JP2004276556A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドット径のばらつき及び各インク滴の混色を押さえて、高画質な画像を得ることのできる画像記録装置を提供する。
【解決手段】画像記録装置には、光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送装置と、記録媒体に着弾したインクを硬化させる複数の光照射装置と、光照射装置の光エネルギーの設定値を入力できる操作部と、操作部からの入力結果に基づいて複数の光照射装置を制御するとともに、記録ヘッド、搬送装置を制御する制御装置とが備えられている。制御装置は、光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンを、光照射装置、記録ヘッド及び搬送装置を制御して記録媒体上に作成させる。
【選択図】 図3
【解決手段】画像記録装置には、光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送装置と、記録媒体に着弾したインクを硬化させる複数の光照射装置と、光照射装置の光エネルギーの設定値を入力できる操作部と、操作部からの入力結果に基づいて複数の光照射装置を制御するとともに、記録ヘッド、搬送装置を制御する制御装置とが備えられている。制御装置は、光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンを、光照射装置、記録ヘッド及び搬送装置を制御して記録媒体上に作成させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置に係り、特に光硬化性のインクを使用した画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などの製版を必要とする方式に比較して、簡便にかつ安価に画像を形成することができるという理由から、インクジェット記録方式による画像記録装置が多く用いられるようになってきている。また、このようなインクジェット方式による画像記録装置を用いて商品や商品の包装に画像記録を行う分野では、商品や商品の包装に、樹脂や金属などのインク吸収性のない材料を用いることが多い。そして、このようなインク吸収性のない材料を記録媒体として用い、この記録媒体に対してインクを定着させるために、光硬化性インクを用い、このインクを記録媒体に吐出した後、例えば、紫外線などの光を照射してインクを硬化定着させる光硬化式の画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この画像記録装置は、記録媒体を搬送する搬送ユニットが配設されており、この搬送ユニットによる記録媒体の搬送経路の上方には、光硬化性インクを吐出するライン方式の複数の記録ヘッドが搬送方向に沿って配列されている。また、この記録ヘッドにおける搬送方向の下流側には、記録ヘッドから吐出されたインクに対して光を照射してインクを硬化させる光照射装置が配設されている。
このような画像記録装置においては、搬送ユニットによって記録媒体を搬送させながら、所定の画像情報に応じて記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出させ、その後、記録媒体に着弾したインクに対して光照射装置から光を照射することにより、インクを硬化させてこのインクを記録媒体に定着させるようになっている。
そして、従来、画像記録装置においては、記録ヘッドから吐出され記録媒体に着弾したインクに対して、光照射装置により一定の光量で光を画一的に照射させて、インクを完全に硬化させるようになっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−347232号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した画像記録装置であると、各記録ヘッドから光照射装置までの距離が、各記録ヘッド毎に異なってしまう。これにより各記録ヘッド毎に、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間が異なることになって、硬化後のドット径がばらついてしまうという問題を有している。そのうえ、着弾後の各色毎のドットは光照射装置に至るまでに混ざってしまう可能性もあり、色再現性を劣化させる要因になっていた。
【0006】
本発明の課題は、ドット径のばらつき及び各インク滴の混色を押さえて、高画質な画像を得ることのできる画像記録装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像記録装置は、
記録媒体に向かって光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、
前記記録媒体を前記記録ヘッドに対向するように搬送する搬送装置と、
前記記録媒体に着弾した前記インクに対して光を照射し、前記インクを硬化させる複数の光照射装置と、
前記光照射装置の光エネルギーの設定値を入力できる操作部と、
前記操作部からの入力結果に基づいて前記複数の光照射装置を制御するとともに、前記記録ヘッド、前記搬送装置を制御する制御装置とを備え、
前記複数の記録ヘッドは、前記搬送装置による前記記録媒体の搬送方向に沿って配列され、
前記複数の光照射装置のそれぞれは、前記複数の記録ヘッドのそれぞれに対応するように、前記複数の記録ヘッドのそれぞれにおける前記搬送方向の下流側に配置され、
前記制御装置は、前記光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンを、前記光照射装置、前記記録ヘッド及び前記搬送装置を制御して前記記録媒体上に作成させることを特徴としている。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、複数の光照射装置のそれぞれが、各記録ヘッドに対応するように、各記録ヘッドにおける搬送方向の下流側に配置されているので、各記録ヘッドから吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッドからインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。また、各記録ヘッドと各記録ヘッドに対応する各光照射装置との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
【0009】
しかしながら、インクは色毎に光透過性が異なるために、インクの硬化に必要な光エネルギーは色毎に異なる。例えば、装置の組立・調整作業を容易にするために、硬化するのに最も大きな光エネルギーを必要とするインクに応じて、各光照射装置の光エネルギーを一定にしてしまうと、照射する光エネルギーを無駄にするだけではなく、硬化条件の異なるインクでは過度の光エネルギーにより硬化が進み、記録媒体の平面性を損なう波打ち減少を引き起こすなど、記録品質を低下させる要因ともなる。一方、硬化するのに最も小さい光エネルギーを必要とするインクに応じて、各光照射装置の光エネルギーを一定にしてしまうと、インク滴が混ざってしまい、低画質な画像が記録されてしまう。つまり、各光照射装置毎に、その光照射装置が担当する色のインクを硬化させるのに必要な光エネルギーを照射できれば、高画質でありながら、エネルギー消費量をも抑えることができる。このため、この請求項1記載の発明によれば、制御装置の制御によって、光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンが記録媒体上に作成されるので、使用者は、テストパターンの作成結果に基づいて、最も画像記録に適した光エネルギーの設定値を判断できる。そして、使用者が判断した設定値を操作部に入力すれば、制御装置はその入力結果に基づいて複数の光照射装置を制御して、画像を記録する。これにより、省エネルギーの観点からも優れた、高画質な画像を得ることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像記録装置において、
