JP2004270998A - インフルエンザ予測表示装置及び空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】インフルエンザの流行をユーザ等に知らせることができるインフルエンザ予測表示装置を提供し、また、インフルエンザに感染しないようにすることが可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示する。絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のいずれかがそのそれぞれに設定された所定基準値以下となったときを、インフルエンザ流行状態とする。インフルエンザ流行状態において、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とする。室内湿度をカビやダニ等の増殖可能範囲とならないように制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示する。絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のいずれかがそのそれぞれに設定された所定基準値以下となったときを、インフルエンザ流行状態とする。インフルエンザ流行状態において、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とする。室内湿度をカビやダニ等の増殖可能範囲とならないように制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インフルエンザ予測表示装置及び空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インフルエンザは、空中に飛散したインフルエンザウイルスを含んだ粒子による飛沫感染等にて、人から人へ感染を広げ、流行する。そして、インフルエンザは冬場に流行する。わが国の冬は寒く乾燥している。そのため、インフルエンザの流行を外気の温度や湿度から予測が可能と思われ、季節とインフルエンザの流行との関係について記載されているもがある(例えば、非特許文献1参照)。この非特許文献1には、「温帯の日本では絶対湿度10g/m3以下がインフルエンザ流行の最大公約数である」と記載されている。また、2002年12月15日発行の朝日新聞に、「一週間の平均気温が10度を下回るとインフルエンザの患者数が急増し、空気中の水蒸気の量を示す水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下になるとインフルエンザの患者数が急増する」旨の記載がある。
【0003】
【非特許文献1】
庄司 眞 「季節とインフルエンザの関係」J.Natl.Inst.Public Health、48(4):1999 第282−289頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、絶対湿度、気温、水蒸気圧等を検出できれば、インフルエンザの流行を予測することが可能である。しかしながら、従来ではこのような予測は行われず、流行する条件が成立しているにもかかわらず、なんらの対策が取られていない。このため、大小あるが毎年冬場においてインフルエンザが流行して、インフルエンザに感染する人が多くいる。ところで、インフルエンザに感染しないようにするには、上記の記載から分るように、高湿度状態とするのが効果的である。しかしながら、室内を高湿度状態とすれば、カビやダニ等が増殖する環境を作ることになる。
【0005】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、インフルエンザの流行をユーザ等に知らせることができるインフルエンザ予測表示装置を提供し、また、インフルエンザに感染しないようにすることが可能な空気調和機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1のインフルエンザ予測表示装置は、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示することを特徴としている。
【0007】
上記請求項1のインフルエンザ予測表示装置では、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、その予測の信頼性が高い。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。
【0008】
請求項2のインフルエンザ予測表示装置は、上記外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であることを特徴としている。
【0009】
上記請求項2のインフルエンザ予測表示装置では、外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であるので、インフルエンザの流行の予測を簡単に行うことができる。
【0010】
請求項3の空気調和機は、上記請求項1又は請求項2のインフルエンザ予測表示装置を具備したことを特徴としている。
【0011】
上記請求項3の空気調和機では、インフルエンザ予測表示装置を具備しているので、この表示装置にて表示された予測に基づいて空気調和運転を行うことができる。すなわち、湿調運転が可能であれば、加湿運転を行うことによって、インフルエンザウイルスを不活性状態として、インフルエンザに感染しないようにすることができる。なお、この空気調和機には、温調機能と調湿機能とを有するものの他、加湿器のような調湿機能だけを有するものも含まれる。
【0012】
請求項4の空気調和機は、運転操作用のリモコン30を備え、このリモコン30にインフルエンザの予測表示を行うことを特徴としている。
【0013】
請求項4の空気調和機では、リモコン30にインフルエンザの予測表示を行うので、この空気調和機のユーザ等は確実にそのインフルエンザの予測の情報を知ることができる。
【0014】
請求項5の空気調和機は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のいずれかがそのそれぞれに設定された所定基準値以下となったときを、インフルエンザ流行状態とし、このインフルエンザ流行状態において、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とすることを特徴としている。
【0015】
上記請求項5の空気調和機では、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のいずれかがそのそれぞれに設定された所定基準値以下となったときを、インフルエンザ流行状態とするので、インフルエンザが流行する可能性がある状態を検出することができる。また、このようにインフルエンザが流行する可能性があるときには、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とするので、室内にいるユーザは、インフルエンザに感染しにくくなる。
【0016】
請求項6の空気調和機は、カビやダニ等の増殖可能範囲とならないように室内湿度を制御することを特徴としている。
【0017】
上記請求項6の空気調和機では、室内湿度を、カビやダニ等の増殖可能範囲とならないように制御しているので、インフルエンザの感染を防止しながらカビやダニ等が増殖しにくくなる。
【0018】
請求項7の空気調和機は、温調及び湿調が可能な空気調和機であって、インフルエンザウイルスが不活性となると共に、カビやダニ等の増殖が不可能となる範囲を、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定することを特徴としている。
【0019】
上記請求項7の空気調和機では、インフルエンザウイルスが不活性となると共に、カビやダニ等の増殖が不可能となる範囲を、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定しているので、インフルエンザウイルスの活性化及びカビやダニ等の増殖を押えることができる理想的な環境(適切な温度及び湿度となっている環境)を形成することができる。
【0020】
