JP2004271325A - 電子制御式機械時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚みを確実に小さくでき、かつ発電効率を良好に維持できる電子制御式機械時計を提供すること。
【解決手段】発電機30と平面的に重ならない位置に一番伝え車53を配置するとともに、この一番伝え車53の偏心軸部53Aに爪レバー54を係合させた。従って、爪レバー54がムーブメントの中心から外れることになるので、爪レバー54を二番車2や、四番車4等など、中心にある部材に影響されずに一番伝え車53の内側(地板23側)に設けることができ、爪レバー54の厚み分だけ電子制御式機械時計1の厚みを確実に小さくできる。爪レバー54も発電機30と平面的に重ならないため、爪レバー54が内側に入り込んでも、発電機30のロータ31やコイル33からの漏れ磁束が多くなる心配がなく、発電性能や耐磁性能を良好に維持できる。
【選択図】 図1
【解決手段】発電機30と平面的に重ならない位置に一番伝え車53を配置するとともに、この一番伝え車53の偏心軸部53Aに爪レバー54を係合させた。従って、爪レバー54がムーブメントの中心から外れることになるので、爪レバー54を二番車2や、四番車4等など、中心にある部材に影響されずに一番伝え車53の内側(地板23側)に設けることができ、爪レバー54の厚み分だけ電子制御式機械時計1の厚みを確実に小さくできる。爪レバー54も発電機30と平面的に重ならないため、爪レバー54が内側に入り込んでも、発電機30のロータ31やコイル33からの漏れ磁束が多くなる心配がなく、発電性能や耐磁性能を良好に維持できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御式機械時計に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、ぜんまい等の機械的エネルギ蓄積手段からの機械的エネルギにより輪列を駆動するとともに、この輪列からの回転を受けて回転する発電機に電力を生じさせ、この電力により駆動される電子回路によって前記発電機の回転周期を制御することで、前記輪列を調速する電子制御式機械時計の開発が進められている。
このような電子制御式機械時計のムーブメントでは、ぜんまいを巻き上げて機械エネルギを入力する機構として、巻真を操作して行う手動入力機構と、回転錘の回転による自動入力機構とが併用されることがある。
各入力機構のうち、自動入力機構は、ムーブメントの中心を軸中心とする前記回転錘と、この回転錘の回転中心に対して偏心して設けられた偏心軸部に係合される爪レバー(レバー部材)と、この爪レバーによって一方向に回転する伝え車とを備えた構成であり、伝え車と噛み合う角穴車を回転させてぜんまいを巻き上げる(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−166067号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に記載された電子制御式機械時計において、そのムーブメントの中心には、二番車の他、秒針が取り付けられる四番車や、分針が取り付けられる筒かな、時針が取り付けられる筒車など、多数の部品が同心上に設けられているうえ、さらに、回転錘用の偏心軸部および爪レバーが設けられているため、ムーブメントの厚み、ひいては時計全体の厚みが格段に大きくなるという問題がある。
また、電子制御式機械時計では、厚みを小さくする目的で部品間の距離を近づけると、発電機回りでは漏れ磁束が大きくなって発電効率が低下するため、安易に部品間距離を近づけることができない。
【0005】
本発明の目的は、厚みを確実に小さくでき、かつ発電効率を良好に維持できる電子制御式機械時計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子制御式機械時計は、機械的エネルギ蓄積手段からの機械的エネルギにより輪列を駆動するとともに、この輪列からの回転を受けて回転する発電機に電力を生じさせ、この電力により駆動される電子回路によって前記発電機の回転周期を制御することで、前記輪列を調速する電子制御式機械時計において、回転錘と、この回転錘の回転をレバー部材まで伝達する二つ以上の回転錘側伝え車と、これらの回転錘側伝え車の一つに設けられた偏心軸部に係合する前記レバー部材と、このレバー部材の係脱により一方向に回転するとともに、前記機械的エネルギ蓄積手段へのエネルギ伝達を行う蓄積手段側伝え車とで自動入力機構が構成され、この自動入力機構での前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車およびレバー部材は、前記発電機と平面的に重ならない位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
このような本発明においては、従来と異なって回転錘に偏心軸部が設けられるのではなく、この回転錘の回転が伝達される二つ以上(複数)の回転錘側伝え車の一つに偏心軸部が設けられ、この偏心軸部にレバー部材が係合するので、当該回転錘側伝え車は回転錘の回転中心、すなわちムーブメントの中心から外れることになり、これらの一つに設けられた偏心軸部に係合するレバー部材もまた、ムーブメントの中心に存在しないことになる。従って、レバー部材を回転錘側伝え車に対して内側(地板側)に設ける等することにより、レバー部材の厚み分だけ時計の厚みが確実に小さくなる。
また、これらの回転錘側伝え車は、発電機と平面的に重ならない位置に設けられるため、レバー部材が内側に入り込んでも、発電機の漏れ磁束が多くなる心配がなく、発電効率が良好に維持される。
【0008】
本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車の一つに設けられた偏心軸部は、前記発電機と平面的に重ならない位置に配置されていることが望ましい。
このような本発明によれば、歯車部分に比べて厚みが大きくなるその偏心軸部が発電機と重ならないので、ムーブメントの薄型化がより確実に促進される。
【0009】
本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車は、前記機械的エネルギ蓄積手段と平面的に重ならない位置に配置されていることが望ましい。
このような本発明によれば、時計の厚みが確実に小さくなるうえ、レバー部材の長期にわたる偏心駆動においても、摩耗粉などが機械的エネルギ蓄積手段に対して悪さするおそれがなく、耐久性が向上する。
【0010】
本発明の電子制御式機械時計では、前記輪列は、前記回転錘と同心上に配置されて前記機械的エネルギ蓄積手段と噛合する二番車と、この二番車と噛合する三番車とを備え、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記三番車と平面的に重なる位置に配置されていることが好ましい。
