない。陽極リード線の本数は通常1本であるが、陰極リード線については、標準的なものが3本で、他に2本の場合(単一焦点のとき)や4本以上の場合(グリッド電極があるときなど)もある。
【0062】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る高電圧ソケットでは、陰極リード線や陽極リード線をソケット本体の端子に固定するのに、頭の丸い雄ねじを使用しているため、このリード結合部の電界を従来品に比べ大幅に緩和することができる。従って、この高電圧ソケットを適用したX線管装置では、高電圧ソケット周辺の絶縁油中での放電の発生を防止することができる。
【0063】
また、本発明に係る高電圧ソケットでは、陰極リード線や陽極リード線のリード端末を板状体とし、このリード端末をソケット本体の端子に頭の丸い雄ねじで固定して、それぞれのリード線をソケット本体の横方向に引き出すことが可能となったため、この高電圧ソケットを適用したX線管装置では、それぞれのリード線とX線管容器の内壁との間の距離を大きくすることができる。その結果、陰極リード線及び陽極リード線の表面の電界が緩和し、それぞれのリード線の周辺の絶縁油中での放電が抑制される。
【0064】
また、本発明に係る高電圧ソケットでは、ソケット本体の端子に陰極リード線または陽極リード線を頭の丸い雄ねじで固定した後、そのリード結合部の周辺を絶縁性樹脂にて埋め込む構造としているので、リード結合部及びその周辺の電界は大幅に緩和される。この高電圧ソケットを適用したX線管装置では、X線管容器内の絶縁油中での放電が抑制されるとともに、更にこの利点を生かすことにより、X線管容器を小さくすることができ、X線管装置の小型化も可能となる。
【0065】
また、本発明に係る高電圧ソケットでは、ソケット絶縁物の一部(リード結合部カバー)がリード結合部の周囲を囲み、その周方向の一部に開口部を備え、上記開口部から陰極リード線または陽極リード線を横方向に引き出す構成をとっているので、リード結合部及びそれぞれのリード線の電界は大幅に緩和される。この高電圧ソケットでは、リード結合部カバーの内周側への絶縁性樹脂の充填を容易に、かつ確実に行うことができ、リード結合部の電界は更に緩和される。これらの高電圧ソケットを適用したX線管装置においても、X線管容器内の絶縁油中での放電が抑制されるとともに、更にX線管装置の小型化が可能となる。
【0066】
また、本発明に係る高電圧ソケットでは、ソケット本体の複数の端子を、厚さが薄く、幅が狭い導電性の良い帯状体から成る導通片によって同電位としているため、リード結合部に絶縁性樹脂を充填したときに、絶縁性樹脂と導通片との接触面積が小さく、温度上昇時に両者の界面に生じる熱応力を緩和し、両者の間の剥離を防止することができるので、高強度の陽極側高電圧ソケットが得られる。
【0067】
また、本発明に係る高電圧ソケットでは、ソケット本体の端子に結合した複数本の陰極リード線を一緒に捩り合わせて、横方向に引き出しているため、陰極リード線の捩り合わせた部分の外径が単一リード線の外径よりも大きくなり、陰極リード線の外周部の電界が緩和される。この陰極側高電圧ソケットを適用したX線管装置においても、X線管容器内の絶縁油中での放電が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高電圧ソケットの第一の実施例の構造図。
【図2】陰極リード線のリード端末の拡大図。
【図3】本発明に係るX線管装置の一実施例の構造を示す断面図。
【図4】図3のA‐A´断面図。
【図5】本発明に係る高電圧ソケットの第二の実施例の構造図。
【図6】導通片の形状の他の変形例。
【図7】本発明に係る高電圧ソケットの第三の実施例の構造図。
【図8】本発明に係る高電圧ソケットの第四の実施例の構造図。
【図9】従来のX線管装置の一例の構造を示す断面図。
【図10】図9のB‐B´断面図。
【図11】従来の高電圧ソケットの第一の例の構造図。
【図12】従来の高電圧ソケットの第一の例の陽極側高電圧ソケットの上面図。
【図13】従来の高電圧ソケットの第二の例の構造図。
【図14】従来の高電圧ソケットの第三の例の構造図。
【図15】従来の高電圧ソケットの第四の例の構造図。
【符号の説明】
10、130・・・X線管装置
12・・・X線管容器
14・・・回転陽極X線管(X線管)
16・・・絶縁油
18・・・回転陽極(陽極)
20・・・ターゲット円盤
22・・・陰極
24・・・外囲器
26・・・陽極端
40・・・陰極側ソケット取付部
42・・・陽極側ソケット取付部
44、98、104、112、132、210、220・・・陰極側高電圧ソケット
46、134、180・・・陽極側高電圧ソケット
52・・・焦点
56・・・集束電極
60・・・ステム
62・・・ステムリード線
64、106、136・・・陰極リード線
66、138・・・陽極リード線
68・・・開口部
70・・・フランジ部
72、150・・・端子
74、92、100、110、114、140、182・・・リード結合部
76、142、212・・・ソケット本体
77、144、213・・・ソケット絶縁筒
78・・・円筒部
80、146・・・底部(端子取付け部)
82・・・中空部
84・・・穴
92・・・キー溝
96・・・絶縁カバー
102、158、216・・・絶縁物
148・・・リード結合部カバー
152・・・丸小ねじ
154・・・ねじ穴
156・・・リード線引出し口
162・・・リード端末
164・・・ターミナル
166・・・半田
168・・・穴
169・・・突出部
170・・・リード線
172・・・銅より線(芯線)
174・・・被覆
184、194、198、202・・・導通片
188、196、200・・・内周
190、195、199、203・・・帯状体
192、197、204・・・接続部
222・・・捩り線

