JP2004268380A - 解繊繊維表面層を有する発泡チップ製品の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合成樹脂発泡体の廃棄物と解繊製品の廃棄物である反毛品を使用し、軽量で、成形性がよく、表面剛性が高く、断熱および遮音特性等の優れた特性を有する製品の製法を提案する。
【解決手段】軟質または半軟質の合成樹脂発泡体のチップをウレタン系接着剤を介して圧縮固化した発泡チップ本体層20と、解繊された反毛繊維をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した解繊繊維表面層31を含み、前記本体層と表面層が一体に所定形状に成形されてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】軟質または半軟質の合成樹脂発泡体のチップをウレタン系接着剤を介して圧縮固化した発泡チップ本体層20と、解繊された反毛繊維をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した解繊繊維表面層31を含み、前記本体層と表面層が一体に所定形状に成形されてなる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は解繊繊維表面層を有する発泡チップ製品の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばポリウレタン成形分野では、その発泡品の廃棄物である廃棄ポリウレタンを再利用することが行われている。一般にポリウレタン発泡品はイソシアネートの架橋反応によって成形されたものであるから、これを再びポリウレタン材料としてリサイクル利用することは困難である。そこで、従来からポリウレタン廃棄物を破砕したチップを適宜の接合剤と混合して所定形状に成形することが提案されている。この一つとして、椅子やマットレス等のクッション材に用いられるクッションパッド製品が知られている。
【0003】
一方、繊維製品の廃棄物についても、これを反毛機によって解繊し綿状とした反毛品を適宜の接合剤とともに所定形状に成形してフェルト状物を得ることが行われている。
【0004】
ところで、これらの合成樹脂発泡チップや反毛品はそれぞれ単独で再利用されているので、その用途としても、それぞれクッション体やフェルト状物に限られているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、これらの合成樹脂発泡体の廃棄物と繊維製品の廃棄物である反毛品を組合わせて使用することによって、軽量でしかも表面剛性が高く、かつ断熱および遮音・吸音特性等の特性に優れた製品の製法を提案しようとするものである。特に、この発明では、解繊繊維と接着剤とを効果的に効率よく混合することができる製法を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップをウレタン系接着剤を塗布し混合して発泡チップ本体材を得る工程と、解繊繊維の塊状体を第1解繊機によって予備ほぐしし、前記予備ほぐしされた解繊繊維を混合機内に導入してこれにウレタン系接着剤を塗布しつつ混合し、前記混合工程によって接着剤を塗布された解繊繊維をさらに第2解繊機によってほぐし解繊繊維にウレタン系接着剤をからませることによって、解繊された反毛繊維にウレタン系接着剤を塗布し混合して解繊繊維表面材を得る工程と、前記発泡チップ本体材と解繊繊維表面材をプレス型内に積層配置し、これらに水分と熱を導入して前記ウレタン系接着剤を反応させつつ所定形状に一体にプレス成形する工程とを含むことを特徴とする解繊繊維層を有する発泡チップ製品の製法に係る。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1において、前記プレス成形工程で必要な表皮材または裏打材と一体にプレス成形する解繊繊維層を有する発泡チップ製品の製法に係る。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明によって得られた製品の一例である自動車用床マット製品の一部斜視図、図2は前記自動車用床マット製品の製造工程を示す流れ図である。
【0009】
この発明に係る発泡チップ製品10は、図1に例示した自動車用床マット製品Mのように、軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップ21をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した発泡チップ本体層20と、解繊された反毛繊維31をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した解繊繊維表面層30を含み、前記本体層20と表面層30が一体に所定形状に成形されたものである。
【0010】
