JP2004269986A - 薄肉ステンレス鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さが1.5mm以下であって、耐高温酸化性、耐低温耐食性に優れ、加熱・冷却の繰り返しに耐えるステンレス薄肉鋼板の提供。
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、Cu:0.05〜2.0%、Cr:15〜30%、Ni:15〜40%、Al:2.5〜4.5%、希土類元素の1種または2種以上の合計:0.005〜0.10%を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.04%以下、Sが0.005%以下、Nが0.02%未満である厚さが1.5mm以下のステンレス鋼板。この鋼板は、上記の成分の他に、更に0.001〜0.010%のB、それぞれ0.1〜3%のMo、WおよびCo 並びにそれぞれ0.01〜1.5%のNb、Ti、VおよびZrの中から選んだ1種以上と、それぞれ0.0004〜0.010%のCaおよびMgの一方または両方を含むことができる。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、ステンレス鋼板に関し、特に天然ガスを燃料とする燃焼システムにおいて、燃焼ガスが保有する熱を回収するための廃熱回収装置等の熱交換器の部材として用いるのに好適な、耐高温酸化性に優れた薄肉のステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
分散型電源として注目されているマイクロガスタービンや燃料電池、ガスエンジン等には、熱効率向上のために燃焼排ガスの持つ熱を利用して燃焼用空気を加熱する熱交換器(以下「再生器」という)が装着されている。
【0003】
再生器は、0.05〜0.5mm程度の厚さまで高度に加工された薄肉ステンレス鋼板からなるフィンと、1〜1.5mm程度の厚さのステンレス鋼板からなるプレート等で構成される。
【0004】
近年、地球温暖化防止のために、燃料をCO排出量の少ない天然ガスに転換する動きがあり、それに伴って従来使用されてきたフィン材が排ガスに含まれる高濃度の水蒸気により激しい酸化を受け、短時間のうちにフィンがスケール化してしまうという問題が生じている。この現象を「加速酸化」といい、原因は水蒸気による高温酸化である。
【0005】
重油やガソリン等の従来の燃料では、燃焼排ガス中の水蒸気濃度は高々10体積%である。しかし、天然ガスを燃焼させたときの排ガスでは、水蒸気濃度が16体積%以上、即ち、1.6倍以上になる。これが上記の激しい高温酸化をひきおこすのである。
【0006】
分散型電源の使用モードは、電力需要の多い日中に運転され、電力需要の少ない夜間は停止されるというモードが一般的である。そのために、機器の材料には加熱・冷却の繰り返し熱サイクルが数百回から数千回も加えられることになる。従って、材料にはこの熱サイクルにも耐える耐久性が要求される。
【0007】
上記のように、各種の分散型電源用機器の材料には、フィン等に加工するための優れた加工性、水蒸気による加速酸化に耐える耐酸化性、加熱・冷却の頻繁な繰り返しに耐える耐久性が同時に必要とされ、また、材料が安価であることも要求される。
【0008】
加熱・冷却が繰り返えされる用途に使用される材料としては、自動車排ガス浄化装置の触媒担体用の材料があり、種々のFe−Cr−Al系フェライトステンレス鋼が知られている。しかし、これら既知のステンレス鋼は、耐水蒸気酸化性が不十分で、前記の再生器の材料には適しない。また、これらの鋼は加工性が悪いために、フィン材への圧延のように薄板に圧延するためには圧延のパス回数を増やす必要があって、製造コストが高くなる。
【0009】
上記のFe−Cr−Al系フェライトステンレス鋼が再生器材料に不適な他の理由は、その高温強度の低さにある。これは、Al含有の有無にかかわらず、フェライト系ステンレス鋼に共通の欠点である。高温強度は、微量の合金成分の添加で或程度は高めることができるが、フェライト系ステンレス鋼はBCC(体心立方)構造であるから、通常、高温強度を大きく上昇させることは困難である。
【0010】
高温で使用される材料としては、JISのSUS304やSUS310で代表されるオーステナイト系ステンレス鋼があり、これらは高温強度が比較的高い。
【0011】
特許文献1(特開2000−303150号公報)には、Alを多く含まない直接拡散接合用のフェライト系およびオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。この中で特にオーステナイト系の材料は、加工性に優れ圧延が容易であるから、薄肉板にもできるが、上記文献に開示されるものは、耐熱性が不十分である。
【0012】
