JP2001033831A - 表示組成物と表示媒体 - Google Patents

表示組成物と表示媒体

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JP2001033831A
JP2001033831A JP11202301A JP20230199A JP2001033831A JP 2001033831 A JP2001033831 A JP 2001033831A JP 11202301 A JP11202301 A JP 11202301A JP 20230199 A JP20230199 A JP 20230199A JP 2001033831 A JP2001033831 A JP 2001033831A
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成之 原田
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邦雄 早川
Mitsunobu Morita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 20dyne/cm以下の臨界表面張力を有
する撥水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体から
なる新規の電気泳動表示組成物を提供し、また、電気泳
動粒子の凝集や電極板への付着が防止され、電気泳動流
動性に優れた電気泳動表示組成物を提供し、さらに、高
いコントラストを有する、視認性に優れた電気泳動表示
媒体を提供すること。 【解決手段】 着色分散媒とその分散媒に分散した電気
泳動性白色固体からなる電気泳動表示組成物において、
該電気泳動性白色固体が20dyne/cm以下の臨界
表面張力を有する撥水撥油性表面層を有することを特徴
とする電気泳動表示組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視認性に優れた表
示を提供する電気泳動表示組成物及び表示媒体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】表示媒体、特に可逆性の表示媒体として
は電気泳動表示媒体が知られている。電気泳動表示媒体
は、電界を印加・制御することにより所望の画像表示と
消去が可能となる。この表示媒体に形成される画像はメ
モリー性を有するため、画像表示を保持する電力を必要
としない低消費電力媒体として、また、通常の印刷物に
相当した広い画像視野角を有する点で注目されている。
【0003】従来、電気泳動表示媒体は、少なくとも一
方の電極板が透明な対向配置された一対の電極板とスペ
ーサーにより形成された閉鎖空間に、電気泳動性顔料粒
子を着色分散媒中に分散した分散体からなる表示液を封
入して構成される。表示液は、一般に二酸化チタンや酸
化亜鉛等の顔料粒子、キシレン、パークロロエチレン及
びイソパラフィン等の分散媒、その分散媒に溶解する白
色粒子と色差の大きい染料、及び界面活性剤等からな
る。この白色粒子を分散した表示液に対向電極を通じて
電界を印加すると、白色粒子はその電気泳動極性に応じ
て一方の電極に移動して、顔料粒子に色調を与え、同時
に反対電極に相当する部分は着色分散媒の色調となる。
電界の極性を反転すれば、表示面の色調も反転する。よ
って、電気泳動性表示媒体は、顔料粒子の色調と着色分
散媒の色調の差によリ認識可能な表示を提供するもので
ある(特開昭48−71990号公報、特開昭48−7
1991号公報、特開昭48−71992号公報、特開
昭59−165028号公報等参照)。
【0004】このような従来の電気泳動表示媒体では、
着色分散媒に分散した顔料粒子は染料の吸着により染色
されて、粒子本来の色が失われ、大きい色差又は高いコ
ントラストが得られないという欠点があった。この問題
を解決するために、特開昭62−296127号公報に
は、チタンカップリング剤を着色分散媒に含有させるか
又は顔料粒子に被覆する方法が記載され、また、特開昭
62−299824号公報には、高絶縁性低粘度の無着
色分散媒中にある色調を有する蛍光染料で染色した分散
性樹脂からなる少なくとも1種の蛍光粒子と、前記色調
とは異なる色調を有する少なくとも1種の顔料とを分散
した表示液を用いる方法が記載され、また、特開昭63
−8637号公報には、オルガノジシラザインを高絶縁
性着色分散媒中に含有させるか又は顔料粒子に被覆する
方法が記載され、また、特開昭63−50886号公報
には、高絶縁性無着色分散媒中に電気泳動性は同一で、
且つ色調及び電気泳動速度が互いに異なる少なくとも2
種の電気泳動性微粒子を分散した表示液を使用する方法
が記載され、また、特開平4−86784号公報には、
電気泳動表示液の体積抵抗を6×1010Ωcm以上とす
る方法が記載され、提案されているが、これらの方法に
より、従来法より色差の大きい又はコントラストの高い
電気泳動表示媒体が提供されるものの、充分に視認性の
高い表示品質は未だ達成されていない。
【0005】また、従来の電気泳動表示媒体では、着色
分散媒に分散されている顔料粒子が電極板に付着した
り、及び/又は顔料粒子が互いに凝集して顔料粒子の流
動性が低下し、印加電圧に対する応答性が充分でない現
象が生じていた。これらの問題点を解決するために、特
開昭64−86116号公報には、着色した分散媒にそ
の分散媒と光学的特性の異なる少なくとも1種類の電気
泳動性粒子を分散させた分散系を封入したマイクロカプ
セルを用いる方法が記載され、また、特許第27336
87号公報には、電気泳動性粒子の表面処理剤としてチ
タネートカップリング剤及びソルビタン脂肪酸エステル
界面活性剤の双方を用いた表示液を使用する方法が記載
され、また、特開平5−173193号公報には、表面
にポリマーのグラフト鎖が形成された泳動粒子と分散媒
からなる表示液を使用する方法が記載され、提案されて
いる。しかし、これらの方法により、電気泳動粒子の凝
集や電極板への付着は防止されるが、更なる改善が望ま
れている。つまり、従来の電気泳動表示媒体は、コント
ラストが高く、又は色差が大きく、且つ電気泳動粒子の
凝集や電極板への付着が防止され、さらに高い電気泳動
流動性と応答性を併せ持った総合的な性能を有していな
いという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題点を克服し、20dyne/cm以下の臨界表面張
力を有する撥水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固
体からなる新規の電気泳動表示組成物を提供し、また、
電気泳動粒子の凝集や電極板への付着が防止され、電気
泳動流動性に優れた電気泳動表示組成物を提供し、さら
に、高いコントラストを有する、視認性に優れた電気泳
動表示媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、上記課題は本発明の(1)「着色分散媒とその分
散媒に分散した電気泳動性白色固体からなる電気泳動表
示組成物において、該電気泳動性白色固体が20dyn
e/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性表面層
を有することを特徴とする電気泳動表示組成物」、
(2)「無色分散媒と、その分散媒に分散した非電気泳
動性着色固体と電気泳動性白色固体からなる電気泳動表
示組成物において、該電気泳動性白色固体が20dyn
e/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性表面層
を有することを特徴とする電気泳動表示組成物」、
(3)「前記撥水撥油性表面層が、フルオロアルキル基
を有する繰り返し単位から構成されるポリマーからなる
ことを特徴とする前記(1)又は(2)項に記載の電気
泳動表示組成物」によって達成されることを見い出し
た。
【0008】また、上記課題は、本発明の(4)「一対
の対向電極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、
又は周辺と内部に位置するスペーサーにより区画された
内部空間に、電界の作用により光学特性が可逆的に変化
する電気泳動表示組成物が存在し、その対向電極を通じ
て電界を印加・制御することにより画像の形成と消去が
可能な表示媒体であって、少なくとも一方の電極と支持
体が共に透明であり、その少なくとも一方の透明な面側
における電気泳動性表示組成物が前記(1)乃至(3)
項のうち何れか1に記載の電気泳動性表示組成物からな
ることを特徴とする表示媒体」、(5)「一対の対向電
極を有する支持体の相互の電極面間に、電界の作用によ
り光学特性が可逆的に変化する物質又は物質群を封入し
た多数のマイクロカプセルが存在し、その対向電極を通
じて電界を印加・制御することにより画像の形成と消去
が可能な表示媒体であって、少なくとも一方の電極と支
持体が共に透明であり、その少なくとも一方の透明な面
側における電気泳動性表示組成物が前記(1)乃至
(3)項のうち何れか1に記載の電気泳動性表示組成物
からなることを特徴とする表示媒体」、(6)「共通電
極を有する支持体の電極面上に、電界の作用により光学
特性が可逆的に変化する電気泳動性表示組成物を封入し
た多数のマイクロカプセルが存在し、その共通電極を通
じて電界を印加・制御することにより画像の形成と消去
が可能な表示媒体であって、共通電極と支持体が共に透
明であり、支持体面側又はマイクロカプセル面側におけ
る電気泳動性表示組成物が前記(1)乃至(3)項のう
ち何れか1に記載の電気泳動性表示組成物からなること
を特徴とする表示媒体」、(7)「共通電極を有する支
持体の電極面上に、電界の作用により光学特性が可逆的
に変化する電気泳動性表示組成物を封入した多数のマイ
クロカプセルが存在し、その共通電極を通じて電界を印
加・制御することにより画像の形成と消去が可能な表示
媒体であって、共通電極と支持体のどちらか一方が不透
明であり、マイクロカプセル面側における電気泳動性表
示組成物が前記(1)乃至(3)項のうち何れか1に記
載の電気泳動性表示組成物からなることを特徴とする表
示媒体」、(8)「前記共通電極を有する支持体の電極
面上に存在する多数のマイクロカプセルをバインダー材
料で電極面上に固定することを特徴とする前記(6)又
は(7)項に記載の表示媒体」、(9)「前記支持体上
及び/又は前記バインダー材料とそのバインダー材料で
固定されたマイクロカプセル上にオーバーコート層を設
けることを特徴とする前記(4)乃至(7)項のうちい
ずれかに記載の表示媒体」、(10)「前記オーバーコ
ート層上の少なくとも一部及び/又は支持体の少なくと
も一部分に、印刷層を設けることを特徴とする前記
(4)乃至(7)項のうちいずれか、又は前記(9)項
に記載の表示媒体」、(11)「前記印刷層上に印刷保
護層を設けることを特徴とする前記(10)項に記載の
表示媒体」、(12)「電界の印刷・制御により画像の
形成と消去が可能な表示部以外に、情報記録部を設ける
ことを特徴とする前記(4)乃至(11)項のうちいず
れかに記載の表示媒体」、(13)「前記情報記録部