部品の重なりをなくして時計の薄型を促進しようとすると、各部品の配置が平面的に拡がってムーブメント(時計)が径方向に大きくなってしまう可能性があるが、本発明では、輪列を構成する三番車に回転錘側伝え車やレバー部材を積極的に重ねてその拡がりを防止している。この際、長期使用においては、レバー部材の偏心駆動による摩耗粉が三番車とこれに噛合する番車との間に入り込む等により、三番車の停止が懸念されるのであるが、三番車は機械的エネルギ蓄積手段からのエネルギが二番車のみを介して伝達されるために、比較的高トルクで回転しており、摩耗粉等が入り込んでも回転が停止する可能性は低い。
【0011】
この際、本発明の電子制御式機械時計では、前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車の回転中心は、前記輪列と平面的に重ならない位置に配置されていることが好ましい。
このような本発明によれば、回転錘側伝え車の回転中心を輪列と重ねないことにより、回転錘側伝え車の案内軸を長くできるため、回転錘側伝え車の部品バラツキ等による傾きが防止され、回転およびレバー部材の駆動がスムーズになる。
【0012】
本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記電子回路が形成された回路形成部材に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されていることが望ましい。
時計によっては、裏蓋として透明な部材を用い、内部のムーブメントを視認できるようにしたタイプのものがある。しかし、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムを用いた回路形成部材が番車や輪列受けなどの金属部材間から覗いて見えると、時計としての高級感が損なわれる。これに対して本発明では、そのような回路形成部材が回転錘側伝え車やレバー部材で隠れるようになるから、極端に高級感が損なわれることがない。
【0013】
そして、本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記電子回路に組み込まれた集積回路素子に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されていることが好ましい。
回路形成部材に実装された素子の中でもIC等の集積回路素子が露出していると、外光(紫外線)に影響されて誤動作が生じる可能性がある。しかし、本発明では、そのような集積回路素子を回転錘側伝え車やレバー部材で隠すので、外光による影響が少なく、誤動作が確実に防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る電子制御式機械時計1に用いられるムーブメントの概略を示す平面図、図2は、そのムーブメントの一部を示す断面図、図3は、他の一部を示す断面図である。
【0015】
図1ないし図3において、電子制御式機械時計1は、ぜんまい10(機械的エネルギ蓄積手段:図2)を機械的エネルギ源として輪列20を駆動するとともに、輪列20からの回転を受けて回転する発電機30に電力を生じさせ、この電力により駆動される図示しない電子回路によって発電機30の回転周期を制御することで、輪列20に制動をかけて調速するように構成され、ぜんまい10を手動で巻き上げて機械的エネルギを入力する手動入力機構40と、自動で巻き上げて入力する自動入力機構50とを備えている。
【0016】
ぜんまい10は、香箱歯車11および香箱蓋12とを備えた香箱13内に収容され、内端側が香箱真14に、外端が香箱歯車11の内周面にそれぞれ固定されている。また、香箱真14には角穴車15が取り付けられており、角穴車15を手動入力機構40または自動入力機構50によって一方向に回転させることにより、香箱真14が回転してぜんまい10が巻き上がる。反対に、ぜんまい10は、その外端側から巻き戻る(解ける)ことで、香箱歯車11を回転させ、これに噛み合う輪列20を駆動し、発電機30で電力を生じさせる。
【0017】
輪列20は、香箱歯車11に噛み合った二番車2と、以下順に増速するように噛み合った三番車3と、四番車4と、五番車5と、六番車6とを備えている。二番車2の筒かな2Aには分針(不図示)が取り付けられ、四番車4には秒針(不図示)が取り付けられ、筒かな2Aの回転が日の裏車21を介して伝達される筒車22には時針(不図示)が取り付けられる。二番車2は、図2、図3中の下端が地板23に、上端が二番受け24に軸支されている。三番車3、五番車5、および六番車6は、下端のほぞ部分が地板23に、上端のほぞ部分が輪列受け25に軸支されている。四番車4は、四番かな4Aが二番受け24に、上端のほぞ部分が中心ピン26を介して輪列受け25に軸支されている。
【0018】
発電機30は、輪列20の六番車6と噛み合うロータ31と、このロータ31の永久磁石31Aの磁束を鎖交させる磁気回路形成用のステータ32と、ステータ32を構成する一対のステータ材32Aにそれぞれ巻線され、かつ永久磁石31Aが回転することで生じるステータ材32Aでの磁束変化を電力に変換する一対のコイル33とを備えている。このコイル33には、水晶振動子81およびICを含む運針制御用の電子回路が形成された回路ブロック(回路形成部材)80が電気的に接続されており、発電機30によって発電された電力で当該電子回路を駆動し、ロータ31に制動をかけて輪列20を調速し、運針制御を行っている。なお、ロータ31は、一体に回転する慣性板31Bを備え、ステータ32に形成されたロータ収容穴32B内に配置されている。回路ブロック80は、ポリイミドフィルム等の樹脂製フィルムを用いたFPC(Flexible Printed Circuit)である。
【0019】
手動入力機構40は、巻真41を用いてぜんまい10を巻上げ可能に構成されている。具体的に、巻真41にはこれと一体に回転するつづみ車42(図1では不図示)が貫挿されており、巻真41が引き出されていない通常の状態では、巻真41の回転がつづみ車42に伝達され、つづみ車42から巻真41に同様に貫挿されたきち車43に伝達される。きち車43の回転は、丸穴車44を介して伝え中間車45に伝達され、伝え車60(蓄積手段側伝え車)の伝えかな60Aを介して角穴車15に伝達され、ぜんまい10を巻き上げる。そして、巻真41から伝え中間車45までを含んで手動入力機構40を形成している。
【0020】
ここで、丸穴車44、伝え中間車45、および伝え車60は、伝え受け61に軸支され、角穴車15が取り付けられた香箱真14の一端側(図2、図5中の上端側)は、輪列受け25に軸支されている。また、丸穴車44は、伝え受け61の図中下側できち車43と噛み合う丸穴本体車44Aと、伝え受け61の図中上側で伝え中間車45と噛み合う丸穴中間車44Bとで構成され、巻真41からの回転を伝え受け61の下側から上側に出力している。これにより、その回転は、伝え受け61の上側で回転する丸穴本体車44A、伝え中間車45、伝え車60、および角穴車15を伝うことになる。すなわち、巻真41の回転は、断面視した場合に、伝え受け61に沿って略同一高さ位置に配置された車44,45,60,15によって伝達されることになる。
【0021】