Fe−Cr−Al系フェライトステンレス鋼の優れた耐熱性と、SUS304やSUS310のようなオーステナイトステンレス鋼の高い高温強度とを両立させた材料としては、Al含有量を高めたオーステナイト系ステンレス鋼が好適であると考えられる。しかし、高Alオーステナイト系ステンレス鋼には、熱間加工性および溶接性に乏しいという致命的な欠点がある。さらにAl含有量が増えると加工性が悪化するという問題もある。
【0013】
特許文献2(特開平2−115348号公報)、特許文献3(特開平6−271993号公報)および特許文献4(特開平8−337851号公報)には、耐酸化性と高温強度を有し、熱間加工性および溶接性にも優れるというFe−Ni−Cr−Al系オーステナイトステンレス鋼が開示されている。
上記特許文献2には、Al含有オーステナイト系ステンレス鋼の熱間加工性が悪いのは鋼中に存在するSおよびO(酸素)が粒界に偏析するのが原因である旨、記載されている。また、同文献には、Al含有オーステナイト系ステンレス鋼の割れ感受性を低下させるには、鋼中のSおよびOの低減、Ca、Yおよび希土類元素の添加によるSおよびOの固定、ならびにMg、PbおよびBiの含有量の制限が有効である旨、記載されている。
【0014】
特許文献3には、S含有量、O含有量およびSとOの合計含有量を制限することでオーステナイトステンレス鋼の熱間加工性が改善され、さらにSiの低減、VおよびTi含有量の制限により耐酸化性が飛躍的に向上する旨、記載されている。
【0015】
特許文献4には、オーステナイト系ステンレス鋼に2%以上のAlを含有させることによって、800〜900℃におけるシグマ相析出が抑制され、靱性が確保できること、および溶接部の凝固時にデルタフェライトが存在して溶接高温割れ感受性が低減し、一方、熱間圧延時にはデルタフェライト析出が抑制されて熱間加工性が改善が達成される旨、記載されている。
【0016】
上記の各文献に示される技術によって、Fe−Ni−Cr系オーステナイトステンレス鋼の熱間加工性および溶接性は、或程度までは改善される。しかし、これらの従来の技術では、冷間での圧延性や加工性については配慮されておらず、高い圧下率で薄肉のステンレス鋼板を製造するための厳しい加工に耐える特性は得られていない。耐熱性に関しても、通常の板厚とは異なる薄肉のステンレス鋼板として、耐水蒸気酸化性に優れ、かつ、加熱・冷却の多数回の繰り返しサイクル下でも良好な特性を保ち得るステンレス鋼は知られていない。これまでの耐熱ステンレス鋼についての検討は、もっぱら高温の使用条件下での特性改善に重点がおかれており、上記のような加熱・冷却の繰り返しサイクルにさらされた時の冷却状態での耐食性、即ち、低温での耐食性に関する検討は不十分である。
【0017】
【特許文献1】特開2000−303150号公報
【特許文献2】特開平2−115348号公報
【特許文献3】特開平6−271993号公報
【特許文献4】特開平8−337851号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厚さが1.5mm以下の薄肉のステンレス鋼板であって、薄肉であるにもかかわらず優れた耐熱性、特に高温での加速酸化に耐え、かつ加熱・冷却の繰り返しサイクルにさらされても優れた耐熱性を維持でき、冷却時の耐食性にも優れるステンレス鋼板を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記の(1)〜(4)のステンレス鋼板にある。なお、以下の説明において、成分含有量に関する%は、質量%を意味する。
【0019】
(1)質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、Cu:0.05〜2.0%、Cr:15〜30%、Ni:15〜40%、Al:2.5〜4.5%、希土類元素の1種または2種以上の合計:0.005〜0.10%を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.04%以下、Sが0.005%以下、Nが0.02%未満である厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
【0020】
(2)上記の成分の他に、更に、0.001〜0.010%のB、それぞれ0.1〜3%のMo、WおよびCo 並びにそれぞれ0.01〜1.5%のNb、Ti、VおよびZrの中から選んだ1種以上を含む厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
【0021】
(3) 前記(1)の成分の他に、更に、それぞれ0.0004〜0.010%のCaおよびMgの一方または両方を含む厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
【0022】
