JP2004272437A - Icカード通信検査装置及びicカード通信検査方法 - Google Patents

Icカード通信検査装置及びicカード通信検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信干渉を効果的に抑制して適正なカード通信検査を実施することができるICカード通信検査装置及びICカード通信検査方法を提供すること。
【解決手段】各リーダ/ライタ3A,3B,4A,4Bをそれぞれ個別にシールド箱7A,7B,8A,8Bで包囲することにより、各リーダ/ライタ3A,3B,4A,4Bを空間的に遮蔽する。各シールド箱7A,7B,8A,8Bは金属製の筐体11,21と、この筐体11,21の内面に設けた電波吸収体21,22の2層構造とする。これにより、隣接するリーダ/ライタ間における通信干渉が抑制されるとともに、自リーダ/ライタの通信電波のシールド箱内での反射による妨害波の発生を抑え、ICカード10A,10Bに対する適正な通信検査を実施することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のカードリーダ/ライタを備えたICカード通信検査装置及びICカード通信検査方法に関し、特に、隣接するカードリーダ/ライタ間の通信干渉を効果的に抑制し適正な通信検査を行えるようにしたICカード通信検査装置及びICカード通信検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アンテナコイルとICチップとから構成される非接触ICカードを使用して、さまざまな情報のやり取りを行うICカードシステムが提案されている。このようなICカードシステムは、交通機関の改札システム、高速道路の自動車料金徴収システム、電話カードシステム、工場における製品管理システムなどに応用されている。
【0003】
ところで、非接触ICカードの製造工程においては、完成した個々のICカードについて、製造ライン上でカードリーダ/ライタ(以下「リーダ/ライタ」という。)によって実際にデータの書き込み、読み込み試験を行う通信検査工程が設けられている。この通信検査工程においては、複数のICカードを順番に保持して搬送するコンベアと、コンベアの搬送方向に沿って配置された複数のリーダ/ライタとを有し、これらリーダ/ライタによってICカードに対する通信検査を行うICカード通信検査装置が用いられている(下記特許文献1参照)。
【0004】
図10は従来のICカード通信検査装置の概略構成を示している。従来のICカード通信検査装置101は、コンベア102の搬送方向に4つのリーダ/ライタ103A,103B,104A,104Bが配置されており、これらによってコンベア102によって搬送されてくるICカード110A,110Bについて所定の通信検査を行うものである。
【0005】
ICカード110A,110Bは、前段の製造工程において完成されたものを2枚一組の配列で所定の間隔おきにコンベア102上に保持されて当該通信検査装置101に順次搬送されてくる。一方のICカード110Aは、リーダ/ライタ103A及び104Aとの間で非接触通信によりデータの書き込み、読み出しが行われる。他方、ICカード110Bは、リーダ/ライタ103B及び104Bとの間で非接触通信によりデータの書き込み、読み出しが行われる。
【0006】
4つのリーダ/ライタ103A,103B,104A,104Bのうち、内側に配置された2つのリーダ/ライタ103A,103Bは、ICカード110A,110Bに近接して配置され、共通の支持部材105に支持されている。また、外側に配置された2つのリーダ/ライタ104A,104Bは、ICカード110A,110Bより離れて配置される通信距離測定・保証用のリーダ/ライタであり、それぞれ別体の支持部材106A,106Bに支持されている。コンベア102によって搬送された2枚一組のICカード110A,110Bのうち、搬送方向前側に配置されたICカード110Aはリーダ/ライタ103A,104Aによって検査され、後側に配置されたICカード110Bはリーダ/ライタ103B,104Bによって検査される。
【0007】
