JP3789796B2 - 鉄系粉末材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄系粉末材及びその製造方法に関し、特に、鉄系金属の研削切粉を有効利用する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
軸受鋼や浸炭鋼等の鉄系金属を研削(以下研磨、超仕上げ研磨及びラッピング等も含む概念として使用する)した際に生じる切粉は、水分及び油分を含有する研削液や砥粒等を含む綿状(繊維状)凝集体として回収されている。この綿状凝集体は多量の純鉄を含むことから、例えば製鋼原料として再利用することが試みられている。しかし、この綿状凝集体は多量の水分を含有していることから、これを溶鉱炉にそのまま投入すると、当該水分によって突沸(水蒸気爆発)が生じるという問題を引き起こす。そこで、綿状凝集体中の水分を遠心分離等によって除去することが考えられるが、この場合には、綿状凝集体に含まれる油分も水分とともに除去されて、綿状凝集体の自然発熱により研削切粉の成分である純鉄が酸化鉄に変質する。このため、これを製鋼原料として再利用するには還元する必要があり、還元剤の使用等によりコスト高になる。
【0003】
また、前記油分の付着した研削切粉は相互に密着し難いことから、綿状凝集体を圧縮成形しても所望の強度に固形化するのが困難である。さらに、炭素の含有量が0.2重量%以上の鉄系金属の研削切粉を多量に含む綿状凝集体については、圧縮時のスプリングバックが大きいので、これを圧縮成形しても所望の強度に固形化するのが困難である。したがって、圧縮成形した綿状凝集体を溶鉱炉に投入しても、飛散しながら舞い上がって、集塵機によって大半が回収されてしまうという問題を生じる。
さらに、前記綿状凝集体に含まれる繊維状の研削切粉は、ハンマーミル等で粉砕することが困難であるので、綿状凝集体を細かくせん断して粉体にすることができない。このため、綿状凝集体をブリケット等に加工することも困難である。
したがって、前記綿状凝集体は再利用することなく廃棄物処理業者に委託して埋め立て処分されているのが実状である。
【0004】
一方、熔解工程等の鉄鋼の製造工程においては、鉄及び重金属を含むダストが発生することから、これを集塵ダスト(OGダスト)として回収することが行われている(例えば特開平7−97638号公報参照)。ところがこの集塵ダストについても、そのまま溶鉱炉に投入すると、飛散しながら舞い上がって、集塵機によって再び回収されてしまうので、再利用することなく埋め立て処分されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような埋め立て処分は、資源の有効利用という観点から好ましくない。また、環境悪化を引き起こすとともに、廃棄コストが高くつくという問題もある。特に集塵ダストについては、重金属を含んでいるので、特別産業廃棄物として埋め立て処分する必要があり、廃棄コストがより一層高くつくという問題がある。
この発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、研削切粉を有効に再利用することができる鉄系粉末材及びその製造方法を提供することを目的とする。
またこの発明は、研削切粉とともに集塵ダストも有効に再利用することができる鉄系粉末材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するためのこの発明の鉄系粉末材は、鉄系粉末と油分とを含む粉末材であって、鉄系金属の研削切粉と油分及び水分を含有する研削液とを含む綿状凝集体を圧縮成形して得られ、含水率が2〜12重量%に、含油率が1〜5重量%に調整された脆性成形体を粉砕してなることを特徴としている(請求項1)。
このように構成された鉄系粉末材によれば、含有する油分によって鉄系粉末の成分である純鉄が酸化するのが防止される。また、綿状凝集体を圧縮成形して粉砕したものであるので、鉄系粉末が微細なものになる。
【0007】
前記鉄系粉末材は、当該鉄系粉末材を圧縮成形したときに所望の強度及び形状に固形化するのを補助するための固形化補助剤をさらに含むものであってもよく(請求項2)、この場合には、圧縮成形するだけで所望の強度及び形状に固形化することができる。
前記固形化補助剤は、米糠、廃糖蜜、澱粉類、生石灰、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、燐酸アルミニウム、酢酸ビニル汚泥、アスファルト乳剤、ベントナイトから選択される少なくとも1種であるのが好ましく(請求項3)、これにより、油分を含有しているにもかかわらず強固に固形化できるものになる。