(4) 前記(1)の成分の他に、更に、0.001〜0.010%のB、それぞれ0.1〜3%のMo、WおよびCo 並びにそれぞれ0.01〜1.5%のNb、Ti、VおよびZrの中から選んだ1種以上と、それぞれ0.0004〜0.010%のCaおよびMgの一方または両方を含む厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
【0023】
なお、本発明において、希土類元素というのは、Y、La、Ce、PrおよびNdのことである。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、耐熱性に優れるFe−Ni−Cr−Al系のオーステナイトステンレス鋼に着目し、まずその薄肉鋼板について燃焼排ガス中での耐高温酸化性を検討した。
Fe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼が酸化されると、その表面にAl主体の酸化物(以下、Al酸化物という)の単相、またはCr主体の酸化物層と上記Al酸化物層からなる複層の皮膜が生成する。いずれにしても、SUS304やSUS310のようなオーステナイト系ステンレス鋼とは異なり、Al酸化物層が生成することによって優れた対酸化性を示すのである。しかし、鋼板が薄い場合には、酸化の進行にともなってAl酸化物層が成長し鋼板中からAlが酸化物層に移行して鋼板内部のAlが枯渇する。そうするとAl酸化物層の新たな生成が抑制されて異常酸化が起き、ついには鋼板が焼損してしまうものと考えられる。
【0025】
本発明者らは、SUS310鋼を用いて実験を行い、上記の異常酸化について下記の知見を得た。
【0026】
a)厚さ0.1mmのSUS310鋼板の異常酸化は、Cr酸化物層が25μmに達した後に生じ、その後、焼損に到る。
【0027】
b)ステンレス鋼板から酸化物層へ移行するCr量、即ち、高温酸化にともなうCrの消費量は、Cr酸化物層の厚みにおおむね比例する。鋼板から酸化物層へ移行したCr量が0.02g/cmに達すると、それ以後に異常酸化が発生して焼損に到る。
【0028】
c)一方、酸化物層の厚さが25μmになると、0.02g/cmのCr酸化物層へ移行し、この値は0.1mm厚のSUS310ステンレス鋼板にもともと含まれるCr量に相当する。従って、異常酸化は、鋼板中にもともと含まれるCrが完全に枯渇する条件下で、はじめて発生すると言える。
【0029】
d)ステンレス鋼板中にCrが残存している限り、その鋼板は優れた耐熱性を維持できる。従って、焼損までのステンレス鋼板の寿命は、使用前の鋼板に含まれるCr量と、鋼板表面に生成するCr酸化物層の成長速度、言い換えれば高温酸化にともなう鋼板中のCrの消耗速度に支配される。
【0030】
e)厚さが1mmを超える鋼板では、鋼中のCr量が十分なので焼損現象は生じにくい。即ち、焼損は1mm以下の厚さの鋼板で起きやすい現象である。
【0031】
上記の検討に加えて、表面にAl酸化物が生成するFe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼の0.1mm厚の板を用いて実験したところ、SUS310と同様の焼損現象が求められた。ただし、Fe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼板においては、鋼板中のAlが枯渇することによって異常酸化が発生する。この場合は、鋼板中のAl含有量は、SUS310のCr含有量に比較するとはるかに少ないので、Alの枯渇による異常酸化は厚さ1.5mmの板でも発生する。
【0032】
以上の知見に基づいて、Fe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼板のAlの枯渇に起因する焼損現象を防止するためには、次の対策が有効であると考えられる。
【0033】
1)ステンレス鋼中のAl含有量を増やす
2)ステンレス鋼板を厚くする
3)Al酸化物の成長速度を小さくする。
【0034】
上記1)は、鋼の熱間加工性および溶接性の悪化を招く。また、2)は熱交換器の燃焼排ガスおよび燃焼用空気の圧力損失を増加させ、システム全体の効率低下をもたらす。そこで、本発明者らは、上記3)の方策を検討した。その結果、ステンレス鋼に希土類元素を添加するとAl酸化物の成長を抑えることができることを確認した。従来、希土類元素は、酸化物層と母材との密着性を高めて耐スケール剥離性を改善するとされていた。しかし、希土類元素が酸化物スケールの成長速度を小さくすることが、はじめてわかったのである。
【0035】
次に、装置の稼働と停止が頻繁におきる使用条件下では、停止中にガス中の水蒸気が結露する。従って、停止温度、即ち、常温付近で一定時間、鋼板は結露状態にさらされることになって露点腐食が進行する。そこで、次に述べるように、加熱・冷却の繰り返し試験を行い、冷却状態の低い温度での保持時間を変えて鋼板の耐食性を調べた。