が、磁気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが
可能な記録部であることを特徴とする前記(12)項に
記載の表示媒体」、(14)「前記情報記録部が、集積
回路メモリー又は光メモリーであることを特徴とする前
記(12)項に記載の表示媒体」、(15)「前記情報
記録部が、光の作用により情報記録の読み出しが可能な
透明な記録部であることを特徴とする前記(12)項に
記載の表示媒体」、(16)「前記情報記録部の情報
が、表示媒体の表裏を示す情報及び/又は表示媒体の位
置を示す情報であることを特徴とする前記(12)乃至
(15)項のうちいずれかに記載の表示媒体」、(1
7)「電界の作用により光学特性が可逆的に変化する電
気泳動表示組成物が、前記(1)乃至(3)項のいずれ
かに記載の電気泳動表示組成物からなることを特徴とす
る前記(4)乃至(16)項のいずれかに記載の表示媒
体」、(18)「電界の作用により光学特性が可逆的に
変化する電気泳動表示組成物が、無色分散媒とその分散
媒に分散したマイクロカプセル粒子と電気泳動性白色固
体からなり、該マイクロカプセル粒子が染料又は顔料を
内包していることを特徴とする前記(4)乃至(16)
項のいずれかに記載の表示媒体」、(19)「電界の作
用により光学特性が可逆的に変化する電気泳動表示組成
物が、無色分散媒とその分散媒に分散したマイクロカプ
セル粒子と電気泳動性白色固体からなり、該マイクロカ
プセル粒子が染料溶液又は分散液、又は顔料分散液を内
包していることを特徴とする前記(4)乃至(16)項
のいずれかに記載の表示媒体」によって達成できること
を見い出した。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の電気泳動表示組成物は、着色分散媒とその分散媒に
分散した20dyne/cm以下の臨界表面張力を有す
る撥水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体からな
る(請求項1)。この電気泳動性白色固体は、少なくと
も芯材とその表面に存在する撥水撥油性表面層からな
り、撥水撥油性表面層は、20dyne/cm以下の臨
界表面張力を有する。20dyne/cm以下の臨界表
面張力を有する撥水撥油性表面層は、好ましくは少なく
とも含フッ素ポリマーから形成される。着色分散媒は、
少なくとも分散媒とその分散媒に可溶な非白色着色材か
らなる。撥水撥油性表面層は、着色分散媒に分散剤とし
て含フッ素ポリマーを加えることにより電気泳動性白色
固体の芯材表面に吸着されて形成される層ではなく、芯
材に固定された固体状の層であり、常に安定的に芯材表
面上に存在する。
【0010】このような芯材表面上に固定された20d
yne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性表
面層は、層内の含フッ素ポリマー中に存在するフッ素原
子により撥水撥油性が発現され、着色分散媒の各成分に
依存することなく、非白色着色材の白色固体表面への吸
着が軽減され、白色固体の色調変化が常時防止される。
撥水撥油性表面層の臨界表面張力が20dyne/cm
より大きくなると、非白色着色材の白色着色材の白色固
体表面への吸着が発生し、色調が変化する。また、炭素
−フッ素結合は他の結合に比べ、分極率が小さいため、
分子間凝集力が小さく、電気泳動的な動的作用による白
色固体の凝集や電極板への付着が防止される。さらに、
フッ素原子の電気陰性度は全ての元素の中で最も高いた
めに、含フッ素ポリマーは、芯材表面に固定されること
により、電気泳動性白色固体に高い表面電荷密度を効率
的に与え、高い電気泳動流動性と応答性が発現される。
撥水撥油性表面層の臨界表面張力は、撥水撥油性表面層
を有する電気泳動性白色固体の粉体を縮成形して得られ
るディスク状成型物を用い、3水準以上のぬれ指数標準
液(和光純薬工業社製)とディスク状成型物の表面との
接触角を一定環境下で測定し、ぬれ指数標準液の表面張
力と接触角の関係をZismanプロットし、接触角=
0゜に補正したときの表面張力の値である。
【0011】含フッ素ポリマーは、主鎖又は側鎖にフッ
素原子、好ましくはジフロオロエチレン基及び/又はト
リフルオロメチル基を有する熱可塑性又は熱、紫外線電
子線により硬化可能なポリマーである。本発明に用いら
れる含フッ素ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−
ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロ
トリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリ
デンフルオライド、ポリビニルフルオライド、ポリフル
オロアルキル(メタ)アクリレート、(パー)フルオロ
アルキル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレート
共重合体、(パー)フルオロアルキル(メタ)アクリレ
ート−アルキル−(メタ)アクリレート共重合体、含フ
ッ素ポリエチレン、含フッ素ポリスチレン、含フッ素ポ
リビニルエーテル、含フッ素ポリビニルアルコール、含
フッ素ホスファゼンポリマー、含フッ素エポキシ樹脂、
含フッ素シリコーン、含フッ素ポリアミド、含フッ素ア
ミド、含フッ素ポリイミド、含フッ素ポリエステル、含
フッ素ポリアリレート、含フッ素熱可塑性エラストマー
等が挙げられる。
【0012】含フッ素ポリマーは、前述した機能をより
効率的に発現させるために、フルオロアルキル基を有す
るポリマー、すなわち末端にトリフルオロメチル基が存
在するポリマーが好ましい。このようなポリマーから撥
水撥油性表面層を形成する際に、より多くのフルオロア
ルキル基を撥水撥油性表面層の外側表面近傍に分布させ
るためにより好ましい含フッ素ポリマーは、側鎖にフル
オロアルキル基を有するグラフトポリマーである。
【0013】また、本発明に用いられる芯材としては、
鉛白、亜鉛華、リポトン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸
化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸
バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タル
ク、シリカ、又はケイ酸カルシウム等から選択された1
種以上の無機顔料、又はそれらの無機顔料をポリマー粒
子か中空ポリマー粒子の表面に付着したか、内部に打ち
込まれた複合粒子である。本発明で使用する含フッ素ポ
リマーからなる撥水撥油性表面層を有する芯材からなる
電気泳動性白色粒子の大きさは、0.1〜50μmであ
り、好ましくは0.3〜20μmである。
【0014】本発明で用いられる非白色着色材は、スピ
リットブラック(SS、SSBB、AB)、ニグロシン
ベース(SA、SAP、SAPL、EE、EEL、E
X、EXBP、EB)、オイルイエロー(105、10
7、129、3G、GGS)、オイルオレンジ(20
1、PS、PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド
(5B、RR、OG)、オイルスカーレット、オイルピ
ンク312、オイルバイオレット#730、マクロレッ
クスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラ
ウン(HBB、860、BS)、バリファーストイエロ
ー(1101、1105、3108、4120)、バリ
ファーストオレンジ(3209、3210)、バリファ
ーストレッド(1306、1355、2303、330
4、3306、3320)、バリファーストピンク23
10N、バリファーストブラウン(2402、340
5)、バリファーストブルー(3405、1501、1
603、1605、1607、606、2610)、バ
リファーストバイオレット(1701、1702)、バ
リファーストブラック(1802、1807、380
4、3810、3820、3830)等の油溶染料が代
表例として挙げられる。
【0015】本発明の電気泳動性白色固体を分散し、且
つ非白色着色剤を溶解する分散媒として、ベンジン、ト
ルエン、キシレン、フェニルキシリルエタン、長鎖アル
キルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系
炭化水素等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキ
サン、ケロシン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化
水素類、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン、ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化
炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチ
ル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキ
シル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオクチル、フタ
ル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸
等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレ
ングリコールジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、
セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリ
ット酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マ
レイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等
のカルボン酸エステル類、イソプロピルビフェニル、イ
ソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピ
ルナフタレン、1,2−トリルエタン、2,4−ジ−t
−アミノフェニル、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−
5−t−ブチルオクチルアニリン、及びそれらの混合物
等が挙げられ、非白色着色材の溶解性に合わせて適宜選
択して使用することができる。
【0016】撥水撥油性表面層は、含フッ素ポリマーを
溶解、分散、懸濁又は乳化した溶液、分散液、懸濁液又
はエマルジョンを調製し、得られた溶液、分散液、懸濁
液又はエマルジョンを芯材に微粒子表面改質装置コート
マイザー(登録商標、フロント産業株式会社製)等を用
いて塗工、乾燥し、場合によっては熱、紫外線又は電子
線により硬化することによって得られる。
【0017】また、本発明の電気泳動表示組成物は、無
色分散媒、その分散媒に分散した非電気泳動性着色固
