JP2004037507A - 電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いてなるマイクロカプセル - Google Patents

電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いてなるマイクロカプセル Download PDF

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Abstract

【課題】顔料粒子として用いる酸化チタン微粒子の分散性、帯電性および電気泳動特性に優れ、電気泳動表示装置に用いた場合、表示の長期安定性、応答性、コントラスト等の鮮明性なども非常に高く、表示の書き換え可能回数を大幅に向上させることのできる、電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いたマイクロカプセルを提供する。
【解決手段】本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液は、酸化チタン微粒子を溶媒に分散させてなる電気泳動表示装置用の分散液であって、この分散液は、酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて前記溶媒中に分散させた状態で加熱処理することにより得られたものである、ことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いてなるマイクロカプセルに関する。詳しくは、酸化チタンの微粒子を溶媒に分散させてなる電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いてなるマイクロカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動表示装置は、着色溶媒中に電気泳動性の顔料粒子が分散された分散液における顔料粒子の電気泳動現象を用いた非発光型表示デバイスであり、例えば、広視野角性、電源供給無しでの長時間メモリ性、低消費電力などの多くの優れた特性を有する。なかでも特に、上記分散液をマイクロカプセルに封入した構造もの(特許第2551783号公報)が、上記特性に加え、さらにフレキシブルな表示デバイスとして利用できるため注目されており、例えば、ペーパーライクディスプレイおよびリライタブルペーパーなどのいわゆるデジタルペーパー分野へのさらなる技術展開が期待されている。また、上記顔料粒子(電気泳動粒子)としては、酸化チタン微粒子が通常よく用いられている。
【0003】
ところで、上述した電気泳動表示装置の機能の中心的役割を果たす、電気泳動表示装置用の分散液においては、従来より使用されていたものは分散液中に分散している顔料粒子(電気泳動粒子)が、電荷を与える前から電極に付着してしまったり、粒子同士で凝集したり、沈降したりするといった低分散性の問題や、顔料粒子(電気泳動粒子)の帯電性が印加電圧に対して十分対応できるレベルではないという問題などがあった。そこでこのような問題を解消するため、顔料粒子(電気泳動粒子)をアルミニウムキレートで処理する方法(特開昭62−280826号公報)や、チタンカップリング剤で処理する方法(特開昭62−296127号公報)、オルガノジシラザンで処理する方法(特開昭63−8637号公報)、チタネートカップリング剤およびソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤で処理する方法(特開平2−284128号公報)などが開示されている。これらの方法によれば、顔料粒子(電気泳動粒子)と溶媒(分散媒)との親和性が向上させることができるので、上述したような電極への付着、凝集、沈降、帯電性不足の問題は解消され制御されることとなる。
【0004】
しかしながら、上記顔料粒子を含有する電気泳動表示用分散液であっても、電圧を印加した後、一旦一方の電極に引き寄せられた粒子が、その電極に留まることなく他方の電極に移動して、他方の電極に移動した後また元の電極へ移動するということを何度も繰り返すといった、いわゆる電極間の循環現象という問題があることが分かった。前記循環現象は、電圧を印加した電極面すべてにおいて一様に見られる現象ではなく多数の部分で独立して見られるものであり、電気泳動表示装置におけるコントラスト等の表示品質を著しく低下させる現象であるため、この問題を解消する電気表示体用の分散液が強く要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、顔料粒子として用いる酸化チタン微粒子の分散性、帯電性および電気泳動特性に優れ、電気泳動表示装置に用いた場合、表示の長期安定性、応答性、コントラスト等の鮮明性なども非常に高く、表示の書き換え可能回数を大幅に向上させることのできる、電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いたマイクロカプセルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。
その結果、上記従来の電気泳動表示装置用の分散液をさらに加熱処理することにより得られる、電気泳動表示装置用分散液に着目した。そして、顔料粒子(電気泳動粒子)としての酸化チタン微粒子を、カップリング剤を用いて溶媒中に分散させ、その状態で上記加熱処理をすることにより得られた電気泳動表示装置用分散液であれば、上記課題を一挙に解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液は、
酸化チタン微粒子を溶媒に分散させてなる電気泳動表示装置用の分散液であって、この分散液は、酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて前記溶媒中に分散させた状態で加熱処理することにより得られたものであることを特徴とする。