図1に図示の自動車用床マット製品Mは車室の床板等に載置されるもので、上面10A側が平坦な解繊繊維表面層30よりなり、下面側10Bが発泡チップ本体層20よりなり、この発泡チップ本体層20には車室床板の凹凸に合致する凹凸部25が形成されている。上面10A側の平坦な解繊繊維表面層30は解繊された反毛繊維31が圧縮固化された緻密な層で、軽量であるが堅い剛性を有している。この例ではこの解繊繊維表面層30は厚みが2ないし10mmで、比重は概ね0.1ないし0.4である。また、発泡チップ本体層20は軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップ21が圧縮固化された硬化層で軽量でかつ弾性を有している。この例ではこの発泡チップ本体層20は厚みが10ないし50mmで、比重は圧縮成形部分によって異なるが、概ね0.05ないし0.15で、平均では0.1前後である。
【0011】
この発泡チップ製品10は、上のように、軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップ21をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した発泡チップ本体層20と、解繊された反毛繊維31をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した解繊繊維表面層30との積層構造よりなるものであるから、次のような製品特性を有する。
a.表面層が細い反毛繊維の圧縮固化された緻密な層からなるので、剛性があり、強靱で、保形性が高く、局部的に大きな荷重がかかっても容易に変形せず、かつ復元性が高い。
b.表面層が細かい反毛繊維の圧縮固化された緻密な層からなるので、熱や音を遮断する。
c.一方、本体層が軟質または半硬質の合成樹脂発泡体チップの圧縮固化された層からなるので、弾性(クッション性)がある。
d.本体層が軟質または半硬質の合成樹脂発泡体チップの圧縮固化された層からなり微細な空気層が介在されるので、熱や音を吸収する。
e.本体層が軟質または半硬質の合成樹脂発泡体チップより構成されるので、成形性がよい。
f.上のaないしeの組合わせによって、成形性がよく、表面剛性が高く、断熱および遮音・吸音特性に優れた製品を得ることができる。
【0012】
次に、上記した発泡チップ製品の製法を図2に従って説明する。この製法は、発泡チップ本体材を得る工程と、解繊繊維表面材を得る工程と、前記発泡チップ本体材と解繊繊維表面材を所定形状に一体にプレス成形する工程とを含む。
【0013】
まず、発泡チップ本体材について説明すると、この発泡体チップ本体材は発泡ウレタン等の軟質または半硬質の合成樹脂発泡体の廃棄物チップを原料とする。ポリウレタン成形分野等で排出された廃棄ポリウレタンフォームは、ドラムチッパやカッタ等の破砕機によって、概略5ないし20mm程度の小片(チップ)に破砕される。チップ形状としては破砕工程の相違によって長細形状とか略球形状のものがある。また、合成樹脂の発泡体は軟質のものと半硬質のものとを混合使用して、適度な硬度とすることができる。実施例での混合比率は軟質50%、半硬質50%である。
【0014】
上記発泡チップ本体材は計量の上、所定量のウレタン系接着剤と混合される。この混合に際しては、ミキサー等の内部でウレタン系接着剤を噴霧しながら攪拌することが好ましい。
【0015】
次に、解繊繊維表面材について説明すると、従来から繊維製品の廃棄物を反毛機によって解繊し綿状の反毛品とすることが行われているが、この解繊された反毛繊維が使用される。そして、この反毛繊維と接着剤が混合されるのであるが、微細な繊維の綿状の塊状物に対して液状ないし霧状の接着剤を塗布、塗着することは容易でない。しかしながら、この反毛繊維への接着剤の塗布が有効になされないと、成形後に繊維層表面が毛羽立ってばさついたりあるいは繊維束が抜けたりして商品価値を大きく損ねる。そこで、次の混合方法が提案される。
【0016】
すなわち、反毛繊維と接着剤の混合に先立って、所定量に計量された解繊繊維の塊状体を第1解繊機によって予備ほぐしが行われる。この接着剤混合の直前に予備ほぐしを行うことによって、輸送あるいは保管等によって圧縮されからまり合っていた解繊繊維をばらけさせ、接着剤の塗布空間を大きくとることができ、後の接着剤塗着が効果的かつ効率よくできるようになる。この予備ほぐしは、解繊工程に使用されるところの、多数の爪部を有する解繊ドラムからなる解繊機が有効に使用される。
【0017】
予備ほぐし工程によってほぐされた解繊繊維は、次いで、ミキサー等の混合機内に導入され、ここで噴霧されるウレタン系接着剤と混合攪拌される。
【0018】
前記接着剤の混合工程後、接着剤が塗布された解繊繊維は、さらに、第2解繊機にかけられてほぐされる。この工程によって、解繊繊維表面に付着した接着剤が十分になじみ、からまされる。このからみ工程においても、前記した多数の爪部を有する解繊ドラムからなる解繊機が有効に使用される。上のような接着剤混合工程を経て各繊維の表面に接着剤が塗着された解繊繊維表面材は、所定量を秤量した後、プレス成形工程へ送られる。
【0019】
