JP2004268549A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像記録装置には、光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、記録媒体を記録ヘッドに対向するように搬送する搬送装置と、インクを硬化させる複数の光照射装置とが備えられている。複数の記録ヘッドは、搬送装置による記録媒体の搬送方向に沿って配列されている。各光照射装置は、各記録ヘッドに対応するように、各記録ヘッドにおける搬送方向の下流側に配置されている。そして、最下流の光照射装置の光エネルギーは、当該光照射装置に隣接する記録ヘッドのインクを硬化させるために必要な光エネルギーを少なくとも満たすように設定されている。各光照射装置の光エネルギーの関係は、最下流の光照射装置の光エネルギーが最大で、上流側に順次、各光照射装置の光エネルギーが小さくなるように設定されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置に係り、特に光硬化性のインクを使用した画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などの製版を必要とする方式に比較して、簡便にかつ安価に画像を記録することができるという理由から、インクジェット記録方式による画像記録装置が多く用いられるようになってきている。
また、このようなインクジェット方式による画像記録装置を用いて商品や商品の包装に画像記録を行う分野では、商品や商品の包装に、樹脂や金属などのインク吸収性のない材料を用いることが多い。そして、このようなインク吸収性のない材料を記録媒体として用い、この記録媒体に対してインクを定着させるために、光硬化性インクを用い、このインクを記録媒体に吐出した後、例えば、紫外線などの光を照射してインクを硬化定着させる光硬化式の画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この画像記録装置は、記録媒体を搬送する搬送ユニットが配設されており、この搬送ユニットによる記録媒体の搬送経路の上方には、光硬化性インクを吐出するライン方式の複数の記録ヘッドが搬送方向に沿って配列されている。また、この記録ヘッドにおける搬送方向の下流側には、記録ヘッドから吐出されたインクに対して光を照射してインクを硬化させる光照射装置が配設されている。
このような画像記録装置においては、搬送ユニットによって記録媒体を搬送させながら、所定の画像情報に応じて記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出させ、その後、記録媒体に着弾したインクに対して光照射装置から光を照射することにより、インクを硬化させてこのインクを記録媒体に定着させるようになっている。
そして、従来、画像記録装置においては、記録ヘッドから吐出され記録媒体に着弾したインクに対して、光照射装置により一定の光量で光を画一的に照射させて、インクを完全に硬化させるようになっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−347232号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した画像記録装置であると、各記録ヘッド毎に光照射装置までの距離が異なってしまう。これにより各記録ヘッド毎に、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間が異なることになって、硬化後のドット径をばらつかせてしまう。そのうえ、着弾後の各色毎のドットは光照射装置に至るまでに混ざってしまう可能性もあり、色再現性を劣化させる要因になっていた。
【0006】
本発明の課題は、ドット径のばらつき及び各インク滴の混色を押さえて、高画質な画像を得ることのできる画像記録装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像記録装置は、
記録媒体に向かって光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、
前記記録媒体を前記記録ヘッドに対向するように搬送する搬送装置と、
前記記録媒体に着弾した前記インクに対して光を照射し、前記インクを硬化させる複数の光照射装置とを備え、
前記複数の記録ヘッドは、前記搬送装置による前記記録媒体の搬送方向に沿って配列され、
前記複数の光照射装置のそれぞれは、前記複数の記録ヘッドのそれぞれに対応するように、前記複数の記録ヘッドのそれぞれにおける前記搬送方向の下流側に配置され、
最下流に位置する前記光照射装置の光エネルギーは、前記最下流の前記光照射装置に隣接する前記記録ヘッドによって吐出されるインクを硬化させるために必要な光エネルギーを少なくとも満たすように設定されており、
前記複数の光照射装置の光エネルギーの関係は、