さらに、各車44,45,60,15の上方では回転錘51が回転可能に配置されている、この回転錘51側からの平面視では、図1に示すように、伝え中間車45は、巻真41の左側に配置されて丸穴車44と噛み合っており、また、伝え車60およびぜんまい10(角穴車15)も巻真41よりも左側に配置されている。これにより、巻真41を一般の機械時計と同様、右側に回転させることでぜんまい10を巻き上げることが可能である。なお、つづみ車42およびきち車43の互いの噛み合い歯によりラチェット機構が形成されており、巻真41を左側に回転させると、つづみ車42がかんぬき46(図2)の付勢力に抗してきち車43から外れるとともに、つづみ車42が左側に空回りし、その回転がきち車43に伝達されることはない。
【0022】
一方、自動入力機構50は、前記回転錘51と、回転錘51と一体に同心上で回転する回転錘歯車(回転錘側伝え車)52と、回転錘歯車52に噛み合って回転する鉄系材料製の一番伝え車(回転錘側伝え車)53と、一番伝え車53の回転に連動して偏心駆動され、これにより伝え車60側に進退運動する鉄系材料製の爪レバー(レバー部材)54とを備えている。この爪レバー54は、爪レバー本体55と、この爪レバー本体55から延長された弾性変形可能な引き爪56および押し爪57とを備え、一番伝え車53に対して地板23側に設けられている。図3において、爪レバー本体55には案内穴55Aが設けられ、この案内穴55Aには一番伝え車53の偏心軸部53Aが嵌合されている。一番伝え車53が回転すると、偏心した偏心軸部53Aも回転し、これに係合した爪レバー本体55が伝え車60に対して進退運動する。引き爪56および押し爪57は、爪レバー本体55が往復動すると、それらの先端が伝え車60の径方向に対向した歯に交互に係脱する。
【0023】
また、爪レバー本体55が伝え車60に対して後退する際には、引き爪56が伝え車60に係合し、この状態で伝え車60の一歯を引く。このとき、押し爪57は伝え車60との係合が外れている。爪レバー本体55が伝え車60に対して前進する際には、押し爪57が伝え車60に係合し、この状態で伝え車60の一歯を押す。以上の動作を交互に繰り返すことにより、伝え車60を一方向に間欠的に回転させ、角穴車15を介してぜんまい10を巻き上げる。
【0024】
なお、手動入力機構40の巻真41の操作によって伝え車60が回転しているときには、ここでもラチェット機構の原理により、伝え車60から引き爪56および押し爪57が交互に弾性変形して外れ、巻真41の操作で一番伝え車53や回転錘51(回転錘歯車52)が回転することはない。
同様に、自動入力機構50によって伝え車60を回転させているときにおいては、手動入力機構40の伝え中間車45と伝え車60(かな60A)との噛み合いを外す噛脱手段70が作動し、巻真41側が回転しないようになっている。
【0025】
この噛脱手段70は、詳細な説明を省略するが、概ね伝え中間車45の中央に設けられた丸穴71と、この丸穴71に遊嵌状態で嵌合された断面凸レンズ状(一眼状)の伝え中間軸72と、伝え中間車45を軸方向に沿って伝え受け61側に押圧保持する皿ばね状の保持部材73とで構成されており、自動入力機構50によって伝え車60が回転すると、丸穴71と伝え中間軸72との間に形成された三日月状の隙間により、伝え中間車45と伝え車60との噛み合いが自動的に外れ、伝え車60の回転は伝え中間車45に伝達されないばかりか、これよりも巻真41側の丸穴車44およびきち車43にも伝達されず、これらを回転させずにすむようになっている。
【0026】
ところで、自動入力機構50においては、爪レバー54を係合させる偏心軸部35Aがムーブメントの中心にある回転錘51に設けられておらず、中心から外れた一番伝え車53に設けられている。そして、爪レバー54が一番伝え車53の地板23側に設けられることで、電子制御式機械時計1の薄型化を図っている。この際、電子制御式機械時計1の薄型化を図るにあたっては、発電機30の特にロータ31と他の金属部材とが軸方向に近接し過ぎると、ロータ31やコイル33から金属部材へ漏れ磁束が生じ、発電機30での発電性能や対磁性能が低下するが、本実施形態では、一番伝え車53は、電子制御式機械時計1の平面視において、発電機30と平面的に重ならない位置、具体的には、輪列20を挟んで発電機30とは反対の位置に配置されており、地板23側に設けられた爪レバー54が発電機30に近づかないようになっている。また、一番伝え車53においては、その全体が発電機30と重なっていないため、一番伝え車53に設けられた偏心軸部53Aや、これに係合した爪レバー54も発電機30と全く重なっていない。
【0027】
さらに、一番伝え車53は、香箱13(ぜんまい10)に対しても、平面的に重ならない位置に配置されている。爪レバー54は、偏心駆動されることにより長期使用において摩耗を生じる。摩耗時の摩耗粉は、摩耗部分から離脱すると周囲に飛散して悪さする可能性があり、従来では香箱13内に入り込んでぜんまい10の耐久性を低下させる可能性があった。しかし、本実施形態では、爪レバー54が設けられた一番伝え車53が、ぜんまい10と平面的に重ならない位置に配置されているので、爪レバー54の摩耗部も香箱13から離間しており、長期に渡って使用しても、摩耗粉が香箱13内に入り込まないようになっている。
【0028】
反対に一番伝え車53は、輪列20の中でも特に三番車3にのみ重なっている。電子制御式機械時計1の薄型化には、一番伝え車53を輪列20に対しても平面的に重ねないことが有効であるが、これでは、一番伝え車53の配置位置が径方向の外側に設定され、電子制御式機械時計1の径寸法が大きくなって体裁が悪い。従って、径寸法が大きくなるのを防止するためには、輪列20を構成するいずれかの歯車に一番伝え車53を平面的に重ねることが要求される。しかし、この場合では、長期使用によって生じる爪レバー54からの摩耗粉が輪列20の歯車間に入り込み、歯車を停止させるおそれがある。これに対して本実施形態では、輪列20の中でも三番車3が香箱歯車11側に近い歯車であり、二番車2に次いで高トルクで回転する歯車であることに着目し、多少の摩耗粉にも影響されずに回転する三番車3に一番伝え車53を重ねた構成にしてある。ただし、一番伝え車53の回転中心は、輪列20(を構成する例えば三番車3)と重なっておらず、これにより一番伝え車53の案内軸(回転軸の端部側)を、ムーブメントの厚みが大きくならない範囲で長くすることが可能になっている。
【0029】
また、一番伝え車53は、回路ブロック80の一部や、回路ブロック80に実装されたIC82のほぼ全体を覆うように重なっている。IC82は合成樹脂等によってモールドされ、外光(紫外線)による誤動作や劣化を防止しているが、本実施形態では、このようなIC82をさらに一番伝え車53で覆い、外光がさらに当たらないようにしている。つまり、図示しない裏蓋として、透光性を有する部材が用いられた場合でも、外光がIC82に当たるのを防止し、電子制御式機械時計1の制御が外光に影響されずに良好に行われるようになっている。そして、モールドされたIC82、および樹脂フィルムを用いた回路ブロック80の一部が裏蓋を通して露出することがなく、主に金属部材を露出させることで高級感を出している。