ところで、上述のように複数のリーダ/ライタ103A,103B,104A,104Bを隣接して配置し、ICカード110A,110Bの通信検査を行う構成では、各リーダ/ライタが互いに接近しているため、隣接するリーダ/ライタが放射する電磁波(通信電波)が相互に干渉することにより、それぞれ適正な通信検査が行えなくなるという不具合が発生していた。
【0008】
そこで、図10に示した従来のICカード検査装置101においては、各リーダ/ライタ103A,103B,104A,104Bの左右両側に金属製のシールド板107A,107B,108A,108Bを設けることにより、各リーダ/ライタ103A,103B,104A,104Bから放射される電磁波を遮断し、各リーダ/ライタ間の電磁波の干渉を防止するようにしている。
【0009】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては以下のものが挙げられる。
【特許文献1】
特開2001−283158号公報
【特許文献2】
特開2002−217586号公報
【特許文献3】
特開2002−190412号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成を採用しても、各リーダ/ライタ間の通信干渉を十分に抑えることができないという問題がある。確かに、シールド板107A,107B,108A,108Bの設置により各リーダ/ライタ間の通信干渉の抑制に一定の効果は見られるものの、オフラインでの検査では良品と判定される製品が当該ICカード通信検査装置101にかかると不良品と判定される例が少なくない。これは、リーダ/ライタからの通信電波がシールド板で反射し、その反射波による通信干渉が主な原因となって、カード検査時の通信誤判定を引き起こしているものと考えられる。
【0011】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、通信干渉を効果的に抑制して適正なカード通信検査を実施することができるICカード通信検査装置及びICカード通信検査方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のICカード通信検査装置は、複数のカードリーダ/ライタの間を電波吸収体で空間的に遮蔽したことを特徴とする。この構成により、リーダ/ライタ間の通信電波の干渉を効果的に抑えることが可能となり、通信誤判定を抑制して、適正なカード通信検査を実施することができる。
【0013】
なお、電波吸収体は、複数のカードリーダ/ライタの間における通信電波の干渉を抑えるために設けられるものであるので、その形態は特に限らず、各カードリーダ/ライタ間を仕切る仕切板形状のものや、各カードリーダ/ライタを包囲する略箱状に加工したもの等が適用可能である。この場合、電波吸収体を金属又は合成樹脂等でなる板や筐体等の表面に貼り付けて用いるようにすれば、電波吸収体を任意の形状に容易に形成することができる。
【0014】
また、電波吸収体は、隣接するカードリーダ/ライタからの通信電波の遮蔽と、カードリーダ/ライタ自らが放射する通信電波の反射を抑制することを目的に設けられるものであるので、その有効周波数領域がICカードの通信周波数をカバーできる領域のものを適用するのが効果的である。
【0015】
一方、本発明のICカード通信検査方法は、ICカードをカードリーダ/ライタに対向させる工程と、ICカードとカードリーダ/ライタとの間の通信領域を電波吸収体で外部から遮蔽する工程と、電波吸収体で外部から遮蔽された通信領域でICカードに対する通信検査を行う工程とを有することを特徴とする。この構成により、リーダ/ライタ間の通信電波の干渉を効果的に抑えられ、通信誤判定を抑制し、適正なカード通信検査を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1及び図2は本発明の実施の形態によるICカード通信検査装置1の概略を示しており、図1はその部分破断正面図、図2はその平面図である。
【0018】