請求項8のインフルエンザ予測表示方法は、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示することを特徴としている。
【0021】
上記請求項8のインフルエンザ予測表示方法では、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、信頼性が高い予測を行うことができる。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、この発明のインフルエンザ予測表示装置及びインフルエンザ予測表示方法の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。このインフルエンザ予測表示装置は、図1に示すように、外気温度センサ1と、外気湿度センサ(相対湿度を検出するセンサ)2と、これらのセンサ1、2からの測定データが入力される制御手段(コントローラ)3と、予測表示部4等を備え、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示するものである。ここで、外気条件とは、この場合、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧である。
【0023】
制御手段(コントローラ)3は、水蒸気圧算出部5と、上記外気条件となる絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の各所定基準値が入力されている記憶部6と、インフルエンザ流行判定部7等を備える。水蒸気圧算出部5は、外気温度センサ1にて検出された気温と、外気湿度センサ2にて検出された湿度とから水蒸気圧を算出し、インフルエンザ流行判定部7は、外気温度センサ1にて検出された気温と、外気湿度センサ2にて検出された相対湿度から求めた絶対湿度と、水蒸気圧算出部5にて算出された水蒸気圧とを、上記記憶部6の各所定基準値とそれぞれ比較して、インフルエンザが流行状態であるかを判定する。なお、絶対湿度は、気温と相対湿度から算出でき、水蒸気圧は気温と絶対湿度とから算出できる。また、制御手段3はマイクロコンピュータ等にて構成することができる。
【0024】
ところで、上記記憶部6の各所定基準値は、絶対湿度は10g/m3であり、気温は10度であり、水蒸気圧は9ヘクトパスカル(hPa)である。すなわち、湿度においては、絶対湿度10g/m3以下の乾燥した状態、気温において10度以下の低温状態、水蒸気圧においては9ヘクトパスカル以下の低水蒸気量状態のときに、インフルエンザが流行すると判定する。そして、その判定(予測)が予測表示部4に表示される。なお、所定基準値と比較するデータは1週間の平均値である。
【0025】
この場合、予測表示部4の表示の種類には、例えば、「危険度大」と「危険度中」と「危険度小」とがある。ここで、「危険度大」とは、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の全てが上記各所定基準値以下であって、インフルエンザの流行の可能性が大であり、「危険度中」とは、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうち2つが各所定基準値以下であって、インフルエンザの流行の可能性が中であり、「危険度小」とは、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちどれか1つが所定基準値以下であって、インフルエンザの流行の可能性が小である。また、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の全てが各所定基準値を越えていれば、予測表示部4にはこのような表示を行わない。そして、予測表示部4は、このインフルエンザ予測表示装置の上記制御手段(コントローラ)3が収納されるケーシング(図示省略)に設けたり、後述する加湿ユニット9等の運転操作用のリモコンに設けたりすることができる。なお、予測表示部4は、透明パネルと、この透明パネルの内側に配置されるLED等の報知手段とを備えたものであって、報知手段が点灯することによって、上記表示を行う。
【0026】
この装置には、加湿が可能な加湿ユニット9が接続され、制御手段3の湿度制御部8からの指令にて、この加湿ユニット9が駆動する。すなわち、判定部7がインフルエンザが流行すると判定した場合、湿度制御部8からの指令にて加湿ユニット9が加湿運転を行って、インフルエンザウイルスが不活性状態となる高湿度状態とすることができる。加湿ユニット9としては、例えば、水分吸着剤を利用(使用)したもので構成することができる。すなわち、水分吸着剤にて外気の空気の水分を吸着し、この水分を室内に放出することによって、室内を加湿することができる。また、その他の加湿ユニット9としては、透湿性エレメントを使用した加湿器を用いることができる。この場合、透湿性エレメントに疎水性の多孔質膜を使用し、この多孔質の特性を利用するものである。ここで、多孔質の特性とは、水蒸気を透過させるが水を透過させない特性(透湿性)である。この透湿性エレメントを境界面として、一方の領域に水を配置し、他方の領域に空気を送ることにより、この透湿性エレメントを経由して水蒸気を移動させ、空気側を加湿するものである。
【0027】
次に、上記のように構成されたインフルエンザ予測表示装置の運転を図2を使用して説明する。まず、ステップS1で示すように、例えば、1時間毎に温度(気温)と湿度(相対湿度)とを測定(検出)する。次に、ステップS2へ移行して、温度と絶対湿度と水蒸気圧の週平均(1週間の平均値)をそれぞれ算出する。その後、ステップS3で週平均温度が10度以下か否かを判断する。10度以下であれば、ステップS4へ移行し、10度を越えていれば、ステップS5へ移行する。ステップS4では、週平均絶対湿度が10g/m3以下か否かを判断する。10g/m3以下であれば、ステップS6へ移行し、10g/m3を越えていれば、ステップS7へ移行する。ステップS6では、週平均水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下か否かを判断する。9ヘクトパスカル以下であれば、ステップS8へ移行して「危険度大」を表示し、9ヘクトパスカルを越えていれば、ステップS9へ移行して「危険度中」を表示する。
【0028】
また、上記ステップS5では、週平均絶対湿度が10g/m3以下か否かを判断する。10g/m3以下であれば、ステップS7へ移行し、10g/m3を越えていれば、ステップS10へ移行する。ステップS7では、週平均水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下か否かを判断する。9ヘクトパスカル以下であれば、ステップS9へ移行して「危険度中」を表示し、9ヘクトパスカルを越えていれば、ステップS11へ移行して「危険度小」を表示する。ステップS10では、週平均水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下か否かを判断する。9ヘクトパスカル以下であれば、ステップS11へ移行して「危険度小」を表示し、9ヘクトパスカルを越えていれば、ステップS12へ移行して予測表示部4における表示を行わない表示なし状態とする。
【0029】
すなわち、週平均温度、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧の全てが各所定基準値以下であるときに、インフルエンザの流行の危険度が大であるとして「危険度大」を表示し、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧が各所定基準値以下であるときに、インフルエンザの流行の危険度が中であるとして「危険度中」を表示し、週平均水蒸気圧が所定基準値以下であるときに、インフルエンザの流行の危険度が小であるとして「危険度小」を表示し、週平均温度、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧の全てが各所定基準値を越えているときには、インフルエンザの流行のおそれが極めてすくないと判定して、予測表示部4にこのような表示を行わない。
【0030】