【0008】
前記鉄系粉末材はコークスをさらに含むものであってもよく(請求項4)、この場合には、圧縮成形によって強固に固形化することができる。また、この場合においては、コークスを5〜50重量%含むのが好ましく(請求項5)、これによりさらに強固に固形化することができる。
【0009】
前記鉄系粉末材は鉄鋼の製造工程で回収した集塵ダストをさらに含むものであってもよく(請求項6)、この場合には、研削切粉とともに集塵ダストを再利用することができる。また、この場合において、前記集塵ダストは10〜30重量%含むのが好ましく(請求項7)、これにより、所望の硬さに圧縮成形可能なものとなる。
【0010】
またこの発明の鉄系粉末材の製造方法は、鉄系金属の研削切粉と油分及び水分を含有する研削液とを含む綿状凝集体を圧縮成形して、繊維状の研削切粉が粗せん断され且つ余剰の水分及び油分が除去された脆性成形体を得、この脆性成形体を粉砕することにより研削切粉をさらに細かくせん断して、鉄系粉末と油分とを含む粉末材を得ることを特徴としている(請求項8)。
このように構成された鉄系粉末材の製造方法によれば、前記綿状凝集体の圧縮成形によって、従来せん断が困難であった繊維状の研削切粉を容易に粗せん断することができる。また、このように繊維状の研削切粉が予め粗せん断されているので、脆性成形体を粉砕する工程において、当該研削切粉を容易且つ効果的にせん断することができる。このため、微細な鉄系粉末を容易且つ確実に得ることができる。さらに、前記した各工程は研削液に含まれている油分を保持した状態で行うので、研削切粉の成分である純鉄が酸化するのを防止することができる。
【0011】
前記鉄系粉末材の製造方法においては、前記脆性成形体の粉砕時又は粉砕後に、前記鉄系粉末材を圧縮成形したときに所望の強度及び形状に固形化するのを補助するための固形化補助剤を混合してもよく(請求項9)、この場合には、圧縮成形するだけで所望の強度及び形状に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。
前記固形化補助剤としては、米糠、廃糖蜜、澱粉類、生石灰、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、燐酸アルミニウム、酢酸ビニル汚泥、アスファルト乳剤、ベントナイトから選択される少なくとも1種を用いるのが好ましく(請求項10)、これにより、油分を含むにもかかわらず容易且つ強固に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。
また、前記固形化補助剤は2〜30重量%混合するのが好ましく(請求項11)、これにより、より一層強固に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。
【0012】
前記鉄系粉末材の製造方法においては、前記脆性成形体の粉砕時又は粉砕後にコークスを混合してもよく(請求項12)、この場合には、当該コークスによって、強固に圧縮成形可能な鉄系粉末材を得ることができる。また、この場合においては、固形化補助剤を1〜10重量%混合するのが好ましく(請求項13)、これにより、容易且つ安定的に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。さらに、前記コークスは5〜50重量%混合するのが好ましく(請求項14)、この場合には、より強固に圧縮成形可能な鉄系粉末材を得ることができる。
【0013】
前記鉄系粉末材の製造方法においては、前記脆性成形体の粉砕時又は粉砕後に、鉄鋼の製造工程で回収した集塵ダストを混合してもよく(請求項15)、この場合には、集塵ダストを含む鉄系粉末材を得ることができる。また、この場合において、前記集塵ダストは10〜30重量%混合するのが好ましく(請求項16)、これにより、所望の硬さに圧縮成形可能な鉄系粉末材を得ることができる。
【0014】
前記鉄系粉末材の製造方法においては、前記綿状凝集体として含水率が50重量%を超えない範囲に、含油率が10重量%を超えない範囲にそれぞれ調整したものを用いるのが好ましい(請求項17)。これにより、前記綿状凝集体の運搬等の取り扱いが容易となるとともに、圧縮成形のみによって脆性成形体の余剰の水分及び油分を容易かつ適正に除去することができる。
【0015】
前記鉄系粉末材の製造方法においては、前記脆性成形体の含水率を2〜12重量%、含油率を1〜5重量%に調整するのが好ましい(請求項18)。この場合には、脆性成形体を適度の硬さに固形化することができるとともに、最小限の残留油分によって研削切粉の成分である純鉄が酸化するのを効果的に防止することができる。