前記制御装置は、調整対象の前記光照射装置及び当該光照射装置に対応する前記記録ヘッドと、前記調整対象の前記光照射装置に隣接する前記光照射装置及び当該光照射装置に対応する前記記録ヘッドとの少なくとも2組を活用することにより、前記テストパターンを作成させることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、テストパターンが、調整対象の光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドと、調整対象の光照射装置に隣接する光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドとの少なくとも2組が活用されて作成されるので、テストパターンは、混色する可能性の高い2つのインクを少なくとも含んで作成されることになる。したがって、使用者は、混色する可能性の高い2つのインクからなる部分を判断材料にすることにより、混色することを極力抑えることのできる光エネルギーの設定値を判断できる。特に、上記した2組の光照射装置及び記録ヘッドでテストパターンを作成すると、他の色に紛らわされることなく、光エネルギーの設定値を容易に判断することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像記録装置の実施の一形態を示したもので、この画像記録装置1の内部下方には、複数の記録媒体2を積層して収容する収容トレイ3が設けられている。この収容トレイ3の一端部上側には、画像を記録しようとする記録媒体2を一枚ずつ収容トレイ3から取り出す取出し装置5が設けられている。なお、記録媒体2としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるカットシート状の記録媒体2が適用可能である。
【0013】
収容トレイ3の上方には、記録媒体2を搬送する搬送装置4が配設されている。この搬送装置4には、記録媒体2を平面状に支持して水平方向に搬送する環状の搬送ベルト41が、複数の張設ローラ42により回転自在に張設されている。また、搬送装置4には、搬送ベルト41と記録媒体2とが接触を開始する位置に、記録媒体2を平面状に搬送させるために搬送ベルト41に押圧する押圧ローラ43が回転自在に設けられている。
【0014】
画像記録装置1の側部には、画像が記録された記録媒体2を排出する排出トレイ9が設けられている。
画像記録装置1の内部には、収容トレイ3から供給された記録媒体2を、搬送ベルト41へ搬送し、記録媒体2が搬送ベルト41の周面に沿って搬送された後に、搬送ベルト41から排出トレイ9へ排出させる搬送経路10が設けられている。この搬送経路10の所定位置には、搬送方向Xに記録媒体2を搬送するための複数対の搬送ローラ11,11…が設けられている。
【0015】
また、搬送ベルト41の上部近傍には、搬送方向Xに沿って順に、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを記録媒体2に対して吐出するノズル(図示しない)が設けられた記録ヘッド13,14,15,16が、それぞれ搬送ベルト41の全幅にわたって設けられている。この記録ヘッド13,14,15,16としては、ライン方式のものが好適に用いられており、その吐出面と、搬送ベルト41の周面とが対向するように配置されている。
【0016】
また、搬送ベルト41の上部近傍であって、各色の記録ヘッド13,14,15,16の搬送方向Xの下流側には、各記録ヘッド13,14,15,16から記録媒体2に吐出されたインクに対して所定波長の光を照射して、インクの表面を硬化させる光照射装置17,18,19,20が各記録ヘッド13,14,15,16に対応して設けられている。
【0017】
光照射装置17,18,19,20に用いられる光源としては、特に限定されないが、例えば、紫外線を発生させる発光ダイオード(light emitting diode:LED)を搬送ベルト41の全幅にわたって配列したLEDアレイを用いることが好ましい。
【0018】
この光照射装置17,18,19,20による光照射は、記録媒体2に着弾したインクが最下流の光照射装置20を通過した際に、完全に硬化するだけの光量で行われるようになっている。また、搬送方向Xの上流側に隣接する記録ヘッド13,14,15,16から吐出され、記録媒体2に着弾したインクが、所定のドット径を保つことができる程度に、インクのドット表面を硬化(以下、「初期硬化」という)させる光量で行われるようになっている。
【0019】
また、インクは、インクに含まれる顔料等の違いにより、紫外線の透過率が異なるため、硬化に際し必要な光量も異なる。一方、光照射装置17,18,19,20は、各色記録ヘッド13,14,15,16の搬送方向Xの下流側にそれぞれ設けられているため、上流側で吐出されたインクほど、紫外線が照射される機会が多く、照射される光量も多くなる。そこで、紫外線透過率が低いインクを吐出する記録ヘッド13,14,15,16を、搬送方向Xの上流から配置することが、光照射装置17,18,19,20として、より少ない光量で各インクを効率よく硬化させることができる点で好ましい。
【0020】
例えば、ブラック(Bk)のインクが、光照射装置17から照射される紫外線の透過率が最も低く、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクの順で透過率が高い場合には、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する記録ヘッド13,14,15,16の順で搬送方向Xの上流から配置するとよい。なお、この順序は色材と光の透過性との関係で決まるものであって、必ずしもこの順序が最も好ましいとは限らない。
【0021】
なお、本実施形態で使用するインクは、光を照射することで硬化するインク、特に紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型インクである。紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0022】
図2は本実施形態における画像記録装置1を制御するための制御装置を示したものであり、この制御装置は、例えば、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行する制御部30を有している。
【0023】
制御部30には、画像記録装置に送られた画像情報を受け取る画像データ入出力I/F(インタフェース)31と、転送された画像データをページ単位で圧縮して記憶し、さらに圧縮された画像データを伸張して記憶する圧縮・伸張部32とが設けられている。ここでの圧縮・伸張手段としては、公知のJPEG、JPEG2000、JBIG等が用いられる。
【0024】
また、制御部30には、各種指示が入力される操作部33が設けられている。操作部33には、各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーの設定値、作成画像種類、出力枚数、部数等の指示が入力される。各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーの設定値を入力する際には、各光照射装置17,18,19,20で照射可能な光エネルギーの上下限範囲を段階的に分けて、その段階値(レベル)を入力できるようになっている。なお、これ以外にも具体的な光エネルギー値を直接入力してもよい。
【0025】
また、作成画像種類には、画像情報に基づいて画像を作成する通常画像作成と、各光照射装置17,18,19,20の調整基準となるテストパターンを作成するテストパターン作成とがある。
【0026】
以下、テストパターンについて図3及び図4を参照にして説明する。図3及び図4はテストパターンTの拡大図である。
テストパターンTとは、各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーが適正であるか否かを判断するための画像のことであり、調整対象となる光照射装置17,18,19,20の直下流及び直上流に位置する記録ヘッド13,14,15,16と、これら記録ヘッド13,14,15,16に対応する光照射装置17,18,19,20によって作成される。例えば、最上流に位置する光照射装置17を調整対象とした場合、そのテストパターンTは、調整対象の光照射装置17及び当該光照射装置17に対応する記録ヘッド13と、調整対象の光照射装置17の下流側に隣接する光照射装置18及び当該光照射装置18に対応する記録ヘッド14との2組を活用することにより作成される。テストパターンTは各記録ヘッド13,14が吐出したインクドットによって作成されるが、図3に示すように、下流側の記録ヘッド14によるインクドット141が、上流側の記録ヘッド13によるインクドット131に少なくとも接触していれば、テストパターンの作成後にインクが混色しているかどうかが判断しやすく、重なっていればさらに判断しやすくなる。具体的には、図3に示すように、インクドット131,141が円形を維持し、混色が見られない場合には、調整対象である光照射装置17の光エネルギーが適正であると判断できる。一方、図4に示すように、インクドット131とインクドット141との接触部分から互いのインクが他のドット領域に侵入してしまって混色が見られると、調整対象である光照射装置17の光エネルギーが不適正であると判断できる。
