JP4676716B2 - 電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途 - Google Patents

電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP4676716B2
JP4676716B2 JP2004153791A JP2004153791A JP4676716B2 JP 4676716 B2 JP4676716 B2 JP 4676716B2 JP 2004153791 A JP2004153791 A JP 2004153791A JP 2004153791 A JP2004153791 A JP 2004153791A JP 4676716 B2 JP4676716 B2 JP 4676716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophoretic display
microcapsules
microcapsule
display devices
exchange resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004153791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005338190A (ja
JP2005338190A5 (ja
Inventor
淳志 宮崎
彰男 伊藤
光雄 串野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp, Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2004153791A priority Critical patent/JP4676716B2/ja
Priority to US11/123,157 priority patent/US7265895B2/en
Priority to KR1020050043021A priority patent/KR100800913B1/ko
Priority to CN200510073833A priority patent/CN100595662C/zh
Publication of JP2005338190A publication Critical patent/JP2005338190A/ja
Priority to US11/509,585 priority patent/US7251070B2/en
Publication of JP2005338190A5 publication Critical patent/JP2005338190A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4676716B2 publication Critical patent/JP4676716B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Description

本発明は、電気泳動性微粒子と溶媒とが殻体に内包されてなる電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途に関する。
電気泳動表示装置は、着色溶媒中に電気泳動性の顔料微粒子が分散された分散液における顔料粒子の電気泳動現象を用いた非発光型表示デバイスである。詳しくは、少なくとも一方が透明な対向電極基板(フィルム)間に設けられた空間に上記分散液を封入した構造を有し、両電極基板間の所定の位置に電圧を印加して電気泳動性微粒子を泳動させ、他の位置との間で生じる光学的濃度差を利用して表示を行う装置として従来から知られており、例えば、広視野角性、電源供給(継続的供給)無しでの長時間メモリー性、低消費電力などの多くの優れた特性を有する。
近年においては、上記分散液を対向電極基板間の空間にそのまま封入した従来の電気泳動表示装置(例えば、特許文献1参照。)に代わって、壁材となる殻体(カプセル殻体、壁膜とも言う。以下同様。)に上記分散液を封入してなるマイクロカプセルを、対向電極基板間に敷き詰めて配した構造を有する電気泳動表示装置の開発・研究が積極的に行われている。
電気泳動表示装置用のマイクロカプセルとしては、例えば、コアセルベーション法(相分離法)(例えば、特許文献2参照。)、融解分解冷却法および粉床法等のいわゆる界面沈積法や、界面重合法、インサイチュ(in−situ)法、液中硬化被膜(被覆)法(オリフィス法)および界面反応法(無機化学反応法)等のいわゆる界面反応法などといった、各種マイクロカプセル化工程を経て得られるものが知られており、なかでも、コアセルベーション法を用いゼラチンとアラビアゴムを必須原料として得られる殻体を備えたマイクロカプセルがよく知られている(例えば、特許文献3参照。)。
このようなマイクロカプセルを備えた電気泳動表示装置は、前記従来のそれに比べて、表示の長期安定性、応答性、コントラストおよび表示の書き換え可能回数等の各種性能・機能において大きな向上が図られている。
特公昭50−15115号公報 米国特許2800457号明細書 特許第2551783号公報
しかしながら、従来のマイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置においては、高温高湿条件下に放置した場合に、その後のコントラストに顕著な低下が認められるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、電気泳動表示装置を高温高湿条件下に放置した場合であっても、その後のコントラストの低下を抑制することができる電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その過程において、電気泳動表示装置用マイクロカプセル全体中に含まれ得る各種イオン性物質の存在に着目した。従来から、電気泳動表示装置用マイクロカプセルの調製プロセスにおいては、殻体原料として、あるいは、酸や中和剤等として、各種イオン性物質を含む化合物が多く使用されており、形成される殻体中や殻体に内包される分散液中などマイクロカプセル全体中には、これらイオン性物質が多く含まれることになる(特に殻体中に多いが)。本発明者は、このようにイオン性物質が多く含まれると、電気泳動表示装置が一旦高温高湿条件下に置かれ殻体が吸湿状態となった場合、両電極間に一定の電圧を印加したときに、通常抵抗体として機能するはずの殻体が導電性を有する状態となり、マイクロカプセル全体中に含まれるアルカリ金属イオンが殻体部分に流れ込んで、リーク電流が生じてしまい、その結果、所定の電圧がかかりにくくなり電気泳動性微粒子の泳動性が低下するほか、この電流が電圧をかけた所定の位置以外のマイクロカプセルにも流れることになり、鮮明な表示ができず、十分なコントラストが得られないこととなる、ということに気付き、電気泳動表示装置用マイクロカプセル全体中に含まれるイオン性物質を低減させ得る方法について、実験および検討を繰り返した。その結果、マイクロカプセル化工程を経て得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させるという工程を含む新規な方法によれば、マイクロカプセルから(特に殻体部分から)イオン性物質を効果的に除く(脱塩する)ことができ、前述した課題を一挙に解決できることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法は、電気泳動性微粒子と溶媒とが殻体に内包されてなるマイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させる工程を含み、前記マイクロカプセルはその殻体表面にポリエチレングリコール鎖が付加されたものであり、前記ポリエチレングリコール鎖の付加が、ポリエチレングリコール鎖およびエポキシ基を併せて有する化合物と前記マイクロカプセルとを水系媒体中で攪拌することによりなされている。
