JP2004269465A - アルコキシシランの製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各種アルコキシシラン化合物をエステル交換反応で合成するに際し、反応進行が良好であり、また反応後の触媒分離も容易に実施でき、かつ高選択,高収率で目的とするアルコキシシラン化合物を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】原料アルコキシシランをヒドロキシ化合物類と反応させてエステル交換を行うに際し、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂を触媒として用いるアルコキシシランの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】原料アルコキシシランをヒドロキシ化合物類と反応させてエステル交換を行うに際し、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂を触媒として用いるアルコキシシランの製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の固体塩基触媒を用い、原料アルコキシシランをヒドロキシ化合物類と反応させて、エステル交換を行うことにより、ヒドロキシ化合物より導入されたアルコキシ基を有するアルコキシシランを製造する方法に関するものである。これにより得られるアルコキシシラン類は原料アルコキシシランとは異なったアルコキシ基を有する化合物となる。また一方、アルコキシシラン類は、表面処理剤、撥水剤、シランカップリング剤など各種幅広い用途に利用される工業的に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
アルコキシシランのエステル交換反応において、固体触媒一般を用いた反応は特定のヒドロキシ化合物を用いて検討がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。これら固体触媒は反応後の分離,回収が容易であるという大きな利点を有している。しかしながら、酸性イオン交換樹脂をはじめとする固体酸では、本願発明者が検討したところ反応温度が高くなると原料アルコール類の脱水反応を併発するなど、副反応も起こしやすくなるという問題点を有していることが判明した。一方、固体塩基触媒は酸化カルシウムやアミノ官能基を有するイオン交換樹脂を触媒に用いた実施例(特許文献2参照)が示されている。しかしながら本願発明の触媒である四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂が触媒活性の面で特別に優れていることの記載はなく、過去にその検討はなされていなかった。
【特許文献1】
特開平4−295486号明細書
【特許文献2】
特開平5−255348号明細書
【特許文献3】
特開平5−255349号明細書
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は反応活性が高く、反応後の分離も容易でありかつ副反応を起こしにくく高選択的に反応を進行させる固体塩基触媒、特に四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂(強塩基性イオン交換樹脂とも呼ばれる)触媒による反応方法の開発であり、すなわちアルコキシシランの工業的製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂を触媒として用いることにより、原料アルコキシシランと特定の構造を有するヒドロキシ化合物類とのエステル交換反応がスムーズに進行し、新たに導入されたアルコキシ基を有するアルコキシシランが高選択的に収率良く得られることを発見し、本発明を完成するに至った。尚、ここで得られるアルコキシシラン類は原料アルコキシシランとは異なった種類のアルコキシ基を有する化合物である。
【0005】
すなわち本発明は、炭素原子数1〜4個から成るアルコキシ基を有する原料アルコキシシランを下記一般式(1):
【0006】
【化2】
【0007】
(ただし式中、R1はヒドロキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の炭化水素基であり、Aは炭素原子数2〜6個のアルキレン基、また、nは0以上40以下の整数である。)で表されるヒドロキシ化合物とエステル交換反応させるに際し、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂を触媒として用いることを特徴とするアルコキシシランの製造方法を提供するものである。
【0008】
また本発明は、上記の四級塩がアルコキシアニオンを対アニオンとする四級塩である上記記載のアルコキシシランの製造方法を提供するものである。
【0009】
さらに本発明は、上記の四級塩が四級アンモニウム塩である上記記載のアルコキシシランの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における原料アルコキシシランは炭素原子数1〜4個から成るアルコキシ基がケイ素原子に結合したシラン化合物である。すなわち、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基がケイ素原子に直接結合したアルコキシシランである。これらは本発明においてエステル交換反応をスムーズに進行させることができるものである。
【0011】
このような原料アルコキシシラン化合物としては、炭素原子数1〜4個から成るアルコキシ基を一つもしくは複数有するものが用いられる。すなわちテトラアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物、モノアルコキシシラン化合物が対象となる。また更に炭化水素基が直接ケイ素原子に結合したアルコキシシラン化合物も好ましく利用することができる。この炭化水素基は好ましくは炭素原子数1〜20個のものであり、より好ましくは炭素原子数1〜10個のものである。また一方、アミノ基含有アルキル基やメルカプト基含有アルキル基、エポキシ基含有アルキル基、(メタ)アクリロキシプロピル基がケイ素原子に結合したアルコキシシラン化合物も利用可能である。ここに示した原料アルコキシシラン類の中でも特に好ましいものとしてはテトラアルコキシシランが挙げられる。
【0012】