【0027】
さらに、制御部30には、図2に示すように、得られた画像データを画像出力形式に適応するようデータを変換する画像処理部34、テストパターンの画像データ(テストパターン用画像データ)を記憶するテストパターン記憶部35、画像処理部34で変換された画像データ及びテストパターン記憶部35に記憶されるテストパターン用画像データを画像記録ユニット50の画像記録部51へ出力する画像記録信号出力I/F36が設けられている。
【0028】
テストパターン記憶部35には、各光照射装置17,18,19,20毎の複数のテストパターンを作成するために、それぞれのテストパターンに応じて各色毎に分けられた色信号からなるテストパターン用画像データが、複数記憶されている。具体的に説明すると、例えば、光照射装置17のテストパターンの場合には、そのテストパターン用画像データは、ブラックの色信号とシアンの色信号とからなる。また、光照射装置18のテストパターンの場合には、テストパターン用画像データは、シアンの色信号とマゼンダの色信号とからなる。そして、光照射装置19のテストパターンの場合には、テストパターン用画像データは、マゼンダの色信号とイエローの色信号とからなる。なお、最下流に位置する光照射装置20においては、予めその光エネルギーが、光照射装置20に隣接する記録ヘッド16によって吐出されるインクを硬化させるために必要な光エネルギーを、少なくとも満たすように設定されていなければならないので、この光照射装置20の光エネルギーは調整する必要はない。このため、本実施形態では、光照射装置20におけるテストパターンは、用意されていないものの、もちろん光照射装置20のテストパターンを用意して、光照射装置20の光エネルギーを調整してもよい。
【0029】
また、制御部30には、デジタルカメラなどの撮影装置にて撮影して得られた画像や他の読取装置で読み取った画像データを取り込んだり、外部の機器からの命令による画像記録を行う外部I/F及びプリントコントローラ37が設けられている。さらに、制御部30には、操作部33及び前記画像情報にしたがって、画像処理部34、画像記録信号出力I/F36及び外部I/F及びプリントコントローラ37の動作を制御する全体制御部(M−CPU)38が設けられている。
【0030】
画像記録ユニット50には、画像記録信号出力I/F36からの信号にしたがい画像記録を行う画像記録部51と、搬送ローラ11及び張設ローラ42を動作させる搬送機構52と、画像記録部51からの制御信号にしたがって各光照射装置17,18,19,20の出力を制御する光源制御部53と、これら各構成の動作を制御する画像記録制御部(S−CPU)54とが設けられている。
【0031】
光源制御部53は、光照射装置17,18,19,20の光源が、例えばLEDのように電流の変化によって出力値が変化するものであれば、その電流を制御することにより、光照射装置17,18,19,20の出力を制御するが、光源が、例えば蛍光管のように電圧の変化によって出力値が変化するものであれば、その電圧を制御することにより、光照射装置17,18,19,20の出力を制御する。
【0032】
図5は、画像記録部51の構成を詳細に示したブロック図であり、この画像記録部51には、画像記録信号出力I/F36から送られる各色信号を格納するために各色毎に設けられた複数のバッファメモリ及び各バッファメモリからの出力を制御するバッファメモリ制御回路からなる色信号メモリ57、前記バッファメモリ制御回路からの制御にしたがって出力される色信号に基づいて記録ヘッド13,14,15,16のインク吐出動作を駆動制御する記録ヘッド駆動回路58が設けられている。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、通常画像作成時における作用について説明する。操作部33から通常画像作成の指示が入力されて、画像記録装置1に画像情報が送られると、図2に示したように、送られた画像情報は、制御部30の全体制御部38に送られるほか、画像データ入出力I/F31から画像処理部34にも送られる。なお、画像情報は、外部装置などから外部I/F及びプリントコントローラ37を通じても全体制御部38に送られる。
【0034】
全体制御部38は、画像情報が送られたときに制御部30の各構成の動作を開始させる。なお、この動作開始のタイミングであるが、画像情報が入力されたときに限らず、操作部33からの使用者による操作入力、又は外部I/F及びプリントコントローラ37を通じての外部装置からの操作入力があったときであってもよい。
【0035】
画像処理部34では、画像情報が画像出力形式に適応するように、すなわち光硬化型インクを用いた画像記録装置で画像を記録するのに最適となるように、画像処理が施される。画像処理によって各色毎に分けられた色信号からなる画像データは、画像記録信号出力I/F36から画像記録ユニット50の画像記録部51に送られる。
【0036】
なお、画像処理前の画像情報を画像データ入出力I/F31から圧縮・伸張部32に送って、記憶することもできる。なお、圧縮・伸張部32は、画像処理部34から画像データが送られたときに限らず、外部I/F及びプリントコントローラ37を通じての外部装置からの動作開始などの操作入力があったときにも動作する。
【0037】
一方で、画像記録装置1に画像情報が送られると、画像記録ユニット50の画像記録制御部54は、画像記録部51の色信号メモリ57に記憶された各色信号に基づいて、搬送機構52及び光源制御部53を動作させる。この動作に伴って、記録ヘッド駆動回路58は、記録ヘッド13、14、15、16を動作させる。具体的には、搬送機構52が取出し装置5を動作させて、収容トレイ3に収容された最上位の記録媒体2を取出し、搬送ローラ11を回転動作させてこの取出された記録媒体2を搬送させる。
【0038】
そして、記録媒体2の先端部が搬送ベルト41まで到達したら、押圧ローラ43が記録媒体2の先端部を搬送ベルト41の周面に押圧して保持させる。搬送ベルト41は張設ローラ42によって回転しているので、その回転に伴って記録媒体2は搬送される。記録媒体2が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させ、その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを初期硬化させる。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを初期硬化させる。同様に、記録ヘッド15を動作させてマゼンタインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置19により初期硬化させる。その後、記録ヘッド16を動作させてイエローインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置20により記録媒体2に着弾したインク全てを完全に硬化させる。
【0039】
このように各色のインク吐出後、次のインクを吐出する前にそのインクの初期硬化をさせることにより、吐出したインクと隣接するインクとを混色しないようにすることができる。
【0040】
完全硬化後、記録媒体2の先端部が、搬送ベルト41の周面から離隔されると、記録媒体2は、搬送ローラ11により搬送されて、排出トレイ9に排出される。
【0041】
次に、テストパターン作成時における作用について説明する。例えば、光照射装置17を調整する場合を例示すると、まず使用者は、調整対象となる光照射装置17に応じたテストパターン作成を操作部33から入力する。この入力によって、図2に示したように、テストパターン記憶部35から、調整対象となる光照射装置17に応じたテストパターン用画像データが、制御部30の全体制御部38に送られるとともに、画像記録信号出力I/F36を介して画像記録ユニット50の画像記録部51に送られる。全体制御部38は、テストパターン用画像データが送られたときに制御部30の各構成の動作を開始させる。
【0042】
画像記録ユニット50の画像記録制御部54は、画像記録部51の色信号メモリ57に記憶された各色信号に基づいて、搬送機構52及び光源制御部53を動作させる。この動作に伴って、記録ヘッド駆動回路58は、ブラック用の記録ヘッド13及びシアン用の記録ヘッド14を動作させる。なお、ここでは、使用者が画像記録に最適な光エネルギーの設定値を判断しやすくするため、図6に示すように、照射された光の光エネルギーが異なる複数のテストパターンTを作成する。