また、前記研削切粉としては、炭素を0.2重量%以上含むものを用いてもよく(請求項19)、このようなスプリングバックの大きい研削切粉についても、そのスプリングバックの影響を排除して前記圧縮成形により効果的に粗せん断することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について添付図面を参照しながら詳述する。
図1はこの発明の一実施形態に係る鉄系粉末材の製造方法を示す工程図である。この鉄系粉末材Aの製造においては、まず鉄系金属を研削加工する際に発生する研削切粉の綿状凝集体B(図1(a)参照)を加圧圧縮して、当該綿状凝集体Bに含まれる研削液の成分である水分及び油分の含有量を予備的に調整する。この綿状凝集体Bの加圧圧縮は、例えばベルトコンベア1にて搬送しながら一対のロール2間に挟み込むことにより行う(図1(b)参照))。但しこの水分及び油分の調整は、単なるエアー吹き付けやエアー圧縮により行う方法もある。この際、綿状凝集体Bは、含水率が50重量%を超えない範囲に、含油率が10重量%を超えない範囲にそれぞれ調整するのが好ましく、これにより、綿状凝集体Bの搬送、貯蔵等の取り扱いが容易となる。
【0017】
次に、水分及び油分の含有量が調整された前記綿状凝集体Bを、成形型3を用いて例えばプレスにより圧縮成形して脆性成形体Cを得る(図1(c)参照)。この圧縮成形によって、綿状凝集体Bに含まれるスパイラル繊維状の研削切粉が粗せん断される。また、余剰の水分及び油分が除去されて、前記脆性成形体Cの含水率が2〜12重量%に、含油率が1〜5重量%に調整される。これにより、最小限の残留油分によって研削切粉の成分である純鉄が酸化するのを効果的に防止することができる。また、前工程において綿状凝集体Bの含水率が50重量%、含油率が10重量%をそれぞれ超えない範囲に予め調整されているので、前記脆性成形体Cの水分及び油分の含有割合を圧縮成形のみによって容易かつ適正に調整することができる。
前記脆性成形体Cは、円柱形、球形、角柱形等の取り扱いの容易な形状に形成されているとともに、次工程への搬送時等に崩壊しない程度の強度に固められている。
【0018】
次いで、前記脆性成形体Cを固形化補助剤Dとともに回転刃4を備えるチョッパー付きミキサー(又はヘンシェル型ミキサー)5に投入して粉砕する(図1(d)参照)。これにより脆性成形体Cの研削切粉をさらに細かくせん断(仕上げせん断)して、純鉄からなる鉄系粉末、油分及び固形化補助剤Dを含む鉄系粉末材Aを得ることができる(図1(e)参照)。前記鉄系粉末の長径は3〜1000μm程度のものである。この脆性成形体Cの粉砕に際しては、当該脆性成形体C中の繊維状の研削切粉が予め粗せん断されているので、これを支障なく仕上げせん断することができる。この脆性成形体C中の繊維状の研削切粉が粗せん断がされていない場合には、これをチョッパー付きミキサー(又はヘンシェル型ミキサー)5によって粉砕するのに長時間を要し、経済的にメリットが得られないとともに、微細な鉄系粉末を得ることも難しい。
【0019】
前記固形化補助剤Dとしては、米糠、サトウキビ等の廃糖蜜、芋澱粉やコーンスターチ等の澱粉類、生石灰、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、燐酸アルミニウム、酢酸ビニル汚泥、アスファルト乳剤、ベントナイトのうちから選択される1種又は2種以上が好適に使用される。このような固形化補助剤Dは2〜30重量%含有するのが好ましい。特に、前記米糠及び廃糖蜜については、鉄系粉末材Aの固形化に効果的に作用し、その価格も安いことから固形化補助剤Dとしてきわめて好適である。また、アスファルト乳剤は混練後、アスファルトと水に分離すると粘結性が生じ、強度が発現する。このアスファルト乳剤としては、アニオン系アスファルトが好適に使用される。
【0020】
以上により得られた鉄系粉末材Aは、研削液の油分の一部を加工中を含めて常に保持しているので、その成分である純鉄の酸化が効果的に防止されている。このため、例えば圧縮成形によって固形化することにより、特に製鋼原料用のブリケットの材料として好適に再利用することができる。
【0021】