ICカード通信検査装置1は、搬送手段としてのコンベア2によって搬送されてくるICカード10A,10Bについて所定の通信検査を行うものであり、本例では、コンベア2の搬送方向に4つのカードリーダ/ライタ(以下「リーダ/ライタ」という。)3A,3B,4A,4Bが配置されている。ICカード10A,10Bは、前段の製造工程において完成されたものを2枚一組の配列で所定の間隔おきにコンベア2に交互に保持され、この通信検査装置1に順次搬送されてくるものであり、リーダ/ライタ3A,3B,4A,4Bとの間で非接触通信によるデータの書き込み、読み出しを行う機能を有している。
【0019】
なお、本実施の形態で適用するICカード10A,10Bは互いに同一の構成を有し、その形態としては、非接触型のものであれば特に限定されるものではない。
【0020】
次に、各リーダ/ライタ3A,3B,4A,4Bのうち、内側に配置された2つのリーダ/ライタ3A,3Bは、ICカード10A,10Bに近接して配置され、共通の支持部材5に支持されている。また、外側に配置された2つのリーダ/ライタ4A,4Bは、ICカード10A,10Bより離れて配置され、それぞれ別体の支持部材6A,6Bに支持されている。このリーダ/ライタ4A,4Bは、ICカード10A,10Bに対して最大通信距離の評価、確認を行うため、後述するように、昇降方向に位置調整されるようになっている。
【0021】
コンベア2によって搬送された2枚一組のICカード10A,10Bのうち、搬送方向前側に配置されたICカード10Aは、リーダ/ライタ3A,4Aによって検査されるようになっており、後側に配置されたICカード10Bは、リーダ/ライタ3B,4Bによって検査されるようになっている。
【0022】
本実施の形態のICカード通信検査装置1は、4つのリーダ/ライタ3A,3B,4A,4Bをそれぞれ個別に包囲する略箱状のシールド箱7A,7B,8A,8Bを備えている。
【0023】
図3は、内側の2つのリーダ/ライタ3A,3B及びこれらを包囲するシールド箱7A,7Bの構成を示している。シールド箱7A,7Bは、リーダ/ライタ3A,3Bの上面、前後面及び左右面の計5面を空間的に遮蔽し、下面を開放した構造を有する直方形状に形成された筐体11と、この筐体11の各内面に貼設された電波吸収体12とで構成されている。
【0024】
筐体11は、主として、電波吸収体12を所定形状で安定に支持するための支持体として構成され、例えば、アクリル等の合成樹脂材料やステンレス等の金属材料で構成される。なお、有効な電磁シールド効果を得るために、筐体11は電波の透過を抑制できる金属材料等の導電材料で構成されるのが好ましい。また、この場合、筐体11を電気的に接地すると、さらに有効なシールド効果を得ることができる。
【0025】
一方、電波吸収体12は、公知のように、入射した電波のエネルギーを熱エネルギーに変換して吸収する材料であり、金属等の電磁シールド材と比較して、電波の反射を抑制することができる。電波吸収体は、ゴムやプラスチック等の非導電性材料あるいは高電気抵抗体中にフェライト等の軟磁気特性を有する磁性粒子を含有させたものが一般的である。本実施の形態では、ICカード10A,10Bの通信周波数(例えば13.56MHz)の電磁波に対して磁気損失を有する、有効周波数が10MHz以上の電波吸収シートが用いられている。このような特性を有する低周波電波吸収体として、例えば、NECトーキン社製「バスタレイド(商標)R4N」が適用可能である。
【0026】
さて、シールド箱7A,7Bは、コンベア2によるICカード10A,10Bの搬送路を遮る状態で配置されており、左右の両側面にはコンベア2及びICカード10A,10Bを挿通するためのスリット部13が設けられている。スリット部13は、コンベア2及びICカード10A,10Bを挿通するのに最小限必要な大きさに形成され、例えばICカード10A,10Bとスリット部13との間隙は、コンベア2の振れ等により互いに干渉しない程度に形成されている。また、シールド箱7A,7Bの幅は、図2に示すように、ICカード10A,10Bよりやや大きいものとなっており、ICカード10A,10Bを1枚ずつ挿入して通信検査を行う構成となっている。
【0027】
また、シールド箱7A,7Bは、隣接するリーダ/ライタへの電波の漏洩を抑制できる長さ(高さ)を確保するために、シールド箱7A,7Bの下端部を搬送コンベア2の下方へも延在させている。コンベア2はICカード10A,10Bを保持した部分だけが各シールド箱7A,7Bのスリット部13内に挿入され、ICカード10A,10Bを各リーダ/ライタ3A,3Bの対向位置に搬送するようにしている。そのため本実施の形態では、図2に示すように、コンベア2はICカード10A,10Bに対して約倍の幅を有しており、前縁(図において下縁)寄りの約半分の領域にICカード10A,10Bを保持させている。