これら原料アルコキシシラン化合物について具体例を示すと、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。これらの中でもより好ましいものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシランを選ぶことができ、最も好ましいものはテトラメトキシシランである。
【0013】
また原料として使用する水酸基を有する化合物としては、下記一般式(1):
【0014】
【化3】
【0015】
(ただし式中、R1はヒドロキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の炭化水素基であり、Aは炭素原子数2〜6個のアルキレン基、また、nは0以上40以下の整数である。)で表されるヒドロキシ化合物である。
【0016】
一般式(1)で表される化合物は、より好ましくは、R1が炭素原子数1〜18個の炭化水素基であり、 Aが炭素原子数2または3のアルキレン基、また、nが0以上3以下の整数で表されるヒドロキシ化合物ある。
これらの化合物は、より具体的には、アルキルアルコール類、アルキル多価アルコール類、不飽和アルキルアルコール類、フェノール類、多価フェノール類、ポリアルキレングリコール類、(ポリ)アルキレングリコールモノ置換エーテル類などが含まれる。
【0017】
これらの原料ヒドロキシ化合物についてその具体例を示すと、例えば対応するアルキルアルコール類の例としてはプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどが挙げられ、対応するアルキル多価アルコール類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。また対応する不飽和アルキルアルコール類の例としてはアリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オールなどが挙げられ、対応するフェノール類,多価フェノール類の例としてはフェノール、クレゾール、ナフトール、p−ヒドロキシスチレン、カテコール、ビスフェノールAなどが挙げられる。また一方、対応するポリアルキレングリコール類の例としてはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられ、(ポリ)アルキレングリコールモノ置換エーテル類の例としてはエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
【0018】
これらの中でも好ましいものとしては、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、アリルアルコール、フェノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルを選ぶことができ、特に好ましいものはオクタノール、ドデカノール、フェノール、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルである。
【0019】
本反応で使用する触媒は、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂である。本触媒は、一級,二級,三級のアミノ基を活性点(官能基)とする樹脂触媒と比べて非常に高活性であることが特徴である。また、この活性点である四級塩は、具体的にはアンモニウム塩やホスホニウム塩などが挙げられる。工業上の利用においては、触媒樹脂の合成やその入手の容易さの点からは、アンモニウム塩の方が有利であり好ましい。
【0020】
活性点である四級塩の形態としては、アルコキシアニオンを対アニオンとする四級塩がより高い活性発現においては効果的である。アルコキシアニオン型への変換は、反応前に予め触媒を処理したり、反応中に変換させるなどの方法が可能であるが、反応をよりスムーズに高活性な触媒で進行させるには、使用前に触媒を処理しておくことが好ましい。アルコキシアニオン型への具体的な変換方法としては、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂体をナトリウムアルコキシド等の溶液で処理したり、水酸化アルカリ溶液と接触させ対アニオンをOHとした後、所望するアルコールで処理するなどの方法で実施することができる。
【0021】
本アルコキシアニオンの構造は特に制限されないが、炭素原子数1〜20個のアルコキシアニオンが通常好ましい。また、特に好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシアニオンであり、これらは触媒として調製し易く、また対応するアルコールが反応時に生成した場合にも蒸留除去が容易であるため最適である。
【0022】
一方、本触媒のアニオン交換樹脂は、対アニオンがヒドロキシアニオン(OH型とも呼ばれる)状態で使用することも可能である。しかしこの状態で本反応に用いると、反応時にOHアニオン由来の水が生成するためアルコキシシラン類の加水分解等副反応を引き起こす場合がある。また、この加水分解されたアルコキシシランが更にシロキサンへと縮合が進むと、触媒の活性点を覆い被毒したり、樹脂細孔を閉塞したりして触媒の活性低下の原因ともなる。従って触媒を高活性に保ちつつ、かつ反応を高選択的に進行させるためにはアルコキシアニオンを対アニオンとする形に調製した後に触媒として利用することが望ましい。
【0023】
触媒として用いる四級アンモニウム塩を活性点とするアニオン交換樹脂は、構造上さらに好ましいものは、環状構造を形成する四級アンモニウム塩を官能基として有するアニオン交換樹脂である。特に反応温度が80℃以上の場合には耐熱性の高い樹脂体を用いることが望ましく、四級アンモニウム塩が環状構造を形成するものは熱安定性が良く反応温度が高い場合にはさらに好適である。
【0024】
これらの四級アンモニウム塩を活性点とするアニオン交換樹脂の具体例としては、市販の強塩基性イオン交換樹脂では、例えばロームアンドハース社製のアンバーライトIRA−400、アンバーリストA−26、三菱化学社製のダイヤイオンPA306、ダイヤイオンTSA1200、ダウケミカル社製のダウエックスSBR、ダウエックスMSA−1、などが挙げられる。またこれらは四級アンモニウム塩の対アニオンをアルコキシアニオンにすることでより高活性な触媒として利用できる。
【0025】
