JP2004268627A - 車両用衝突物体判別装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バンパアブソーバ3の前面に外側衝突検知センサ1が、裏側に内側衝突検知センサ2が固定されている。内側衝突検知センサ2は、その前面に衝突する衝突体から与えられた衝突衝撃力を後方へ分散または減衰させつつ伝達する。その結果、歩行者と小面積衝突体と重量固定物とを簡素な回路構成により高精度に分別することができる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に衝突する物体を判別する車両用衝突物体判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に衝突する衝突体が歩行者かどうかを判定する技術として特許文献1、2が提案されている。
【0003】
特許文献1は、衝突荷重あるいは変形量とその持続時間と車速を用いて判別を行い、特許文献2は、衝突時の変形量とその時間変化と車速を用いて判別を行う。これらの判別技術の特徴は、歩行者衝突ではその脚部が跳ね上げらて脚部がバンパから離れ、荷重や変形量が減少する現象を検出している。
【0004】
【特許文献1】特開平11−028994号公報
【特許文献2】特開平11−310095号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の歩行者判定技術は、衝突荷重あるいは変形量すなわち衝突衝撃力F(=ma)を主要な入力パラメータとして判定を行うために、高速の空き缶等、小さくても大きな衝突衝撃力をもつ小面積衝突体であっても、歩行者と誤判定するという問題があった。また、歩行者よりも衝突面積又は重量が大きいか剛性が高い重量固定物と、歩行者と、小面積衝突体との三者を分別することも困難であった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、歩行者判別精度を向上可能な車両用衝突物体判別装置を提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の車両用衝突物体判別装置は、車体前面に位置して前記車体に固定されて前面に作用する衝突衝撃力に応答して出力信号を発生する第一衝突衝撃力検出センサと、前記第一衝突衝撃力検出センサの出力に基づいて衝突体の種類を判別する衝突体判別部とを備える車両用衝突物体判別装置において、前記第一衝突衝撃力検出センサは、その前面に衝突する衝突体から与えられた衝突衝撃力を後方へ分散または減衰させつつ伝達する緩衝体の後面に固定されることを特徴としている。
【0008】
すなわち、この発明では、緩衝体を通じて分散、減衰する衝突衝撃力を第二衝突衝撃力検出センサに入力する構成を採用しているので、歩行者と小面積衝突体との分別精度を向上することができる。
【0009】
更に具体的に説明すると、衝突体が緩衝体の前面に衝突すると、発生した衝突衝撃力は緩衝体内部を後方へ伝達し、緩衝体後面の第一衝突衝撃力検出センサに達する。緩衝体内部において、衝突衝撃力は多方向特に上下方向や左右後方へ分散(拡散)し、これにより第一衝突衝撃力検出センサの単位面積あたりの入力衝突衝撃力は減少する。このため、衝突面積が小さい小面積衝突体が緩衝体に衝突する場合と、より衝突面積が広い歩行者が緩衝体に衝突する場合とでは、最初の小面積衝突体の緩衝体前面に与える衝突衝撃力(F=ma)が同じであっても、第一衝突衝撃力検出センサが受ける衝突衝撃力のピーク値は相当に小さくなる。その結果、緩衝体を前置することにより、本来同程度の衝突衝撃力をもつ小面積衝突体を歩行者から分別することができる。
【0010】
また、歩行者と同程度の衝突衝撃力をもつ小面積衝突体の衝突衝撃力は小さい面積に集中するため、緩衝体がない場合には、第一衝突衝撃力検出センサが受ける衝突衝撃力の増加率が大きいが、緩衝体が存在すると増加率は上記分散(拡散)により大幅に小さくなる。これを利用して歩行者と同程度の衝突衝撃力をもつ小面積衝突体を確実に分別することができる。
【0011】
更に、緩衝体は上記分散とともに、衝突衝撃力を微小レベルでの塑性変形や弾性変形や摩擦などにより吸収するため衝突衝撃力を減衰する。緩衝体のこの減衰効果は、緩衝体内を伝播する衝突衝撃力の周波数により異なり、高周波成分ほど減衰は大きい。
【0012】
上述したように、本来、歩行者と同程度の衝突衝撃力をもつ小面積衝突体の衝突衝撃力は増加率が大きい波形(急峻な立ち上がり波形)をもつ。これは緩衝体内を伝播する衝突衝撃力の高周波成分が相対的に多いことを示しており、緩衝体により減衰されやすいことを意味している。
【0013】