このように、このインフルエンザ予測表示装置及びこのような装置を使用したインフルエンザ予測表示方法によれば、インフルエンザの予測が表示され、ユーザ等はその予測を確認することができる。そのため、インフルエンザが流行すると認識して、インフルエンザに感染しないように、うがいや手洗い等を励行する自覚を高めることができる。また、使用する外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であるので、インフルエンザの流行の予測を簡単に行うことができる。すなわち、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧は、なんら特別な装置を使用することなく簡単に得ることができるからである。
【0031】
また、上記図1のインフルエンザ予測表示装置では、このように危険度が表示される状態では、インフルエンザが流行する可能性があるので、加湿ユニット9にて室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とする。これによって、インフルエンザウイルスが不活性化されて、室内にいるユーザは、インフルエンザに感染しにくくなる。
【0032】
次に、図3は、上記インフルエンザ予測表示装置を具備する空気調和機を示す。この空気調和機は、室外機11と室内機12とを備え、室外機11側には、圧縮機13と、四路切換弁14と、室外熱交換器15と、室外膨張弁16等が配置され、室内機12側には、室内熱交換器17が配置される。また、室内熱交換器17は、第1熱交換器22と、第2熱交換器23とに分割形成され、この第1熱交換器22と第2熱交換器23とを連結する冷媒配管24に室内膨張弁25が介設されている。
【0033】
具体的には、圧縮機13の吐出管18が四路切換弁14の一方の1次ポートに接続され、圧縮機13の吸入管19が四路切換弁14の他方の1次ポートに接続され、四路切換弁14の一方の2次ポートが冷媒配管20を介して室外熱交換器15に接続され、室外熱交換器15が冷媒配管21を介して室外膨張弁16に接続される。そして、室外膨張弁16と第1熱交換器22とが冷媒配管26にて接続され、第2熱交換器23と四路切換弁14の他方の2次ポートとが冷媒配管27にて接続されている。また、室外熱交換器15には室外ファン28が付設され、室内熱交換器17には室内ファン29が付設されている。
【0034】
上記のように構成された空気調和機において、暖房運転は、室外膨張弁16を制御(調整)開度とすると共に、室内膨張弁25を全開状態とし、さらには、四路切換弁14を図3の破線で示す状態に切換える。この状態で圧縮機13を駆動する。これにより、圧縮機13から吐出された冷媒は、第2熱交換器23及び第1熱交換器22を順次通過した後、室外膨張弁16で減圧膨張して、室外熱交換器15を通過して圧縮機13に返流される。この際、第1熱交換器22及び第2熱交換器23が凝縮器として機能すると共に、室外熱交換器15が蒸発器として機能し、室内へ加熱された(暖められた)空気が吹出される。
【0035】
また、除湿運転は、室外膨張弁16を全開状態又はこれに近い状態とすると共に、室内膨張弁25を所定の開度に絞り、圧縮機13を駆動する。これにより、圧縮機13から吐出された冷媒は、室外熱交換器15及び第1熱交換器22を通過した後、室内膨張弁25で減圧膨張して、第2熱交換器23を通過して圧縮機13に返流される。この際、室外熱交換器15及び第1熱交換器22が凝縮器として機能すると共に、第2熱交換器23が蒸発器として機能する。従って、第2熱交換器23を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後この湿調された空気が第1熱交換器22を通過して加熱されて温調され、室内に吹出されることになる。このため、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。
【0036】
また、この空気調和機においても、加湿運転が可能であって、この場合、例えば、室外機11に、水分吸着剤等を使用した加湿ユニットを内蔵し、この加湿ユニットの水分吸着剤にて外気の空気の水分を吸着し、この水分を室内に放出することによって、室内を加湿することができる。
【0037】
そして、この空気調和機に、図4に示すようなインフルエンザ予測表示装置が搭載される。このインフルエンザ予測表示装置は、図1のインフルエンザ予測表示装置と同様、温度センサ1と、湿度センサ2と、これらのセンサ1、2からの測定データが入力される制御手段(コントローラ)3と、予測表示部4等を備える。また、制御手段3は、水蒸気圧算出部5と、上記外気条件となる絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の各所定基準値が入力されている記憶部6と、インフルエンザ流行判定部7と、温湿度制御部10等を備える。この場合の制御手段3は、上記冷暖房運転等を制御する制御手段(マイクロコンピュータ等)にて構成することができる。
【0038】
このため、この空気調和機においても、図2のフローチャート図に示した制御が可能であって、予測表示部4に、インフルエンザの流行の可能性が大であると判定した場合に「危険度大」が表示され、インフルエンザの流行の可能性が中であると判定した場合に「危険度中」が表示され、インフルエンザの流行の可能性が小であると判定した場合に「危険度小」が表示され、インフルエンザの流行の可能性が極めて小または無いと判定した場合には表示は行われない。また、この空気調和機においては、予測表示部4は、この空気調和機の運転操作用のリモコン30に設けられている。
【0039】
ところで、カビやダニ等は、高湿度であれば増殖することになる。すなわち、増殖する場合の湿度と温度との関係は、図6のグラフ図によって表される。このグラフ図において、黒丸は好乾性カビが24時間以内で生育したことを示し、白抜き四角は好乾性カビが2〜7日で生育したことを示し、黒三角は8〜30日で生育したことを示している。このため、この黒三角を結んで形成される式▲1▼(グラフ)以下、つまりこの▲1▼のグラフよりも図面における左側の温度と湿度であれば、このような状態が30日を越えてもカビ(好乾性カビ)が生育しないことになる。そこで、このカビが生育しない範囲でできるだけ、温度及び湿度を高めれば、インフルエンザのウイルスが活性化せず、しかも、カビやダニ等が繁殖しない環境を作ることができる。なお、この図6のグラフ図は、文献「防菌防黴」(阿部 恵子:Vol 21 NO.10 第557頁〜565頁 1993)の抜粋による。また、好乾性カビの生育を基準とするのは、好乾性カビがカビのなかでは低湿度で生育が可能であるので、この好乾性カビが生育しなければ、他のカビも生育しないからである。
【0040】
そこで、インフルエンザの流行の可能性がある場合には、図5に示すように、湿調運転を行って、インフルエンザのウイルスが活性化せず、しかも、カビやダニ等が繁殖しない環境を形成する。この場合、まず、ステップS15のように、危険度と温度により、室内の相対湿度の上限と下限とを設定する。この場合、この設定される上限及び下限は上記記憶部6に入力される。また、これらは任意に設定することができるが、上限とは、カビやダニが生育(増殖)しない湿度の上限であり、上記図6のグラフのデータに基づいて設定することができ、この上限を越えれば、カビやダニが生育し易く、下限とは、インフルエンザウイルスの不活性化に有効な湿度の下限であり、この下限を下回れば、インフルエンザウイルスが活性化することになる。この場合、上記非特許文献1の第285頁左欄の第12行〜第15行に、「インフルエンザウイルスは、絶対湿度が17g/m3以上で6時間後ほとんど生存せず、10g/m3で6時間後5%、7g/m3で20%、5g/m3以下で50%生存する」と記載され、さらにその第284頁の表2に、気温24℃で、相対湿度が50%以上、水蒸気圧が14.92mb、絶対湿度が10.9g/m3で、6時間後の生存率が3−5%と記載されており、インフルエンザウイルスの不活性化に有効な湿度の下限をこれらのデータに基づいて設定できる。すなわち、カビが生育しない範囲でできるだけ、温度及び湿度を高めることになって、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定する。
【0041】