本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルは、前記製造方法により得られ、その殻体表面に、ポリエチレングリコール鎖およびエポキシ基を併せて有する化合物に由来するポリエチレングリコール鎖が付加されている
本発明にかかる電気泳動表示装置用シートは、前記マイクロカプセルを備えてなる。
本発明によれば、電気泳動表示装置を高温高湿条件下に放置した場合であっても、その後のコントラストの低下を効果的に抑制することができる電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途を提供することができる。
以下、本発明にかかる電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法(以下、本発明の製造方法と称することがある。)について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
本発明の製造方法は、前述したように、電気泳動性微粒子と溶媒とが殻体に内包されてなる電気泳動表示装置用マイクロカプセルを、水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させる工程(A)を必須とする方法である。詳しくは、上記工程(A)は、芯物質となる電気泳動表示装置用分散液をマイクロカプセル化する工程を経て得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させる工程である。
本発明の製造方法においては、上記工程(A)を必須とする以外は、限定はされず、マイクロカプセル化工程を含むすべての電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法(各種手段および各種条件等)を適用することができ、例えば、従来公知の、コアセルベーション法(相分離法)、液中乾燥法、融解分解冷却法、スプレードライング法、パンコーティング法、気中懸濁被覆法および粉床法等のいわゆる界面沈積法を用いる製造方法や、界面重合法、In−situ重合法、液中硬化被膜(被覆)法(オリフィス法)および界面反応法(無機化学反応法)等のいわゆる界面反応法を用いる製造方法もすべて適用することができる。
マイクロカプセル化工程に用い得る殻体原料としては、限定はされないが、例えば、コアセルベーション法を用いる製造方法では、ゼラチン等の等電点を有する化合物およびポリエチレンイミン等のカチオン性の化合物と、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、スチレン−マレイン酸共重合体およびポリアクリル酸等のアニオン性物質との組み合わせが好適である。In−situ重合法を用いる製造方法では、メラミン−ホルマリン樹脂(メラミン−ホルマリンプレポリマー)およびラジカル重合性モノマーなどが好適である。界面重合法を用いる製造方法では、ポリアミン、グリコールおよび多価フェノールなどの親水性モノマーと、多塩基酸ハライド、ビスハロホルメールおよび多価イソシアネートなどの疎水性モノマーとの組み合わせが好適であり、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタンおよびポリ尿素などからなる殻体を形成させることができる。
上記殻体原料としては、さらに多価アミン等併用することもでき、耐熱保存性などに優れた殻体を形成させることができる。多価アミン等の使用量は、殻体原料に起因する所望の殻体物性が極端に損なわれない程度であればよい。上記多価アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミンや、ポリ(1〜5)アルキレン(C〜C)ポリアミン・アルキレン(C〜C18)オキシド付加物等の脂肪族多価アミンのエポキシ化合物付加物、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、キシリレンジアミン等の芳香族多価アミン、ピペラジン等の脂環式多価アミン、3,9−ビス−アミノプロピル2,4、8,10−テトラオキサスピロ−[5.5]ウンデカン等の複素環式ジアミン等を好ましく挙げることができる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
以下に、前述した各種製法におけるマイクロカプセル化工程の際に殻体に内包する芯物質として用いる、分散液(電気泳動性微粒子を溶媒中に分散させた液。電気泳動表示装置用分散液と称することもある。)について、具体例を挙げて説明する。
一般に、電気泳動表示には、分散液中の溶媒の色と電気泳動性微粒子の色とのコントラストで表示する方法と、分散液中の少なくとも2種の電気泳動性微粒子の互いの色のコントラストで表示する方法がある。
上記分散液に用いる溶媒としては、従来から一般的に電気泳動表示装置用分散液に用いられている溶媒であればよく、限定はされないが、詳しくは、実質的に水に不溶性(疎水性)であり、形成される殻体とその機能を害する程度に相互作用しないものであればよく、例えば、高絶縁性の有機溶媒が好ましい。
高絶縁性の有機溶媒としては、例えば、o−、m−またはp−キシレン、トルエン、ベンゼン、ドデシルベンゼン、ヘキシルベンゼン、フェニルキシリルエタンおよびナフテン系炭化水素などの芳香族系炭化水素類や、シクロへキサン、n−ヘキサン、ケロシンおよびパラフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素類などが好ましく挙げられ、なかでも、ドデシルベンゼンおよびヘキシルベンゼン等の長鎖アルキルベンゼンおよびフェニルキシリルエタン等が、沸点および引火点も高く、また毒性もほとんど無いことからより好ましい。これら溶媒は、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
溶媒を着色する場合は、電気泳動性微粒子の色(例えば、酸化チタン微粒子であれば白色)に対して十分なコントラストが得られる程度に着色することが好ましい。
溶媒が着色されたものである場合、着色に用いられる染料としては、限定はされないが、油溶性染料が好ましく、特に使いやすさの点で、アゾ染料およびアントラキノン染料などがより好ましい。具体的には、黄色系染料としては、オイルイエロー3G(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、橙色系染料としては、ファーストオレンジG(BASF社製)等のアゾ化合物類が、青色系染料としては、マクロレックスブルーRR(バイエル社製)等のアンスラキノン類が、緑色系染料としては、スミプラストグリーンG(住友化学社製)等のアンスラキノン類が、茶色系染料としては、オイルブラウンGR(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、赤色系染料としては、オイルレッド5303(有本化学社製)およびオイルレッド5B(オリエント化学社製)等のアゾ化合物類が、紫色系染料としては、オイルバイオレット#730(オリエント化学社製)等のアンスラキノン類が、黒色系染料としては、スーダンブラックX60(BASF社製)等のアゾ化合物や、アンスラキノン系のマクロレックスブルーFR(バイエル社製)とアゾ系のオイルレッドXO(カントー化学社製)との混合物が、好ましく挙げられる。これら染料は1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記分散液に用いる電気泳動性微粒子は、電気泳動性のある顔料粒子、つまり分散液中で正または負の極性を示す着色粒子であればよく、限定されないが、具体的には、酸化チタン等の白色粒子や、カーボンブラックおよびチタンブラック等の黒色粒子などが好ましく、また後述するような他の粒子を用いてもよい。これらは1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