最下流に位置する前記光照射装置の光エネルギーが最大で、前記最下流の前記光照射装置から上流側に順次、前記光照射装置の光エネルギーが小さくなるように設定されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、複数の光照射装置のそれぞれが、各記録ヘッドに対応するように、各記録ヘッドにおける搬送方向の下流側に配置されているので、各記録ヘッドから吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッドからインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。
また、各記録ヘッドと各記録ヘッドに対応する各光照射装置との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
これらのことにより、ライン方式の記録ヘッドを用いた場合であっても、高画質な画像を得ることが可能となる。
【0009】
また、最下流に配置される光照射装置の光エネルギーが、前記光照射装置に隣接する記録ヘッドによって吐出されるインクを硬化させるために必要な光エネルギーを、少なくとも満たすように設定されているので、記録媒体上に着弾したインクを確実に硬化させることができる。
【0010】
ここで、複数の記録ヘッドのうち、最下流に位置する記録ヘッド以外の記録ヘッドから吐出されるインクは、少なくとも当該記録ヘッドの直下流に位置する光照射装置と、最下流の光照射装置とを含む複数の光照射装置によって光が照射される。例えば、最上流側の記録ヘッドから吐出されるインクの場合には、全ての光照射装置の光が照射されることになり、最下流の光照射装置を通過した際には、全ての光照射装置の光エネルギーが積算されることになる。この積算された光エネルギー量が大きすぎるとインク自体を劣化させてしまい、意図した色を発色しにくい。この積算された光エネルギー量が大きすぎるとインク滴の凝固が進み記録媒体の波うち(インクの凝固方向に記録媒体が引かれる現象)が生じ、記録媒体への後処理(加熱加圧ローラ又は加圧ローラなどによる記録媒体処理)が必要となり、装置の低電力・小型化の障害となる。
【0011】
通常、記録媒体に着弾したインクは、次の記録ヘッドからのインクが着弾するまでの間に、そのインクと混ざらない程度の硬さに硬化(初期硬化)していれば、各色毎のインクが混ざることを防止できる。しかしながら、各光照射装置の光エネルギーを、上記したように最下流に配置される光照射装置の光エネルギーと同等にしてしまうと、初期硬化に必要な光エネルギー以上の光が照射されることになり、省エネルギーの観点からも好ましくない。このため、請求項1記載の発明のように、前記複数の光照射装置の光エネルギーの関係を、最下流に位置する光照射装置の光エネルギーが最大で、最下流の光照射装置から上流側に順次、各光照射装置の光エネルギーが小さくなるように設定することで、各インクを着弾直後に初期硬化させながらも、意図した色でインクを発色させ、かつエネルギーの消費量を抑えることが可能となる。そして、記録媒体に対する後処理が不要となるので、低電力・小型化を向上させることができる。
【0012】
なお、最下流の記録ヘッド以外の記録ヘッドにより吐出されるインクは、当該記録ヘッドに対応する光照射装置の光エネルギーで初期硬化するように調製しておく必要がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第一の実施の形態]
以下、本発明の実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像記録装置の実施の一形態を示したもので、この画像記録装置1の内部下方には、複数の記録媒体2を積層して収容する収容トレイ3が設けられている。この収容トレイ3の一端部上側には、画像を記録しようとする記録媒体2を一枚ずつ収容トレイ3から取り出す取出し装置5が設けられている。なお、記録媒体2としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるカットシート状の記録媒体2が適用可能である。
【0014】
収容トレイ3の上方には、記録媒体2を搬送する搬送装置4が配設されている。この搬送装置4には、記録媒体2を平面状に支持して水平方向に搬送する環状の搬送ベルト41が、複数の張設ローラ42により回転自在に張設されている。また、搬送装置4には、搬送ベルト41と記録媒体2とが接触を開始する位置に、記録媒体2を平面状に搬送させるために搬送ベルト41に押圧する押圧ローラ43が回転自在に設けられている。
【0015】
画像記録装置1の側部には、画像が記録された記録媒体2を排出する排出トレイ9が設けられている。
画像記録装置1の内部には、収容トレイ3から供給された記録媒体2を、搬送ベルト41へ搬送し、記録媒体2が搬送ベルト41の周面に沿って搬送された後に、搬送ベルト41から排出トレイ9へ排出させる搬送経路10が設けられている。この搬送経路10の所定位置には、搬送方向Xに記録媒体2を搬送するための複数対の搬送ローラ11,11…が設けられている。