【0036】
表1に示す種々の組成のFe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼A〜Hの厚さ0.4mmの板から14×35mmの短冊状試験片を採取した。この試験片を都市ガスの燃焼排ガスを模擬した3%O−16%HO−9%CO−bal.Nの気流中にて1050℃×10時間加熱した後、40℃まで炉冷した。その後、次の二とおりのヒートパターンで処理した。いずれも加熱−冷却を1サイクルとして、50サイクルの繰り返しである。
【0037】
▲1▼ 上記40℃まで冷却した後、ただちに昇温して1050℃に加熱。
【0038】
▲2▼ 上記40℃まで冷却し、その温度で8時間保持してから1050℃に加熱。
【0039】
50サイクルの試験後の試験片を取り出して、試験前後の重量変化を調べた。その結果を表1に併記する。
【0040】
【表1】
Figure 2004269986
【0041】
表1の試験結果において、重量変化の値が−(マイナス)なのは、試験前の試験片重量が試験後に減少したことを意味する。このマイナスの値が大きいほど、腐食による減肉が大きく、耐食性に劣る。A鋼は40℃での保持を行わない場合(前記▲1▼の試験)は、減肉が生じないのに対して、40℃で8時間保持した場合(上記▲2▼の試験)では著しい減肉を示している。
【0042】
上記のような低温での結露による腐食の原因を追求した結果、高温加熱時に鋼の表面に形成された酸化物皮膜が冷却された時に割れや剥離をおこし、その割れや剥離の生じた部分で低温腐食が起きることが判明した。また、結露環境で生成した腐食生成物が鋼の表面に存在する状態で高温に加熱されると、その部分を起点にしてFe主体の成長速度の大きい酸化物が生成し、その後の冷却によってこの酸化物が剥離しやすいことも明らかになった。即ち、加熱・冷却の繰り返しによって、上記の現象が頻繁に起こって、鋼板は加速度的に減肉していくのである。
【0043】
以上から、冷却後の低い温度での結露による腐食の防止策として、次の(1)〜(3)が有効であると考えられる。
【0044】
(1)加熱・冷却サイクルの冷却後の保持時間を短くする
(2)高温で鋼板表面に生成する酸化物の冷却中における剥離を防止する
(3)冷却後の結露環境でのステンレス鋼の耐食性を向上させる。
【0045】
上記の(1)は、装置の停止時間を長くすることであるから、システムの効率的運転に支障が生じる。(2)はFe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼に希土類元素を添加することによって実現できる。しかし、長時間の装置の使用において、冷却時の酸化物の剥離を完全に抑えることは不可能である。そこで、本発明者らは、上記(2)と(3)の組合せによる改善を志向し、Cuの効果を検討した。
【0046】
前掲の表1に示す鋼Aと鋼Bは、Cu含有量が0.05%未満である。これらの鋼では、前述のように、低温保持時間が長い場合には重量減少が著しい。一方、Cuを0.05%以上含有する鋼Cおよび鋼Dでは、重量減少がきわめて少なく、減肉が抑制されている。さらにCuを0.1%含有する鋼Eから鋼Lまでは、重量減少が認められない。即ち、減肉が起きていない。
【0047】
一般に、Cuが鋼の常温付近から高々200℃までの温度範囲での耐食性を改善することは知られている。しかし、AlやCr主体の酸化物が生成するステンレス鋼において、加熱・冷却が繰り返される条件下での耐酸化性が、Cuの添加で大きく改善されるということは、これまでに知られていなかった。
【0048】
次に加工性について述べる。Fe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼の薄肉鋼板を製造するには優れた加工性(冷間圧延性およびプレス成形性)が必要である。その加工性を改善するには、常温での耐力が小さく、また、常温伸びが大きいことが必要である。
【0049】
これまで、Fe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼で問題にされた熱間加工性は、高温での加工性である。その加工性には鋼の粒界強度と高温延性が大きく影響する。一方、本発明で問題にする薄肉鋼板の製造の際の冷間圧延性や常温付近でのプレス成形性等の加工性は、熱間加工性とは異なる。従って、これまでとは全く異なる技術的なアプローチが必要である。
【0050】