また、本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルは、
電気泳動表示装置用分散液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルであって、前記電気泳動表示装置用分散液が請求項1または2に記載の電気泳動表示装置用分散液であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液の製造方法は、
酸化チタン微粒子を溶媒中に分散させてなる電気泳動表示装置用の分散液を製造する方法であって、前記酸化チタン微粒子を、カップリング剤を用いて溶媒中に分散させた状態で加熱処理する工程を備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いてなるマイクロカプセルに関する詳細について具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に何ら拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液(以下、本発明の分散液と称してもよい。)は、酸化チタン微粒子を溶媒に分散させてなる電気泳動表示装置用の分散液であって、酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて前記溶媒中に分散させた状態で加熱処理することにより得られた分散体である。
【0010】
本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液は、上述のように、溶媒、酸化チタン微粒子およびカップリング剤を含むものである。
前記溶媒としては、従来、通常、電気泳動表示装置用分散液に用いられている溶媒であればよいが、高絶縁性の有機溶媒が好ましい。
高絶縁性の有機溶媒としては、特に限定されるわけではないが、o−、m−またはp−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタン、ナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素類;シクロへキサン、n−ヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの各種エステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、オクタノール、メチルセルソルブなどのアルコール系溶剤;クロロブタン、クロロホルム、トリクロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、トリクロロエタン、四塩化炭素、シクロヘキシルクロライド、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、三塩化フッ化エタン、四フッ化二臭化エチル、臭化エタン、四フッ化二フッ化エタン、ヨウ化メチレン、トリヨードシラン、ヨウ化メチルなどのハロゲン化炭化水素類;二硫化炭素;などの単独またはそれらの混合物が好ましく挙げられ、なかでも、ドデシルベンゼンおよびヘキシルベンゼン等の長鎖アルキルベンゼンおよびフェニルキシリルエタン等が、沸点および引火点も高く、また毒性もほとんど無いことからより好ましい。これら溶媒は、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0011】
前記溶媒の使用量は、本発明の分散液に対し、40〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは50〜92重量%、さらにより好ましくは60〜90重量%である。上記使用量が、40重量%未満の場合は、分散液の粘度が高くなり、酸化チタン微粒子の電気泳動性を低下させることとなり、95重量%を超える場合は、酸化チタン微粒子の濃度が低くなり、十分なコントラストが得られないこととなる。
前記溶媒は、もともと色を有しているものや、着色されたものが好ましく、酸化チタン微粒子の白色に対して十分なコントラストが得られる程度となっていることがより好ましい。
【0012】
前記溶媒が着色されたものである場合、着色に用いる染料としては、特に限定されるわけではないが、油溶性染料が好ましく、特に使いやすさの点で、アゾ染料およびアントラキノン染料などがより好ましい。具体的には、黄色系染料としては、オイルイエロー3G(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、橙色系染料としては、ファーストオレンジG(BASF社製)等のアゾ化合物類が、青色系染料としては、マクロレックスブルーRR(バイエル社製)等のアンスラキノン類が、緑色系染料としては、スミプラストグリーンG(住友化学社製)等のアンスラキノン類が、茶色系染料としては、オイルブラウンGR(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、赤色系染料としては、オイルレッド5303(有本化学社製)およびオイルレッド5B(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、紫色系染料としては、オイルバイオレット#730(オリエント化学社製)等のアンスラキノン類が、黒色系染料としては、スーダンブラックX60(BASF社製)等のアゾ化合物や、アンスラキノン系のマクロレックスブルーFR(バイエル社製)とアゾ系のオイルレッドXO(カントー化学社製)との混合物が、好ましく挙げられる。これら染料は1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0013】
上記染料は、通常、溶媒100重量部に対し、0.1〜10重量部使用することが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部、さらにより好ましくは1〜10重量部である。上記染料の使用量が、0.1重量部未満の場合は、着色力が不十分で酸化チタン微粒子に対する十分なコントラストが得られないこととなり、10重量部を超える場合は、必要以上のコストアップにつながることととなる。