【0016】
また、搬送ベルト41の上部近傍には、搬送方向Xに沿って順に、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを記録媒体2に対して吐出するノズル(図示しない)が設けられた記録ヘッド13,14,15,16が、それぞれ搬送ベルト41の全幅にわたって設けられている。この記録ヘッド13,14,15,16としては、ライン方式のものが好適に用いられており、その吐出面と、搬送ベルト41の周面とが対向するように配置されている。
【0017】
また、搬送ベルト41の上部近傍であって、各色の記録ヘッド13,14,15,16の搬送方向Xの下流側には、各記録ヘッド13,14,15,16から記録媒体2に吐出されたインクに対して所定波長の光を照射して、インクの表面を硬化させる光照射装置17,18,19,20が各記録ヘッド13,14,15,16に対応して設けられている。
【0018】
光照射装置17,18,19,20に用いられる光源としては、特に限定されないが、例えば、紫外線を発生させる発光ダイオード(light emitting diode:LED)を搬送ベルト41の全幅にわたって配列したLEDアレイを用いることが好ましい。
【0019】
この光照射装置17,18,19,20による光照射は、記録媒体2に着弾したインクが最下流の光照射装置20を通過した際に、完全に硬化するだけの光量で行われるようになっている。また、搬送方向Xの上流側に隣接する記録ヘッド13,14,15,16から吐出され、記録媒体2に着弾したインクが、所定のドット径を保つことができる程度に、インクのドット表面を硬化(以下、「初期硬化」という)させる光量で行われるようになっている。
【0020】
詳細に説明すると、最下流に配置される光照射装置20は、その光エネルギーが、光照射装置20に隣接する記録ヘッド16によって吐出されるインクを硬化させるために必要な光エネルギーを、少なくとも満たすように設定されている。
ここで、複数の記録ヘッド13,14,15,16のうち、最下流に位置する記録ヘッド16以外の記録ヘッド13,14,15から吐出されて記録媒体2に着弾するインクは、少なくとも当該記録ヘッド13,14,15の直下流に位置する光照射装置17,18,19と、最下流の光照射装置20とからなる複数の光照射装置17,18,19,20によって光が照射される。例えば、最上流側の記録ヘッド13から吐出されるインクの場合には、全ての光照射装置17,18,19,20の光が照射されることになり、最下流の光照射装置20を通過した際には、全ての光照射装置17,18,19,20の光エネルギーが積算されることになる。この積算された光エネルギー量が大きすぎるとインク自体を劣化させてしまい、意図した色を発色しにくい。この積算された光エネルギー量が大きすぎるとインク滴の凝固が進み記録媒体2の波うち(インクの凝固方向に記録媒体が引かれる現象)が生じ、記録媒体2への後処理(加熱加圧ローラ又は加圧ローラなどによる記録媒体処理)が必要となり、装置の低電力・小型化の障害となる。
【0021】
通常、記録媒体2に着弾したインクは、下流側の記録ヘッド14,15,16からのインクが着弾するまでの間に、そのインクと混ざらない程度の硬さに硬化していれば、各色毎のインクが混ざることを防止できる。しかしながら、各光照射装置17,18,19の光エネルギーを、上記したように最下流に配置される光照射装置20の光エネルギーと同等にしてしまうと、初期硬化に必要な光エネルギー以上の光が照射されることになり、省エネルギーの観点からも好ましくない。このため、各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーの関係を、最下流に位置する光照射装置20の光エネルギーが最大で、最下流の光照射装置20から上流側に順次、各光照射装置17,18,19の光エネルギーが小さくなるように設定すること、つまり本実施形態の場合には、各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーの関係を、光照射装置20>光照射装置19>光照射装置18>光照射装置17とすれば、各インクを着弾直後に初期硬化させながらも、意図した色でインクを発色させ、かつエネルギーの消費量を抑えることが可能となる。そして、記録媒体2に対する後処理が不要となるので、低電力・小型化を向上させることができる。なお、各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーの設定は、光エネルギーを可変とする光照射装置の場合、制御装置によって上記関係になるように、各光照射装置を制御することにより行う。一方、光エネルギーを不変とする光照射装置、つまり固定された光エネルギーでしか光を照射できない光照射装置の場合には、予め上記関係に当てはまるように、光エネルギーの異なる複数の光照射装置を配列する。