そこで、種々の添加元素について調査したところ、最も改善効果の大きいのは鋼中のNの低減であることが判明した。Fe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼のようにAl含有量の多い鋼では、NはAlと容易に結合して窒化物として析出する。このAl系窒化物は、鋼板の常温伸び著しく低下させて加工性を損なう。これは、特にAl含有量が2.5%以上の鋼において現れる現象である。窒化物を形成しないNも、固溶して鋼の耐力を高めるので、圧延時の抵抗が大きくなり、薄肉の鋼板の製造を難しくする。従って、圧延時の中間焼鈍の回数を増やさなければならず、製造コストが嵩むことになる。これらの理由で、Nの含有量を極力少なくすることが極め重要なのである。
【0051】
以下、本発明の鋼板の組成を前記のように定めた理由を各成分の作用効果とともに説明する。
【0052】
C:0.01〜0.2%
Cは、デルタフェライトの生成を抑え、オーステナイト組織を安定させるとともに高温強度を高める作用を持つ。これらの効果を発揮させるには0.01%以上が必要である。他方、0.2%を超えると強度が高くなりすぎて加工性が低下する。従って、C含有量の適正範囲は0.01〜0.2%である。より好ましいのは0.01〜0.15%、さらに好ましいのは0.01〜0.1%である。
【0053】
Si:0.05〜1%
Siは、鋼の溶製時に脱酸剤として添加される。脱酸の効果は、含有量が0.05%以上のときに顕著になる。また、Siには、鋼の表面に生成するAl酸化物層が剥離したときにFe主体の酸化物が生成する現象、即ち、異常酸化を防止する作用もある。従って、加熱・冷却の繰り返しを受ける使用条件下では、Fe−Ni−Cr−Al系オーステナイトステンレス鋼の耐酸化性を高めるのに有効である。一方、Si含有量が1%を超えると鋼の加工性が低下するので上限は1%とする。より望ましいのは0.17〜0.9%、最も望ましいのは0.2〜0.8%である。
【0054】
Mn:0.05〜2%
Mnは、オーステナイト生成促進元素であり、溶製時の脱酸剤にもなる。また、後述するSの有害な作用を軽減する。即ち、Sは、粒界に偏析して熱間での鍛造や圧延のような熱間加工を行うときの、いわゆる耳割れを助長するが、MnはそのSを固定して熱間加工性を改善する。このような効果は0.05%以上で発揮される。一方、Mnの多量添加は、鋼の耐酸化性を損なうので、上限を2%とする。より好ましい含有量は、0.1〜1.5%である。
【0055】
Cu:0.05〜2.0%
Cuは、前記のように本発明の鋼板における最も重要な成分の一つである。Cuは、加熱と冷却が繰り返される使用条件下におけるFe−Ni−Cr−Al系オーステナイトステンレス鋼の低温腐食(結露による腐食)の防止にきわめて有効である。この効果は0.05%以上で現れ、0.1%以上では一層顕著になる。Cu含有量が0.5%以上になると、上記の耐食性改善効果はほぼ飽和するが、高温でCu析出物が析出して高温強度を高める。一方、Cu含有量が2.0%を超えると、高温強度の向上効果は小さくなり、延性低下を招いて薄肉鋼板製造時の圧延性を損なう。従って、Cuの適正含有量は、0.05〜2.0%、より望ましいのは0.1〜1.6%である。高い高温強度を必要としない場合は、0.1〜0.5%とするのがよい。
【0056】
Cr:15〜30%
Crは、加熱・冷却の繰り返しサイクル下で、鋼の表面に保護性に優れるAl酸化物皮膜を緻密に生成させる作用を持つ。この効果を得るには15%以上の含有が必要である。CrはFeよりも酸素との親和力が大きく、酸化初期およびAl酸化物皮膜が剥離したときにFe主体の酸化物が生成するのを抑制して、Al酸化物皮膜を容易にかつ均一に生成させるのである。
【0057】
Cr含有量が15%より少ないと上記の作用効果が小さい。一方、30%を超えると上記の効果は飽和し、かつオーステナイト組織を安定に形成することが困難になる。従って、Crの適正含有量は15〜30%である。なお、17〜23%がより望ましく、17〜21%とするのが最も望ましい。
【0058】
Ni:15〜40%
Niは、オーステナイト安定化元素である。本発明のFe−Ni−Cr−Al系ステンレス鋼において、その組織をオーステナイトにするためには15%以上の含有が必要である。Ni含有量の増加にともなって鋼の熱膨張係数が小さくなるので、加熱・冷却サイクル下での冷却中にAl酸化物中に発生する応力(熱応力)を小さくすることができる。従って、Al酸化物のスケールの剥離を防止することができるので、Ni含有量は多い方が望ましい。しかし、40%を超えると鋼の加工性が低下するので、上限は40%とする。なお、より好ましいのは18〜35%、最も好ましいのは22.5〜35%である。
【0059】
Al:2.5〜4.5%