体、及び20dyne/cm以下の臨界表面張力を有す
る撥水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体からな
る(請求項2)。この電気泳動性白色固体は、少なくと
も芯材とその表面に存在する撥水撥油性表面層からな
り、撥水撥油性表面層は20dyne/cm以下の臨界
表面張力を有する。20dyne/cm以下の臨界表面
張力を有する撥水撥油性表面層は、好ましくは少なくと
も含フッ素ポリマーから形成される。撥水撥油性表面層
は、無色分散媒に分散剤として含フッ素ポリマーを加え
ることにより電気泳動性白色固体の芯材表面に吸着され
て形成される層ではなく、芯材に固定された固体状の層
であり、常に安定的に芯材表面上に存在する。
【0018】このような芯材表面上に固定された20d
yne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性表
面層は、層内の含フッ素ポリマー中に存在するフッ素原
子により撥水撥油性が発現され、着色分散媒の各成分に
依存することなく、非白色着色材の白色固体表面への吸
着が軽減され、白色固体の色調変化が常時防止される。
撥水撥油性表面層の臨界表面張力が20dyne/cm
より大きくなると、非白色着色材の白色固体表面への吸
着が発生し、色調が変化する。また、炭素−フッ素結合
は他の結合に比べ分極率が小さいため、分子間凝集力が
小さく、電気泳動的な動的作用による白色固体の自己凝
集や、電極板への付着が防止される。さらに、フッ素原
子の電気陰性度は全ての元素の中で最も高いために、含
フッ素ポリマーは芯材表面に固定されることにより、電
気泳動性白色固体に高い表面電荷密度を効率的に与え、
高い電気泳動流動性と応答性が発現される。
【0019】含フッ素ポリマーは、前記の主鎖又は側鎖
にフッ素原子、好ましくはジフルオロエチレン基及び/
又はトリフルオロメチル基を有する熱可塑性又は熱、紫
外線電子線により硬化可能なポリマーを使用することが
できる。本発明に用いられる非電気泳動性着色固体とし
て、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムリトポンイ
エロー、黄色酸化鉄、オーカー、チタンイエロー、チタ
ンバリウムニッケルイエロー、カドミウムオレンジ、カ
ドミウムリトポンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベ
ンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリ
トポンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブ
ラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コ
バルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバ
ルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリア
ンブルー、コバルトアルミニウムコバルトブルー、コバ
ルトバイオレット、ミネラルバイオレット、ランプブラ
ック、ファーネスブラック、チャコールブラック、アイ
ボリーブラック、黒鉛、鉄黒、マンガンフェライトブラ
ック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラッ
ク、銅クロムマンガンブラック、アルミニウム粉、ブロ
ンズ粉、鉛粉、錫粉、亜鉛粉等の無機顔料、及びファー
ストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、
アントラピリミジンイエロー、インドリノンイエロー、
銅アゾメチンイエロー、キノフタロンイエロー、イソイ
ンドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッ
ケルジオキシムイエロー、ベンズイミダゾロイエロー、
モノアゾイエローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、
ピラゾロンオレンジ、ジアニシジンオレンジ、ベンズイ
ミダゾロオレンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッ
ド、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、ナフト
ールレッド、ブリリアントファストスカーレット、ピラ
ゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレ
ッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッ
ド、ブリリアントカーミン、ボルドー、ナフトールレッ
ド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ネフトー
ルカーミン、ペリレンスカーレット、縮合アゾスカーレ
ット、ベンズイミダゾロンカーミン、アントラキノリル
レッド、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリ
ドンマルーン、キナクリドンスカーレット、キナクリド
ンレッド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダ
ゾロンブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリア
ブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイ
ブルー、アルカリブルートーナー、インダントロンブル
ー、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、
ジオキサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等
の有機顔料が挙げられる。無色分散媒は、前記と同様の
分散媒を使用することができる。
【0020】また、本発明の表示媒体は、一対の対向電
極を有する支持体の相互の電極面とその周辺、又は周辺
と内部に位置するスペーサーにより区画された内部空間
に電界の作用により光学特性が可逆的に変化する電気泳
動性表示組成物が存在し、その対向電極を通じて電界を
印加・制御することにより画像の形成と消去が可能な媒
体であり、少なくとも一方の電極と支持体が共に透明
で、その電気泳動性表示組成物が、20dyne/cm
以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性表面層を有する
電気泳動性白色固体からなることを特徴とする。すなわ
ち、一対の対向電極を有する支持体として、どちらか一
方を透明な電極を有する透明な支持体を用い、また、2
0dyne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油
性表面層を有する電気泳動性白色固体を用いることによ
り、コントラスト比の高い視認性に優れた画像表示が可
能となる。20dyne/cmより大きい臨界表面張力
を有する撥水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体
からなる電気泳動性表示組成物を用いると、白表示の明
るさが減少し、表示媒体全体の色調が暗くなり、視認性
に劣る。すなわち、視認性を高めるためには、従来の非
白色表示をより低い反射率にしてコントラストを高めた
表示媒体に比べ、本発明の表示媒体はより有効である。
【0021】また、本発明の表示媒体は、一対の対向電
極を有する支持体の相互の電極面間に、電界の作用によ
り光学特性が可逆的に変化する電気泳動性表示組成物を
封入した多数のマイクロカプセルが存在し、その対向電
極を通じて電界を印加・制御することにより画像の形成
と消去が可能な表示媒体であり、少なくとも一方の電極
と支持体が共に透明で、その電気泳動性表示組成物が、
20dyne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥
油性表面層を有する電気泳動性白色固体からなることを
特徴とする。すなわち、一対の対向電極を有する支持体
として、どちらか一方を透明な電極を有する透明な支持
体を用い、また、20dyne/cm以下の臨界表面張
力を有する撥水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固
体を用いることにより、コントラスト比の高い視認性に
優れた画像表示が可能となる。20dyne/cmより
大きい臨界表面張力を有する撥水撥油性表面層を有する
電気泳動性白色固体からなる電気泳動性表示組成物をマ
イクロカプセルに封入することにより、マイクロカプセ
ル壁内の微小領域に表示組成物が分割されるため、視認
安定性の効果が付加される。
【0022】また、本発明の表示媒体は、共通電極を有
する支持体の電極面上に、電界の作用により光学特性が
可逆的に変化する電気泳動性表示組成物を封入した多数
のマイクロカプセルが存在し、その共通電極を通じて電
界を印加・制御することにより画像の形成と消去が可能
な表示媒体であり、共通電極と支持体が共に透明であ
り、そのカプセル内の電気泳動性表示組成物が、20d
yne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性表
面層を有する電気泳動性白色固体からなることを特徴と
する。すなわち、透明な共通電極板と透明な支持体と、
20dyne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥
油性表面層を有する電気泳動性白色固体からなるマイク
ロカプセルを用いることにより、コントラスト比の高い
視認性に優れた画像表示が可能となる。また、共通電極
上にマイクロカプセルを設けることにより、支持体を1
枚のみ使用すればよく、共通電極はパターニングする必
要がないため、安価に表示媒体を作製することができ
る。
【0023】また、本発明の表示媒体は、共通電極を有
する支持体の電極面上に、電界の作用により光学特性が
可逆的に変化する電気泳動性表示組成物を封入した多数
のマイクロカプセルが存在し、その共通電極を通じて電
界を印加・制御することにより画像の形成と消去が可能
な表示媒体であり、共通電極と支持体のどちらか一方が
不透明であり、そのカプセル内の電気泳動性表示組成物
が、20dyne/cm以下の臨界表面張力を有する撥
水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体からなるこ
とを特徴とする。すなわち、共通電極板と支持体のどち
らか一方が透明な、共通電極を設けた支持体と、20d
yne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性表
面層を有する電気泳動性白色固体からなるマイクロカプ
セルを用いることにより、コントラスト比の高い視認性
に優れた画像表示が可能となる。また、支持体又は共通
電極のどちらか一方を不透明にすることにより、特に、