【0030】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、従来と異なって爪レバー54を係合させる偏心軸部53Aは回転錘51に設けられているのではなく、この回転錘51の回転が伝達される一番伝え車53に設けられているため、当該一番伝え車53を回転錘51の回転中心、すなわちムーブメントの中心から外すことができ、この一番伝え車53の偏心軸部53Aや爪レバー54もムーブメントの中心から外すことができる。従って、爪レバー54を二番車2や、四番車4等など、中心にある部材に影響されずに一番伝え車53の内側(地板23側)に設けることができ、爪レバー54の厚み分だけ電子制御式機械時計1の厚みを確実に小さくできる。
【0031】
(2)この際、歯車部分に比べて厚みが大きいその偏心軸部53Aが発電機30と重ならないので、ムーブメントの薄型化をより確実に促進できる。換言すれば、ムーブメントの厚みを厚くせずに偏心軸部53Aの厚みのみを比較的厚くできる。従って、爪レバー54を安定した状態で良好に偏心駆動されることができ、信頼性も向上させることができる。
【0032】
(3)また、この一番伝え車53すなわち爪レバー54は、中心から外れることで発電機30と平面的に重ならない位置に設けられているため、爪レバー54が内側に入り込んでも、発電機30のロータ31やコイル33からの漏れ磁束が多くなる心配がなく、発電性能や耐磁性能を良好に維持できる。
さらに、一番伝え車53を設けることで、外部磁界が加わったときに磁束を自動入力機構50に流し易くでき、この点でも耐磁性能を向上させることができる。
【0033】
(4)また、爪レバー54が発電機30から離間しているために、長期使用における爪レバー54からの摩耗粉がロータ31およびロータ収容穴32B間の隙間に入り込む心配がなく、ロータ31が停止するのを防止できる。
そして、電子制御式機械時計1の落下等により衝撃が加わった場合でも、一番伝え車53によって衝撃力が減衰するので、大きな衝撃力が爪レバー54に伝わらないようにでき、自動入力機構50の破損等を有効に防止できる。
さらに、一番伝え車53を設けることにより、自動入力機構50の減速比設定を多様化できるため、ぜんまい10の大きさや、回転錘51の大きさ等を勘案した最良の減速比を設定できる。
【0034】
(5)一番伝え車53は、ぜんまい10と平面的に重ならない位置に配置されているから、電子制御式機械時計1の厚みを確実に小さくできるうえ、爪レバー54の長期に渡る偏心駆動においても、摩耗粉などが香箱13内に入り込んでぜんまい10に悪さするおそれがなく、耐久性を向上せることができる。
【0035】
(6)一番伝え車53は、輪列20の中の三番車3に平面的に重なっているため、当該一番伝え車53が輪列20から平面的に離れて配置されることがなく、電子制御式機械時計1の径寸法が極端に大きくなるのを防止できる。また、三番車3は、ぜんまい10からのエネルギが二番車2のみを介して伝達されるために、比較的高トルクで回転しているから、この三番車3と一番伝え車53が重なることで、三番車3とこれに噛合する例えば二番車2との間に爪レバー54からの摩耗粉等が入り込んでも、二番車2および三番車3を良好に回転させることができ、輪列20が停止する心配はない。
【0036】
(7)そして、一番伝え車53の回転中心が輪列20と重なっていないので、一番伝え車53の案内軸を長くできる。これにより、一番伝え車53の部品バラツキ等による傾きを防止でき、その回転および爪レバー54の駆動をスムーズに行える。
【0037】
(8)一番伝え車53は、電子回路に組み込まれたIC82に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されているので、裏蓋として透明な部材を用い、内部のムーブメントを視認できるようにしたタイプでも、IC82に外光が当たるのを防止でき、誤動作を確実に防止できる。また、樹脂モールドされたIC82、および樹脂フィルムを用いた回路ブロック80の一部を隠すことで裏蓋側からの見栄えを良好にでき、主に金属製の部材を露出させて高級感を付与できる。
【0038】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、本発明は回転錘歯車52や一番伝え車53などの回転錘側伝え車を複数配置するとともに、少なくとも偏心軸部53Aが設けられた一番伝え車53を発電機30とは平面的に重ならない位置に配置すればよいから、回転錘歯車52が発電機30と重なっている場合でも、本発明に含まれる。また、当該一番伝え車53をぜんまい10と重なるように配置したり、反対にIC82や三番車3と重ならない位置に配置した場合でも、本発明に含まれる。
【0039】
さらに、本発明に係る回転錘側伝え車としては、前記実施形態の回転錘歯車52および一番伝え車53の二つに限定されず、二番伝え車や三番伝え車など、二つ以上配置されていればよい。そして通常は、複数の回転錘側伝え車のうち、最終段に配置された回転錘側伝え車に爪レバー54が設けられることになる。また、蓄積手段側伝え車としても、伝え車60一つに限定されず、伝え車60と角穴車15との間に他の蓄積手段側伝え車を配置した場合も、本発明に含まれる。
【0040】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子制御式機械時計のムーブメントの概略を示す平面図。
【図2】前記ムーブメントの一部を示す断面図。
【図3】前記ムーブメントの他の一部を示す断面図。
【符号の説明】
1…電子制御式機械時計、2…二番車、3…三番車、10…ぜんまい(機械的エネルギ蓄積手段)、20…輪列、30…発電機、50…自動入力機構、51…回転錘、52…回転錘歯車(回転錘側伝え車)、53…一番伝え車(回転錘側伝え車)、53A…偏心軸部、54…爪レバー(レバー部材)、60…伝え車(蓄積手段側伝え車)、80…回路ブロック(回路形成部材)、82…IC(集積回路素子)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御式機械時計に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、ぜんまい等の機械的エネルギ蓄積手段からの機械的エネルギにより輪列を駆動するとともに、この輪列からの回転を受けて回転する発電機に電力を生じさせ、この電力により駆動される電子回路によって前記発電機の回転周期を制御することで、前記輪列を調速する電子制御式機械時計の開発が進められている。
このような電子制御式機械時計のムーブメントでは、ぜんまいを巻き上げて機械エネルギを入力する機構として、巻真を操作して行う手動入力機構と、回転錘の回転による自動入力機構とが併用されることがある。
各入力機構のうち、自動入力機構は、ムーブメントの中心を軸中心とする前記回転錘と、この回転錘の回転中心に対して偏心して設けられた偏心軸部に係合される爪レバー(レバー部材)と、この爪レバーによって一方向に回転する伝え車とを備えた構成であり、伝え車と噛み合う角穴車を回転させてぜんまいを巻き上げる(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−166067号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に記載された電子制御式機械時計において、そのムーブメントの中心には、二番車の他、秒針が取り付けられる四番車や、分針が取り付けられる筒かな、時針が取り付けられる筒車など、多数の部品が同心上に設けられているうえ、さらに、回転錘用の偏心軸部および爪レバーが設けられているため、ムーブメントの厚み、ひいては時計全体の厚みが格段に大きくなるという問題がある。