Claims (4)

  1. 円筒部の一端に板状の底部を有し、他端の外周にドーナツ板状のフランジ部を有し、絶縁材料から成るソケット絶縁筒と、該ソケット絶縁筒の底部に取り付けられた複数個の大略円柱状をしていて、導電性の金属材料から成る端子とを持つソケット本体と、該ソケット本体の端子に結合される1本以上のリード線とを備え、前記端子は前記ソケット絶縁筒の中心軸に対し同じ半径の円周上に前記底部を貫通して配列されており、前記端子の前記底部の内面側にある面には高電圧プラグの接触子が嵌合するための穴が設けられており、前記端子の前記底部の外面側にある面またはその近傍にて前記リード線と電気的に結合されている高電圧ソケットにおいて、前記端子は前記ソケット絶縁筒の底部に埋め込まれており、前記リード線のリード端末が前記端子の前記底部の外面側にある面に頭の丸い雄ねじにて固定されていることを特徴とする高電圧ソケット。
  2. 請求項1記載の高電圧ソケットにおいて、前記リード線の端末に導電性を有する平板状のリード端末を取り付け、該リード端末を前記頭の丸い雄ねじにて前記端子の前記底部の外面側にある面に固定し、前記リード線を前記ソケット本体の中心軸とほぼ直交する方向に引き出したことを特徴とする高電圧ソケット。
  3. 請求項1及び2記載の高電圧ソケットにおいて、前記リード線は1本であり、前記複数個の端子の前記底部の外面側にある面を、厚さが薄く幅が狭い帯状体で構成され、導電性材料から成る1個以上の導通片と複数個の頭の丸い雄ねじにて接続して導通させ、前記リード線のリード端末を前記端子のうちの1個に前記頭の丸い雄ねじにて結合したことを特徴とする高電圧ソケット。
  4. 請求項1乃至3記載の高電圧ソケットを、陰極側高電圧ソケット及び陽極側高電圧ソケットのうちの少なくとも一方に用いたことを特徴とするX線管装置。
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JP2010218917A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Toshiba Corp X線管装置

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