JP2004271747A - マイクロカプセル、その製造方法およびそれを用いた電気泳動表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルは、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルであって、前記電気泳動性微粒子は、水接触角が35°以上であるとともに乾式帯電量が絶対量で10μc/g以上であり且つ微粒子分散液粘度が300mPa・s以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動性微粒子の分散液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用マイクロカプセル、および、これを用いた電気泳動表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動表示装置は、着色溶媒中に電気泳動性の顔料粒子が分散された分散液における顔料粒子の電気泳動現象を用いた非発光型表示デバイスであって、具体的には、少なくとも一方が透明な対向電極基板(フィルム)間に設けられた空間に上記分散液を封入した構造を有し、電極基板間の印加電圧により電気泳動性微粒子を泳動させて生じる光学的濃度差で表示するものとして従来から知られており(例えば、特許文献1参照。)、例えば、広視野角性、電源供給(継続的供給)無しでの長時間メモリー性、低消費電力などの多くの優れた特性を有する。
【0003】
特に、近年においては、対向電極基板間に上記分散液をそのまま封入しただけのものではなく、壁材となるカプセル殻体に上記分散液を封入してなるマイクロカプセルを対向電極基板間に敷き詰めて配した構造を有する電気泳動表示装置(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)が開発され、それまでのマイクロカプセルを用いない電気泳動表示装置に比べて、表示の長期安定性、応答性、コントラストおよび表示の書き換え可能回数等の諸機能を大きく向上させることができた。
また、上記マイクロカプセルを調製する代表的な方法としては、コアセルベーション法、界面重合法、インサイチュ(in−situ)法等が挙げられる、これらの方法では、すべて、電気泳動性微粒子を無極性溶媒に分散させた分散液(インク)を水系溶媒(極性溶媒)中に所望の液滴径となるように分散させ、この液滴表面(極性溶媒と無極性溶媒との界面)でカプセル殻体を形成させるようにしている。
【0004】
このようなマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置は、上記各種特性に加え、紙のように薄く自在に湾曲させることのできるフレキシブルな表示デバイスや、容易に大面積にでき且つ安価である表示デバイスを得るにあたり非常に有用であるとして注目されており、ペーパーライクディスプレイおよびリライタブルペーパーなどのいわゆるデジタルペーパー(電子ペーパー)分野へのさらなる技術展開が期待されているとともに、ICカードやICタグでの表示、電子ホワイトボード、案内板、公告板、電子新聞、電子ブックおよび携帯端末(例えばPDA)等への応用も提案されつつある。
【0005】
上記各種用途分野等の様々な表示デバイスへの応用が試みられるにあたっては、電圧印加時の表示応答性や、画像の鮮明さを大きく左右するコントラスト等の諸性能において更なる性能向上が強く望まれており、特に、低い電圧印加時であっても上記緒性能において非常に優れたものが求められている。
【0006】
【特許文献1】
特公昭50−15115号公報
【0007】
【特許文献2】
特許第2551783号公報
【0008】
【特許文献3】
特開昭64−86116号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、低い印加電圧であっても高い表示応答性およびコントラスト等を実現することができる電気泳動表示装置用のマイクロカプセル、その製造方法およびそのマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した。その過程において、低い印加電圧であっても高い表示応答性等を発揮させるには、まず電気泳動性微粒子の帯電性をより高める(乾式帯電量をより大きくする)ことが必要であることに着目し、その実現には該微粒子に多くの極性基を導入するのが最適であると考えた。
ところが、帯電性をより高めるために該微粒子に極性基を多く導入したところ、前述したマイクロカプセルの製法上ひいては電気泳動表示装置用マイクロカプセルとしての諸性能上、後述するような種々の問題が生じてしまうことが分かり、十分な応答性等を得るための帯電量を電気泳動性微粒子に付与することは事実上不可能であった。
【0011】
すなわち、電気泳動性微粒子に極性基を多く導入すると、該微粒子自体の親水性を大きく高めることになり、このように親水性が過剰に高い電気泳動性微粒子を用いると、マイクロカプセルの調製時に該微粒子が水系溶媒側に多く移行してしまうため、1)最終的にカプセル殻体に封入される分散液中には十分かつ所定量の微粒子を存在させることができず、コントラスト等の表示性能の低い電気泳動表示装置しか得られない他、2)調製後に排水となる水系溶媒の汚染の原因となったり、3)カプセル殻体形成時にカプセル殻体の外側壁面に多くの微粒子が付着してしまうといった問題があった。さらに、水系溶媒側への移行を免れた電気泳動性微粒子であっても、4)無極性溶媒中での分散性が悪くなるため、結局のところ低い印加電圧で十分なコントラストと応答速度を発揮させることはできない他、5)水系溶媒との界面付近に電気泳動性微粒子の多くが移動してしまい、カプセル殻体形成時にカプセル殻体の内側壁面に多くの微粒子が付着してしまったり、カプセル殻体内部に取り込まれてしまったりするといった問題が認められたのである。
【0012】
上述した問題の中でも、特に、カプセル殻体の内側や外側の壁面に電気泳動性微粒子が付着した場合や、カプセル殻体内部に電気泳動性微粒子が取り込まれてしまった場合においては、不透明なカプセル殻体となるため、たとえマイクロカプセル内で該微粒子を十分満足できるレベルで泳動させることができたとしても、光学的変化が認識できず、コントラストの顕著な低下を招くことになる。
そこで、本発明者は、上記電気泳動性微粒子に高い帯電性を付与するとともに、適度な疎水性および親油性をも同時に付与するようにすれば、上記問題を容易に解消できるのではないかと考えた。具体的には、上記電気泳動性微粒子について、帯電性に関しては、該微粒子の乾式帯電量の絶対量を特定の値以上にするようにし、かつ、疎水性および親油性に関しては、疎水性の指標として該微粒子の水接触角に着目し、これを特定の値以上となるようにすること、親油性の指標として微粒子分散液粘度(特定条件下で調製・測定した粘度(後に詳述する))に着目し、これを特定の値以下となるようにすることが重要であることを見出した。
【0013】
そして、かかる電気泳動性微粒子を構成材料として含む電気泳動表示装置用のマイクロカプセル、および、そのマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置であれば、上記課題を一挙に解決し得ることを確認し、本発明を完成するに至った。
さらに本発明者は、上述した電気泳動性微粒子を容易に調製する(ひいては、上述した電気泳動性微粒子を構成材料として含む電気泳動表示装置用のマイクロカプセルを容易に得る)ためには、帯電性官能基を導入することにより高い帯電性を付与し、かつ、長鎖アルキル基を導入することで適度な疎水性および親油性をも付与すればよいことを見出した。すなわち、帯電性官能基による帯電性の付与とともに、疎水性および親油性を長鎖アルキル基により付与するようにすれば、付与した帯電量を極力減少させずに該帯電性に起因する親水性のみを低減し、かつ、適度な疎水性および親油性を効率良く与えることができることを見出したのである。また、上記帯電性官能基や長鎖アルキル基の導入は、カップリング剤や、微粒子との反応性基を有するポリマーによる、微粒子の表面処理で行うことが、最も効率的かつ十分な処理を施すことに繋がるとも考えた。具体的には、1)帯電性官能基を有するカップリング剤や微粒子との反応性基を有し且つ帯電性官能基を有するポリマーでの処理とともに、長鎖アルキル基を有するカップリング剤や微粒子との反応性基を有し且つ長鎖アルキル基を有するポリマーでの処理をも施す、もしくは、2)帯電性官能基と長鎖アルキル基とを共に有するカップリング剤や上記ポリマーでの処理を施すようにすれば、所望の帯電量を十分に付与することができるとともに、親水性を抑えた上で適度な疎水性および親油性を効率的に付与することができることを見出し、さらに、上記両官能基の導入量を適宜調整すれば、前述した乾式帯電量の絶対量や水接触角および微粒子分散液粘度を容易に特定の範囲に制御できることも見出した。
【0014】
そして、かかる電気泳動性微粒子の調製工程を備えた電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法であれば、上記課題を容易に解決し得ることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルは、
溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルであって、前記電気泳動性微粒子は、水接触角が35°以上であるとともに乾式帯電量が絶対量で10μc/g以上であり且つ微粒子分散液粘度が300mPa・s以下であることを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法は、
溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルの製造方法であって、下記1)または2)の工程を含むことを特徴とする。
1)前記電気泳動性微粒子の表面を、帯電性官能基を有するカップリング剤および/または前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基とを有するポリマーと、長鎖アルキル基を有するカップリング剤および/または前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル基とを有するポリマーとで処理する工程。
【0016】
2)前記電気泳動性微粒子の表面を、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤、および/または、前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するポリマーで処理する工程。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびそれを用いた電気泳動表示装置について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、本発明のマイクロカプセルと称することがある。)は、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた液(電気泳動表示装置用分散液)をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルであって、上記前記電気泳動性微粒子は、水接触角が35°以上であるとともに乾式帯電量が絶対量で10μc/g以上であり且つ微粒子分散液粘度が300mPa・s以下である。
