JP2004268358A - 液体噴射間隔切換装置、液体噴射間隔自動切換制御装置、液体噴射間隔自動切換制御プログラム - Google Patents

液体噴射間隔切換装置、液体噴射間隔自動切換制御装置、液体噴射間隔自動切換制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】キャリッジ内で液体噴射ヘッドと被噴射材との間隔を切り換えることが可能なキャリッジを備えた液体噴射装置において、液体噴射間隔の自動切換制御を実現する。
【解決手段】印刷指令に印刷PGモードが指定されているか否かを判定する(ステップS1)。印刷PGモードが指定されていれば、PCカウンタのカウント値が不定値か否かを判定する(ステップS3)。PCカウンタのカウント値が不定値ならば、AUTOPGリセットシーケンスを実行する(ステップS4)。PCカウンタのカウント値が不定値でない場合には、印刷PGモードの値がPCカウンタのカウント値と一致しているか否かを判定する(ステップS5)。印刷PGモードの値がPCカウンタのカウント値と一致していない場合には、一致するまでAUTOPG切換シーケンスを実行してPGを切り換える(ステップS6)。
【選択図】 図32

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載し、所定の走査方向に往復動可能に支持されたキャリッジ、及び該キャリッジを備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
ここで、液体噴射装置とは、記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0003】
【従来の技術】
被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを被噴射材に対して相対的に走査させながら液体を噴射する液体噴射装置において、液体噴射ヘッドを被噴射材に対して相対的に走査させる手段として、液体噴射ヘッドの走査方向と平行に液体噴射装置本体に支持されたガイド軸に軸支されて、所定の走査方向に往復動可能に配設されるキャリッジを備えた液体噴射装置が公知である。このような液体噴射装置は、液体噴射ヘッドのヘッド面と被噴射材との間隔(液体噴射間隔)を所定の間隔に切り換えたり調節したりする手段として、液体噴射装置本体に対してキャリッジを軸支しているガイド軸を変位させる手段を、ガイド軸の両端を支持している液体噴射装置本体側に設けたものが一般的であり、例えば、ガイド軸の両端を偏心ブッシュによる偏心回転機構を有する支持手段にてガイド軸の両端を支持したインクジェット式記録装置等の記録装置が公知である(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
しかし、キャリッジを軸支しているガイド軸を変位させる構造であることによって、キャリッジをより高精度に軸支することが難しくなる。これは、ガイド軸を変位させる機構を介してガイド軸が軸支されているので、ガイド軸を変位させる機構の誤差やがたつき等の要素が、キャリッジに搭載されている液体噴射ヘッドの平行度や液体噴射間隔に影響してしまうためである。また、ガイド軸の両端のみでガイド軸を支持すると、軸支しているキャリッジの重量でガイド軸が撓んでしまう。そのため、ガイド軸の両端近傍における液体噴射間隔に対して中央近傍における液体噴射間隔が短くなって液体噴射間隔が一定にならず、液体噴射精度が低下してしまうという問題が生じ、このような現象は、特に液体噴射装置が大型でガイド軸が長くなるほど顕著になる。ガイド軸の中央近傍も液体噴射装置本体に支持すれば、キャリッジの重量によるガイド軸の撓みを防止することができるが、ガイド軸の支持手段を両端と中央近傍の3カ所で支持する構造にすると、ガイド軸を変位させる機構が大型で複雑なものになり、高精度に液体噴射ヘッドの平行度を維持しつつ正確な変位量で変位させて液体噴射間隔の切り換えや調節を行うことを可能にするのは極めて困難であり現実的とは言えない。
【0005】
そこで、このような課題を解決した従来技術の一例としては、ガイド軸を液体噴射装置に固定支持し、液体噴射ヘッドを変位させる手段をキャリッジ内に設けたものが公知である(例えば特許文献4、特許文献5参照)。ガイド軸を変位させないでキャリッジ内で液体噴射ヘッドを変位させるので、ガイド軸を液体噴射装置本体に高い精度で強固に固定支持させることができる。したがって、ガイド軸の撓みやがたつき等を極めて小さくすることができ、それによって、液体噴射ヘッドの平行度や液体噴射間隔を高い精度で一定にすることができるので、高精度な液体噴射が可能になる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−211748号公報
【特許文献2】
特開2002−36660号公報
【特許文献3】
特開2002−127543号公報
【特許文献4】
特開2001−158147号公報
【特許文献5】
特開2001−158148号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、特許文献4及び特許文献5に開示されているキャリッジは、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)を回転軸で軸支し、その回転軸を偏心回転機構で軸支し、その偏心回転機構で回転軸を偏心回転させることで回転軸を被噴射面と直交方向に変位させて記録ヘッドを変位させる構成を成している。つまり、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されているキャリッジを軸支しているガイド軸を変位させる機構をキャリッジ内に設けたような構造である。このような特許文献4及び特許文献5に開示されている偏心回転機構による液体噴射ヘッドの変位機構は、例えば、液体噴射装置の製造時の調整過程において、液体噴射間隔を測定しながら液体噴射間隔の微調節を行って所定の液体噴射間隔に設定する際には大きな問題はない。
【0008】
しかし、偏心回転機構によって回転しながら変位するガイド軸の変位量が偏心回転機構の回転量によって決まる構造であることから、液体噴射装置の使用時に液体噴射間隔を被噴射材に応じて適宜切り換えるには、設定可能な液体噴射間隔毎に対応した正確な回転量で偏心回転機構を回転させる機構を設ける必要がある。また、キャリッジに設けた孔に偏心ブッシュ等の偏心部材を嵌合させ、その偏心部材に偏心して軸支されている支持軸に液体噴射ヘッドが軸支されているので、その孔の精度、偏心部材の精度、支持軸と偏心ブッシュとの係合部の精度等が、全て液体噴射間隔の切り換え精度に影響を及ぼすことになる。したがって、特許文献4及び特許文献5に開示されている液体噴射間隔の切換機構は、その構造上から低い精度で大幅な液体噴射間隔の切換は可能であっても、被噴射材の種別によって最適な液体噴射が可能な如く、極めて微少な液体噴射間隔の切換幅を設定して液体噴射間隔を高精度に切り換えることが極めて困難な構造であると言える。
【0009】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、キャリッジを往復動可能に支持するキャリッジ支持手段が固設されている液体噴射装置において、液体噴射ヘッドと被噴射材との間隔を高精度に切り換えることが可能なキャリッジを提供することにある。
【0010】
また、本願発明の課題は、キャリッジ内で液体噴射ヘッドと被噴射材との間隔を切り換えることが可能なキャリッジを備えた液体噴射装置において、液体噴射間隔の自動切換制御を実現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願発明の第1の態様は、所定の走査方向に往復動可能に支持されるメインキャリッジと、被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載したサブキャリッジと、該サブキャリッジを前記被噴射材の被噴射面に対して垂直方向に変位可能に前記メインキャリッジに支持し、前記サブキャリッジを変位させて前記液体噴射ヘッドのヘッド面と被噴射材の被噴射面との間隔を切り換える液体噴射間隔切換装置とを備え、前記サブキャリッジは、前記メインキャリッジに対して付勢手段を介したフローティング状態で、前記付勢手段の付勢力によって前記液体噴射間隔切換装置の一端に押圧されつつ前記メインキャリッジに支持されているキャリッジの前記液体噴射間隔切換装置であって、前記メインキャリッジ側に軸支され、前記サブキャリッジを支持する回転偏心カムと、揺動可能に前記メインキャリッジ側に軸支され、所定の方向に揺動して前記回転偏心カムを一回転方向に回転させる切換レバーと、前記回転偏心カムと一体に回転する如く配置され、複数の突起部が同心円上に形成された回転体とを有し、前記切換レバーを一方向に揺動させることで前記切換レバーの係合部が前記突起部と係合して前記回転体が一回転方向に回転し、前記係合部と係合している突起部の前記回転体の回転方向と反対方向直近に形成されている突起部に前記切換レバーの係止部が当接する回転位置まで前記回転体が回転した時点で、前記切換レバーが前記係合部に係合している突起部と前記係止部に当接している突起部との間に挟持されて一方向への前記切換レバーの揺動が規制されることによって、前記回転体の回転位置が規定されて前記回転偏心カムの回転位置が規定され、前記回転体に前記切換レバーの係止部が当接する回転位置まで前記回転体が回転した後、前記切換レバーを他揺動方向に揺動させると、前記係合部と係合している突起部の前記回転体の回転方向と反対方向直近に形成されている突起部と前記係合部とが係合した際に前記回転体が他回転方向に回転しない構成を成しており、前記回転体は、前記突起部が同心円上の隣の突起部との間隔が1カ所を除いて略等間隔となる如く形成されている、ことを特徴とした液体噴射間隔切換装置である。
【0012】
液体噴射ヘッドを搭載したサブキャリッジは、メインキャリッジに対して付勢手段によるフローティング状態であり、メインキャリッジに配設された液体噴射間隔切換装置がサブキャリッジを支持している。つまり、メインキャリッジに対してサブキャリッジが付勢手段を介して浮いた状態となっており、サブキャリッジは、その付勢手段の付勢力によってメインキャリッジに配設された液体噴射間隔切換装置の一端に押圧支持されており、液体噴射間隔切換装置は、被噴射面に対して垂直方向に変位可能にサブキャリッジを支持している。
【0013】
つまり、メインキャリッジとサブキャリッジとの間に液体噴射間隔切換装置が配置されており、サブキャリッジがその液体噴射間隔切換装置に押圧支持されているので、液体噴射間隔切換装置は、メインキャリッジとサブキャリッジとの間に付勢手段による付勢圧をもって挟持された状態で配設されていることになる。したがって、サブキャリッジの変位位置、すなわち液体噴射ヘッドの変位位置は、液体噴射間隔切換装置にて単純にメインキャリッジとサブキャリッジとの間隔を規定することによって設定されることになるので、メインキャリッジとサブキャリッジとの間隔を極めて単純な支持構造で切り換えるだけで良く、極めて微少な液体噴射間隔の切換幅を設定して液体噴射間隔を高精度に切り換えることが容易になる。
【0014】
これにより、本願発明の第1の態様に記載の液体噴射間隔切換装置によれば、極めて微少な液体噴射間隔の切換幅を設定して液体噴射間隔を高精度に切り換えることが容易になるので、キャリッジを往復動可能に軸支するガイド軸が固定支持されている液体噴射装置において、液体噴射ヘッドと被噴射材との間隔を高精度に切り換えることが可能になるという作用効果が得られる。
【0015】
また、液体噴射間隔切換装置は、メインキャリッジ側に軸支され、サブキャリッジを支持する回転偏心カム、及びその回転偏心カムを駆動する回転偏心カム駆動手段により構成されている。つまり、メインキャリッジとサブキャリッジとの間には、回転偏心カムのみが介在することになり、回転偏心カムの回転中心からサブキャリッジに当接している外周面までの長さが回転偏心カムの回転位置によって変化してサブキャリッジが変位することになる。したがって、液体噴射間隔切換装置によって設定される液体噴射間隔は、回転偏心カムの外形形状によって規定されることになるので、回転偏心カム駆動手段によって回転偏心カムを所定の回転角度で回転させ、回転偏心カムを回転中心から外周面までの長さを各回転位置に対応した液体噴射間隔となる長さに設定した外形形状とすることで、液体噴射間隔を容易にかつ高精度に切り換えることができる。
【0016】
さらに、液体噴射間隔切換装置は、回転偏心カムと一体に回転する回転体に形成された突起部が切換レバーの係合部と係合し、切換レバーの揺動によって回転体が回転して回転偏心カムが回転する。つまり、サブキャリッジの変位位地を規定する回転偏心カムの回転量は、回転体の回転量によって規定されることになり、回転体の回転量は、切換レバーの揺動幅によって規定されることになる。そして、揺動する切換レバーの係止部が係合部と係合している突起部の回転体の回転方向と反対方向直近に形成されている突起部に当接した時点で切換レバーは、係合部に係合している突起部と係止部に当接している突起部との間に挟持されて一方向への揺動が規制される。そのため、サブキャリッジの変位位置は、切換レバーの揺動を規制して切換レバーの揺動幅を規定する係止部によって規定されることになる。したがって、切換レバーの揺動幅が、回転偏心カムの回転位置が所望のサブキャリッジの変位位置を規定する回転位置となるような回転体の回転量となる如く、係止部が突起部に当接する切換レバーの揺動位置を設定することによって、液体噴射間隔切換装置による正確な液体噴射間隔の切換が可能になるとともに、次の液体噴射間隔の切換動作時に係合部と係合する突起部の位置を切換レバーの係止部によって直接規定して回転体の回転位置を規定することができるので、突起部の配置間隔で正確に回転体の回転位置を規定することができる。
【0017】
さらに、回転体を回転させて回転偏心カムを回転させる回転偏心カム駆動機構は、切換レバーが一方向に揺動する際には、回転体の突起部と係合して回転体を一回転方向に回転させ、切換レバーが他方向に揺動する際には、回転体に形成されている突起部と係合しても回転体が他回転方向に回転しないようになっているので、切換レバーの揺動動作によって回転偏心カムを一回転方向にのみ回転させて液体噴射間隔を切り換えることができる。
【0018】
さらに、回転体の同心円上に形成されている突起部が1カ所を除いて略等間隔に形成されていることによって、間隔が異なる突起部間における回転体の回転量が他の突起部間における回転体の回転量と異なることになり、それによって、回転体の突起部間の間隔で規定される切換レバーの揺動幅が異なることになる。したがって、回転体が一回転する間に切換レバーの揺動幅が異なる部分が1カ所存在することになり、その回転位置を基点として常に正確な回転体の回転位置を検出することができ、それによって、液体噴射間隔切換装置で設定されている液体噴射間隔を正確に検出することができる。
【0019】