次に、ステップS16で、室内湿度が下限よりも上か、つまりこの下限を越えているかを判断し、越えていなければステップS17へ移行して加湿して、ステップS18へ移行する。また、この下限を越えていれば、加湿せずにステップS18へ移行する。ステップS18では、室内湿度が上限よりも下か、つまりこの上限以下か否かを判断する。そして、室内湿度が上限を越えていれば、除湿してステップS15へ戻り、室内湿度が上限を越えていなければ、そのままステップS15へ戻る。
【0042】
このように、上記空気調和機では、上記のように設定された上限と下限の間の湿度を維持することができ、室内をインフルエンザウイルスが活性化しないと共に、カビやダニが生育しにくい湿度に維持することができる。すなわち、この室内において、インフルエンザに感染しにくいと共に、カビやダニ等が増殖しにくい環境を形成することができ、ユーザ等は快適に過ごすことができる。この場合、インフルエンザウイルスが不活性となると共に、カビやダニ等の増殖が不可能となる範囲を、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定しているので、インフルエンザウイルスの活性化及びカビやダニ等の増殖を押えることができる理想的な環境(適切な温度と湿度となっている環境)を形成することができる。また、予測表示部4はこの空気調和機の運転操作用のリモコン30に設けられているので、ユーザ等は手元にこのリモコン30を置いて、この予測情報を随時確認(把握)することができ、この空気調和機のインフルエンザウイルスの不活性化及びカビ等の増殖防止に加えて、インフルエンザに感染しないように、手洗いやうがい等を励行することができ、極めて健全な生活を営むことができる。また、通常の空気調和機においては、外気温度センサや湿度センサ等を具備しており、この既存の各種センサをそのまま使用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0043】
以上にこの発明のインフルエンザ予測表示装置及び空気調和機の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、空気調和機として、図3では、冷暖房を行う温調ユニットと、湿度を調整する湿調ユニットとを備えたものであったが、温調ユニットのみ又は湿調ユニットのみを有するものであってもよい。さらに、「危険度中」を表示する場合、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧が各所定基準値以下であるときとしていたが、週平均温度と、他の条件(たとえば、週平均絶対湿度)が各所定基準値以下であるときであってもよく、「危険度小」を表示する場合、週平均水蒸気圧が所定基準値以下であるときとしていたが、週平均温度又は週平均絶対湿度のどちらか1つが所定基準値以下であるときであってもよい。また、「危険度大」、「危険度中」、及び「危険度小」を設けず、上記週平均温度、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧のうちどれか1つが所定基準値以下であれば、単に「危険」と表示するようにしてもよい。さらに、上記実施の形態では、所定基準値と比較するデータを1週間の平均値(週平均)としたが、もちろん、週平均に限るものではなく、例えば、2〜3日の平均や、10日以上の平均等のように種々のものに変更することができる。また、各所定基準値としても、上記の数値に限るものではなく、多少の変更も可能である。すなわち、上記実施の形態において設定した各基準値以下となれば、インフルエンザが確実に流行するというものではなく、流行の可能性が高いというものである。そのため、「危険度大」や「危険度中」や「危険度小」と表示されたとしても、インフルエンザが必ず流行するとは限るものではないが、「危険度小」であっても、流行の可能性があると予測することができる。従って、このように表示されれば、この予測を見た人は、インフルエンザ感染の予防対策を講じることができ、また、この予測に基づいて加湿することができる空気調和機では、自動的に加湿を行ってインフルエンザウイルスが活性化できない環境を形成することができて、インフルエンザの感染を防止できることになる。ところで、予測表示部4としては、図3と図4に示す空気調和機では、リモコン30に設けたが、室内機12等に設けてもよい。さらに、予測表示部4の表示としては、「危険度」等の文字表示以外に、色分け表示であってもよい。また、加湿ユニット(加湿器)として、上記実施の形態以外に、超音波加湿器、電熱式加湿器、又は遠心式加湿器等の種々タイプのものも使用することができる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1のインフルエンザ予測表示装置によれば、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、その予測の信頼性が高い。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。そのため、インフルエンザが流行すると認識して、インフルエンザに感染しないように、うがいや手洗い等を励行する自覚を高めることができる。
【0045】
請求項2のインフルエンザ予測表示装置によれば、外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であるので、インフルエンザの流行の予測を簡単に行うことができる。すなわち、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧は、なんら特別な装置を使用することなく簡単に得ることができるからである。
【0046】
請求項3の空気調和機によれば、インフルエンザ予測表示装置を具備しているので、この表示装置にて表示された予測に基づいて空気調和運転を行うことができる。すなわち、湿調運転が可能であれば、加湿運転を行うことによって、インフルエンザウイルスを不活性状態として、インフルエンザに感染しないようにすることができる。しかも、通常の空気調和機においては、外気温度センサや湿度センサ等を具備しており、この既存の各種センサをそのまま使用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0047】
請求項4の空気調和機によれば、リモコンにインフルエンザの予測表示を行うので、この空気調和機のユーザ等は確実にそのインフルエンザの予測の情報を知ることができる。すなわち、リモコンは一般的にユーザの手元にあり、インフルエンザの予測の情報を随時確認することができる。
【0048】
請求項5の空気調和機によれば、インフルエンザが流行する可能性がある場合を検出することができ、流行する可能性があるときには、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とするので、室内にいるユーザは、インフルエンザに感染しにくくなる。
【0049】
請求項6の空気調和機によれば、室内湿度を、カビやダニ等の増殖可能範囲とならないように制御しているので、インフルエンザの感染を防止しながらカビやダニ等が増殖しにくくなる。このため、室内を快適空間とすることができ、ユーザ等は快適に過ごすことができる。
【0050】
請求項7の空気調和機によれば、インフルエンザウイルスの活性化及びカビやダニ等の増殖を押えることができる理想的な環境(適切な温度と湿度となっている環境)を形成することができる。このため、ユーザ等は室内において極めて健全に過ごすことができる。
【0051】
請求項8のインフルエンザ予測表示方法によれば、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、信頼性が高い予測を行うことができる。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。そのため、インフルエンザが流行すると認識して、インフルエンザに感染しないように、うがいや手洗い等を励行する自覚を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインフルエンザ予測表示装置の実施の形態を示す簡略構成図である。
【図2】上記インフルエンザ予測表示装置の運転状況を示すフローチャート図である。
【図3】この発明の空気調和機の簡略図である。
【図4】上記空気調和機のインフルエンザ予測表示装置の簡略構成図である。
【図5】上記空気調和機の運転状況を示すフローチャート図である。