【0018】
以下においては、まず本発明のマイクロカプセルについて説明し、続いて、該マイクロカプセルを得るための製法をその特徴的事項を含めて説明する。
本発明のマイクロカプセルは、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた電気泳動表示装置用分散液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルであり、前述のように、電気泳動性微粒子として、乾式帯電量(絶対量)と、水接触角および微粒子分散液粘度とが特定の範囲を満たすものを用いるようにしている。すなわち、帯電性と、疎水性および親油性とにおいて、具体的に、以下▲1▼および▲2▼の特性を有することが重要である。
【0019】
▲1▼帯電性(ひいては親水性)に関しては、用いる電気泳動性微粒子の乾式帯電量が絶対量で10μc/g以上であり、好ましくは15μc/g以上、より好ましくは20μc/g以上であり、さらに好ましくは25μc/g以上である。乾式帯電量の絶対量が上記範囲を下回ると、電気泳動性が低くなり、特に低電圧化(低印加電圧化)に十分なコントラスト等が得られないおそれがある。なお、上記乾式帯電量の絶対量は、正(+)の帯電量であっても、負(−)の帯電量であってもよく、特に限定はされず、必要に応じて適宜選択すればよい。
電気泳動性微粒子の乾式帯電量の測定は、具体的には、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製)を用いて測定する。測定試料は、電気泳動性微粒子0.1gと鉄粉(同和鉄粉(株)製、製品名:DSP−128)10gとを十分に混合することにより調製する。
【0020】
▲2▼疎水性および親水性に関しては以下の通りである。
疎水性に関しては、用いる電気泳動性微粒子の水接触角が35°以上であり、好ましくは40°以上、より好ましくは45°以上であり、さらに好ましくは50°以上である。水接触角が上記範囲を下回ると、マイクロカプセル製造時において電気泳動性微粒子が水系媒体に移行したり、カプセル殻体に付着する等のおそれがある。
電気泳動性微粒子の水接触角の測定は、具体的には、電気泳動性微粒子をプレス成形し、平滑な面を有するディスク状の成形体とし、その成形体の表面に1.2μmLの水滴を接触させ、成形体表面と水滴表面との成す角度であって該水滴内部側の角度を水接触角の角度として測定する。上記成形体の調製においては、電気泳動性微粒子以外に添加剤等を使用せず、常温でプレス成形するようにする。
【0021】
なお、上記した水接触角の範囲は、少なくとも、測定に際し上記成形体に水滴を接触させた時点で満たされていればよい範囲であるとするが、水滴を接触させた時点から30秒経過するまで満たされていることがより好ましく、さらに好ましくは60秒経過するまで、特に好ましくは90秒経過するまでである。
一方、水滴を接触させた時点より後の段階において、上記した水接触角の範囲を下回ることとなった場合であっても、上記成形体に水滴を接触させた時点から30秒経過した時における水接触角が20°以上であることが好ましく、より好ましくは30°以上、さらに好ましくは35°以上である。30秒経過時における上記水接触角が20°を下回ると、マイクロカプセル製造時において電気泳動性微粒子の水系媒体への移行等が過剰になり、前述した問題が顕著となるおそれがある。
【0022】
親油性に関しては、用いる電気泳動性微粒子の微粒子分散液粘度が300mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは250mPa・s以下、さらに好ましくは200mPa・s以下、特に好ましくは180mPa・s以下である。微粒子分散液粘度が300mPa・sを超えると、電気泳動性微粒子の溶媒との親和性が劣ることになり分散性が低下し、ひいては得られるマイクロカプセルにおいて電気泳動性微粒子分散液の粘度が高くなるため、表示応答性が低下し、十分なコントラストが得られないおそれがある。なお、上記微粒子分散液粘度とは、本発明のマイクロカプセルにおいてカプセル殻体に内包されている電気泳動表示装置用分散液の粘度を意味するのではなく、後述の実施例において示した特定の調製および測定条件により調製された分散液に対して測定される粘度の値である。
【0023】
本発明のマイクロカプセルにおいて、電気泳動性微粒子としては、特定のカップリング剤および/または特定のポリマーにより表面処理されたものを用いることが好ましい。電気泳動性微粒子は、この特定のカップリング剤および/または特定のポリマーにより表面処理されてなることによって、上述した帯電性(乾式帯電量)と疎水性(水接触角)および親油性(微粒子分散液粘度)といった条件を満たすものであることが好ましい。具体的には、電気泳動性微粒子としては、その表面に帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有する電気泳動性微粒子が好ましい。
【0024】
上記特定のカップリング剤および/または特定のポリマーによる表面処理としては、詳しくは、以下のa)、b)およびc)からなる群より選ばれる少なくとも1種の表面処理を採用することができる。
a)帯電性官能基を有するカップリング剤および/または前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基とを有するポリマーで表面処理(a−1)するとともに、長鎖アルキル基を有するカップリング剤および/または前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル基とを有するポリマーで表面処理(a−2)すること。
【0025】
b)帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤で表面処理すること。
c)前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するポリマーで表面処理すること。
なお、a)においては、表面処理(a−1)と表面処理(a−2)との順序は特に限定はされず、どちらを先に行っても同時に行ってもよいが、表面処理(a−1)を行った後に表面処理(a−2)を行う方が、効率良く良好な表面処理を行うことができる点でより好ましい。また、上記a)でいうカップリング剤やポリマーとしては、b)やc)でいうカップリング剤やポリマーで代用することもできる。すなわち、一例を挙げれば、a)において、帯電性官能基を有するカップリング剤と、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤とを併用することで、帯電性官能基を有するカップリング剤と、長鎖アルキル基を有するカップリング剤とを併用することとしてもよい、という意味である。
【0026】
上記特定のカップリング剤および/または特定のポリマーによる表面処理の形態としては、a)による表面処理であるか、b)および/またはc)による表面処理であることが好ましく、なかでも、帯電性官能基を有するカップリング剤と、前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル基とを有するポリマーとによる処理が特に好ましいとされ、次に好ましいのは、帯電性官能基を有するカップリング剤と、長鎖アルキル基を有するカップリング剤とによる処理、その次に好ましいのは、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤による処理である。上記形態での処理であれば、電気泳動性微粒子に、より効率的に帯電性や親水性および親油性を付与することができる。
【0027】
上記特定のカップリング剤としては、帯電性官能基を有するカップリング剤、長鎖アルキル基を有するカップリング剤、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤が挙げられる。
帯電性官能基を有するカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、ジアミノシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルクロロジシラン、トリフェニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシランヘキサメチルジシラザン、イソプロピルトリ(n−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。
【0028】
長鎖アルキル基を有するカップリング剤としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルドデシルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられ、なかでも、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルドデシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが好ましい。これらは1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。
【0029】
帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤としては、例えば、オクタデシルジメチル−3−(トリメトキシリル)プロピルアンモニウムクロライド、ドデカフルオロオクチルトリクロロシラン、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピル(ジオクチルスルフェート)チタネートなどが挙げられ、なかでも、オクタデシルジメチル−3−(トリメトキシリル)プロピルアンモニウムクロライド、ドデカフルオロオクチルトリクロロシランなどが好ましい。これらは1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。
上記特定のカップリング剤については、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびアルミニウム系カップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0030】
上記特定のポリマーとしては、電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基とを有するポリマー、電気泳動性微粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル基とを有するポリマー、および、電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するポリマーが挙げられる。