酸化チタン微粒子を用いる場合、酸化チタンの種類は、限定されず、一般に白色顔料として使用されるものであればよく、ルチル型でもアナターゼ型でもよいが、酸化チタンの光活性能による着色剤の退色等を考えた場合、光活性能の低いルチル型であることが好ましく、さらに光活性能を低減させるためのSi処理、Al処理、Si−Al処理あるいはZn−Al処理等を施された酸化チタンであればより好ましい。
電気泳動性微粒子としては、上記酸化チタン微粒子、カーボンブラックおよびチタンブラック以外の他の粒子を併用してもよく、また、該他の粒子を酸化チタン等の代わりに使用してもよい。他の粒子は、酸化チタン微粒子等と同様に顔料粒子であることが好ましい。また、他の粒子は、酸化チタン微粒子等と同様に電気泳動性を有する必要性は必ずしも無く、必要であれば、電気泳動性を従来公知の何らかの方法により付与すればよい。
上記他の粒子としては、限定されないが、例えば、白色系のものでは、上記酸化チタン以外では、硫酸バリウム、酸化亜鉛、亜鉛華等の無機顔料;黄色系のものでは、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、クロムイエローおよび黄鉛等の無機顔料や、ファーストイエロー等の不溶性アゾ化合物類、クロモフタルイエロー等の縮合アゾ化合物類、ベンズイミダゾロンアゾイエロー等のアゾ錯塩類、フラバンスイエロー等の縮合多環類、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、ニトロ化合物およびピグメントイエロー等の有機顔料;橙色系のものでは、モリブデートオレンジ等の無機顔料や、ベンズイミダゾロンアゾオレンジ等のアゾ錯塩類およびベリノンオレンジン等の縮合多環類等の有機顔料;赤色系のものでは、ベンガラおよびカドミウムレッド等の無機顔料や、マダレーキ等の染色レーキ類、レーキレッド等の溶解性アゾ化合物類、ナフトールレッド等の不溶性アゾ化合物類、クロモフタルスカーレッド等の縮合アゾ化合物類、チオインジゴボルドー等の縮合多環類、シンカシヤレッドYおよびホスタパームレッド等のキナクリドン顔料、パーマネントレッドおよびファーストスローレッド等のアゾ系顔料等の有機顔料;紫色系のものでは、マンガンバイオレット等の無機顔料や、ローダミンレーキ等の染色レーキ類、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環類等の有機顔料;青色系のものでは、紺青、群青、コバルトブルーおよびセルリアンブルー等の無機顔料や、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン類、インダンスレンブルー等のインダンスレン類、アルカリブルー等の有機顔料;緑色系のものでは、エメラルドグリーン、クロームグリーン、酸化クロムおよびビリジアン等の無機顔料や、ニッケルアゾイエローなどのアゾ錯塩類、ピグメントグリーンおよびナフトールグリーン等のニトロソ化合物類、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン類等の有機顔料;黒色系のものでは、上記カーボンブラックやチタンブラック以外では、鉄黒などの無機顔料や、アニリンブラック等の有機顔料;などが好ましく挙げられる。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
電気泳動性微粒子の粒子径は、限定されないが、体積平均粒子径で0.1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜3μmである。上記粒子径(体積平均粒子径)が0.1μm未満の場合は、電気泳動表示装置の表示部分において十分な隠蔽性が得られず着色度が低下し、コントラスト性の高い電気泳動表示装置が得られないおそれがあり、5μmを超える場合は、粒子自体の着色度を必要以上に高くする(顔料濃度を高くする)必要性が生じる他、微粒子のスムースな電気泳動特性が低下するおそれもある。
上記分散液中には、上述した溶媒および電気泳動性微粒子以外にも、必要に応じて他の成分を含むことができるが、その種類等は限定されない。上記他の成分としては、例えば、分散剤などが挙げられる。分散剤は、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させる前から含むようにしても、分散させた後に含むようにしてもよく、限定はされない。
分散剤としては、一般に、溶媒中における粒子の分散を補助し得る従来公知の分散剤であればよく、限定はされないが、例えば、分散液に溶解可能な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル界面活性剤、ブロック型ポリマーおよびグラフト型ポリマーなどの分散剤や、各種カップリング剤などを好ましく挙げることができ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。上記分散剤のなかでも、カップリング剤が電荷を印加した際の分散安定性も良好となるのでより好ましい。微粒子をカップリング剤で処理すれば、微粒子表面にカップリング剤の被覆層が形成される。
上記カップリング剤としては、例えば、(i)シランカップリング剤、(ii)チタネート系カップリング剤、(iii)アルミニウム系カップリング剤、(iv)ビニル基を有するカップリング剤、(v)アミノ基、第四級アンモニウム塩、カルボキシル基およびリン酸基から選ばれる少なくとも1つの基を有するカップリング剤、(vi)末端にアミノ基またはグリシジル基を有するカップリング剤、(vii)オルガノジシラザンなどを好ましく挙げることができ、より好ましくはチタネートカップリング剤およびアルミニウム系カップリング剤であり、さらに好ましくは上記各種カップリング剤であって長鎖アルキル基をも有するカップリング剤であり、特に好ましくは長鎖アルキル基をも有するチタネートカップリング剤や長鎖アルキル基をも有するアルミニウム系カップリング剤である。上記カップリング剤は、1種のみ用いても2種以上併用してもよい。
上述のように、長鎖アルキル基を有するカップリング剤が好ましい理由としては、安全性の高い溶剤である長鎖アルキルベンゼン等により親和性が高くなるために電気泳動性微粒子の分散安定性を高める効果が高い、ということ等が挙げられる。
上記分散液を調製する場合に、溶媒中に電気泳動性微粒子を分散させる方法としては、通常公知の分散方法であればよく、限定はされないが、例えば、超音波浴槽内に原料成分である電気泳動性微粒子、溶媒およびカップリング剤などを仕込み、攪拌しながら超音波分散させる方法や、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドグラインドミルなどの分散能を有する機器を用いて分散させる方法、Vブレンダなどで溶媒および微粒子を強制攪拌しながらカップリング剤を乾燥空気や窒素ガスで噴霧させる乾式法、微粒子を溶媒に適当に分散させスラリー状となったところにカップリング剤を添加する湿式法、予め加温した溶媒および微粒子を激しく攪拌しながらカップリング剤をスプレーするスプレー法などが好ましく挙げられる。