前記脆性成形体Cを粉砕する工程においては、前記固形化補助剤Dとともにコークス及び鉄鋼の製造工程で発生し回収された集塵ダストをチョッパー付きミキサー(又はヘンシェル型ミキサー)5に投入してもよい。この場合には、前記脆性成形体Cを50〜70重量%、コークスKを5〜50重量%、集塵ダストを10〜30重量%、固形化補助剤Dを1〜10重量%の割合で混合するのが好ましい。これにより、純鉄、コークス、集塵ダスト及び固形化補助剤Dの粉を含む鉄系粉末材Aを得ることができる。特に、この製造方法においては、コークスを5〜50重量%、固形化補助剤を1〜10重量%それぞれ混合するので、より強固に固形化可能な鉄系粉末材Aを得ることができる。また、前記集塵ダストの混合割合を10〜30重量%にしているので、所望の硬さに固形化可能な鉄系粉末材Aを容易に得ることができる。なお、前記集塵ダストとしては、例えば製鋼工程で発生し回収された鉄分(トータルFe)を10〜55重量%含むものが使用される。
【0022】
図2は前記鉄系粉末材Aを用いて製鋼原料用のブリケットGを製造する方法の一例を示す工程図である。このブリケットGの製造においては、まず所定量の前記鉄系粉末材Aを、例えばロール型成形機やシリンダ型成形機6を用いて圧縮成形して(図2(a)参照)、多量の純鉄を含有するほぼピロー形状のブリケットFを得る。この鉄系粉末材Aの圧縮成形に際しては、前記固形化補助剤Dと鉄系粉末材A中の水分とによって、油脂が付着した鉄系粉末どうしを強固に結合させて固形化することができる。特に、鉄系粉末材Aとして水分5〜6重量%、米糠4重量%及び廃糖蜜2重量%含むもの、並びに水分7〜15重量%、酢酸ビニル汚泥2〜10重量%含むものを用いる場合には、より強固に固形化されたブリケットFを得ることができる。
なお、前記「ほぼピロー形状」とは、周縁部に丸みを有し、周縁部から中央部に向かって肉厚が漸次厚くなる形状であって、卵形、アーモンド形、ラグビーボール形等を含む形状であり、このような形状に成形することにより、圧縮荷重に強く崩壊し難いとともに、角部等における部分的な破損が生じ難いブリケットFを得ることができる。
【0023】
そして、圧縮成形直後のブリケットFに常温又は冷却されたエアーを吹き付けてこれを急速冷却する(図2(b)参照)。これにより、当該ブリケットFを容易且つ安定的に固形化することができる。その後、ブリケットFを養生(乾燥)してその含有水分を除去することにより(図2(c)参照)、製鋼原料用のブリケットGを得ることができる(図2(d)及び図3参照)。この養生は2日間程度行うのが含有水分を確実に除去することができるので好ましい。
【0024】
以上により得られたブリケットGは、鉄系粉末材Aを固形化した多孔質のものであるので、養生によって含有水分を容易且つ確実に除去することができる。このため、そのまま溶鉱炉に投入しても突沸が生じたり舞い上がって排出されたりするおそれがない。また、研削液の油分の一部を保持した状態で成形及び養生しているので、純鉄の酸化が効果的に防止されている。例えば軸受鋼(SUJ−2)の研削切粉を含む綿状凝集体Bを用いて製造されたブリケットGについては、70重量%以上の純鉄を含むことが確認されている。したがって、溶解歩留まりが90%以上と非常に高く、高品質の製鋼原料として製鋼メーカに有償で提供することができる。しかも、固形にて運搬その他の取り扱いが容易である。
【0025】
前記した鉄系粉末材Aの製造方法は、炭素を0.2重量%以上含む研削切粉を再利用するのに特に好適に適用される。このような研削切粉は、スプリングバックが大きく、固形化が困難であるが、この発明の図1(c)で示す圧縮成形を適用することにより、スプリングバックの影響を排除して当該研削切粉を効果的に粗せん断することができる。なお、炭素を0.2重量%以上含む研削切粉の代表例としては、軸受鋼の研削切粉を挙げることができる。
【0026】
この発明は前記した実施の形態に限定されるものでなく、例えば前記実施の形態においては、脆性成形体Cの粉砕と同時に固形化補助剤D、コークス及び集塵ダストを混合するようにしているが、脆性成形体Cを粉砕した後の粉体に、固形化補助剤D、粉状のコークス及び集塵ダストを混合してもよい。
また、前記固形化補助剤D、コークス及び集塵ダストは、選択的に混合してもよい。さらに、これら固形化補助剤D、コークス及び集塵ダストを混合しないで実施してもよく、この場合には鉄系粉末と油分とからなる鉄系粉末材Aが得られることになる。
なお、前記鉄系粉末材Aは、前記製鋼原料用のブリケットG以外に、焼結金属用の粉末原料や、磁性材料用途としての樹脂等の添加材としても再利用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の鉄系粉末材によれば、多量の純鉄を含む微細なものであるので、高品質の製鋼原料用ブリケットや焼結金属の粉末原料等として再利用が可能であり、環境保全に役立つとともに研削切粉の廃棄コストを削減することができる。
【0028】
請求項2記載の鉄系粉末材によれば、固形化補助剤を含むので、これを圧縮成形するだけで所望の強度及び形状に固形化することができる。このため、研削切粉の再利用をさらに促進することができる。