プレス成形工程では、前記工程でウレタン系接着剤が塗布された所定量の発泡体チップ本体材および解繊繊維表面材が、プレス成形型内に積層配置されてプレス成形される。この工程では、各材料に塗布されたウレタン系接着剤が反応するに十分な水分と熱が付与される。実施例では、図示しないが、下型に蒸気噴出孔が形成されていて、上型による圧縮成形とともに該蒸気によってウレタン系接着剤が反応硬化するようになっている。下型から噴出される蒸気は型内の発泡体チップ本体材および解繊繊維表面材に十分行き渡って、所定の硬化時間経過とともに所定形状に一体に固化成形される。なお、発泡体チップ本体材と解繊繊維表面材の積層比率および圧縮率は、成形される製品の性質、物性によって適宜決定されることはいうまでもない。
【0020】
なお、このプレス成形に際しては、製品に用いられる表皮材または裏打材と一体成形することが可能である。これらの表皮材または裏打材は、特に接着剤を必要とすることなく、しかも効率よく所定の形状に一体に付着形成される。プレス成形後、脱型された成形品は、必要な仕上げ工程を経て製品となる。
【0021】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明にあっては、合成樹脂発泡体の廃棄物と繊維製品の廃棄物である反毛品を使用し、軽量で、成形性がよく、表面剛性が高く、断熱および遮音・吸音特性等の優れた特性を備えた解繊繊維表面層を有する発泡チップ製品を簡単かつ容易に効率よく製造することができる。特に、この発明によれば、製品の品質に大きな影響を与える解繊繊維と接着剤の混合を効果的かつ効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によって得られた製品の一例である自動車用床マット製品の一部斜視図である。
【図2】図1の自動車用床マット製品の製造工程を示す流れ図である。
【符号の説明】
10 発泡チップ製品
20 発泡チップ本体層
21 発泡チップ本体材
30 解繊繊維表面層
31 解繊繊維表面材
【発明の属する技術分野】
この発明は解繊繊維表面層を有する発泡チップ製品の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばポリウレタン成形分野では、その発泡品の廃棄物である廃棄ポリウレタンを再利用することが行われている。一般にポリウレタン発泡品はイソシアネートの架橋反応によって成形されたものであるから、これを再びポリウレタン材料としてリサイクル利用することは困難である。そこで、従来からポリウレタン廃棄物を破砕したチップを適宜の接合剤と混合して所定形状に成形することが提案されている。この一つとして、椅子やマットレス等のクッション材に用いられるクッションパッド製品が知られている。
【0003】
一方、繊維製品の廃棄物についても、これを反毛機によって解繊し綿状とした反毛品を適宜の接合剤とともに所定形状に成形してフェルト状物を得ることが行われている。
【0004】
ところで、これらの合成樹脂発泡チップや反毛品はそれぞれ単独で再利用されているので、その用途としても、それぞれクッション体やフェルト状物に限られているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、これらの合成樹脂発泡体の廃棄物と繊維製品の廃棄物である反毛品を組合わせて使用することによって、軽量でしかも表面剛性が高く、かつ断熱および遮音・吸音特性等の特性に優れた製品の製法を提案しようとするものである。特に、この発明では、解繊繊維と接着剤とを効果的に効率よく混合することができる製法を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップをウレタン系接着剤を塗布し混合して発泡チップ本体材を得る工程と、解繊繊維の塊状体を第1解繊機によって予備ほぐしし、前記予備ほぐしされた解繊繊維を混合機内に導入してこれにウレタン系接着剤を塗布しつつ混合し、前記混合工程によって接着剤を塗布された解繊繊維をさらに第2解繊機によってほぐし解繊繊維にウレタン系接着剤をからませることによって、解繊された反毛繊維にウレタン系接着剤を塗布し混合して解繊繊維表面材を得る工程と、前記発泡チップ本体材と解繊繊維表面材をプレス型内に積層配置し、これらに水分と熱を導入して前記ウレタン系接着剤を反応させつつ所定形状に一体にプレス成形する工程とを含むことを特徴とする解繊繊維層を有する発泡チップ製品の製法に係る。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1において、前記プレス成形工程で必要な表皮材または裏打材と一体にプレス成形する解繊繊維層を有する発泡チップ製品の製法に係る。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明によって得られた製品の一例である自動車用床マット製品の一部斜視図、図2は前記自動車用床マット製品の製造工程を示す流れ図である。
【0009】
この発明に係る発泡チップ製品10は、図1に例示した自動車用床マット製品Mのように、軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップ21をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した発泡チップ本体層20と、解繊された反毛繊維31をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した解繊繊維表面層30を含み、前記本体層20と表面層30が一体に所定形状に成形されたものである。