本願発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記係合部は、前記切換レバーの揺動軸に向けて縮退可能に構成され、前記切換レバー内に縮設された付勢手段によって伸長方向に付勢されており、前記回転体に前記切換レバーの係止部が当接する回転位置まで前記回転体が回転した後、前記切換レバーを他揺動方向に揺動させると、前記係合部と係合している突起部の前記回転体の回転方向と反対方向直近に形成されている突起部と係合した際に縮退して前記回転体が他回転方向に回転しない構成を成している、ことを特徴とした液体噴射間隔切換装置である。
【0020】
このように、回転体を回転させて回転偏心カムを回転させる回転偏心カム駆動機構は、切換レバーが一方向に揺動する際に回転体の突起部と係合して回転体を一回転方向に回転させる係合部は、切換レバーが他方向に揺動して回転体に形成されている突起部と係合した際に縮退して回転体が他回転方向に回転させないようになっているので、切換レバーの揺動動作によって回転偏心カムを一回転方向にのみ回転させて液体噴射間隔を切り換えることができる。
【0021】
本願発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の液体噴射間隔切換装置を備えたキャリッジと、該キャリッジの往復動作領域に進出退避可能に配設されたトリガ部材とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジの駆動力源と前記トリガ部材を進出退避させる手段とを制御して前記液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の自動切換制御を実行する液体噴射間隔自動切換制御装置であって、前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域に進出させ、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動位置が規制される揺動位置まで前記キャリッジの往復動作領域に進出した状態の前記トリガ部材が前記切換レバーを揺動させるまで、前記キャリッジを移動させて前記回転偏心カムを前記突起部の間隔分だけ回転させる動作を繰り返すことによって、液体噴射間隔を前記突起部が形成されている間隔で段階的にサイクリックに切り換える液体噴射間隔自動切換制御手段と、該液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を切り換えた際に、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置が、1カ所だけ間隔が異なる前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置である場合に既定の液体噴射間隔であると判定する既定液体噴射間隔検出制御手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0022】
回転偏心カムを一回転方向に回転させる切換レバーをメインキャリッジに揺動可能に軸支して設け、キャリッジの往復動作領域に進出したトリガ部材によって切換レバーを押して揺動させることで回転偏心カムを回転させて液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換を行うことができる。そこで、まず、トリガ部材をキャリッジの往復動作領域に進出させる。次に、前述したように、切換レバーが突起部間に挟持されて揺動位置が規制される揺動位置までキャリッジの往復動作領域に進出した状態のトリガ部材が切換レバーを揺動させるまで、キャリッジを移動させ、回転偏心カムを突起部の間隔分だけ回転させる。この動作を繰り返すことによって、液体噴射間隔を突起部が形成されている間隔で段階的にサイクリックに切り換えることができる。
【0023】
また、液体噴射間隔を切り換えた際に、切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置が、1カ所だけ間隔が異なる突起部間に挟持された状態の切換レバーの揺動位置に対応した位置である場合に既定の液体噴射間隔であると判定する。つまり、1カ所だけ間隔が異なる突起部間に挟持された状態の切換レバーの揺動位置は、他の突起部間に教示された状態の切換レバーの揺動位置と異なるので、切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置が異なることになる。したがって、切換レバーが1カ所だけ間隔が異なる突起部間に挟持された状態をキャリッジの停止位置から検出することができ、その状態における液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔とし、既定の液体噴射間隔を基点として段階的にサイクリックに液体噴射間隔を切り換えることで、液体噴射間隔切換装置により設定されている液体噴射間隔を正確に検出することができる。
【0024】
これにより、本願発明の第3の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御装置によれば、切換レバーが1カ所だけ間隔が異なる突起部間に挟持された状態をキャリッジの停止位置から検出し、その状態における液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔とし、既定の液体噴射間隔を基点として段階的にサイクリックに液体噴射間隔を切り換えることができるので、液体噴射間隔切換装置により設定されている液体噴射間隔を正確に検出して、液体噴射間隔を所望の液体噴射間隔に正確に切り換えることができるという作用効果が得られる。
【0025】
本願発明の第4の態様は、前述した第3の態様において、既定の液体噴射間隔を検出している時点から前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって前記回転体が1回転するまで液体噴射間隔を切り換えて、再び既定の液体噴射間隔が検出された場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する液体噴射間隔切換動作確認制御手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0026】
既定の液体噴射間隔を検出している時点から液体噴射間隔自動切換制御手段によって回転体が1回転するまで液体噴射間隔を切り換えると、液体噴射間隔切換装置が正常に動作していれば、再び既定の液体噴射間隔が検出されるはずである。したがって、既定の液体噴射間隔を検出している時点から回転体が1回転するまで液体噴射間隔を切り換え、その時点で再び既定の液体噴射間隔が検出されれば、液体噴射間隔切換装置が正常に動作していると判定することができる。
【0027】
本願発明の第5の態様は、前述した第4の態様において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合にエラーとする手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0028】
前述したように、切換レバーをトリガ部材で揺動させるべくキャリッジを移動させた際のキャリッジの停止位置は、切換レバーの揺動幅によって決まることになり、切換レバーの揺動幅は、回転体に形成されている突起部の間隔によって規定される。そのため、切換レバーをトリガ部材で揺動させるべくキャリッジを移動させた際のキャリッジの停止位置は、回転体に形成されている突起部の間隔に対応した停止位置に限定されるはずである。したがって、キャリッジの停止位置がそれ以外の停止位置である場合には、液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換が正常に行われなかったとみなしてエラーとすることで、所望の液体噴射間隔と異なる液体噴射間隔に設定されてしまうことを防止することができる。
【0029】
本願発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合には、前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域からいったん退避させた後、再び前記キャリッジの往復動作領域に進出させてから前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを再度移動させる手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0030】
前述したように、切換レバーをトリガ部材で揺動させるべくキャリッジを移動させた際のキャリッジの停止位置は、切換レバーの揺動幅によって決まることになり、切換レバーの揺動幅は、回転体に形成されている突起部の間隔によって規定される。そのため、切換レバーをトリガ部材で揺動させるべくキャリッジを移動させた際のキャリッジの停止位置は、回転体に形成されている突起部の間隔に対応した停止位置に限定されるはずである。したがって、キャリッジの停止位置がそれ以外の停止位置である場合には、トリガ部材がキャリッジの往復動作領域に進出していない可能性があるので、トリガ部材をキャリッジの往復動作領域からいったん退避させた後、再びキャリッジの往復動作領域に進出させてから切換レバーをトリガ部材で揺動させるべくキャリッジを再度移動させる、つまり、液体噴射間隔の切換動作のリトライを行うことで、トリガ部材がキャリッジの往復動作領域に進出していない状態のまま液体噴射間隔が切り換えられない状態になってしまう虞をなくすことができる。
【0031】
本願発明の第7の態様は、前述した第5の態様又は第6の態様において、設定されている液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値記憶手段と、前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を切り換える度に前記液体噴射間隔設定値記憶手段にて記憶した前記回転体の回転位置を更新する液体噴射間隔設定値更新手段と、前記液体噴射間隔設定値記憶手段にて記憶した前記回転体の回転位置が不定である場合に、前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定し、既定の液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値初期化手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0032】
このように、設定されている液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置を記憶しておくことによって、設定されている液体噴射間隔を記憶しておくことができるので、記憶してある回転体の回転位置から液体噴射実行時に所望の液体噴射間隔に設定されているか否かを判定することができる。所望の液体噴射間隔に設定されていれば、そのまま被噴射材への液体噴射を実行し、所望の液体噴射間隔に設定されていなければ、液体噴射間隔の切換動作を実行して所望の液体噴射間隔に切り換えることになる。また、液体噴射間隔を切り換える度に記憶した回転体の回転位置を更新することによって、常に設定されている液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置が記憶されている状態を維持することができる。そして、記憶した回転体の回転位置が不定である場合には、既定の液体噴射間隔に対応した回転位置まで回転体を回転させて液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定し、その回転体の回転位置を既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置として記憶することによって、回転体の回転位置を正確に検出した状態で回転体の回転位置を記憶することができる。
【0033】
本願発明の第8の態様は、前述した第7の態様において、前記液体噴射間隔切換装置は、前記液体噴射間隔自動切換制御手段による液体噴射間隔の切換動作をn回繰り返すことで、前記回転体が1周する如く前記突起部が形成されており、液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置に1〜nの整数の回転位置番号が既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置を1として回転方向に順に付与されており、前記液体噴射間隔設定値記憶手段は、1〜nをサイクリックにカウントする回転位置カウンタであり、前記液体噴射間隔設定値更新手段は、前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を切り換える度に前記回転位置カウンタをカウントアップする手段を有し、前記液体噴射間隔設定値初期化手段は、既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置に対応した液体噴射間隔に設定された時点で前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0034】
このように、液体噴射間隔の切換動作をn回繰り返すことで、回転体が1周する如く突起部を形成し、液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置に1〜nの整数の回転位置番号を既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置を1として回転方向に順に付与する。そして、1〜nをサイクリックにカウントする回転位置カウンタで既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置から液体噴射間隔を切り換える度に回転位置カウンタをカウントアップすることによって、常に設定されている液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置に対応した回転位置番号が記憶されている状態を維持することができる。また、記憶した回転体の回転位置が不定である場合には、既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置まで回転体を回転させて液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定し、その回転体の回転位置で回転位置カウンタのカウント値を1にセットすることによって、回転体の回転位置を正確に検出した状態で回転体の回転位置を記憶することができる。
【0035】
本願発明の第9の態様は、前述した第8の態様において、前記液体噴射間隔自動切換制御手段は、前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とを照合する手段と、前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とが一致していない場合には、前記カウント値が一致するまで液体噴射間隔を切り換える手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0036】
このように、回転位置カウンタの現在のカウント値と設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とを照合することによって、液体噴射間隔が所望の液体噴射間隔に設定されているか否かを判定することができる。そして、回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とが一致していない場合には、カウント値が一致するまで液体噴射間隔を切り換えることによって、液体噴射間隔を所望の液体噴射間隔に設定することができる。
【0037】
本願発明の第10の態様は、前述した第8の態様又は第9の態様において、前記液体噴射間隔自動切換制御手段は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合には、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0038】
前述したように、液体噴射間隔切換装置は、液体噴射間隔の切換動作をn回繰り返すことで、回転体が1周する如く突起部が形成されており、液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置に1〜nの整数の回転位置番号が既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置を1として回転方向に順に付与されており、1〜nをサイクリックにカウントする回転位置カウンタは、液体噴射間隔を切り換える度にカウントアップされる。したがって、液体噴射間隔を切り換えた際に切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、液体噴射間隔切換後の回転位置カウンタのカウント値は1であり、液体噴射間隔切換前の回転位置カウンタのカウント値はnであったことになる。
【0039】
そこで、液体噴射間隔を切り換えた際に切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、液体噴射間隔切換前の回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合する。それによって、液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔に切り換えられる際に液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換動作が正常に行われたか否かを判定することができる。そして、液体噴射間隔切換前の回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合には、液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換が正常に行われなかったことになるので、前述した液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認することで、液体噴射間隔切換装置の異常をいち早く検出することができる。
【0040】
本願発明の第11の態様は、前述した第8の態様〜第10の態様のいずれかにおいて、前記液体噴射間隔自動切換制御手段は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合には、前記回転位置カウンタのカウント値を0にセットした後、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0041】
前述したように、液体噴射間隔切換装置は、液体噴射間隔の切換動作をn回繰り返すことで、回転体が1周する如く突起部が形成されており、液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置に1〜nの整数の回転位置番号が既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置を1として回転方向に順に付与されており、1〜nをサイクリックにカウントする回転位置カウンタは、液体噴射間隔を切り換える度にカウントアップされる。したがって、液体噴射間隔を切り換えた際に切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、液体噴射間隔切換後の回転位置カウンタのカウント値は1以外の値であり、液体噴射間隔切換前の回転位置カウンタのカウント値はn以外の値であったことになる。
【0042】
そこで、液体噴射間隔を切り換えた際に切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合する。それによって、液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔以外の液体噴射間隔に切り換えられる際に液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換動作が正常に行われたか否かを判定することができる。そして、切換前の回転位置カウンタのカウント値がnだった場合には、液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換が正常に行われなかったことになるので、回転位置カウンタのカウント値を0、つまり、1〜n以外の不定値にセットした後、前述した液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認することで、液体噴射間隔切換装置の異常をいち早く検出することができる。
【0043】
本願発明の第12の態様は、前述した第8の態様〜第11の態様のいずれかにおいて、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手段は、前記回転位置カウンタのカウント値が1以外の場合に前記液体噴射間隔設定値初期化手段によって、液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定して前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手段と、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合にエラーとする手段と、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合にエラーとし、nだった場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置である。
【0044】
このように、前述した液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって、液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する際には、まず、最初の回転位置カウンタのカウント値が1以外の場合には、そのカウント値は誤ったカウント値である可能性があるので、前述した液体噴射間隔設定値初期化手段によって、液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定して回転位置カウンタのカウント値を1にセットする。また、前述した液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する過程において、液体噴射間隔を切り換えた際に切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の回転位置カウンタのカウント値がnだった場合には、液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換動作が正常に行えていない可能性が高いので、その場合にエラーとすることによって所望の液体噴射間隔と異なる液体噴射間隔に誤設定された状態で液体噴射が実行されてしまうことを防止することができる。
【0045】
一方、前述した液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する過程において、液体噴射間隔を切り換えた際に切換レバーが突起部間に挟持されて揺動が規制された状態におけるキャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合には、液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換動作が正常に行えていない可能性が高いので、その場合にエラーとすることによって所望の液体噴射間隔と異なる液体噴射間隔に誤設定された状態で液体噴射が実行されてしまうことを防止することができる。そして、切換前の回転位置カウンタのカウント値がnだった場合には、液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の切換動作が正常に行えているとみなすことができるので、液体噴射切換装置が正常に動作していると判定することができる。
【0046】
本願発明の第13の態様は、前述した第3の態様〜第12の態様のいずれかに記載の液体噴射間隔自動切換制御装置を備えた液体噴射装置である。
本願発明の第13の態様に記載の液体噴射装置によれば、液体噴射装置において、前述した第3の態様〜第12の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
【0047】
本願発明の第14の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の液体噴射間隔切換装置を備えたキャリッジと、該キャリッジの往復動作領域に進出退避可能に配設されたトリガ部材とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジの駆動力源と前記トリガ部材を進出退避させる手段とを制御して前記液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の自動切換制御をコンピュータに実行させるための液体噴射間隔自動切換制御プログラムであって、前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域に進出させ、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動位置が規制される揺動位置まで前記キャリッジの往復動作領域に進出した状態の前記トリガ部材が前記切換レバーを揺動させるまで、前記キャリッジを移動させて前記回転偏心カムを前記突起部の間隔分だけ回転させる動作を繰り返すことによって、液体噴射間隔を前記突起部が形成されている間隔で段階的にサイクリックに切り換える液体噴射間隔自動切換制御手順と、該液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を切り換えた際に、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置が、1カ所だけ間隔が異なる前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置である場合に既定の液体噴射間隔であると判定する既定液体噴射間隔検出制御手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0048】
本願発明の第14の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第3の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第3の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0049】
本願発明の第15の態様は、前述した第14の態様において、既定の液体噴射間隔を検出している時点から前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって前記回転体が1回転するまで液体噴射間隔を切り換えて、再び既定の液体噴射間隔が検出された場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する液体噴射間隔切換動作確認制御手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0050】
本願発明の第15の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第4の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第4の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0051】
本願発明の第16の態様は、前述した第15の態様において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合にエラーとする手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0052】
本願発明の第16の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第5の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第5の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0053】
本願発明の第17の態様は、前述した第16の態様において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合には、前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域からいったん退避させた後、再び前記キャリッジの往復動作領域に進出させてから前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを再度移動させる手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0054】
本願発明の第17の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第6の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第6の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0055】
本願発明の第18の態様は、前述した第16の態様又は第17の態様において、設定されている液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値記憶手順と、前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を切り換える度に前記液体噴射間隔設定値記憶手順にて記憶した前記回転体の回転位置を更新する液体噴射間隔設定値更新手順と、前記液体噴射間隔設定値記憶手順にて記憶した前記回転体の回転位置が不定である場合に、前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定し、既定の液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値初期化手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0056】
本願発明の第18の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第7の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第7の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0057】
本願発明の第19の態様は、前述した第18の態様において、前記液体噴射間隔切換装置は、前記液体噴射間隔自動切換制御手順による液体噴射間隔の切換動作をn回繰り返すことで、前記回転体が1周する如く前記突起部が形成されており、液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置に1〜nの整数の回転位置番号が基準となる回転位置を1として回転方向に順に付与されており、前記液体噴射間隔設定値記憶手順は、1〜nをサイクリックにカウントする回転位置カウンタであり、前記液体噴射間隔設定値更新手順は、前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を切り換える度に前記回転位置カウンタをカウントアップする手順を有し、前記液体噴射間隔設定値初期化手順は、液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔に設定された時点で前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0058】
本願発明の第19の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第8の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第8の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0059】
本願発明の第20の態様は、前述した第19の態様において、前記液体噴射間隔自動切換制御手順は、前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とを照合する手順と、前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とが一致していない場合には、前記カウント値が一致するまで液体噴射間隔を切り換える手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0060】
本願発明の第20の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第9の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第9の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0061】
本願発明の第21の態様は、前述した第19の態様又は第20の態様において、前記液体噴射間隔自動切換制御手順は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合には、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手順によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0062】
本願発明の第21の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第10の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第10の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0063】
本願発明の第22の態様は、前述した第19の態様〜第21の態様のいずれかにおいて、前記液体噴射間隔自動切換制御手順は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合には、前記回転位置カウンタのカウント値を0にセットした後、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手順によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0064】
本願発明の第22の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第11の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第11の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0065】
本願発明の第23の態様は、前述した第19の態様〜第22の態様のいずれかにおいて、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手順は、前記回転位置カウンタのカウント値が1以外の場合に前記液体噴射間隔設定値初期化手順によって、液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定して前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手順と、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合にエラーとする手順と、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合にエラーとし、nだった場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラムである。
【0066】
本願発明の第23の態様に記載の液体噴射間隔自動切換制御プログラムによれば、前述した第12の態様に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、この液体噴射間隔自動切換制御プログラムを実行することができる任意の液体噴射装置に、前述した第12の態様に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本願発明に係る「液体噴射装置」としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
【0068】
図1は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の外観を示した斜視図である。また、図2は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示した概略側面図であり、図3は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部斜視図であり、図4は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部平面図である。図5は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の一部を拡大して示した要部斜視図であり、図6は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の一部を拡大して示した要部側面図であり、図7は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部側面図である。
【0069】
インクジェット式記録装置50は、普通紙等の印刷用紙Pを積重可能な給紙カセット7が前面に着脱可能に配設されており、給紙カセット7から給紙された印刷用紙Pに印刷が行われて排紙トレイ7aに印刷後の印刷用紙Pが排出される。給紙カセット7の内部には、給紙カセット7に積重された印刷用紙Pを自動給紙するための「自動給送手段」を構成するホッパー71が軸72を揺動軸として揺動可能に配設されている。給紙時には、縮設されたばね71aのばね力によってホッパー71が上方に揺動し、ホッパー71に積重されている印刷用紙Pの最上位の印刷用紙Pが給紙カセット7側に配設されているピックアップローラ73に押圧される。ピックアップローラ73の回転によって印刷用紙Pは、給紙カセット7から引き出され、インクジェット式記録装置50側に配設されている給紙ローラ74及びリバースローラ75に向けて給紙方向Aへ送り出される。
【0070】
インクジェット式記録装置50には、「自動給送手段」を構成する給紙ローラ74、リバースローラ75が配設されている。給紙ローラ74は、給紙駆動用モータ58の回転駆動力が伝達されて給紙回転方向AFに駆動回転する。リバースローラ75は、一定の回転抵抗を有する状態で従動回転可能に軸751に軸支されて給紙ローラ74へ押圧されており、軸751は、給紙駆動用モータ58の回転駆動力が伝達されて紙戻し回転方向RRに駆動回転する。ピックアップローラ73の回転によって給紙カセット7から引き出された印刷用紙Pは、リバースローラ75と給紙ローラ74との間に挟持された状態で給紙ローラ74の給紙回転方向AFへの駆動回転により搬送駆動ローラ51及び搬送従動ローラ52へ向けて給紙される。
【0071】
リバースローラ75は、紙戻し回転方向RRに駆動回転する軸751に一定の回転抵抗を有する状態で従動回転可能に軸支されている。この回転抵抗は、給紙ローラ74の周面の摩擦抵抗より小さく、かつ重なった印刷用紙P同士の摩擦抵抗より大きい抵抗に設定されている。即ち、給紙ローラ74と印刷用紙Pとの間の摩擦係数をμ1、印刷用紙P間の摩擦係数をμ2、印刷用紙Pとリバースローラ75との間の摩擦係数をμ3とすると、μ1>μ3>μ2の関係が成立するように、給紙ローラ74及びリバースローラ75の外周面を形成する高摩擦材が選定されている。
【0072】
したがって、給紙ローラ74とリバースローラ75との間に複数の印刷用紙Pが挟持されている状態では、最上位の印刷用紙Pのみが給紙ローラ74の周面に接した状態で給紙ローラ74の駆動回転によって給紙される。リバースローラ75の従動回転抵抗が重なった印刷用紙P同士の摩擦抵抗より大きいので、軸751の駆動回転(紙戻し回転方向RR)によってリバースローラ75が紙戻し回転方向RRに回転し、最上位の印刷用紙P以外の印刷用紙Pは、リバースローラ75の紙戻し回転方向RRへの回転によって給紙カセット7に戻される。そして、給紙ローラ74とリバースローラ75との間に挟持されている印刷用紙Pが1枚だけになると、リバースローラ75の従動回転抵抗より給紙ローラ74周面の摩擦抵抗の方が大きいので、リバースローラ75は、給紙ローラ74によって給紙される印刷用紙Pに接した状態で給紙従動回転方向RFへ従動回転する。このようにして、給紙ローラ74と重送しようとする印刷用紙Pを分離する機能を果たすリバースローラ75とによって、複数の印刷用紙Pが重なった状態で給紙されてしまうことなく、給紙カセット7から印刷用紙Pを1枚ずつ給紙される。
【0073】
給紙された印刷用紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との間に挟持された状態で、搬送駆動ローラ51の駆動回転によって副走査方向Yへ所定の搬送量で搬送される。搬送駆動ローラ51は、印刷用紙Pが接する周面に高摩擦抵抗被膜が形成されており、搬送駆動用モータ59の回転駆動力が無端ベルト591を介して伝達されて回転する。複数の搬送従動ローラ52は、個々に搬送従動ローラホルダ521に従動回転可能に軸支された状態で搬送駆動ローラ51に付勢されている。印刷用紙Pは、搬送従動ローラ52の付勢力によって搬送駆動ローラ51の周面に密着し、所定の回転量で回転制御される搬送駆動ローラ51の回転によって副走査方向Yへ所定の搬送量で高精度に搬送される。尚、リバースローラ75は、印刷用紙P先端が搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とに挟持された後、搬送駆動ローラ51による印刷用紙Pの搬送動作を阻害しない様に、つまり、搬送負荷を与えない様に給紙ローラ74から離間するようになっている。
【0074】
インクジェット式記録装置50は、搬送駆動ローラ51の回転によってプラテン53上を副走査方向Yへ搬送される印刷用紙Pの印刷面にインクを噴射する手段として、「液体噴射ヘッド」としての記録ヘッド4を搭載したキャリッジ1を備えている。キャリッジ1は、軸受部21がキャリッジガイド軸61に軸支され、凸部22が後述する排紙フレーム503に摺接した状態で、主走査方向Xに往復動可能に支持されている。キャリッジガイド軸61は、主走査方向Xと平行にインクジェット式記録装置50本体に支持されており、右側端部近傍が右サイドフレーム501にキャリッジガイド軸支持部505で、左側端部近傍が左サイドフレーム502にキャリッジガイド軸支持部504でそれぞれ固定支持されている。キャリッジ1には、キャリッジガイド軸61と平行に張設された無端ベルト63が連結されている。無端ベルト63は、キャリッジ駆動用モータ67の駆動回転軸64と従動プーリー62との間に張設されており、キャリッジ駆動用モータ67の駆動回転によって双方向に回転する。キャリッジ1は、この無端ベルト63の双方向回転によって主走査方向Xに往復動する。
【0075】
また、インクジェット式記録装置50は、印刷後の印刷用紙Pを排紙トレイ7aに排出する手段として、排紙駆動ローラ54と排紙従動ローラ55、及び排紙補助ローラ56が配設されている。排紙駆動ローラ54は、前述した搬送駆動用モータ59の回転駆動力が伝達されて回転する。排紙従動ローラ55は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が印刷用紙Pの印刷面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ55は、それぞれ個々に排紙フレーム503に従動回転可能に軸支された状態で排紙駆動ローラ54に付勢されており、印刷用紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排出される際に印刷用紙Pに接して印刷用紙Pを排紙駆動ローラ54に付勢しつつ、印刷用紙Pの排出に従動して回転する。また、排紙補助ローラ56も排紙フレーム503に従動回転可能に軸支されており、排出方向Bへ排出される印刷用紙Pの印刷面に接して従動回転しながら排紙トレイ7aに排出される印刷用紙Pをガイドする。
【0076】
さらに、インクジェット式記録装置50は、キャリッジ1の絶対位置を検出するためのリニアエンコーダ装置を備えている。リニアエンコーダ装置は、キャリッジガイド軸61と平行にリニアスケール65と、キャリッジ1に搭載されたリニアスケールセンサ12とを有している。リニアスケール65は、帯状の透明な柔軟性のあるフィルムに主走査方向Xに等間隔で多数のスリットが形成されており、真っ直ぐたるみ無く配置するためにばね66によって一定の張力が加えられた状態で張設されている。リニアスケールセンサ12は、リニアスケール65のスリットを検出し、スリットの検出状態を電気パルス信号に変換して出力する。
【0077】
さらに、インクジェット式記録装置50は、4つのインクカートリッジ82がキャリッジ1内ではなく、インクカートリッジ収容部8に並設されており、図示していないインク供給手段によってインクチューブ(図示せず)を介してインクカートリッジ82からキャリッジ1へインクが供給される構成を成している。ブラックインクカートリッジ82Kには、ブラックインクに関する情報を担持したICチップ83Kが装着されており、シアンインクカートリッジ82Cには、シアンインクに関する情報を担持したICチップ83Cが装着されており、マゼンダインクカートリッジ82Mには、マゼンダインクに関する情報を担持したICチップ83Mが装着されており、イエローインクカートリッジ82Yには、イエローインクに関する情報を担持したICチップ83Yが装着されている。各ICチップ83は、インク色などの固定情報の他、インク残量などの変動情報を記憶する記憶装置(図示せず)と、キャリッジ1に搭載された通信回路基板84と無線通信するための通信装置(図示せず)とを内蔵している。
【0078】
一方、主走査方向Xに往復動するキャリッジ1には、この各ICチップ83と通信するための通信回路基板84が通信回路基板フレーム81によって略垂直に立設されている。そして、通信回路基板84は、キャリッジ1が主走査方向Xに移動することにより、主走査方向Xに並んで配設された4つのインクカートリッジ82のいずれか1つのインクカートリッジ82のICチップ83と対向する。そして、ICチップ83と通信することにより、ICチップ83に記憶された各種情報の読込と書換を行うことができるようになっている。通信回路基板84は、接続部85を介してキャリッジ1内部の回路に電気的に接続される。また、通信回路基板フレーム81は、通信回路基板84の周囲を可能な限り覆う形状をした金属製の取付フレームであり、通信回路基板84を略垂直に高精度に立設させるとともに、通信回路基板84からの不要輻射ノイズをシールドしている。通信回路基板フレーム81は、インクジェット式記録装置50の筐体に電気的に接続されて筐体アースされており、それによって、通信回路基板84からの不要輻射ノイズを低減させる効果が得られる。
【0079】
さらに、インクジェット式記録装置50は、キャリッジ1の移動位置がホームポジションにある状態で記録ヘッド4のメンテナンスを行うインクシステム100を備えている。インクシステム100は、給紙駆動用モータ58を駆動力源として、キャリッジ1をロックして記録ヘッド4のヘッド面を封止するとともに、必要に応じて記録ヘッド4のヘッド面のインクを吸引してメニスカスを整えたりする。インクシステム100は、記録ヘッド4を封止する「封止部材」としてのキャップ571を搭載し、給紙駆動用モータ58を駆動力源として記録ヘッド4のヘッド面に対して垂直方向(符号R)に往復動してキャリッジ1の移動領域に進出/退避可能に配設された「封止部材ホルダ」としてのキャップケース57を備えている。キャップケース57には、キャリッジ1と係合してキャリッジ1をロックする「キャリッジ係止部材」としてのキャリッジロック572と、後述するトリガ部材573が一体に形成されている。キャリッジ1がホームポジションに位置している状態でキャップケース57をキャリッジ1の移動領域に進出させることによって、キャリッジロック572がキャリッジ1と係合してキャリッジ1がロックされるとともに、キャップ571によって記録ヘッド4のヘッド面が封止される。
【0080】
そして、インクジェット式記録装置50は、各種センサの情報に基づいて各種駆動力源を駆動制御して印刷制御を行う制御部200を有しており、制御部200は主に以下のような制御を行う。給紙経路に配設された印刷用紙の先端を検出する用紙センサ(図示せず)からの情報に基づいて給紙駆動用モータ58を駆動制御して印刷用紙Pを給紙する。リニアスケールセンサ12が出力する電気パルス信号をカウントしてキャリッジ1の絶対位置を演算し、その絶対位置に基づいてキャリッジ駆動用モータ67を駆動制御してキャリッジ1を主走査方向Xに往復動させるとともに、リニアスケールセンサ12が出力する電気パルス信号からインク噴射タイミング信号を生成し、インク噴射タイミング信号に基づいて記録ヘッド4の駆動回路を駆動制御して印刷用紙Pの印刷面へインクを噴射する。公知のロータリーエンコーダ装置等の回転量検出手段(図示せず)によって搬送駆動ローラ51の回転量を検出し、その回転量検出手段の情報に基づいて、印刷用紙Pが副動作方向Yに所定の搬送量で搬送されるように搬送駆動用モータ59を駆動制御して搬送駆動ローラ51を駆動回転させる。キャリッジ1を主走査方向Xに往復動させながら印刷用紙Pの印刷面にインクを噴射する動作と、印刷用紙Pを所定の搬送量で搬送する動作とを交互に繰り返して印刷を実行し、印刷実行後もさらに搬送駆動用モータ59を回転制御して排紙駆動ローラ54を回転させて印刷実行後の印刷用紙Pを排紙トレイ7aへ排出する。
【0081】
図8は、インクジェット式記録装置50のインクシステム100の近傍を拡大して示した要部斜視図であり、図9は、インクジェット式記録装置50のインクシステム100の近傍を示した要部側面図である。
【0082】
インクシステム100の駆動力源は、給紙駆動用モータ58であり、前述した給紙ローラ74等を有する「自動給送手段」としての給紙システムの駆動力源と共用となっている。給紙駆動用モータ58の回転駆動力は、インクシステム100に対しては、給紙駆動用モータ58の回転軸の回転(符号S)を伝達する歯車101を介して常時伝達されている。一方、給紙システムに対しては、給紙駆動用モータ58の回転駆動力の伝達経路をON/OFFする「伝達経路ON/OFF手段」としての遊星歯車機構を介して回転駆動力の伝達のON/OFFが可能な構成となっている。給紙駆動用モータ58の回転駆動力は、太陽歯車102に常時伝達されており、遊星歯車103は、太陽歯車102の回転軸を揺動軸として揺動可能に軸支されている揺動体104に、太陽歯車201と回転伝達可能に係合した状態で回転可能に軸支されている。
【0083】
太陽歯車102が回転方向S1へ回転すると、揺動体104は、図示の揺動位置へ揺動し、遊星歯車103と給紙システム側の歯車76と係合して、給紙システム側への給紙駆動用モータ58の回転(歯車101の回転)の伝達経路が構成された状態(ON状態)となる。一方、太陽歯車102が回転方向S2へ回転すると、揺動体104は、仮想線で示した揺動位置へ揺動し、遊星歯車103が給紙システム側の歯車76から離間して、給紙システム側への給紙駆動用モータ58の回転(歯車101の回転)の伝達経路が構成されない状態(OFF状態)となる。
【0084】
また、インクジェット式記録装置50は、揺動体104の揺動を規制して給紙駆動用モータ58の回転方向に関係なく給紙システム側への給紙駆動用モータ58の回転伝達経路の状態を維持する「ロック手段」としてのロック機構を備えている。ロックレバー105は、符号W1及び符号W2で示した方向に一定の幅でスライド可能に配設されており、符号W1で示したスライド方向に付勢されている。ロックレバー105は、コの字形状のロック解除部106を有している。ロックレバー105が符号W1で示した方向に付勢された状態のスライド位置においては、揺動体104の凸部104aがロックレバー105に当接して揺動体104の揺動位置がロックされる。一方、キャリッジ1がホームポジションに位置した状態でキャリッジ1によってロックレバー105が符号W2で示した方向に押されてスライドし、凸部104aがロック解除部106を通過して揺動体104が揺動可能な状態となって揺動体104の揺動位置のロックが解除される。このように、給紙駆動用モータ58の回転駆動力は、インクシステム100に対しては常時伝達され、給紙システムに対しては、キャリッジ1がホームポジションに位置しているときだけON/OFFの切換が可能な構成となっている。
【0085】
次に、キャリッジ1の構成について説明する。キャリッジ1の本体は、メインキャリッジ2とサブキャリッジ3との2体構造から成るという特徴を有しており、以下、図面を参照しながら説明する。
【0086】
図10は、キャリッジ1の側面図であり、図11は、キャリッジ1の斜視図であり、図12は、キャリッジ1の別の角度からの斜視図である。図13は、メインキャリッジ2の斜視図であり、図14は、メインキャリッジ2の正面図であり、図15は、メインキャリッジ2の平面図であり、図16は、メインキャリッジ2の側面図である。図19は、サブキャリッジ3の斜視図である。
【0087】
キャリッジ1は、主走査方向Xに往復動可能にキャリッジガイド軸61に軸支されるメインキャリッジ2と、記録ヘッド4を搭載したサブキャリッジ3と、サブキャリッジ3を印刷用紙Pの印刷面に対して垂直方向に変位可能にメインキャリッジ2に支持し、サブキャリッジ3を変位させて記録ヘッド4のヘッド面と印刷用紙Pの印刷面との間隔(以下PGとする)を切り換える「液体噴射間隔切換装置」としてのPG切換ユニット9を備えている。サブキャリッジ3は、メインキャリッジ2に対して「付勢手段」としてのばね13a〜13dを介したフローティング状態で、ばね13a〜13dのばね力によってPG切換ユニット9の一端に押圧されつつメインキャリッジ2に支持されている。
【0088】
ばね13aは、メインキャリッジ2に形成されている凸部23aとサブキャリッジに形成されている凸部31aとの間に伸設されており、メインキャリッジ2に対して記録ヘッド4のヘッド面と略平行方向にサブキャリッジ3を付勢している。ばね13bは、メインキャリッジ2に形成されている凸部23bとサブキャリッジに形成されている凸部31bとの間に伸設されており、メインキャリッジ2に対して記録ヘッド4のヘッド面と略直交方向にサブキャリッジ3を付勢している。また、ばね13cは、メインキャリッジ2に形成されている凸部23cとサブキャリッジに形成されている凸部31cとの間に伸設されており、メインキャリッジ2に対して記録ヘッド4のヘッド面と略平行方向にサブキャリッジ3を付勢している。ばね13dは、メインキャリッジ2に形成されている凸部23dとサブキャリッジに形成されている凸部31dとの間に伸設されており、メインキャリッジ2に対して記録ヘッド4のヘッド面と略直交方向にサブキャリッジ3を付勢している。このばね13a〜13dのばね力によって、サブキャリッジ3は、凹部34がメインキャリッジ2のPG切換ユニット9に押圧されて支持されている。
【0089】
記録ヘッド4は、メインキャリッジ2の底部に形成された孔29からメインキャリッジ2の外側に突出するとともに、記録ヘッド4を筐体アースするためのアース部材14が孔29に配設されている。サブキャリッジ3にはキャリッジカバー11が取り付けられている。メインキャリッジ2をキャリッジガイド軸61に軸支する軸受部21は、2つの軸受部分を有しており、それぞれに金属製の軸受部材211及び212が配設されている。メインキャリッジ2には、通信回路基板84が通信回路基板フレーム81によって高精度に垂直に立設されており、ねじ841は、通信回路基板84を通信回路基板フレーム81に取り付けているねじの1つであり、ねじ842は、通信回路基板フレーム81をメインキャリッジの軸受部21近傍の斜面に取り付けているねじの1つである。メインキャリッジ2の側面には、前述したキャリッジロック572が係合するキャリッジロック係合部18が形成されている(図10)。メインキャリッジ2の背面には、無端ベルト63が連結される連結部24が形成されている。メインキャリッジ2の底面には、リニアスケールセンサ12が取付部材12aを介してねじ121によって取り付けられている。
【0090】
PG切換ユニット9は、メインキャリッジ3に配設されているPG切換ユニット本体91に軸支された回転体92に一体に形成された回転偏心カム921と、回転体92を回転させて回転偏心カム921を回転駆動する「回転偏心カム駆動手段」としての回転偏心カム駆動ユニット93とを有する回転偏心カム機構を備えている。PG切換ユニット9は、回転偏心カム駆動ユニット93による回転体92の回転によって回転する回転偏心カム921の回転位置によってサブキャリッジ3が変位し、当該実施の形態においては、5段階のPG(液体噴射間隔)を段階的に切換可能な構成を成す「カムユニット」である。このPG切換ユニット9については、後にさらに詳細に説明する。
【0091】
このように、メインキャリッジ2とサブキャリッジ3との間にPG切換ユニット9が配置されており、サブキャリッジ3がPG切換ユニット9に押圧支持されているので、PG切換ユニット9は、メインキャリッジ2とサブキャリッジ3との間にばね13a〜13dのばね力によって挟持された状態で配設されていることになる。したがって、サブキャリッジ3の変位位置、すなわち記録ヘッド4の変位位置は、PG切換ユニット9にて単純にメインキャリッジ2とサブキャリッジ3との間隔を規定することによって設定されることになるので、メインキャリッジ2とサブキャリッジ3との間隔を上述した回転偏心カム921のように極めて単純な支持構造で切り換えるだけで良く、極めて微少なPGの切換幅を設定してPGを高精度に切り換えることが容易になる。
【0092】
メインキャリッジ2の内側の底面、すなわちフローティング状態で支持されているサブキャリッジ3の外側の底面が対向する面には、図示の如く三角形の断面形状を有する複数の凸部25が略等間隔に平行に形成されている。このように、メインキャリッジ2の内側の底面に複数の凸部25が形成されているので、メインキャリッジ2の内側の底面とサブキャリッジ3の外側の底面とが全面にわたって平行に対向していない状態にすることができる。したがって、メインキャリッジ2の内側の底面とサブキャリッジ3の外側の底面との間にインクが侵入してしまった場合に、メインキャリッジ2にサブキャリッジ3が貼り付いたまま固まって、サブキャリッジ3を変位させることができなくなってしまう虞を少なくすることができる。尚、当該実施の形態に示したように、凸部25が三角形の断面形状を有しており、メインキャリッジ2の内側の底面とサブキャリッジ3の外側の底面との対向間隔が最小となる領域が線又は点となる形状を成していると、さらにメインキャリッジ2にサブキャリッジ3が貼り付いてしまう虞を少なくすることができるのでより好ましいと言える。
【0093】
また、メインキャリッジ2には、印刷用紙Pの印刷面に対して垂直方向にサブキャリッジ3の変位方向を規制する「変位方向規制手段」としてのサブキャリッジガイド軸28が形成されている。サブキャリッジガイド軸28は、図示の如くメインキャリッジ2内に形成された円柱体形状を成しており、フローティング状態でPG切換ユニット9に押圧支持されているサブキャリッジ3の背面に形成された軸受32と軸受33とが係合して、PG切換ユニット9によるサブキャリッジ3の変位方向を規制する。このように、サブキャリッジ3の変位方向を規制するサブキャリッジガイド軸28を設けることによって、PG切換ユニット9によるPG切換時に記録ヘッド4の平行度をより高精度に維持したままPGを切り換えることができる。
【0094】
次にメインキャリッジ2に対するPG切換ユニット9の取付構造について説明する。
図20は、メインキャリッジ2に対するPG切換ユニット9の取付構造の断面を示した概略側面図であり、図21は、PG切換ユニット9のPG切換ユニット本体91の断面を模式的に示した側面図である。
【0095】
図21(a)に示したように、PG切換ユニット本体91の軸912にサブキャリッジ3の自重にばね13a〜13dのばね力を加えた力(符号G)が作用することによって、PG切換ユニット本体91は、軸912を境界として上部に符号GAで示した曲げ力が作用し、下部にはそれとは逆方向の符号GBで示した曲げ力が作用する。この符号GA及び符号GBで示した曲げ力によって、PG切換ユニット本体91には、破線で示したような湾曲形状に撓もうとする力が作用する。PG切換ユニット本体91が撓んでしまうと、回転偏心カム921を軸支している軸912の位置が符号Gで示した方向にずれて回転偏心カム921の位置がずれてしまい、回転偏心カム921によるサブキャリッジ3の変位位置に誤差が生じてしまうことになる。
【0096】
上述したようなPG切換ユニット本体91の撓みを防止するために、PG切換ユニット9は、PG切換ユニット本体91の背面側に形成されている掛合部91aがメインキャリッジ2に形成された孔281に掛合してメインキャリッジ2に掛着されている。掛合部91aは、回転偏心カム921を介してサブキャリッジ3の荷重が回転偏心カム921を軸支している軸912に作用することによって、PG切換ユニット本体91の軸912が形成されている面が凸状に湾曲する撓みが生じる部分の裏側に形成されている。つまり、PG切換ユニット本体91の上部を湾曲させようとする符号GAで示した力と対向する方向に、掛合部91aに作用する力G(サブキャリッジ3の自重にばね13a〜13dのばね力を加えた力)による引っ張り力が凸状に湾曲しようとする部分の裏側に符号PAで示した力として作用する。
【0097】
また、PG切換ユニット9は、PG切換ユニット本体91の背面側に凸部91bが形成されている。凸部91bは、PG切換ユニット本体91の912軸が形成されている面が凹状に湾曲する撓みが生じる部分の裏側に形成されている。その凸部91bがメインキャリッジ2に当接することによって、PG切換ユニット本体91の軸912が形成されている面の凹状に湾曲しようとする部分が、メインキャリッジ2に当接した凸部91bに裏側から押されて撓みが規制されてPG切換ユニット本体91の撓みが規制される。つまり、PG切換ユニット本体91が湾曲しようとする符号GBで示した力と略反対方向の力(符号PB)が、凹状に湾曲しようとする部分に作用することによって、PG切換ユニット本体91が湾曲しようとする力が打ち消されることになる。このように、PG切換ユニット本体91が湾曲しようとする力と略反対方向の力を湾曲しようとする部分に作用させることによって、PG切換ユニット本体91が湾曲しようとする力が打ち消されてPG切換ユニット本体91の撓みを防止することができる。
【0098】
つづいて、キャリッジ1のPG微調節と記録ヘッド4の角度調節について説明する。
図22は、キャリッジ1の要部断面図であり、図23は、キャリッジ1の要部平面図である。
【0099】
サブキャリッジ3(図22においては、一点鎖線の仮想線で図示)は、PG切換ユニット9の回転偏心カム921に押圧支持されている。キャリッジ1は、印刷用紙Pの種別等に応じてPG切換ユニット9でサブキャリッジ3を変位させてPGを切り換える構成を成している。そして、キャリッジ1は、PG切換ユニット9を記録ヘッドのヘッド面に対して垂直方向に変位させてPGを微調節する「液体噴射間隔微調節手段」としてのPG微調節手段を備えている。キャリッジ1は、PG微調節手段としてメインキャリッジ2に配設されたスライドレバー26を備えており、PG切換ユニット9は、サブキャリッジ3をメインキャリッジ2に付勢しているばね13a〜13dのばね力によって、このスライドレバー26に押圧支持されている。
【0100】
スライドレバー26には、同形状の斜面を有する支持部262が2カ所形成されており、PG切換ユニット9は、PG切換ユニット本体91に形成されている2つの凸部911がそれぞれ支持部262に当接した状態でスライドレバー26に支持されている。そして、スライドレバー26は、符号Lで示した方向にスライド可能に配設されており、「スライドレバー固定手段」としてのねじ261によってスライド位置が固定されるようになっている。スライドレバー26をスライドさせることによって、PG切換ユニット9の凸部911が当接する支持部262もスライドし、それによって、PG切換ユニット9が符号Mで示した方向に変位する。つまり、凸部911が支持部262の斜面の高い位置に当接した状態で支持されればPG切換ユニット9の変位位置は高い位置となり、凸部911が支持部262の斜面の低い位置に当接した状態で支持されればPG切換ユニット9の変位位置は低い位置となる。したがって、スライドレバー26のスライド位置を調節することによってPG切換ユニット9の支持位置を調節することができ、それによって、記録ヘッド4を符号Nで示した方向に変位させてPGの微調節を高精度に行うことができる。尚、支持部262の斜面は、斜面に浅溝を形成した形状としても良く、PGの微調節が可能で、かつスライドレバー26を固定した状態で高精度にPGを維持できるような形状であればどのような斜面であっても良い。
【0101】
また、キャリッジ1は、サブキャリッジ3を記録ヘッド4のヘッド面と平行に回動させて主走査方向Xに対して記録ヘッド4が平行に配置されるように記録ヘッド4の角度を調節する「ヘッド角度調節手段」を備えている。前述したサブキャリッジガイド軸28は、サブキャリッジ3の背面に形成された軸受32と軸受33と係合して、PG切換ユニット9によるサブキャリッジ3の変位方向を規制するとともに、サブキャリッジ3を記録ヘッド4のヘッド面と平行に回動可能に軸支している。キャリッジ1は、「ヘッド角度調節手段」として、サブキャリッジ3の回動方向に回動可能に配設され、ばね13a〜13dのばね力によってサブキャリッジ3が押圧された状態でサブキャリッジ3の回動位置を規制するヘッド角度調節用偏心カム272を有している。ヘッド角度調節用偏心カム272は、サブキャリッジ3の回動方向に回動可能にメインキャリッジ2に配設された軸271に一体に形成されており、軸271にはヘッド角度調節レバー27が一体に形成されている。
【0102】
ヘッド角度調節レバー27を符号Hで示した方向に揺動させることによって、ヘッド角度調節用偏心カム272が回動し、ばね13a〜13dのばね力によってヘッド角度調節用偏心カム272に押圧されているサブキャリッジ3は、符号Jで示した回動方向にサブキャリッジガイド軸28を回動軸として回動し、それによって、記録ヘッド4が符号Kで示した方向に回動する。したがって、ヘッド角度調節レバー27の揺動位置を調節してサブキャリッジ3の回動位置を調節することによって、記録ヘッド4の回転角度を調節することができる。ヘッド角度調節レバー27近傍のメインキャリッジ2には、ヘッド角度調節用偏心カム272の回動位置を固定するための「ヘッド角度調節用偏心カム固定手段」として、ヘッド角度調節レバー27の裏側に形成された凸部273が係合する凹部274が図示の如く略等間隔で複数形成されている。凸部273と凹部274とが係合してヘッド角度調節レバー27の揺動位置が固定されてヘッド角度調節用偏心カム272の回動位置が固定されるようになっている。
【0103】
つづいて、PG切換ユニット9の詳細な構成と、そのPG切換ユニット9によるPG切換動作について説明する。
図17は、PG切換ユニット9の要部正面図である。図18は、回転体92のみ断面を示したPG切換ユニット9の要部正面図である。図24は、PG切換ユニット9の一部を拡大して示した要部正面図である。
【0104】
PG切換ユニット9は、PG切換ユニット本体91に軸912、及び軸913が形成されており、軸912に回転体92が回動可能に軸支され、軸913に回転偏心カム駆動ユニット93が揺動可能に軸支されている。回転体92は、前面側(図17に図示)に回転偏心カム921及び回転抵抗調節カム922が一体に形成されており、後面側(図18に図示)に5つの突起部92a〜92eが一体に形成されている。また、PG切換ユニット9には、ねじりコイルばね95が縮設されている。ねじりコイルばね95は、PG切換ユニット本体91に一体に形成されている軸916に取り付けられており、一端が係止部917に係止され、他端がガイド918によって外れないようにガイドされた状態で回転抵抗調節カム922に当接して回転体92にばね力による回転負荷を与えている。
【0105】
回転偏心カム駆動ユニット93は、回転体92の突起部92a〜92eと係合する係合部931と、軸913に軸支された切換レバー932と、ばね934とで構成されている。係合部931は、凸部935及び凸部936が切換レバー932に形成されている長孔93a及び長孔93bに係合した状態で切換レバー932に挿設されている。係合部931と切換レバー932との間には、ばね934が縮設されている。係合部931は、縮設されているばね934のばね力によって凸部935及び凸部936が長孔93a及び長孔93bの長手方向の一端に当接した状態で、符号Fで示した方向に縮退可能に切換レバー932に嵌合している。切換レバー932は、PG切換ユニット本体91に形成されている凸部914によって軸913からの脱落しないように軸支されている。PG切換ユニット本体91に形成されている凸部915と切換レバー932に形成されている凸部933との間には、コイルばね94が伸設されており、切換レバー932は、コイルばね94のばね力によって揺動方向CBに付勢されており、当接部938がPG切換ユニット本体91の内壁に当接する揺動位置で係止されている。
【0106】
回転体92は、5つの突起部92a〜92eが図示の如く略同心円上に形成されている。突起部92a〜92eは、突起部92e〜突起部92aの間の回転角度差がαに設定されており、それ以外の突起部92a〜突起部92b、突起部92b〜突起部92c、突起部92c〜突起部92d、突起部92d〜突起部92eの間の回転角度差は、全てβに設定されている。つまり、回転体92の同心円上に形成されている5つの突起部92a〜92eは、全て等間隔に配置されているのではなく、1カ所だけ間隔が異なるように配置されている。尚、当該実施の形態においては、α=52.4度、β=76.9度に設定されているが、1カ所だけ間隔が異なるように配置すればよく、特に当該角度に限定されるものではない。また、αをβより大きな角度に設定しても良い。
【0107】
切換レバー932を揺動方向CFに揺動させると、符号Dで示した方向に係合部931が回転体92の突起部92aを押し上げ、それによって、回転体92が回転方向Eに回転する。そして、切換レバー932をさらに揺動方向CFに揺動させると、係合部931と係合している突起部92aの回転方向Eと反対方向直近に形成されている突起部92bに切換レバー932に一体に形成されている係止部937が当接する。切換レバー932は、係合部931が当接している突起部92aと、係止部937が当接している突起部92bとの間に挟持され、その時点で揺動方向CFへの揺動が規制される。切換レバー932を揺動させる前の突起部92aの位置に突起部92bが位置した状態となり、この時点で回転体92は、突起部92aと突起部92bとの間の回転角度差βだけ回転したことになる。
【0108】
そして、切換レバー932を揺動方向CBへ揺動させると、回転体92は、押圧されているサブキャリッジ3によってその回転位置が維持され、切換レバー932は、係合部931が突起部92bの外周面に摺接しながら突起部92bに押されるように符号Fで示した方向に縮退して突起部92bを避けながらコイルばね94のばね力によって元の揺動位置に戻る。このように、切換レバー932が一方向に揺動する際に回転体92の突起部と係合して回転体92を一回転方向に回転させる係合部931は、切換レバー932が他方向に揺動して突起部と係合した際に縮退して回転体92を他回転方向に回転させないようになっているので、切換レバー932の揺動動作によって回転偏心カム921を一回転方向にのみ回転させてPGを切り換えることができる。尚、回転体92に突起部92a〜92e以外の被当接部を形成し、それに係止部937を当接させて切換レバー932の揺動位置を規制するように構成しても良い。
【0109】
このようにして、回転体92は、切換レバー932を揺動方向CFに揺動位置が規制されるまで揺動させる度に、突起部92a〜92eの2つの隣接した突起部間の回転角度差ずつ回転していくことになる。そして、回転体92は、突起部92a〜92eの2つの隣接した突起部間の回転角度差ずつ回転していくので、回転体92には5つの決まった回転位置があることになる。そこで、あらかじめ回転体92の回転位置に1〜5の回転位置番号を定義し、この回転位置番号1〜5にPG1〜5を対応させておく。そして、記録ヘッド4を搭載したサブキャリッジ3を支持する回転偏心カム921を、回転体92の回転位置番号1〜5に対応したPG1〜5が設定されるようにサブキャリッジ3が変位する如く、回転中心から外周面までの長さを各回転位置番号に対応したPGとなる長さに設定した偏心形状とする。それによって、所望のPGに対応した回転位置番号の回転位置まで回転体92を回転させて所望のPGへ容易にかつ高精度に切り換えることができる。また、次のPGの切換動作時に係合部931と係合する突起部の位置を切換レバー932の係止部937によって直接規定して回転体92の回転位置を規定することができるので、突起部92a〜93eの配置間隔で正確に回転体92の回転位置を規定することができる。以下、回転体92が1回転するまでを図25〜図29を参照しながら説明する。
【0110】
図25は、回転偏心カム駆動ユニット93による回転体92の回転動作を示した動作図であり、回転体92を回転位置番号1の回転位置から回転位置番号2の回転位置へ回転させてPG1からPG2へ切り換えるまでを示したものである。
【0111】
回転体92は、回転位置番号1の回転位置となっているので、PGはPG1に設定されている。切換レバー932を揺動方向CFに揺動させると係合部931が回転体92の突起部92aを押し上げて回転体92が回転方向Eに回転し、係止部937が突起部92bに当接するまで回転する。切換レバー932は、係合部931が当接している突起部92aと、係止部937が当接している突起部92bとの間に挟持され、その時点で揺動方向CFへの揺動が規制される。回転体92は、突起部92aと突起部92bとの間の回転角度差βだけ回転方向Eへ回転して回転位置番号2の回転位置で停止した状態となる。回転体92と一体に形成されている回転偏心カム921も回転角度差βだけ回転方向Eへ回転し、サブキャリッジ3は、変位量d1だけPGが大きくなる方向に変位してPGがPG1からPG2へ切り換わる。そして、切換レバー932を揺動方向CBへ揺動させると、回転体92は、サブキャリッジ3の自重によって回転位置番号2の回転位置を維持し、切換レバー932は、係合部931が突起部92bの外周面に摺接しながら突起部92bに押されるように符号Fで示した方向に縮退して突起部92bを避けながらコイルばね94のばね力によって元の揺動位置に戻る。
【0112】
図26は、回転偏心カム駆動ユニット93による回転体92の回転動作を示した動作図であり、回転体92を回転位置番号2の回転位置から回転位置番号3の回転位置へ回転させてPG2からPG3へ切り換えるまでを示したものである。
【0113】
回転体92は、回転位置番号2の回転位置となっているので、PGはPG2に設定されている。切換レバー932を揺動方向CFに揺動させると係合部931が回転体92の突起部92bを押し上げて回転体92が回転方向Eに回転し、係止部937が突起部92cに当接するまで回転する。切換レバー932は、係合部931が当接している突起部92bと、係止部937が当接している突起部92cとの間に挟持され、その時点で揺動方向CFへの揺動が規制される。回転体92は、突起部92bと突起部92cとの間の回転角度差βだけ回転方向Eへ回転して回転位置番号3の回転位置で停止した状態となる。回転体92と一体に形成されている回転偏心カム921も回転角度差βだけ回転方向Eへ回転し、サブキャリッジ3は、変位量d2だけPGが大きくなる方向に変位してPGがPG2からPG3へ切り換わる。そして、切換レバー932を揺動方向CBへ揺動させると、回転体92は、サブキャリッジ3の自重によって回転位置番号3の回転位置を維持し、切換レバー932は、係合部931が突起部92cの外周面に摺接しながら突起部92cに押されるように符号Fで示した方向に縮退して突起部92cを避けながらコイルばね94のばね力によって元の揺動位置に戻る。
【0114】
図27は、回転偏心カム駆動ユニット93による回転体92の回転動作を示した動作図であり、回転体92を回転位置番号3の回転位置から回転位置番号4の回転位置へ回転させてPG3からPG4へ切り換えるまでを示したものである。
【0115】
回転体92は、回転位置番号3の回転位置となっているので、PGはPG3に設定されている。切換レバー932を揺動方向CFに揺動させると係合部931が回転体92の突起部92cを押し上げて回転体92が回転方向Eに回転し、係止部937が突起部92dに当接するまで回転する。切換レバー932は、係合部931が当接している突起部92cと、係止部937が当接している突起部92dとの間に挟持され、その時点で揺動方向CFへの揺動が規制される。回転体92は、突起部92cと突起部92dとの間の回転角度差βだけ回転方向Eへ回転して回転位置番号4の回転位置で停止した状態となる。回転体92と一体に形成されている回転偏心カム921も回転角度差βだけ回転方向Eへ回転し、サブキャリッジ3は、変位量d3だけPGが大きくなる方向に変位してPGがPG3からPG4へ切り換わる。そして、切換レバー932を揺動方向CBへ揺動させると、回転体92は、サブキャリッジ3の自重によって回転位置番号4の回転位置を維持し、切換レバー932は、係合部931が突起部92dの外周面に摺接しながら突起部92dに押されるように符号Fで示した方向に縮退して突起部92dを避けながらコイルばね94のばね力によって元の揺動位置に戻る。
【0116】
図28は、回転偏心カム駆動ユニット93による回転体92の回転動作を示した動作図であり、回転体92を回転位置番号4の回転位置から回転位置番号5の回転位置へ回転させてPG4からPG5へ切り換えるまでを示したものである。
【0117】
回転体92は、回転位置番号4の回転位置となっているので、PGはPG4に設定されている。切換レバー932を揺動方向CFに揺動させると係合部931が回転体92の突起部92dを押し上げて回転体92が回転方向Eに回転し、係止部937が突起部92eに当接するまで回転する。切換レバー932は、係合部931が当接している突起部92dと、係止部937が当接している突起部92eとの間に挟持され、その時点で揺動方向CFへの揺動が規制される。回転体92は、突起部92dと突起部92eとの間の回転角度差βだけ回転方向Eへ回転して回転位置番号5の回転位置で停止した状態となる。回転体92と一体に形成されている回転偏心カム921も回転角度差βだけ回転方向Eへ回転し、サブキャリッジ3は、変位量d4だけPGが小さくなる方向に変位してPGがPG4からPG5へ切り換わる。そして、切換レバー932を揺動方向CBへ揺動させると、回転体92は、サブキャリッジ3の自重によって回転位置番号5の回転位置を維持し、切換レバー932は、係合部931が突起部92eの外周面に摺接しながら突起部92eに押されるように符号Fで示した方向に縮退して突起部92eを避けながらコイルばね94のばね力によって元の揺動位置に戻る。
【0118】
図29は、回転偏心カム駆動ユニット93による回転体92の回転動作を示した動作図であり、回転体92を回転位置番号5の回転位置から回転位置番号1の回転位置へ回転させてPG5からPG1へ切り換えるまでを示したものである。
【0119】
回転体92は、回転位置番号5の回転位置となっているので、PGはPG5に設定されている。切換レバー932を揺動方向CFに揺動させると係合部931が回転体92の突起部92eを押し上げて回転体92が回転方向Eに回転し、係止部937が突起部92aに当接するまで回転する。切換レバー932は、係合部931が当接している突起部92eと、係止部937が当接している突起部92aとの間に挟持され、その時点で揺動方向CFへの揺動が規制される。回転体92は、突起部92eと突起部92aとの間の回転角度差αだけ回転方向Eへ回転して回転位置番号1の回転位置で停止した状態となる。回転体92と一体に形成されている回転偏心カム921も回転角度差αだけ回転方向Eへ回転し、サブキャリッジ3は、変位量d5だけPGが小さくなる方向に変位してPGがPG5からPG1へ切り換わる。そして、切換レバー932を揺動方向CBへ揺動させると、回転体92は、サブキャリッジ3の自重によって回転位置番号1の回転位置を維持し、切換レバー932は、係合部931が突起部92aの外周面に摺接しながら突起部92aに押されるように符号Fで示した方向に縮退して突起部92aを避けながらコイルばね94のばね力によって元の揺動位置に戻る。
【0120】
このように、切換レバー932を揺動位置が規制されるまで揺動させる動作を繰り返すことによって、回転体92は、一回転方向(回転方向E)にのみ回転角度差α又は回転角度差βで回転して回転位置が回転位置番号1→2→3→4→5→1と遷移していき、PGは、PG1→PG2→PG3→PG4→PG5→PG1と切り換わっていく。そして、回転体92は、突起部92eと突起部92aとの間のみ回転角度差αに設定されており、他の突起部間の回転角度差βより間隔が狭くなっているので、切換レバー932の揺動幅も狭くなる。そのため、PG切換時に切換レバー932の揺動幅が狭かった場合には、回転体92の回転位置が回転位置番号5から回転位置番号1へ遷移した状態であり、PGがPG5からPG1へ切り換わってPG切換後のPGがPG1に設定されていることになる。したがって、PG切換時の切換レバー932の揺動幅を検出し、その揺動幅が狭かった場合に、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号1であると識別することができるので、回転体92の回転位置を正確に検出することができる。
【0121】
尚、回転体92に突起部92a〜92eを等間隔に形成して、回転体92に付した目印等をセンサ等の検出手段で検出して回転体92の回転位置を検出するようにしても良い。また、回転体92に形成する突起部の数は、特に5つに限定されるものではなく、必要なPG設定数に応じて決定されるものであることは言うまでもないことである。
【0122】
つづいて、キャリッジ1の往復動動作によるPGの自動切換制御について説明する。
図30は、キャリッジ1とキャップケース57とを模式的に示した概略の動作図である。以下、図30に加えて図4、図9、図12も参照しながら説明する。
【0123】
キャリッジ1に搭載されているPG切換ユニット9は、キャリッジ1の底部に形成されている凹部16(図12)に切換レバー932の先端が突出した状態で配置されている。制御部200がPGの自動切換制御を実行する際には、まず、キャリッジ1の移動領域に進出/退避(符号Rで示した方向)可能に配設されているインクシステム100のキャップケース57をキャリッジ1の移動領域から退避させた後、キャリッジ1をホームポジションから十分離れた位置に移動させ、キャップケース57をキャリッジ1の移動領域に再び進出させる。前述したように、給紙駆動用モータ58(図4)の回転駆動力伝達機構は、インクシステム100には、常に接続された状態となっており、給紙システムに対しては、遊星歯車機構を介して回転駆動力の伝達のON/OFFが可能な構成となっている(図9)。そこで、キャリッジ1がホームポジションに位置している状態で、給紙駆動用モータ58を所定の回転方向に回転させて給紙システムに対する回転駆動力の伝達経路をOFFさせてからキャリッジ1をホームポジションから十分離れた位置へ移動させる。給紙駆動用モータ58の回転駆動力は、給紙システムに対しては、キャリッジ1がホームポジションに位置しているときだけON/OFFの切換が可能な構成となっているので、キャリッジ1がホームポジションから離れたことで給紙システムに対する給紙駆動用モータ58の回転駆動力の伝達状態がOFFの状態でロックされ、給紙駆動用モータ58を双方向いずれの回転方向に回転させても給紙システムは動作しない状態となる。そして、再び給紙駆動用モータ58を回転させてインクシステム100のキャップケース57をキャリッジ1の移動領域に進出させる。
【0124】
次に、キャリッジ駆動用モータ67(図4)を回転させてキャリッジ1を復路走査方向XRへ移動させ、キャリッジ1の移動領域に進出した状態のキャップケース57に一体に形成されているトリガ部材573の先端でキャリッジ1の凹部16に突出している切換レバー932を揺動方向CFへ揺動させてPGを切り換える。
【0125】
そして、2つの突起部間に挟持された状態で揺動位置が規制される揺動位置まで切換レバー932が揺動してPGが切り換わる。また、揺動位置が規制される揺動位置まで切換レバー932が揺動すると、キャリッジ1は、それ以上復路走査方向XRへ移動できなくなり、キャリッジ駆動用モータ67の回転が強制的に停止させられて過負荷状態となる。制御部200は、キャリッジ駆動用モータ67の負荷状態を監視し、過負荷状態を検出した時点でキャリッジ駆動用モータ67を停止させる。制御部200は、前述したように、リニアスケールセンサ12が出力する電気パルス信号をカウントしてキャリッジ1の絶対位置を演算しているので、キャリッジ駆動用モータ67に過負荷を検出した時点におけるキャリッジ1の絶対位置から切換レバー932の揺動幅を求めることができる。
【0126】
このように、PGを切り換える際にのみトリガ部材573をキャリッジ1の往復動作領域に進出させ、キャリッジ1をトリガ部材573に向けて移動させ、PG切換ユニット9の切換レバー932とトリガ部材573とを係合させることによってPGの自動切換を行うことができる。また、PGを切り換える際にのみトリガ部材573をキャリッジ1の往復動作領域に進出させてPGを切り換えるので、キャリッジ1の往復動作領域内の記録ヘッド4からインクを噴射する領域においてPGを切り換えることができる。したがって、キャリッジ1の往復動作領域内にPGを切り換えるためだけの領域を設ける必要がなく、それによって、キャリッジ1の往復動作領域の幅を最小に設定することができるので、インクジェット式記録装置50を小型化することができる。
【0127】
図30(a)は、PG切換時のPG切換レバー932の揺動幅が狭い状態、つまり、PG切換レバー932を挟持している2つの突起部間の回転角度差がαである場合のキャリッジ1の停止位置(絶対位置X1)であり、図30(b)は、PG切換時のPG切換レバー932の揺動幅が広い状態、つまり、PG切換レバー932を挟持している2つの突起部間の回転角度差がβである場合のキャリッジ1の停止位置(絶対位置X2)である。このように、PG切換レバー932の揺動幅の違いによって、キャリッジ1の停止位置の差(XA)が生じるので、PG切換時の切換レバー932の揺動幅が狭かった場合、つまり、PG切換時のキャリッジ1の停止位置が絶対位置X1であった場合には、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号1であると識別することができる。そして、PG切換時に回転位置番号1を検出した時点からPG切換を行う度に、回転位置番号が1→2→3→4→5→1と遷移していき、PGは、PG1→PG2→PG3→PG4→PG5→PG1と切り換わっていく。
【0128】
尚、図30(c)は、キャリッジ1がホームポジションで停止している状態で、キャップケース57をキャリッジ1の移動領域に進出させて、キャリッジロック572をメインキャリッジ2の側面に形成されているキャリッジロック係合部18に係合させてキャリッジ1をロックし、キャップ571で記録ヘッド4のヘッド面を封止した状態を示したものである。この時には、トリガ部材573は、キャリッジ1の底部に形成されているもう1つの凹部17(図12)に入り込むので、トリガ部材573がキャリッジ1の底部に当接してキャップケース57の進出が妨げられないようになっている。
【0129】
つづいて、制御部200によって実行されるPGの自動切換制御手順について説明する。
図31は、キャリッジ1の動作領域、及び各動作点をホームポジションからのキャリッジ1の絶対位置で模式的に示したキャリッジ1の動作領域図である。
【0130】
キャリッジ1の動作領域、及び各動作点は、ホームポジションHPからのstep数で示してある。1stepは、前述したリニアスケールセンサ12が検出するリニアスケール65に等間隔に形成されたスリットの間隔に相当し、1step=1/180インチ=約0.14111mmに設定されている。ホームポジションHPから103step移動した加速開始点STから144stepの往路走査方向XFの加速領域、すなわちキャリッジ1が往復動作する際の往路走査方向XFの加速領域が設定されている。この加速領域においてキャリッジ1は、往路走査方向XFに定速度まで加速しながら移動する。そして、1786stepの定速領域が設定されており、この定速領域において、キャリッジ1は、定速度で移動しながら記録ヘッド4から印刷用紙Pの印刷面へインクを噴射する。つまり、この定速領域がインク噴射領域ということになる。また、定速領域の外側には、144stepの復路走査方向XRの加速領域が設定されており、キャリッジ1が復路走査方向XRに移動する際には、この加速領域においてキャリッジ1は、復路走査方向XRに定速度まで加速しながら移動する。