【0022】
また、インクは、インクに含まれる顔料等の違いにより、紫外線の透過率が異なるため、硬化に際し必要な光量も異なる。一方、光照射装置17,18,19,20は、各色記録ヘッド13,14,15,16の搬送方向Xの下流側にそれぞれ設けられているため、上流側で吐出されたインクほど、紫外線が照射される機会が多く、照射される光量も多くなる。そこで、紫外線透過率が低いインクを吐出する記録ヘッド13,14,15,16を、搬送方向Xの上流から配置することが、光照射装置17,18,19,20として、より少ない光量で各インクを効率よく硬化させることができる点で好ましい。
【0023】
例えば、ブラック(Bk)のインクが、光照射装置17から照射される紫外線の透過率が最も低く、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクの順で透過率が高い場合には、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する記録ヘッド13,14,15,16の順で搬送方向Xの上流から配置するとよい。なお、この順序は色材と光の透過性との関係で決まるものであって、必ずしもこの順序が最も好ましいとは限らず、確実に初期硬化させるためには、最下流の記録ヘッド16以外の記録ヘッド13,14,15から吐出されるインクを、当該記録ヘッド13,14,15に対応する光照射装置17,18,19の光エネルギーで初期硬化するように調製しておく必要がある。
【0024】
なお、本実施形態で使用するインクは、光を照射することで硬化するインク、特に紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型インクである。紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0025】
図2は本実施形態における画像記録装置1を制御するための制御装置を示したものであり、この制御装置は、例えば、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行する制御部30を有している。
【0026】
制御部30には、画像記録装置に送られた画像情報を受け取る画像データ入出力I/F(インタフェース)31と、転送された画像データをページ単位で圧縮して記憶し、さらに圧縮された画像データを伸張して記憶する圧縮・伸張部32とが設けられている。ここでの圧縮・伸張手段としては、公知のJPEG、JPEG2000、JBIG等が用いられる。さらに、制御部30には、使用者が出力枚数、部数等の操作入力を行う操作部33、得られた画像データを画像出力形式に適応するようデータを変換する画像処理部34および画像処理部34で変換された画像データを画像記録ユニット50の画像記録部51へ出力する画像記録信号出力I/F35が設けられている。また、制御部30には、デジタルカメラなどの撮影装置にて撮影して得られた画像や他の読取装置で読み取った画像データを取り込んだり、外部の機器からの命令による画像記録を行う外部I/F及びプリントコントローラ36が設けられている。さらに、制御部30には、操作部33および前記画像情報にしたがって、画像処理部34、画像記録信号出力I/F35および外部I/F及びプリントコントローラ36の動作を制御する全体制御部(M−CPU)37が設けられている。
【0027】
画像記録ユニット50には、画像記録信号出力I/F35からの信号にしたがい画像記録を行う画像記録部51と、搬送ローラ11及び張設ローラ42を動作させる搬送機構52と、画像記録部51からの制御信号にしたがって各光照射装置17,18,19,20の出力を制御する光源制御部53と、これら各構成の動作を制御する画像記録制御部(S−CPU)54とが設けられる。
【0028】
図3は、画像記録部51の構成を詳細に示したブロック図であり、この画像記録部51には、画像記録信号出力I/F35から送られる各色信号を格納するために各色ごとに設けられた複数のバッファメモリおよび各バッファメモリからの出力を制御するバッファメモリ制御回路からなる色信号メモリ57、前記バッファメモリ制御回路からの制御にしたがって出力される色信号に基づいて記録ヘッド13,14,15,16のインク吐出動作を駆動制御する記録ヘッド駆動回路58が設けられている。
【0029】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、画像記録装置1に画像情報が送られると、図2に示したように、送られた画像情報は、制御部30の全体制御部37に送られるほか、画像データ入出力I/F31から画像処理部34にも送られる。なお、画像情報は、外部装置などから外部I/F及びプリントコントローラ36を通じても全体制御部37に送られる。
【0030】