また環状構造を形成する四級アンモニウム塩を官能基として有するアニオン交換樹脂を用いる場合、これは例えば市販のジアリルジメチルアンモニウムクロリド等をモノマー原料とし、重合・架橋することで目的とする樹脂架橋体を合成することができ、更にアニオン交換操作を行うことで、より高活性な触媒として本反応に利用することができる。
【0026】
本エステル交換反応の実施方法としては気相反応,液相反応どちらでも実施可能であるが、生成物の沸点が高い場合には気相反応は容易でないため一般的には液相反応の方が好ましく利用される。
【0027】
本反応を液相で実施する場合の方法としては、原料アルコキシシランより生成するアルコールを除去しつつ行う方法が平衡を生成物側へ移すのに効果的であり、好ましく行われる。また溶媒を使用した場合、その溶媒と共に生成するアルコールを留去する方法も可能である。反応装置としては例えば蒸留塔を有する反応釜を用いることができる。反応温度は室温〜200℃の間で実施することができ、好ましくは50〜150℃である。反応圧力は通常、常圧もしくは減圧にて実施される。反応原料は原料アルコキシシランおよび原料ヒドロキシ化合物、更に触媒を初期に一括仕込みする方法(バッチ反応)や原料のうち一方もしくは両者を反応釜内に逐次添加する方法が行われる。反応終了後、原料ヒドロキシ化合物が過剰に存在している場合には更に蒸留操作によってこれを留去することが出来る。また、生成物が蒸留可能な場合には蒸留操作により留出回収し、純度の高い生成物を得ることも可能である。
【0028】
本発明における触媒の使用量は、原料アルコキシシラン化合物100重量部に対して0.1〜50重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。本触媒は固体の状態で使用されるため反応後の分離が容易に実施でき、デカンテーション、もしくは濾過操作によって触媒を回収できる。また本発明における、アルコキシアニオンを対アニオンとするアニオン交換樹脂触媒は反応使用時の劣化が極めて少ないため、回収した触媒のリサイクル使用には非常に有利であり工業的に適している。
【0029】
原料アルコキシシランに対する原料ヒドロキシ化合物の使用割合は、原料アルコキシシランのアルコキシ基に対して通常1.0〜3.0モル倍であり、好ましくは1.01〜2.0モル倍である。一方、原料アルコキシシランのアルコキシ基に対して原料ヒドロキシ化合物を1.0モル倍より少なく使用して反応させることも勿論可能であり、この場合には原料アルコキシシランのアルコキシ基の一部を置換した生成物が得られる。エステル交換反応は、平衡反応であるため原料のヒドロキシ化合物を過剰に用いて反応することで反応完結はより容易となり、反応終了後にその過剰分は減圧留去し回収することもできる。
【0030】
また反応系中において水分の含有量は少ないほど良い。系中の水はアルコキシシランの加水分解を引き起こしやすく、ポリシロキサンの生成に結びつきやすい。このような副生物は触媒の活性点を覆い被毒したり、触媒細孔を閉塞させる場合もある。ゆえに系中の水は、反応時に添加する触媒の総活性点に対して20モル%以下、より好ましくは5モル%以下にすることが望ましい。
【0031】
本エステル交換反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いる場合、原料アルコキシシランや原料ヒドロキシ化合物と反応しない溶媒であれば、いずれも使用可能である。溶媒の具体例としては、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカリン、テトラリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、クロロベンゼンの含ハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、更にアセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用しても良く、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0032】
本発明の方法により得られるアルコキシシラン類は、そのアルコキシ基の炭素鎖が長いものでは熱可塑性樹脂やゴムの可塑剤として、またアルコキシ基が親水性のものでは水溶性が向上したアルコキシシランとして利用でき、幅広い応用が可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0034】
触媒調製例
ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとジアリルアミン塩酸塩との共重合体(各モノマーとして70:30モル比、分子量約15万)を42重量%含む0.3%水酸化ナトリウム水溶液238gと8.2%水酸化ナトリウム水溶液95gを混合し、pH12.5の水溶液を調製した。続いて、温度計、攪拌機、還流冷却器を有する容量2Lのフラスコに、トルエン1L、ソルビタンモノパルミテート2.5g、エチレングリコールモノエチルエーテル2.5gを仕込んだ。この中に撹拌しながら上記共重合体水溶液を添加し分散させ、40℃で1時間保持し、その後架橋剤としてエピクロロヒドリン9gを1時間かけて滴下後、90℃に昇温して4時間反応させた。冷却後得られた架橋ポリマービーズを取り出し、メタノールにて洗浄後、60℃にて減圧乾燥し、環状構造を形成する四級アンモニウム官能基樹脂を得た(特開2001−302729号の実施例1の方法)。次いで、この樹脂を10%水酸化ナトリウム水溶液中で1時間撹拌した後メタノールにて洗浄し、エステル交換反応で用いる触媒(以下、触媒Aと表記する)を準備した。
【0035】
実施例1
200mlフラスコに攪拌機、温度計、冷却管を取り付け、蒸留可能な装置を用意した。フラスコ内にテトラメトキシシラン30g(0.2モル)、1−デカノール127g(0.8モル)、および触媒A2.4g(原料アルコキシシランに対して8重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から4kPaまで減圧し、生成するメタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を4時間かけて行った後、反応液をガスクロマトグラフ(GC)分析したところ、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が0:1:8:91(GC面積比)で確認された。また、1−デカノールの転化率は92%であり、目的生成物(合計)の選択率は99%であった。尚、ガスクロマトグラフ分析は、島津GC−15A装置にGLサイエンス社製キャピラリーカラムTC−1(30m)を取り付けたものを使用し、カラム温度50→300℃昇温の条件にて行った。