前記酸化チタン微粒子は、本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液においては、電気泳動性のある顔料粒子、つまり、該分散液中で正または負の極性を示す顔料粒子として用いられる。本発明においては、後述するように、上記分散液中に酸化チタン微粒子以外にも他の粒子を含むこともできる。他の粒子は、酸化チタン微粒子と同様、顔料粒子であることが好ましい。また、他の粒子は、酸化チタン微粒子と同様に電気泳動性を有する必要性は必ずしも無いが、電気泳動性を有する場合は、酸化チタン微粒子とは逆極性に電気泳動するものであることが好ましい。
【0014】
酸化チタン微粒子について、酸化チタンの種類は、特に限定されず、一般に白色顔料として使用されるものであればよく、ルチル型でもアナターゼ型でもよいが、酸化チタンの光活性能による着色剤の退色等を考えた場合、光活性能の低いルチル型であることが好ましく、さらに光活性能を低減させるためのSi処理あるいはSi−Al処理等を施された酸化チタンであればより好ましい。
本発明の分散液における酸化チタン微粒子の粒子径、詳しくは、原料としての酸化チタン微粒子ではなく得られた本発明の分散液に含まれる酸化チタン微粒子の粒子径については、特に限定されるわけではないが、得られた分散液中の体積平均粒子径が、0.1〜1μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmである。上記粒子径(体積平均粒子径)が、0.1μm未満の場合は、本発明の分散液を電気泳動表示装置に用いた際に、表示部分において十分な隠蔽性が得られず白色度が低下し、コントラスト性の高い電気泳動表示装置が得られないおそれがあり、1μmを超える場合は、白色度を得る為に粒子中の酸化チタン含有率を高くする必要性が生じる他、電気泳動特性が低下するおそれもある。
【0015】
得られた本発明の分散液中における酸化チタン微粒子の濃度は、5〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは8〜50重量%であり、さらにより好ましくは10〜40重量%である。上記酸化チタン微粒子の濃度が、5重量%未満の場合は、本発明の分散液を電気泳動表示装置に用いた際に、表示部分において十分な白色度が得られず、鮮明な表示が得られないおそれがあり、60重量%を超える場合は、表示させるために電圧印加した部分において、酸化チタン微粒子の応答速度(表示応答性)が低下するおそれがある。
上述した他の粒子としては、特に限定されるわけではないが、例えば、白色系のものでは、上記酸化チタン以外にも、硫酸バリウム、酸化亜鉛、亜鉛華等の無機顔料;黄色系のものでは、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、クロムイエローおよび黄鉛等の無機顔料や、ファーストイエロー等の不溶性アゾ化合物類、クロモフタルイエロー等の縮合アゾ化合物類、ベンズイミダゾロンアゾイエロー等のアゾ錯塩類、フラバンスイエロー等の縮合多環類、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、ニトロ化合物およびピグメントイエロー等の有機顔料;橙色系のものでは、モリブデートオレンジ等の無機顔料や、ベンズイミダゾロンアゾオレンジ等のアゾ錯塩類およびベリノンオレンジン等の縮合多環類等の有機顔料;赤色系のものでは、ベンガラおよびカドミウムレッド等の無機顔料や、マダレーキ等の染色レーキ類、レーキレッド等の溶解性アゾ化合物類、ナフトールレッド等の不溶性アゾ化合物類、クロモフタルスカーレッド等の縮合アゾ化合物類、チオインジゴボルドー等の縮合多環類、シンカシヤレッドYおよびホスタパームレッド等のキナクリドン顔料、パーマネントレッドおよびファーストスローレッド等のアゾ系顔料等の有機顔料;紫色系のものでは、マンガンバイオレット等の無機顔料や、ローダミンレーキ等の染色レーキ類、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環類等の有機顔料;青色系のものでは、紺青、群青、コバルトブルーおよびセルリアンブルー等の無機顔料や、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン類、インダンスレンブルー等のインダンスレン類、アルカリブルー等の有機顔料;緑色系のものでは、エメラルドグリーン、クロームグリーン、酸化クロムおよびビリジアン等の無機顔料や、ニッケルアゾイエローなどのアゾ錯塩類、ピグメントグリーンおよびナフトールグリーン等のニトロソ化合物類、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン類等の有機顔料;黒色系のものでは、カーボンブラックおよび鉄黒などの無機顔料や、アニリンブラック等の有機顔料;などが好ましく挙げられ、これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
【0016】
上記他の粒子を使用する場合、他の粒子の使用量(本発明の分散液中における濃度)は、1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜40重量%であり、さらにより好ましくは5〜35重量%である。上記他の粒子の使用量(濃度)が、1重量%未満の場合は、着色力が低く酸化チタン微粒子との十分なコントラストが得られないこととなり、50重量%を超える場合は、溶媒中の粒子濃度が高くなり粒子の電気泳動性を阻害することとなる。
本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液はカップリング剤を含むものであるが、カップリング剤により、分散液に電荷を印加した際の、酸化チタン微粒子等の微粒子の分散安定性が良好となる。微粒子をカップリング剤で処理すれば、微粒子表面にカップリング剤の被覆層が形成される。