【0028】
なお、ここではシールド箱7A,7Bの底面が開放された構成を採用しているが、収容するリーダ/ライタ3A,3Bの出力の大きさや、隣接する他のリーダ/ライタとの間の距離、更には貼着する電波吸収体11の厚さ等に応じて、当該シールド箱7A,7Bの底面を閉塞するようにしてもよい。
【0029】
なおまた、シールド箱7A,7Bは、リーダ/ライタ3A,3Bが固定される取付板14の両端下面に一体的に取り付けられている。取付板14は、支持部材5に対してその高さ位置の調整が可能なように構成されていてもよい。この場合、取付板14の略中央部にガイド部材15を設け、このガイド部材15を支持部材5の垂直面に対して上下方向に移動して高さ調節が可能となるように構成し、ボルト部材16の締着によって固定するようにすればよい。
【0030】
次に、シールド箱8Aの構成について説明する。図4は、外側に位置するリーダ/ライタ4A及びこれを包囲するシールド箱8Aの構成を示している。また、図5は、シールド箱8Aの概略全体斜視図である。シールド箱8Aは、リーダ/ライタ4Aの上面、前後面及び左右面の計5面を空間的に遮蔽し、底面を一部開放した構造を有する直方形状に形成された筐体21と、この筐体21の各内面に貼設された電波吸収体22とで構成されている。
【0031】
シールド箱8Aの底面には、図4及び図5に示すように、開口部23が設けられている。シールド箱8Aの底部は、コンベア2及びICカード10A,10Bに近接する位置に配置されている。例えば、ICカード10A,10Bとシールド箱8Aの底部との間隙は、コンベア2の振れ等により互いに干渉しない程度に設定されている。開口部23の大きさは、ICカード10A,10Bと略同等の大きさとなっている。そして、開口部23にICカード10A,10Bを1枚ずつ臨ませ、開口部23を介してリーダ/ライタ4Aとの間で通信検査を行う構成となっている。
【0032】
なお、筐体21及び電波吸収体22はそれぞれ、上述した筐体11及び電波吸収体12と同一の材料で構成されている。また、他方側のシールド箱8Bもまた、当該シールド箱8Aと同一の構成を有しているのでその説明は省略する。
【0033】
さらに、シールド箱8A,8Bの壁厚は、シールド箱7A,7Bの壁厚と同等に構成できるが、収容するリーダ/ライタの出力に応じて壁厚を大きくするようにしてもよい。具体的には、筐体21の厚さ又は電波吸収体22の厚さを大きくしたり、あるいは、それら双方の厚さを大きくすることができる。
【0034】
さて、シールド箱8A,8Bには、上述したように、リーダ/ライタ4A,4Bの高さ位置を調整してICカード10A,10Bとの相対距離を変更することにより、ICカード10A,10Bの最大通信距離の検査を行うための位置調整機構30が設けられている(図1,図4)。
【0035】
この位置調整機構30は、リーダ/ライタ4A,4B側に設けた支持レール31をシールド箱8A,8Bの上面に設けた軸受部32にスライド移動可能に組み付けるとともに、この支持レール31の位置を締め付け固定するための回転操作部材(締め付けネジ)33を軸受部32に設けたものである。すなわち、回転操作部材33を回転操作することにより、支持レール31の締め付けを弛めた状態で昇降操作を行い、所望の高さ位置に調整した後、再び回転操作部材33を回転操作し、支持レール31を締め付け固定して、リーダ/ライタ4A,4Bを必要な位置に調整することができる。
【0036】
なお、図示せずとも、このような位置調整機構30には、支持レール31の外側にスケール部材(表示手段)が設けられており、軸受部32にはスケール部材の目盛りを指示する指針が設けられている。したがって、この指針によって指示されるスケール部材の目盛りを視認することにより、シールド箱8A,8Bの内部のリーダ/ライタ4A,4Bの高さ位置を容易かつ正確に確認しながら、位置調整を行うことができる。また、図4では、コンベア2の搬送駆動機構2Aを示している。上述のようにコンベア2は、前縁寄りの約半分の領域にICカード10A,10Bを保持したものであり、図4に示すように、シールド箱8A,8Bから外れた後縁部分を搬送駆動機構2Aに支持され、片持ち構造で搬送されるものである。