【0036】
実施例2
触媒としてロームアンドハース社製アンバーライトIRA−400を、10%水酸化ナトリウム水溶液中で1時間撹拌した後、水洗浄し、次いで80℃にて一晩減圧乾燥したもの(このOH型アニオン交換樹脂を以下、触媒Bと表記する)を準備した。実施例1の反応において、触媒として触媒B2.4gを用いた以外は実施例1と同様の操作にて反応を実施しGC分析を行った。その結果、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が1:8:30:61(GC面積比)で確認された。1−デカノールの転化率は71%であり、また目的生成物(合計)の選択率は97%であった。
【0037】
実施例3
実施例1と同様の装置のフラスコにテトラエトキシシラン62g(0.3モル)、エチレングリコールモノブチルエーテル71g(0.6モル)、および触媒A1.2g(原料アルコキシシランに対して2重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から40kPaまで減圧し、生成するエタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を4時間かけて行った後、反応液をGC分析したところ、原料アルコキシシランにエチレングリコールモノブチルエーテル由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が7:27:43:23(GC面積比)で確認された。また、エチレングリコールモノブチルエーテルの転化率は91%であり、目的生成物(合計)の選択率は98%であった。
【0038】
実施例4
触媒として実施例3の使用済み触媒を回収したものを再使用した以外は、実施例3と同様の反応を同じ操作にて実施した。その結果、原料アルコキシシランにエチレングリコールモノブチルエーテル由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が5:26:45:24(GC面積比)で確認された。エチレングリコールモノブチルエーテルの転化率は92%であり、また目的生成物(合計)の選択率は98%であった。
【0039】
実施例5
攪拌機、温度計、還流冷却管を有する200mlフラスコに、ビニルトリエトキシシラン76g(0.4モル)、アリルアルコール23g(0.4モル)、触媒A2.3g(原料アルコキシシランに対して3重量%)を仕込み、90℃に昇温し同温度にて2時間保持した。反応液を冷却後、GC分析したところ、生成物として原料アルコキシシランに、アリルアルコール由来のアルコキシ基が1個、2個、および3個導入されたアルコキシシラン化合物が59:35:6(GC面積比)で確認された。また、アリルアルコールの転化率は87%であり、目的生成物(合計)の選択率は96%であった。
【0040】
実施例6
触媒として三菱化学社製のダイヤイオンTSA1200を、ナトリウムメトキシドの10%メタノール溶液中で1時間撹拌した後、メタノールにて洗浄したもの(以下、触媒Cと表記する)を準備した。実施例5と同様の装置に、テトラメトキシシラン61g(0.4モル)、1−エトキシ−2−プロパノール42g(0.4モル)、触媒C3.0g(原料アルコキシシランに対して5重量%)を仕込み、100℃に昇温し同温度にて2時間保持した。反応液を冷却後GC分析したところ、原料アルコキシシランに1−エトキシ−2−プロパノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が54:35:9:2(GC面積比)で確認された。また、1−エトキシ−2−プロパノールの転化率は92%であり、目的生成物(合計)の選択率は99%であった。
【0041】
実施例7
実施例1と同様の装置のフラスコにテトラメトキシシラン46g(0.3モル)、フェノール113g(1.2モル)、および触媒A4.6g(原料アルコキシシランに対して10重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から10kPaまで減圧し、生成するメタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を5時間かけて行った後、反応液をGC分析したところ、原料アルコキシシランにフェノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が0:2:28:70(GC面積比)で確認された。また、フェノールの転化率は80%であり、目的生成物(合計)の選択率は95%であった。
【0042】
実施例8
実施例1と同様の装置のフラスコにテトラメトキシシラン6g(0.04モル)、ポリプロピレングリコール(ジオール型,平均分子量2000)120g、および触媒A0.6g(原料アルコキシシランに対して10重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から5kPaまで減圧し、生成するメタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を5時間かけて行った後、反応フラスコを室温まで冷却し、生成物として寒天状ゲル物121gを得た。
【0043】
比較例1
実施例1の反応において、触媒としてロームアンドハース社製アンバーライトIRA−93(三級アミン官能基樹脂)2.4gを用いた以外は実施例1と同様の操作にて反応を実施しGC分析を行った。その結果、1−デカノールの転化率は3%であり、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が71:29:0:0(GC面積比)で確認された。すなわち三級アミン官能基からなるイオン交換樹脂を本願の基質に適用すると低活性であるという結果が得られた。
【0044】
比較例2
