JP2004269960A - 製鉄原料用ブリケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のブリケットBは、脆性成形体Zと、強化部Kとを有する。そして、脆性成形体Zは、マンガン鉱石などの製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉を含有する成形用組成物を圧縮成形で形成するようにした。また、脆性成形体Zは、多孔質で嵩比重が1.5以上となるようにした。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンガン鉱石などの製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉を有効利用することができる製鉄原料用ブリケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、循環型社会の実現に向けて、製鉄(以下、製銑および製鋼の双方を含む概念として使用する)業界においては、廃棄物の再利用などに関する技術が種々提案されている。例えば、軸受鋼や浸炭鋼等の鉄系金属を研削(以下、研磨、超仕上げ研磨及びラッピング等も含む概念として使用する)した際に生じる切粉と油分および水分を含む綿状凝集体をブリケット化して、製鋼原料として再利用する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−129248号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2001−310259号公報(第2頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案されている技術により、廃棄処分されていた鉄系金属の研削切粉を有効利用できるようになったが、製鉄業界においては、まだまだ多くのものが廃棄処分されている。例えば、マンガン鉱石の細粉がある。マンガン鉱石は、ばね鋼や強度の強い薄鋼板(自動車用等)等を製造する際に圧延性を向上させるために用いられており、通常、マンガン鉱石を50mm3以下に粉砕した後、転炉に投入して用いられている。ところが、粉砕の際に発生した10mm3以下という粒子サイズの小さい細粉は、炉内で飛散して舞い上がってしまうことから、集塵機で回収された後に、例えば高炉での安価なコークスの代用として使用されたり、あるいはそのまま廃棄処分されているのが現状である。このため、粒子サイズの小さい細粉を、廃棄処分とすることなく、有効に利用することができる技術の開発が嘱望されている。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉を有効に利用することができる製鉄原料用ブリケットの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特に転炉に投入されるマンガン鉱石の粉砕物のうち分別された粒子サイズの小さい細粉を有効に利用すべく鋭意研究を重ねていた。その過程で、粒子サイズが小さい細粉を回収して所定寸法の固形物とし、これを転炉などに投入して用いることができるか否かの検討を行った。その結果、単に粒子サイズの小さい細粉を所定寸法の固形物とするのではなく、マンガン鉱石などの製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉を圧縮成形してなる多孔質で嵩比重が1.5以上、好ましくは2.5以上の脆性成形体を、固形化補助剤等によって強化すれば、転炉などの炉内で飛散して舞い上がってしまう等の不具合を生ずることなく、製鉄原料として有効に利用できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の製鉄原料用ブリケット(以下単に「ブリケット」という)は、製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉を含有する成形用組成物を圧縮成形してなる嵩比重が1.5以上で多孔質の脆性成形体と、この脆性成形体を強化するための強化部と、を有することを特徴としている。
上記の構成によれば、嵩比重が1.5以上で多孔質の脆性成形体を強化部で強化しているので、所定の強度と形状維持性とを確保したものとなる。このため、転炉や高炉などに投入される製鉄原料として有効に利用することができる。また、廃棄処分とされていたものを利用することから、資源の有効利用や環境への配慮といった観点から好ましいものとなる。
【0008】
上記のブリケットにおいて、前記強化部が、前記脆性成形体の表面下および表面上のうちの少なくとも一方に層状に形成されてなる強化層であるのが好ましい。この場合、搬送時などの衝撃で脆性成形体に亀裂が発生したとしても、崩壊してしまうのが上記の強化層によって未然に防止されることから、より一層、形状維持性を確保したものとなる。