支持体又は共通電極のマイクロカプセル面側を白色色調
にすることによってより高い視認性が得られる。
【0024】また、本発明の表示媒体は、バインダー材
料でマイクロカプセルが共通電極面上に固定されている
ことを特徴とする。バインダー材料は、各マイクロカプ
セル間の隙間及びマイクロカプセルと電極間の隙間を埋
めて、相互の接着性を高めると同時に、視認性の向上に
作用する。
【0025】また、本発明の表示媒体は、前記支持体上
及び/又は前記バインダー材料とそのバインダー材料で
固定されたマイクロカプセル上にオーバーコート層を設
けることを特徴とする。オーバーコート層は表示媒体に
外力が加わった場合に支持体及び/又はマイクロカプセ
ルを保護し、電気泳動性表示以外の視認性又は非視認性
の印刷層や情報記録層を設ける場合、マイクロカプセル
を保護すると共に、印刷層や情報記録層の設層を容易に
する。
【0026】また、本発明の表示媒体は、前記オーバー
コート層上に印刷層を設けることを特徴とする。表示媒
体の使用目的に応じて、印刷層はオーバーコート層上の
少なくとも一部分に公知のオフセット印刷、グラビア印
刷及びスクリーン印刷により形成する。
【0027】また、本発明の表示媒体は、前記印刷層上
に印刷保護層を設けることを特徴とする。印刷保護層は
印刷層と同様に公知の方法により形成する。また、印刷
保護層は、オーバーコート層上に設けることも可能であ
る。
【0028】また、本発明の表示媒体に、電界の印加・
制御により画像の形成と消去が可能な表示部以外に、磁
気の作用により情報記録の書き込みと読み出しが可能な
記録部、集積回路メモリー又は光メモリー情報記録部を
設けて視認性を向上することを特徴とする。
【0029】また、本発明の表示媒体は、光の作用によ
り情報記録の読み出しが可能な透明な記録部を有するこ
とを特徴とする。この透明な記録部は、前記の記録部と
異なり、書き込みが不可能な読み取り専用の記録部であ
り、近赤外蛍光体や紫外蛍光体から形成する。また、こ
の記録部は電気泳動性の書き込み・消去時の電界に影響
されないため、電気泳動により表示された画像の表示内
容とその透明な記録部の情報とを組み合わせて、可逆非
可逆情報記録媒体として利用することができる。
【0030】また、本発明の表示媒体は、前記の情報記
録部に表示媒体の表裏を示す情報及び/又は表示媒体の
位置を示す情報を記録することを特徴とする。情報記録
部に表示媒体の表裏を示す情報を記録することにより、
画面が共に透明な電極と支持体からなる表示媒体の場合
に、表裏を誤認しないで使用することが可能となる。ま
た、表示媒体の位置を示す情報を記録部に記録すること
により、電気泳動により表示された画像の表示内容とそ
の透明な記録部の情報とを組み合わせてアクティブな双
方向性情報記録媒体として利用することができる。
【0031】また、本発明の表示媒体は、前記表示媒体
の透明な面側において30%以上の反射率を有する電気
泳動表示性組成物として、着色分散媒とその分散媒に分
散した含フッ素ポリマーからなる撥水撥油性表面層を有
する電気泳動性白色固体とからなる電気泳動表示性組成
物、又は無色分散媒、その分散媒に分散した非電気泳動
性着色固体、及び含フッ素ポリマーからなる撥水撥油性
表面層を有する電気泳動性白色固体からなる組成物を用
い、含フッ素ポリマーがフルオロアルキル基を有するポ
リマーであることを特徴とする。電気泳動性白色固体
は、少なくとも芯材とその表面に存在する撥水撥油性表
面層からなり、撥水撥油性表面層は少なくとも含フッ素
ポリマーから形成される。着色分散媒は、少なくとも分
散媒とその分散媒に可溶な非白色着色材からなる。撥水
撥油性表面層は、着色分散媒に分散剤として含フッ素ポ
リマーを加えることにより電気泳動性白色固体の芯材表
面に吸着されて形成される層ではなく、芯材に固定され
た固体状の層であり、常に安定的に芯材表面上に存在す
る。
【0032】このような芯材表面上に固定された撥水撥
油性表面層は、層内の含フッ素ポリマー中に存在するフ
ッ素原子により撥水撥油性が発現され、着色分散媒の各
成分に依存することなく、非発色着色材の白色固体表面
への吸着が軽減され、白色固体の色調変化が常時防止さ
れる。また、炭素−フッ素結合は他の結合に比べ、分極
率が小さいため、分子間凝集力が小さく、電気泳動的な
動的作用による白色固体の凝集や電極板への付着が防止
される。更に、フッ素原子の電気陰性度は全ての元素の
中で最も高いために、含フッ素ポリマーは芯材表面に固
定されることにより電気泳動性白色固体に高い表面電荷
密度を効率的に与え、高い電気泳動流動性と応答性が発
現される。
【0033】また、本発明の表示媒体は、前記表示媒体
の透明な面側において30%以上の反射率を有する電気
泳動性表示組成物として、無色分散媒と、その分散媒に
分散したマイクロカプセル粒子と電気泳動性白色固体か
らなる組成物を用い、マイクロカプセル粒子が染料又は
顔料を内包していることを特徴とする。マイクロカプセ
ル粒子内の染料又は顔料は固体状態で存在し、そのカプ
セル粒子壁により無色分散媒及び電気泳動性白色固体か
ら遊離される。同時に、電気泳動性白色固体は染料又は
顔料の吸着攻撃を受けず、白色色調を保持する。マイク
ロカプセル粒子壁は光透過性を有し、カプセル粒子は染
料又は顔料の色調を呈する。よって、本発明の表示媒体
によりコントラストの高い、視認性に優れた画像表示が
提供される。
【0034】本発明に用いるマイクロカプセル粒子は、
染料又は顔料を揮発性の有機溶媒に溶解又は分散し、ま
たは染料を加熱溶融し、この溶解液、分散液又は溶解物
の存在下でin−situ法又は界面重合法によりカプ
セル壁材を重合することにより調製することが可能であ
る。マイクロカプセルの壁材として、ポリウレタン、ポ
リ尿素又はポリ尿素−ポリウレタンを用いることができ
る。揮発性の有機溶媒として、酢酸エチル、ジクロロメ
タン又はクロロホルム等が使用できる。マイクロカプセ
ル粒子の粒径は約0.5〜5.0μm、好ましくは約
0.5〜1.5μmである。また、表示媒体として電気
泳動性表示組成物を封入した多数のマイクロカプセルか
らなる媒体を用いる場合は、マイクロカプセル粒子の粒
径はマイクロカプセルの粒径の80%以下である。80
%以上であると、反射率が低くなり、視認性の高い画像
表示が得られない。
【0035】本発明に用いられる電気泳動性白色固体
は、鉛白、亜鉛華、リポトン、二酸化チタン、硫化亜
鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲
母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイ
ト、タルク、シリカ、又はケイ酸カルシウム等から選択
された1種類以上の無機顔料、又はそれらの無機顔料を
ポリマー粒子か中空ポリマー粒子の表面に付着したか、
内部に打ち込まれた複合粒子である。
【0036】本発明で用いられる染料として、スピリッ
トブラック(SS、SSBB、AB)、ニグロシンベー
ス(SA、SAP、SAPL、EE、EEL、EX、E
XBP、EB)、オイルイエロー(105、107、1
29、3G、GGS)、オイルオレンジ(201、P
S、PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5
B、RR、OG)、オイルスカーレット、オイルピンク
312、オイルバイオレット#730、マクロレックス
ブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン
(HBB、860、BS)、バリファーストイエロー
(1101、1105、3108、4120)、バリフ
ァーストオレンジ(3209、3210)、バリファー
ストレッド(1306、1355、2303、330
4、3306、3320)、バリファーストピンク23
10N、バリファーストブラウン(2402、340
5)、バリファーストブルー(3405、1501、1
603、1605、1607、606、2610)、バ
リファーストバイオレット(1701、1702)、バ
リファーストブラック(1802、1807、380
4、3810、3820、3830)等の油溶染料が挙
げられる。
【0037】本発明で用いられる顔料として、黄鉛、カ
ドミウムイエロー、カドミウムリトポンイエロー、黄色
酸化鉄、オーカー、チタンイエロー、チタンバリウムニ
ッケルイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリト
ポンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛
丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリトポンレッ
ド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、ク
ロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリ
ーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリー
ン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、
コバルトアルミニウムコバルトブルー、コバルトバイオ
レット、ミネラルバイオレット、ランプブラック、ファ
ーネスブラック、チャコールブラック、アイボリーブラ
ック、黒鉛、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバ
ルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロム
マンガンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、鉛
粉、錫粉、亜鉛粉等の無機顔料、及びファーストイエロ
ー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アントラピ
リミジンイエロー、インドリノンイエロー、銅アゾメチ
ンイエロー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイ
エロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケルジオキ
シムイエロー、ベンズイミダゾロイエロー、モノアゾイ
エローレーキ、ジニトロアニリンオレンジ、ピラゾロン
オレンジ、ジアニシジンオレンジ、ベンズイミダゾロオ
レンジ、ペリノンオレンジ、ナフトールレッド、トルイ
ジンレッド、パーマネントカーミン、ナフトールレッ
ド、ブリリアントファストスカーレット、ピラゾロンレ
ッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネントレッド、リ
ソールレッド、ボンレーキレッド、レーキレッド、ブリ
リアントカーミン、ボルドー、ナフトールレッド、キナ
クリドンマゼンタ、縮合アゾレッド、ネフトールカーミ
ン、ペリレンスカーレット、縮合アゾスカーレット、ベ
ンズイミダゾロンカーミン、アントラキノリルレッド、
ペリレンレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマル
ーン、キナクリドンスカーレット、キナクリドンレッ
ド、ジケトピロロピロールレッド、ベンズイミダゾロン
ブラウン、フタロシアニングリーン、ビクトリアブルー
レーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブル
ー、アルカリブルートーナー、インダントロンブルー、
ローダミンBレーキ、メチルバイオレットレーキ、ジオ
キサジンバイオレット、ナフトールバイオレット等の有
機顔料が挙げられる。
【0038】本発明で用いられる無機分散媒として、ベ
ンジン、トルエン、キシレン、フェニルキシリルエタ
ン、長鎖アルキルベンゼン、ジイソプロピルナフタレ
ン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素
等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン、トリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン、ジクロロメタン、臭化エチル
等のハロゲン化炭化水素類、リン酸トリクレジル、リン
酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸ト
リシクロヘキシル等のリン酸エステル類、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジシクロヘキシ
ル、フタル酸等のフタル酸エステル類、オレイン酸ブチ
ル、ジエチレングリコールジベンゾエート、セバシン酸
ジオクチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチ
ル、トリメリット酸トリオクチル、クエン酸アセチルト
リエチル、マレイン酸オクチル、マレイン酸ジブチル、
酢酸エチル等のカルボン酸エステル類、イソプロピルビ
フェニル、イソアミルビフェニル、塩素化パラフィン、
ジイソプロピルナフタレン、1,2−トリルエタン、
2,4−ジ−t−アミノフェニル、N,N−ジブチル−
2−ブトキシ−5−t−ブチルオクチルアニリン、及び
それらの混合物等が挙げられる。
【0039】また、本発明の表示媒体は、前記の表示媒
体の透明な面側において30%以上の反射率を有する電
気泳動表示組成物として、無色分散媒とその分散媒に分
散したマイクロカプセル粒子と電気泳動性白色固体から
なる組成物を用い、マイクロカプセル粒子が染料溶液又
は分散液、又は顔料分散液を内包していることを特徴と
する。カプセル粒子内の染料溶液、染料分散液又は顔料
分散液は、そのカプセル粒子壁により無色分散媒及び電
気泳動性白色固体から遊離される。同時に電気泳動性白
色固体は染料又は顔料の吸着攻撃を受けず、白色色調を
保持する。マイクロカプセル粒子壁は光透過性を有し、
カプセル粒子は染料又は顔料の色調を呈する。本発明の
表示媒体によりコントラストの高い、視認性に優れた画
像表示が提供される。
【0040】また、本発明で用いるマイクロカプセル粒
子は、染料又は顔料を有機溶媒に溶解又は分散し、この
溶解液、または分散液の存在下でin−situ法又は
界面重合法によりカプセル壁材を重合することにより調
製することが可能である。マイクロカプセルの壁材とし
て、ポリウレタン、ポリ尿素又はポリ尿素−ポリウレタ
ン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホ
ンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エ
ポキシ樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ゼラチン等が使用でき
る。
【0041】有機溶媒として、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、フェニルキシリルエタン、長鎖アルキルベンゼ
ン、ジイソプロピルナフタレン、ナフテン系炭化水素等
の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロ
シン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、ク
ロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロレチレ
ン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、
ジクロロメタン、臭化エチル等のハロゲン化炭化水素
類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸
オクチルジフェニル、リン酸トリシクロヘキシル等のリ
ン酸エステル類、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジラウ
リル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸等のフタル
酸エステル類、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコー
ルジベンゾエート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸
ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリメリット酸トリ
オクチル、クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸オ
クチル、マレイン酸ジブチル、酢酸エチル等のカルボン
酸エステル類、イソプロピルビフェニル、イソアミルビ
フェニル、塩素化パラフィン、ジイソプロピルナフタレ
ン、1,2−トリルエタン、2,4−ジ−t−アミノフ
ェニル、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−t−ブ
チルオクチルアニリン、及びそれらの混合物等が使用で
きる。マイクロカプセル粒子の粒径は約0.5〜5.0
μm、好ましくは約0.5〜1.5μmである。また、
表示媒体として電気泳動性表示組成物を封入した多数の
マイクロカプセルからなる媒体を用いる場合は、マイク
ロカプセル粒子の粒径はマイクロカプセル粒径の80%
以下である。80%を超えると反射率が低くなり、視認
性の高い画像表示が得られない。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき具体
的に説明する。図1は、本発明の表示媒体の1例を示し
たものである。支持体(1)はガラス板かプラスチック
フィルムからなる。支持体の厚さは約10μm〜1m
m、好ましくは25〜200μmである。視認側の支持
体には透明な材料を使用し、非視認側の支持体は不透明
であっても着色していてもよく、その着色色調を表示色
の一部として利用することも可能である。また、非視認
側の支持体に白色色調の材料を用いることにより、コン
トラスト比を高めることも可能となる。
【0043】電極(2)は、金属、ITO、SnO2
ZnO:Al等の導電体薄膜からなり、スパッタリング
法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等により形成する。
視認側の電極はITO、SnO2、ZnO:Al等の透
明な材料を使用し、非視認側は着色していてもよく、そ
の着色色調を表示色の一部として利用することも可能で
ある。また、非視認側の支持体に白色色調の材料を用い
ることにより、コントラスト比を高めることも可能とな
る。電極(2)の少なくともどちらか一方はドット状か
ストライプ状等の繰り返しパターンを形成する。スペー
サー(3)は対向電極間の周辺と内部空間を区画する。
この区画された空間に、視認面である透明な面側におい
て20dyne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水
撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体からなる電気
泳動性表示組成物(4)を充填する。
【0044】図2は、本発明の表示媒体の他の1例を示
したものである。支持体(1)、電極(2)、スペーサ
ー(3)及び電気泳動性表示組成物(4)は図1と同様
である。マイクロカプセル(5)は公知のin−sit
u法、界面重合法、又はコアセルベーション法により調
製し、壁材内に電気泳動性表示組成物(4)が内包され
る。マイクロカプセルの壁材としては、ポリウレタン、
ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアル
デヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボ
ネート、ポリスルフィネート、エポキシ樹脂、ポリアク
リル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸
ビニル、ゼラチン等を使用する。
【0045】マイクロカプセルの粒径は1〜1000μ
m、好ましくは5〜200μm、より好ましくは5〜6
0μmである。1μmより小さいとコントラストの高い
視認性に優れた表示が得られない。また、1000μm
より大きいとマイクロカプセルの機械的強度が低下し、
カプセル壁が破壊される。マイクロカプセル(5)は粉
体として電極板間の空間に封入する。また、マイクロカ
プセルに電界を有効に印加するために、誘電率調整剤と
してアルコール、ケトン又はカルボン酸塩等からなる液
体中にマイクロカプセルを分散して、分散体として注入
することも可能である。更に、以下の図3で具体的に説
明するバインダー材料を分散体に添加して用いることも
可能である。
【0046】図3は、本発明の表示媒体の他の1例を示
したものである。支持体(1)、電気泳動性表示組成物
(4)及びマイクロカプセル(5)は図1、図2と同様
である。電極(2)はドット状かストライプ状にパター
ン化された又はパターン化されていない共通電極であ
る。表示層(10)はマイクロカプセル(5)とバイン
ダー材料(6)からなる。表示層(10)の形成はバイ
ンダー材料を溶解、分散、懸濁又は乳化する溶液、分散
液、懸濁液又はエマルジョンにマイクロカプセル(5)
を分散し、得られる塗工液をワイヤーバーコート、ロー
ルコート、ブレードコート、ディップコート、スプレー
コート、スピンコート、又はグラビアコート等の方法に
より共通電極(2)上に塗工・乾燥することからなる。
【0047】バインダー材料(6)は、マイクロカプセ
ルの壁材と同様な材料又はポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシド、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリアセタール、メチルセルロース、エ
チルセルロース、フェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコ
ーン樹脂、ジエン樹脂、ポリスチレン系熱可塑性エラス
トマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ
ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可
塑性エラストマー、ポリフェニレンエーテル、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテ
ルケトン、ポリアリレート、アラミド、ポリイミド、ポ
リ−p−フェニレン、ポリ−P−キシレン、ポリ−p−
フェニレンビニレン、ポリヒダントイン、ポリパラバン
酸、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、
ポリベンゾオキサジアゾール、ポリキノキサリン、又は
それらの混合物からなる。マイクロカプセルに電界を有
効に印加するために、好ましくはバインダー材料(6)
として電気泳動性表示組成物(4)と同等以上の誘電率
を有する材料を用いる。また、誘電率調整剤としてアル
コール、ケトン又はカルボン酸塩等をバインダー材料
(6)に添加することも可能である。
【0048】保護層(7)は、保護層材料と場合によっ
てはその材料を溶解、分散、懸濁又は乳化する媒体、硬
化剤、触媒及び/又は助触媒を加えた保護層材料組成物
を、表示層(10)上にワイヤーバーコート、ロールコ
ート、ブレードコート、ディップコート、スプレーコー
ト、スピンコート、又はグラビアコート等の塗布方法、
又はスパッタリング及び化学的気相法等の気相方法によ
り形成する。保護層材料として、バインダー材料と同様
な材料、又はフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ーン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱
硬化性ポリイミド、スチリルピリジン系樹脂、シアナー
ト系樹脂、硬化型ポリキノキサリン及び硬化型ポリキノ
リン等の熱硬化性樹脂、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルアク
リロイルホスフェート等の単官能モノマー、1,3−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロ
ピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグ
リコールジアクリレート等の二官能性モノマー、ジペン
タエリスリトール、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート又はトリメチロールプロパントリアクリレート等の
紫外線硬化又は電子線硬化性モノマーかポリエステルア
クリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアク
リレート、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリ
レート、アルキッドアクリレート又はメラミンアクリレ
ート等が紫外線硬化及び電子線硬化性オリゴマーからな
る放射線硬化性樹脂を使用することができる。
【0049】印刷層(8)は、マイクロカプセル面を視
認側(11)とする場合、表示部分を除く保護層(7)
上の少なくとも一部分に公知の方法により設けることが
できる。また、図3以外に支持体面を視認側にする場合
は、印刷層(8)を保護層(7)の全面に設けることも
可能である。保護層の厚さはマイクロカプセルを保護す
る機能を有する範囲内で可能な限り薄いほうが望まし
く、約0.1〜100μm、より好ましくは0.3〜3
0μmである。
【0050】印刷保護層(9)は、保護層(7)と同様
な材料からなり、印刷層(8)及び保護層(7)上にオ
ーバーコート層や印刷層と同様な材料を用い、オーバー
コート層や印刷層の形成と同様の方法により設けること
ができる。
【0051】図4(a)は、本発明の表示媒体の他の1
例を示したものであり、図4(b)は図4(a)の上面
透視図である。支持体(1)、電極(2)、電気泳動性
表示組成物(4)、マイクロカプセル(5)、及びバイ
ンダー材料(6)は図3と同様である。図4(a)に示
すように、第一保護層(12)は保護層(7)と同様な
材料から設け、その層上に透明な記録部(14)を設け
る。更に第一保護層(12)と透明な記録部(14)上
に第二保護層(13)を設けて視認側(11)とする。
一方、非視認側(15)には磁気記録部(16)と集積
回路メモリー(17)を少なくとも一部分の支持体
(1)上に設け、磁気記録部(16)、集積回路メモリ
ー(17)及び支持体(1)上に第三保護層(18)を
設ける。また、図4(b)に示すように、透明な記録部
(14)は格子状に設けることができる。形成される行
(xn)と列(ym)との交差点(xn,ym)を読み
出し専用の情報として固有化して、デジタル情報として
利用することができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的
に説明する。 <実施例1> (含フッ素系電気泳動表示組成物の調製)コートマイザ
ーMINI(フロイント産業(株)社製)のスクリュー
フィーダーに100gの酸化チタン(CR50−2、石
原産業(株)社製)を導入し、コーティング液タンクに
約100gの含フッ素ポリマーのエマルジョン(ネオフ
ロンND−2、ダイキン工業(株)社製)を注入した。
二次凝集した酸化チタンをスクリューフィーダーのせん
断力で粉砕し、一次粒子を調製した。得られた酸化チタ
ンの一次粒子をジェットフィーダーに移し、分散層に約
1.8g/minの速度で粒子をジェット気流放出し
た。これと同時にタンク内のエマルジョンを定流量ポン
プに通し、特殊ノズルから分散層に1.8g/minの
速度でエマルジョンの液滴を噴霧した。分散層で衝突し
た粒子と液滴を、分散層と連続した約80℃の乾燥層に
供給し、乾燥し、サイクロンに複合粒子を回収した。複
合粒子を取出し、100℃の赤外線乾燥機で1時間加熱
処理して、フルオロアルキル基を有する繰り返し単位か
ら構成されるポリマーからなる撥水撥油性表面層を有す
る電気泳動性白色固体(複合粒子A)を得た。複合粒子
Aの臨界表面張力は13dyne/cmであった。10
0gのテトラクロロエタンに0.4gの染料(マクロレ
ックスブルーRR、バイエル社製)と2.5gのオレイ
ン酸を溶解し、得られた溶液に12.5gの複合粒子A
を加え、15分間超音波分散して、電気泳動表示組成物
Aを得た。
【0053】<実施例2> (含フッ素系電気泳動表示組成物の調製)コートマイザ
ーMINI(フロイント産業(株)社製)のスクリュー
フィーダーに100gの酸化チタン(CR50−2、石
原産業(株)社製)を導入し、コーティング液タンクに
約100gのフルオロアルキル基を有する繰り返し単位
から構成されるポリマーのエマルジョン(ユニダインT
G−512、ダイキン工業(株)社製)を注入した。二
次凝集した酸化チタンをスクリューフィーダーのせん断
力で粉砕し、一次粒子を調製した。得られた酸化チタン
の一次粒子をジェットフィーダーに移し、分散層に約
1.8g/minの速度で粒子をジェット気流放出し
た。これと同時にタンク内のエマルジョンを定流量ポン
プに通し、特殊ノズルから分散層に1.7g/minの
速度でエマルジョンの液滴を噴霧した。分散層で衝突し
た粒子と液滴を、分散層と連続した約80℃の乾燥層に
供給し、乾燥し、サイクロンに複合粒子を回収した。複
合粒子を取出し、60℃で24時間減圧乾燥した後、1
60℃で3分間加熱処理して、フルオロアルキル基を有
する繰り返し単位から構成されるポリマーからなる撥水
撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体(複合粒子
B)を得た。複合粒子Bの臨界表面張力は11dyne
/cmであった。100gのテトラクロロエタンに0.
4gの染料(マクロレックスブルーRR、バイエル社
製)と2.5gのオレイン酸を溶解し、得られた溶液に
12.5gの複合粒子Bを加え、15分間超音波分散し
て、電気泳動表示組成物Bを得た。
【0054】<実施例3> (含フッ素系電気泳動表示組成物の調製)100gのテ
トラクロロエタンに2.5gのオレイン酸を溶解し、こ
の溶液に0.4gの染料(オイルブルー、オリエント化
学工業社製)を加え、20分間超音波分散した。得られ
た分散液に12.5gの複合粒子Bを加え、更に3分間
超音波分散して、電気泳動表示組成物Cを得た。
【0055】<実施例4> (含フッ素ポリマー系電気泳動表示組成物の調製)10
0gの架橋アクリル樹脂粒子(MX−150、綜研化学
(株)社製)と20gの酸化チタン(MT−100S、
テイカ(株)社製)を250mLのガラス容器に加え、
1時間ペイントシェイカーで振とうして、酸化チタンが
樹脂粒子表面に付着した複合粒子D1を調製した。コー
トマイザーMINI(フロイント産業(株)社製)のス
クリューフィーダーに100gの複合粒子D1を導入
し、コーティング液タンクに約200gのフルオロアル
キル基を有する繰り返し単位から構成されるポリマー溶
液(ユニダインTG−652、ダイキン工業(株)社
製)を注入した。複合粒子D1をスクリューフィーダー
からジェットフィーダーに移し、特殊ノズルから分散層
に約3g/minの速度で複合粒子D1をジェット気流
放出した。これと同時にタンク内のポリマー溶液を定流
量ポンプに通し、特殊ノズルから分散層に2.6g/m
inの速度で溶液の液滴を噴霧した。分散層で衝突した
複合粒子D1と液滴を、分散層と連続した約80℃の乾
燥層に供給し、乾燥し、サイクロンに複合粒子D2を回
収した。複合粒子D2を取出し、再度コートマイザーM
INIのスクリューフィーダーに100gの複合粒子D
2を導入した。複合粒子D2をスクリューフィーダーか
らジェットフィーダーに移し、特殊ノズルから分散層に
約2.5g/minの速度で複合粒子D2をジェット気
流放出した。これと同時に、ポリマー溶液の液滴を特殊
ノズルから分散層に約2.6g/minの速度で噴霧し
た。分散層で衝突した複合粒子D2と液滴を、分散層と
連続した約80℃の乾燥層に供給し、乾燥し、サイクロ
ンに複合粒子を回収した。複合粒子を取り出し、60℃
で24時間減圧乾燥した後、160℃で3分間加熱処理
して、フルオロアルキル基を有する繰り返し単位から構
成されるポリマーからなる撥水撥油性表面層を有する電
気泳動性白色固体(複合粒子D3)を得た。複合粒子D
3の臨界表面張力は10.5dyne/cmであった。
100gのテトラクロロエチレンに0.3gの染料(マ
クロレックスブルーRR、バイエル社製)と4.0gの
オレイン酸を溶解し、得られた溶液に15.0gの複合
粒子D3を加え、15分間超音波分散して、電気泳動表
示組成物D3を得た。
【0056】<実施例5> (マイクロカプセル粒子系電気泳動表示組成物の調製)
10gのリン酸トリクレジルに10gのマイクロカプセ
ル粒子の壁材(タケネートD−110N、武田薬品工業
(株)社製)を溶解し、この溶液に2gの染料(マクロ
レックスブルーRR、バイエル社製)を分散した。30
gの16%ポリビニルアルコール水溶液(PVA10
3、クラレ(株)社製)を50gの水で希釈し、この希
釈液にマイクロカプセル粒子の壁材分散液を加え、T.