以下に、マイクロカプセル化工程を含む電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法の一例として、ゼラチンとアラビアゴムとを殻体原料とするコアセルベーション法を用いた製造方法について簡単に説明する。
この製造方法においては、一般に、水系媒体中にゼラチンとアラビアゴムとを含む殻体原料を添加し昇温して溶解させた後に、芯物質となる電気泳動表示装置用分散液を攪拌しながら添加して分散液滴を生成させる。この分散液に希酸水溶液を添加してpHを4まで下げた後、冷却し、上記液滴表面に殻体を析出させる。析出させた殻体を架橋剤で硬化させた後、アルカリ性水溶液を添加してpHを9まで上げ、その後常温に戻し、マイクロカプセルを得るようにする。その他の各種具体的条件等については、公知の条件等を適宜採用できるが、以下に述べる条件等についてはそれを好ましく採用することもできる。
電気泳動表示装置用分散液の、水系媒体中への添加量は、限定はされないが、該水系媒体100重量部に対し20〜200重量部であることが好ましく、より好ましくは130〜150重量部である。上記添加量が20重量部未満であると、結果的に粒子径分布の広いマイクロカプセルとなり、生産効率の低下を招くおそれがあり、200重量部を超える場合は、逆懸濁液となりマイクロカプセルが製造できなくなるおそれがある。
本発明の製造方法においては、必要に応じ、前述したマイクロカプセル化工程に引き続き、該工程により調製された電気泳動表示装置用マイクロカプセルを、前記工程(A)に先立ち、単離したり濃縮したりしてもよい。例えば、コアセルベーション法等のように水系媒体中でマイクロカプセル化を行った場合は、吸引ろ過や自然ろ過等によりマイクロカプセルを水系媒体等から分離して、単離したり濃縮したりすることができる。
上記単離後または上記単離に先立ち、さらに粒度分布のシャープな電気泳動表示装置用マイクロカプセルを得るために、該マイクロカプセルを分級するようにしてもよく、例えば、湿式による分級方式(湿式分級)を採用することが好ましい。湿式分級は、マイクロカプセルを含む調製液に対してマイクロカプセルの分級を行う方式である。詳しくは、上記調製液を、そのままで若しくは任意の水系媒体等で希釈して、分級処理し、調製液中のマイクロカプセルを所望の粒径や粒度分布を有するものとなるよう分級する方式である。湿式分級は、例えば、ふるい式(フィルター式)、遠心沈降式および自然沈降式等の方式を用いた方法や装置により行うことができる。比較的粒子径の大きいマイクロカプセルに対しては、ふるい式が有効に使用できる。
また、不純物を除去し、製品品質を向上させるため、マイクロカプセル化工程により得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセルを、必要に応じて上記単離・濃縮および/または分級した後、洗浄する操作を行うことも好ましい。
工程(A)において用い得る水系媒体としては、限定はされず、例えば、水、あるいは、親水性の有機溶剤と水との混合液を用いることができる。親水性の有機溶剤と水とを併用する場合は、水の配合割合を95〜70重量%とすることが好ましく、より好ましくは95〜80重量%である。
上記親水性の有機溶剤としては、限定はされないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ジプロピレングリコール等のグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン等のケトン類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル等のエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;などが好ましく挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の製造方法においては、前述したマイクロカプセル化工程を有する製法により得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセルを一旦単離し、上記水系媒体と混合して工程(A)を行うようにすることができるが、この態様に限定はされず、例えば、前述したコアセルベーション法等のようにマイクロカプセル化工程で水系媒体を用いる製造方法を適用した場合は、この水系媒体の一部または全部を、工程(A)で用いる水系媒体の一部または全部として代用することができる。
工程(A)においては、水系媒体中に存在させる電気泳動表示装置用マイクロカプセルの混合割合は、限定はされないが、例えば、水系媒体との混合後の液全体に対し、固形分基準で、5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%である。上記マイクロカプセルの量に関し、上記混合割合が5重量%未満であると、多量の排水が生じることになり非経済的となるおそれがあり、50重量%を超えると、粘度が高くなって均一な混合や攪拌ができなくなるおそれがある。
工程(A)において用い得るイオン交換樹脂としては、限定はされず、例えば、陽イオン交換樹脂として、ダウエックス50WX1(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製)、アンバーライトIR118(オルガノ社製)およびデュオライトSC100(住友化学社製)等の公知の強酸型陽イオン交換樹脂を好ましく使用することができ、また、陰イオン交換樹脂として、ダウエックス1X1(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製)のOH置換品、アンバーライトIRA400(オルガノ社製)のOH置換品およびダイヤイオンTSA1200(三菱化学社製)等の公知の強塩基型陰イオン交換樹脂を好ましく使用することができる。一般には、殻体中に陽イオンおよび陰イオンの両方を含有するマイクロカプセルや、陽イオンおよび陰イオンのいずれか一方を除去することで凝集しやすくなるマイクロカプセルがあるため、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを併用することが望ましい。
水系媒体中に存在させるイオン交換樹脂の混合割合は、限定はされないが、水系媒体中に混合する電気泳動表示装置用マイクロカプセルに対し、固形分基準で、0.1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。上記混合割合が0.1重量%未満であるとイオンの除去が不完全になるおそれがあり、50重量%を超えると、混合割合に見合う効果が得られず非経済的となるおそれがある。
上述したようにイオン交換樹脂として陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とを併用する場合は、これらの配合比「陰イオン交換樹脂/陽イオン交換樹脂」(容量比)は、限定はされないが、1以下であることが好ましく、より好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下である。上記配合比が1を超えると、陰イオン交換樹脂に付着しているアミン系化合物がマイクロカプセルの殻体に残存しやすくなるおそれがある。また、イオン交換樹脂全体に対する、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の合計の配合割合は、限定はされないが、固形分基準で、0.2重量%以上であることが好ましく、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上である。上記配合割合が0.2重量%未満であると、イオンを十分に除去することができないおそれがある。