【0017】
上記カップリング剤としては、その種類は特に限定されるわけではなく、例えば、▲1▼シランカップリング剤、▲2▼チタネート系カップリング剤、▲3▼アルミニウム系カップリング剤、▲4▼ビニル基を有するカップリング剤、▲5▼アミノ基、第四級アンモニウム塩、カルボキシル基およびリン酸基から選ばれる少なくとも1つの基を有するカップリング剤、▲6▼末端にアミノ基またはグリシジル基を有するカップリング剤、▲7▼オルガノジシラザンなどを好ましく挙げることができ、より好ましくはチタネートカップリング剤およびアルミニウム系カップリング剤であり、さらにより好ましくは上記各種カップリング剤であって長鎖アルキル基をも有するカップリング剤であり、特に好ましくは長鎖アルキル基をも有するチタネートカップリング剤や長鎖アルキル基をも有するアルミニウム系カップリング剤である。上記カップリング剤は、単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0018】
上述のように、長鎖アルキル基を有するカップリング剤が好ましい理由としては、安全性の高い溶剤である長鎖アルキルベンゼン等により親和性が高くなるために電気泳動性微粒子の分散安定性を高める効果が高い、ということ等を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、ビニル基、アミノ基、グリシジル基、チオール基を有するシランカップリング剤や、長鎖アルキル基を有するシランカップリング剤などを好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0019】
チタネート系カップリング剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、下記一般式(1)
(RO)−Ti−X  (1)
(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Xは炭素数8〜18のアルキル基、脂肪酸残基、ヒドロキシフェニル基または炭化水素残基を表し、mは1〜4の整数、aは1〜3の整数を表す。)
で示される化合物が好ましい。上記一般式(1)で示されるチタネート系カップリング剤としては、具体的には、例えば、イソプロピル・トリイソステアロイルチタネート、イソプロピル・トリデシルベンスルホニルチタネート、イソプロピル・トリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピル・トリオクタノイルチタネート、イソプロピル・ジメタクリル・イソステアロイルチタネート、イソプロピル・ジアクリル・イソステアロイルチタネート、イソプロピル・トリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピル・トリクミルフェニルチタネート、イソプロピル・トリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、テトライソプロピル・ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチル・ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)・ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジクミルフェニル・オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロオホスフェート)エチレンチタネート、などを好ましく挙げることができる。なお、これらは、例えば、味の素株式会社からプレンアクトという商品名で市販されている。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0020】
アルミニウム系カップリング剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、従来公知の各種アルミニウムキレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム・ビスエチルアセテート・ジイソプロピレートなどを好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ビニル基を有するカップリング剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン等のアルコキシシラン類、ビニルトリクロロシラン、ジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のメタクリロキシシラン類、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の第四級アンモニウム塩類、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルジアクリルイソステアロイルチタネート等のチタネート類などを好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0021】
アミノ基、第四級アンモニウム塩、カルボキシル基およびリン酸基から選ばれる少なくとも1つの基を有するカップリング剤は、電荷付与剤であり、具体的には、特に限定されるわけではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド等のシラン類、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等のチタネート類などを好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0022】