【図6】カビやダニ等が生育する湿度と温度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
30 リモコン
【発明の属する技術分野】
この発明は、インフルエンザ予測表示装置及び空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インフルエンザは、空中に飛散したインフルエンザウイルスを含んだ粒子による飛沫感染等にて、人から人へ感染を広げ、流行する。そして、インフルエンザは冬場に流行する。わが国の冬は寒く乾燥している。そのため、インフルエンザの流行を外気の温度や湿度から予測が可能と思われ、季節とインフルエンザの流行との関係について記載されているもがある(例えば、非特許文献1参照)。この非特許文献1には、「温帯の日本では絶対湿度10g/m3以下がインフルエンザ流行の最大公約数である」と記載されている。また、2002年12月15日発行の朝日新聞に、「一週間の平均気温が10度を下回るとインフルエンザの患者数が急増し、空気中の水蒸気の量を示す水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下になるとインフルエンザの患者数が急増する」旨の記載がある。
【0003】
【非特許文献1】
庄司 眞 「季節とインフルエンザの関係」J.Natl.Inst.Public Health、48(4):1999 第282−289頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、絶対湿度、気温、水蒸気圧等を検出できれば、インフルエンザの流行を予測することが可能である。しかしながら、従来ではこのような予測は行われず、流行する条件が成立しているにもかかわらず、なんらの対策が取られていない。このため、大小あるが毎年冬場においてインフルエンザが流行して、インフルエンザに感染する人が多くいる。ところで、インフルエンザに感染しないようにするには、上記の記載から分るように、高湿度状態とするのが効果的である。しかしながら、室内を高湿度状態とすれば、カビやダニ等が増殖する環境を作ることになる。
【0005】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、インフルエンザの流行をユーザ等に知らせることができるインフルエンザ予測表示装置を提供し、また、インフルエンザに感染しないようにすることが可能な空気調和機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1のインフルエンザ予測表示装置は、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示することを特徴としている。
【0007】
上記請求項1のインフルエンザ予測表示装置では、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、その予測の信頼性が高い。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。
【0008】
請求項2のインフルエンザ予測表示装置は、上記外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であることを特徴としている。
【0009】
上記請求項2のインフルエンザ予測表示装置では、外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であるので、インフルエンザの流行の予測を簡単に行うことができる。
【0010】
請求項3の空気調和機は、上記請求項1又は請求項2のインフルエンザ予測表示装置を具備したことを特徴としている。
【0011】
上記請求項3の空気調和機では、インフルエンザ予測表示装置を具備しているので、この表示装置にて表示された予測に基づいて空気調和運転を行うことができる。すなわち、湿調運転が可能であれば、加湿運転を行うことによって、インフルエンザウイルスを不活性状態として、インフルエンザに感染しないようにすることができる。なお、この空気調和機には、温調機能と調湿機能とを有するものの他、加湿器のような調湿機能だけを有するものも含まれる。
【0012】
請求項4の空気調和機は、運転操作用のリモコン30を備え、このリモコン30にインフルエンザの予測表示を行うことを特徴としている。
【0013】
請求項4の空気調和機では、リモコン30にインフルエンザの予測表示を行うので、この空気調和機のユーザ等は確実にそのインフルエンザの予測の情報を知ることができる。
【0014】
請求項5の空気調和機は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のいずれかがそのそれぞれに設定された所定基準値以下となったときを、インフルエンザ流行状態とし、このインフルエンザ流行状態において、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とすることを特徴としている。
【0015】
上記請求項5の空気調和機では、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のいずれかがそのそれぞれに設定された所定基準値以下となったときを、インフルエンザ流行状態とするので、インフルエンザが流行する可能性がある状態を検出することができる。また、このようにインフルエンザが流行する可能性があるときには、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とするので、室内にいるユーザは、インフルエンザに感染しにくくなる。
【0016】
請求項6の空気調和機は、カビやダニ等の増殖可能範囲とならないように室内湿度を制御することを特徴としている。
【0017】
上記請求項6の空気調和機では、室内湿度を、カビやダニ等の増殖可能範囲とならないように制御しているので、インフルエンザの感染を防止しながらカビやダニ等が増殖しにくくなる。
【0018】
請求項7の空気調和機は、温調及び湿調が可能な空気調和機であって、インフルエンザウイルスが不活性となると共に、カビやダニ等の増殖が不可能となる範囲を、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定することを特徴としている。
【0019】
上記請求項7の空気調和機では、インフルエンザウイルスが不活性となると共に、カビやダニ等の増殖が不可能となる範囲を、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定しているので、インフルエンザウイルスの活性化及びカビやダニ等の増殖を押えることができる理想的な環境(適切な温度及び湿度となっている環境)を形成することができる。
【0020】
請求項8のインフルエンザ予測表示方法は、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示することを特徴としている。
【0021】
上記請求項8のインフルエンザ予測表示方法では、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、信頼性が高い予測を行うことができる。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、この発明のインフルエンザ予測表示装置及びインフルエンザ予測表示方法の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。このインフルエンザ予測表示装置は、図1に示すように、外気温度センサ1と、外気湿度センサ(相対湿度を検出するセンサ)2と、これらのセンサ1、2からの測定データが入力される制御手段(コントローラ)3と、予測表示部4等を備え、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示するものである。ここで、外気条件とは、この場合、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧である。
【0023】