Alも本発明鋼板において重要な成分の一つである。高温下で保護性を有するAl酸化物を均一に生成させるためには、Alの含有量は多い方がよい。加熱の初期に上記酸化物を均一に生成させ、かつ加熱・冷却の繰り返しにさらされてその酸化物が剥離した場合に、新たなAl酸化物を生成させる、即ち、酸化物層を修復するために、2.5%以上のAlの含有が必要である。このような作用効果を期待する場合は、Al含有量は多い方がよいので、下限は2.8%が望ましく、3.0%を超えるのが更に望ましい。しかし、過剰なAlは鋼中のNと結合して窒化物を形成し、薄肉鋼板製造時の圧延性および常温付近でのプレス成形性等の加工性を損なう。従って、含有量の上限は4.5%とするのがよい。特に、圧延性および成形性を重視する場合は、4.0%未満に抑えるのが望ましい。
【0060】
以上の理由で、Al含有量の適正範囲は2.5〜4.5%、望ましいのは2.8から4.0%未満、最も望ましいのは3.0%を超えて4.0%未満である。
【0061】
希土類元素:0.005〜0.10%
希土類元素は、酸化されるとイオンとしてAl酸化物やCr酸化物の結晶粒界に偏析し、酸化物の成長の際におきる結晶粒界でのカチオンおよびアニオンの拡散を抑制する。その結果、酸化物の成長を遅らせる。この効果は、希土類元素のそれぞれ、または合計の含有量が0.005%以上のときに発現する。一方、0.10%を超えると高温での使用中に脆い金属間化合物が析出して鋼が脆化するので、上限はそれぞれ、または合計で0.10%とする。より好ましい含有量は、0.01〜0.07%である。なお、前記のとおり、本発明で希土類元素というのは、Y、La、Ce、PrおよびNdのことである。
【0062】
本発明の第1の鋼板は、上記の成分の他、残部がFeと不純物からなる。不純物の中で、P、SおよびNは次に述べるように規制することが重要である。
【0063】
P:0.04%以下
Pは、鋼の結晶粒界に偏析して熱間鍛造または熱間圧延の際の加工性を悪化させる。また、加熱・冷却の繰り返し中に鋼板表面の酸化物層の剥離を助長する。従って、P含有量は0.04%以下に抑える必要がある。0.03%以下が望ましく、0.02%以下にすることがさらに望ましい。
【0064】
S:0.005%以下
Sも鋼の結晶粒界に偏析し、熱間鍛造または熱間圧延の際に耳割れを誘発する。特に、本発明鋼板のようにAl含有量が多いオーステナイト系の鋼では、その傾向が大きい。また、Pと同様に、加熱・冷却の繰り返し中に鋼表面の酸化物層の剥離を助長する。従って、S含有量はできるだけ少なくする必要があり、許容上限を0.005%とした。好ましいのは0.003%以下であり、さらに0.0015%以下にすれば、一層好ましい特性が得られる。
【0065】
N:0.02%未満
Nの含有量を少なく抑えることも重要である。Nは、オーステナイト安定化元素であり、固溶強化によって高温強度を高める作用もあるので、通常、オーステナイト系ステンレス鋼には積極的に含有させることが多い。しかし、Alを2.5%以上含有する本発明のステンレス鋼板においては、Nは、鋼中のAlと容易に窒化物を形成して、薄肉鋼板製造時の冷間圧延性や成形性等の加工性に悪影響を及ぼす。従って、本発明では、Nを0.02%未満に抑える。Nはできるだけ少ない方がよく、0.015%以下がさらにが望ましい。0.01%以下にまで低減すれば、鋼の冷間圧延性および成形性は一層良好になる。
【0066】
本発明の第2の鋼板は、前記の成分に加えて、B、Mo、WおよびCoならびにNb、Ti、VおよびZrの中から選ばれた1種以上を含むものである。これらは、いずれの鋼板の高温強度を高める成分である。それぞれの含有量の限定理由は下記のとおりである。
【0067】
B:0.001〜0.010%、Mo、WおよびCo:それぞれ0.1〜3%
これらは、鋼の高温強度を高める元素である。Bには鋼の結晶粒界を強化して高温強度を高める作用がある。その効果は0.001%から顕著になる。ただし、過剰な添加は溶接時の高温割れ感受性を高めるので、含有量は0.010%以下にとどめるべきである。
【0068】
Mo、WおよびCoの効果はそれぞれ0.1%以上で発現する。従って、特に高温強度を重視する場合に、1種以上をそれぞれ0.1%以上含有させればよい。MoおよびWの含有量がそれぞれ3%以上になると鋼の使用中に脆い金属間化合物が析出して鋼の靱性低下を招く。また、薄肉鋼板製造の際の圧延性および常温付近での加工性が低下する。従って、上限は3%とする。より望ましい上限は2.5%である。なお、MoとWを併用する場合は、合計含有量で0.1〜5%とするのが望ましく、更に0.1〜3%がより望ましく、0.1〜2.5%が最も望ましい。Coの含有量が3%を超えると、鋼の高温強度が高くなりすぎて、熱間加工性、薄肉鋼板製造の際の圧延性および常温付近での加工性が低下する。
【0069】
Nb、Ti、VおよびZr:それぞれ0.01〜1.5%