全体制御部37は、画像情報が送られたときに制御部30の各構成の動作を開始させる。なお、この動作開始のタイミングであるが、画像情報が入力されたときに限らず、操作部33からの使用者による操作入力、又は外部I/F及びプリントコントローラ36を通じての外部装置からの操作入力があったときであってもよい。
【0031】
画像処理部34では、画像情報が画像出力形式に適応するように、すなわち光硬化型インクを用いた画像記録装置で画像を記録するのに最適となるように、画像処理が施される。画像処理によって各色毎に分けられた色信号からなる画像データは、画像記録信号出力I/F35から画像記録ユニット50の画像記録部51に送られる。
【0032】
なお、画像処理前の画像情報を画像データ入出力I/F31から圧縮・伸張部32に送って、記憶することもできる。なお、圧縮・伸張部32は、画像処理部34から画像データが送られたときに限らず、外部I/F及びプリントコントローラ36を通じての外部装置からの動作開始などの操作入力があったときにも動作する。
【0033】
一方で、画像記録装置1に画像情報が送られると、画像記録ユニット50の画像記録制御部54は、画像記録部51の色信号メモリ57に記憶された各色信号に基づいて、搬送機構52及び光源制御部53を動作させる。この動作に伴って、記録ヘッド駆動回路58は、記録ヘッド13、14、15、16を動作させる。具体的には、搬送機構52が取出し装置5を動作させて、収容トレイ3に収容された最上位の記録媒体2を取出し、搬送ローラ11を回転動作させてこの取出された記録媒体2を搬送させる。
【0034】
そして、記録媒体2の先端部が搬送ベルト41まで到達したら、押圧ローラ43が記録媒体2の先端部を搬送ベルト41の周面に押圧して保持させる。搬送ベルト41は張設ローラ42によって回転しているので、その回転に伴って記録媒体2は搬送される。記録媒体2が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させ、その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを初期硬化させる。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを初期硬化させる。同様に、記録ヘッド15を動作させてマゼンタインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置19により初期硬化させる。その後、記録ヘッド16を動作させてイエローインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置20により記録媒体2に着弾したインク全てを完全に硬化させる。
【0035】
このように各色のインク吐出後、次のインクを吐出する前にそのインクの初期硬化をさせることにより、吐出したインクと隣接するインクとを混色しないようにすることができる。
【0036】
完全硬化後、記録媒体2の先端部が、搬送ベルト41の周面から離隔されると、記録媒体2は、搬送ローラ11により搬送されて、排出トレイ9に排出される。
【0037】
以上のように、本実施形態の画像記録装置1によれば、複数の光照射装置17,18,19,20のそれぞれが、各記録ヘッド13,14,15,16に対応するように、各記録ヘッド13,14,15,16における搬送方向Xの下流側に配置されているので、各記録ヘッド13,14,15,16から吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッド14,15,16からインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。
また、各記録ヘッド13,14,15,16と各記録ヘッド13,14,15,16に対応する各光照射装置17,18,19,20との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置17,18,19,20により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド13,14,15,16毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
【0038】
[第二の実施の形態]
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。なお上記第一の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第一の実施の形態で例示した画像記録装置1は、記録媒体の一面(表面)に対して画像を記録する構成、つまり片面印刷のみを行う構成であったが、この第二の実施の形態では、記録媒体2の両面に対して画像を記録できる画像記録装置1Aについて、図4及び図5を参照にして説明する。
【0039】