ここで、本発明において「脆性成形体の表面下および表面上のうちの少なくとも一方」とは、脆性成形体の表面を境界として、その内部側(表面下)に強化層が形成される場合と、その外部側(表面上)に強化層が形成される場合と、内部側(表面下)と外部側(表面上)の両方に強化層が形成される場合とを含む趣旨である。
【0009】
上記のブリケットにおいて、前記製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉が、10mm3以下の細粉であるのが好ましい。このような細粉は大半が廃棄処分されているので、資源の有効利用および環境への配慮という観点から特に好ましい。
【0010】
上記のブリケットにおいて、前記製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉がマンガン鉱石の粉砕時に発生する細粉であるのが好ましい。この場合、取り扱いが難しいマンガン鉱石の細粉を所定の強度と形状維持性とを確保したものとしているので、転炉などで投入されるマンガン鉱石の粉砕物に代えてあるいはマンガン鉱石の粉砕物とともに確実に有効利用することができる。例えば、自動車などで用いられる強度の強い薄鋼板の製造では、圧延性を向上させるべく、炭素に代えてマンガンを用いるようになっているので、このような薄鋼板を製造する際に、有効に利用することができる。
【0011】
上記のブリケットにおいて、前記脆性成形体が鉄系金属の研削切粉をさらに含んでいるのが好ましい。この場合、嵩比重が1.5以上で多孔質の脆性成形体を容易に製造することができ、また強化部(強化層)を簡単に形成することができる。また、鉄系金属の研削切粉は、純鉄を多く含むことから、製鉄原料用として好適なものとなる。なお、研削切粉の他に、研磨粉も使用可能である。
【0012】
上記のブリケットにおいて、前記脆性成形体が集塵ダストをさらに含んでいるのが好ましい。集塵ダストを含ませてもブリケット化できるとともに、このような従来廃棄処分されている集塵ダストを含ませたことにより、一層、資源の有効利用や環境への配慮という観点から好適なものとなる。
【0013】
上記のブリケットにおいて、前記脆性成形体が合成樹脂粉末をさらに含んでいるのが好ましい。合成樹脂粉末を含ませてもブリケット化できるとともに、このような合成樹脂粉末を含ませたことにより、還元剤などとしての役割を果たすことができるという利点がある。
【0014】
上記のブリケットにおいて、前記強化部が固形化補助剤を含んでいるのが好ましい。この場合、簡単に強化部(強化層)を形成でき、形状維持性の高いブリケットになる。
上記のブリケットにおいて、前記固形化補助剤が、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、リン酸アルミニウムおよびアスファルト乳剤からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。この場合、簡単かつ確実に強化部(強化層)を形成でき、形状維持性の高いブリケットになる。なお、製紙工場で廃棄されるパルプスラッジを用いてもよい。パルプスラッジは形状維持性を高めることができ、簡単かつ確実に強化部を形成しうる。
上記のブリケットにおいて、前記固形化補助剤の含有割合が2〜30重量%の範囲に設定されているのが好ましい。この場合、確実かつ適度に強化されたブリケットになる。
その他、適宜、消石灰やコークス等の製鉄用副資材の混入も可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るブリケットを模式的に示す斜視図であり、図2はその断面図である。本形態に係るブリケットBは、全体が円柱状であって、多孔質の脆性成形体Zと、その表面下(内部側)に形成された強化部としての強化層Kとから構成されている。
【0016】
脆性成形体Zは、製鉄用原材料を粉砕した際に発生する細粉(a成分)と、鉄系金属を研削加工することにより発生する研削切粉と油分および水分を含んだ研削液とを含む綿状凝集体(b成分)と、集塵ダスト(c成分)と、合成樹脂粉末(d成分)とを含有する成形用組成物を、円柱形状で、嵩比重が1.5以上、好ましくは嵩比重2.0〜5.0の範囲内となるよう圧縮成形されてなる。この脆性成形体Zは、適度の空隙を有する多孔質の脆性体として構成されている。
【0017】