これらは、炭窒化物を形成しやすく、その析出により鋼の高温強度を高める成分である。従って、前記のMo等とおなじく、高温強度を特に重視するときに添加すればよい。その作用効果は、それぞれ0.01%以上で現れるが、1.5%を超えると常温付近での鋼の加工性が著しく低下する。従って、適正含有量は、それぞれ0.01〜1.5%である。より望ましいのは0.01〜1.0%、最も望ましいのは0.02〜0.6%である。なお、Nb、Ti、VおよびZrの中の2種以上を併用する場合は、それらの合計含有量は0.01〜2.0%とするのがよい。より望ましいのは0.01〜1.5%、更に望ましいのは0.02〜0.8%である。
【0070】
本発明の第3および第4の鋼板は、それぞれ第1の鋼および第2の鋼板の成分に加えて、Caまたは/およびMgを含むものである。これらの含有量の限定理由は次のとおりである。
【0071】
CaおよびMg:それぞれ0.0004〜0.010%
これらは、鋼の熱間加工性を改善するので、これを重視する場合には添加してよい。その効果は、それぞれ0.0004%以上で顕著になる。一方、これらの含有量が0.010%を超えると、低融点のNi−Ca系化合物、Ni−Mg系の化合物が生成し熱間加工性がかえって損なわれる。それぞれのより好ましい含有量は0.001〜0.008%、最も好ましいのは0.002〜0.007%である。なお、CaおよびMgを併用する場合、合計含有量は0.004〜0.010%とするのがよく、より好ましいのは0.001〜0.010%、最も好ましいのは0.002〜0.008%である。、
次に本発明鋼板の板厚について述べる。
【0072】
Fe−Ni−Cr−Al系オーステナイトステンレス鋼の薄肉鋼板を水蒸気を多く含む気流中で加熱し冷却するサイクルを繰り返すと、先に述べたように焼損現象が生じる。これは、前述のように、鋼中のAlの枯渇が原因である。このAlの枯渇は、厚さが1.5mmを超える鋼板では起こり難い。従って、本発明は厚さ1.5mm以下の薄肉鋼板を対象とした。なお、薄い鋼板であるほど上記の焼損が起きやすいのであるが、耐高温酸化性を大きく改善する本発明の効果は、厚さが1.0mm以下の鋼板、さらには、0.8mm以下の鋼板において一層著しい。
【0073】
最後に本発明鋼板の製造方法について述べる。
【0074】
本発明の鋼板の素材となる鋼は、通常の溶製法で製造することができる。例えば、転炉、電気炉、真空誘導溶解炉等で溶解し、次いでAOD炉、VOD炉、LF(Ladle Furnace)その他の真空脱ガス装置や粉体吹き込み装置等を用いて溶鋼を清浄化するのが望ましい。溶鋼はインゴットにするか連続鋳造でスラブにして、分塊圧延、熱間圧延等の工程を経て熱延鋼板とする。熱間圧延の後に冷間圧延を行ってもよい。即ち、本発明の鋼板は、熱延鋼板でもよく、冷延鋼板でもよい。
【0075】
本発明の鋼板を使用するに際しては、目的の最終製品の形状に加工する。前記のように、加工性に優れているので、プレス成形等も容易である。また、溶接性も良好なので、成形加工と溶接により、管状製品にすることもできる。なお、冷間圧延で薄肉にする場合、圧延前または圧延のパス間で1回または複数回の軟化焼鈍を行ってもよい。そのときの温度は1050〜1200℃が望ましい。
【0076】
最終製品の熱処理は必須ではないが、用途に応じて熱処理を施してもよい。また、表面を美麗にするため、あるいは表面粗度を均一にするため、ブラスト処理や酸洗等を行ってもよい。
【0077】
【実施例】
表2および表3に示す組成の45種類の鋼をそれぞれ真空誘導炉で溶製し、鋳造してインゴットにした。その表面を外削した後、1200℃で2時間加熱し、熱間鍛造により厚さ25mm、幅60mmの板にした。この板を1200℃で1時間加熱して熱間圧延し、厚さ8mmの熱延鋼板とした。
【0078】
上記の熱延鋼板に1130℃で軟化焼鈍を施し、表面のスケールを除去してから冷間圧延して厚さ2mmの冷延鋼板とした。なお、表2の符号1〜29は本発明の鋼板、表3の符号30〜45は比較例の鋼板である。
【0079】
(1)高温耐食性試験
前記の2mm厚の冷延鋼板に1100℃で軟化焼鈍を施してから冷間圧延する工程を繰り返して、0.1〜1.2mmの種々の厚さの冷延鋼板を得た。これらに最終熱処理として1100℃で1分間加熱して強制冷却する熱処理を施した。
【0080】
上記の熱処理後の鋼板から幅15mm、長さ35mmの試験片を切り出して試験片とした。これを都市ガスの燃焼排ガスを模擬した3%O−16%HO−9%CO−bal.Nの組成の気流中、1050℃×10時間の加熱の後、40℃まで冷却し、その温度で8時間保持し、再び昇温する試験を行った。その際、上記の加熱と冷却を行うサイクルを50回繰り返した。50回目の冷却の後、試験片を取り出し、試験開始前の試験片重量(W1)に対する試験後の試験片重量(W2)の変化(W2−W1)を求めた。
【0081】
上記の重量変化(W2−W1)が正の値の場合は、試験片重量が増加していたことを意味し、負の値は試験片重量が減少、即ち、減肉したことを意味する。重量変化が−1mg/cm以上であれば、減肉が小さいか、減肉なしで、耐食性が良好であると判断した。