実施例1の反応において、触媒として三菱化学社製のダイヤイオンWA20(一級,二級のポリアミン官能基樹脂)2.4gを用いた以外は実施例1と同様の操作にて反応を実施しGC分析を行った。その結果、1−デカノールの転化率は2%であり、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が77:23:0:0(GC面積比)で確認された。すなわち一級,二級アミンの官能基からなるイオン交換樹脂を本願の基質に適用した場合にも低活性であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、各種アルコキシシラン化合物をエステル交換反応で合成するに際し、反応を極めてスムーズ進行させることができると共に、反応後の触媒分離も容易に実施でき、かつ高選択,高収率で目的とするアルコキシシラン化合物を得ることができる。さらに触媒劣化も少なく、触媒を繰り返し使用するプロセスにも適用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の固体塩基触媒を用い、原料アルコキシシランをヒドロキシ化合物類と反応させて、エステル交換を行うことにより、ヒドロキシ化合物より導入されたアルコキシ基を有するアルコキシシランを製造する方法に関するものである。これにより得られるアルコキシシラン類は原料アルコキシシランとは異なったアルコキシ基を有する化合物となる。また一方、アルコキシシラン類は、表面処理剤、撥水剤、シランカップリング剤など各種幅広い用途に利用される工業的に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
アルコキシシランのエステル交換反応において、固体触媒一般を用いた反応は特定のヒドロキシ化合物を用いて検討がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。これら固体触媒は反応後の分離,回収が容易であるという大きな利点を有している。しかしながら、酸性イオン交換樹脂をはじめとする固体酸では、本願発明者が検討したところ反応温度が高くなると原料アルコール類の脱水反応を併発するなど、副反応も起こしやすくなるという問題点を有していることが判明した。一方、固体塩基触媒は酸化カルシウムやアミノ官能基を有するイオン交換樹脂を触媒に用いた実施例(特許文献2参照)が示されている。しかしながら本願発明の触媒である四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂が触媒活性の面で特別に優れていることの記載はなく、過去にその検討はなされていなかった。
【特許文献1】
特開平4−295486号明細書
【特許文献2】
特開平5−255348号明細書
【特許文献3】
特開平5−255349号明細書
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は反応活性が高く、反応後の分離も容易でありかつ副反応を起こしにくく高選択的に反応を進行させる固体塩基触媒、特に四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂(強塩基性イオン交換樹脂とも呼ばれる)触媒による反応方法の開発であり、すなわちアルコキシシランの工業的製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂を触媒として用いることにより、原料アルコキシシランと特定の構造を有するヒドロキシ化合物類とのエステル交換反応がスムーズに進行し、新たに導入されたアルコキシ基を有するアルコキシシランが高選択的に収率良く得られることを発見し、本発明を完成するに至った。尚、ここで得られるアルコキシシラン類は原料アルコキシシランとは異なった種類のアルコキシ基を有する化合物である。
【0005】
すなわち本発明は、炭素原子数1〜4個から成るアルコキシ基を有する原料アルコキシシランを下記一般式(1):
【0006】
【化2】
【0007】
(ただし式中、R1はヒドロキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の炭化水素基であり、Aは炭素原子数2〜6個のアルキレン基、また、nは0以上40以下の整数である。)で表されるヒドロキシ化合物とエステル交換反応させるに際し、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂を触媒として用いることを特徴とするアルコキシシランの製造方法を提供するものである。
【0008】
また本発明は、上記の四級塩がアルコキシアニオンを対アニオンとする四級塩である上記記載のアルコキシシランの製造方法を提供するものである。
【0009】
さらに本発明は、上記の四級塩が四級アンモニウム塩である上記記載のアルコキシシランの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における原料アルコキシシランは炭素原子数1〜4個から成るアルコキシ基がケイ素原子に結合したシラン化合物である。すなわち、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基がケイ素原子に直接結合したアルコキシシランである。これらは本発明においてエステル交換反応をスムーズに進行させることができるものである。
【0011】
このような原料アルコキシシラン化合物としては、炭素原子数1〜4個から成るアルコキシ基を一つもしくは複数有するものが用いられる。すなわちテトラアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物、モノアルコキシシラン化合物が対象となる。また更に炭化水素基が直接ケイ素原子に結合したアルコキシシラン化合物も好ましく利用することができる。この炭化水素基は好ましくは炭素原子数1〜20個のものであり、より好ましくは炭素原子数1〜10個のものである。また一方、アミノ基含有アルキル基やメルカプト基含有アルキル基、エポキシ基含有アルキル基、(メタ)アクリロキシプロピル基がケイ素原子に結合したアルコキシシラン化合物も利用可能である。ここに示した原料アルコキシシラン類の中でも特に好ましいものとしてはテトラアルコキシシランが挙げられる。
【0012】
これら原料アルコキシシラン化合物について具体例を示すと、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、などが挙げられる。これらの中でもより好ましいものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシランを選ぶことができ、最も好ましいものはテトラメトキシシランである。
【0013】
また原料として使用する水酸基を有する化合物としては、下記一般式(1):
【0014】
【化3】
【0015】
(ただし式中、R1はヒドロキシ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の炭化水素基であり、Aは炭素原子数2〜6個のアルキレン基、また、nは0以上40以下の整数である。)で表されるヒドロキシ化合物である。