上記特定のポリマーにおいて、電気泳動性微粒子と反応性を有する基(以下、反応性基と称する。)としては、エポキシ基、チオエポキシ基、アルキルアミド基、アジリジン基、オキサゾリン基およびイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく挙げられるが、用いる電気泳動性微粒子の種類により、反応性基として、適宜、反応性により優れる基を選択することができる。なかでも、電気泳動性微粒子が酸化チタン粒子である場合は、上記反応性基としてはイソシアネート基が特に好ましい。上記特定のポリマーでの表面処理では、該反応性基と電気泳動性微粒子表面との親和性や、該反応性基と電気泳動性微粒子表面との化学結合等を利用するようにしている。
【0031】
上記特定のポリマーの構造等については、特に限定はされないが、電気泳動表示装置用分散液に使用する溶媒に溶解し得るものであることが好ましい。また、上記特定のポリマーとしては、重量平均分子量Mwが3,000〜100,000のものを用いることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000、さらに好ましくは3,000〜30,000、特に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは3,000〜10,000である。重量平均分子量Mwが100,000を超える場合は、カプセル殻体に内包する電気泳動表示装置用分散液の粘度が過剰に高まることになり、表示応答性が低下し、十分なコントラストが得られないおそれがある。一方、重量平均分子量Mwが3,000未満である場合は、十分な帯電性あるいは親油性が得られなくなるおそれがある。
【0032】
以下、上記特定のポリマーを調製するにあたり用い得る重合性モノマーについて具体例を挙げて説明する。上記特定のポリマーを得るにあたっては、該特定のポリマーを、所定の基、すなわち反応性基と帯電性官能基および長鎖アルキル基と、を有するものとする必要があるため、後に列挙するこれら所定の基を有する重合性モノマーを必須として用い、調製するようにすることが好ましい。詳しくは、使用する重合性モノマー成分中において、反応性基を有する重合性モノマーと、帯電性官能基を有する重合性モノマーと、長鎖アルキル基を有する重合性モノマーとを必須とすることが好ましい。なお、例えば、反応性基を有する重合性モノマーと長鎖アルキル基を有する重合性モノマーとを用いる代わりに、反応性基と長鎖アルキル基とを共に有する重合性モノマーを用い得るといったように、異なる所定の基を有する2種または3種の重合性モノマーを用いる代わりに、上記所定の基のうちの2種または3種を同一分子内に有する重合性モノマーを用いることもできる。
【0033】
また、必要に応じ、任意のポリマーに上記所定の基を導入することで前記特定のポリマーを調製するようにしてもよい。
反応性基を有する重合性モノマーとしては、例えば、下記式(1)〜(5):
【0034】
【化1】
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
【化5】
【0039】
等で表されるアジリジン基含有重合性モノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4,5−ジメチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性モノマー;アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド;N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシイソブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシシクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシブチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシイソブチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキルアミド基含有重合性モノマー;下記式(6)〜(9):
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
等で表されるエポキシ基含有重合性モノマー;下記式(10)〜(13):
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
等で表されるチオエポキシ基含有重合性モノマー;下記式(14)〜(16):
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
等で表されるイソシアネート基含有重合性モノマー;などが挙げられ、これらは1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。
帯電性官能基を有する重合性モノマーとしては、例えば、クロルスチレン、スチレンスルホン酸、アクリル酸、アクリル酸トリフルオロエチレン、アクリル酸ニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸トリフルオロエチレン、メタクリル酸ニトリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ターシャリーブチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸クロロヒドロキシプロピル、メタクリル酸クロロヒドロキシプロピル、アクリル酸トリクロロエチルおよびメタクリル酸トリクロロエチルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。
【0054】
長鎖アルキル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、アクリル酸ノナデシル、アクリル酸アラキル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸ヘプタシル、アクリル酸ノナシル、アクリル酸ドテリアシル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘプタデシル、メタクリル酸ノナデシル、メタクリル酸アラキル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ヘプタシル、メタクリル酸ノナシルおよびメタクリル酸ドテリアシルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。
【0055】
少なくとも上記反応性基を有するモノマーと上記帯電性官能基を有するモノマーおよび/または長鎖アルキル基を有するモノマーとを含むモノマー成分を共重合することで、帯電性官能基および/または長鎖アルキル基と反応性基とを有する特定のポリマーを容易に得ることができる。
特定のポリマーを得るにあたり、上記所定の基を有する各種重合性モノマーの配合割合については、特に限定されるわけではないが、表面処理する電気泳動性微粒子に所望の帯電性および疎水性・親油性を付与することができるよう、または電気泳動性微粒子表面に対する所望の反応性が得られるよう、適宜設定することが好ましい。
【0056】
上記特定のポリマーの調製においては、上記列挙した所定の基を有する重合性モノマー以外にも、必要に応じて、その他の重合性モノマーを用いることができるる。他のモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン系モノマー;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソブチルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いても、2種以上を併用してもよい。
【0057】
上記その他の重合性モノマーを用いる場合、その配合割合については、特に限定はされないが、前述した所定の基を有する各種モノマーの配合割合を考慮し、この所定の基を有する各種モノマーにより得られる帯電性および疎水性・親油性付与の効果が著しく妨げられない範囲で用いることができる。
上記特定のポリマーは、上記所定の基を有する重合性モノマーを必須とするモノマー成分を用いて重合を行うことにより得ることができる。重合方法としては、特に限定はされず、例えば、溶液重合法、沈殿重合法、バルク重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を適宜選択し採用することができるが、なかでも、バルク重合および溶液重合法が好ましい。
【0058】
上記溶液重合等の溶媒を用いる重合方法を採用する場合、使用できる溶媒としては、特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;ヘプタン、オクタン、n−へキサン、n−ペンタン、2,2,4−トリメチルペンタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロへキサン、メチルシクロへキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルブチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ジメトキシエタンなどのエチレングリコールジアルキルエーテル類の溶媒;THF(テトラヒドロフラン)、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒;などの有機溶媒が挙げられるが、後述する、本発明のマイクロカプセルにおける電気泳動表示装置用分散液の調製に用い得る溶媒のいずれかが好ましく、実際に該調製に用いる溶媒が特に好ましい。
【0059】
上記重合の反応の種類についても、特に限定はされず、例えば、アニオン重合、カチオン重合、配位重合およびイモータル重合などが好ましく挙げられる。なかでも、アニオン重合は、純度の高いものが工業的に容易に入手できるため再現性良くポリマーを得ることができるほか、反応開始剤の取扱いが容易で分子量の調整が比較的容易であるため、より好ましい。
また、上記重合時には、必要に応じて、従来汎用の、重合開始剤、酸化防止剤および可溶化剤などを添加して使用することもできる。
重合開始剤としては、通常用いられる油溶性の過酸化物系あるいはアゾ系開始剤が使用でき、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4−アゾビス−4−シアノバレリン酸、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤を挙げることができる。これら重合開始剤は、使用する重合性モノマー全量(重合性モノマー成分)に対して0.01〜20重量%用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%である。
【0060】
上記特定のポリマーを得る際の重合においては、反応温度や反応時間等のその他の反応条件については、通常行われる重合条件等を採用し、また、適宜設定して重合反応を行うことができる。