K.ホモミキサー(特殊機械工業(株)社製)を用い
て、約1μmの粒径を有するカプセル粒子が得られるよ
うな条件で乳化した。得られた乳化液に100gの水を
加え、40℃で3時間カプセル化反応を行ない、マイク
ロカプセル粒子分散液を得た。このマイクロカプセル粒
子分散液を小型高速冷却遠心機((株)佐久間製作所社
製)を用いて遠心沈降し、得られた固形物を軽く解砕し
て、染料分散液を内包した青色のマイクロカプセル粒子
Eを得た。100gのキシレンに3.5gのオレイン酸
を溶解し、25gのマイクロカプセル粒子Eと12gの
酸化チタン(CR50、石原産業(株)社製)を加え、
3分間超音波分散して、電気泳動表示組成物Eを得た。
【0057】<実施例6> (マイクロカプセル粒子系電気泳動表示組成物の調製)
10gの酢酸エチルに2gの染料(オイルブルー、オリ
エント化学工業社製)と10gのマイクロカプセル粒子
の壁材(タケネートD−110N、武田薬品工業(株)
社製)を溶解した。30gの16%ポリビニルアルコー
ル水溶液(PVA103、クラレ(株)社製)を50g
の水で希釈し、この希釈溶液にマイクロカプセル粒子の
壁材分散液を加え、T.K.ホモミキサー(特殊機械工
業(株)社製)を用いて、約1μmの粒径を有するカプ
セル粒子が得られるような条件で乳化した。得られた乳
化液に100gの水を加え、40℃で3時間カプセル化
反応を行ない、マイクロカプセル粒子分散液を得た。こ
のマイクロカプセル粒子分散液を小型高速冷却遠心機
((株)佐久間製作所社製)を用いて遠心沈降し、取り
出した固形物を軽く解砕して、染料を内包した黒色のマ
イクロカプセル粒子Fを得た。100gのキシレンに
3.5gのオレイン酸を溶解し、16gのマイクロカプ
セル粒子Fと12gの酸化チタン(CR50、石原産業
(株)社製)を加え、3分間超音波分散して、電気泳動
表示組成物Fを得た。
【0058】<比較例1> (電気泳動表示組成物の調製)100gのテトラクロロ
エタンに1.0gの染料(マクロレックスブルーRR、
バイエル社製)と5.0gのオレイン酸を溶解し、得ら
れた溶液に10.0gの酸化チタン(CR50、石原産
業(株)社製)を加え、15分間超音波分散して、電気
泳動表示組成物Gを得た。酸化チタンCR−50の臨界
表面張力は、ぬれ指数標準液(和光純薬工業社製)が評
価用試料に吸収され(撥水撥油性を有していないため
に)、測定不能であった。
【0059】<実施例7> (表示媒体の作製)厚さ3mmの透明ガラス板の片側表
面に、スパッタリング法によりITOからなる透明電極
を設けた透明基板を2枚用意し、相互の電極面を対向配
置し、ナイロンスペーサーにより約150μmの電極面
間距離を有する内部空間を形成した。この内部空間に実
施例1で調製した電気泳動表示組成物Aを注射器により
注入し、両基板周辺をエポキシ樹脂接着剤で封止して表
示媒体A−Dp1を作製した。
【0060】<実施例8> (表示媒体の作製)実施例2で調製した電気泳動表示組
成物Bを用い、実施例7と同様に表示媒体B−Dp1を
作製した。
【0061】<実施例9> (表示媒体の作製)実施例3で調製した電気泳動表示組
成物Cを用い、実施例7と同様に表示媒体C−Dp1を
作製した。
【0062】<実施例10> (表示媒体の作製)実施例4で調製した電気泳動表示組
成物Dを用い、実施例7と同様に表示媒体D−Dp1を
作製した。
【0063】<実施例11> (表示媒体の作製)実施例5で調製した電気泳動表示組
成物Eを用い、実施例7と同様に表示媒体E−Dp1を
作製した。
【0064】<実施例12> (表示媒体の作製)実施例6で調製した電気泳動表示組
成物Fを用い、実施例7と同様に表示媒体F−Dp1を
作製した。
【0065】<比較例2> (表示媒体の作製)比較例1で調製した電気泳動表示組
成物Gを用い、実施例7と同様に表示媒体G−Dp1を
作製した。
【0066】<実施例13> (カプセル化を含む表示媒体の作製)ゼラチン水溶液と
アラビアゴム水溶液を混合し、50℃まで加熱した後、
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。
この水溶液に、実施例1で調製した電気泳動表示組成物
Aを加え、約50μmの粒径を有するマイクロカプセル
が得られるような条件で撹拌して乳化した。更に、水酸
化ナトリウム水溶液をpHが4になるまで徐々に加える
ことによって、分散液界面にゼラチン/アラビアゴムの
濃厚溶液から皮膜を析出させた後、温度を下げて皮膜を
ゲル化した。グルタールアルデヒド水溶液を加えて、ゲ
ル化物を硬化し、ゼラチンを壁材とするマイクロカプセ
ル分散液を得た。このマイクロカプセル分散液を小型高
速冷却遠心機((株)佐久間製作所社製)を用いて遠心
沈降し、取り出した固形物を軽く解砕して、マイクロカ
プセルを得た。このマイクロカプセルをドデシルベンゼ
ン中に70wt%の濃度で分散してマイクロカプセル分
散液を調製した。厚さ3mmの透明ガラス板の片側表面
に、スパッタリング法によりITOからなる透明電極を
設けた透明基板を2枚用意し、相互の電極面を対向配置
し、ナイロンスペーサーにより約150μmの電極面間
距離を有する内部空間を形成した。この内部空間に上記
マイクロカプセル分散液を注入し、両基板周辺をエポキ
シ樹脂接着剤で封止して表示媒体A−Dp2を作製し
た。
【0067】<実施例14> (カプセル化を含む表示媒体の作製)実施例2で調製し
た電気泳動表示組成物Bを用い、実施例13と同様に表
示媒体B−Dp2を作製した。
【0068】<実施例15> (カプセル化を含む表示媒体の作製)実施例3で調製し
た電気泳動表示組成物Cを用い、実施例13と同様に表
示媒体C−Dp2を作製した。
【0069】<実施例16> (カプセル化を含む表示媒体の作製)実施例4で調製し
た電気泳動表示組成物Dを用い、実施例13と同様に表
示媒体D−Dp2を作製した。
【0070】<実施例17> (カプセル化を含む表示媒体の作製)実施例5で調製し
た電気泳動表示組成物Eを用い、実施例13と同様に表
示媒体E−Dp2を作製した。
【0071】<実施例18> (カプセル化を含む表示媒体の作製)実施例6で調製し
た電気泳動表示組成物Fを用い、実施例13と同様に表
示媒体F−Dp2を作製した。
【0072】<比較例3> (カプセル化を含む表示媒体の作製)比較例1で調製し
た電気泳動表示組成物Gを用い、実施例13と同様に表
示媒体G−Dp2を作製した。
【0073】<実施例19> (表示媒体の作製)ゼラチン水溶液とアラビアゴム水溶
液を混合し、50℃まで加熱した後、水酸化ナトリウム
水溶液を加えてpHを9に調整した。この水溶液に、実
施例1で調製した電気泳動表示組成物Aを加え、約50
μmの粒径を有するマイクロカプセルが得られるような
条件で撹拌して乳化した。更に、水酸化ナトリウム水溶
液をpHが4になるまで徐々に加えることによって、分
散液界面にゼラチン/アラビアゴムの濃厚溶液から皮膜
を析出させた後、温度を下げて皮膜をゲル化した。グル
タールアルデヒド水溶液を加えて、ゲル化物を硬化し、
ゼラチンを壁材とするマイクロカプセルスラリーを得
た。80gのポリビニルアルコール水溶液に20gのマ
イクロカプセルスラリーを分散してマイクロカプセル分
散液を調製した。片側表面に、ITOからなる透明電極
を設けたポリカーボネートフィルム電極面に、上記マイ
クロカプセル分散液を250μmギャップのアプリケー
ターを用いて塗布、乾燥して表示層を形成して、表示媒
体A−Dp3を作製した。
【0074】<実施例20> (表示媒体の作製)実施例2で調製した電気泳動表示組
成物Bを用い、実施例19と同様にマイクロカプセル分
散液を調製し、表示媒体B−Dp3を作製した。
【0075】<実施例21> (表示媒体の作製)実施例3で調製した電気泳動表示組
成物Cを用い、実施例19と同様にマイクロカプセル分
散液を調製し、表示媒体C−Dp3を作製した。
【0076】<実施例22> (表示媒体の作製)実施例4で調製した電気泳動表示組
成物Dを用い、実施例19と同様にマイクロカプセル分
散液を調製し、表示媒体D−Dp3を作製した。
【0077】<実施例23> (表示媒体の作製)実施例5で調製した電気泳動表示組
成物Eを用い、実施例19と同様にマイクロカプセル分
散液を調製した。片側表面に、ITOからなる透明電極
を設けた白色ポリエチレンテレフタレートフィルム電極
面に上記マイクロカプセル分散液を250μmギャップ
のアプリケーターを用いて塗布、乾燥して表示層を形成
して、表示媒体E−Dp3を作製した。
【0078】<実施例24> (表示媒体の作製)実施例6で調製した電気泳動表示組
成物Fを用い、実施例19と同様にマイクロカプセル分
散液を調製し、表示媒体F−Dp3を作製した。
【0079】<比較例4> (表示媒体の作製)比較例1で調製した電気泳動表示組
成物Gを用い、実施例19と同様にマイクロカプセル分
散液を調製し、実施例23と同様に表示媒体G−Dp3
を作製した。
【0080】<実施例25> (表示媒体の作製)実施例20で調製した表示媒体B−
Dp3の表示層上に、10wt%のポリビニルアルコー
ル水溶液をワイヤーバーにより塗工、乾燥して、約10
μm厚の保護層を有する表示媒体を作製した。
【0081】<実施例26> (表示媒体の作製)実施例20で調製した表示媒体B−
Dp3の表示層上に、15wt%の塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体のメチルエチルケトン/メチルイソブチル
ケトン(重量比9/1)溶液をワイヤーバーにより塗
布、乾燥して保護層を形成した後、白色インキを保護層
全面に印刷して、印刷層を形成した。次いで、オーバー
プリンティングインキを印刷層の全面にスクリーン印刷
して、保護層、印刷層及び印刷保護層を有する表示媒体
を作製した。
【0082】<実施例27> (表示媒体の作製)実施例8で作製した表示媒体B−D
p1の一方の表面に、10wt部のγ−Fe23、10
wt部の塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共
重合体、1.3wt部のポリイソシアネート、40wt
部のメチルエチルケトン及び40wt部のトルエンから
なる溶液をワイヤーバーにより塗布、乾燥して10μm
厚の磁気記録層を形成した。この磁気記録層上に70w
t%のアクリル系紫外線硬化性樹脂のトルエン溶液をワ
イヤーバーにより塗布、乾燥して、10μm厚の保護層