また、電子制御式機械時計では、厚みを小さくする目的で部品間の距離を近づけると、発電機回りでは漏れ磁束が大きくなって発電効率が低下するため、安易に部品間距離を近づけることができない。
【0005】
本発明の目的は、厚みを確実に小さくでき、かつ発電効率を良好に維持できる電子制御式機械時計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子制御式機械時計は、機械的エネルギ蓄積手段からの機械的エネルギにより輪列を駆動するとともに、この輪列からの回転を受けて回転する発電機に電力を生じさせ、この電力により駆動される電子回路によって前記発電機の回転周期を制御することで、前記輪列を調速する電子制御式機械時計において、回転錘と、この回転錘の回転をレバー部材まで伝達する二つ以上の回転錘側伝え車と、これらの回転錘側伝え車の一つに設けられた偏心軸部に係合する前記レバー部材と、このレバー部材の係脱により一方向に回転するとともに、前記機械的エネルギ蓄積手段へのエネルギ伝達を行う蓄積手段側伝え車とで自動入力機構が構成され、この自動入力機構での前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車およびレバー部材は、前記発電機と平面的に重ならない位置に配置されていることを特徴とする。
【0007】
このような本発明においては、従来と異なって回転錘に偏心軸部が設けられるのではなく、この回転錘の回転が伝達される二つ以上(複数)の回転錘側伝え車の一つに偏心軸部が設けられ、この偏心軸部にレバー部材が係合するので、当該回転錘側伝え車は回転錘の回転中心、すなわちムーブメントの中心から外れることになり、これらの一つに設けられた偏心軸部に係合するレバー部材もまた、ムーブメントの中心に存在しないことになる。従って、レバー部材を回転錘側伝え車に対して内側(地板側)に設ける等することにより、レバー部材の厚み分だけ時計の厚みが確実に小さくなる。
また、これらの回転錘側伝え車は、発電機と平面的に重ならない位置に設けられるため、レバー部材が内側に入り込んでも、発電機の漏れ磁束が多くなる心配がなく、発電効率が良好に維持される。
【0008】
本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車の一つに設けられた偏心軸部は、前記発電機と平面的に重ならない位置に配置されていることが望ましい。
このような本発明によれば、歯車部分に比べて厚みが大きくなるその偏心軸部が発電機と重ならないので、ムーブメントの薄型化がより確実に促進される。
【0009】
本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車は、前記機械的エネルギ蓄積手段と平面的に重ならない位置に配置されていることが望ましい。
このような本発明によれば、時計の厚みが確実に小さくなるうえ、レバー部材の長期にわたる偏心駆動においても、摩耗粉などが機械的エネルギ蓄積手段に対して悪さするおそれがなく、耐久性が向上する。
【0010】
本発明の電子制御式機械時計では、前記輪列は、前記回転錘と同心上に配置されて前記機械的エネルギ蓄積手段と噛合する二番車と、この二番車と噛合する三番車とを備え、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記三番車と平面的に重なる位置に配置されていることが好ましい。
部品の重なりをなくして時計の薄型を促進しようとすると、各部品の配置が平面的に拡がってムーブメント(時計)が径方向に大きくなってしまう可能性があるが、本発明では、輪列を構成する三番車に回転錘側伝え車やレバー部材を積極的に重ねてその拡がりを防止している。この際、長期使用においては、レバー部材の偏心駆動による摩耗粉が三番車とこれに噛合する番車との間に入り込む等により、三番車の停止が懸念されるのであるが、三番車は機械的エネルギ蓄積手段からのエネルギが二番車のみを介して伝達されるために、比較的高トルクで回転しており、摩耗粉等が入り込んでも回転が停止する可能性は低い。
【0011】
この際、本発明の電子制御式機械時計では、前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車の回転中心は、前記輪列と平面的に重ならない位置に配置されていることが好ましい。
このような本発明によれば、回転錘側伝え車の回転中心を輪列と重ねないことにより、回転錘側伝え車の案内軸を長くできるため、回転錘側伝え車の部品バラツキ等による傾きが防止され、回転およびレバー部材の駆動がスムーズになる。
【0012】
本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記電子回路が形成された回路形成部材に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されていることが望ましい。
時計によっては、裏蓋として透明な部材を用い、内部のムーブメントを視認できるようにしたタイプのものがある。しかし、ポリイミドフィルム等の樹脂フィルムを用いた回路形成部材が番車や輪列受けなどの金属部材間から覗いて見えると、時計としての高級感が損なわれる。これに対して本発明では、そのような回路形成部材が回転錘側伝え車やレバー部材で隠れるようになるから、極端に高級感が損なわれることがない。
【0013】
そして、本発明の電子制御式機械時計では、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記電子回路に組み込まれた集積回路素子に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されていることが好ましい。
回路形成部材に実装された素子の中でもIC等の集積回路素子が露出していると、外光(紫外線)に影響されて誤動作が生じる可能性がある。しかし、本発明では、そのような集積回路素子を回転錘側伝え車やレバー部材で隠すので、外光による影響が少なく、誤動作が確実に防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る電子制御式機械時計1に用いられるムーブメントの概略を示す平面図、図2は、そのムーブメントの一部を示す断面図、図3は、他の一部を示す断面図である。
【0015】
図1ないし図3において、電子制御式機械時計1は、ぜんまい10(機械的エネルギ蓄積手段:図2)を機械的エネルギ源として輪列20を駆動するとともに、輪列20からの回転を受けて回転する発電機30に電力を生じさせ、この電力により駆動される図示しない電子回路によって発電機30の回転周期を制御することで、輪列20に制動をかけて調速するように構成され、ぜんまい10を手動で巻き上げて機械的エネルギを入力する手動入力機構40と、自動で巻き上げて入力する自動入力機構50とを備えている。
【0016】