【0043】
具体的には、搬送機構52が取出し装置5を動作させて、収容トレイ3に収容された最上位の記録媒体2を取出し、搬送ローラ11を回転動作させてこの取出された記録媒体2を搬送させる。
【0044】
そして、記録媒体2の先端部が搬送ベルト41まで到達したら、押圧ローラ43が記録媒体2の先端部を搬送ベルト41の周面に押圧して保持させる。搬送ベルト41は張設ローラ42によって回転しているので、その回転に伴って記録媒体2は搬送される。記録媒体2の1つめのテストパターンT1が作成される部分が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させる。その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを硬化させるが、この際、光源制御部54は、光照射装置17の光エネルギーの設定値を、現在の設定値から2段階下げた値として、光照射装置17の出力を制御している。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを硬化させる。なお、このテストパターンTの作成に関係のない光照射装置19,20は、停止させておくことが好ましい。これは、隣接インクの混色状態を良好に判断するための処置であるが、完全硬化までを行って判断する場合は、無論、光照射装置19,20を点灯しておいてもよい。ただし、この場合の点灯条件は、装置初期条件(標準設定値)となる。
【0045】
そして、1つめのテストパターンT1が作成された後、記録媒体2の2つめのテストパターンT2が作成される部分が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させる。その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを硬化させる。このときの光照射装置17の光エネルギーの設定値は、1つめのテストパターンT1を作成したときの設定値よりも1段階上げられている。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを硬化させる。
【0046】
以下、同様に、光照射装置17の光エネルギーの設定値を一段階ずつ上げながら、図6に示すように、5つのテストパターンT1,T2,T3,T4,T5が作成されると、テストパターン作成以前の設定値で作成されたテストパターンT3を中心として、左右に設定値が±2段階異なるテストパターンT1,T2,T4,T5が一覧で作成される。使用者は、その複数のテストパターンT1,T2,T3,T4,T5から、最も高画質のテストパターンT1,T2,T3,T4,T5を選択して、そのテストパターンT1,T2,T3,T4,T5の作成時における設定値を操作部33から入力する。これに基づいて、制御装置は光照射装置17の設定値を変更する。
なお、他の光照射装置18,19,20においても同様の作用により複数のテストパターンが作成されて、使用者はそれを基に最適な設定値を判断し、操作部33から入力する。
【0047】
以上のように、本実施形態の画像記録装置1によれば、複数の光照射装置17,18,19,20のそれぞれが、各記録ヘッド13,14,15,16に対応するように、各記録ヘッド13,14,15,16における搬送方向Xの下流側に配置されているので、各記録ヘッド13,14,15,16から吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッド14,15,16からインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。
また、各記録ヘッド13,14,15,16と各記録ヘッド13,14,15,16に対応する各光照射装置17,18,19,20との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置17,18,19,20により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド13,14,15,16毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
【0048】
そして、制御装置の制御によって、光照射装置17,18,19,20の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンTが記録媒体2上に作成されるので、使用者は、テストパターンTの作成結果に基づいて、画像記録に最適な光エネルギーの設定値を判断できる。そして、使用者が判断した設定値を操作部33に入力すれば、制御装置はその入力結果に基づいて複数の光照射装置17,18,19,20を制御して、画像を記録する。これにより、省エネルギーの観点からも優れた、高画質な画像を得ることができる。
【0049】
さらに、テストパターンTが、調整対象の光照射装置17,18,19,20及び当該光照射装置17,18,19,20に対応する記録ヘッド13,14,15,16と、調整対象の光照射装置17,18,19,20に隣接する光照射装置17,18,19,20及び当該光照射装置17,18,19,20に対応する記録ヘッド13,14,15,16との2組が活用されて作成されるので、テストパターンTは、混色する可能性の高い2つのインクで作成されることになる。したがって、使用者は、他の色に紛らわされることなく、光エネルギーの設定値を容易に判断することができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。例えば、本実施形態では、テストパターンが、調整対象の光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドと、調整対象の光照射装置の下流側に隣接する光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドとの2組が活用されて作成されているが、3組以上を活用させてテストパターンを作成してもよい。こうした場合、1つのテストパターンで複数の光照射装置を調整することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各記録ヘッドから吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッドからインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。
また、各記録ヘッドと各記録ヘッドに対応する各光照射装置との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
【0052】
また、制御装置の制御によって、光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンが記録媒体上に作成されるので、使用者は、テストパターンの作成結果に基づいて、最も画像記録に適した光エネルギーの設定値を判断できる。そして、使用者が判断した設定値を操作部に入力すれば、制御装置はその入力結果に基づいて複数の光照射装置を制御して、画像を記録する。これにより、省エネルギーの観点からも優れた、高画質な画像を得ることができる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、テストパターンは、混色する可能性の高い2つのインクを少なくとも含んで作成されることになる。したがって、使用者は、混色する可能性の高い2つのインクからなる部分を判断材料にすることにより、混色することを極力抑えることのできる光エネルギーの設定値を判断できる。特に、上記した2組の光照射装置及び記録ヘッドでテストパターンを作成すると、他の色に紛らわされることなく、光エネルギーの設定値を容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における画像記録装置の概略構成を表す概略図である。
【図2】図1の画像記録装置の主制御部分を表すブロック図である。
【図3】図1の画像記録装置で作成されたテストパターンの拡大図である。
【図4】図3のテストパターンが変形した状態を表す拡大図である。
【図5】図2の画像形成部の構成を表すブロック図である。
【図6】図3のテストパターンが複数配列された一覧を表す説明図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 記録媒体
4 搬送装置