末端にアミノ基またはグリシジル基を有するカップリング剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤などを好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。
オルガノジシラザンは、特に限定されるわけではないが、従来公知のオルガノジシラザン系の化合物であればよく、例えば、特開昭63−8637号公報に記載の下記式(a)、(b)、(c)で示される化合物などを好ましく挙げることができる。
【0023】
〔(CHSi〕NH         (a)
〔(CSi〕NH        (b)
〔(CSi〕NH        (c)
これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
長鎖アルキル基を有するカップリング剤としては、特に限定されるわけではないが、例えば、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類、プロピルドデシルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ドデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン等のクロロシラン類、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロロシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン等のフルオロシラン類、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート等のチタネート類などを好ましく挙げることができ、これら長鎖アルキル基を有するカップリング剤のなかでも、アルコキシシラン類、クロロシラン類、フルオロシラン類などがより好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0024】
本発明の分散液には、上記各種成分以外にも、必要に応じて何らかの他の成分を含むことができ、その種類などは特に限定されるわけではない。
本発明の分散液は、上述のように加熱処理して得られたものである。この加熱処理の温度は、特に限定されるわけではないが、100〜500℃であることが好ましく、より好ましくは100〜400℃、さらにより好ましくは100〜350℃、特に好ましくは130〜300℃である。上記加熱処理の温度が100℃未満の場合、酸化チタン微粒子の各種電気泳動特性について安定性のあるものとするにはより長時間の加熱が必要となるため実用的ではなく、500℃を超える場合は、加熱温度による有利かつ顕著な効果は無く、エネルギー損失およびコストが増加することとなる。
【0025】
上記加熱処理について、加熱処理の時間は、0.5〜10時間であることが好ましく、より好ましくは1〜7時間であり、さらにより好ましくは1〜5時間である。上記加熱処理の時間が0.5時間未満の場合は、十分な熱処理効果が得られず、上述した電極間の循環現象が認められ、10時間を超える場合は、加熱処理時間の増加に対する有利かつ顕著な効果は認められない。
本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、本発明のマイクロカプセルと称してもよい。)は、上述した電気泳動表示装置用分散液をカプセル殻体に内包してなるマイクロカプセルである。
【0026】
上記本発明のマイクロカプセルの形状は、特に限定されるわけではないが、球状等の粒子状であることが好ましい。
上記本発明のマイクロカプセルが粒子状である場合、その粒子径は5〜300μmであることが好ましく、より好ましくは10〜200μm、さらにより好ましくは15〜150μmである。上記マイクロカプセルの粒子径が5μm未満である場合は、本発明のマイクロカプセルを電気泳動表示装置に用いた場合、表示部分において十分な表示濃度が得られないおそれがあり、300μmを超える場合は、マイクロカプセル自体の機械的強度に問題が生じるおそれがある他、本発明のマイクロカプセルを電気泳動表示装置に用いた場合、マイクロカプセル内に封入した電気泳動表示装置用分散液中の酸化チタン微粒子等の電気泳動特性が十分ではなく、表示のための起動電圧も高くなるおそれがある。
【0027】
上記本発明のマイクロカプセルにおいて、カプセル殻体の厚みは、0.1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜4μm、さらにより好ましくは0.1〜3μmである。上記カプセル殻体の厚みが0.5μm未満である場合は、カプセル殻体としての十分な強度が得られないこととなり、5μmを超える場合は、透明性が低下しコントラストの低下の原因となる。
本発明のマイクロカプセルは、従来公知のマイクロカプセルの製造法により得ることができ、その製造法は特に限定されるわけではないが、例えば、コアセルベーション法、インサイチュ(in−situ)法、界面重合法などを好ましく挙げることができる。
【0028】
上記カプセル殻体の原料としては、従来公知のマイクロカプセルにおけるカプセル殻体の原料であればよく、特に限定されるわけではないが、例えば、コアセルベーション法では、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、デンプンのフタル酸エステル、ポリアクリル酸等のアニオン性物質が原料として好ましく使用される。インサイチュ法では、メラミン−ホルマリン樹脂(メラミン−ホルマリンプレポリマー)などが原料として好ましく使用される。界面重合法では、ポリアミン、グリコール、多価フェノールなどの親水性モノマーと、多塩基酸ハライド、ビスハロホルメール、多価イソシアネートなどの疎水性モノマーとを原料として好ましく使用し、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ尿素などからなるカプセル殻体とする。