ぜんまい10は、香箱歯車11および香箱蓋12とを備えた香箱13内に収容され、内端側が香箱真14に、外端が香箱歯車11の内周面にそれぞれ固定されている。また、香箱真14には角穴車15が取り付けられており、角穴車15を手動入力機構40または自動入力機構50によって一方向に回転させることにより、香箱真14が回転してぜんまい10が巻き上がる。反対に、ぜんまい10は、その外端側から巻き戻る(解ける)ことで、香箱歯車11を回転させ、これに噛み合う輪列20を駆動し、発電機30で電力を生じさせる。
【0017】
輪列20は、香箱歯車11に噛み合った二番車2と、以下順に増速するように噛み合った三番車3と、四番車4と、五番車5と、六番車6とを備えている。二番車2の筒かな2Aには分針(不図示)が取り付けられ、四番車4には秒針(不図示)が取り付けられ、筒かな2Aの回転が日の裏車21を介して伝達される筒車22には時針(不図示)が取り付けられる。二番車2は、図2、図3中の下端が地板23に、上端が二番受け24に軸支されている。三番車3、五番車5、および六番車6は、下端のほぞ部分が地板23に、上端のほぞ部分が輪列受け25に軸支されている。四番車4は、四番かな4Aが二番受け24に、上端のほぞ部分が中心ピン26を介して輪列受け25に軸支されている。
【0018】
発電機30は、輪列20の六番車6と噛み合うロータ31と、このロータ31の永久磁石31Aの磁束を鎖交させる磁気回路形成用のステータ32と、ステータ32を構成する一対のステータ材32Aにそれぞれ巻線され、かつ永久磁石31Aが回転することで生じるステータ材32Aでの磁束変化を電力に変換する一対のコイル33とを備えている。このコイル33には、水晶振動子81およびICを含む運針制御用の電子回路が形成された回路ブロック(回路形成部材)80が電気的に接続されており、発電機30によって発電された電力で当該電子回路を駆動し、ロータ31に制動をかけて輪列20を調速し、運針制御を行っている。なお、ロータ31は、一体に回転する慣性板31Bを備え、ステータ32に形成されたロータ収容穴32B内に配置されている。回路ブロック80は、ポリイミドフィルム等の樹脂製フィルムを用いたFPC(Flexible Printed Circuit)である。
【0019】
手動入力機構40は、巻真41を用いてぜんまい10を巻上げ可能に構成されている。具体的に、巻真41にはこれと一体に回転するつづみ車42(図1では不図示)が貫挿されており、巻真41が引き出されていない通常の状態では、巻真41の回転がつづみ車42に伝達され、つづみ車42から巻真41に同様に貫挿されたきち車43に伝達される。きち車43の回転は、丸穴車44を介して伝え中間車45に伝達され、伝え車60(蓄積手段側伝え車)の伝えかな60Aを介して角穴車15に伝達され、ぜんまい10を巻き上げる。そして、巻真41から伝え中間車45までを含んで手動入力機構40を形成している。
【0020】
ここで、丸穴車44、伝え中間車45、および伝え車60は、伝え受け61に軸支され、角穴車15が取り付けられた香箱真14の一端側(図2、図5中の上端側)は、輪列受け25に軸支されている。また、丸穴車44は、伝え受け61の図中下側できち車43と噛み合う丸穴本体車44Aと、伝え受け61の図中上側で伝え中間車45と噛み合う丸穴中間車44Bとで構成され、巻真41からの回転を伝え受け61の下側から上側に出力している。これにより、その回転は、伝え受け61の上側で回転する丸穴本体車44A、伝え中間車45、伝え車60、および角穴車15を伝うことになる。すなわち、巻真41の回転は、断面視した場合に、伝え受け61に沿って略同一高さ位置に配置された車44,45,60,15によって伝達されることになる。
【0021】
さらに、各車44,45,60,15の上方では回転錘51が回転可能に配置されている、この回転錘51側からの平面視では、図1に示すように、伝え中間車45は、巻真41の左側に配置されて丸穴車44と噛み合っており、また、伝え車60およびぜんまい10(角穴車15)も巻真41よりも左側に配置されている。これにより、巻真41を一般の機械時計と同様、右側に回転させることでぜんまい10を巻き上げることが可能である。なお、つづみ車42およびきち車43の互いの噛み合い歯によりラチェット機構が形成されており、巻真41を左側に回転させると、つづみ車42がかんぬき46(図2)の付勢力に抗してきち車43から外れるとともに、つづみ車42が左側に空回りし、その回転がきち車43に伝達されることはない。
【0022】
一方、自動入力機構50は、前記回転錘51と、回転錘51と一体に同心上で回転する回転錘歯車(回転錘側伝え車)52と、回転錘歯車52に噛み合って回転する鉄系材料製の一番伝え車(回転錘側伝え車)53と、一番伝え車53の回転に連動して偏心駆動され、これにより伝え車60側に進退運動する鉄系材料製の爪レバー(レバー部材)54とを備えている。この爪レバー54は、爪レバー本体55と、この爪レバー本体55から延長された弾性変形可能な引き爪56および押し爪57とを備え、一番伝え車53に対して地板23側に設けられている。図3において、爪レバー本体55には案内穴55Aが設けられ、この案内穴55Aには一番伝え車53の偏心軸部53Aが嵌合されている。一番伝え車53が回転すると、偏心した偏心軸部53Aも回転し、これに係合した爪レバー本体55が伝え車60に対して進退運動する。引き爪56および押し爪57は、爪レバー本体55が往復動すると、それらの先端が伝え車60の径方向に対向した歯に交互に係脱する。
【0023】
また、爪レバー本体55が伝え車60に対して後退する際には、引き爪56が伝え車60に係合し、この状態で伝え車60の一歯を引く。このとき、押し爪57は伝え車60との係合が外れている。爪レバー本体55が伝え車60に対して前進する際には、押し爪57が伝え車60に係合し、この状態で伝え車60の一歯を押す。以上の動作を交互に繰り返すことにより、伝え車60を一方向に間欠的に回転させ、角穴車15を介してぜんまい10を巻き上げる。
【0024】
なお、手動入力機構40の巻真41の操作によって伝え車60が回転しているときには、ここでもラチェット機構の原理により、伝え車60から引き爪56および押し爪57が交互に弾性変形して外れ、巻真41の操作で一番伝え車53や回転錘51(回転錘歯車52)が回転することはない。
同様に、自動入力機構50によって伝え車60を回転させているときにおいては、手動入力機構40の伝え中間車45と伝え車60(かな60A)との噛み合いを外す噛脱手段70が作動し、巻真41側が回転しないようになっている。
【0025】
この噛脱手段70は、詳細な説明を省略するが、概ね伝え中間車45の中央に設けられた丸穴71と、この丸穴71に遊嵌状態で嵌合された断面凸レンズ状(一眼状)の伝え中間軸72と、伝え中間車45を軸方向に沿って伝え受け61側に押圧保持する皿ばね状の保持部材73とで構成されており、自動入力機構50によって伝え車60が回転すると、丸穴71と伝え中間軸72との間に形成された三日月状の隙間により、伝え中間車45と伝え車60との噛み合いが自動的に外れ、伝え車60の回転は伝え中間車45に伝達されないばかりか、これよりも巻真41側の丸穴車44およびきち車43にも伝達されず、これらを回転させずにすむようになっている。
【0026】