13,14,15,16 記録ヘッド
17,18,19,20 光照射装置
T,T1,T2,T3,T4,T5 テストパターン
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像記録装置に係り、特に光硬化性のインクを使用した画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式などの製版を必要とする方式に比較して、簡便にかつ安価に画像を形成することができるという理由から、インクジェット記録方式による画像記録装置が多く用いられるようになってきている。また、このようなインクジェット方式による画像記録装置を用いて商品や商品の包装に画像記録を行う分野では、商品や商品の包装に、樹脂や金属などのインク吸収性のない材料を用いることが多い。そして、このようなインク吸収性のない材料を記録媒体として用い、この記録媒体に対してインクを定着させるために、光硬化性インクを用い、このインクを記録媒体に吐出した後、例えば、紫外線などの光を照射してインクを硬化定着させる光硬化式の画像記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この画像記録装置は、記録媒体を搬送する搬送ユニットが配設されており、この搬送ユニットによる記録媒体の搬送経路の上方には、光硬化性インクを吐出するライン方式の複数の記録ヘッドが搬送方向に沿って配列されている。また、この記録ヘッドにおける搬送方向の下流側には、記録ヘッドから吐出されたインクに対して光を照射してインクを硬化させる光照射装置が配設されている。
このような画像記録装置においては、搬送ユニットによって記録媒体を搬送させながら、所定の画像情報に応じて記録ヘッドから記録媒体に対してインクを吐出させ、その後、記録媒体に着弾したインクに対して光照射装置から光を照射することにより、インクを硬化させてこのインクを記録媒体に定着させるようになっている。
そして、従来、画像記録装置においては、記録ヘッドから吐出され記録媒体に着弾したインクに対して、光照射装置により一定の光量で光を画一的に照射させて、インクを完全に硬化させるようになっていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−347232号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した画像記録装置であると、各記録ヘッドから光照射装置までの距離が、各記録ヘッド毎に異なってしまう。これにより各記録ヘッド毎に、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間が異なることになって、硬化後のドット径がばらついてしまうという問題を有している。そのうえ、着弾後の各色毎のドットは光照射装置に至るまでに混ざってしまう可能性もあり、色再現性を劣化させる要因になっていた。
【0006】
本発明の課題は、ドット径のばらつき及び各インク滴の混色を押さえて、高画質な画像を得ることのできる画像記録装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像記録装置は、
記録媒体に向かって光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、
前記記録媒体を前記記録ヘッドに対向するように搬送する搬送装置と、
前記記録媒体に着弾した前記インクに対して光を照射し、前記インクを硬化させる複数の光照射装置と、
前記光照射装置の光エネルギーの設定値を入力できる操作部と、
前記操作部からの入力結果に基づいて前記複数の光照射装置を制御するとともに、前記記録ヘッド、前記搬送装置を制御する制御装置とを備え、
前記複数の記録ヘッドは、前記搬送装置による前記記録媒体の搬送方向に沿って配列され、
前記複数の光照射装置のそれぞれは、前記複数の記録ヘッドのそれぞれに対応するように、前記複数の記録ヘッドのそれぞれにおける前記搬送方向の下流側に配置され、
前記制御装置は、前記光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンを、前記光照射装置、前記記録ヘッド及び前記搬送装置を制御して前記記録媒体上に作成させることを特徴としている。
【0008】
請求項1記載の発明によれば、複数の光照射装置のそれぞれが、各記録ヘッドに対応するように、各記録ヘッドにおける搬送方向の下流側に配置されているので、各記録ヘッドから吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッドからインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。また、各記録ヘッドと各記録ヘッドに対応する各光照射装置との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
【0009】
しかしながら、インクは色毎に光透過性が異なるために、インクの硬化に必要な光エネルギーは色毎に異なる。例えば、装置の組立・調整作業を容易にするために、硬化するのに最も大きな光エネルギーを必要とするインクに応じて、各光照射装置の光エネルギーを一定にしてしまうと、照射する光エネルギーを無駄にするだけではなく、硬化条件の異なるインクでは過度の光エネルギーにより硬化が進み、記録媒体の平面性を損なう波打ち減少を引き起こすなど、記録品質を低下させる要因ともなる。一方、硬化するのに最も小さい光エネルギーを必要とするインクに応じて、各光照射装置の光エネルギーを一定にしてしまうと、インク滴が混ざってしまい、低画質な画像が記録されてしまう。つまり、各光照射装置毎に、その光照射装置が担当する色のインクを硬化させるのに必要な光エネルギーを照射できれば、高画質でありながら、エネルギー消費量をも抑えることができる。このため、この請求項1記載の発明によれば、制御装置の制御によって、光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンが記録媒体上に作成されるので、使用者は、テストパターンの作成結果に基づいて、最も画像記録に適した光エネルギーの設定値を判断できる。そして、使用者が判断した設定値を操作部に入力すれば、制御装置はその入力結果に基づいて複数の光照射装置を制御して、画像を記録する。これにより、省エネルギーの観点からも優れた、高画質な画像を得ることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像記録装置において、
前記制御装置は、調整対象の前記光照射装置及び当該光照射装置に対応する前記記録ヘッドと、前記調整対象の前記光照射装置に隣接する前記光照射装置及び当該光照射装置に対応する前記記録ヘッドとの少なくとも2組を活用することにより、前記テストパターンを作成させることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、テストパターンが、調整対象の光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドと、調整対象の光照射装置に隣接する光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドとの少なくとも2組が活用されて作成されるので、テストパターンは、混色する可能性の高い2つのインクを少なくとも含んで作成されることになる。したがって、使用者は、混色する可能性の高い2つのインクからなる部分を判断材料にすることにより、混色することを極力抑えることのできる光エネルギーの設定値を判断できる。特に、上記した2組の光照射装置及び記録ヘッドでテストパターンを作成すると、他の色に紛らわされることなく、光エネルギーの設定値を容易に判断することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像記録装置の実施の一形態を示したもので、この画像記録装置1の内部下方には、複数の記録媒体2を積層して収容する収容トレイ3が設けられている。この収容トレイ3の一端部上側には、画像を記録しようとする記録媒体2を一枚ずつ収容トレイ3から取り出す取出し装置5が設けられている。なお、記録媒体2としては、普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるカットシート状の記録媒体2が適用可能である。
【0013】