【0029】
本発明のマイクロカプセルは、さらにカプセル殻体の原料に多価アミン等が加えられ、カプセル殻体が耐熱保存性などに優れたマイクロカプセルであってもよい。
上記多価アミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミンや、ポリ(1〜5)アルキレン(C〜C)ポリアミン・アルキレン(C〜C18)オキシド付加物等の脂肪族多価アミンのエポキシ化合物付加物、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、キシリレンジアミン等の芳香族多価アミン、ピペラジン等の脂環式多価アミン、3,9−ビス−アミノプロピル2,4、8,10−テトラオキサスピロ−〔5,5〕ウンデカン等の複素環式ジアミン等を好ましく挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0030】
本発明にかかる電気泳動表示装置用分散液の製造方法(以下、本発明の製造方法と称してもよい。)は、酸化チタン微粒子を溶媒中に分散させてなる電気泳動表示装置用の分散液を製造する方法であり、この酸化チタン微粒子を、カップリング剤を用いて溶媒中に分散させた状態で加熱処理する工程を備える製法である。
本発明の製造方法においては、原料として、酸化チタン微粒子、溶媒およびカップリング剤などを用いるが、これらは各原料成分の種類や使用量などの詳細については、上記電気泳動表示装置用分散液の説明部分において記載した内容と同様であることが好ましい。また、上記各種成分以外に原料成分として含むことのできるものとして列挙したものについても同様に、同様の使用方法で、本発明の製造方法に用いることができる。
【0031】
本発明の製造方法において、酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて溶媒中に分散させる分散方法としては、特に限定されるわけではなく、通常、何らかの溶媒中に所望の粒子を分散させる際に用いられる方法であればよいが、具体的には、例えば、超音波浴槽内に原料成分である酸化チタン微粒子、溶媒およびカップリング剤などを仕込み、攪拌しながら超音波分散する方法や、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドグラインドミルなどの分散機を用いて分散する方法、Vブレンダなどで溶媒および微粒子を強制攪拌しながらカップリング剤を乾燥空気や窒素ガスで噴霧させる乾式法、微粒子を溶媒に適当に分散させスラリー状となったところにカップリング剤を添加する湿式法、予め加温した溶媒および微粒子を激しく攪拌しながらカップリング剤をスプレーするスプレー法などを好ましく挙げることができる。
【0032】
本発明の製造方法において、酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて溶媒中に分散させた状態とは、酸化チタン微粒子とカップリング剤とが溶媒中に含まれていて酸化チタンが攪拌等により分散している状態であれば足りるとし、カップリング剤が酸化チタン微粒子表面を被覆している状態であっても、被覆していない状態であってもよく、特に限定されるわけではないが、上記各種分散方法などによってカップリング剤が酸化チタン微粒子表面を被覆している状態であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて溶媒中に分散させた状態で加熱処理するが、この加熱処理は、上記「酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて溶媒中に分散させた状態」の下で行えばよいが、なかでも、上記各種分散方法などによってカップリング剤が酸化チタン微粒子表面を被覆している状態の下で行うことがより好ましい。その理由としては、本発明の製造方法により得られた分散液を電気泳動表示装置に用いた場合に、上述した優れた電気泳動特性を発揮させることができるからである。
【0033】
加熱処理条件である、温度および時間などについては、上記電気泳動表示装置用分散液の説明部分において記載した内容と同様であることが好ましい。
加熱処理の方法としては、特に限定はされず、通常、分散液に温度分布が生じない程度の攪拌下にて行うことが好ましく、また、溶媒の沸点以上の温度で加熱処理を行う場合はオートクレーブなどの耐圧装置を用いて行うことが好ましい。本発明の製造方法により得られた電気泳動表示装置用分散液は、例えば、以下のような形態で用いることができるが、特にこれらに限定はされない。つまり、▲1▼少なくとも一方が透明な2枚の基板をスペーサーを介し所要間隔を設けて対向配置させ形成したセルに、本発明の分散液を注入して得られる、電荷の印加により表示可能な表示パネルとしての形態、または、▲2▼本発明の分散液をカプセル殻体に内包したマイクロカプセルを得た後、該マイクロカプセルを透明電極を有するフィルム上に多数塗布し、その上に別の透明電極を有するフィルムを重ねてラミネートしたフィルム状の電気泳動表示装置としての形態、などが挙げられる。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。
−実施例1−
500mlの丸底フラスコに酸化チタン(石原産業社製、製品名:タイペークCR−90)30gおよびドデシルベンゼン261gに、チタネート系カップリング剤(味の素社製、製品名:プレンアクト TTS)2gおよびアルミニウム系カップリング剤(味の素社製、製品名:プレンアクト ALM)1gを仕込み、55℃の超音波浴槽(ヤマト社製、製品名:BRANSON5210)に入れ、均一に攪拌しながら超音波分散を2時間行い、酸化チタン分散液を得た。
【0035】
この酸化チタン分散液を、マントルヒーターで280℃に加熱し、280℃に到達してから4.5時間加熱処理を行った。