したがって、歩行者と同程度の衝突衝撃力をもつ小面積衝突体が緩衝体前面に衝突したとしても、第一衝突衝撃力検出センサに入力する衝突衝撃力は歩行者のそれに比較して大幅に小さくなり、その結果として、歩行者と小面積衝突体との分別精度を向上することができる。
【0014】
好適な態様において、前記緩衝体の前面に固定されて前記緩衝体を介することなく衝突衝撃力に応答して出力信号を発生する第二衝突衝撃力検出センサを有し、前記衝突体判別部は、前記両センサの出力に基づいて前記衝突体の種類を判定する。これにより、上述したように、歩行者と小面積衝突体との分別精度を向上することができる。
【0015】
好適な態様において、前記第一衝突衝撃力検出センサおよび第二衝突衝撃力検出センサは、入力する前記衝突衝撃力の大きさが所定値を超える場合にオンレベル出力を発生する二値出力型センサである。これにより、センサおよびその信号処理を簡素化することができ、耐ノイズ性も向上することができる。
【0016】
好適な態様において、前記衝突体判別部は、前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから所定しきい時間内に前記第一衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えない場合に、前記衝突体は歩行者よりも衝突面積が小さい小面積衝突体と判定し、前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから前記第一衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えるまでの遅延時間が所定しきい値を超える場合に歩行者と、超えない場合に歩行者より衝突面積又は重量が大きいか剛性が高い重量固定物と判定する。
【0017】
これにより回路構成および信号処理をいたずらに複雑化することなく、上記三種類の衝突体を確実に分別することができる。
【0018】
好適な態様において、前記衝突体判別部は、前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから所定しきい時間内に前記第一衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超える場合に重量固定物と判定し、前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから所定しきい時間内に前記第一衝突衝撃力センサの出力が前記しきい値を超えない場合に歩行者と判定する。
【0019】
つまり、ONしない場合を小面積衝突体と考えて、回路構成および信号処理をいたずらに複雑化することなく、上記三種類の衝突体を確実に分別することができる。
【0020】
好適な態様において、前記両センサは、入力される衝突衝撃力に比例する出力を発生し、前記衝突体判別部は、前記第二衝突衝撃力検出センサの出力ピーク値に対する前記第一衝突衝撃力検出センサの出力ピーク値の割合が、所定の第一しきい値より大きい場合に歩行者より衝突面積又は重量が大きいか剛性が高い重量固定物と判定し、前記割合が、所定の第二しきい値より小さい場合に歩行者よりも衝突面積が小さい小面積衝突体と判定し、前記割合が前記第一しきい値と前記第二しきい値との間にある場合に歩行者と判定する。
【0021】
これにより回路構成および信号処理をいたずらに複雑化することなく、上記三種類の衝突体を確実に分別することができる。
【0022】
好適な態様において、前記緩衝体は、バンパーである。これにより、緩衝体を新設する必要がなく、装置構成を簡素化することができる。
【0023】
好適な態様において、前記衝突体判別部は、入力される車速情報に基づいて前記しきい値又はしきい値範囲を変更する。
【0024】
これにより、車速変化による衝突体の衝突衝撃力の変化を補償することができる。
【0025】
(種々の態様)
上記センサとしては、その前面に作用する衝突衝撃力の大きさに応じた量の出力信号を出力する比例センサでもよく、あるいは衝突衝撃力が所定しきい値を超えたら出力信号を出力する二値信号出力形式であってもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用衝突物体判別装置の好適な実施形態を具体的に説明する。
【0027】
【実施態様1】
(全体構成の説明)
この実施形態の車両用衝突物体判別装置を図1により説明する。
【0028】
1は外側衝突検知センサ(本発明で言う第二衝突衝撃力検出センサ)、2は内側衝突検知センサ(本発明で言う第一衝突衝撃力検出センサ)、3はバンパアブソーバ(本発明で言う緩衝体)、4はコントローラ(本発明で言う衝突体判別部)、5は車速センサ、6は車体である。
【0029】