収容トレイ3の上方には、記録媒体2を搬送する搬送装置4が配設されている。この搬送装置4には、記録媒体2を平面状に支持して水平方向に搬送する環状の搬送ベルト41が、複数の張設ローラ42により回転自在に張設されている。また、搬送装置4には、搬送ベルト41と記録媒体2とが接触を開始する位置に、記録媒体2を平面状に搬送させるために搬送ベルト41に押圧する押圧ローラ43が回転自在に設けられている。
【0014】
画像記録装置1の側部には、画像が記録された記録媒体2を排出する排出トレイ9が設けられている。
画像記録装置1の内部には、収容トレイ3から供給された記録媒体2を、搬送ベルト41へ搬送し、記録媒体2が搬送ベルト41の周面に沿って搬送された後に、搬送ベルト41から排出トレイ9へ排出させる搬送経路10が設けられている。この搬送経路10の所定位置には、搬送方向Xに記録媒体2を搬送するための複数対の搬送ローラ11,11…が設けられている。
【0015】
また、搬送ベルト41の上部近傍には、搬送方向Xに沿って順に、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクを記録媒体2に対して吐出するノズル(図示しない)が設けられた記録ヘッド13,14,15,16が、それぞれ搬送ベルト41の全幅にわたって設けられている。この記録ヘッド13,14,15,16としては、ライン方式のものが好適に用いられており、その吐出面と、搬送ベルト41の周面とが対向するように配置されている。
【0016】
また、搬送ベルト41の上部近傍であって、各色の記録ヘッド13,14,15,16の搬送方向Xの下流側には、各記録ヘッド13,14,15,16から記録媒体2に吐出されたインクに対して所定波長の光を照射して、インクの表面を硬化させる光照射装置17,18,19,20が各記録ヘッド13,14,15,16に対応して設けられている。
【0017】
光照射装置17,18,19,20に用いられる光源としては、特に限定されないが、例えば、紫外線を発生させる発光ダイオード(light emitting diode:LED)を搬送ベルト41の全幅にわたって配列したLEDアレイを用いることが好ましい。
【0018】
この光照射装置17,18,19,20による光照射は、記録媒体2に着弾したインクが最下流の光照射装置20を通過した際に、完全に硬化するだけの光量で行われるようになっている。また、搬送方向Xの上流側に隣接する記録ヘッド13,14,15,16から吐出され、記録媒体2に着弾したインクが、所定のドット径を保つことができる程度に、インクのドット表面を硬化(以下、「初期硬化」という)させる光量で行われるようになっている。
【0019】
また、インクは、インクに含まれる顔料等の違いにより、紫外線の透過率が異なるため、硬化に際し必要な光量も異なる。一方、光照射装置17,18,19,20は、各色記録ヘッド13,14,15,16の搬送方向Xの下流側にそれぞれ設けられているため、上流側で吐出されたインクほど、紫外線が照射される機会が多く、照射される光量も多くなる。そこで、紫外線透過率が低いインクを吐出する記録ヘッド13,14,15,16を、搬送方向Xの上流から配置することが、光照射装置17,18,19,20として、より少ない光量で各インクを効率よく硬化させることができる点で好ましい。
【0020】
例えば、ブラック(Bk)のインクが、光照射装置17から照射される紫外線の透過率が最も低く、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクの順で透過率が高い場合には、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する記録ヘッド13,14,15,16の順で搬送方向Xの上流から配置するとよい。なお、この順序は色材と光の透過性との関係で決まるものであって、必ずしもこの順序が最も好ましいとは限らない。
【0021】
なお、本実施形態で使用するインクは、光を照射することで硬化するインク、特に紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型インクである。紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0022】
図2は本実施形態における画像記録装置1を制御するための制御装置を示したものであり、この制御装置は、例えば、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行する制御部30を有している。
【0023】
制御部30には、画像記録装置に送られた画像情報を受け取る画像データ入出力I/F(インタフェース)31と、転送された画像データをページ単位で圧縮して記憶し、さらに圧縮された画像データを伸張して記憶する圧縮・伸張部32とが設けられている。ここでの圧縮・伸張手段としては、公知のJPEG、JPEG2000、JBIG等が用いられる。
【0024】
また、制御部30には、各種指示が入力される操作部33が設けられている。操作部33には、各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーの設定値、作成画像種類、出力枚数、部数等の指示が入力される。各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーの設定値を入力する際には、各光照射装置17,18,19,20で照射可能な光エネルギーの上下限範囲を段階的に分けて、その段階値(レベル)を入力できるようになっている。なお、これ以外にも具体的な光エネルギー値を直接入力してもよい。
【0025】
また、作成画像種類には、画像情報に基づいて画像を作成する通常画像作成と、各光照射装置17,18,19,20の調整基準となるテストパターンを作成するテストパターン作成とがある。
【0026】
以下、テストパターンについて図3及び図4を参照にして説明する。図3及び図4はテストパターンTの拡大図である。
テストパターンTとは、各光照射装置17,18,19,20の光エネルギーが適正であるか否かを判断するための画像のことであり、調整対象となる光照射装置17,18,19,20の直下流及び直上流に位置する記録ヘッド13,14,15,16と、これら記録ヘッド13,14,15,16に対応する光照射装置17,18,19,20によって作成される。例えば、最上流に位置する光照射装置17を調整対象とした場合、そのテストパターンTは、調整対象の光照射装置17及び当該光照射装置17に対応する記録ヘッド13と、調整対象の光照射装置17の下流側に隣接する光照射装置18及び当該光照射装置18に対応する記録ヘッド14との2組を活用することにより作成される。テストパターンTは各記録ヘッド13,14が吐出したインクドットによって作成されるが、図3に示すように、下流側の記録ヘッド14によるインクドット141が、上流側の記録ヘッド13によるインクドット131に少なくとも接触していれば、テストパターンの作成後にインクが混色しているかどうかが判断しやすく、重なっていればさらに判断しやすくなる。具体的には、図3に示すように、インクドット131,141が円形を維持し、混色が見られない場合には、調整対象である光照射装置17の光エネルギーが適正であると判断できる。一方、図4に示すように、インクドット131とインクドット141との接触部分から互いのインクが他のドット領域に侵入してしまって混色が見られると、調整対象である光照射装置17の光エネルギーが不適正であると判断できる。
【0027】
さらに、制御部30には、図2に示すように、得られた画像データを画像出力形式に適応するようデータを変換する画像処理部34、テストパターンの画像データ(テストパターン用画像データ)を記憶するテストパターン記憶部35、画像処理部34で変換された画像データ及びテストパターン記憶部35に記憶されるテストパターン用画像データを画像記録ユニット50の画像記録部51へ出力する画像記録信号出力I/F36が設けられている。
【0028】
テストパターン記憶部35には、各光照射装置17,18,19,20毎の複数のテストパターンを作成するために、それぞれのテストパターンに応じて各色毎に分けられた色信号からなるテストパターン用画像データが、複数記憶されている。具体的に説明すると、例えば、光照射装置17のテストパターンの場合には、そのテストパターン用画像データは、ブラックの色信号とシアンの色信号とからなる。また、光照射装置18のテストパターンの場合には、テストパターン用画像データは、シアンの色信号とマゼンダの色信号とからなる。そして、光照射装置19のテストパターンの場合には、テストパターン用画像データは、マゼンダの色信号とイエローの色信号とからなる。なお、最下流に位置する光照射装置20においては、予めその光エネルギーが、光照射装置20に隣接する記録ヘッド16によって吐出されるインクを硬化させるために必要な光エネルギーを、少なくとも満たすように設定されていなければならないので、この光照射装置20の光エネルギーは調整する必要はない。このため、本実施形態では、光照射装置20におけるテストパターンは、用意されていないものの、もちろん光照射装置20のテストパターンを用意して、光照射装置20の光エネルギーを調整してもよい。