画像記録装置1Aにおける搬送装置4の下流側には、記録媒体2の搬送経路10を2つに分岐する分岐部60が配置されている。この分岐部60には、制御部30の制御にしたがって、記録媒体2の搬送先を第一分岐路61若しくは第二分岐路62に切り換える切換機構(図5参照)が設けられており、片面印刷の場合には第一分岐路61に、両面印刷の場合には第二分岐路62に、搬送先が切り換わるようになっている。
【0040】
第一分岐路61の終点には、片面印刷された記録媒体2が排出される排出トレイ9が設けられている。また、第二分岐路62は、第一分岐路61に対して上方に向かって湾曲し、その後、水平となるように配設されており、その終点には、両面印刷された記録媒体2が排出される排出トレイ91が設けられている。このように、第二分岐路62が湾曲した後に水平となるように形成されているので、第二分岐路62に進入した記録媒体2は、湾曲した部分を通過して水平状態になると、裏面側が上方を向くようになる。
【0041】
第二分岐路62の水平部分には、裏面側を上方に向けた記録媒体2を搬送する搬送装置4aが設けられている。この搬送装置4aの搬送ベルト41aは、搬送方向Xに記録媒体2を搬送するために、複数の張設ローラ42aによって搬送ベルト41とは逆方向に回転するようになっている。
【0042】
また、搬送ベルト41aの上部近傍には、搬送方向Xに沿って順に、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを記録媒体2に対して吐出する記録ヘッド13a,14a,15a,16aが、それぞれ搬送ベルト41の全幅にわたって設けられている。
【0043】
また、搬送ベルト41aの上部近傍であって、各色の記録ヘッド13a,14a,15a,16aの搬送方向Xの下流側には、光照射装置17a,18a,19a,20aが各記録ヘッド13a,14a,15a,16aに対応して設けられている。
【0044】
そして、図3に示すように制御部30には、制御部30から入力された画像データにしたがって、記録ヘッド13,14,15,16、光照射装置17,18,19,20及び搬送装置4等を動作させるため表面用画像記録ユニット70と、制御部30から入力された画像データにしたがって、記録ヘッド13a,14a,15a,16a、光照射装置17a,18a,19a,20a及び搬送装置4a等を動作させるため裏面用画像記録ユニット71と、切換機構63とが電気的に接続されている。なお、表面用画像記録ユニット70及び裏面用画像記録ユニット71は、第一の実施の形態で説明した画像記録ユニット50と本質的には同様の構成である。
【0045】
そして、制御部30は、片面印刷である場合には、画像データを表面用画像記録ユニットに出力し、両面印刷である場合には、画像データを表面用画像データと裏面用画像データに分割して、表面用画像データは表面用画像記録ユニット70に、裏面用画像データは裏面用画像記録ユニット71に出力するようになっている。
【0046】
次に、本実施形態の作用について説明するが、表面のみの画像記録においては、第一の実施の形態における画像記録装置1と同様の作用を示すため、ここでは、両面に画像を記録する場合の作用について説明する。
【0047】
まず、画像記録装置1Aに画像情報が送られると、制御部30により搬送機構52の取出し装置5を動作させて、収容トレイ3に収容された最上位の記録媒体2を取出し、搬送ローラ11を回転動作させてこの取出された記録媒体2を搬送させる。そして、制御部30は、画像情報を基に、これから行われる画像記録が両面印刷であることを認識すると、搬送先が第一分岐路61となるように切換機構63を切り換える。
【0048】
そして、記録媒体2の先端部が搬送ベルト41まで到達したら、記録媒体2は押圧ローラ43に押圧されて、搬送ベルト41の回転に伴って搬送される。記録媒体2が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させ、その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを初期硬化させる。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを初期硬化させる。同様に、記録ヘッド15を動作させてマゼンタインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置19により初期硬化させる。その後、記録ヘッド16を動作させてイエローインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置20により記録媒体2に着弾したインク全てを完全に硬化させる。
【0049】