工程(A)においては、上述したマイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させる工程を含む。
工程(A)において、マイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させる態様としては、限定はされないが、例えば、マイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂の存在下で攪拌する態様や、マイクロカプセル分散液をイオン交換樹脂を充填したフィルターに通過させる態様が挙げられる。
マイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂の存在下で攪拌する態様の場合、工程(A)において行うイオン交換樹脂の存在下での攪拌は、公知の各種攪拌手段のいずれを用いて行うようにしてもよく、限定はされない。上記攪拌に要する時間は、限定はされないが、例えば、1〜24時間が好ましく、より好ましくは2〜12時間である。
本発明の製造方法では、工程(A)において水系媒体中に存在させる電気泳動表示装置用マイクロカプセルは、その殻体表面にポリエチレングリコール鎖(以下、PEG鎖と称することがある。)が付加されたものであることが好ましい。詳しくは、水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させる前か、または、共存させる際に、上記PEG鎖の付加がなされていることが好ましい。本発明者は、上述したように水系媒体中においてイオン交換樹脂と電気泳動表示装置用マイクロカプセルを共存させると、該マイクロカプセルの分散性が低下し、二次凝集化する場合があるという知見を得た。マイクロカプセルが二次凝集化してしまうと、その後、バインダー等を加えて塗料化し電極基材表面に塗工する場合に、塗工できないか、または、塗工面にムラが生じ電極基材表面にマイクロカプセルを均一に配置できない原因となる。そこで、この二次凝集化を防止・抑制する手段として、上記イオン交換樹脂存在下での攪拌以前にマイクロカプセルの殻体表面にPEG鎖を付加しておくようにすることが有効であることを見出したのである。
上記PEG鎖は、エチレングリコール由来またはエチレンオキシド由来の繰り返し単位数nが、2〜50であるポリマー鎖であること好ましく、より好ましくは3〜40、さらに好ましくは4〜30である。上記繰り返し単位数nが2未満であると、二次凝集化の抑制効果が十分に得られないおそれがあり、50を超えると、付加したPEG鎖の部分が水系媒体に溶解しにくくなるおそれがある。
上記PEG鎖の付加は、具体的には、PEG鎖およびエポキシ基を併せて有する化合物(詳しくは、PEG鎖の一端または両端にエポキシ基を有する化合物)を用い、該化合物と前記マイクロカプセルとを水系媒体中で攪拌することによりなされることが好ましい。
該攪拌の際に用い得る水系媒体としては、工程(A)で用い得る水系媒体として前述したものと同様ものが好ましく適用できる。上記攪拌は、工程(A)に先立ち、別工程において行うようにしてもよいし、工程(A)において併せて行うようにしてもよく、限定はされない。
上記PEG鎖およびエポキシ基を併せて有する化合物の使用量については、二次凝集化を所望のレベルで抑制できるPEG鎖の付加量となるよう適宜設定すればよく、限定はされないが、例えば、電気泳動表示装置用マイクロカプセルに対し、固形分基準で、2〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。上記使用量が、2重量%未満であると、マイクロカプセルの二次凝集抑制効果が十分に得られないおそれがあり、50重量%を超えると、使用量に見合う上記効果が得られず非経済的となるおそれがある。
本発明の製造方法においては、一般に、工程(A)の後、イオン交換樹脂を除去する工程を行うようにする。具体的には、工程(A)の後、イオン交換樹脂の大きさ(粒径)よりも小さい目開きのふるいでろ過すればよい。
本発明の製造方法においては、マイクロカプセル化工程に続く操作として前述したように、必要に応じ、吸引ろ過や自然ろ過等を行うことで、電気泳動表示装置用マイクロカプセルを含む水系媒体を濃縮したり、該マイクロカプセルを水系媒体等から分離して単離したりすることができる。また、さらに粒度分布のシャープな電気泳動表示装置用マイクロカプセルを得るために分級(湿式分級等)する操作や、不純物を除去し、製品品質を向上させるため、得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセルを洗浄する操作を行うこともできる。
本発明の製造方法により得られる電気泳動表示装置用マイクロカプセルについて、以下に説明する。
本発明の製造方法により得られる電気泳動表示装置用マイクロカプセルは、マイクロカプセル全体中のイオン性物質の量が低減されたものであり、具体的には、マイクロカプセル全体中のナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオンおよび酢酸イオン等のイオンの量(合計量)が、200ppm以下であることが好ましく、より好ましくは150ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下である。上記イオン量が200ppmを超えると、該マイクロカプセルを用いた電気泳動表示装置を高温高湿条件下に放置した場合、コントラストが低下するおそれがある。
なかでも特に、ナトリウムイオンの量を低減させることが、上記コントラストの低下抑制効果をより一層高めることができ好ましく、具体的には、マイクロカプセル全体中において150ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは80ppm、特に好ましくは50ppm以下である。
また、従来、マイクロカプセルと接する表示電極にTFT電極が使用される電気泳動表示装置においては、イオン性物質がTFTの動作を阻害し、デバイスの正常な制御ができなくなるという問題があったが、上記のようにマイクロカプセル全体中のイオン量(特に、ナトリウムイオン量)を低減させた電気泳動表示装置用マイクロカプセルを用いるようにすれば、このような問題でも一挙に解決できるという効果が得られる。
なお、上記マイクロカプセル全体中のイオン量は、後述する実施例に記載の方法により測定される値であるとする。
電気泳動表示装置用マイクロカプセルの粒子径(体積平均粒子径)は、限定されないが、5〜300μmであることが好ましく、より好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは15〜150μmである。マイクロカプセルの粒子径が5μm未満である場合は、マイクロカプセルを電気泳動表示装置に用いた場合、表示部分において十分な表示濃度が得られないおそれがあり、300μmを超える場合は、マイクロカプセル自体の機械的強度に問題が生じるおそれがある他、マイクロカプセルを電気泳動表示装置に用いた場合、マイクロカプセル内に封入した分散液中の酸化チタン微粒子などの電気泳動特性が十分発揮されず、表示のための起動電圧も高くなるおそれがある。