【0029】
また、制御部30には、デジタルカメラなどの撮影装置にて撮影して得られた画像や他の読取装置で読み取った画像データを取り込んだり、外部の機器からの命令による画像記録を行う外部I/F及びプリントコントローラ37が設けられている。さらに、制御部30には、操作部33及び前記画像情報にしたがって、画像処理部34、画像記録信号出力I/F36及び外部I/F及びプリントコントローラ37の動作を制御する全体制御部(M−CPU)38が設けられている。
【0030】
画像記録ユニット50には、画像記録信号出力I/F36からの信号にしたがい画像記録を行う画像記録部51と、搬送ローラ11及び張設ローラ42を動作させる搬送機構52と、画像記録部51からの制御信号にしたがって各光照射装置17,18,19,20の出力を制御する光源制御部53と、これら各構成の動作を制御する画像記録制御部(S−CPU)54とが設けられている。
【0031】
光源制御部53は、光照射装置17,18,19,20の光源が、例えばLEDのように電流の変化によって出力値が変化するものであれば、その電流を制御することにより、光照射装置17,18,19,20の出力を制御するが、光源が、例えば蛍光管のように電圧の変化によって出力値が変化するものであれば、その電圧を制御することにより、光照射装置17,18,19,20の出力を制御する。
【0032】
図5は、画像記録部51の構成を詳細に示したブロック図であり、この画像記録部51には、画像記録信号出力I/F36から送られる各色信号を格納するために各色毎に設けられた複数のバッファメモリ及び各バッファメモリからの出力を制御するバッファメモリ制御回路からなる色信号メモリ57、前記バッファメモリ制御回路からの制御にしたがって出力される色信号に基づいて記録ヘッド13,14,15,16のインク吐出動作を駆動制御する記録ヘッド駆動回路58が設けられている。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、通常画像作成時における作用について説明する。操作部33から通常画像作成の指示が入力されて、画像記録装置1に画像情報が送られると、図2に示したように、送られた画像情報は、制御部30の全体制御部38に送られるほか、画像データ入出力I/F31から画像処理部34にも送られる。なお、画像情報は、外部装置などから外部I/F及びプリントコントローラ37を通じても全体制御部38に送られる。
【0034】
全体制御部38は、画像情報が送られたときに制御部30の各構成の動作を開始させる。なお、この動作開始のタイミングであるが、画像情報が入力されたときに限らず、操作部33からの使用者による操作入力、又は外部I/F及びプリントコントローラ37を通じての外部装置からの操作入力があったときであってもよい。
【0035】
画像処理部34では、画像情報が画像出力形式に適応するように、すなわち光硬化型インクを用いた画像記録装置で画像を記録するのに最適となるように、画像処理が施される。画像処理によって各色毎に分けられた色信号からなる画像データは、画像記録信号出力I/F36から画像記録ユニット50の画像記録部51に送られる。
【0036】
なお、画像処理前の画像情報を画像データ入出力I/F31から圧縮・伸張部32に送って、記憶することもできる。なお、圧縮・伸張部32は、画像処理部34から画像データが送られたときに限らず、外部I/F及びプリントコントローラ37を通じての外部装置からの動作開始などの操作入力があったときにも動作する。
【0037】
一方で、画像記録装置1に画像情報が送られると、画像記録ユニット50の画像記録制御部54は、画像記録部51の色信号メモリ57に記憶された各色信号に基づいて、搬送機構52及び光源制御部53を動作させる。この動作に伴って、記録ヘッド駆動回路58は、記録ヘッド13、14、15、16を動作させる。具体的には、搬送機構52が取出し装置5を動作させて、収容トレイ3に収容された最上位の記録媒体2を取出し、搬送ローラ11を回転動作させてこの取出された記録媒体2を搬送させる。
【0038】
そして、記録媒体2の先端部が搬送ベルト41まで到達したら、押圧ローラ43が記録媒体2の先端部を搬送ベルト41の周面に押圧して保持させる。搬送ベルト41は張設ローラ42によって回転しているので、その回転に伴って記録媒体2は搬送される。記録媒体2が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させ、その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを初期硬化させる。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを初期硬化させる。同様に、記録ヘッド15を動作させてマゼンタインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置19により初期硬化させる。その後、記録ヘッド16を動作させてイエローインクを記録媒体2に吐出させ、光照射装置20により記録媒体2に着弾したインク全てを完全に硬化させる。
【0039】
このように各色のインク吐出後、次のインクを吐出する前にそのインクの初期硬化をさせることにより、吐出したインクと隣接するインクとを混色しないようにすることができる。
【0040】
完全硬化後、記録媒体2の先端部が、搬送ベルト41の周面から離隔されると、記録媒体2は、搬送ローラ11により搬送されて、排出トレイ9に排出される。
【0041】
次に、テストパターン作成時における作用について説明する。例えば、光照射装置17を調整する場合を例示すると、まず使用者は、調整対象となる光照射装置17に応じたテストパターン作成を操作部33から入力する。この入力によって、図2に示したように、テストパターン記憶部35から、調整対象となる光照射装置17に応じたテストパターン用画像データが、制御部30の全体制御部38に送られるとともに、画像記録信号出力I/F36を介して画像記録ユニット50の画像記録部51に送られる。全体制御部38は、テストパターン用画像データが送られたときに制御部30の各構成の動作を開始させる。
【0042】
画像記録ユニット50の画像記録制御部54は、画像記録部51の色信号メモリ57に記憶された各色信号に基づいて、搬送機構52及び光源制御部53を動作させる。この動作に伴って、記録ヘッド駆動回路58は、ブラック用の記録ヘッド13及びシアン用の記録ヘッド14を動作させる。なお、ここでは、使用者が画像記録に最適な光エネルギーの設定値を判断しやすくするため、図6に示すように、照射された光の光エネルギーが異なる複数のテストパターンTを作成する。
【0043】
具体的には、搬送機構52が取出し装置5を動作させて、収容トレイ3に収容された最上位の記録媒体2を取出し、搬送ローラ11を回転動作させてこの取出された記録媒体2を搬送させる。
【0044】
そして、記録媒体2の先端部が搬送ベルト41まで到達したら、押圧ローラ43が記録媒体2の先端部を搬送ベルト41の周面に押圧して保持させる。搬送ベルト41は張設ローラ42によって回転しているので、その回転に伴って記録媒体2は搬送される。記録媒体2の1つめのテストパターンT1が作成される部分が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させる。その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを硬化させるが、この際、光源制御部54は、光照射装置17の光エネルギーの設定値を、現在の設定値から2段階下げた値として、光照射装置17の出力を制御している。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを硬化させる。なお、このテストパターンTの作成に関係のない光照射装置19,20は、停止させておくことが好ましい。これは、隣接インクの混色状態を良好に判断するための処置であるが、完全硬化までを行って判断する場合は、無論、光照射装置19,20を点灯しておいてもよい。ただし、この場合の点灯条件は、装置初期条件(標準設定値)となる。
【0045】