制御手段(コントローラ)3は、水蒸気圧算出部5と、上記外気条件となる絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の各所定基準値が入力されている記憶部6と、インフルエンザ流行判定部7等を備える。水蒸気圧算出部5は、外気温度センサ1にて検出された気温と、外気湿度センサ2にて検出された湿度とから水蒸気圧を算出し、インフルエンザ流行判定部7は、外気温度センサ1にて検出された気温と、外気湿度センサ2にて検出された相対湿度から求めた絶対湿度と、水蒸気圧算出部5にて算出された水蒸気圧とを、上記記憶部6の各所定基準値とそれぞれ比較して、インフルエンザが流行状態であるかを判定する。なお、絶対湿度は、気温と相対湿度から算出でき、水蒸気圧は気温と絶対湿度とから算出できる。また、制御手段3はマイクロコンピュータ等にて構成することができる。
【0024】
ところで、上記記憶部6の各所定基準値は、絶対湿度は10g/m3であり、気温は10度であり、水蒸気圧は9ヘクトパスカル(hPa)である。すなわち、湿度においては、絶対湿度10g/m3以下の乾燥した状態、気温において10度以下の低温状態、水蒸気圧においては9ヘクトパスカル以下の低水蒸気量状態のときに、インフルエンザが流行すると判定する。そして、その判定(予測)が予測表示部4に表示される。なお、所定基準値と比較するデータは1週間の平均値である。
【0025】
この場合、予測表示部4の表示の種類には、例えば、「危険度大」と「危険度中」と「危険度小」とがある。ここで、「危険度大」とは、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の全てが上記各所定基準値以下であって、インフルエンザの流行の可能性が大であり、「危険度中」とは、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうち2つが各所定基準値以下であって、インフルエンザの流行の可能性が中であり、「危険度小」とは、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちどれか1つが所定基準値以下であって、インフルエンザの流行の可能性が小である。また、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の全てが各所定基準値を越えていれば、予測表示部4にはこのような表示を行わない。そして、予測表示部4は、このインフルエンザ予測表示装置の上記制御手段(コントローラ)3が収納されるケーシング(図示省略)に設けたり、後述する加湿ユニット9等の運転操作用のリモコンに設けたりすることができる。なお、予測表示部4は、透明パネルと、この透明パネルの内側に配置されるLED等の報知手段とを備えたものであって、報知手段が点灯することによって、上記表示を行う。
【0026】
この装置には、加湿が可能な加湿ユニット9が接続され、制御手段3の湿度制御部8からの指令にて、この加湿ユニット9が駆動する。すなわち、判定部7がインフルエンザが流行すると判定した場合、湿度制御部8からの指令にて加湿ユニット9が加湿運転を行って、インフルエンザウイルスが不活性状態となる高湿度状態とすることができる。加湿ユニット9としては、例えば、水分吸着剤を利用(使用)したもので構成することができる。すなわち、水分吸着剤にて外気の空気の水分を吸着し、この水分を室内に放出することによって、室内を加湿することができる。また、その他の加湿ユニット9としては、透湿性エレメントを使用した加湿器を用いることができる。この場合、透湿性エレメントに疎水性の多孔質膜を使用し、この多孔質の特性を利用するものである。ここで、多孔質の特性とは、水蒸気を透過させるが水を透過させない特性(透湿性)である。この透湿性エレメントを境界面として、一方の領域に水を配置し、他方の領域に空気を送ることにより、この透湿性エレメントを経由して水蒸気を移動させ、空気側を加湿するものである。
【0027】
次に、上記のように構成されたインフルエンザ予測表示装置の運転を図2を使用して説明する。まず、ステップS1で示すように、例えば、1時間毎に温度(気温)と湿度(相対湿度)とを測定(検出)する。次に、ステップS2へ移行して、温度と絶対湿度と水蒸気圧の週平均(1週間の平均値)をそれぞれ算出する。その後、ステップS3で週平均温度が10度以下か否かを判断する。10度以下であれば、ステップS4へ移行し、10度を越えていれば、ステップS5へ移行する。ステップS4では、週平均絶対湿度が10g/m3以下か否かを判断する。10g/m3以下であれば、ステップS6へ移行し、10g/m3を越えていれば、ステップS7へ移行する。ステップS6では、週平均水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下か否かを判断する。9ヘクトパスカル以下であれば、ステップS8へ移行して「危険度大」を表示し、9ヘクトパスカルを越えていれば、ステップS9へ移行して「危険度中」を表示する。
【0028】
また、上記ステップS5では、週平均絶対湿度が10g/m3以下か否かを判断する。10g/m3以下であれば、ステップS7へ移行し、10g/m3を越えていれば、ステップS10へ移行する。ステップS7では、週平均水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下か否かを判断する。9ヘクトパスカル以下であれば、ステップS9へ移行して「危険度中」を表示し、9ヘクトパスカルを越えていれば、ステップS11へ移行して「危険度小」を表示する。ステップS10では、週平均水蒸気圧が9ヘクトパスカル以下か否かを判断する。9ヘクトパスカル以下であれば、ステップS11へ移行して「危険度小」を表示し、9ヘクトパスカルを越えていれば、ステップS12へ移行して予測表示部4における表示を行わない表示なし状態とする。
【0029】
すなわち、週平均温度、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧の全てが各所定基準値以下であるときに、インフルエンザの流行の危険度が大であるとして「危険度大」を表示し、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧が各所定基準値以下であるときに、インフルエンザの流行の危険度が中であるとして「危険度中」を表示し、週平均水蒸気圧が所定基準値以下であるときに、インフルエンザの流行の危険度が小であるとして「危険度小」を表示し、週平均温度、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧の全てが各所定基準値を越えているときには、インフルエンザの流行のおそれが極めてすくないと判定して、予測表示部4にこのような表示を行わない。
【0030】
このように、このインフルエンザ予測表示装置及びこのような装置を使用したインフルエンザ予測表示方法によれば、インフルエンザの予測が表示され、ユーザ等はその予測を確認することができる。そのため、インフルエンザが流行すると認識して、インフルエンザに感染しないように、うがいや手洗い等を励行する自覚を高めることができる。また、使用する外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であるので、インフルエンザの流行の予測を簡単に行うことができる。すなわち、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧は、なんら特別な装置を使用することなく簡単に得ることができるからである。
【0031】
また、上記図1のインフルエンザ予測表示装置では、このように危険度が表示される状態では、インフルエンザが流行する可能性があるので、加湿ユニット9にて室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とする。これによって、インフルエンザウイルスが不活性化されて、室内にいるユーザは、インフルエンザに感染しにくくなる。
【0032】
次に、図3は、上記インフルエンザ予測表示装置を具備する空気調和機を示す。この空気調和機は、室外機11と室内機12とを備え、室外機11側には、圧縮機13と、四路切換弁14と、室外熱交換器15と、室外膨張弁16等が配置され、室内機12側には、室内熱交換器17が配置される。また、室内熱交換器17は、第1熱交換器22と、第2熱交換器23とに分割形成され、この第1熱交換器22と第2熱交換器23とを連結する冷媒配管24に室内膨張弁25が介設されている。