【0016】
一般式(1)で表される化合物は、より好ましくは、R1が炭素原子数1〜18個の炭化水素基であり、 Aが炭素原子数2または3のアルキレン基、また、nが0以上3以下の整数で表されるヒドロキシ化合物ある。
これらの化合物は、より具体的には、アルキルアルコール類、アルキル多価アルコール類、不飽和アルキルアルコール類、フェノール類、多価フェノール類、ポリアルキレングリコール類、(ポリ)アルキレングリコールモノ置換エーテル類などが含まれる。
【0017】
これらの原料ヒドロキシ化合物についてその具体例を示すと、例えば対応するアルキルアルコール類の例としてはプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどが挙げられ、対応するアルキル多価アルコール類の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。また対応する不飽和アルキルアルコール類の例としてはアリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オールなどが挙げられ、対応するフェノール類,多価フェノール類の例としてはフェノール、クレゾール、ナフトール、p−ヒドロキシスチレン、カテコール、ビスフェノールAなどが挙げられる。また一方、対応するポリアルキレングリコール類の例としてはジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられ、(ポリ)アルキレングリコールモノ置換エーテル類の例としてはエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
【0018】
これらの中でも好ましいものとしては、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、アリルアルコール、フェノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルを選ぶことができ、特に好ましいものはオクタノール、ドデカノール、フェノール、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルである。
【0019】
本反応で使用する触媒は、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂である。本触媒は、一級,二級,三級のアミノ基を活性点(官能基)とする樹脂触媒と比べて非常に高活性であることが特徴である。また、この活性点である四級塩は、具体的にはアンモニウム塩やホスホニウム塩などが挙げられる。工業上の利用においては、触媒樹脂の合成やその入手の容易さの点からは、アンモニウム塩の方が有利であり好ましい。
【0020】
活性点である四級塩の形態としては、アルコキシアニオンを対アニオンとする四級塩がより高い活性発現においては効果的である。アルコキシアニオン型への変換は、反応前に予め触媒を処理したり、反応中に変換させるなどの方法が可能であるが、反応をよりスムーズに高活性な触媒で進行させるには、使用前に触媒を処理しておくことが好ましい。アルコキシアニオン型への具体的な変換方法としては、四級塩を活性点とするアニオン交換樹脂体をナトリウムアルコキシド等の溶液で処理したり、水酸化アルカリ溶液と接触させ対アニオンをOHとした後、所望するアルコールで処理するなどの方法で実施することができる。
【0021】
本アルコキシアニオンの構造は特に制限されないが、炭素原子数1〜20個のアルコキシアニオンが通常好ましい。また、特に好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシアニオンであり、これらは触媒として調製し易く、また対応するアルコールが反応時に生成した場合にも蒸留除去が容易であるため最適である。
【0022】
一方、本触媒のアニオン交換樹脂は、対アニオンがヒドロキシアニオン(OH型とも呼ばれる)状態で使用することも可能である。しかしこの状態で本反応に用いると、反応時にOHアニオン由来の水が生成するためアルコキシシラン類の加水分解等副反応を引き起こす場合がある。また、この加水分解されたアルコキシシランが更にシロキサンへと縮合が進むと、触媒の活性点を覆い被毒したり、樹脂細孔を閉塞したりして触媒の活性低下の原因ともなる。従って触媒を高活性に保ちつつ、かつ反応を高選択的に進行させるためにはアルコキシアニオンを対アニオンとする形に調製した後に触媒として利用することが望ましい。
【0023】
触媒として用いる四級アンモニウム塩を活性点とするアニオン交換樹脂は、構造上さらに好ましいものは、環状構造を形成する四級アンモニウム塩を官能基として有するアニオン交換樹脂である。特に反応温度が80℃以上の場合には耐熱性の高い樹脂体を用いることが望ましく、四級アンモニウム塩が環状構造を形成するものは熱安定性が良く反応温度が高い場合にはさらに好適である。
【0024】
これらの四級アンモニウム塩を活性点とするアニオン交換樹脂の具体例としては、市販の強塩基性イオン交換樹脂では、例えばロームアンドハース社製のアンバーライトIRA−400、アンバーリストA−26、三菱化学社製のダイヤイオンPA306、ダイヤイオンTSA1200、ダウケミカル社製のダウエックスSBR、ダウエックスMSA−1、などが挙げられる。またこれらは四級アンモニウム塩の対アニオンをアルコキシアニオンにすることでより高活性な触媒として利用できる。
【0025】
また環状構造を形成する四級アンモニウム塩を官能基として有するアニオン交換樹脂を用いる場合、これは例えば市販のジアリルジメチルアンモニウムクロリド等をモノマー原料とし、重合・架橋することで目的とする樹脂架橋体を合成することができ、更にアニオン交換操作を行うことで、より高活性な触媒として本反応に利用することができる。
【0026】
本エステル交換反応の実施方法としては気相反応,液相反応どちらでも実施可能であるが、生成物の沸点が高い場合には気相反応は容易でないため一般的には液相反応の方が好ましく利用される。
【0027】