そして、1つめのテストパターンT1が作成された後、記録媒体2の2つめのテストパターンT2が作成される部分が記録ヘッド13の位置まで送られると、記録媒体2に対して、記録ヘッド13からブラックインクを吐出させる。その直後に光照射装置17からブラックインクに光を照射してブラックインクを硬化させる。このときの光照射装置17の光エネルギーの設定値は、1つめのテストパターンT1を作成したときの設定値よりも1段階上げられている。続いて、記録ヘッド14からシアンインクを吐出させるとともに、光照射装置18から光を照射してシアンインクを硬化させる。
【0046】
以下、同様に、光照射装置17の光エネルギーの設定値を一段階ずつ上げながら、図6に示すように、5つのテストパターンT1,T2,T3,T4,T5が作成されると、テストパターン作成以前の設定値で作成されたテストパターンT3を中心として、左右に設定値が±2段階異なるテストパターンT1,T2,T4,T5が一覧で作成される。使用者は、その複数のテストパターンT1,T2,T3,T4,T5から、最も高画質のテストパターンT1,T2,T3,T4,T5を選択して、そのテストパターンT1,T2,T3,T4,T5の作成時における設定値を操作部33から入力する。これに基づいて、制御装置は光照射装置17の設定値を変更する。
なお、他の光照射装置18,19,20においても同様の作用により複数のテストパターンが作成されて、使用者はそれを基に最適な設定値を判断し、操作部33から入力する。
【0047】
以上のように、本実施形態の画像記録装置1によれば、複数の光照射装置17,18,19,20のそれぞれが、各記録ヘッド13,14,15,16に対応するように、各記録ヘッド13,14,15,16における搬送方向Xの下流側に配置されているので、各記録ヘッド13,14,15,16から吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッド14,15,16からインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。
また、各記録ヘッド13,14,15,16と各記録ヘッド13,14,15,16に対応する各光照射装置17,18,19,20との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置17,18,19,20により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド13,14,15,16毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
【0048】
そして、制御装置の制御によって、光照射装置17,18,19,20の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンTが記録媒体2上に作成されるので、使用者は、テストパターンTの作成結果に基づいて、画像記録に最適な光エネルギーの設定値を判断できる。そして、使用者が判断した設定値を操作部33に入力すれば、制御装置はその入力結果に基づいて複数の光照射装置17,18,19,20を制御して、画像を記録する。これにより、省エネルギーの観点からも優れた、高画質な画像を得ることができる。
【0049】
さらに、テストパターンTが、調整対象の光照射装置17,18,19,20及び当該光照射装置17,18,19,20に対応する記録ヘッド13,14,15,16と、調整対象の光照射装置17,18,19,20に隣接する光照射装置17,18,19,20及び当該光照射装置17,18,19,20に対応する記録ヘッド13,14,15,16との2組が活用されて作成されるので、テストパターンTは、混色する可能性の高い2つのインクで作成されることになる。したがって、使用者は、他の色に紛らわされることなく、光エネルギーの設定値を容易に判断することができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。例えば、本実施形態では、テストパターンが、調整対象の光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドと、調整対象の光照射装置の下流側に隣接する光照射装置及び当該光照射装置に対応する記録ヘッドとの2組が活用されて作成されているが、3組以上を活用させてテストパターンを作成してもよい。こうした場合、1つのテストパターンで複数の光照射装置を調整することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各記録ヘッドから吐出されたインクに対して、着弾直後に光を照射することができ、着弾後のインクは、次の記録ヘッドからインクが吐出される以前に、硬化されることになる。したがって、各色毎のインクが混ざることを防止できる。
また、各記録ヘッドと各記録ヘッドに対応する各光照射装置との間隔を、一定にしておけば、着弾から光照射装置により光が照射されるまでの時間を各記録ヘッド毎に一定にすることができ、ドット径がばらつくことを防止できる。
【0052】
また、制御装置の制御によって、光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンが記録媒体上に作成されるので、使用者は、テストパターンの作成結果に基づいて、最も画像記録に適した光エネルギーの設定値を判断できる。そして、使用者が判断した設定値を操作部に入力すれば、制御装置はその入力結果に基づいて複数の光照射装置を制御して、画像を記録する。これにより、省エネルギーの観点からも優れた、高画質な画像を得ることができる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、テストパターンは、混色する可能性の高い2つのインクを少なくとも含んで作成されることになる。したがって、使用者は、混色する可能性の高い2つのインクからなる部分を判断材料にすることにより、混色することを極力抑えることのできる光エネルギーの設定値を判断できる。特に、上記した2組の光照射装置及び記録ヘッドでテストパターンを作成すると、他の色に紛らわされることなく、光エネルギーの設定値を容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における画像記録装置の概略構成を表す概略図である。
【図2】図1の画像記録装置の主制御部分を表すブロック図である。
【図3】図1の画像記録装置で作成されたテストパターンの拡大図である。
【図4】図3のテストパターンが変形した状態を表す拡大図である。
【図5】図2の画像形成部の構成を表すブロック図である。
【図6】図3のテストパターンが複数配列された一覧を表す説明図である。
【符号の説明】
1 画像記録装置
2 記録媒体
4 搬送装置
13,14,15,16 記録ヘッド
17,18,19,20 光照射装置
T,T1,T2,T3,T4,T5 テストパターン
Claims (2)
- 記録媒体に向かって光硬化性のインクを吐出する複数の記録ヘッドと、
前記記録媒体を前記記録ヘッドに対向するように搬送する搬送装置と、
前記記録媒体に着弾した前記インクに対して光を照射し、前記インクを硬化させる複数の光照射装置と、
前記光照射装置の光エネルギーの設定値を入力できる操作部と、
前記操作部からの入力結果に基づいて前記複数の光照射装置を制御するとともに、前記記録ヘッド、前記搬送装置を制御する制御装置とを備え、
前記複数の記録ヘッドは、前記搬送装置による前記記録媒体の搬送方向に沿って配列され、
前記複数の光照射装置のそれぞれは、前記複数の記録ヘッドのそれぞれに対応するように、前記複数の記録ヘッドのそれぞれにおける前記搬送方向の下流側に配置され、
前記制御装置は、前記光照射装置の光エネルギーが適正であるか否かを判断するためのテストパターンを、前記光照射装置、前記記録ヘッド及び前記搬送装置を制御して前記記録媒体上に作成させることを特徴とする画像記録装置。 - 請求項1記載の画像記録装置において、
前記制御装置は、調整対象の前記光照射装置及び当該光照射装置に対応する前記記録ヘッドと、前記調整対象の前記光照射装置に隣接する前記光照射装置及び当該光照射装置に対応する前記記録ヘッドとの少なくとも2組を活用することにより、前記テストパターンを作成させることを特徴とする画像記録装置。
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2003
- 2003-03-19 JP JP2003074901A patent/JP2004276556A/ja active Pending
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