【0033】
具体的には、圧縮機13の吐出管18が四路切換弁14の一方の1次ポートに接続され、圧縮機13の吸入管19が四路切換弁14の他方の1次ポートに接続され、四路切換弁14の一方の2次ポートが冷媒配管20を介して室外熱交換器15に接続され、室外熱交換器15が冷媒配管21を介して室外膨張弁16に接続される。そして、室外膨張弁16と第1熱交換器22とが冷媒配管26にて接続され、第2熱交換器23と四路切換弁14の他方の2次ポートとが冷媒配管27にて接続されている。また、室外熱交換器15には室外ファン28が付設され、室内熱交換器17には室内ファン29が付設されている。
【0034】
上記のように構成された空気調和機において、暖房運転は、室外膨張弁16を制御(調整)開度とすると共に、室内膨張弁25を全開状態とし、さらには、四路切換弁14を図3の破線で示す状態に切換える。この状態で圧縮機13を駆動する。これにより、圧縮機13から吐出された冷媒は、第2熱交換器23及び第1熱交換器22を順次通過した後、室外膨張弁16で減圧膨張して、室外熱交換器15を通過して圧縮機13に返流される。この際、第1熱交換器22及び第2熱交換器23が凝縮器として機能すると共に、室外熱交換器15が蒸発器として機能し、室内へ加熱された(暖められた)空気が吹出される。
【0035】
また、除湿運転は、室外膨張弁16を全開状態又はこれに近い状態とすると共に、室内膨張弁25を所定の開度に絞り、圧縮機13を駆動する。これにより、圧縮機13から吐出された冷媒は、室外熱交換器15及び第1熱交換器22を通過した後、室内膨張弁25で減圧膨張して、第2熱交換器23を通過して圧縮機13に返流される。この際、室外熱交換器15及び第1熱交換器22が凝縮器として機能すると共に、第2熱交換器23が蒸発器として機能する。従って、第2熱交換器23を通過する室内空気は冷却されて除湿され、その後この湿調された空気が第1熱交換器22を通過して加熱されて温調され、室内に吹出されることになる。このため、除湿によって冷却された空気を再度暖める再熱除湿運転を行うことができる。
【0036】
また、この空気調和機においても、加湿運転が可能であって、この場合、例えば、室外機11に、水分吸着剤等を使用した加湿ユニットを内蔵し、この加湿ユニットの水分吸着剤にて外気の空気の水分を吸着し、この水分を室内に放出することによって、室内を加湿することができる。
【0037】
そして、この空気調和機に、図4に示すようなインフルエンザ予測表示装置が搭載される。このインフルエンザ予測表示装置は、図1のインフルエンザ予測表示装置と同様、温度センサ1と、湿度センサ2と、これらのセンサ1、2からの測定データが入力される制御手段(コントローラ)3と、予測表示部4等を備える。また、制御手段3は、水蒸気圧算出部5と、上記外気条件となる絶対湿度、気温、及び水蒸気圧の各所定基準値が入力されている記憶部6と、インフルエンザ流行判定部7と、温湿度制御部10等を備える。この場合の制御手段3は、上記冷暖房運転等を制御する制御手段(マイクロコンピュータ等)にて構成することができる。
【0038】
このため、この空気調和機においても、図2のフローチャート図に示した制御が可能であって、予測表示部4に、インフルエンザの流行の可能性が大であると判定した場合に「危険度大」が表示され、インフルエンザの流行の可能性が中であると判定した場合に「危険度中」が表示され、インフルエンザの流行の可能性が小であると判定した場合に「危険度小」が表示され、インフルエンザの流行の可能性が極めて小または無いと判定した場合には表示は行われない。また、この空気調和機においては、予測表示部4は、この空気調和機の運転操作用のリモコン30に設けられている。
【0039】
ところで、カビやダニ等は、高湿度であれば増殖することになる。すなわち、増殖する場合の湿度と温度との関係は、図6のグラフ図によって表される。このグラフ図において、黒丸は好乾性カビが24時間以内で生育したことを示し、白抜き四角は好乾性カビが2〜7日で生育したことを示し、黒三角は8〜30日で生育したことを示している。このため、この黒三角を結んで形成される式▲1▼(グラフ)以下、つまりこの▲1▼のグラフよりも図面における左側の温度と湿度であれば、このような状態が30日を越えてもカビ(好乾性カビ)が生育しないことになる。そこで、このカビが生育しない範囲でできるだけ、温度及び湿度を高めれば、インフルエンザのウイルスが活性化せず、しかも、カビやダニ等が繁殖しない環境を作ることができる。なお、この図6のグラフ図は、文献「防菌防黴」(阿部 恵子:Vol 21 NO.10 第557頁〜565頁 1993)の抜粋による。また、好乾性カビの生育を基準とするのは、好乾性カビがカビのなかでは低湿度で生育が可能であるので、この好乾性カビが生育しなければ、他のカビも生育しないからである。
【0040】
そこで、インフルエンザの流行の可能性がある場合には、図5に示すように、湿調運転を行って、インフルエンザのウイルスが活性化せず、しかも、カビやダニ等が繁殖しない環境を形成する。この場合、まず、ステップS15のように、危険度と温度により、室内の相対湿度の上限と下限とを設定する。この場合、この設定される上限及び下限は上記記憶部6に入力される。また、これらは任意に設定することができるが、上限とは、カビやダニが生育(増殖)しない湿度の上限であり、上記図6のグラフのデータに基づいて設定することができ、この上限を越えれば、カビやダニが生育し易く、下限とは、インフルエンザウイルスの不活性化に有効な湿度の下限であり、この下限を下回れば、インフルエンザウイルスが活性化することになる。この場合、上記非特許文献1の第285頁左欄の第12行〜第15行に、「インフルエンザウイルスは、絶対湿度が17g/m3以上で6時間後ほとんど生存せず、10g/m3で6時間後5%、7g/m3で20%、5g/m3以下で50%生存する」と記載され、さらにその第284頁の表2に、気温24℃で、相対湿度が50%以上、水蒸気圧が14.92mb、絶対湿度が10.9g/m3で、6時間後の生存率が3−5%と記載されており、インフルエンザウイルスの不活性化に有効な湿度の下限をこれらのデータに基づいて設定できる。すなわち、カビが生育しない範囲でできるだけ、温度及び湿度を高めることになって、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定する。
【0041】
次に、ステップS16で、室内湿度が下限よりも上か、つまりこの下限を越えているかを判断し、越えていなければステップS17へ移行して加湿して、ステップS18へ移行する。また、この下限を越えていれば、加湿せずにステップS18へ移行する。ステップS18では、室内湿度が上限よりも下か、つまりこの上限以下か否かを判断する。そして、室内湿度が上限を越えていれば、除湿してステップS15へ戻り、室内湿度が上限を越えていなければ、そのままステップS15へ戻る。
【0042】
このように、上記空気調和機では、上記のように設定された上限と下限の間の湿度を維持することができ、室内をインフルエンザウイルスが活性化しないと共に、カビやダニが生育しにくい湿度に維持することができる。すなわち、この室内において、インフルエンザに感染しにくいと共に、カビやダニ等が増殖しにくい環境を形成することができ、ユーザ等は快適に過ごすことができる。この場合、インフルエンザウイルスが不活性となると共に、カビやダニ等の増殖が不可能となる範囲を、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定しているので、インフルエンザウイルスの活性化及びカビやダニ等の増殖を押えることができる理想的な環境(適切な温度と湿度となっている環境)を形成することができる。また、予測表示部4はこの空気調和機の運転操作用のリモコン30に設けられているので、ユーザ等は手元にこのリモコン30を置いて、この予測情報を随時確認(把握)することができ、この空気調和機のインフルエンザウイルスの不活性化及びカビ等の増殖防止に加えて、インフルエンザに感染しないように、手洗いやうがい等を励行することができ、極めて健全な生活を営むことができる。また、通常の空気調和機においては、外気温度センサや湿度センサ等を具備しており、この既存の各種センサをそのまま使用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0043】