電気泳動表示装置用マイクロカプセルの粒子径(体積平均粒子径)の変動係数は、30%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下である。上記変動係数が30%を超える場合は、電気泳動表示装置用のマイクロカプセルとして有効な粒子径を有するものの存在率が低下し、数多くのマイクロカプセルを用いる必要が生じるおそれがある。
電気泳動表示装置用マイクロカプセルの粒子径や、その変動係数(すなわち粒度分布のシャープさ)は、例えばコアセルベーション法等を用いる製造方法を適用した場合であれば、マイクロカプセル化工程において水系媒体に分散させた分散液の粒子径や粒度分布に大きく依存する。よって、分散条件を適宜制御して行うことにより、所望の粒子径やその変動係数を有するマイクロカプセルを得ることができる。
電気泳動表示装置用マイクロカプセルの殻体の厚みは、限定はされないが、湿潤状態で、0.1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜4μm、さらに好ましくは0.1〜3μmである。殻体の厚みが0.1μm未満であると、殻体としての十分な強度が得られないおそれがあり、5μmを超えると、透明性が低下しコントラストの低下の原因となるほか、マイクロカプセル自体の柔軟性が低下し、電極フィルムなどへの密着性が不十分となるおそれがある。
電気泳動表示装置用マイクロカプセルは、電気泳動表示装置が適用可能な各種表示デバイスのすべてに用いることができる。例えば、通常の電気泳動表示パネルのほか、紙のように薄く自在に湾曲させることのできるフレキシブルな表示デバイス、容易に大面積にでき且つ安価である表示デバイス、ペーパーライクディスプレイやリライタブルペーパー等のいわゆるデジタルペーパー(電子ペーパー)、ICカードやICタグ等での表示デバイス、電子ホワイトボード、案内板、公告板、電子新聞、電子ブック、および、携帯端末(例えばPDA)等が挙げられる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、「リットル」を単に「L」と記すことがある。また、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
<イオン量の測定>
以下の測定方法により、マイクロカプセル全体中のナトリウムイオン(Na)量について測定した。
測定方法の概略を下記1〜3に示す。
1.マイクロカプセル1gを超純水20gに入れ、超音波洗浄機(180W、42kHz)を用いて45分間超音波照射する。
2.超音波照射後の液を、目開き0.45μmのフィルターでろ過する。
3.ろ液中のナトリウムイオン量をICP発光分析装置を用いて測定する。
具体的には、50mLのプラスチック容器(製品名:PPバイアル PV−7、(株)相互理化学硝子製作所製)に、超純水20gとともに、予め乾燥させたマイクロカプセル1gを精秤して入れ、超音波洗浄機(製品名:Bronson5510、ヤマト科学社製、出力:180W、周波数:45kHz)を用いて45分間超音波照射し、イオンの抽出操作を行った。
超音波照射後、上記容器内の液を、フィルター(製品名:GLクロマトディスク 13I、倉敷紡績社製、目開き:0.45μm)でろ過し、フィルターを通過したろ液中のナトリウムイオン量(ppm)を、ICP発光分析装置(製品名:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometer、セイコー電子工業社製)を用いて測定した。
マイクロカプセル全体中のナトリウムイオン量(ppm)は、ろ液中のナトリウムイオン量(ppm)に、マイクロカプセルの希釈倍率(20倍(超純水20g/マイクロカプセル1g)とする)を乗じた値として求めた。
なお、ナトリウムイオン以外の各種イオンの量や、各種イオンの合計量について測定する場合も、上記ナトリウムイオンの測定方法と同様に、ICP発光分析装置を用いて行うことができる。
<塗工性の評価>
エチレンイミン変性アクリルエマルション(日本触媒社製、製品名:ポリメントSK−1000)200部とウレタンエマルション(第一工業製薬社製、製品名:スーパーフレックス107M)30.4部とを混合し、これに強塩基型陰イオン交換樹脂(三菱化学社製、製品名:ダイヤイオンTSA1200)4.6部および強酸型陽イオン交換樹脂(住友化学社製、製品名:デュオライトSC100)4.6部を添加し、室温で12時間攪拌した。攪拌後、100メッシュの金網でろ過し、バインダー分散液(固形分:36wt%)を得た。
得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセルの濃縮液10部(固形分)と、上記バインダー分散液1.1部(固形分)とを混合し、脱イオン水を適宜加えて固形分40wt%の塗料組成物を調製した。該塗料組成物中のマイクロカプセルの分散性(凝集が認められるか否か)について、光学顕微鏡を用いて観察した。
上記塗料組成物を、クリアランス100μmのドクターブレードを用いて、厚さ125μmのITO/PETフィルム(東レ社製、製品名:ハイビームNT02)に塗布するようにし、塗布できたものについては、室温で1時間乾燥させた後、90℃の熱風乾燥機中で20分間乾燥させた。乾燥後の塗膜表面の外観(均一であるかムラがあるか)について、目視により観察した。
上記塗料組成物の塗工性について、以下の基準により評価した。
◎:塗料組成物中にマイクロカプセルの凝集が無く、塗膜表面は均一である。
○:塗料組成物中にマイクロカプセルの凝集は無いが、塗膜表面に少しムラがある。
△:塗料組成物中にマイクロカプセルの凝集が少し有り、塗膜表面にも少しムラがある。
×:塗料組成物中にマイクロカプセルの凝集が多く有り、塗工できなかった。
<リーク電流量の測定>
上記塗工性の評価における説明と同様にして、電気泳動表示装置用マイクロカプセルを含む塗料組成物を得、該塗料組成物をITO付きPETフィルムに塗工して乾燥させ、電気泳動表示装置用シートを得た。
上記シートの塗工面に銅箔付きポリイミドフィルムを重ねて60℃で真空ラミネートし、電気泳動表示装置を作製した。
上記電気泳動表示装置を、23℃、65%RHの恒温恒湿室内に1時間放置した後、同温同湿環境下で、その両電極間(ITO−Cu間)にハイレジスタンスメーターを用いて10Vの電圧を2分間印加し、流れる電流量(リーク電流量)を測定した。
次に、この電気泳動表示体を、60℃、90%RHの恒温恒湿器内に2時間入れた(耐湿テスト)。その後、25℃、40%RHの恒温恒湿室内に1時間放置し、同温同湿環境下で、前述と同様にして両電極間に流れる電流量(リーク電流量)を測定した。
リーク電流量が50nA/cm以下である場合を、製品品質として合格と判断した。
参考例1〕
メタノール90部にアミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、製品名:KBM−903)0.5部を混合して均一に溶解させた後、25wt%アンモニア水0.5部を添加した。この溶液に、酸化チタン(石原産業社製、製品名:タイペークCR−90)50部を添加して攪拌しながら50℃に調温し、超音波分散処理を60分間行い、その後、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(味の素社製、製品名:プレンアクトKR−TTS)1.5部を追加して、同分散処理をさらに60分間行った。得られた分散液を遠心分離して沈降物を回収し、120℃で乾燥して、表面処理された酸化チタン粒子(p)を得た。