内側衝突検知センサ2は、車体6の前部に横設されたバンパリーンフォース7の前面に左右へ長く延設されたバンパ(以下、バンパアブソーバという)3の裏面に左右に長く設けられ、外側衝突検知センサ1は、バンパアブソーバ3の前面に左右に長く設けられている。
【0030】
これら外側衝突検知センサ1および内側衝突検知センサ2としては、衝突体の衝突により衝突衝撃力の大きさに応じた出力信号を電気信号(たとえば信号電圧)の形態にて発生する検出装置である。この種の検出装置としては種々のものが知られており、たとえばバンパに沿いつつ左右に長く横設された加圧チューブが衝突時に凹む際の内部圧力上昇を圧力センサにより検出する検出方式や、バンパに取り付けられた荷重センサや加速度センサなど荷重すなわち衝突衝撃力や加速度を検出する検出方式や、圧力に応じた光ファイバの変形による光ファイバ内部の光の特性変化を検出する検出方式などを採用することができる。これらのセンサ1,2は、この実施例では、簡単化のために入力する衝突衝撃力すなわち衝突時の荷重に対して二値出力を出力するタイプのものとするが、もちろん、衝突衝撃力の大きさに比例する大きさの出力信号電圧を発生するものとしてもよい。センサ1,2は左右方向へ所定ピッチで並べられた多数のセンサとしてもよく、左右方向に長く延設されたそれぞれ一つのセンサとしてもよい。このようなセンサ1、2としては、たとえば本出願人の出願になる特出2002−277908号公報のセンサを採用することができる。その他、たとえば圧力スイッチのように、所定の衝突衝撃力値をしきい値として二値レベルの出力信号を発生する二値出力型のものでもよい。更には、内側衝突検知センサ2と外側衝突検知センサ1とを上下に隣接配置してもよい。要するに、これら2つの衝突検知センサのうち一方が衝突体との衝突時に緩衝体により緩衝されるように構成されていればよい。
【0031】
バンパアブソーバ3としては、ポリウレタンのような塑性変形により衝撃力分散、衝撃力吸収するものの他、弾性変形により同様の作用を奏するものでもよい。バンパアブソーバ3は、衝突体との衝突により生じる衝突衝撃力を分散させたり、減衰させたりしつつ後方各部へ伝達し、内側衝突検知センサ2に作用する衝突衝撃力を低下させる機能を有する。
【0032】
バンパアブソーバ3の後面の一部は内側衝突検知センサ2の前面に密着するが、バンパアブソーバ3の後面の残部(たとえば内側衝突検知センサ2より上方および下方へ張り出した部分など)はバンパリーンフォース7の前面などに密着していてもよい。
【0033】
コントローラ4は、マイコン形式の制御装置であって、少なくとも外側衝突検知センサ1および内側衝突検知センサ2の出力信号を含む所定の入力信号に基づいて所定の演算を行い、衝突衝撃力の発生源すなわち衝突体が歩行者かどうかを判別し、この判別により衝突体が歩行者と判断した場合に図示しない歩行者保護装置(たとえば公知の歩行者保護用のエアバッグやフード跳ね上げ装置など)を作動させる。また、衝突衝撃力の大きさが大きい場合に乗員保護装置(たとえば乗員保護用のエアバッグなど)を作動するようにしてもよい。
【0034】
(衝突体の種類とセンサ出力波形の説明)
次に、図3〜図6を参照して衝突体の種類によるセンサ出力波形の違いについて、説明する。ただし、外側衝突検知センサ1および内側衝突検知センサ2は、入力荷重の大きさに応じてしきい値(ON荷重と称する)により二値レベルの出力信号を出力するものとする。
【0035】
図3、図5は、後述する種々の衝突体と衝突する際に外側衝突検知センサ1に入力する荷重の時間変化を示す波形図、図4、図6は、後述する種々の衝突体と衝突する際に内側衝突検知センサ2に入力する荷重の時間変化を示す波形図である。
【0036】
歩行者10、軽量物体(本発明で言う小面積衝突体)11および重量固定物(歩行者より衝突面積又は重量が大きいかその剛性が大きく、衝突衝撃力が歩行者より大きい衝突体である)12を採用した。ここで言う軽量物体11とはたとえば空き缶など歩行者より格段に質量が小さい物体であり、重量固定物とはブロック塀などの大型固定物を言うものとする。
(分別法1)
図3、図4において軽量物体11の荷重変化に着目すると、図3に示すように外側衝突検知センサ1にはそのON荷重を超える大きな荷重が入力するが、図4に示すように内側衝突検知センサ2にはそのON荷重を超えない小さな荷重しか入力しない。すなわち本来は図3に示すような大きな衝突衝撃力であっても小面積衝突体(高速空き缶)では内側衝突検知センサ2の入力荷重が小さいので、歩行者と軽量物体11とを分別することができる。つまり、外側衝突検知センサ1の出力がそのしきい値を超え、かつ、内側衝突検知センサ2の出力がそのしきい値を超えない場合に、衝突体は軽量物体11と判定することができる。
【0037】