【0010】
図1に図示の自動車用床マット製品Mは車室の床板等に載置されるもので、上面10A側が平坦な解繊繊維表面層30よりなり、下面側10Bが発泡チップ本体層20よりなり、この発泡チップ本体層20には車室床板の凹凸に合致する凹凸部25が形成されている。上面10A側の平坦な解繊繊維表面層30は解繊された反毛繊維31が圧縮固化された緻密な層で、軽量であるが堅い剛性を有している。この例ではこの解繊繊維表面層30は厚みが2ないし10mmで、比重は概ね0.1ないし0.4である。また、発泡チップ本体層20は軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップ21が圧縮固化された硬化層で軽量でかつ弾性を有している。この例ではこの発泡チップ本体層20は厚みが10ないし50mmで、比重は圧縮成形部分によって異なるが、概ね0.05ないし0.15で、平均では0.1前後である。
【0011】
この発泡チップ製品10は、上のように、軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップ21をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した発泡チップ本体層20と、解繊された反毛繊維31をウレタン系接着剤を介して圧縮固化した解繊繊維表面層30との積層構造よりなるものであるから、次のような製品特性を有する。
a.表面層が細い反毛繊維の圧縮固化された緻密な層からなるので、剛性があり、強靱で、保形性が高く、局部的に大きな荷重がかかっても容易に変形せず、かつ復元性が高い。
b.表面層が細かい反毛繊維の圧縮固化された緻密な層からなるので、熱や音を遮断する。
c.一方、本体層が軟質または半硬質の合成樹脂発泡体チップの圧縮固化された層からなるので、弾性(クッション性)がある。
d.本体層が軟質または半硬質の合成樹脂発泡体チップの圧縮固化された層からなり微細な空気層が介在されるので、熱や音を吸収する。
e.本体層が軟質または半硬質の合成樹脂発泡体チップより構成されるので、成形性がよい。
f.上のaないしeの組合わせによって、成形性がよく、表面剛性が高く、断熱および遮音・吸音特性に優れた製品を得ることができる。
【0012】
次に、上記した発泡チップ製品の製法を図2に従って説明する。この製法は、発泡チップ本体材を得る工程と、解繊繊維表面材を得る工程と、前記発泡チップ本体材と解繊繊維表面材を所定形状に一体にプレス成形する工程とを含む。
【0013】
まず、発泡チップ本体材について説明すると、この発泡体チップ本体材は発泡ウレタン等の軟質または半硬質の合成樹脂発泡体の廃棄物チップを原料とする。ポリウレタン成形分野等で排出された廃棄ポリウレタンフォームは、ドラムチッパやカッタ等の破砕機によって、概略5ないし20mm程度の小片(チップ)に破砕される。チップ形状としては破砕工程の相違によって長細形状とか略球形状のものがある。また、合成樹脂の発泡体は軟質のものと半硬質のものとを混合使用して、適度な硬度とすることができる。実施例での混合比率は軟質50%、半硬質50%である。
【0014】
上記発泡チップ本体材は計量の上、所定量のウレタン系接着剤と混合される。この混合に際しては、ミキサー等の内部でウレタン系接着剤を噴霧しながら攪拌することが好ましい。
【0015】
次に、解繊繊維表面材について説明すると、従来から繊維製品の廃棄物を反毛機によって解繊し綿状の反毛品とすることが行われているが、この解繊された反毛繊維が使用される。そして、この反毛繊維と接着剤が混合されるのであるが、微細な繊維の綿状の塊状物に対して液状ないし霧状の接着剤を塗布、塗着することは容易でない。しかしながら、この反毛繊維への接着剤の塗布が有効になされないと、成形後に繊維層表面が毛羽立ってばさついたりあるいは繊維束が抜けたりして商品価値を大きく損ねる。そこで、次の混合方法が提案される。
【0016】
すなわち、反毛繊維と接着剤の混合に先立って、所定量に計量された解繊繊維の塊状体を第1解繊機によって予備ほぐしが行われる。この接着剤混合の直前に予備ほぐしを行うことによって、輸送あるいは保管等によって圧縮されからまり合っていた解繊繊維をばらけさせ、接着剤の塗布空間を大きくとることができ、後の接着剤塗着が効果的かつ効率よくできるようになる。この予備ほぐしは、解繊工程に使用されるところの、多数の爪部を有する解繊ドラムからなる解繊機が有効に使用される。
【0017】
予備ほぐし工程によってほぐされた解繊繊維は、次いで、ミキサー等の混合機内に導入され、ここで噴霧されるウレタン系接着剤と混合攪拌される。
【0018】
前記接着剤の混合工程後、接着剤が塗布された解繊繊維は、さらに、第2解繊機にかけられてほぐされる。この工程によって、解繊繊維表面に付着した接着剤が十分になじみ、からまされる。このからみ工程においても、前記した多数の爪部を有する解繊ドラムからなる解繊機が有効に使用される。上のような接着剤混合工程を経て各繊維の表面に接着剤が塗着された解繊繊維表面材は、所定量を秤量した後、プレス成形工程へ送られる。