製鉄用原材料としては、例えばマンガン鉱石が用いられる。そして、このような製鉄用原材料を粉砕した際に発生する細粉としては、10mm3以下という粒子サイズの小さいものが好適に用いられる。マンガン鉱石の細粉としては、マンガン鉱石を転炉などに投入する前に50mm3以下に粉砕するが、この際に発生した10mm3以下のものが好適に用いられる。このような細粉は、マンガン鉱石の粉砕物を、炉内に投入する前に、例えば篩を用いて分級することにより容易に得ることができる。製鉄用原材料を粉砕した際に発生する細粉の含有割合は、圧縮成形前の成形用組成物全体に対して、50〜95重量%の範囲に設定されているのが好ましく、特に好ましくは80〜95重量%である。
【0018】
鉄系金属としては、炭素を0.2重量%以上含むものも用いることができる。このような鉄系金属の研削切粉は、スプリングバックが大きく、固形化が困難であるが、圧縮成形を適用することにより、圧縮成形時のスプリングバックの影響を排除して当該研削切粉を効果的にせん断することができ、その結果として固形化が可能となる。なお、炭素を0.2重量%以上含む研削切粉の代表例としては、軸受鋼の研削切粉をあげることができる。鉄系金属の研削切粉の含有割合は、圧縮成形前の成形用組成物全体に対して、5〜50重量%の範囲に設定されているのが好ましく、特に好ましくは5〜20重量%である。
【0019】
集塵ダストは、高炉や転炉などに取り付けられた集塵機によって回収されたものであり、製銑時に回収されるもの、製鋼時に回収されるものの双方を含む。このような集塵ダストを用いても所定の強度と形状維持性とを確保したブリケットになる。また、集塵ダストも多くが廃棄処分とされていることから、資源の有効利用および環境への配慮との観点から好ましいものとなる。集塵ダストの含有割合は、圧縮成形前の成形用組成物全体に対して、5〜50重量%の範囲に設定されているのが好ましく、特に好ましくは5〜20重量%の範囲である。
【0020】
合成樹脂粉末としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの各種の合成樹脂の粉末があげられる。合成樹脂は、各種のモノマーから新規に合成したものであってもよいし、廃材であってもよい。合成樹脂粉末の含有割合は、圧縮成形前の成形用組成物全体に対して、5〜30重量%の範囲に設定されているのが好ましく、特に好ましくは5〜10重量%の範囲である。
【0021】
強化層Kは、ブリケットBの内部側(脆性成形体Z)よりも高強度かつ高密度であって、層状に形成されてなる。このような強化層Kは、例えば、成形前に混入したり、液状の固形化補助剤中に浸漬したり、あるいは液状の固形化補助剤を塗布(コーティング)したりした後、乾燥することで形成することができる。固形化補助剤としては、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、リン酸アルミニウム、アスファルト乳剤が好適に用いられる。これらを用いることにより、製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉や研削液由来の油分などを含有しているにもかかわらず、強固なブリケットBが得られる。なお、これら固形化補助剤は、単独であるいは2種以上併せて用いられる。そして、固形化補助剤は、ブリケットB全体に対して2〜30重量%となるよう用いることが好ましい。
【0022】
本形態に係るブリケットBは、例えば、つぎのようにして製造することができる。以下、製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉としてマンガン鉱石の細粉(10mm3以下)を用いる場合について具体的に説明する。すなわち、まず、図3に示すように、マンガン鉱石の粉砕粉から篩等を用いて分級することで回収した、マンガン鉱石の細粉MNを準備する(図中1−1参照)。また、鉄系金属の研削切粉および研削液を含む綿状凝集体M(図中1−2参照)を、ベルトコンベア1にて搬送しながら一対のロール2間に挟み込むことで加圧圧縮して(図中1−3参照)、その綿状凝集体Mに含まれる研削液の成分である水分及び油分の含有量を予備的に調整する。ただし、この水分及び油分の調整は、単なるエアー吹き付けやエアー圧縮により行う方法もある。この際、綿状凝集体Mは、含水率が50重量%を超えない範囲に、含油率が10重量%を超えない範囲にそれぞれ調整するのが好ましく、これにより、綿状凝集体Mの搬送、貯蔵等の取り扱いが容易となる。さらに、粉末状の集塵ダストDA(図中1−4参照)、合成樹脂粉末GR(図中1−5参照)をそれぞれ準備する。
【0023】
ついで、マンガン鉱石の細粉MNと、綿状凝集体Mと、集塵ダストDAと、合成樹脂粉末GRとを所定の割合で混合させて、成形用組成物としての混合物Cを得る(図中1−6参照)。
続いて、得られた混合物Cを、成形型3を用いて油圧プレスにより圧縮成形して脆性成形体Zを得る(図中1−7参照)。この際、脆性成形体Zの嵩比重が1.5以上になるように綿状凝集体Mを圧縮する。この圧縮成形によって、綿状凝集体Mに含まれるスパイラル繊維状の研削切粉がせん断されるともに、マンガン鉱石の細粉MNと粉末状の集塵ダストDAと合成樹脂粉末GRがせん断された研削切粉の間の隙間に入り込む。