加熱処理を施した酸化チタン分散液中の酸化チタン微粒子の粒子径を測定した結果、体積平均粒子径0.34μmであった。粒度分布の測定は、島津遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3(島津製作所社製)で行った。
さらに、加熱処理後の酸化チタン分散液に、アントラキノン系の青色オイル染料(中央合成化学社製、製品名:オイルブルーF)6gを溶解させ、青色に着色された、実施例1の電気泳動表示装置用分散液(以下、電気泳動表示装置用分散液(1)と称す。)を得た。
【0036】
−実施例2−
酸化チタン(石原産業社製、製品名:タイペークCR−90)を150gに、ドデシルベンゼンを168gに、チタネート系カップリング剤(味の素社製、製品名:プレンアクト TTS)を10gに、アルミニウム系カップリング剤(味の素社製、製品名:プレンアクト ALM)を5gに、加熱処理温度を100℃に、加熱処理時間を1.5時間に、した以外は、実施例1と同様の操作により、実施例2の電気泳動表示装置用分散液(以下、電気泳動表示装置用分散液(2)と称す。)を得た。
【0037】
なお、加熱処理を施した酸化チタン分散液中の酸化チタン微粒子の粒子径を測定した結果、体積平均粒子径0.27μmであった。粒度分布の測定は、実施例1と同様である。
−実施例3−
酸化チタン分散液の加熱処理温度を500℃にし、加熱処理時間を0.5時間にした以外は、実施例2と同様の操作により、実施例3の電気泳動表示装置用分散液(以下、電気泳動表示装置用分散液(3)と称す。)を得た。
なお、加熱処理後の酸化チタン分散液中の酸化チタン微粒子の粒子径を測定した結果、体積平均粒子径0.81μmであった。粒度分布の測定は、実施例1と同様である。
【0038】
−比較例1−
酸化チタン分散液の加熱処理を行わないようにした以外は、実施例1と同様の操作により、比較例1の電気泳動表示装置用分散液(以下、比較電気泳動表示装置用分散液(1)と称す。)を得た。
なお、酸化チタン分散液中の酸化チタン微粒子の粒子径を測定した結果、体積平均粒子径0.31μmであった。粒度分布の測定は、実施例1と同様である。得られた上記電気泳動表示装置用分散液(1)〜(3)および比較電気泳動表示装置用分散液(1)について、これらを用いて電気泳動表示装置を作成し、以下のような評価を行った。その評価結果は表1に示す。
【0039】
電気泳動表示装置は、ITO(透明電極)付きガラス板を対向電極としたクリアランス50μmのセル中に、電気泳動表示装置用分散液を入れて封止し、作成した。
(循環現象に関する表示安定性)
それぞれの電気泳動表示装置の両電極間に、30Vの直流電圧を印加し、電圧印加時において、上述した循環現象に関する表示安定性を観察し、以下の基準で評価した。観察は、肉眼および光学顕微鏡を用いて行った。
○:光学顕微鏡でも粒子の循環現象は見られない。
【0040】
△:肉眼では判別できないが、光学顕微鏡では部分的に循環現象が見られる。
×:肉眼で循環現象が見られる。
(表示応答性)
それぞれの電気泳動表示装置の両電極間に、30Vの直流電圧を印加し、極性を切り替えた際の、表示の応答性(表示にかかった時間)について、以下の基準で評価した。観察は、肉眼および光学顕微鏡を用いて行った。
○:3秒未満
△:3秒以上〜5秒未満
×:5秒以上
(経時的表示安定性(メモリー性))
それぞれの電気泳動表示装置の両電極間に、30Vの直流電圧を印加し、上面に白色表示させてから印加電圧をoffにした後の表示メモリー性(表示を維持した時間)を、以下の基準で評価した。観察は、肉眼および光学顕微鏡を用いて行った。
【0041】
○:7×24時間以上
△:24時間以上〜7×24時間未満
×:24時間未満
(反復利用性)
それぞれの電気泳動表示装置の両電極間に、電圧の極性を1Hzの周波数で交互に反転させて印加し、繰り返し表示させることを行った。印加電圧は30Vで行った。この繰り返し表示を、反転で1万回行い、各電気泳動表示装置の反復利用性を、以下の基準で評価した。観察は、肉眼および光学顕微鏡を用いて行った。
【0042】
○:粒子の凝集や電極への付着もなく、表示の乱れは見られなかった。
△:粒子の凝集や電極への付着はないが、表示に若干の乱れが見られた。
×:粒子の凝集や電極への付着はないが、表示に乱れが見られた。
(コントラスト性)
それぞれの電気泳動表示装置の両電極間に、30Vの直流電圧を印加し、各印加電圧に対する印加後の表示のコントラスト性を、以下の基準で評価した。観察は、肉眼および光学顕微鏡を用いて行った。
○:コントラストが十分あり、表示が鮮明。
【0043】
△:コントラストが若干不十分で、表示が少し見づらい。
×:コントラストが不十分で、表示が見づらい。
【0044】
【表1】
Figure 2004037507
【0045】
−実施例4−
予め、水60gにアラビアゴム5.5gおよびゼラチン5.5gを溶解し、43℃に保持された水溶液に、55℃にした電気泳動表示装置用分散液(1)105gを、ディスパー(特殊機化工業社製、製品名:ROBOMICS)攪拌下に添加し、その後攪拌速度を徐々に上げ1050rpmで60分間攪拌し、懸濁液を得た。
この懸濁液に43℃の温水300mlを添加しながら、攪拌速度を徐々に下げ500rpmとし、さらに10%NaCO0.75mlを添加した後30分間保持した。
【0046】
以降、同攪拌条件下(500rpm)で熟成終了までの操作を行う。
次に、11mlの10%酢酸溶液を25分間かけて定量添加し、さらにその後、10℃以下に冷却した。この冷却状態で2時間保持した後、37%ホルマリン3mlを30秒間で定量添加し、さらに、10%NaCO溶液22mlを25分間かけて定量添加した。
その後、常温に戻し、20時間熟成を行った。熟成後、ろ過を行い、電気泳動表示装置用分散液(1)を内包した実施例4の電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(1)と称す。)を得た。
【0047】