請求項3記載の鉄系粉末材によれば、前記固形化補助剤が、米糠、廃糖蜜、澱粉類、生石灰、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、燐酸アルミニウム、酢酸ビニル汚泥、アスファルト乳剤、ベントナイトから選択される少なくとも1種であるので、油分を含むにもかかわらず強固に固形化できるものになる。このため、研削切粉の再利用をより一層促進することができる。
【0029】
請求項4記載の鉄系粉末材によれば、コークスをさらに含むので、圧縮成形によって強固に固形化することができる。
請求項5記載の鉄系粉末材によれば、コークスを5〜50重量%含むので、圧縮成形によってさらに強固に固形化することができる。
【0030】
請求項6記載の鉄系粉末材によれば、集塵ダストを固形化して研削切粉とともに再利用することができるので、環境保全に役立つとともに、集塵ダストの廃棄コストを削減することができる。
請求項7記載の鉄系粉末材によれば、前記集塵ダストを10〜30重量%含むので、所望の硬さに圧縮成形可能となる。
【0031】
請求項8記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、前記綿状凝集体の圧縮成形によって、従来せん断が困難であった繊維状の研削切粉を容易に粗せん断することができる。またこのように研削切粉が予め粗せん断されているので、脆性成形体を粉砕する工程において、当該研削切粉を容易且つ効果的にせん断することができる。さらに、前記した各工程は研削液に含まれている油分を保持した状態で行うので、研削切粉の成分である純鉄が酸化するのを防止することができる。このため、多量の純鉄を含む微細な鉄系粉末を容易且つ確実に得ることができる。
【0032】
請求項9記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、前記脆性成形体の粉砕時又は粉砕後に固形化補助剤を混合するので、圧縮成形するだけで所望の強度及び形状に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。このため、研削切粉の再利用をさらに促進することができる。
請求項10記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、前記固形化補助剤として、米糠、廃糖蜜、澱粉類、生石灰、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、燐酸アルミニウム、酢酸ビニル汚泥、アスファルト乳剤、ベントナイトから選択される少なくとも1種を用いるので、油分を含むにもかかわらず容易且つ強固に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。このため、研削切粉の再利用をより一層促進することができる。
請求項11記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、前記固形化補助剤を2〜30重量%混合するので、より一層強固に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。
【0033】
請求項12記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、コークスによって、きわめて強固に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。
請求項13記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、固形化補助剤を1〜10重量%混合するので、容易且つ安定的に固形化可能な鉄系粉末材を得ることができる。
請求項14記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、コークスを5〜50重量%混合するので、より強固に圧縮成形可能な鉄系粉末材を得ることができる。
【0034】
請求項15記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、集塵ダストを固形化して研削切粉とともに再利用することができるので、環境保全に役立つとともに、集塵ダストの廃棄コストを削減することができる。
請求項16記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、前記集塵ダストを10〜30重量%混合するので、所望の硬さに固形化可能な鉄系粉末材を容易に得ることができる。
【0035】