以上にこの発明のインフルエンザ予測表示装置及び空気調和機の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、空気調和機として、図3では、冷暖房を行う温調ユニットと、湿度を調整する湿調ユニットとを備えたものであったが、温調ユニットのみ又は湿調ユニットのみを有するものであってもよい。さらに、「危険度中」を表示する場合、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧が各所定基準値以下であるときとしていたが、週平均温度と、他の条件(たとえば、週平均絶対湿度)が各所定基準値以下であるときであってもよく、「危険度小」を表示する場合、週平均水蒸気圧が所定基準値以下であるときとしていたが、週平均温度又は週平均絶対湿度のどちらか1つが所定基準値以下であるときであってもよい。また、「危険度大」、「危険度中」、及び「危険度小」を設けず、上記週平均温度、週平均絶対湿度、及び週平均水蒸気圧のうちどれか1つが所定基準値以下であれば、単に「危険」と表示するようにしてもよい。さらに、上記実施の形態では、所定基準値と比較するデータを1週間の平均値(週平均)としたが、もちろん、週平均に限るものではなく、例えば、2〜3日の平均や、10日以上の平均等のように種々のものに変更することができる。また、各所定基準値としても、上記の数値に限るものではなく、多少の変更も可能である。すなわち、上記実施の形態において設定した各基準値以下となれば、インフルエンザが確実に流行するというものではなく、流行の可能性が高いというものである。そのため、「危険度大」や「危険度中」や「危険度小」と表示されたとしても、インフルエンザが必ず流行するとは限るものではないが、「危険度小」であっても、流行の可能性があると予測することができる。従って、このように表示されれば、この予測を見た人は、インフルエンザ感染の予防対策を講じることができ、また、この予測に基づいて加湿することができる空気調和機では、自動的に加湿を行ってインフルエンザウイルスが活性化できない環境を形成することができて、インフルエンザの感染を防止できることになる。ところで、予測表示部4としては、図3と図4に示す空気調和機では、リモコン30に設けたが、室内機12等に設けてもよい。さらに、予測表示部4の表示としては、「危険度」等の文字表示以外に、色分け表示であってもよい。また、加湿ユニット(加湿器)として、上記実施の形態以外に、超音波加湿器、電熱式加湿器、又は遠心式加湿器等の種々タイプのものも使用することができる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1のインフルエンザ予測表示装置によれば、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、その予測の信頼性が高い。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。そのため、インフルエンザが流行すると認識して、インフルエンザに感染しないように、うがいや手洗い等を励行する自覚を高めることができる。
【0045】
請求項2のインフルエンザ予測表示装置によれば、外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であるので、インフルエンザの流行の予測を簡単に行うことができる。すなわち、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧は、なんら特別な装置を使用することなく簡単に得ることができるからである。
【0046】
請求項3の空気調和機によれば、インフルエンザ予測表示装置を具備しているので、この表示装置にて表示された予測に基づいて空気調和運転を行うことができる。すなわち、湿調運転が可能であれば、加湿運転を行うことによって、インフルエンザウイルスを不活性状態として、インフルエンザに感染しないようにすることができる。しかも、通常の空気調和機においては、外気温度センサや湿度センサ等を具備しており、この既存の各種センサをそのまま使用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0047】
請求項4の空気調和機によれば、リモコンにインフルエンザの予測表示を行うので、この空気調和機のユーザ等は確実にそのインフルエンザの予測の情報を知ることができる。すなわち、リモコンは一般的にユーザの手元にあり、インフルエンザの予測の情報を随時確認することができる。
【0048】
請求項5の空気調和機によれば、インフルエンザが流行する可能性がある場合を検出することができ、流行する可能性があるときには、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とするので、室内にいるユーザは、インフルエンザに感染しにくくなる。
【0049】
請求項6の空気調和機によれば、室内湿度を、カビやダニ等の増殖可能範囲とならないように制御しているので、インフルエンザの感染を防止しながらカビやダニ等が増殖しにくくなる。このため、室内を快適空間とすることができ、ユーザ等は快適に過ごすことができる。
【0050】
請求項7の空気調和機によれば、インフルエンザウイルスの活性化及びカビやダニ等の増殖を押えることができる理想的な環境(適切な温度と湿度となっている環境)を形成することができる。このため、ユーザ等は室内において極めて健全に過ごすことができる。
【0051】
請求項8のインフルエンザ予測表示方法によれば、外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行うので、信頼性が高い予測を行うことができる。また、その予測を表示するので、ユーザ等はその予測を確認することができる。そのため、インフルエンザが流行すると認識して、インフルエンザに感染しないように、うがいや手洗い等を励行する自覚を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインフルエンザ予測表示装置の実施の形態を示す簡略構成図である。
【図2】上記インフルエンザ予測表示装置の運転状況を示すフローチャート図である。
【図3】この発明の空気調和機の簡略図である。
【図4】上記空気調和機のインフルエンザ予測表示装置の簡略構成図である。
【図5】上記空気調和機の運転状況を示すフローチャート図である。
【図6】カビやダニ等が生育する湿度と温度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
30 リモコン
Claims (8)
- 外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示することを特徴とするインフルエンザ予測表示装置。
- 上記外気条件は、絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のうちすくなくともいずれか1つに基づく条件であることを特徴とする請求項1のインフルエンザ予測表示装置。
- 上記請求項1又は請求項2のインフルエンザ予測表示装置を具備したことを特徴とする空気調和機。
- 運転操作用のリモコン30を備え、このリモコンにインフルエンザの予測表示を行うことを特徴とする請求項3の空気調和機。
- 絶対湿度、気温、及び水蒸気圧のいずれかがそのそれぞれに設定された所定基準値以下となったときを、インフルエンザ流行状態とし、このインフルエンザ流行状態において、室内湿度をインフルエンザウイルスが不活性となる高湿度状態とすることを特徴とする請求項3又は請求項4の空気調和機。
- カビやダニ等の増殖可能範囲とならないように室内湿度を制御することを特徴とする請求項5の空気調和機。
- 温調及び湿調が可能な空気調和機であって、インフルエンザウイルスが不活性となると共に、カビやダニ等の増殖が不可能となる範囲を、室内温度が低温ほど高湿度となるように設定することを特徴とする請求項6の空気調和機。
- 外気条件に基づいてインフルエンザの流行の予測を行って、その予測を表示することを特徴とするインフルエンザ予測表示方法。
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