なお、この電気泳動表示装置用マイクロカプセル(1)の粒子径を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、製品名:LA−910)で測定した結果、体積平均粒子径103μmであった。
−実施例5−
電気泳動表示装置用分散液(1)の代わりに電気泳動表示装置用分散液(2)を使用し、攪拌速度を徐々に上げ1050rpmにするところを1650rpmにする以外は、実施例4と同様の操作をすることにより、実施例5の電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(2)と称す。)を得た。
【0048】
なお、この電気泳動表示装置用マイクロカプセル(2)の粒子径を、実施例4と同様の方法で測定した結果、体積平均粒子径10μmであった。
−実施例6−
電気泳動表示装置用分散液(1)の代わりに、電気泳動表示装置用分散液(2)47gをドデシルベンゼン58gで希釈した分散液を使用し、攪拌速度を徐々に上げ1050rpmにするところを1350rpmにする以外は、実施例4と同様の操作をすることにより、実施例6の電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(3)と称す。)を得た。
【0049】
なお、この電気泳動表示装置用マイクロカプセル(3)の粒子径を、実施例4と同様の方法で測定した結果、体積平均粒子径52μmであった。
−実施例7−
電気泳動表示装置用分散液(1)の代わりに電気泳動表示装置用分散液(3)を使用し、攪拌速度を徐々に上げ1050rpmにするところを1650rpmにする以外は、実施例4と同様の操作をすることにより、実施例7の電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(4)と称す。)を得た。
【0050】
なお、この電気泳動表示装置用マイクロカプセル(4)の粒子径を、実施例4と同様の方法で測定した結果、体積平均粒子径15μmであった。
−実施例8−
攪拌速度を徐々に上げ1050rpmにするところを850rpmにする以外は、実施例4と同様の操作をすることにより、実施例8の電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(5)と称す。)を得た。
なお、この電気泳動表示装置用マイクロカプセル(5)の粒子径を、実施例4と同様の方法で測定した結果、体積平均粒子径10μmであった。
【0051】
−比較例2−
電気泳動表示装置用分散液(1)の代わりに比較電気泳動表示装置用分散液(1)を使用する以外は、実施例4と同様の操作をすることにより、比較例2の電気泳動表示装置用マイクロカプセル(以下、比較電気泳動表示装置用マイクロカプセル(1)と称す。)を得た。
なお、この比較電気泳動表示装置用マイクロカプセル(1)の粒子径を、実施例4と同様の方法で測定した結果、体積平均粒子径98μmであった。
得られた上記電気泳動表示装置用マイクロカプセル(1)〜(5)および比較電気泳動表示装置用マイクロカプセル(1)について、これらを用いて下記手順で電気泳動表示装置を作成し、上述した電気泳動表示装置用分散液(1)〜(3)および比較電気泳動表示装置用分散液(1)を用いた電気泳動表示装置における評価と同様に、循環現象に対する表示安定性、表示応答性、経時的表示安定性(メモリー性)、反復利用性およびコントラスト性の評価を行った。これら評価結果は表2に示す。
【0052】
電気泳動表示装置を得るにあたっては、まず、電気泳動表示装置用マイクロカプセルにバインダー用アクリルエマルションを添加して塗工液を作成し、この塗工液をITO付きPETフィルムにアプリケーターで塗布した後、90℃で10分間乾燥させ、塗布シートを作成する。次に、この塗布シートに、別途ITO付きPETフィルムをラミネートし、対向電極を有する電気泳動表示装置を作成した。
【0053】
【表2】
Figure 2004037507
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、顔料粒子として用いる酸化チタン微粒子の分散性、帯電性および電気泳動特性に優れ、電気泳動表示装置に用いた場合、表示の長期安定性、応答性、コントラスト等の鮮明性なども非常に高く、表示の書き換え可能回数を大幅に向上させることのできる、電気泳動表示装置用分散液、その製造方法およびそれを用いたマイクロカプセルを提供することができる。

Claims (4)

  1. 酸化チタン微粒子を溶媒に分散させてなる電気泳動表示装置用の分散液であって、
    この分散液は、酸化チタン微粒子をカップリング剤を用いて前記溶媒中に分散させた状態で加熱処理することにより得られたものである、
    ことを特徴とする、電気泳動表示装置用分散液。
  2. 前記カップリング剤が、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ビニル基を有するカップリング剤、末端にアミノ基またはグリシジル基を有するカップリング剤、オルガノジシラザン、および、アミノ基、第四級アンモニウム塩、カルボキシル基およびリン酸基から選ばれる少なくとも1つの基を有するカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の電気泳動表示装置用分散液。
  3. 電気泳動表示装置用分散液をカプセル殻体に内包してなる電気泳動表示装置用のマイクロカプセルであって、
    前記電気泳動表示装置用分散液が請求項1または2に記載の電気泳動表示装置用分散液である、
    ことを特徴とする、電気泳動表示装置用マイクロカプセル。
  4. 酸化チタン微粒子を溶媒中に分散させてなる電気泳動表示装置用の分散液を製造する方法であって、
    前記酸化チタン微粒子を、カップリング剤を用いて溶媒中に分散させた状態で加熱処理する工程を備える、
    ことを特徴とする、電気泳動表示装置用分散液の製造方法。
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