請求項17記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、前記綿状凝集体として含水率が50重量%を超えない範囲に、含油率が10重量%を超えない範囲にそれぞれ調整したものを用いるので、前記綿状凝集体の運搬等の取り扱いが容易となるとともに、圧縮成形のみによって脆性成形体の余剰の水分及び油分を容易かつ適正に除去することができる。
【0036】
請求項18記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、前記脆性成形体の含水率を2〜12重量%、含油率を1〜5重量%に調整するので、脆性成形体を適度の硬さに固形化することができるとともに、最小限の残留油分によって研削切粉の成分である純鉄が酸化するのを効果的に防止することができる。
請求項19記載の鉄系粉末材の製造方法によれば、スプリングバックの大きい炭素を0.2重量%以上含む研削切粉についても、そのスプリングバックの影響を排除して圧縮成形により効果的に粗せん断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る鉄系粉末材の製造方法を示す工程図である。
【図2】鉄系粉末材からブリケットを製造する方法を示す工程図である。
【図3】ブリケットの一部欠截斜視図である。
【符号の説明】
A 鉄系粉末材
B 綿状凝集体
C 脆性成形体
D 固形化補助剤
G ブリケット

Claims (19)

  1. 鉄系粉末と油分とを含む粉末材であって、鉄系金属の研削切粉と油分及び水分を含有する研削液とを含む綿状凝集体を圧縮成形して得られ、含水率が2〜12重量%に、含油率が1〜5重量%に調整された脆性成形体を粉砕してなることを特徴とする鉄系粉末材。
  2. 前記鉄系粉末材を圧縮成形したときに所望の強度及び形状に固形化するのを補助するための固形化補助剤をさらに含む請求項1記載の鉄系粉末材。
  3. 前記固形化補助剤が、米糠、廃糖蜜、澱粉類、生石灰、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、燐酸アルミニウム、酢酸ビニル汚泥、アスファルト乳剤、ベントナイトから選択される少なくとも1種である請求項2記載の鉄系粉末材。
  4. コークスをさらに含む請求項1記載の鉄系粉末材。
  5. 前記コークスを5〜50重量%含む請求項4記載の鉄系粉末材。
  6. 鉄鋼の製造工程で回収した集塵ダストをさらに含む請求項1記載の鉄系粉末材。
  7. 前記集塵ダストを10〜30重量%含む請求項6記載の鉄系粉末材。
  8. 鉄系金属の研削切粉と油分及び水分を含有する研削液とを含む綿状凝集体を圧縮成形して、繊維状の研削切粉が粗せん断され且つ余剰の水分及び油分が除去された脆性成形体を得、この脆性成形体を粉砕することにより研削切粉をさらに細かくせん断して、鉄系粉末と油分とを含む粉末材を得ることを特徴とする鉄系粉末材の製造方法。
  9. 前記脆性成形体の粉砕時又は粉砕後に、前記鉄系粉末材を圧縮成形したときに所望の強度及び形状に固形化するのを補助するための固形化補助剤を混合する請求項8記載の鉄系粉末材の製造方法。
  10. 前記固形化補助剤として、米糠、廃糖蜜、澱粉類、生石灰、コロイダルシリカ、珪酸ソーダ、燐酸アルミニウム、酢酸ビニル汚泥、アスファルト乳剤、ベントナイトから選択される少なくとも1種を用いる請求項9記載の鉄系粉末材の製造方法。
  11. 前記固形化補助剤を2〜30重量%混合する請求項10記載の鉄系粉末材の製造方法。
  12. 前記脆性成形体の粉砕時又は粉砕後に、コークスを混合する請求項8記載の鉄系粉末材の製造方法。
  13. 固形化補助剤を1〜10重量%混合する請求項12記載の鉄系粉末材の製造方法。
  14. 前記コークスを5〜50重量%混合する請求項12記載の鉄系粉末材の製造方法。
  15. 前記脆性成形体の粉砕時又は粉砕後に、鉄鋼の製造工程で回収した集塵ダストを混合する請求項8記載の鉄系粉末材の製造方法。
  16. 前記集塵ダストを10〜30重量%混合する請求項15記載の鉄系粉末材の製造方法。
  17. 前記綿状凝集体として、含水率が50重量%を超えない範囲に、含油率が10重量%を超えない範囲にそれぞれ調整したものを用いる請求項8記載の鉄系粉末材の製造方法。
  18. 前記脆性成形体の含水率を2〜12重量%、含油率を1〜5重量%に調整する請求項8記載の鉄系粉末材の製造方法。
  19. 前記研削切粉として、炭素を0.2重量%以上含むものを用いる請求項8記載の鉄系粉末材の製造方法。
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