その後、記録媒体2の先端部が分岐部60まで搬送されると、記録媒体2は切換機構63によって第二分岐路62に案内され搬送される。裏面側を上方に向けた記録媒体2の先端部が搬送ベルト41aまで到達したら、記録媒体2は押圧ローラ43aに押圧されて、搬送ベルト41aの回転に伴って搬送される。記録媒体2が記録ヘッド13aの位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13aからブラックインクを吐出させ、その直後に光照射装置17aからブラックインクに光を照射してブラックインクを初期硬化させる。続いて、記録ヘッド14aからシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18aから光を照射してシアンインクを初期硬化させる。同様に、記録ヘッド15aを動作させてマゼンタインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置19aにより初期硬化させる。その後、記録ヘッド16aを動作させてイエローインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置20aにより記録媒体2に着弾したインク全てを完全に硬化させる。
【0050】
完全硬化後、記録媒体2の先端部が、搬送ベルト41aの周面から離隔されると、記録媒体2は、搬送ローラ11により搬送されて、排出トレイ9aに排出される。
【0051】
以上のように、この第二の実施の形態の画像記録装置1Aによれば、記録媒体2の両面に対して画像を記録する場合においても、各記録ヘッド13,14,15,16,13a,14a,15a,16aから吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッドからインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止でき、高画質な画像を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各記録ヘッドから吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッドからインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。
また、各記録ヘッドと各記録ヘッドに対応する各光照射装置との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
これらのことにより、ライン方式の記録ヘッドを用いた場合であっても、高画質な画像を得ることが可能となる。
【0053】
そして、各光照射装置の光エネルギーの関係を、最下流に位置する光照射装置の光エネルギーが最大で、最下流の光照射装置から上流側に順次、各光照射装置の光エネルギーが小さくなるように設定することで、各インクを着弾直後に初期硬化させながらも、意図した色でインクを発色させ、かつエネルギーの消費量を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態における画像記録装置の概略構成を表す概略図である。
【図2】図1の画像記録装置の主制御部分を表すブロック図である。
【図3】図2の画像記録部の構成を表すブロック図である。
【図4】第二の実施の形態における画像記録装置の概略構成を表す概略図である。
【図5】図4の画像記録装置の主制御部分を表すブロック図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 記録媒体
4 搬送装置
13,14,15,16 記録ヘッド
17,18,19,20 光照射装置
Claims (1)
- 記録媒体に向かって光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、
前記記録媒体を前記記録ヘッドに対向するように搬送する搬送装置と、
前記記録媒体に着弾した前記インクに対して光を照射し、前記インクを硬化させる複数の光照射装置とを備え、
前記複数の記録ヘッドは、前記搬送装置による前記記録媒体の搬送方向に沿って配列され、
前記複数の光照射装置のそれぞれは、前記複数の記録ヘッドのそれぞれに対応するように、前記複数の記録ヘッドのそれぞれにおける前記搬送方向の下流側に配置され、
最下流に位置する前記光照射装置の光エネルギーは、前記最下流の前記光照射装置に隣接する前記記録ヘッドによって吐出されるインクを硬化させるために必要な光エネルギーを少なくとも満たすように設定されており、
前記複数の光照射装置の光エネルギーの関係は、
最下流に位置する前記光照射装置の光エネルギーが最大で、前記最下流の前記光照射装置から上流側に順次、前記光照射装置の光エネルギーが小さくなるように設定されていることを特徴とする画像記録装置。
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-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003066230A patent/JP2004268549A/ja active Pending
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