ところで、自動入力機構50においては、爪レバー54を係合させる偏心軸部35Aがムーブメントの中心にある回転錘51に設けられておらず、中心から外れた一番伝え車53に設けられている。そして、爪レバー54が一番伝え車53の地板23側に設けられることで、電子制御式機械時計1の薄型化を図っている。この際、電子制御式機械時計1の薄型化を図るにあたっては、発電機30の特にロータ31と他の金属部材とが軸方向に近接し過ぎると、ロータ31やコイル33から金属部材へ漏れ磁束が生じ、発電機30での発電性能や対磁性能が低下するが、本実施形態では、一番伝え車53は、電子制御式機械時計1の平面視において、発電機30と平面的に重ならない位置、具体的には、輪列20を挟んで発電機30とは反対の位置に配置されており、地板23側に設けられた爪レバー54が発電機30に近づかないようになっている。また、一番伝え車53においては、その全体が発電機30と重なっていないため、一番伝え車53に設けられた偏心軸部53Aや、これに係合した爪レバー54も発電機30と全く重なっていない。
【0027】
さらに、一番伝え車53は、香箱13(ぜんまい10)に対しても、平面的に重ならない位置に配置されている。爪レバー54は、偏心駆動されることにより長期使用において摩耗を生じる。摩耗時の摩耗粉は、摩耗部分から離脱すると周囲に飛散して悪さする可能性があり、従来では香箱13内に入り込んでぜんまい10の耐久性を低下させる可能性があった。しかし、本実施形態では、爪レバー54が設けられた一番伝え車53が、ぜんまい10と平面的に重ならない位置に配置されているので、爪レバー54の摩耗部も香箱13から離間しており、長期に渡って使用しても、摩耗粉が香箱13内に入り込まないようになっている。
【0028】
反対に一番伝え車53は、輪列20の中でも特に三番車3にのみ重なっている。電子制御式機械時計1の薄型化には、一番伝え車53を輪列20に対しても平面的に重ねないことが有効であるが、これでは、一番伝え車53の配置位置が径方向の外側に設定され、電子制御式機械時計1の径寸法が大きくなって体裁が悪い。従って、径寸法が大きくなるのを防止するためには、輪列20を構成するいずれかの歯車に一番伝え車53を平面的に重ねることが要求される。しかし、この場合では、長期使用によって生じる爪レバー54からの摩耗粉が輪列20の歯車間に入り込み、歯車を停止させるおそれがある。これに対して本実施形態では、輪列20の中でも三番車3が香箱歯車11側に近い歯車であり、二番車2に次いで高トルクで回転する歯車であることに着目し、多少の摩耗粉にも影響されずに回転する三番車3に一番伝え車53を重ねた構成にしてある。ただし、一番伝え車53の回転中心は、輪列20(を構成する例えば三番車3)と重なっておらず、これにより一番伝え車53の案内軸(回転軸の端部側)を、ムーブメントの厚みが大きくならない範囲で長くすることが可能になっている。
【0029】
また、一番伝え車53は、回路ブロック80の一部や、回路ブロック80に実装されたIC82のほぼ全体を覆うように重なっている。IC82は合成樹脂等によってモールドされ、外光(紫外線)による誤動作や劣化を防止しているが、本実施形態では、このようなIC82をさらに一番伝え車53で覆い、外光がさらに当たらないようにしている。つまり、図示しない裏蓋として、透光性を有する部材が用いられた場合でも、外光がIC82に当たるのを防止し、電子制御式機械時計1の制御が外光に影響されずに良好に行われるようになっている。そして、モールドされたIC82、および樹脂フィルムを用いた回路ブロック80の一部が裏蓋を通して露出することがなく、主に金属部材を露出させることで高級感を出している。
【0030】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、従来と異なって爪レバー54を係合させる偏心軸部53Aは回転錘51に設けられているのではなく、この回転錘51の回転が伝達される一番伝え車53に設けられているため、当該一番伝え車53を回転錘51の回転中心、すなわちムーブメントの中心から外すことができ、この一番伝え車53の偏心軸部53Aや爪レバー54もムーブメントの中心から外すことができる。従って、爪レバー54を二番車2や、四番車4等など、中心にある部材に影響されずに一番伝え車53の内側(地板23側)に設けることができ、爪レバー54の厚み分だけ電子制御式機械時計1の厚みを確実に小さくできる。
【0031】
(2)この際、歯車部分に比べて厚みが大きいその偏心軸部53Aが発電機30と重ならないので、ムーブメントの薄型化をより確実に促進できる。換言すれば、ムーブメントの厚みを厚くせずに偏心軸部53Aの厚みのみを比較的厚くできる。従って、爪レバー54を安定した状態で良好に偏心駆動されることができ、信頼性も向上させることができる。
【0032】
(3)また、この一番伝え車53すなわち爪レバー54は、中心から外れることで発電機30と平面的に重ならない位置に設けられているため、爪レバー54が内側に入り込んでも、発電機30のロータ31やコイル33からの漏れ磁束が多くなる心配がなく、発電性能や耐磁性能を良好に維持できる。
さらに、一番伝え車53を設けることで、外部磁界が加わったときに磁束を自動入力機構50に流し易くでき、この点でも耐磁性能を向上させることができる。
【0033】
(4)また、爪レバー54が発電機30から離間しているために、長期使用における爪レバー54からの摩耗粉がロータ31およびロータ収容穴32B間の隙間に入り込む心配がなく、ロータ31が停止するのを防止できる。
そして、電子制御式機械時計1の落下等により衝撃が加わった場合でも、一番伝え車53によって衝撃力が減衰するので、大きな衝撃力が爪レバー54に伝わらないようにでき、自動入力機構50の破損等を有効に防止できる。
さらに、一番伝え車53を設けることにより、自動入力機構50の減速比設定を多様化できるため、ぜんまい10の大きさや、回転錘51の大きさ等を勘案した最良の減速比を設定できる。
【0034】
(5)一番伝え車53は、ぜんまい10と平面的に重ならない位置に配置されているから、電子制御式機械時計1の厚みを確実に小さくできるうえ、爪レバー54の長期に渡る偏心駆動においても、摩耗粉などが香箱13内に入り込んでぜんまい10に悪さするおそれがなく、耐久性を向上せることができる。
【0035】
(6)一番伝え車53は、輪列20の中の三番車3に平面的に重なっているため、当該一番伝え車53が輪列20から平面的に離れて配置されることがなく、電子制御式機械時計1の径寸法が極端に大きくなるのを防止できる。また、三番車3は、ぜんまい10からのエネルギが二番車2のみを介して伝達されるために、比較的高トルクで回転しているから、この三番車3と一番伝え車53が重なることで、三番車3とこれに噛合する例えば二番車2との間に爪レバー54からの摩耗粉等が入り込んでも、二番車2および三番車3を良好に回転させることができ、輪列20が停止する心配はない。
【0036】
(7)そして、一番伝え車53の回転中心が輪列20と重なっていないので、一番伝え車53の案内軸を長くできる。これにより、一番伝え車53の部品バラツキ等による傾きを防止でき、その回転および爪レバー54の駆動をスムーズに行える。
【0037】
(8)一番伝え車53は、電子回路に組み込まれたIC82に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されているので、裏蓋として透明な部材を用い、内部のムーブメントを視認できるようにしたタイプでも、IC82に外光が当たるのを防止でき、誤動作を確実に防止できる。また、樹脂モールドされたIC82、および樹脂フィルムを用いた回路ブロック80の一部を隠すことで裏蓋側からの見栄えを良好にでき、主に金属製の部材を露出させて高級感を付与できる。
【0038】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、本発明は回転錘歯車52や一番伝え車53などの回転錘側伝え車を複数配置するとともに、少なくとも偏心軸部53Aが設けられた一番伝え車53を発電機30とは平面的に重ならない位置に配置すればよいから、回転錘歯車52が発電機30と重なっている場合でも、本発明に含まれる。また、当該一番伝え車53をぜんまい10と重なるように配置したり、反対にIC82や三番車3と重ならない位置に配置した場合でも、本発明に含まれる。
【0039】
さらに、本発明に係る回転錘側伝え車としては、前記実施形態の回転錘歯車52および一番伝え車53の二つに限定されず、二番伝え車や三番伝え車など、二つ以上配置されていればよい。そして通常は、複数の回転錘側伝え車のうち、最終段に配置された回転錘側伝え車に爪レバー54が設けられることになる。また、蓄積手段側伝え車としても、伝え車60一つに限定されず、伝え車60と角穴車15との間に他の蓄積手段側伝え車を配置した場合も、本発明に含まれる。
【0040】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子制御式機械時計のムーブメントの概略を示す平面図。
【図2】前記ムーブメントの一部を示す断面図。
【図3】前記ムーブメントの他の一部を示す断面図。
【符号の説明】
1…電子制御式機械時計、2…二番車、3…三番車、10…ぜんまい(機械的エネルギ蓄積手段)、20…輪列、30…発電機、50…自動入力機構、51…回転錘、52…回転錘歯車(回転錘側伝え車)、53…一番伝え車(回転錘側伝え車)、53A…偏心軸部、54…爪レバー(レバー部材)、60…伝え車(蓄積手段側伝え車)、80…回路ブロック(回路形成部材)、82…IC(集積回路素子)。
Claims (7)
- 機械的エネルギ蓄積手段からの機械的エネルギにより輪列を駆動するとともに、この輪列からの回転を受けて回転する発電機に電力を生じさせ、この電力により駆動される電子回路によって前記発電機の回転周期を制御することで、前記輪列を調速する電子制御式機械時計において、
回転錘と、この回転錘の回転をレバー部材まで伝達する二つ以上の回転錘側伝え車と、これらの回転錘側伝え車の一つに設けられた偏心軸部に係合する前記レバー部材と、このレバー部材の係脱により一方向に回転するとともに、前記機械的エネルギ蓄積手段へのエネルギ伝達を行う蓄積手段側伝え車とで自動入力機構が構成され、
この自動入力機構での前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車およびレバー部材は、前記発電機と平面的に重ならない位置に配置されている
ことを特徴とする電子制御式機械時計。 - 請求項1に記載の電子制御式機械時計において、前記二つ以上の回転錘側伝え車の一つに設けられた偏心軸部は、前記発電機と平面的に重ならない位置に配置されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
- 請求項1または請求項2に記載の電子制御式機械時計において、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車は、前記機械的エネルギ蓄積手段と平面的に重ならない位置に配置されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、前記輪列は、前記回転錘と同心上に配置されて前記機械的エネルギ蓄積手段と噛合する二番車と、この二番車と噛合する三番車とを備え、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記三番車と平面的に重なる位置に配置されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
- 請求項4に記載の電子制御式機械時計において、前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車の回転中心は、前記輪列と平面的に重ならない位置に配置されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電子制御式機械時計において、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記電子回路が形成された回路形成部材に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
- 請求項6に記載の電子制御式機械時計において、前記二つ以上の回転錘側伝え車のうち、少なくとも前記偏心軸部が設けられた回転錘側伝え車および/または前記レバー部材は、前記電子回路に組み込まれた集積回路素子に対して裏蓋側から平面的に重なる位置に配置されていることを特徴とする電子制御式機械時計。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003062060A JP2004271325A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 電子制御式機械時計 |
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JP2003062060A JP2004271325A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 電子制御式機械時計 |
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JP2003062060A Withdrawn JP2004271325A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 電子制御式機械時計 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018096814A (ja) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用ムーブメントおよび機械式時計 |
JP2021009169A (ja) * | 2016-12-13 | 2021-01-28 | セイコーエプソン株式会社 | 時計用ムーブメントおよび機械式時計 |
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2003
- 2003-03-07 JP JP2003062060A patent/JP2004271325A/ja not_active Withdrawn
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