【0024】
つぎに、図4に示すように、得られた脆性成形体Zが崩壊しないよう、ベルトコンベア4にてゆっくり搬送しながら、タンク8内に注入しておいた液状の固形化補助剤D中に浸漬させる(図中1−8参照)。なお、コンベア搬送に代え、パレット等に脆性成形体Zを収容し、バッチ式に液状の固形化補助剤D中に浸漬してもよい。
その後、固形化補助剤Dを含浸させた脆性成形体Z(図中1−9参照)を養生(乾燥)することにより(図中1−10参照)、ブリケットBを得ることができる(図中1−11参照)。この養生により、脆性成形体Zの内部に浸透した余剰の固形化補助剤が表面側に移動して一部が蒸発するとともに、残部が脆性成形体Zの表面側に残留して、表面側が内部側よりも高強度かつ高密度になった強化層Kが形成される。こうして、目的とするブリケットBが得られる。
【0025】
このようにして得られた本形態に係るブリケットBは、製鉄用原材料としてのマンガン鉱石を粉砕した際に発生する細粉を用いているため、製鉄時に副原材料として投入されるマンガン鉱石の粉砕物に代えてあるいはマンガン鉱石の粉砕物とともに、炉内に投入して用いることができる。このため、マンガン鉱石の細粉を有効に利用することができるとともに、大量に廃棄処分とすることがなくなるので、環境に配慮したものとなる。さらに、所定寸法(例えば直径60〜70mmで高さ30〜40mmの円柱状)の乾燥した固形物であることから、転炉などの炉内で飛散して舞い上がってしまうのが抑制される。また、本形態に係るブリケットBは、嵩比重が1.5以上、好ましくは2.5以上で多孔質の脆性成形体Zを層状の強化層Kで強化していることから、所定の強度と形状維持性とを確保したものとなっている。さらに、マンガン鉱石の細粉は、取り扱いが非常に難しいが、上記のようなブリケットとすることにより、取り扱い性が良好になるという利点がある。なお、本発明者らは、マンガン鉱石の細粉(10mm3以下)80重量%と鉄系金属の研削切粉および研削液を含む綿状凝集体20重量%と含有させた成形用組成物を圧縮成形してなる脆性成形体と、この表面下に固形化補助剤としての珪酸ソーダを用いて形成されてなる強化層とを有するブリケットBが、製鉄原料として利用可能な程度の強度と形状維持性を確保していたことを確認している。
【0026】
なお、本形態に係るブリケットBの形状としては、前記円柱形等のほか、卵形、アーモンド形、ラグビーボール形等のような、周縁部に丸みを有し、周縁部から中央部に向かって肉厚が漸次厚くなるほぼピロー形状であってもよい。このような形状に成形することにより、圧縮荷重に強くより崩壊し難いとともに、角部等における部分的な破損が生じ難いものになる。
【0027】
また、本発明のブリケットは、多孔質の脆性成形体Zの表面下に強化層Kを形成する場合に限定されるものではない。例えば、脆性成形体Zの表面に粘性の高い固形化補助剤を塗布(コーティング)して、多孔質である脆性成形体Zへの浸透量を減らすことで、脆性成形体Zの表面の上下にまたがる強化層を形成するようにしてもよい。さらに、より粘性の高い固形化補助剤を用いて、多孔質である脆性成形体Zへの浸透を実質的になくすことで、脆性成形体Zの表面上に強化層を形成するようにしてもよい。このようなブリケットであっても、製鉄原料として有効に利用することができる。
【0028】
図5および図6は、本発明のブリケットの他の製造方法を示す模式的な工程図である。本形態のブリケットの製造方法は、上記した実施形態(図3および図4参照)に比べ、液状の固形化補助剤(図5中2−6参照)を予め成形用組成物に混合しておき(図5中2−7参照)、この成形用組成物を圧縮成形した後、養生(乾燥)させる点で異なる。この場合、脆性成形体中に残留した固形化補助剤の固化物が適度に分布した状態となり、それが脆性成形体を強化するための強化部となる。このようなブリケットも、上記と同様、製鉄用原材料として製鉄時に炉内に投入して用いることができるので、資源の有効利用および環境への配慮を実現したものとなる。また、脆性成形体Zを固形化補助剤D中に浸漬する工程(図4中1−8参照)が不要となるため、製造設備を簡略化できるという利点もある。
【0029】