別途、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(味の素社製、製品名:プレンアクトKR−TTS)19部をドデシルベンゼン546部に添加し、空気を10mL/分、窒素を20mL/分でバブリングしながら、200℃で4.5時間加熱することにより、熱処理された分散剤溶液(d)を得た。
ドデシルベンゼン207部に、上記酸化チタン粒子(p)43部および上記分散剤溶液(d)61部を添加して50℃に調温し、超音波分散処理を30分間行い、その後、青色染料(中央合成化学社製、製品名:オイルブルーF)5部を添加して溶解させ、電気泳動表示装置用分散液(D)を得た。
予め、水180部に、アラビアゴム(和光純薬工業社製)24部およびゼラチン(和光純薬工業社製)8部を溶解させ43℃に調温しておき、この溶液に、同温度に調温した電気泳動表示装置用分散液(D)316部を、ディスパーで攪拌しながら添加して、該分散液(D)の懸濁液を得た。
得られた懸濁液に、温水799部およびウレタンエマルション(第一工業製薬社製、製品名:スーパーフレックス700)48部を添加し、次いで、10wt%酢酸水溶液20部を添加した後、10℃まで冷却してコアセルベーションさせた。該冷却後、37wt%ホルマリン水溶液10部および10wt%炭酸ナトリウム水溶液45部を添加し、室温まで昇温させ、90分間熟成させた。その後、アジリジン化合物(日本触媒社製、製品名:ケミタイトPZ−33)を添加し、50℃まで昇温させ、さらに60分間熟成させて、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の分散液を得た。
電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の分散液を、室温まで冷却した後、目開き106μmのふるいを用いて分級した。該ふるいを通過した分散液を分液漏斗に移し、これに脱イオン水1000部を添加して電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の洗浄を行い、6時間静置した後、分液漏斗内の下層を抜き取った。次いで、残った上層について上記分級および洗浄を同様に3回行い、最後に残った上層を分液漏斗から回収し、ろ紙を用いて吸引ろ過することで、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の濃縮液を得た。
この濃縮液を110℃の熱風で乾燥させて固形分を測定したところ、50wt%であった。また、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の粒子径を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場制作所社製、製品名:LA−910)で測定した結果、体積平均粒子径は70μmであった。
電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の濃縮液に、脱イオン水を適宜添加し、固形分25wt%となるように調整した。この調整液200部に、強塩基型陰イオン交換樹脂(三菱化学社製、製品名:ダイヤイオンTSA1200)2.5部および強酸型陽イオン交換樹脂(住友化学社製、製品名:デュオライトSC100)2.5部を添加し、室温で12時間攪拌した。
攪拌後、目開き300μmのふるいでろ過した。ろ液を、ろ紙を用いて吸引ろ過し、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M1)の濃縮液を得た。
得られた濃縮液を用い、前述した方法により、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M1)全体中のイオン量の測定、塗工性の評価、リーク電流の測定を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例
参考例1において得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の濃縮液に、脱イオン水を適宜添加し、固形分25wt%となるように調整した。この調整液200部に、10wt%ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、製品名:デナコールEX−841)水溶液50部を添加して50℃に調温し、90分間攪拌した後、室温まで冷却した。該冷却後、強塩基型陰イオン交換樹脂(三菱化学社製、製品名:ダイヤイオンTSA1200)2.5部および強酸型陽イオン交換樹脂(住友化学社製、製品名:デュオライトSC100)2.5部を添加し、室温で12時間攪拌した。
攪拌後、目開き300μmのふるいでろ過した。ろ液を、ろ紙を用いて吸引ろ過し、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M2)の濃縮液を得た。
得られた濃縮液を用い、前述した方法により、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M2)全体中のイオン量の測定、塗工性の評価、リーク電流の測定を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
参考例1において得られた電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)の濃縮液を用い、前述した方法により、電気泳動表示装置用マイクロカプセル(M)全体中のイオン量の測定、塗工性の評価、リーク電流の測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004676716
本発明の製造方法は、マイクロカプセル全体中のイオン量が低減された電気泳動表示装置用マイクロカプセルを容易に製造できる方法として好適である。

Claims (4)

  1. 電気泳動性微粒子と溶媒とが殻体に内包されてなるマイクロカプセルを水系媒体中においてイオン交換樹脂と共存させる工程を含前記マイクロカプセルはその殻体表面にポリエチレングリコール鎖が付加されたものであり、前記ポリエチレングリコール鎖の付加が、ポリエチレングリコール鎖およびエポキシ基を併せて有する化合物と前記マイクロカプセルとを水系媒体中で攪拌することによりなされている、電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法。
  2. 前記イオン交換樹脂として強酸型陽イオン交換樹脂と強塩基型陰イオン交換樹脂とが併用されている、請求項1に記載の電気泳動表示装置用マイクロカプセルの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得られ、その殻体表面に、ポリエチレングリコール鎖およびエポキシ基を併せて有する化合物に由来するポリエチレングリコール鎖が付加されている、電気泳動表示装置用マイクロカプセル。
  4. 請求項に記載のマイクロカプセルを備えてなる、電気泳動表示装置用シート。
JP2004153791A 2004-05-24 2004-05-24 電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途 Expired - Fee Related JP4676716B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004153791A JP4676716B2 (ja) 2004-05-24 2004-05-24 電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途