【0037】
以上の構成の本実施の形態のICカード通信検査装置1においては、通信検査用のリーダ/ライタ3A,3B,4A,4Bがそれぞれ個別にシールド箱7A,7B,8A,8Bの内部に収容配置されており、隣接するリーダ/ライタとは電波吸収体12,22によって空間的に遮蔽されているので、リーダ/ライタ間における通信電波の干渉を抑制することができる。
【0038】
また、各シールド箱7A,7B,8A,8Bの内面側に電波吸収体12,22を設けているので、コンベア2上のICカード10A,10Bがリーダ/ライタ3A,3B,4A,4Bに対向した際、これらの間の通信領域がシールド箱7A,7B,8A,8B内の電波吸収体11,12によって外部から遮蔽され、この状態で所定の通信検査が行われることになる。
【0039】
したがって、本実施の形態によれば、シールド箱7A,7B,8A,8Bの内面における通信電波の反射を抑制でき、これにより自リーダ/ライタの発生電波に起因する妨害波の影響によるカード通信誤判定を低減し、適正なカード通信検査工程を実施することができる。その結果、工程良品率を高めて生産性の向上を図ることができる。
【0040】
図6はシールド箱7A,7B,8A,8Bの一側壁部の断面図である。図6は、シールド箱の外面側に金属製の筐体11,21が位置し、シールド箱の内面側に電波吸収体12,22が位置している例を示している。シールド箱の外部から入射するノイズ(隣接リーダ/ライタ等からの妨害波)は筐体11,21で反射され、シールド箱内部への侵入が抑制される。一方、シールド箱の内部に配置されたリーダ/ライタからの通信電波は、電波吸収体12,22の磁気損失により電波エネルギーが熱エネルギーに変換されて吸収される。これにより、隣接するリーダ/ライタ間における通信干渉だけでなく、シールド箱内部におけるリーダ/ライタの通信電波の反射を抑制でき、ICカードとの良好な測定環境を実現することができる。また、シールド箱の断面構造を導電層と磁性層の多層構造とすることにより、電磁波の電界成分を導電層で、磁界成分を磁性層でそれぞれ効率良く除去することができるようになり、ノイズ除去効果をより一層高めることができる。
【0041】
一方、カード通信検査工程における通信誤判定を更に低減してカード通信検査のより一層の適正化を図るために、例えば図7に示すように、各リーダ/ライタとこれらに対する電源供給源との間を連絡する通信ケーブル40に対し、ノイズ除去手段としてフェライトコア等の軟磁性材料でなるトロイダルコア41を配備するようにしてもよい。これにより、電源供給源において発生するノイズの除去作用を得ることができ、リーダ/ライタとICカードとの間の通信の適正化を図ることができる。このようなコア41は、電源供給源により近い場所に設置するのが好ましい。なお、図7では、通信ケーブル40をトロイダルコア41に巻き付けた例を示しているが、これに限らず、通信ケーブル40を被覆するように当該コアを設けるようにしてもよい。
【0042】
また、トロイダルコア41に代えて、通信ケーブル40をシールド線で構成しても同等な効果を得ることができることが確認されている。
【0043】
【実施例】
図8は、従来のICカード通信検査装置と本発明のICカード通信検査装置とを用いて通信検査工程を実施したときの、それぞれのカード通信誤判定率を示している。なお、カード通信誤判定率は、予め検査にかけて良品と判定されたICカードの投入枚数に対して不良と誤判定されたカード数の割合をいうものとする。
【0044】
(実施例1)
各リーダ/ライタをそれぞれ個別に包囲するシールド箱としては、図1を参照して、内側の2つのシールド箱7A,7Bは厚さ1mm程度のステンレス製筐体で構成し、外側の2つのシールド箱8A,8Bは厚さ5mmのアクリル製筐体の内面に厚さ0.5mmの電波吸収体を貼着したものを用いて実験を行った。実験に用いた電波吸収体は、NECトーキン製「バスタレイド(商標)R4N(有効周波数10〜1000MHz、表面抵抗値1MΩ(静電気拡散領域))」、ICカード通信周波数は13.56MHzである。