上記特定のカップリング剤や特定のポリマーのうち、帯電性官能基を有するカップリング剤、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤、電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基とを有するポリマー、および、電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するポリマーにおいては、帯電性官能基が、例えば、アミノ基、アミド基、第4級アンモニウム基、カルボキシル基、グリシジル基、スルホン基、ニトリル基、フッ素基およびリン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。特定のカップリング剤や特定のポリマーにおける帯電性官能基が上記列挙したものであれば、電気泳動性微粒子に帯電性を良好に付与し、電気泳動性を効率的に高めることができる。
【0061】
上記特定のカップリング剤や特定のポリマーのうち、長鎖アルキル基を有するカップリング剤、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤、電気泳動性微粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル基とを有するポリマー、および、電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するポリマーにおいては、長鎖アルキル基が、例えば、炭素数8以上のアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくは炭素数10以上のアルキル基を必須とする炭素数8以上のアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、さらに好ましくは炭素数10以上のアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種である。特定のカップリング剤や特定のポリマーにおける長鎖アルキル基が上記列挙したものであれば、電気泳動性微粒子を効率良く疎水化し、ひいては該微粒子の水接触角を35°以上にすることができるとともに、電気泳動性微粒子を効率良く親油化し、ひいては該微粒子の微粒子分散液粘度を300mPa・s以下にすることができ、これらによってマイクロカプセル製造時において電気泳動性微粒子が水系媒体に移行したり、カプセル殻体に付着する等の問題を容易に回避することができ、また溶媒への分散性も効率的に高めることができる。
【0062】
上述の特定のカップリング剤や特定のポリマーによる処理によって、電気泳動性微粒子は、帯電性官能基からは帯電性を付与される(ひいては親水性を付与される)こととなり、長鎖アルキル基からは疎水性および親油性を付与されることとなる。
本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法においては、用いる電気泳動性微粒子の表面を、前述した特定のカップリング剤および/または特定のポリマーで処理する工程を含むことを特徴としているが、一般的には、例えば、以下に詳述する分散工程およびマイクロカプセル化工程を備えた製法が好ましく採用できる。
【0063】
前記分散工程とは、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させる工程である。この工程により得られる分散液は、最終的に、電気泳動表示装置用マイクロカプセルに内包される液である。なお、該分散工程では、溶媒中に電気泳動性微粒子を一旦分散させるものの、最終的にマイクロカプセルに内包された以降の段階においては、該分散時と全く同様の分散状態を保持していなくてもよいし、一時的に分散状態が維持されていなくてもよく、特に制限はないが、該分散工程の分散状態のまま維持されるようにすることが好ましい。
溶媒としては、従来より、通常一般的に電気泳動表示装置用分散液として用いられている溶媒であればよく、特に限定はされないが、高絶縁性の有機溶媒が好ましい。
【0064】
高絶縁性の有機溶媒としては、例えば、o−、m−またはp−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素類;シクロへキサン、n−ヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの各種エステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、オクタノール、メチルセルソルブなどのアルコール系溶剤;クロロブタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、トリクロロエタン、四塩化炭素、シクロヘキシルクロライド、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、三塩化フッ化エタン、四フッ化二臭化エチル、臭化エタン、四フッ化二フッ化エタン、ヨウ化メチレン、トリヨードシラン、ヨウ化メチルなどのハロゲン化炭化水素類;二硫化炭素;などの単独またはそれらの混合物が好ましく挙げられ、なかでも、ドデシルベンゼンおよびヘキシルベンゼン等の長鎖アルキルベンゼンおよびフェニルキシリルエタン等が、沸点および引火点も高く、また毒性もほとんど無いことからより好ましい。これら溶媒は、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0065】
溶媒の使用量は、得られる分散液全体に対し、40〜95重量%となるようにすることが好ましく、より好ましくは50〜92重量%、さらにより好ましくは60〜90重量%である。上記使用量が、40重量%未満の場合は、分散液の粘度が高くなり、電気泳動性微粒子の電気泳動性を低下させることとなり、95重量%を超える場合は、電気泳動性微粒子の濃度が低くなり、十分なコントラストが得られないこととなる。
溶媒は、無色透明であるものが好ましく、必要に応じて着色等すればよい。
溶媒が着色されたものである場合、着色に用いられる染料としては、特に限定はされないが、油溶性染料が好ましく、特に使いやすさの点で、アゾ染料およびアントラキノン染料などがより好ましい。具体的には、黄色系染料としては、オイルイエロー3G(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、橙色系染料としては、ファーストオレンジG(BASF社製)等のアゾ化合物類が、青色系染料としては、マクロレックスブルーRR(バイエル社製)等のアンスラキノン類が、緑色系染料としては、スミプラストグリーンG(住友化学社製)等のアンスラキノン類が、茶色系染料としては、オイルブラウンGR(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、赤色系染料としては、オイルレッド5303(有本化学社製)およびオイルレッド5B(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、紫色系染料としては、オイルバイオレット#730(オリエント化学社製)等のアンスラキノン類が、黒色系染料としては、スーダンブラックX60(BASF社製)等のアゾ化合物や、アンスラキノン系のマクロレックスブルーFR(バイエル社製)とアゾ系のオイルレッドXO(カントー化学社製)との混合物が、好ましく挙げられる。これら染料は1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0066】
上記染料は、通常、溶媒100重量部に対し、0.1〜10重量部使用することが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部、さらにより好ましくは1〜10重量部である。上記染料の使用量が、0.1重量部未満の場合は、着色力が不十分で電気泳動性微粒子に対する十分なコントラストが得られないこととなり、10重量部を超える場合は、必要以上のコストアップにつながることととなる。
電気泳動性微粒子は、電気泳動性のある顔料粒子、つまり、分散液中で正または負の極性を示す着色粒子であればよい。
【0067】
本発明の製造方法においては、前述の通り、電気泳動性微粒子の表面を特定のカップリング剤および/または特定のポリマーで処理する工程を含むことを特徴としており、この表面処理工程により得られた電気泳動性微粒子を分散工程等において用いるようにし、最終的に本発明の電気泳動表示装置用マイクロカプセルを得るようにする。
上記表面処理工程においては、乾式帯電量(絶対量)の値とともに水接触角および微粒子分散液粘度の値が前述した特定範囲を満たす電気泳動性微粒子を得るようにする。
【0068】
上記表面処理工程における、電気泳動性微粒子の表面を特定のカップリング剤および/または特定のポリマーで処理することについては、具体的には、前記本発明のマイクロカプセルに用いる電気泳動性微粒子の説明でa)、b)およびc)の表面処理を挙げて述べた内容と同様である。従って、表面処理の形態としては、a)、b)およびc)からなる群より選ばれる少なくとも1種の表面処理を採用することができるが、a)による表面処理であるか、b)および/またはc)による表面処理であることが好ましく、なかでも、帯電性官能基を有するカップリング剤と、前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル基とを有するポリマーとによる処理が特に好ましく、次に好ましいのは、帯電性官能基を有するカップリング剤と、長鎖アルキル基を有するカップリング剤とによる処理、その次に好ましいのは、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤による処理である。
【0069】
上記表面処理工程では、特定のカップリング剤および特定のポリマーによる合計処理量(詳しくは、表面処理に要する使用量ではなく、結果的に微粒子表面に付着・結合等して処理に供している量)が、表面処理後の電気泳動性微粒子の重量に対して0.5〜5重量%となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.5〜4.5重量%であり、さらに好ましくは0.5〜4.0重量%である。上記合計処理量が上記範囲を下回る場合は、電気泳動性微粒子の表面処理効果が得られにくく、十分な電気泳動性が得られないおそれや、十分な疎水化・親水化ができずマイクロカプセル製造時において電気泳動性微粒子が水系媒体に移行したりカプセル殻体に付着する等のおそれがある。一方、上記合計処理量が上記範囲を上回る場合は、使用量に応じた表面処理効果が得られにくくコスト高ともなるため経済的に劣るほか、電気泳動性微粒子を溶媒に分散させた際の粘度が高くなり過ぎて電気泳動性に支障が生じたり取扱い性が低下したりするおそれがある。なお、上記特定のカップリング剤および/または特定のポリマーにより表面処理した場合の処理量は、処理後の微粒子重量と、その処理後の微粒子を加熱・焼成した時の減量分とを測定しておき、前者に対する後者の重量割合を算出する方法(いわゆる熱分析)により求めることができる。上記特定のカップリング剤および特定のポリマーのいずれかを使用した場合であっても、併用した場合であっても、上述した方法で同様に求めることできる。
【0070】
また、上記特定のカップリング剤および/または特定のポリマーでの処理に関し、帯電性官能基の導入量と長鎖アルキル基の導入量とについては、特に限定はされず、それぞれの量およびそれらの量比は、上記乾式帯電量、水接触角および微粒子分散液粘度が上記特定の範囲となるよう適宜設定すればよい。