US11/123,157 US7265895B2 (en) 2004-05-24 2005-05-06 Microcapsule for electrophoretic display device, process for manufacturing the same and use thereof
KR1020050043021A KR100800913B1 (ko) 2004-05-24 2005-05-23 전기영동 표시 장치용 마이크로캡슐, 그의 제조 방법 및용도
CN200510073833A CN100595662C (zh) 2004-05-24 2005-05-24 电泳显示元件用微胶囊及其制备方法和用途
US11/509,585 US7251070B2 (en) 2004-05-24 2006-08-25 Microcapsule for electrophoretic display device, process for manufacturing the same and use thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004153791A JP4676716B2 (ja) 2004-05-24 2004-05-24 電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005338190A JP2005338190A (ja) 2005-12-08
JP2005338190A5 JP2005338190A5 (ja) 2007-03-29
JP4676716B2 true JP4676716B2 (ja) 2011-04-27

Family

ID=35491874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004153791A Expired - Fee Related JP4676716B2 (ja) 2004-05-24 2004-05-24 電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4676716B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007226059A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Pilot Corporation マイクロカプセル及びその製造法並びにそれを用いた表示媒体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0569502A (ja) * 1991-09-13 1993-03-23 Nok Corp マイクロカプセル層付着体
JPH10251645A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Toshiba Corp 液晶マイクロカプセルの精製方法及びその精製装置
JP2002099005A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Fujitsu Ltd 表示用回転粒子、その製造方法、及びシート型表示装置
JP2003202603A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Tdk Corp 電気泳動表示素子
JP2004138930A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Toyo Ink Mfg Co Ltd 電気泳動性粒子を内包するマイクロカプセルの製造方法
JP2006521588A (ja) * 2003-03-25 2006-09-21 イー−インク コーポレイション 電気泳動ディスプレーの製造プロセス

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0569502A (ja) * 1991-09-13 1993-03-23 Nok Corp マイクロカプセル層付着体
JPH10251645A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Toshiba Corp 液晶マイクロカプセルの精製方法及びその精製装置
JP2002099005A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Fujitsu Ltd 表示用回転粒子、その製造方法、及びシート型表示装置
JP2003202603A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Tdk Corp 電気泳動表示素子
JP2004138930A (ja) * 2002-10-21 2004-05-13 Toyo Ink Mfg Co Ltd 電気泳動性粒子を内包するマイクロカプセルの製造方法
JP2006521588A (ja) * 2003-03-25 2006-09-21 イー−インク コーポレイション 電気泳動ディスプレーの製造プロセス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005338190A (ja) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100800913B1 (ko) 전기영동 표시 장치용 마이크로캡슐, 그의 제조 방법 및용도
JP5421965B2 (ja) 電気泳動粒子
US8003025B2 (en) Microcapsule composition for electrophoretic displays
CN100595662C (zh) 电泳显示元件用微胶囊及其制备方法和用途
KR20060101310A (ko) 마이크로캡슐의 제조 방법
JP4406400B2 (ja) マイクロカプセルおよびその用途
JP4676716B2 (ja) 電気泳動表示装置用マイクロカプセル、その製造方法およびその用途
CN1299159C (zh) 一种微胶囊的制备方法
JP4209268B2 (ja) 電気泳動表示装置用マイクロカプセル組成物とその製造方法、電気泳動表示装置用マイクロカプセルの取り扱い方法、電気泳動表示装置用シートとその製造方法および電気泳動表示装置とその製造方法
JP4229646B2 (ja) 電気泳動表示装置用分散液の製造方法および分散液の用途
JP4428032B2 (ja) 電気泳動表示媒体用表示液
JP2004267877A (ja) マイクロカプセルの製造方法
JPS6346274A (ja) 導電性塗料
JP2005345738A (ja) 電気泳動表示装置用シート
WO2004049053A1 (ja) 電気泳動表示媒体用表示液
JP4503030B2 (ja) 電気泳動表示装置用マイクロカプセルの保存方法
KR20100028906A (ko) 전기영동 디스플레이용 대전입자의 제조방법
WO2001027166A1 (fr) Emulsion de fines particules colorees
JP2011173055A (ja) カプセル化物の油性分散液の製造方法、カプセル化物の油性分散液
JP2004037592A (ja) 電気泳動表示媒体用表示液

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees