JP2006275550A - 時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クロノグラフ機構、自動巻機構を備える簡単な構造で、小型化、薄型化を可能にし、斬新なデザインのクロノグラフ機構、自動巻機構を備える時計を提供する。
【解決手段】 時計10は、外部操作部材と、自動巻機構と、クロノグラフ機構と、を備える時計であって、自動巻機構は、回転錘130と自動巻輪列とを備え、クロノグラフ機構は、時クロノグラフ車85と分クロノグラフ車90と秒クロノグラフ車95と、前記外部操作部材に連動するクロノグラフ作動機構とを備え、前記外部操作部材は、りゅうず11と操作ボタン20,30とを備え、時計10の平面の中心を通る直線で2分割したときに、時クロノグラフ車85と分クロノグラフ車90と秒クロノグラフ車95が、りゅうず11と操作ボタン20,30が配置される分割位置と同じ分割位置に配置されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 時計10は、外部操作部材と、自動巻機構と、クロノグラフ機構と、を備える時計であって、自動巻機構は、回転錘130と自動巻輪列とを備え、クロノグラフ機構は、時クロノグラフ車85と分クロノグラフ車90と秒クロノグラフ車95と、前記外部操作部材に連動するクロノグラフ作動機構とを備え、前記外部操作部材は、りゅうず11と操作ボタン20,30とを備え、時計10の平面の中心を通る直線で2分割したときに、時クロノグラフ車85と分クロノグラフ車90と秒クロノグラフ車95が、りゅうず11と操作ボタン20,30が配置される分割位置と同じ分割位置に配置されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、時計に関し、詳しくはクロノグラフ車と自動巻機構を備える時計の構造に関する。
従来、外部操作部材としてのりゅうず、プッシュボタンと、クロノグラフ機構と、自動巻機構を備える時計において、クロノグラフ表示のための秒クロノグラフ針を時計の中心に配置し、他の分クロノグラフ針を3時方向、時クロノグラフ針を9時方向に配置し、りゅうずを3時位置、プッシュボタンをりゅうずの両側に配置した時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、りゅうず、プッシュボタンとクロノグラフ機構と自動巻発電機構とを備える時計において、りゅうずを3時位置、プッシュボタンをりゅうずの両側に配置し、さらに、秒クロノグラフ針を時計の中心、分クロノグラフ針を9時方向に配置し、一方のプッシュボタンの押し込み方向近傍に、発電機及び回転錘からの回転を発電用ローターまで伝達する自動巻発電用輪列を配置している時計も知られている(例えば、特許文献2参照)。
りゅうず及びプッシュボタンが3時方向にあるとき、特許文献1では、時クロノグラフ針が9時方向に配置され、特許文献2では、分クロノグラフ針が9時方向に配置されている。このような特許文献1または特許文献2の配置構造では、プッシュボタンによってクロノグラフ作動機構を駆動し、前述のクロノグラフ針のスタート、ストップ、帰零操作を行うが、時クロノグラフ針または分クロノグラフ針が、プッシュボタンと離れた位置に配置されるために、クロノグラフ作動機構の配置面積が広がり、そのことにより、時計の構造が複雑になってしまうという課題がある。
また、クロノグラフ付きの時計では、前述した特許文献1,2のように、秒クロノグラフ針、分クロノグラフ針、時クロノグラフ針が、時計の中心及び3時位置、6時位置、9時位置に配置されることが一般的であり、時計のデザインが固定的で新鮮味がないという課題がある。
さらに、特許文献2では、自動巻発電機構を備えているが、この自動巻発電機構の発電機を含む大部分がプッシュボタンの一つの近傍に配置されているため、クロノグラフ作動機構と自動巻発電機構とが平面的に重なりあっている。そのために、時計が厚くなるという課題がある。
本発明の目的は、前述の課題を解決することを要旨とし、簡単な構造で、小型化、薄型化を可能にし、斬新なデザインのクロノグラフ付きの時計を提供することである。
本発明の時計は、外部操作部材と、自動巻機構と、クロノグラフ機構と、を含む時計であって、前記自動巻機構は、回転錘と自動巻輪列とを備え、前記クロノグラフ機構は、クロノグラフ車と前記外部操作部材に連動するクロノグラフ作動機構とを備え、前記外部操作部材は、りゅうずと操作ボタンとを備え、前記時計の平面の中心を通る直線で2分割したときに、前記クロノグラフ車が、前記りゅうずと前記操作ボタンが配置される領域と同じ分割領域に配置されていることを特徴とする。
ここで、クロノグラフ車には、クロノグラフ表示をするための、例えば、秒クロノグラフ針、分クロノグラフ針、時クロノグラフ針等が装着される。
この発明によれば、外部操作部材としてのりゅうず及び操作ボタンの近傍にクロノグラフ車が配置されているために、クロノグラフ作動機構がコンパクトに構成することができ、時計の小型化と構造の簡素化を実現できる。
また、操作ボタンの近傍にクロノグラフ操作の対象物としてのクロノグラフ車が配置されているので、操作の際に、前述したクロノグラフ針と操作ボタンとの対比がしやすく視認しやすいという効果がある。
さらに、クロノグラフ針が外部操作部材の近傍に配置されているので、従来の3時、6時、9時位置にクロノグラフ針を配置するクロノグラフ付きの時計とは異なる斬新なデザインの時計を提供することができる。
また、本発明の構造では、前記クロノグラフ機構と前記自動巻輪列とが、それぞれ平面的に重ならない分割位置に配置されていることが好ましい。
このように、クロノグラフ機構と自動巻輪列とが、平面的に重ならないように配置することで、クロノグラフ付きの時計であっても、薄型のすっきりしたデザインの時計を提供することができる。
また、本発明の時計が、駆動源としてぜんまいを備える時計であって、前記自動巻機構によって、ぜんまいを巻き上げることが好ましい。
ここで、本発明の時計には、例えば、ぜんまいを駆動源とする機械式時計及び電気機械制御式時計が含まれる。
ここで、本発明の時計には、例えば、ぜんまいを駆動源とする機械式時計及び電気機械制御式時計が含まれる。
このようにすることで、前述したクロノグラフ機構と自動巻輪列とが、それぞれ平面的に重ならない分割位置に配置されていることに加え、自動巻機構がぜんまいを有する時計であっても、小型化、薄型化を実現できる。
また、本発明の時計が、自動巻発電式時計であって、発電機構をさらに備え、前記クロノグラフ機構と前記発電機構とが、平面的に重ならない分割位置に配置されていることが好ましい。
このようにすれば、前述したクロノグラフ機構と、自動巻輪列と発電機構が、平面的に重ならないように配置されているために、発電電力を得るために容積が大きくなりがちな発電機構を備えても、スペースの制約が小さく、小型で薄型の時計を提供することができる。
さらに、前記りゅうずが3時位置に配置されるとき、少なくとも前記クロノグラフ車の一つが略2時位置、他の一つが4時位置に配置されていることが望ましい。
このように、クロノグラフ車(つまり、クロノグラフ針)が、2時位置、4時位置に配置されることから、従来のクロノグラフ付きの時計のクロノグラフ針が3時、6時、9時位置に配置されることに比べ、斬新なデザインの時計を提供できるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明に係る実施形態1の時計が示され、図7には、実施形態2の時計が示されている。
(実施形態1)
図1〜図6は本発明に係る実施形態1の時計が示され、図7には、実施形態2の時計が示されている。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るクロノグラフ付き時計の外観の1例を示す正面図である。図1において、クロノグラフ付きの時計10は、中央部に秒クロノグラフ針42と時針44と分針45とを備え、2時方向(図中、2Hと表示)に分クロノグラフ針41が配置され、4時方向(図中、4Hと表示)に時クロノグラフ針40が配置され、さらに、9時方向(図中、9Hと表示)に小秒針46が配置され、さらに7時方向にぜんまいの巻き上げ残量を示すインジケーター針43が配置されている。
また、時計のケース側面には、3時位置に外部操作部材としてのりゅうず11と、りゅうず11の両側、即ち2時位置と4時位置に他の外部操作部材としての操作ボタン20及び操作ボタン30が備えられている。
操作ボタン20は、クロノグラフのスタート/ストップ操作をつかさどり、操作ボタン30は、クロノグラフの帰零(リセット)をつかさどる機能を有している。
これら分クロノグラフ針41と時クロノグラフ針40と小秒針46とインジケーター針43等の指針とりゅうず11、操作ボタン20,30とが、図1に示すように配置されており、従来のクロノグラフ付きの時計にはないデザインを実現している。
続いて、本実施形態に係る時計10のクロノグラフ機構、自動巻機構について説明する。
図2は、実施形態1に係る時計10の平面図、図3は、自動巻機構を示す断面図、図4は、秒クロノグラフ車95と分クロノグラフ車90と周辺の機構を示す断面図、図5は、時クロノグラフ車と伝達輪列を示す断面図、図6は、クロノグラフ作動機構の一部を示す断面図である。
図2は、実施形態1に係る時計10の平面図、図3は、自動巻機構を示す断面図、図4は、秒クロノグラフ車95と分クロノグラフ車90と周辺の機構を示す断面図、図5は、時クロノグラフ車と伝達輪列を示す断面図、図6は、クロノグラフ作動機構の一部を示す断面図である。
なお、図2は、クロノグラフ機構及び自動巻機構を分かりやすく説明するために受類を透視し、裏蓋側から視認した状態のムーブメントを示し、一般の時計と変わりがない部分を省略している。
まず、全体の配置関係について説明する。図2において、3時位置にはりゅうず11と、りゅうず11が螺着されている巻真12が備えられ、2時位置に操作ボタン20と、4時位置に操作ボタン30とが図示しないケース胴の挿通孔に挿着されている。
ここで、時計10の中心を通り3時と9時を結ぶ直線をY、6時と12時(図中、12Hと表示)を結ぶ直線をXとし、この直線X、Yで構成される2時方向の領域を第1象限、4時方向を第2象限、8時方向を第3象限、10時方向を第4象限として配置を説明する。
第1象限には、分クロノグラフ車90と、操作ボタン20と連動する作動レバー60と、分クロノグラフ車90と時クロノグラフ車85(第2象限)の帰零を行う時分復針レバー80とが備えられている。また、直線Y上には、クロノグラフ機構の作動を制御する作動カム50が軸支されている。
第2象限には、時クロノグラフ車85と、操作ボタン30と連動して各クロノグラフ車の帰零を行うための復針伝達レバー65と、秒クロノグラフ車95(時計中央にある)の帰零を行う秒復針レバー115が備えられている。
また、第3象限には、香箱145(第2象限と第3象限にわたる)、自動巻輪列を構成する伝え車140と香箱145に軸止される角穴車150と、つめレバー135と、が備えられ、直線Y上9時方向には、時刻の秒表示を行う小秒車105が備えられている。
ここで、時計10の基本配置を整理すると、第1、第2象限にクロノグラフ作動機構の大部分と分クロノグラフ車90と時クロノグラフ車85が配置され、第3象限に自動巻輪列が配置されている。すなわち、時計10を直線Xで2分割した際に、外部操作部材側の分割位置にクロノグラフ作動機構の大部分とクロノグラフ車が配置され、他方の分割位置に自動巻輪列が配置され、それぞれが平面的に重ならないように配置されている。
回転錘130は、クロノグラフ機構と自動巻輪列の上方に、時計10の略中心を回転中心として回転可能に軸止されている。
回転錘130は、クロノグラフ機構と自動巻輪列の上方に、時計10の略中心を回転中心として回転可能に軸止されている。
次に、自動巻機構について説明する。
図3は、本実施形態に係る自動巻機構を示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図3において、回転錘130は、回転錘受15に固定されたボールベアリング136に植立された回転錘軸137に回転錘止め螺子139によって螺合固定されている。
図3は、本実施形態に係る自動巻機構を示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図3において、回転錘130は、回転錘受15に固定されたボールベアリング136に植立された回転錘軸137に回転錘止め螺子139によって螺合固定されている。
回転錘軸137の内側には偏心ピン138が形成されており、この偏心ピン138につめレバー135が挿着されている。つめレバー135の先端のつめ135a、135bが伝え車140のつめ歯車141と係合し、伝え車140の伝えかな142が角穴車150に噛合し、角穴車150は香箱真146に螺合固定されている。この香箱真146にぜんまい147が巻回されて香箱145内に収納されている。
このような自動巻機構による作動については、ぜんまいを駆動源(動力源)とする機械式時計に一般的に採用されているため詳しくは説明しないが、回転錘130が回転すると、この回転に連動して回転錘軸137が回転し、偏心ピン138が偏心回転する。この偏心回転によりつめレバー135が作動し、伝え車140を介して角穴車150を回転し、ぜんまい147を巻き上げる。
このようなつめレバー135を用いる自動巻機構は、回転錘130の回転方向に係らずぜんまい147を巻き上げることが可能な構造である。
続いて、各クロノグラフ車の構造とクロノグラフ作動機構との関係について説明する。
図4は、秒クロノグラフ車95、分クロノグラフ車90と小秒車105の構造について示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図4において、時計の中心に配置される秒クロノグラフ車95は、秒クロノグラフ歯車98と、クラッチ120と、秒ハートカム96とが秒クロノグラフ真97に軸止されて1体に構成され、輪列受14と二番受16によって軸支されている。
図4は、秒クロノグラフ車95、分クロノグラフ車90と小秒車105の構造について示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図4において、時計の中心に配置される秒クロノグラフ車95は、秒クロノグラフ歯車98と、クラッチ120と、秒ハートカム96とが秒クロノグラフ真97に軸止されて1体に構成され、輪列受14と二番受16によって軸支されている。
また、クラッチ120は、リング状のクラッチ板122とクラッチばね121とから構成され、秒クロノグラフ車95と連動して回転する。
秒クロノグラフ真97には、四番車107が挿着される。四番車107は、四番かな108と四番歯車109とから構成され、四番かな108に開設される貫通孔に秒クロノグラフ真97が挿通されクラッチ120と秒クロノグラフ真97に設けられる段部によって保持されている。四番車107は、秒クロノグラフ車95とは遊嵌の関係である。
秒クロノグラフ真97の文字板側の先端部には、秒クロノグラフ針42が装着されている。
秒クロノグラフ真97の文字板側の先端部には、秒クロノグラフ針42が装着されている。
クロノグラフ計測をしているときには、図4で示すように、クラッチ板122と発停レバーA125、発停レバーB126との係合が解除されているため、クラッチ板122がクラッチばね121によって四番歯車109に押し圧されているため、秒クロノグラフ車95は、四番車107と連動して回転し、秒クロノグラフ表示を行う。
なお、四番車107は、香箱145から図示しない時刻表示輪列を介して回転される。
なお、四番車107は、香箱145から図示しない時刻表示輪列を介して回転される。
秒クロノグラフ車95が運針しているときには、秒ハートカム96と秒復針レバー115とは解除された状態であり、時刻運針、クロノグラフ運針には影響しない。
秒クロノグラフ車95は分クロノグラフ中間車101を介して分クロノグラフ車90を回転する。本実施形態では、図1に示すように、分クロノグラフ車90は、30分で1回転するように分クロノグラフ中間車101で減速される。
分クロノグラフ車90は、分クロノグラフ真92に分クロノグラフ歯車93と分ハートカム91が軸止されて1体化され、回転錘受15と地板13との間で軸支されている。この際、分ハートカム91と時分復針レバー80とは係合が解除された状態である。分クロノグラフ真92の文字板側先端部には、分クロノグラフ針41が挿着され、分クロノグラフ表示される。
また、本実施形態では、図1に示すように、9時方向に時刻秒表示のための小秒針46が備えられている。小秒車105は、小秒かな105aと小秒真105bとから構成され、四番かな108と噛合する三番車106と小秒かな105aとが噛合している。小秒車105は、輪列受14と地板13(図は、省略)との間に軸支され、小秒真105bの文字板側の先端部には、小秒針46が装着されている。四番かな108と小秒かな105aとは、同じ歯数のため同じ回転速度で回転し、1分間に1回転する。
次に、時クロノグラフ車85について図面を参照して説明する。
図5は、時クロノグラフ車85及び駆動源からの伝達輪列の構造を示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図5において、時クロノグラフ車85は、第2象限に直線X及び直線Yからの距離を分クロノグラフ車90と同じにして配置されている。時クロノグラフ車85は、時クロノグラフ第2中間車112、時クロノグラフ第1中間車110を介して香箱145から回転が伝達される。
図5は、時クロノグラフ車85及び駆動源からの伝達輪列の構造を示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図5において、時クロノグラフ車85は、第2象限に直線X及び直線Yからの距離を分クロノグラフ車90と同じにして配置されている。時クロノグラフ車85は、時クロノグラフ第2中間車112、時クロノグラフ第1中間車110を介して香箱145から回転が伝達される。
時クロノグラフ第1中間車110は、地板13と回転錘受15とによって軸支され、時クロノグラフ第2中間車112は、輪列受14と回転錘受15とによって軸支され、時クロノグラフ車85は、地板13と回転錘受15とによって軸支されている。このようにして、時クロノグラフ車85は12時間で1回転するように減速される。
時クロノグラフ車85は、時クロノグラフ真87と時クロノグラフ歯車88と時ハートカム86と摩擦ばね89と摩擦ばね固定板89aとから構成されている。時クロノグラフ真87と時ハートカム86とは軸止され1体で回転する。時クロノグラフ真87の文字板側の先端部には、時クロノグラフ針40が装着されている。
また、時クロノグラフ真87と、時クロノグラフ歯車88及び摩擦ばね89とは、遊嵌の関係にあり、時クロノグラフ歯車88は、摩擦ばね89によって所定の固定トルクで時クロノグラフ真87に軸止されている。クロノグラフ計測中(スタート時において)では、時ハートカム86と時分復針レバー80とは、係合が解除された状態であり、時クロノグラフ車85は香箱145の回転に連動して回転する。
帰零時においては、時分復針レバー80によって時ハートカム86を回転するが、時クロノグラフ歯車88が時クロノグラフ真87との間でスリップして時クロノグラフ真87(時クロノグラフ針40)だけが回転される。
続いて、クロノグラフ作動機構について図面を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係るクロノグラフ作動機構のうち、クロノグラフ機構の作動を制御する作動カム50と周辺の構造を示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図6において、作動カム50は、直線Y上のりゅうず11方向に配置されている。
図6は、本実施形態に係るクロノグラフ作動機構のうち、クロノグラフ機構の作動を制御する作動カム50と周辺の構造を示す断面図である。図2も参照して説明する。図2、図6において、作動カム50は、直線Y上のりゅうず11方向に配置されている。
作動カム50は、略三角歯状の歯型を有する作動カム歯車52と、作動カム歯車52の上方に突出して形成される平面視三角の作動カム柱51が偶数個形成されている(本実施形態では8個)。作動カム50は輪列受14に作動カム軸53によって回転可能に軸支されている。
作動カム50の回転位置は、作動カムジャンパー55のジャンパー部58が作動カム歯車52と係合して規制されている。作動カムジャンパー55は、固定軸56,57によって位置が規制されたうえ固定されている(図2、参照)。
また、図2でも示すように、作動カム柱51は、復針伝達レバー65の作動を規制し、クロノグラフ計測中においては、復針伝達レバー65は作動しない。また、作動レバー60のつめ部63が作動カム歯車52と噛合している。
次に、操作ボタン20,30を操作することによるクロノグラフ機構の作動と詳しい構造について説明する。図2を参照して説明するが、図3〜図6も参照する。
まず、図2には、クロノグラフ計測をしている状態が示されている。クロノグラフ計測中では、前述したように復針伝達レバー65は、作動カム柱51によって規制されているために、操作ボタン30を押し操作しても作動せず、各クロノグラフ針の運針に変化はない。
まず、図2には、クロノグラフ計測をしている状態が示されている。クロノグラフ計測中では、前述したように復針伝達レバー65は、作動カム柱51によって規制されているために、操作ボタン30を押し操作しても作動せず、各クロノグラフ針の運針に変化はない。
復針伝達レバー65は、復針伝達レバー軸66を中心に揺動可能であり、復針伝えレバー75が固定され、復針伝達レバー65に連動する。この復針伝えレバー75には、秒復針レバー作動部76と復針伝達レバー規制部77とが設けられ、復針伝達レバー65から突出して形成されている。
この復針伝達レバー規制部77が作動カム柱51に当接しており、結果的に復針伝達レバー65の作動が規制される。復針伝達レバー規制部77は、秒復針レバー115とは係合しない位置にある。
また、このとき、時分復針レバー80は、復針制御レバー70によって作動が規制されており、分ハートカム91及び時ハートカム86とは解除された状態にある。時分復針レバー80は、分クロノグラフ車規制部83と時クロノグラフ車規制部84と作動規制部82とが形成され、時分復針レバー軸81を中心に揺動可能に軸支されている。
復針制御レバー70は、時分復針レバー規制部72と作動部73とが形成され、復針制御レバー軸71を中心に揺動可能に軸支されている。クロノグラフ計測中には、時分復針レバー規制部72と時分復針レバー80に設けられる作動規制部82とが係合して、復針制御レバー70と時分復針レバー80の位置が決められている。なお、時分復針レバー80は、図示しないばねによって常に時計回りに回転力が付勢されている。
続いて、クロノグラフ計測をストップする操作とクロノグラフ機構の作動について説明する。図2を参照して説明する。図3〜図6も参照する。
まず、クロノグラフ計測中の状態(図2で示す)から、操作ボタン20を押し操作する。操作ボタン20に連動して、作動レバー60が輪列受14に植立された作動レバー軸64に沿って作動カム50を時計回りに作動する。
まず、クロノグラフ計測中の状態(図2で示す)から、操作ボタン20を押し操作する。操作ボタン20に連動して、作動レバー60が輪列受14に植立された作動レバー軸64に沿って作動カム50を時計回りに作動する。
作動レバー60には、トラック形状の作動孔61が開設されており、この作動孔61が作動レバー軸64を摺動しながら移動することで、作動カム50を作動する。作動レバー60の移動量は、作動カム50の作動カム歯車52の1ピッチ分だけ移動させるのに足りるストロークを有し、作動カム50は、作動カムジャンパー55によって回転位置が規制されている。なお、作動レバー60は、図示しないばねによって操作ボタン20の方向及び移動方向を規制するように付勢されている。
作動カム50の作動カム柱51は、作動カム歯車52の半分の数だけ形成されているため、作動カム歯車52が1ピッチ分回転するときに、1/2ピッチだけ回転することになる。従って、作動レバー60を一度操作すると、作動カム柱51は1/2ピッチ移動するため、復針伝えレバー75の復針伝達レバー規制部77と作動カム柱51との係合が解除された状態となる。
また、この操作によって、図4に示す発停レバーA125、発停レバーB126が作動し(図2には図示せず)、秒クロノグラフ車95のクラッチ120を四番歯車109から切り離す。このことによって、四番車107の回転は秒クロノグラフ車95には伝達されず、秒クロノグラフ車95と分クロノグラフ車90は停止する。
時クロノグラフ車85は、前述した発停レバーA125と連動する図示しない規制レバーによって、摩擦ばね固定板89aの側面を押し圧して停止される。この際、時クロノグラフ歯車88は、スリップ可能であるため、香箱145の回転が時クロノグラフ歯車88まで伝達されるが、時クロノグラフ歯車88が空回転して、通常の時刻表示には影響がない。
また、発停レバーA125は、その一部が作動カム柱51に当接するように、やはり図示しないばねによって秒クロノグラフ車95の方向に付勢されており、クロノグラフ計測中は作動カム柱51によって、クラッチ120とは切り離されている。ストップ操作の際には、作動カム柱51との係合が解除されてクラッチ120と係合し、クラッチ120と四番歯車109との係合を解除する(図4、参照)。
次に、帰零操作と帰零に係るクロノグラフ機構の作動について説明する。図2を参照して説明する。図3〜図6も参照する。クロノグラフ計測停止(ストップ操作)の状態から操作ボタン30を押し操作する。操作ボタン30に連動して、復針伝達レバー65が復針伝達レバー軸66を中心に反時計回りに揺動される。
復針伝達レバー65の揺動と連動して復針伝えレバー75が揺動する。復針伝えレバー75の復針伝達レバー規制部77は、作動カム柱51との係合が解除されているので、さらに作動カム柱51の間まで移動する。この際、復針伝えレバー75が秒復針レバー軸116を中心に反時計回りに揺動され、秒復針レバー作動部76が、秒復針レバー115を秒復針レバー軸116を中心に反時計回りに揺動する。秒復針レバー規制部117は、作動カム柱51との係合が解除されているので、さらに揺動し、秒クロノグラフ規制部118が秒ハートカム96を押し圧して秒クロノグラフ車95を帰零(リセット)する。
一方、秒クロノグラフ車95と同期して分クロノグラフ車90と時クロノグラフ車85が帰零される。復針伝達レバー65の作動に連動する復針伝えレバー75の秒復針レバー作動部76が、復針制御レバー70の作動部73を押し圧し、復針制御レバー70を復針制御レバー軸71を中心に反時計回りに揺動する。
すると、復針制御レバー70の時分復針レバー規制部72と、時分復針レバー80の作動規制部82との係合が解除される。時分復針レバー80は、図示しないばねによって時計回りに付勢されているため、時分復針レバー軸81を回転中心に瞬間的に揺動し、分クロノグラフ車規制部83が分ハートカム91を押し圧して分クロノグラフ車90を帰零する。
また、時クロノグラフ車規制部84が時ハートカム86を押し圧して、時クロノグラフ車85を帰零する。
帰零操作後に、操作ボタン30を解除すると、前述した、復針伝達レバー65、時分復針レバー80、秒復針レバー115は、クロノグラフ計測停止状態(ストップ状態)に復帰し、各クロノグラフ針は0を表示している。
次に、帰零の状態から再度クロノグラフ計測を開始(スタート操作)する操作とクロノグラフ機構の作動について、図2を参照して説明する。スタート操作は、操作ボタン20を押し操作することで行われる。操作ボタン20に連動して作動レバー60が、作動カム50を作動カム歯車52の1ピッチ分だけ回転する。
この際、作動カム柱51は1/2ピッチだけ回転し、復針伝えレバー75の復針伝達レバー規制部77が作動カム柱51に係合し、復針伝達レバー65は作動することができない状態となる。従って、時分復針レバー80、秒復針レバー115もクロノグラフ計測停止状態(ストップ状態)で安定する。
また、発停レバーA125、発停レバーB126は、作動カム柱51に係合した状態となるため、クラッチ120との係合が外れた状態であり、クラッチ120と四番歯車109とが接続されるため、四番車107からの回転力が秒クロノグラフ車95、分クロノグラフ車90に伝達され、秒クロノグラフ針42、分クロノグラフ針41が運針を開始する(図4、参照)。
また、時クロノグラフ車85は、発停レバーA125が作動することにより規制レバーが摩擦ばね固定板89aから解除されるために、香箱145からの回転が時クロノグラフ車85に伝達され、時クロノグラフ針40が開始する(図5、参照)。
操作ボタン20,30の操作によって、クロノグラフ機構は一斉に、且つ瞬時に作動されるため、時クロノグラフ車85、分クロノグラフ車90、秒クロノグラフ車95は、ほぼ同時に停止、帰零、スタートを行うことができ、相互の指示誤差が発生しないように設計されている。
従って、前述した実施形態1によれば、操作ボタン20,30それぞれの近傍に分クロノグラフ車90、時クロノグラフ車85が配置されているために、クロノグラフ作動機構がコンパクトに構成することができ、時計10の小型化と構造の簡素化を実現できる。
また、操作ボタン20,30それぞれの近傍にクロノグラフ操作としての対象物としての分クロノグラフ針41、時クロノグラフ針40が配置されているので、操作の際に、前述したクロノグラフ針と操作ボタンとの対比がしやすく視認しやすいという効果がある。
さらに、分クロノグラフ針41と時クロノグラフ針40が、2時方向または4時方向に配置されているので、従来のクロノグラフ付きの時計とは異なる斬新なデザインの時計を提供することができる。
また、実施形態1の構造では、クロノグラフ機構と自動巻輪列とが、それぞれ平面的に重ならない分割位置に配置されているために、クロノグラフ付きの時計であっても、薄型のすっきりしたデザインの時計を提供することができる。
また、実施形態1による時計10が、駆動源としてぜんまいを備える時計であっても、前述したクロノグラフ機構と自動巻輪列とが、それぞれ平面的に重ならない分割位置に配置されていることにより、ぜんまいを有する時計であっても、小型化、薄型化を実現できる。
(実施形態2)
(実施形態2)
続いて、本発明に係る実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1のクロノグラフ機構と、自動巻発電機構と、を搭載していることに特徴を有している。従って、クロノグラフ機構の図面と説明を省略し、自動巻発電機構(以降、単に発電機構と表す)及び、クロノグラフ機構との配置関係について説明する。実施形態1と共通部分には、同じ符号を附している。
図7は、実施形態2に係るクロノグラフ付きの自動巻発電式時計の構成を示す平面図である。図7において、自動巻発電式時計200は、第1象限及び第2象限にクロノグラフ機構が配置され、第3象限及び第4象限に自動巻機構としての発電用輪列と発電機構が配置されている。
実施形態1でも説明したように、秒クロノグラフ車95は時計の中心、分クロノグラフ車90は2時方向、時クロノグラフ車85は4時方向に配置されている。秒クロノグラフ車95には秒ハートカム96、分クロノグラフ車90には分ハートカム91、時クロノグラフ車85には時ハートカム86が軸止されている。
発電機構160の大部分は第4象限に配置され、発電機構160は、発電用コイルブロック165と、発電用ステーター164、発電用ローター163と、回転錘130の回転を発電用ローター163に伝達する発電用輪列として、発電用伝え車162と回転錘車161と、が備えられている。
自動巻発電の構造に関しては周知であるので、詳しい説明を省略するが、回転錘130が回転することにより、回転錘130と同軸に取り付けられている回転錘車161、回転錘車161と噛合する発電用伝え車162を介して、発電用ローター163が高速で回転される。そして、発電用ローター163と発電用コイルブロック165との間の電磁誘導作用によって発電される。
発電された電力は、図示しない発電制御回路で整流され、二次電池170に充電される。この二次電池170を駆動源として、図示しないが、一般のアナログクオーツのモーターが駆動され、時刻輪列を介して時、分、秒が表示される。
次に、クロノグラフ輪列について説明する。時計中心部には、秒クロノグラフ車95が配置され、秒クロノグラフ車95には、四番車107、クラッチ120、秒クロノグラフ歯車98が装着されているが、この構造は、図4で示す構造と同じであるため説明を省略する。
四番車107には、モーターから図示しない輪列を経て回転が伝達され、分クロノグラフ中間車101を経て分クロノグラフ車90を回転する。また、分クロノグラフ車90から時クロノグラフ中間車111を経て時クロノグラフ車85に回転が伝達される。
分クロノグラフ車90及び時クロノグラフ車85の構造も、前述した実施形態1(図4,5、参照)と同じであり、時クロノグラフ車85には、摩擦ばね89と摩擦ばね固定板89aが備えられ、時クロノグラフ歯車88に所定のトルクが付加された際に、時クロノグラフ真87とスリップするように構成されている。
操作ボタン20,30を押し操作することによるクロノグラフ作動機構の作用は、前述の実施形態1と同じであるため説明を省略する。
このような構成では、秒クロノグラフ車95、分クロノグラフ車90、時クロノグラフ車85を含むクロノグラフ機構が第1象限及び第2象限に、二次電池170を含んで発電機構160が第3象限及び第4象限に配置され、実施形態1によるクロノグラフ機構と巻き上げ機構との配置関係と同様な配置構造が実現できる。
従って、前述した実施形態2によれば、クロノグラフ機構と、発電用輪列と発電機構と、が、平面的に重ならないようにしているために、発電電力を得るために容積が大きくなりがちな発電機構を備えても、スペースの制約が少なく、小型で薄型の時計を提供することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前述の実施形態1、実施形態2では、りゅうず11を3時位置に、操作ボタン20,30をりゅうず11の両側(2時、4時位置)に配置し、それらに対応してクロノグラフ機構、自動巻機構を配置しているが、例えば、操作ボタン20,30を10時または8時位置に配置し、操作ボタン20,30の近傍(第2象限及び第3象限)にクロノグラフ機構を配置し(つまり、分クロノグラフ針41を10時位置、時クロノグラフ針40を8時位置に配置)、クロノグラフ機構に対応して第1象限、第4象限に自動巻機構を配置してもよい。
前述の実施形態1、実施形態2では、りゅうず11を3時位置に、操作ボタン20,30をりゅうず11の両側(2時、4時位置)に配置し、それらに対応してクロノグラフ機構、自動巻機構を配置しているが、例えば、操作ボタン20,30を10時または8時位置に配置し、操作ボタン20,30の近傍(第2象限及び第3象限)にクロノグラフ機構を配置し(つまり、分クロノグラフ針41を10時位置、時クロノグラフ針40を8時位置に配置)、クロノグラフ機構に対応して第1象限、第4象限に自動巻機構を配置してもよい。
このような配置構造を採用しても、前述した実施形態1、実施形態2と同様な効果を有する時計を提供することができる。
また、りゅうず11と操作ボタン20,30の配置を同じ領域に配置せず、例えば、りゅうず11は3時位置に、操作ボタン20,30をそれぞれ10時位置、8時位置に配置することもできる。
従って、前述の実施形態1、実施形態2によれば、簡単な構造で、小型化、薄型化を可能にし、斬新なデザインのクロノグラフ付きの時計を提供することができる。
10…時計、11…りゅうず、20,30…操作ボタン、85…時クロノグラフ車、90…分クロノグラフ車、95…秒クロノグラフ車、130…回転錘、145…香箱。
Claims (5)
- 外部操作部材と、自動巻機構と、クロノグラフ機構と、を含む時計であって、
前記自動巻機構は、回転錘と自動巻輪列とを備え、
前記クロノグラフ機構は、クロノグラフ車と前記外部操作部材に連動するクロノグラフ作動機構とを備え、
前記外部操作部材は、りゅうずと操作ボタンとを備え、
前記時計を、平面の中心を通る直線で2分割したときに、前記クロノグラフ車が、前記りゅうずと前記ボタンが配置される領域と同じ分割領域に配置されていることを特徴とする時計。 - 請求項1に記載の時計において、
前記クロノグラフ機構と前記自動巻輪列とが、それぞれ平面的に重ならない分割位置に配置されていることを特徴とする時計。 - 請求項1または請求項2に記載の時計において、
前記時計が、駆動源としてぜんまいを備える時計であって、
前記自動巻機構によって、ぜんまいを巻き上げることを特徴とする時計。 - 請求項1または請求項2に記載の時計において、
前記時計が、自動巻発電式時計であって、発電機構をさらに備え、
前記クロノグラフ機構と前記発電機構とが、平面的に重ならない分割位置に配置されていることを特徴とする時計。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の時計において、
前記りゅうずが3時位置に配置されるとき、少なくとも前記クロノグラフ車の一つが略2時位置、他の一つが4時位置に配置されていることを特徴とする時計。
Priority Applications (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2005090803A Withdrawn JP2006275550A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 時計 |
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-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005090803A patent/JP2006275550A/ja not_active Withdrawn
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