上記特定のカップリング剤により、電気泳動性微粒子を表面処理する方法としては、特に限定はされないが、例えば、▲1▼乾式法:撹拌されている電気泳動性微粒子に、適宜濃度を調整したカップリング剤溶液をスプレーして処理する方法、▲2▼湿式法:電気泳動性微粒子を溶剤中に分散させスラリー化し、これにカップリング剤を添加して処理する方法、▲3▼スプレー法:電気泳動性微粒子の調製時において高温状態の電気泳動性微粒子にカップリング剤をスプレーして処理する方法などが挙げられる。また、特定のカップリング剤による各種処理条件については、特に限定はされず、通常採用される処理条件を適宜選択すればよいが、なかでも、乾式法については、V型混合機またはヘンシイルミキサー等を用いて電気泳動性微粒子をよく混合しておくことや、カップリング剤を各微粒子に均一に付着させること、さらには、スプレー後に乾燥熱処理すること等が好ましい。また、湿式法については、溶剤に電気泳動性微粒子を単粒子に分散させておいて処理することや、カップリング剤の添加中や添加後に電気泳動性微粒子のスラリーを加熱処理すること、さらには、カップリング剤の添加後にスラリーを乾燥させ熱処理すること等が好ましい。
【0071】
上記特定のポリマーにより、電気泳動性微粒子を表面処理する方法としては、特に限定はされないが、例えば、特定のカップリング剤により表面処理する場合に採用できる上記▲1▼〜▲3▼の方法と同様の方法を採用することができる。
また、特定のポリマーによる各種処理条件については、特に限定はされず、通常採用される処理条件を適宜選択すればよいが、なかでも、乾式法については、V型混合機またはヘンシイルミキサー等を用いて電気泳動性微粒子をよく混合しておくことや、ポリマーを各微粒子に均一に付着させること、さらには、スプレー後に乾燥熱処理すること等が好ましい。また、湿式法については、溶剤に電気泳動性微粒子を単粒子に分散させておいて処理することや、ポリマーの添加中や添加後に電気泳動性微粒子のスラリーを加熱処理すること、さらには、ポリマーの添加後にスラリーを蒸発乾固させ熱処理すること等が好ましい。
【0072】
電気泳動性微粒子の種類としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、酸化チタン等の白色粒子や、カーボンブラックおよびチタンブラック等の黒色粒子などが好ましく用いられ、また後述するような他の粒子を用いてもよい。これらは1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
酸化チタンの微粒子を用いる場合、酸化チタンの種類は、特に限定されず、一般に白色顔料として使用されるものであればよく、ルチル型でもアナターゼ型でもよいが、酸化チタンの光活性能による着色剤の退色等を考えた場合、光活性能の低いルチル型であることが好ましく、さらに光活性能を低減させるためのSi処理、Al処理、Si−Al処理あるいはZn−Al処理等を施された酸化チタンであればより好ましい。
【0073】
電気泳動性微粒子としては、上記酸化チタン微粒子、カーボンブラックおよびチタンブラック以外の他の粒子を併用してもよく、また、該他の粒子を酸化チタン等の代わりに使用してもよい。他の粒子は、酸化チタン微粒子等と同様に顔料粒子であることが好ましい。また、他の粒子は、酸化チタン微粒子等と同様に電気泳動性を有する必要性は必ずしも無く、必要であれば、電気泳動性を従来公知の何らかの方法により付与すればよい。
上記他の粒子としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、白色系のものでは、上記酸化チタン以外では、硫酸バリウム、酸化亜鉛、亜鉛華等の無機顔料;黄色系のものでは、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、クロムイエローおよび黄鉛等の無機顔料や、ファーストイエロー等の不溶性アゾ化合物類、クロモフタルイエロー等の縮合アゾ化合物類、ベンズイミダゾロンアゾイエロー等のアゾ錯塩類、フラバンスイエロー等の縮合多環類、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、ニトロ化合物およびピグメントイエロー等の有機顔料;橙色系のものでは、モリブデートオレンジ等の無機顔料や、ベンズイミダゾロンアゾオレンジ等のアゾ錯塩類およびベリノンオレンジン等の縮合多環類等の有機顔料;赤色系のものでは、ベンガラおよびカドミウムレッド等の無機顔料や、マダレーキ等の染色レーキ類、レーキレッド等の溶解性アゾ化合物類、ナフトールレッド等の不溶性アゾ化合物類、クロモフタルスカーレッド等の縮合アゾ化合物類、チオインジゴボルドー等の縮合多環類、シンカシヤレッドYおよびホスタパームレッド等のキナクリドン顔料、パーマネントレッドおよびファーストスローレッド等のアゾ系顔料等の有機顔料;紫色系のものでは、マンガンバイオレット等の無機顔料や、ローダミンレーキ等の染色レーキ類、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環類等の有機顔料;青色系のものでは、紺青、群青、コバルトブルーおよびセルリアンブルー等の無機顔料や、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン類、インダンスレンブルー等のインダンスレン類、アルカリブルー等の有機顔料;緑色系のものでは、エメラルドグリーン、クロームグリーン、酸化クロムおよびビリジアン等の無機顔料や、ニッケルアゾイエローなどのアゾ錯塩類、ピグメントグリーンおよびナフトールグリーン等のニトロソ化合物類、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン類等の有機顔料;黒色系のものでは、上記カーボンブラックやチタンブラック以外では、鉄黒などの無機顔料や、アニリンブラック等の有機顔料;などが好ましく挙げられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0074】
電気泳動性微粒子の粒子径は、特に限定されるわけではないが、体積平均粒子径が、0.1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜3μmである。上記粒子径(体積平均粒子径)が、0.1μm未満の場合は、電気泳動表示装置の表示部分において十分な隠蔽性が得られず着色度が低下し、コントラスト性の高い電気泳動表示装置が得られないおそれがあり、5μmを超える場合は、粒子自体の着色度を必要以上に高くする(顔料濃度を高くする)必要性が生じる他、微粒子のスムースな電気泳動特性が低下するおそれもある。
電気泳動性微粒子の、分散液中における濃度は、5〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜50重量%であり、さらにより好ましくは5〜40重量%である。上記電気泳動性微粒子の濃度が、5重量%未満の場合は、電気泳動表示装置の表示部分において、電気泳動性微粒子による十分な着色および隠蔽性を発現しないため、十分なコントラストが得られず鮮明な表示が得られないおそれがあり、60重量%を超える場合は、分散処理時の粘度が高くなり分散装置への負荷が大きすぎることとなるほか、電気泳動表示装置の表示部分に高エネルギーを印加すると電気泳動性微粒子を凝集させてしまうおそれや、電圧印加した部分での電気泳動性微粒子の応答速度(表示応答性)が低下するおそれがある。
【0075】
分散工程においては、得られる分散液中に、上記溶媒および電気泳動性微粒子以外にも必要に応じて何らかの他の成分を含むことができるが、その種類などは特に限定されるわけではない。上記他の成分としては、例えば、分散剤などが挙げられる。分散剤は、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させる前から含むようにしても、分散させた後に含むようにしてもよく、特に限定はされない。
上記分散剤としては、特に限定されないが、通常一般的に、溶媒中における粒子の分散を補助するために用いることのできる分散剤であればよく、具体的には、例えば、分散液に溶解可能な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤、ブロック型ポリマーおよびグラフト型ポリマーなどの分散剤や、各種カップリング剤などを好ましく挙げることができ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0076】
分散工程において、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させる方法としては、特に限定はされないが、通常、何らかの溶媒中に所望の粒子を分散させる際に用いられる方法であればよい。具体的には、例えば、超音波浴槽内に原料成分である酸化チタン微粒子、溶媒およびカップリング剤などを仕込み、撹拌しながら超音波分散する方法や、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドグラインドミルなどの分散機を用いて分散する方法、Vブレンダなどで溶媒および微粒子を強制撹拌しながらカップリング剤を乾燥空気や窒素ガスで噴霧させる乾式法、微粒子を溶媒に適当に分散させスラリー状となったところにカップリング剤を添加する湿式法、予め加温した溶媒および微粒子を激しく撹拌しながらカップリング剤をスプレーするスプレー法などを好ましく挙げることができる。
【0077】
前記マイクロカプセル化工程とは、水系媒体の存在下において、前記分散工程で得られた電気泳動性微粒子の分散液を、殻体(カプセル殻体)で内包する工程である。この工程により、マイクロカプセル化により調製されたマイクロカプセル(電気泳動表示装置用のマイクロカプセル)と、水系媒体とを含む調製液が得られる。
上記内包をする方法としては、特に限定はされず、マイクロカプセル化をする方法として通常公知の方法から適宜選択して採用すればよいが、具体的には、例えば、コアセルベーション法(相分離法)、融解分解冷却法、および粉床法等のいわゆる界面沈積法や、界面重合法、インサイチュ(in−situ)法、液中硬化被膜(被覆)法(オリフィス法)および界面反応法(無機化学反応法)等のいわゆる界面反応法などを挙げることができる。なかでもコアセルベーション法(相分離法)、インサイチュ(in−situ)法、界面重合法、融解分解冷却法がより好ましい。これら各種製造方法によれば、マイクロカプセル化が水系媒体の存在下で行われ、マイクロカプセルと水系媒体とを含む調製液が得られる。
【0078】
上記各種製造方法において用いることのできる水系媒体としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、水や、水と親水性溶剤(アルコール、ケトン、エステル、グリコールなど)との混合液、水に水溶性高分子(PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ゼラチン、アラビアゴムなど)を溶解させた溶液、水に界面活性剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤など)を添加した溶液、または、これら水系媒体を複合した液などを用いることができる。
上記分散工程で得られた分散液を、水系媒体に分散させる量は、特に限定はされないが、具体的には、水系媒体100重量部に対して、この分散液を20〜200重量部用いることが好ましく、より好ましくは30〜150重量部である。20重量部未満であると、粒径分布の広いマイクロカプセルとなり、生産効率の低下を招くおそれがあり、200重量部を超える場合は、逆懸濁液となりマイクロカプセルが製造できなくなるおそれがある。
【0079】
カプセル殻体の原料としては、従来公知のマイクロカプセルにおけるカプセル殻体の原料と同様であればよく、特に限定されるわけではないが、例えば、コアセルベーション法を用いる場合は、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、デンプンのフタル酸エステル、ポリアクリル酸等のアニオン性物質が原料として好ましく使用される。インサイチュ法を用いる場合は、メラミン−ホルマリン樹脂(メラミン−ホルマリンプレポリマー)などが原料として好ましく使用される。界面重合法を用いる場合は、ポリアミン、グリコール、多価フェノールなどの親水性モノマーと、多塩基酸ハライド、ビスハロホルメール、多価イソシアネートなどの疎水性モノマーとを原料として好ましく使用し、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素などからなるカプセル殻体とする。
【0080】
これらカプセル殻体の原料に、さらに多価アミン等を加えることもでき、耐熱保存性などに優れたカプセル殻体を有するマイクロカプセルを得ることができる。多価アミン等の使用量は、上記カプセル殻体の原料に起因する所望の殻体物性が極端に損なわれない程度であればよい。
上記多価アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミンや、ポリ(1〜5)アルキレン(C2〜C6)ポリアミン・アルキレン(C2〜C18)オキシド付加物等の脂肪族多価アミンのエポキシ化合物付加物、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、キシリレンジアミン等の芳香族多価アミン、ピペラジン等の脂環式多価アミン、3,9−ビス−アミノプロピル2,4、8,10−テトラオキサスピロ−〔5,5〕ウンデカン等の複素環式ジアミン等を好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0081】
カプセル殻体の原料の使用量は、特に限定はされないが、具体的には、電気泳動性微粒子分散液1重量部に対して、1〜50重量部とすることが好ましく、より好ましくは5〜30重量部である。該使用量が上記範囲外であると、後述する所望のカプセル殻体の厚みが得られないおそれがある。
マイクロカプセル化工程においては、上記水系媒体、カプセル殻体原料、分散工程で得られた分散液の他にも適宜必要に応じて他の成分を用いることができる。
マイクロカプセル化工程で得られるマイクロカプセルの形状は、特に限定されるわけではないが、真球状等の粒子状となるよう適宜条件設定することが好ましい。
【0082】
得られるマイクロカプセルの粒子径は、特に限定はされないが、具体的には、5〜300μmとなるように、分散液の分散粒径等の条件を適宜設定することが好ましく、より好ましくは10〜200μm、さらにより好ましくは15〜150μmである。マイクロカプセルの粒子径が5μm未満である場合は、マイクロカプセルを電気泳動表示装置に用いた場合、表示部分において十分な表示濃度が得られないおそれがあり、300μmを超える場合は、マイクロカプセル自体の機械的強度に問題が生じるおそれがある他、マイクロカプセルを電気泳動表示装置に用いた場合、マイクロカプセル内に封入した分散液中の酸化チタン微粒子などの電気泳動特性が十分発揮されず、表示のための起動電圧も高くなるおそれがある。
【0083】
得られるマイクロカプセルのカプセル殻体の厚みは、特に限定はされないが、具体的には、0.1〜5μmとなるように、カプセル殻体原料の使用量などの条件を適宜設定することが好ましく、より好ましくは0.1〜4μm、さらにより好ましくは0.1〜3μmである。カプセル殻体の厚みが0.1μm未満である場合は、カプセル殻体としての十分な強度が得られないこととなり、5μmを超える場合は、透明性が低下しコントラストの低下の原因となるほか、マイクロカプセル自体の柔軟性が低下し、電極フィルムなどへの密着性が不十分となるおそれがある。
【0084】
本発明のマイクロカプセルの製造方法においては、上記各種工程以外にも必要に応じて他の工程をも備えることができる。例えば、調製されたマイクロカプセルを分級する工程や、洗浄する工程などが挙げられる。
上記分級工程としては、例えば、湿式による分級(湿式分級工程)を採用することが好ましい。湿式分級工程とは、マイクロカプセル化工程により得られる調製液、すなわち調製されたマイクロカプセルと水系媒体とを含む調製液に対して、マイクロカプセルの分級を施す処理を行う工程である。上記調製液に対して分級を行うため湿式分級となる。詳しくは、例えば、上記調製液を、そのままで若しくは任意の水系媒体などで希釈して分級処理し、調製液中のマイクロカプセルを所望の粒径や粒度分布を有するものとなるよう分級する工程である。湿式分級は、例えば、ふるい式(フィルター式)、遠心沈降式および自然沈降式等の方式を用いた方法や装置により行うことができる。比較的粒子径の大きいマイクロカプセルに対しては、ふるい式が有効に使用できる。
【0085】
本発明にかかる電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な対向電極フィルム間に、上記本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルが配されてなるものである。
該電気泳動表示装置の対向電極間に、制御された電圧を印加することで、マイクロカプセル中の電気泳動性微粒子の分散状態を変え、光学的反射特性に変化を与えて、所要の表示動作を行わせることができる。
本発明の電気泳動表示装置を作製する場合は、上記本発明にかかる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルを、バインダーポリマー等と混合して塗料化した後、電極フィルムに塗工し、その後別の電極フィルムをもってマイクロカプセルを配した塗工面をラミネートするという方法が好ましく挙げられる。また、上記マイクロカプセルをバインダーポリマー等と混合してシート化したものや、該混合後にフィルム状の基材に塗工して得られたシートを、対向する2枚の電極フィルムによってラミネートする方法も挙げられる。何れの方法においても、対向する電極フィルムは、その少なくとも一方が透明電極(例えばITO付きPETフィルム)であることが必要とされる。
【0086】
通常、安定した優れた表示品質の電気泳動表示装置を得るためには、マイクロカプセルを電極フィルムに密着させることが望まれる。電極との密着性が低いと、電気泳動性微粒子の応答性の低下や、コントラストの低下等が生じるおそれがあるからである。この密着性を高めるためには、例えば、上記ラミネート時の温度や圧力を高くするようにすること等が考えられる。さらに、マイクロカプセルとしてそのカプセル殻体の材質や物性を適宜必要に応じて選択することによって、電極フィルムとの密着性をより一層高めることができるので、その場合は、温度や圧力などの諸条件をより緩やかにした状態でも優れた密着性を有するようにラミネートすることができる。
【0087】
本発明の電気泳動表示装置においては、用いるマイクロカプセルの粒子径は、特に限定はされないが、30〜200μmであることが好ましく、より好ましくは50〜150μmである。
本発明の電気泳動表示装置において、対向する電極フィルム間のクリアランスは、特に限定はされないが、30〜150μmであることが好ましく、より好ましくは30〜120μmである。
【0088】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、「リットル」を単に「L」と記すことがある。また、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
以下に、各実施例・比較例における各種測定方法および評価方法について説明する。
<乾式帯電量の測定>
電気泳動性微粒子0.1gを、10gの鉄粉(DSP−128、同和鉄粉(株)製)と十分混合し現像剤を作成し、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製)で電気泳動性微粒子の乾式帯電量を測定した。
【0089】
測定条件は、現像剤0.1g、ブロー窒素圧1kgf/cm2、測定時間30秒とし、メッシュは500メッシュSUS金網を用いた。
<水接触角の測定>
電気泳動性微粒子約1gを、400kg/cm2の圧力で、直径1cmのディスクに常温プレス成形した。このディスクの水接触角の角度を、接触角計DCA−VZ型(協和界面化学(株)製)で測定した。この接触角計においては、上記プレス成形したディスク表面に1.2μmLの水滴を接触させた時の、ディスク表面と水滴表面との成す角度であって該水滴内部側の角度が水接触角の角度として測定される。
【0090】
水接触角の測定は、0秒(上記接触角計での測定において、ディスク表面に水滴を接触させた直後)と、その30秒後の、計2回行った。
<微粒子分散液粘度の測定>
電気泳動表示装置用分散液に使用する溶媒に、電気泳動性微粒子を40wt%となる配合割合で混合し、30分間超音波分散を行って微粒子分散液を調製し、この分散液の粘度を、E型粘度計(VISCOMETER TVE−20L、(株)トキメック製)を用いて、以下の条件下で測定した。
温度:25℃
ローター:コーンプレートタイプ1°34’×R24
回転数:240mPa・S以下は2.5rpm、600mPa・S以下は1.0rpm
<カップリング剤やポリマーでの表面処理量の測定>
島津熱重量測定装置DTG−50(島津製作所社製)を用いて、試料となる表面処理されている電気泳動性微粒子を、昇温速度6℃/分で110℃から500℃とする加熱下にて処理したときの、空気中での減少重量の割合(重量%)を測定した。なお、この減少重量の割合とは、上記加熱処理前の電気泳動性微粒子の重量における表面処理量の重量割合を意味する。
【0091】
<粒子径の測定>
マイクロカプセルの粒子径(体積平均粒子径)を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所社製)で測定した。
<酸化チタンの水系媒体中への移行量の測定>
マイクロカプセル分散液をろ過した後のろ液を蒸発乾固し、その固形分を元素分析してろ液中の酸化チタン量を測定することにより、水系媒体中への移行量を求めた。この移行量の評価については、使用した酸化チタンの総量に対する上記移行量の割合(移行割合(wt%))で示す。
【0092】
<コントラストの測定>
マクベス分光光度濃度計(製品名:SpectroEye、Gretag Macbeth社製)を用い、青表示と白表示の反射率を測定して、これら反射率の比(反射率比(コントラスト)=白反射率/青反射率)で表した。
反射率比は電気泳動表示装置の対向電極に直流電流を印加した時の表示(例えば青)の反射率を測定し、次いで極を切り替えて印加した時の表示(例えば白)の反射率を測定して、両反射率から算出した値である。各反射率は、電気泳動表示装置の片面全体について測定することとする。
【0093】
<表示応答性の評価>
電気泳動表示装置の電極間に30Vの直流電圧を印加し、印加電極を交互に切り替え、「青/白」表示の表示応答性を、肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)で観察し、以下の基準で評価した。
◎:青と白の表示が瞬時に切り替わり、表示応答性が非常に良好である。
○:肉眼で見て十分な表示応答性が認められる。
△:若干表示応答が遅れる。
【0094】
×:表示応答が遅く、青と白の切り替わりが不鮮明である。
−実施例1−
300mLセパラブルフラスコにメタノール100mLを量り入れ、次いで、帯電性官能基を有するカップリング剤としてのアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)0.5gを混合して均一な溶液とした、その後アンモニア水でpH10に調整した。
この溶液に酸化チタン(酸化チタン微粒子)(製品名:タイペークCR−90、石原産業(株)製)50gを添加して、櫂型羽根で撹拌しながら超音波分散処理を50℃で60分間行い、その後さらに、長鎖アルキル基を有するカップリング剤としてのイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(製品名:プレンアクトKR−TTS、味の素(株)製)1.5gを添加して、同分散処理を60分間行うことにより、酸化チタンを表面処理し、その分散液を得た。
【0095】
この分散液から遠心分離により酸化チタンを回収し、120℃で乾燥して酸化チタン(1)を得た。
この酸化チタン(1)の乾式帯電量、水接触角および微粒子分散液粘度を測定し、測定結果を表1に示した。
なお、酸化チタン(1)については、乾式帯電量の測定により帯電性官能基を有することが確認され、水接触角の測定により長鎖アルキル基を有することが確認された。
この酸化チタン(1)14gをドデシルベンゼン130gに添加して、超音波分散処理を30分間行い、その後アントラキノン系の青色オイル染料(製品名:オイルブルーF、中央合成化学社製)2gを添加して溶解させることにより、電気泳動表示用分散液(1)を得た。
【0096】
予め、水60gにアラビアゴム5.5g、ゼラチン5.5gを溶解し、43℃に保持しておいた水溶液に、電気泳動表示用分散液(1)105gをディスパー(製品名:ROBOMICS、特殊機化工業社製)撹拌下に添加し、撹拌速度を徐々に上げ、1050rpmで30分間撹拌して懸濁液を得た。
30分間の撹拌後、この懸濁液に43℃の温水300mLを添加しながら、撹拌速度を徐々に下げ、500rpmとし、さらに10%NaCO3を0.75mL添加して30分間保持した。
30分間保持した液に、10%酢酸溶液11mLを25分間かけて定量添加した後、10℃以下に冷却した。
【0097】
上記冷却状態で2時間保持した後、37%ホルマリン水溶液3mLを30秒間で定量添加し、さらに10%NaCO3を22mL、25分間かけて定量添加した。
その後、撹拌しながら常温に戻し、20時間熟成を行うことにより、電気泳動表示用分散液(1)をカプセル殻体に内包してなるマイクロカプセル(1)の分散液を得、マイクロカプセル(1)を調製した。このマイクロカプセル(1)の粒子径を測定した結果、体積平均粒子径は78μmであった。
上記マイクロカプセル(1)の分散液をろ過し、固形分52%マイクロカプセル(1)のペーストを得た。なお、ろ液中の酸化チタンの量を測定し、水系媒体への移行割合を求めたところ0%であった。
【0098】
次に、このマイクロカプセル(1)のペースト9.6g、バインダーとしてのアクリルエマルション(固形分38%)1.3gおよび水2.8gを均一に混合して、塗工液を調製した。
この塗工液を、ITO(透明電極)付きPETフィルムに、隙間100μmのアプリケータで塗布し、その後乾燥してマイクロカプセル(1)の塗布シートを得た。このシートに、対面電極となるようITO(透明電極)付きPETフィルムをラミネートし、電気泳動表示装置(1)を作製した。
作製した電気泳動表示装置(1)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては十分に大きい値(5.5)を示すとともに、表示応答性については、負電極側が白く正電極側が青く表示され、表示応答性は非常に良好であり(◎)安定した表示を示すことが確認された。
【0099】
また、上記電圧の印加を停止しても、その後1週間以上表示は保持され、安定したメモリー性(長期の表示維持性、表示メモリー性)を有することが確認された。
さらに、電気泳動表示装置(1)について、印加する電圧の極性を1Hzの周波数で交互に反転させ表示を繰り返す、繰り返しテストを行ったところ、1万回の反転を行った後でも表示は安定しており、白色と青色のコントラストは鮮明であった。
−実施例2−
実施例1において、アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)0.5gおよびイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(製品名:プレンアクトKR−TTS、味の素(株)製)1.5gの代わりに、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有するカップリング剤としてのジメチルオクタデシルトリメトキシリルアンモニウムクロライド(信越化学(株)製)0.5gを用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、表面処理した酸化チタン(2)、マイクロカプセル(2)および電気泳動表示装置(2)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。
【0100】
なお、酸化チタン(2)については、実施例1と同様の方法により、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有することが確認された。
マイクロカプセル(2)の平均体積粒子径は48μmであった。
電気泳動表示装置(2)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては十分に大きい値(4.7)を示すとともに、表示応答性については、負電極側が白く正電極側が青く表示され、表示応答性は非常に良好であり(○)安定した表示を示すことが確認された。
【0101】
また、上記電圧の印加を停止しても、その後1週間以上表示は保持され、安定したメモリー性(長期の表示維持性、表示メモリー性)を有することが確認された。
さらに、電気泳動表示装置(2)について、印加する電圧の極性を1Hzの周波数で交互に反転させ表示を繰り返す、繰り返しテストを行ったところ、1万回の反転を行った後でも表示は安定しており、白色と青色のコントラストは鮮明であった。
−実施例3−
実施例2において、ジメチルオクタデシルトリメトキシリルアンモニウムクロライド(信越化学(株)製)の使用量を0.5gから2.5gにする以外は、実施例2と同様にして、表面処理した酸化チタン(3)、マイクロカプセル(3)および電気泳動表示装置(3)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。
【0102】
なお、酸化チタン(3)については、実施例1と同様の方法により、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有することが確認された。
マイクロカプセル(3)の平均体積粒子径は93μmであった。
電気泳動表示装置(3)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては十分に大きい値(3.4)を示すとともに、表示応答性については、負電極側が白く正電極側が青く表示され、表示応答性は非常に良好であり(○)安定した表示を示すことが確認された。
【0103】
また、上記電圧の印加を停止しても、その後1週間以上表示は保持され、安定したメモリー性(長期の表示維持性、表示メモリー性)を有することが確認された。
さらに、電気泳動表示装置(3)について、印加する電圧の極性を1Hzの周波数で交互に反転させ表示を繰り返す、繰り返しテストを行ったところ、1万回の反転を行った後でも表示は安定しており、白色と青色のコントラストは鮮明であった。
−実施例4−
300mLセパラブルフラスコにメタノール100mLを量り入れ、次いで、帯電性官能基を有するカップリング剤としてのアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)0.5gを混合して均一な溶液とした、その後アンモニア水でpH10に調整した。
【0104】
この溶液に酸化チタン(酸化チタン微粒子)(製品名:タイペークCR−90、石原産業(株)製)50gを添加して、櫂型羽根で撹拌しながら超音波分散処理を50℃で60分間行うことにより、酸化チタンを表面処理し、その分散液を得た。この分散液から遠心分離により酸化チタンを回収し、回収した酸化チタンを120℃で乾燥した。
上記回収・乾燥した酸化チタンを、予め調製しておいた、酸化チタンとの反応性基としてのイソシアネート基と長鎖アルキル基としてのラウリル基とを有する重合体(原料として使用した重合性モノマー成分の組成比(重量):「シクロヘキシルメタクリレート/ラウリルメタクリレート/イソシアナートエチルメタクリレート/=6/3/1」、重量平均分子量Mw:13,000)1gを含むトルエン溶液100gに添加して、櫂型羽根で撹拌しながら超音波分散処理を50℃で60分間行うことにより、酸化チタンを表面処理し、その分散液を得た。この分散液から遠心分離により酸化チタンを回収し、120℃で乾燥して酸化チタン(4)を得た。
【0105】
その後については、実施例1における酸化チタン(1)を得た後と同様にして、マイクロカプセル(4)および電気泳動表示装置(4)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。
なお、酸化チタン(4)については、実施例1と同様の方法により、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有することが確認された。
マイクロカプセル(4)の平均体積粒子径は120μmであった。
電気泳動表示装置(4)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては十分に大きい値(5.2)を示すとともに、表示応答性については、負電極側が白く正電極側が青く表示され、表示応答性は非常に良好であり(◎)安定した表示を示すことが確認された。
【0106】
また、上記電圧の印加を停止しても、その後1週間以上表示は保持され、安定したメモリー性(長期の表示維持性、表示メモリー性)を有することが確認された。
さらに、電気泳動表示装置(4)について、印加する電圧の極性を1Hzの周波数で交互に反転させ表示を繰り返す、繰り返しテストを行ったところ、1万回の反転を行った後でも表示は安定しており、白色と青色のコントラストは鮮明であった。