また、外側衝突検知センサ1の出力がそのON荷重を超えてから内側衝突検知センサ2の出力がそのON荷重を超えるまでの遅延時間が所定しきい値を超える場合に歩行者と、超えない場合に歩行者より衝突面積又は重量が大きいか剛性が高い重量固定物と判定することができる。
【0038】
衝突面積又は重量が大きいか剛性が高い重量固定物では、バンパアブソーバ3の緩衝効果などほとんど問題とならず、両センサに入力する荷重の波形はほとんど同じ形となり、両波形がON荷重を超えた時点間の遅延時間差は小さい。ただし、図3、図4のON荷重は略等しく設定されている。
【0039】
それに対して、歩行者の場合の上記遅延時間差は大きい。これは歩行者10の衝突面積が相対的に小さく、バンパアブソーバ3による衝突衝撃力の拡散効果が大きいことや、重量や剛性が相対的に小さいためにバンパアブソーバ3による衝突衝撃力の減衰効果が相対的に大きいためと考えられる。
【0040】
(分別法2)
図5、図6では、ON荷重は図3、図4の場合よりも高く設定されている。
【0041】
その結果、軽量物体11の荷重変化は、外側衝突検知センサ1でも外側衝突検知センサ1でもそれらのON荷重を超えず、これにより軽量物体11を分別することができる。
【0042】
また、歩行者10の荷重変化は、外側衝突検知センサ1ではON荷重を超え、内側衝突検知センサ2では減衰によりON荷重を超えない。これにより、歩行者10又は重量固定物12を軽量物体11から分別することができる。
【0043】
更に、内側衝突検知センサ2の出力がそのしきい値を超えてから外側衝突検知センサ1の出力がそのしきい値を超えるまでの遅延時間が所定しきい値を超える場合に歩行者と判定し、超えない場合に重量固定物と判定する。すなわち、歩行者の場合は、重量固定物の場合に比較して、緩衝体内にて分散したり減衰高周波成分の割合が大きいために、上記遅延時間により両者を分別することができる。
【0044】
(分別法3)
この分別法では、両センサ1、2として、入力荷重(衝突衝撃力)の大きさに等しい出力電圧を発生するタイプの衝突衝撃力センサを用いる。
【0045】
この場合、両センサの出力ピーク値の大きさを比較する。図3と図4とにより、又は、図5と図6とにより、外側衝突検知センサ1の出力内側衝突検知センサ2の第一衝突衝撃力検出センサの出力ピーク値の割合が、最も大きいのは重量固定物12であり、最も小さいのは軽量物体11であり、中間状態にあるのは歩行者であることがわかる。この割合の変化は、上述したように、バンパアブソーバ3内の衝突衝撃力の分散や、衝突衝撃力の減衰特性により生じる。
【0046】
(分別法1を実施するための処理例の説明)
図7に示すフローチャートを参照して上記分別法1の具体的な処理例を説明する。
【0047】
まず、外側衝突検知センサ1からその出力レベルを読み込み(S100)、その出力レベルがON荷重を超えるまで待機し(S102)、超えたら上記遅延時間をカウントするタイマをリセットして、そのカウントを開始する(S104}。ΔTはカウント値である。次に、内側衝突検知センサ2からその出力レベルを読み込み(S106)、その出力レベルがON荷重を超えているかどうかを調べ(S108)、超えていなければ、タイマのカウント値ΔTが第二のしきい値(しきい値遅延時間)Th2を超えたかどうかを調べ(S110)、超えていなければステップS106にリターンし、超えていれば衝突体は軽量物体11であると判定して(S112)、ルーチンを終了する。
【0048】
また、ステップS108にて、内側衝突検知センサ2の出力レベルがON荷重を超えていれば、ステップS114に進んでタイマのカウント値ΔTが第一のしきい値(しきい値遅延時間)Th1より短いかどうかを調べ、短ければ衝突体は重量固定物12であると判定し(S116)、ルーチンを終了する。また、ステップS114にて調べたタイマのカウント値ΔTが第一のしきい値(しきい値遅延時間)Th1以上であれば衝突体は歩行者10と判定し(S118)、ルーチンを終了する。
【0049】
ここで、しきい値遅延時間Th2はTh1より所定時間長く設定されており、しきい値遅延時間Th1は、重量固定物12の遅延時間より長く、歩行者10の遅延時間より短く設定されている。
【0050】
(分別法2を実施するための処理例の説明)
上記分別法2の具体的な処理例を図8に示すフローチャートに図示する。
【0051】
(変形態様)
上記実施例では、車速変化の判定への影響を無視したが、車速が変化すると
車体に対する衝突体の相対速度が変化し、衝突衝撃力が車速にほぼ比例して変化する。そこで、それに応じて上記遅延時間も連動して変化する。そこで、割り込みルーチンにより検出した車速に連動してしきい値遅延時間Tth1,Tth2を変動させれば、車速変化による遅延時間の変動の影響を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用衝突物体判別装置の一実施例を示す模式平面図である。