上記では、製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉としてのマンガン鉱石の細粉(a成分)の他に、鉄系金属の研削切粉および研削液を含んだ綿状凝集体(b成分)、集塵ダスト(c成分)および合成樹脂粉末(d成分)を含有させた成形用組成物を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、製鉄用原材料としてのマンガン鉱石の細粉(a成分)と集塵ダスト(c成分)と合成樹脂粉末(d成分)とを含有する成形用組成物(b成分非含有)を用いるようにしてもよい。すなわち、マンガン鉱石の粉砕時に発生する細粉と集塵ダストと合成樹脂粉末とを含有する成形用組成物を圧縮成形してなる嵩比重が1.5以上で多孔質の脆性成形体と、この脆性成形体を強化するための強化部と、を有するブリケットであってもよい。このブリケットは、製鉄用の副原料として溶融炉内に投入して用いることができる。このブリケットにおいても、マンガン鉱石の細粉として10mm3以下のものが好適である。また、マンガン鉱石の細粉(a成分)の含有割合は、成形用組成物全体に対して、20〜80重量%の範囲に設定されているのが好ましい。また、集塵ダスト(c成分)の含有割合は、20〜80重量%の範囲に設定されているのが好ましい。さらに、合成樹脂粉末(d成分)の含有割合は、成形用組成物全体に対して、5〜30重量%の範囲に設定されているのが好ましい。このような綿状凝集体(b成分)を用いないブリケットであっても、上記と同様、製鉄原料として、炉内に投入して用いることができるので、資源の有効利用および環境への配慮を実現したものとなる。なお、本発明のブリケットは、上記した集塵ダストや合成樹脂粉末を用いなくてもよいのは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明のブリケットによれば、所定の強度と形状維持性とを確保したものとなるために、製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉を製鉄用原材料として有効に利用することができる。また、廃棄処分としていたものを有効に利用するので、環境に配慮したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るブリケットを示す斜視図である。
【図2】図1に示すブリケットの断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るブリケットを製造する工程(圧縮成形まで)を示す模式的な工程図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るブリケットを製造する工程(圧縮成形後)を示す模式的な工程図である。
【図5】本発明のブリケットの他の製造方法(圧縮成形まで)を示す模式的な工程図である。
【図6】本発明のブリケットの他の製造方法(圧縮成形後)を示す模式的な工程図である。
【符号の説明】
B ブリケット
D 固形化補助剤
K 強化層(強化部)
Z 脆性成形体
Claims (10)
- 製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉を含有する成形用組成物を圧縮成形してなる嵩比重が1.5以上で多孔質の脆性成形体と、この脆性成形体を強化するための強化部と、を有することを特徴とする製鉄原料用ブリケット。
- 前記強化部が、前記脆性成形体の表面下および表面上のうちの少なくとも一方に層状に形成されてなる強化層である請求項1記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉が、10mm3以下の細粉である請求項1記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記製鉄用原材料の粉砕時に発生する細粉が、マンガン鉱石の粉砕時に発生する細粉である請求項1記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記成形用組成物が、鉄系金属の研削切粉をさらに含んでいる請求項1記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記成形用組成物が、集塵ダストをさらに含んでいる請求項1記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記成形用組成物が、合成樹脂粉末をさらに含んでいる請求項1記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記強化部が、固形化補助剤を含んでいる請求項1または2記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記固形化補助剤が、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、リン酸アルミニウムおよびアスファルト乳剤からなる群から選択される少なくとも1種である請求項8記載の製鉄原料用ブリケット。
- 前記固形化補助剤の含有割合が、全体に対して2〜30重量%の範囲に設定されている請求項8または9記載の製鉄原料用ブリケット。
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