【0019】
プレス成形工程では、前記工程でウレタン系接着剤が塗布された所定量の発泡体チップ本体材および解繊繊維表面材が、プレス成形型内に積層配置されてプレス成形される。この工程では、各材料に塗布されたウレタン系接着剤が反応するに十分な水分と熱が付与される。実施例では、図示しないが、下型に蒸気噴出孔が形成されていて、上型による圧縮成形とともに該蒸気によってウレタン系接着剤が反応硬化するようになっている。下型から噴出される蒸気は型内の発泡体チップ本体材および解繊繊維表面材に十分行き渡って、所定の硬化時間経過とともに所定形状に一体に固化成形される。なお、発泡体チップ本体材と解繊繊維表面材の積層比率および圧縮率は、成形される製品の性質、物性によって適宜決定されることはいうまでもない。
【0020】
なお、このプレス成形に際しては、製品に用いられる表皮材または裏打材と一体成形することが可能である。これらの表皮材または裏打材は、特に接着剤を必要とすることなく、しかも効率よく所定の形状に一体に付着形成される。プレス成形後、脱型された成形品は、必要な仕上げ工程を経て製品となる。
【0021】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明にあっては、合成樹脂発泡体の廃棄物と繊維製品の廃棄物である反毛品を使用し、軽量で、成形性がよく、表面剛性が高く、断熱および遮音・吸音特性等の優れた特性を備えた解繊繊維表面層を有する発泡チップ製品を簡単かつ容易に効率よく製造することができる。特に、この発明によれば、製品の品質に大きな影響を与える解繊繊維と接着剤の混合を効果的かつ効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によって得られた製品の一例である自動車用床マット製品の一部斜視図である。
【図2】図1の自動車用床マット製品の製造工程を示す流れ図である。
【符号の説明】
10 発泡チップ製品
20 発泡チップ本体層
21 発泡チップ本体材
30 解繊繊維表面層
31 解繊繊維表面材
Claims (2)
- 軟質または半硬質の合成樹脂発泡体のチップをウレタン系接着剤を塗布し混合して発泡チップ本体材を得る工程と、
解繊繊維の塊状体を第1解繊機によって予備ほぐしし、前記予備ほぐしされた解繊繊維を混合機内に導入してこれにウレタン系接着剤を塗布しつつ混合し、前記混合工程によって接着剤を塗布された解繊繊維をさらに第2解繊機によってほぐし解繊繊維にウレタン系接着剤をからませることによって、解繊された反毛繊維にウレタン系接着剤を塗布し混合して解繊繊維表面材を得る工程と、
前記発泡チップ本体材と解繊繊維表面材をプレス型内に積層配置し、これらに水分と熱を導入して前記ウレタン系接着剤を反応させつつ所定形状に一体にプレス成形する工程
とを含むことを特徴とする解繊繊維層を有する発泡チップ製品の製法。 - 請求項1において、前記プレス成形工程で必要な表皮材または裏打材と一体にプレス成形する解繊繊維層を有する発泡チップ製品の製法。
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JP2003061362A JP2004268380A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 解繊繊維表面層を有する発泡チップ製品の製法 |
CNA031077323A CN1526544A (zh) | 2003-03-07 | 2003-03-31 | 具有开松纤维表面层的泡沫碎片制品的制造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008023954A (ja) * | 2006-07-25 | 2008-02-07 | Ee T Giken Kk | 発泡体を含む繊維成形体の製造方法 |
CN103448340A (zh) * | 2012-05-29 | 2013-12-18 | 凯力实业股份有限公司 | 利用可回收的边料或废材制作环保基材的方法 |
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2003
- 2003-03-07 JP JP2003061362A patent/JP2004268380A/ja active Pending
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CN103448340A (zh) * | 2012-05-29 | 2013-12-18 | 凯力实业股份有限公司 | 利用可回收的边料或废材制作环保基材的方法 |
CN103448340B (zh) * | 2012-05-29 | 2015-09-30 | 凯力实业股份有限公司 | 利用可回收的边料或废材制作环保基材的方法 |
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CN1526544A (zh) | 2004-09-08 |
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