【0045】
(実施例2)
実施例1の構成に加えて、電源供給源と各リーダ/ライタとを結ぶ通信ケーブルにノイズ除去手段としてトロイダルコアを設けて実験を行った。実験に用いたトロイダルコアは、図1において、内側の2つのリーダ/ライタ3A,3Bに関してはトーキン製「EMIコアESDシリーズESD−R−16C(有効周波数1〜200MHz)」を用い、外側の2つのリーダ/ライタ4A,4Bに関しては「EMIコアESDシリーズESD−R−17S(有効周波数1〜300MHz)」とした。
【0046】
(実施例3)
実施例1の構成に加えて、電源供給源と各リーダ/ライタとを結ぶ通信ケーブルにノイズ除去手段としてシールド線を用いて実験を行った。実験に用いたシールド線は、KURAMO製「KVC−36SB」対よりタイプ(公称断面積0.3mm、線心数3)である。
【0047】
(比較例)
各リーダ/ライタをそれぞれ個別に包囲するシールド箱として、電波吸収体を設けていないステンレス製の筐体のみを用いて実験を行った。なお、ここでもICカード通信周波数は13.56MHzとした。また、使用した各リーダ/ライタ及びその使用条件は、実施例1と同一である。
【0048】
図8から明らかなように、本発明によれば、従来に比べて通信誤判定率が飛躍的に改善されることがわかる。特に、実施例1の構成と比較例の構成とは、内側のシールド箱の構成は互いに同一でありながら、外側のシールド箱は実施例1では電波吸収体とアクリル板の二層構造、比較例ではステンレス板の単層構造というように互いに異なっているので、図8に示した効果の違いは、当該外側のシールド箱の構成に依るものといえる。この結果から、アクリル自体にノイズ抑制効果はないことからも、シールド箱を金属板単層で構成するよりも電波吸収体で構成する方が、ノイズ抑制対策として非常に効果的であることが確認された。
【0049】
また、筐体をアクリルではなく上述の実施の形態のようにステンレス等の金属材料で構成すれば、通信誤判定率の更なる改善が図れることになる。同様に、上述の実施の形態のように内側のシールド箱を構成する金属製筐体の内面に電波吸収体を設ければ、より一層効果が高められることが想定できる。
【0050】
一方、シールド箱の構成のみならず、通信ケーブルにノイズ除去手段を配備することによって、従来の1/10程度に通信誤判定率を低減できるので、更に優れた通信測定環境を構築することができる。また、ノイズ除去手段としてトロイダルコアとシールド線とを併用すれば、より一層のノイズ抑制効果が得られると考えられる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0052】
例えば以上の実施の形態では、シールド箱7A,7B,8A,8Bを、筐体とその内面に貼設した電波吸収体の2層構造としたが、これに限らず、例えば図9に示すように、合成樹脂製または金属製の筐体51の外面及び内面にそれぞれシート状の電波吸収体52,53を貼設した構成のシールド箱50を用いてもよい。この構成によれば、シールド箱50の内部だけでなく外部から入射するノイズを効率良く吸収して、更に良好なカード通信環境を構築することができる。
【0053】
また、以上の実施の形態では、各リーダ/ライタをそれぞれ個別に包囲するシールド箱を例に挙げて説明したが、これに代えて、図10に示したように、各リーダ/ライタを空間的に遮蔽する例えば金属製の大判の間仕切り(シールド板)を適用することも可能である。この場合、当該間仕切りの片面又は両面に電波吸収体を貼設するようにすれば、上述の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0054】
さらに、以上の実施の形態では、4台のリーダ/ライタを有するICカード通信検査装置について説明したが、リーダ/ライタの設置台数はこれに限らず、5台以上とすることも勿論可能である。特に、本発明においては、隣接するリーダ/ライタ間の通信干渉を効果的に抑制できるので、リーダ/ライタの設置間隔を従来よりも狭めることが可能となり、装置の設置面積増大の抑制にも貢献することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のICカード通信検査装置によれば、搬送手段の搬送経路を遮る状態で配置され複数のカードリーダ/ライタの間を電波吸収体で遮蔽しているので、カードリーダ/ライタ間の通信電波の干渉を効果的に抑制することができ、通信誤判定を低減して適正なカード通信検査工程を実施することができる。