【図2】図1に示す車両用衝突物体判別装置のブロック図である。
【図3】外側衝突検知センサに入力される衝突衝撃力の波形図である。
【図4】内側衝突検知センサに入力される衝突衝撃力の波形図である。
【図5】外側衝突検知センサに入力される衝突衝撃力の波形図である。
【図6】内側衝突検知センサに入力される衝突衝撃力の波形図である。
【図7】処理例1を示すフローチャートである。
【図8】処理例1を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 外側衝突検知センサ(第二衝突衝撃力検出センサ)
2 内側衝突検知センサ(第一衝突衝撃力検出センサ)
3 バンパアブソーバ(緩衝体)
4 コントローラ(衝突体判別部)
5 車速センサ
Claims (8)
- 車体前面に位置して前記車体に固定されて前面に作用する衝突衝撃力に応答して出力信号を発生する第一衝突衝撃力検出センサと、前記第一衝突衝撃力検出センサの出力に基づいて衝突体の種類を判別する衝突体判別部とを備える車両用衝突物体判別装置において、
前記第一衝突衝撃力検出センサは、その前面に衝突する衝突体から与えられた衝突衝撃力を後方へ分散または減衰させつつ伝達する緩衝体の後面に固定されることを特徴とする車両用衝突物体判別装置。 - 請求項1記載の車両用衝突物体判別装置において、
前記緩衝体の前面に固定されて前記緩衝体を介することなく衝突衝撃力に応答して出力信号を発生する第二衝突衝撃力検出センサを有し、
前記衝突体判別部は、
前記両センサの出力に基づいて前記衝突体の種類を判定することを特徴とする車両用衝突物体判別装置。 - 請求項2記載の車両用衝突物体判別装置において、
前記第一衝突衝撃力検出センサおよび第二衝突衝撃力検出センサは、入力する前記衝突衝撃力の大きさが所定値を超える場合にオンレベル出力を発生する二値出力型センサであることを特徴とする車両用衝突物体判別装置。 - 請求項2又は3記載の車両用衝突物体判別装置において、
前記衝突体判別部は、
前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから所定しきい時間内に前記第一衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えない場合に、前記衝突体は歩行者よりも衝突面積が小さい小面積衝突体と判定し、
前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから前記第一衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えるまでの遅延時間が所定しきい値を超える場合に歩行者と、超えない場合に歩行者より衝突面積又は重量が大きいか剛性が高い重量固定物と判定することを特徴とする車両用衝突物体判別装置。 - 請求項3のいずれか記載の車両用衝突物体判別装置において、
前記衝突体判別部は、
前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから所定しきい時間内に前記第一衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超える場合に重量固定物と判定し、
前記第二衝突衝撃力検出センサの出力がそのしきい値を超えてから所定しきい時間内に前記第一衝突衝撃力検出センサの出力が前記しきい値を超えない場合に歩行者と判定することを特徴とする車両用衝突物体判別装置。 - 請求項2記載の車両用衝突物体判別装置において、
前記両センサは、入力される衝突衝撃力に比例する出力を発生し、
前記衝突体判別部は、
前記第二衝突衝撃力検出センサの出力ピーク値に対する前記第一衝突衝撃力検出センサの出力ピーク値の割合が、所定の第一しきい値より大きい場合に歩行者より衝突面積又は重量が大きいか剛性が高い重量固定物と判定し、
前記割合が、所定の第二しきい値より小さい場合に歩行者よりも衝突面積が小さい小面積衝突体と判定し、
前記割合が前記第一しきい値と前記第二しきい値との間にある場合に歩行者と判定することを特徴とする車両用衝突物体判別装置。 - 請求項1乃至6のいずれか記載の車両用衝突物体判別装置において、
前記緩衝体は、バンパであることを特徴とする車両用衝突物体判別装置。 - 請求項1乃至7のいずれか記載の車両用衝突物体判別装置において、
前記衝突体判別部は、
入力される車速情報に基づいて前記しきい値又はしきい値範囲を変更することを特徴とする車両用衝突物体判別装置。
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