本反応を液相で実施する場合の方法としては、原料アルコキシシランより生成するアルコールを除去しつつ行う方法が平衡を生成物側へ移すのに効果的であり、好ましく行われる。また溶媒を使用した場合、その溶媒と共に生成するアルコールを留去する方法も可能である。反応装置としては例えば蒸留塔を有する反応釜を用いることができる。反応温度は室温〜200℃の間で実施することができ、好ましくは50〜150℃である。反応圧力は通常、常圧もしくは減圧にて実施される。反応原料は原料アルコキシシランおよび原料ヒドロキシ化合物、更に触媒を初期に一括仕込みする方法(バッチ反応)や原料のうち一方もしくは両者を反応釜内に逐次添加する方法が行われる。反応終了後、原料ヒドロキシ化合物が過剰に存在している場合には更に蒸留操作によってこれを留去することが出来る。また、生成物が蒸留可能な場合には蒸留操作により留出回収し、純度の高い生成物を得ることも可能である。
【0028】
本発明における触媒の使用量は、原料アルコキシシラン化合物100重量部に対して0.1〜50重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。本触媒は固体の状態で使用されるため反応後の分離が容易に実施でき、デカンテーション、もしくは濾過操作によって触媒を回収できる。また本発明における、アルコキシアニオンを対アニオンとするアニオン交換樹脂触媒は反応使用時の劣化が極めて少ないため、回収した触媒のリサイクル使用には非常に有利であり工業的に適している。
【0029】
原料アルコキシシランに対する原料ヒドロキシ化合物の使用割合は、原料アルコキシシランのアルコキシ基に対して通常1.0〜3.0モル倍であり、好ましくは1.01〜2.0モル倍である。一方、原料アルコキシシランのアルコキシ基に対して原料ヒドロキシ化合物を1.0モル倍より少なく使用して反応させることも勿論可能であり、この場合には原料アルコキシシランのアルコキシ基の一部を置換した生成物が得られる。エステル交換反応は、平衡反応であるため原料のヒドロキシ化合物を過剰に用いて反応することで反応完結はより容易となり、反応終了後にその過剰分は減圧留去し回収することもできる。
【0030】
また反応系中において水分の含有量は少ないほど良い。系中の水はアルコキシシランの加水分解を引き起こしやすく、ポリシロキサンの生成に結びつきやすい。このような副生物は触媒の活性点を覆い被毒したり、触媒細孔を閉塞させる場合もある。ゆえに系中の水は、反応時に添加する触媒の総活性点に対して20モル%以下、より好ましくは5モル%以下にすることが望ましい。
【0031】
本エステル交換反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いる場合、原料アルコキシシランや原料ヒドロキシ化合物と反応しない溶媒であれば、いずれも使用可能である。溶媒の具体例としては、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカリン、テトラリン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、クロロベンゼンの含ハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、更にアセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用しても良く、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0032】
本発明の方法により得られるアルコキシシラン類は、そのアルコキシ基の炭素鎖が長いものでは熱可塑性樹脂やゴムの可塑剤として、またアルコキシ基が親水性のものでは水溶性が向上したアルコキシシランとして利用でき、幅広い応用が可能である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
【0034】
触媒調製例
ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとジアリルアミン塩酸塩との共重合体(各モノマーとして70:30モル比、分子量約15万)を42重量%含む0.3%水酸化ナトリウム水溶液238gと8.2%水酸化ナトリウム水溶液95gを混合し、pH12.5の水溶液を調製した。続いて、温度計、攪拌機、還流冷却器を有する容量2Lのフラスコに、トルエン1L、ソルビタンモノパルミテート2.5g、エチレングリコールモノエチルエーテル2.5gを仕込んだ。この中に撹拌しながら上記共重合体水溶液を添加し分散させ、40℃で1時間保持し、その後架橋剤としてエピクロロヒドリン9gを1時間かけて滴下後、90℃に昇温して4時間反応させた。冷却後得られた架橋ポリマービーズを取り出し、メタノールにて洗浄後、60℃にて減圧乾燥し、環状構造を形成する四級アンモニウム官能基樹脂を得た(特開2001−302729号の実施例1の方法)。次いで、この樹脂を10%水酸化ナトリウム水溶液中で1時間撹拌した後メタノールにて洗浄し、エステル交換反応で用いる触媒(以下、触媒Aと表記する)を準備した。
【0035】
実施例1
200mlフラスコに攪拌機、温度計、冷却管を取り付け、蒸留可能な装置を用意した。フラスコ内にテトラメトキシシラン30g(0.2モル)、1−デカノール127g(0.8モル)、および触媒A2.4g(原料アルコキシシランに対して8重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から4kPaまで減圧し、生成するメタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を4時間かけて行った後、反応液をガスクロマトグラフ(GC)分析したところ、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が0:1:8:91(GC面積比)で確認された。また、1−デカノールの転化率は92%であり、目的生成物(合計)の選択率は99%であった。尚、ガスクロマトグラフ分析は、島津GC−15A装置にGLサイエンス社製キャピラリーカラムTC−1(30m)を取り付けたものを使用し、カラム温度50→300℃昇温の条件にて行った。
【0036】
実施例2
触媒としてロームアンドハース社製アンバーライトIRA−400を、10%水酸化ナトリウム水溶液中で1時間撹拌した後、水洗浄し、次いで80℃にて一晩減圧乾燥したもの(このOH型アニオン交換樹脂を以下、触媒Bと表記する)を準備した。実施例1の反応において、触媒として触媒B2.4gを用いた以外は実施例1と同様の操作にて反応を実施しGC分析を行った。その結果、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が1:8:30:61(GC面積比)で確認された。1−デカノールの転化率は71%であり、また目的生成物(合計)の選択率は97%であった。