−実施例5−
実施例1において、アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)の代わりに、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤としてのイソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート(製品名:プレンアクトKR−38S、味の素(株)製)を用い、さらに、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(製品名:プレンアクトKR−TTS、味の素(株)製)の代わりに、長鎖アルキル基を有するカップリング剤としてのオクタデシルトリクロロシラン0.5gを用いる以外は、実施例1と同様にして、表面処理した酸化チタン(5)、マイクロカプセル(5)および電気泳動表示装置(5)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。
【0107】
なお、酸化チタン(5)については、実施例1と同様の方法により、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有することが確認された。
マイクロカプセル(5)の平均体積粒子径は88μmであった。
電気泳動表示装置(5)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては十分に大きい値(5.3)を示すとともに、表示応答性については、負電極側が白く正電極側が青く表示され、表示応答性は非常に良好であり(◎)安定した表示を示すことが確認された。
【0108】
また、上記電圧の印加を停止しても、その後1週間以上表示は保持され、安定したメモリー性(長期の表示維持性、表示メモリー性)を有することが確認された。
さらに、電気泳動表示装置(5)について、印加する電圧の極性を1Hzの周波数で交互に反転させ表示を繰り返す、繰り返しテストを行ったところ、1万回の反転を行った後でも表示は安定しており、白色と青色のコントラストは鮮明であった。
−比較例1−
酸化チタン(製品名:タイペークCR−90、石原産業(株)製)14gをドデシルベンゼン溶液130gに添加して、超音波分散を60分間行うことにより、酸化チタンの分散液を得た。
【0109】
その後については、実施例1と同様にして酸化チタン(c1)を得、さらに、マイクロカプセル(c1)および電気泳動表示装置(c1)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。なお、水接触角の測定については、酸化チタンを成形したディスクが水を吸収し過ぎて測定不能であった。
酸化チタン(c1)については、実施例1と同様の方法では、帯電性官能基および長鎖アルキル基の存在はいずれも確認されなかった。
マイクロカプセル(c1)の平均体積粒子径は70μmであった。
【0110】
電気泳動表示装置(c1)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては極めて低い値(1.0)を示すとともに、表示応答性については、両電極間に電圧を印加しても酸化チタンの泳動が全く認められず、表示の変化が確認できなかった。よって、表示メモリー性および繰り返しテストの評価も行うことができなかった。
−比較例2−
実施例2において、ジメチルオクタデシルトリメトキシリルアンモニウムクロライド(信越化学(株)製)0.5gの代わりに、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤としてのイソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート(製品名:プレンアクトKR−38S、味の素(株)製)0.5gを用いた以外は、実施例2と同様にして、表面処理した酸化チタン(c2)、マイクロカプセル(c2)および電気泳動表示装置(c2)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。
【0111】
なお、酸化チタン(c2)については、実施例1と同様の方法により、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有することが確認された。
マイクロカプセル(c2)の平均体積粒子径は95μmであった。
電気泳動表示装置(c2)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては極めて低い値(1.0)を示すとともに、表示応答性については、両電極間に電圧を印加しても酸化チタンの泳動が全く認められず、表示の変化が確認できなかった。よって、表示メモリー性および繰り返しテストの評価も行うことができなかった。
【0112】
−比較例3−
実施例1において、長鎖アルキル基を有するカップリング剤としてのイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(製品名:プレンアクトKR−TTS、味の素(株)製)1.5gの代わりに、別の長鎖アルキル基を有するカップリング剤としてのテトラジアクロキシメチルブチルビスジトリデシルホスフィトチタネート(製品名:プレンアクトKR−55、味の素(株)製)1.5gを用いた以外は、実施例1と同様にして、表面処理した酸化チタン(c3)、マイクロカプセル(c3)および電気泳動表示装置(c3)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。なお、酸化チタン(c3)の微粒子分散液粘度については、粘度が高すぎて(1200mPa・s以上)前述した条件では測定不可能であった。
【0113】
酸化チタン(c3)については、実施例1と同様の方法により、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有することが確認された。
マイクロカプセル(c3)の平均体積粒子径は75μmであった。
電気泳動表示装置(c3)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては極めて低い値(1.0)を示すとともに、表示応答性については、両電極間に電圧を印加しても酸化チタンの泳動が全く認められず、表示の変化が確認できなかった。よって、表示メモリー性および繰り返しテストの評価も行うことができなかった。
【0114】
−比較例4−
実施例1において、アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)0.5gの代わりに、帯電性官能基を有するカップリング剤としてのアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)1.25gを用い、さらに、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(製品名:プレンアクトKR−TTS、味の素(株)製)1.5gの代わりに、長鎖アルキル基を有するカップリング剤としてのオクタデシルトリクロロシラン7.5gを用いた以外は、実施例1と同様にして、表面処理した酸化チタン(c4)、マイクロカプセル(c4)および電気泳動表示装置(c4)を得た。また、実施例1と同様の各種測定および評価をし、その結果を表1に示した。
【0115】
なお、酸化チタン(c4)については、実施例1と同様の方法により、帯電性官能基および長鎖アルキル基を共に有することが確認された。
マイクロカプセル(c4)の平均体積粒子径は105μmであった。
電気泳動表示装置(c4)について、その両電極間に30Vの直流電圧を印加し、この時のコントラストを測定するとともに、酸化チタンの電気泳動安定性を肉眼およびマイクロスコープ(製品名:パワースコープKH−2700、(株)ハイロックス製)により観察した。その結果、コントラストについては多少有効である値(2.5)を示した。表示応答性については、負電極側が青く正電極側が白く表示されるものの、極端に表示の応答が遅かった(表示応答性が極端に低かった)(×)が、安定した表示は示した。
【0116】
また、上記電圧の印加を停止しても、その後1週間以上表示は保持され、安定したメモリー性(長期の表示維持性、表示メモリー性)を有することが確認された。
さらに、電気泳動表示装置(c4)について、印加する電圧の極性を1Hzの周波数で交互に反転させ表示を繰り返す、繰り返しテストを行ったが、表示応答性が極端に低いことにより、該テストの評価自体行うことができなかった。
【0117】
【表1】
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、低い印加電圧であっても高い表示応答性およびコントラスト等を実現することができる電気泳動表示装置用のマイクロカプセル、その製造方法およびそのマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置を提供する。
Claims (5)
- 溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルであって、
前記電気泳動性微粒子は、水接触角が35°以上であるとともに乾式帯電量が絶対量で10μc/g以上であり且つ微粒子分散液粘度が300mPa・s以下である、
ことを特徴とする、電気泳動表示装置用マイクロカプセル。 - 前記電気泳動性微粒子がその表面に帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有する、請求項1に記載の電気泳動表示装置用マイクロカプセル。
- 溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルの製造方法であって、
前記電気泳動性微粒子の表面を、帯電性官能基を有するカップリング剤および/または前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基とを有するポリマーと、長鎖アルキル基を有するカップリング剤および/または前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と長鎖アルキル基とを有するポリマーとで処理する工程を含む、
ことを特徴とする、電気泳動表示装置用のマイクロカプセルの製造方法。 - 溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させた液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルの製造方法であって、
前記電気泳動性微粒子の表面を、帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するカップリング剤、および/または、前記電気泳動性微粒子と反応性を有する基と帯電性官能基と長鎖アルキル基とを有するポリマーで処理する工程を含む、
ことを特徴とする、電気泳動表示装置用のマイクロカプセルの製造方法。 - 少なくとも一方が透明な対向電極フィルム間に、請求項1または2に記載の電気泳動表示装置用マイクロカプセルが配されてなる、電気泳動表示装置。
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