【0082】
表4に試験結果を示す。比較例の符号30、31、33〜36、44および45はいずれも重量減少が大きく減肉が著しい。符号38、40および42の鋼板には一部に異常酸化が生じて重量減少が甚だしく、焼損し始めていた。一方、本発明の鋼板に相当する符号1〜29の鋼板には、著しい減肉も焼損も認められない。
【0083】
(2)加工性試験
前記の2mm厚の冷延鋼板に1100℃で軟化焼鈍を施してから、更に厚さ0.4mmまで冷間圧延を行って、1120℃×1分の焼鈍を施した。この鋼板からJIS 13号の試験片を作製し、常温で引張り試験を行った。このような薄肉材の加工性の指標として常温伸びを使用し、それが45%以上である場合に加工性良好と判断した。表5に試験結果を示す。
【0084】
比較例の符号30、32、34、35、37〜41、43および44は、いずれも常温伸びが45%に達していない。一方、本発明例の符号1〜29はすべて常温伸びが45%以上で、加工性に優れていることが明らかである。
【0085】
【表2】
Figure 2004269986
【0086】
【表3】
Figure 2004269986
【0087】
【表4】
Figure 2004269986
【0088】
【表5】
Figure 2004269986
【0089】
【発明の効果】
本発明の鋼板は、その表面に保護性に富む酸化物層が生成するので、優れた耐高温酸化性と常温耐食性を持っている。その保護層は、加熱・冷却の頻繁な繰り返しにさらされても剥離しにくく、また、仮に剥離等がおきても、速やかに修復される。従って、この鋼板は、再生機のフィン等の部品用材料として好適である。 また、本発明鋼板の素材鋼は、加工性に優れているので、1.5mm以下の薄板に圧延するのは容易であり、その薄板を製品形状に加工するのも容易である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、Cu:0.05〜2.0%、Cr:15〜30%、Ni:15〜40%、Al:2.5〜4.5%、および希土類元素の1種または2種以上の合計:0.005〜0.10%を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.04%以下、Sが0.005%以下、Nが0.02%未満である厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
  2. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、Cu:0.05〜2.0%、Cr:15〜30%、Ni:15〜40%、Al:2.5〜4.5%、希土類元素の1種または2種以上の合計:0.005〜0.10%、更に、0.001〜0.010%のB、それぞれ0.1〜3%のMo、WおよびCo 並びにそれぞれ0.01〜1.5%のNb、Ti、VおよびZrの中から選んだ1種以上を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.04%以下、Sが0.005%以下、Nが0.02%未満である厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
  3. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、Cu:0.05〜2.0%、Cr:15〜30%、Ni:15〜40%、Al:2.5〜4.5%、希土類元素の1種または2種以上の合計:0.005〜0.10%、更に、それぞれ0.0004〜0.010%のCaおよびMgの一方または両方を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.04%以下、Sが0.005%以下、Nが0.02%未満である厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
  4. 質量%で、C:0.01〜0.2%、Si:0.05〜1%、Mn:0.05〜2%、Cu:0.05〜2.0%、Cr:15〜30%、Ni:15〜40%、Al:2.5〜4.5%、希土類元素の1種または2種以上の合計:0.005〜0.10%、更に、0.001〜0.010%のB、それぞれ0.1〜3%のMo、WおよびCo 並びにそれぞれ0.01〜1.5%のNb、Ti、VおよびZrの中から選んだ1種以上と、それぞれ0.0004〜0.010%のCaおよびMgの一方または両方を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.04%以下、Sが0.005%以下、Nが0.02%未満である厚さが1.5mm以下の薄肉ステンレス鋼板。
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