【0037】
実施例3
実施例1と同様の装置のフラスコにテトラエトキシシラン62g(0.3モル)、エチレングリコールモノブチルエーテル71g(0.6モル)、および触媒A1.2g(原料アルコキシシランに対して2重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から40kPaまで減圧し、生成するエタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を4時間かけて行った後、反応液をGC分析したところ、原料アルコキシシランにエチレングリコールモノブチルエーテル由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が7:27:43:23(GC面積比)で確認された。また、エチレングリコールモノブチルエーテルの転化率は91%であり、目的生成物(合計)の選択率は98%であった。
【0038】
実施例4
触媒として実施例3の使用済み触媒を回収したものを再使用した以外は、実施例3と同様の反応を同じ操作にて実施した。その結果、原料アルコキシシランにエチレングリコールモノブチルエーテル由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が5:26:45:24(GC面積比)で確認された。エチレングリコールモノブチルエーテルの転化率は92%であり、また目的生成物(合計)の選択率は98%であった。
【0039】
実施例5
攪拌機、温度計、還流冷却管を有する200mlフラスコに、ビニルトリエトキシシラン76g(0.4モル)、アリルアルコール23g(0.4モル)、触媒A2.3g(原料アルコキシシランに対して3重量%)を仕込み、90℃に昇温し同温度にて2時間保持した。反応液を冷却後、GC分析したところ、生成物として原料アルコキシシランに、アリルアルコール由来のアルコキシ基が1個、2個、および3個導入されたアルコキシシラン化合物が59:35:6(GC面積比)で確認された。また、アリルアルコールの転化率は87%であり、目的生成物(合計)の選択率は96%であった。
【0040】
実施例6
触媒として三菱化学社製のダイヤイオンTSA1200を、ナトリウムメトキシドの10%メタノール溶液中で1時間撹拌した後、メタノールにて洗浄したもの(以下、触媒Cと表記する)を準備した。実施例5と同様の装置に、テトラメトキシシラン61g(0.4モル)、1−エトキシ−2−プロパノール42g(0.4モル)、触媒C3.0g(原料アルコキシシランに対して5重量%)を仕込み、100℃に昇温し同温度にて2時間保持した。反応液を冷却後GC分析したところ、原料アルコキシシランに1−エトキシ−2−プロパノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が54:35:9:2(GC面積比)で確認された。また、1−エトキシ−2−プロパノールの転化率は92%であり、目的生成物(合計)の選択率は99%であった。
【0041】
実施例7
実施例1と同様の装置のフラスコにテトラメトキシシラン46g(0.3モル)、フェノール113g(1.2モル)、および触媒A4.6g(原料アルコキシシランに対して10重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から10kPaまで減圧し、生成するメタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を5時間かけて行った後、反応液をGC分析したところ、原料アルコキシシランにフェノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン化合物が0:2:28:70(GC面積比)で確認された。また、フェノールの転化率は80%であり、目的生成物(合計)の選択率は95%であった。
【0042】
実施例8
実施例1と同様の装置のフラスコにテトラメトキシシラン6g(0.04モル)、ポリプロピレングリコール(ジオール型,平均分子量2000)120g、および触媒A0.6g(原料アルコキシシランに対して10重量%)を仕込み、100℃に昇温した。フラスコ内を徐々に常圧から5kPaまで減圧し、生成するメタノールを留去しつつ反応を行った。本反応操作を5時間かけて行った後、反応フラスコを室温まで冷却し、生成物として寒天状ゲル物121gを得た。
【0043】
比較例1
実施例1の反応において、触媒としてロームアンドハース社製アンバーライトIRA−93(三級アミン官能基樹脂)2.4gを用いた以外は実施例1と同様の操作にて反応を実施しGC分析を行った。その結果、1−デカノールの転化率は3%であり、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が71:29:0:0(GC面積比)で確認された。すなわち三級アミン官能基からなるイオン交換樹脂を本願の基質に適用すると低活性であるという結果が得られた。
【0044】
比較例2
実施例1の反応において、触媒として三菱化学社製のダイヤイオンWA20(一級,二級のポリアミン官能基樹脂)2.4gを用いた以外は実施例1と同様の操作にて反応を実施しGC分析を行った。その結果、1−デカノールの転化率は2%であり、原料アルコキシシランに1−デカノール由来のアルコキシ基が1個、2個、3個、および4個導入されたアルコキシシラン生成物が77:23:0:0(GC面積比)で確認された。すなわち一級,二級アミンの官能基からなるイオン交換樹脂を本願の基質に適用した場合にも低活性であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、各種アルコキシシラン化合物をエステル交換反応で合成するに際し、反応を極めてスムーズ進行させることができると共に、反応後の触媒分離も容易に実施でき、かつ高選択,高収率で目的とするアルコキシシラン化合物を得ることができる。さらに触媒劣化も少なく、触媒を繰り返し使用するプロセスにも適用できる。
Claims (3)
- 前記四級塩がアルコキシアニオンを対アニオンとする四級塩である請求項1に記載のアルコキシシランの製造方法。
- 前記四級塩が四級アンモニウム塩である請求項1または請求項2に記載のアルコキシシランの製造方法。
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