を形成した。この保護層の一部分に集積回路メモリー機
能を内臓したフィルムを接着剤層を介して接合して、書
き替え可能な情報記録部を有する表示媒体を作製した。
【0083】<表示媒体の特性評価>実施例7〜24の
表示媒体と、比較例1〜3の表示媒体について、媒体の
電極を介して+50V又は−50Vの電圧を5秒間印加
して電気泳動させ、形成された白色表示部の反射率を4
5度照射−垂直受光により測定した。照射光は電極面と
表示組成物の界面に焦点を合わせた。また、上記の表示
媒体において、白色固体の凝集と電極面への付着、コン
トラスト、及び視認性を評価した。
【0084】<白色固体の凝集と電極面への付着の評価
方法>白色固体の凝集と電極面への付着は、+50V又
は−50Vの電圧を交互に5分間隔で5秒間づつ印加し
て、表示部分の色調変化を目視で観察し、以下のように
ランク評価した。 NG:2〜10回の繰り返しで視認側の白系色調と非白
色色調の交互変化する表示面積が減少する。 G:50回以上変化しない。
【0085】<コントラストの評価方法>コントラスト
比は、+50V又は−50Vの電圧を印加して、視認側
の表示部を白色色調にして、最外側表示面を焦点として
45度照射−垂直受光により白色反射を測定した後、最
初とは逆極性の−50V又は+50Vの電圧を印加し
て、視認側の表示部を非白色色調にして、前記と同様に
非白色反射率を測定し、その比から算出した。
【0086】<視認性の評価方法>視認性は、新聞紙の
白色反射率55%とコントラスト比5を基準にして、以
下の式から算出した。したがって、Veの値が大きいほ
ど視認性が高いと判断される。結果を表1に示す。
【0087】
【数1】 Ve(%)=(R×C)/(R0×C0)×100 (ここで、Ve:視認性効率、R:媒体の白色反射率、
C:媒体のコントラスト比、R0:新聞紙の白色反射
率、C0:新聞紙のコントラスト比)
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明から明らか
なように、本発明により新規の含フッ素ポリマーからな
る撥水撥油性表面層を有する電気泳動性白色固体からな
る電気泳動表示組成物が提供され、また、電気泳動粒子
の凝集や電極板への付着が防止され、電気泳動流動性に
優れた電気泳動表示組成物と表示媒体が提供され、更
に、30%以上の反射率を有する電気泳動表示組成物を
用いた表示媒体により、高いコントラストを有する視認
性に優れた電気泳動表示が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示媒体の1例を示す断面図である。
【図2】本発明の表示媒体の他の1例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の表示媒体の更に他の1例を示す断面図
である。
【図4】本発明の表示媒体の更に他の1例を示す断面図
及び透視図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 電極 3 スペーサー 4 電気泳動性表示組成物 5 マイクロカプセル 6 バインダー材料 7 保護層 8 印刷層 9 印刷保護層 10 表示層 11 視認側 12 第一保護層 13 第二保護層 14 透明な記録部 15 視認側 16 磁気記録部 17 集積回路メモリー 18 第三保護層
フロントページの続き (72)発明者 森田 充展 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5C094 AA06 BA75 BA84 DA13 FB01 FB03 FB06 FB20 JA20

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色分散媒とその分散媒に分散した電気
    泳動性白色固体からなる電気泳動表示組成物において、
    該電気泳動性白色固体が20dyne/cm以下の臨界
    表面張力を有する撥水撥油性表面層を有することを特徴
    とする電気泳動表示組成物。
  2. 【請求項2】 無色分散媒と、その分散媒に分散した非
    電気泳動性着色固体と電気泳動性白色固体からなる電気
    泳動表示組成物において、該電気泳動性白色固体が20
    dyne/cm以下の臨界表面張力を有する撥水撥油性
    表面層を有することを特徴とする電気泳動表示組成物。
  3. 【請求項3】 前記撥水撥油性表面層が、フルオロアル
    キル基を有する繰り返し単位から構成されるポリマーか
    らなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳
    動表示組成物。
  4. 【請求項4】 一対の対向電極を有する支持体の相互の
    電極面とその周辺、又は周辺と内部に位置するスペーサ
    ーにより区画された内部空間に、電界の作用により光学
    特性が可逆的に変化する電気泳動表示組成物が存在し、
    その対向電極を通じて電界を印加・制御することにより
    画像の形成と消去が可能な表示媒体であって、少なくと
    も一方の電極と支持体が共に透明であり、その少なくと
    も一方の透明な面側における電気泳動性表示組成物が請
    求項1乃至3の何れか1に記載の電気泳動性表示組成物
    からなることを特徴とする表示媒体。
  5. 【請求項5】 一対の対向電極を有する支持体の相互の
    電極面間に、電界の作用により光学特性が可逆的に変化
    する物質又は物質群を封入した多数のマイクロカプセル
    が存在し、その対向電極を通じて電界を印加・制御する
    ことにより画像の形成と消去が可能な表示媒体であっ
    て、少なくとも一方の電極と支持体が共に透明であり、
    その少なくとも一方の透明な面側における電気泳動性表
    示組成物が請求項1乃至3の何れか1に記載の電気泳動
    性表示組成物からなることを特徴とする表示媒体。
  6. 【請求項6】 共通電極を有する支持体の電極面上に、
    電界の作用により光学特性が可逆的に変化する電気泳動
    性表示組成物を封入した多数のマイクロカプセルが存在
    し、その共通電極を通じて電界を印加・制御することに
    より画像の形成と消去が可能な表示媒体であって、共通
    電極と支持体が共に透明であり、支持体面側又はマイク
    ロカプセル面側における電気泳動性表示組成物が請求項
    1乃至3の何れか1に記載の電気泳動性表示組成物から
    なることを特徴とする表示媒体。
  7. 【請求項7】 共通電極を有する支持体の電極面上に、
    電界の作用により光学特性が可逆的に変化する電気泳動
    性表示組成物を封入した多数のマイクロカプセルが存在
    し、その共通電極を通じて電界を印加・制御することに
    より画像の形成と消去が可能な表示媒体であって、共通
    電極と支持体のどちらか一方が不透明であり、マイクロ
    カプセル面側における電気泳動性表示組成物が請求項1
    乃至3の何れか1に記載の電気泳動性表示組成物からな
    ることを特徴とする表示媒体。
  8. 【請求項8】 前記共通電極を有する支持体の電極面上
    に存在する多数のマイクロカプセルをバインダー材料で
    電極面上に固定することを特徴とする請求項6又は7に
    記載の表示媒体。
  9. 【請求項9】 前記支持体上及び/又は前記バインダー
    材料とそのバインダー材料で固定されたマイクロカプセ
    ル上にオーバーコート層を設けることを特徴とする請求
    項4乃至7のうちいずれかに記載の表示媒体。
  10. 【請求項10】 前記オーバーコート層上の少なくとも
    一部及び/又は支持体の少なくとも一部分に、印刷層を
    設けることを特徴とする請求項4乃至7のうちいずれ
    か、又は請求項9に記載の表示媒体。
  11. 【請求項11】 前記印刷層上に印刷保護層を設けるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の表示媒体。
  12. 【請求項12】 電界の印刷・制御により画像の形成と
    消去が可能な表示部以外に、情報記録部を設けることを
    特徴とする請求項4乃至11のうちいずれかに記載の表
    示媒体。
  13. 【請求項13】 前記情報記録部が、磁気の作用により
    情報記録の書き込みと読み出しが可能な記録部であるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の表示媒体。
  14. 【請求項14】 前記情報記録部が、集積回路メモリー
    又は光メモリーであることを特徴とする請求項12に記
    載の表示媒体。
  15. 【請求項15】 前記情報記録部が、光の作用により情
    報記録の読み出しが可能な透明な記録部であることを特
    徴とする請求項12に記載の表示媒体。
  16. 【請求項16】 前記情報記録部の情報が、表示媒体の
    表裏を示す情報及び/又は表示媒体の位置を示す情報で
    あることを特徴とする請求項12乃至15のうちいずれ
    かに記載の表示媒体。
  17. 【請求項17】 電界の作用により光学特性が可逆的に
    変化する電気泳動表示組成物が、請求項1乃至3のいず
    れかに記載の電気泳動表示組成物からなることを特徴と
    する請求項4乃至16のいずれかに記載の表示媒体。
  18. 【請求項18】 電界の作用により光学特性が可逆的に
    変化する電気泳動表示組成物が、無色分散媒とその分散
    媒に分散したマイクロカプセル粒子と電気泳動性白色固
    体からなり、該マイクロカプセル粒子が染料又は顔料を
    内包していることを特徴とする請求項4乃至16のいず
    れかに記載の表示媒体。
  19. 【請求項19】 電界の作用により光学特性が可逆的に
    変化する電気泳動表示組成物が、無色分散媒とその分散
    媒に分散したマイクロカプセル粒子と電気泳動性白色固
    体からなり、該マイクロカプセル粒子が染料溶液又は分
    散液、又は顔料分散液を内包していることを特徴とする
    請求項4乃至16のいずれかに記載の表示媒体。
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