【0056】
また、本発明のICカード通信検査方法によれば、カードリーダ/ライタとICカードとの間の通信領域を電波吸収体で外部から遮蔽した状態で、通信検査を行うようにしているので、カード通信誤判定が低減され、適正にカード通信工程を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるICカード通信検査装置1の概略構成を示す部分破断正面図である。
【図2】ICカード通信検査装置1の概略平面図である。
【図3】ICカード通信検査装置1の内側のリーダ/ライタ周辺の構成を示す部分破断正面図である。
【図4】ICカード通信検査装置1の外側のリーダ/ライタ周辺の構成を示す部分破断側面図である。
【図5】図4に示したシールド箱8Aの全体を説明する断面斜視図である。
【図6】ICカード通信検査装置1のシールド箱の作用を説明するシールド箱の要部断面図である。
【図7】リーダ/ライタと電源供給源とを結ぶ通信ケーブルにノイズ除去手段としてトロイダルコアを設けた構成を説明する斜視図である。
【図8】本発明の実施例による実験結果を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例を説明するシールド箱の断面斜視図である。
【図10】従来のICカード通信検査装置の概略構成を示す部分破断正面図である。
【符号の説明】
1…ICカード通信検査装置、2…コンベア(搬送手段)、3A,3B,4A,4B…リーダ/ライタ、7A,7B,8A,8B,50…シールド箱、10A,10B…ICカード、11,21,51…筐体、12,22,52,53…電波吸収体、13…スリット部、23…開口部、30…位置調整機構、40…通信ケーブル、41…トロイダルコア。

Claims (8)

  1. 複数のICカードを保持して搬送する搬送手段と、前記搬送手段の搬送方向に沿って配置された複数のカードリーダ/ライタとを有し、前記カードリーダ/ライタによって前記ICカードに対する通信検査を行うICカード通信検査装置において、
    前記複数のカードリーダ/ライタの間を電波吸収体で空間的に遮蔽した
    ことを特徴とするICカード通信検査装置。
  2. 前記電波吸収体の有効周波数領域が、前記ICカードの通信周波数領域を包含する領域である
    ことを特徴とする請求項1に記載のICカード通信検査装置。
  3. 前記電波吸収体が、前記複数のカードリーダ/ライタをそれぞれ個別に包囲する筐体の少なくとも内面側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のICカード通信検査装置。
  4. 前記筐体が、導電材料で形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のICカード通信検査装置。
  5. 前記カードリーダ/ライタの通信ケーブルにはノイズ除去手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のICカード通信検査装置。
  6. 前記ノイズ除去手段が、軟磁性材料でなるトロイダルコアである
    ことを特徴とする請求項5に記載のICカード通信検査装置。
  7. 前記ノイズ除去手段が、シールド線である
    ことを特徴とする請求項5に記載のICカード通信検査装置。
  8. カードリーダ/ライタを用いてICカードに対する通信検査を行うICカード通信検査方法において、
    前記ICカードを前記カードリーダ/ライタに対向させる工程と、
    前記ICカードと前記カードリーダ/ライタとの間の通信領域を電波吸収体で外部から遮蔽する工程と、
    前記電波吸収体で外部から遮蔽された通信領域で前記ICカードに対する通信検査を行う工程とを有する
    ことを特徴とするICカード通信検査方法。
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