【0131】
ホームポジションHPから546stepの位置には、動作点AP1が設定されており、動作点AP1は、PGの自動切換制御におけるキャリッジ1の動作開始点となる。また、動作点AP1とホームポジションHPとの間の領域には、動作点AP2、動作点AP3、及び動作点AP4がそれぞれ設定されている。動作点AP2と動作点AP4との間には、31stepの領域が設定されており、その領域が前述した絶対位置X1であり、絶対位置X1は、多少の誤差を考慮して31stepの幅をもった領域で設定されている。同じく、動作点AP4と動作点AP3との間には、31stepの領域が設定されており、その領域が前述した絶対位置X2であり、絶対位置X2は、絶対位置X1と同様に31stepの幅をもった領域で設定されている。
【0132】
図32は、PG設定シーケンスの制御手順を示したフローチャートであり、図33は、設定目標とするPGに対する印刷PGモードと目標とする回転体92の回転位置番号との対応を示した表である。
【0133】
ここで、回転体92の現在の回転位置番号1〜5をPC1〜5と規定し、さらに、目標とする回転位置番号1〜5をPCA1〜5と規定する。回転位置番号1(PC1及びPCA1)に対応するPG1は、1.0mmであり、対応する印刷PGモードは、専用紙に印刷を実行する専用紙モード(PG−)である。回転位置番号2(PC2及びPCA2)又は回転位置番号5(PC5及びPCA5)に対応するPG2又はPG5は、1.45mmであり、対応する印刷PGモードは、普通紙に印刷を実行する普通紙モード(PGtyp.)である。回転位置番号3(PC3及びPCA3)に対応するPG3は、1.75mmであり、対応する印刷PGモードは、やや厚めの普通紙に印刷を実行する普通紙モード(PGtyp.+)である。回転位置番号4(PC4及びPCA4)に対応するPG4は、2.35mmであり、対応する印刷PGモードは、厚紙に印刷を実行する厚紙モード(PG+)である。以下、PGを自動的に切り換える制御手順としてのPG設定シーケンスについて説明する。
【0134】
まず、パーソナルコンピュータ等のホスト装置(図示せず)からの印刷指令に印刷PGモードが指定されているか否かを判定する(ステップS1)。印刷PGモードが指定されていなければ(ステップS1でNo)、目標とする回転位置番号をPCA4に設定する(ステップS2)。つまり、最も広いPGに設定して給紙される印刷用紙Pが厚紙であっても印刷用紙Pが記録ヘッド4のヘッド面に接触してしまうことがないようにする。一方、印刷PGモードが指定されていれば(ステップS1でYes)、次に、PCカウンタ(回転位置カウンタ)のカウント値が不定値か否かを判定する(ステップS3)。PCカウンタのカウント値が不定値である場合には(ステップS3でYes)、つまり、カウント値がPC1〜PC5以外の値である場合には、「液体噴射間隔設定値初期化手順」としてのAUTOPGリセットシーケンス(後述)を実行する(ステップS4)。一方、PCカウンタのカウント値が不定値でない場合には(ステップS3にてYes)、印刷PGモード、つまり、目標とする回転体92の回転位置番号(PCA1〜5)の値がPCカウンタのカウント値(PC1〜5)と一致しているか否かを判定する(ステップS5)。印刷PGモードの値がPCカウンタのカウント値と一致している場合には(ステップS5でYes)、PGを切り換える必要がないので、そのまま当該手順を終了する。一方、印刷PGモードの値がPCカウンタのカウント値と一致していない場合には(ステップS5でNo)、印刷PGモードの値がPCカウンタのカウント値と一致するまで「液体噴射間隔自動切換制御手順」としてのAUTOPG切換シーケンス(後述)を実行してPGを切り換える(ステップS6)。このように、PCカウンタに回転体92の回転位置番号を記憶しておくことによって、記憶してある回転体92の回転位置から所望のPGに設定されているか否かを判定することができる(液体噴射間隔設定値記憶手順)。
【0135】
つづいて、「液体噴射間隔設定値初期化手順」としてのAUTOPGリセットシーケンス(ステップS4)について説明する。
図34は、AUTOPGリセットシーケンスの制御手順を示したフローチャートである。
【0136】
まず、キャリッジ1を動作点AP1まで中速で移動させる(ステップS11)。尚、同図においては、キャリッジ1を便宜的にCRと省略して記してあり、以下同様である。次に、PCカウンタをリセットしてカウント値PC=0に設定する(ステップS12)。つづいて、トリガ部材573(図30)を上昇させてキャリッジ1の往復動作領域に進出させる(ステップS13)。つづいて、後述するエラーカウンタn、及びエラーカウンタmをリセットしてそれぞれのカウント値を0にする(ステップS14)。つづいて、動作点AP1に位置しているキャリッジ1を復路走査方向XRに微速で移動させる(ステップS15)。キャリッジ1を微速で移動させることによって、切換レバー932がトリガ部材573に当接して揺動する際にPG切換ユニット9及びトリガ部材573が破損してしまう虞を低減させることができるとともに、PG切換ユニット9の誤動作の虞を低減させることができる。
【0137】
キャリッジ1が微速で復路走査方向XRへ移動していくと、やがてトリガ部材573がPG切換ユニット9の切換レバー932に当接し、切換レバー932は、トリガ部材573に押されて揺動方向CFへ揺動していく(図30)。そして、前述したように、回転体92に形成されている突起部92a〜92eの隣接している2つの突起部間に挟持された状態で揺動位置が規制される揺動位置まで切換レバー932が揺動してPGが切り換わる。また、揺動位置が規制される揺動位置まで切換レバー932が揺動すると、キャリッジ1は、それ以上復路走査方向XRへ移動できなくなり、キャリッジ駆動用モータ67の回転が強制的に停止させられて過負荷状態となる。そこで、キャリッジ駆動用モータ67の負荷状態を監視し、つまり、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値以上になったか否かを判定し(ステップS16)、過負荷状態を検出していなければ、つまり、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値未満である場合には(ステップS16でNo)、そのままキャリッジ駆動用モータ67を駆動させる。一方、過負荷状態を検出した時点で、つまり、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値以上になった時点で(ステップS16でYes)、キャリッジ駆動用モータ67を停止させてキャリッジ1を停止させ、リニアスケールセンサ12が出力する電気パルス信号をカウントして演算しているキャリッジ1の絶対位置を確認する(ステップS17)。
【0138】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP3の絶対位置より大きい場合には(ステップS17でCR位置>AP3)、つまり、キャリッジ1の停止位置が動作点AP3より動作点AP1側にある場合には、キャリッジ1の停止位置が前述した絶対位置X1の領域(動作点AP3と動作点AP4との間)に位置しておらず、かつ、絶対位置X2の領域(動作点AP2と動作点AP4との間)にも位置していないことになる。したがって、正常にPGの切換動作が行われなかったことになるので、エラーカウンタnのカウント値が3以上か否かを判定し(ステップS18)、エラーカウンタnのカウント値が3未満である場合には(ステップS18でNo)、エラーカウンタnのカウント値に1を加算してエラーカウンタnのカウント値を更新し(ステップS19)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS20)、ステップS15へ戻る。一方、エラーカウンタnのカウント値が3以上である場合には(ステップS18でYes)、当該手順において同一手順で計3回PGの切換を行うことができなかったことになるので、PGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS21)。
【0139】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP3の絶対位置と動作点AP4の絶対位置との間にある場合には(ステップS17でAP4≦CR位置≦AP3)、つまり、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域(動作点AP3と動作点AP4との間)にある場合には、PGの切換が正常に行われたことになる。そして、前述したように、PG切換時のキャリッジ1の停止位置が絶対位置X1であった場合には、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号1であると識別することができるので、PG切換後の回転体92は、回転位置番号1の回転位置になっており、PGが「既定の液体噴射間隔」としてのPG1に設定されている状態であると判定できる(既定液体噴射間隔検出制御手順)。PG切換後の回転体92は、回転位置番号1の回転位置になっているので、PCカウンタのカウント値をPC=1にセットし(ステップS22)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS20)、ステップS15へ戻る。尚、当該実施の形態においては、初期設定時のPGは、「既定の液体噴射間隔」としてのPG1ではなくPG2となっている。前述したように、PG2は、普通紙に印刷を実行する普通紙モード(PGtyp.)に対応したPGであり、最も印刷実行頻度の高い普通紙に対応したPGを初期設定時のPGに設定するためである。
【0140】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP2の絶対位置と動作点AP4の絶対位置との間にある場合には(ステップS17でAP2≦CR位置≦AP4)、つまり、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X2の領域(動作点AP2と動作点AP4との間)にある場合には、PGの切換が正常に行われたことになる。そして、前述したように、PG切換時のキャリッジ1の停止位置が絶対位置X2であった場合には、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号2〜5のいずれかであると識別することができるので、PG切換後の回転体92の回転位置は、回転位置番号2〜5のいずれかであり、PGがPG2〜PG5のいずれかに設定されている状態であると判定できる。
【0141】
つづいて、PCカウンタのカウント値が1であるか否か(ステップS23)、つまり、PG切換前のPGがPG1であったか否かを判定する。PCカウンタのカウント値が1でない場合には(ステップS23でNo)、回転体92の回転位置番号を特定することができないので、PCカウンタのカウント値を更新せずにキャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS20)、ステップS15へ戻る。一方、PCカウンタのカウント値が1である場合には(ステップS23でYes)、PG切換前のPGがPG1であったことになるので、PG切換後のPGは、PG2に設定されていると判定することができる。したがって、PG切換後の回転体92は、回転位置番号2の回転位置となっていることになるので、PCカウンタのカウンタ値をカウントアップしてPC=2とし(ステップS24)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS25)、トリガ部材573を下降させてキャリッジ1の往復動作領域から退避させ(ステップS26)、当該手順を終了する。このように、PGを切り換えた際にPCカウンタのカウント値をカウントアップすることによって、常に設定されているPGに対応した回転体92の回転位置番号が記憶されている状態を維持することができる(液体噴射間隔設定値更新手順)。
【0142】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP2の絶対位置より小さい場合には(ステップS17でCR位置<AP2)、つまり、キャリッジ1の停止位置が動作点AP2よりホームポジションHP側にある場合には、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域に位置しておらず、かつ、絶対位置X2の領域にも位置していないことになる。したがって、正常にPGの切換動作が行われなかったことになるので、エラーカウンタmのカウント値が3以上か否かを判定し(ステップS27)、エラーカウンタmのカウント値が3未満である場合には(ステップS27でNo)、エラーカウンタmのカウント値に1を加算してエラーカウンタmのカウント値を更新する(ステップS28)。
【0143】
そして、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS29)、トリガ部材573がキャリッジ1の往復動作領域に進出していない可能性があるので、トリガ部材573を下降させてキャリッジ1の往復動作領域からいったん退避させ(ステップS30)、トリガ部材573を上昇させて再びキャリッジ1の往復動作領域に進出させ(ステップS31)、ステップS15へ戻る。トリガ部材573をキャリッジ1の往復動作領域に進出させる動作のリトライを行うことで、トリガ部材573がキャリッジ1の往復動作領域に進出していない状態のままPGが切り換えられない状態になってしまう虞をなくすことができる。一方、エラーカウンタmのカウント値が3以上である場合には(ステップS27でYes)、当該手順において同一手順で計3回PGの切換を行うことができなかったことになるので、PGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS32)。
【0144】
このようにして、PCカウンタのカウント値が不定値である場合には、つまり、記憶した回転体92の回転位置が不定である場合には、既定の液体噴射間隔であるPG1に対応した回転位置まで回転体92を回転させてPGを既定のPG1に設定し、PCカウンタのカウント値をPC=1にセットすることによって、回転体92の回転位置を正確に検出した状態で回転体92の回転位置を記憶することができる。
【0145】
つづいて、「液体噴射間隔自動切換制御手順」としてのAUTOPG切換シーケンス(ステップS6)について説明する。
図35は、目標となるPGに対して目標とする回転体92の回転位置の対応を示した表である。
【0146】
当該実施の形態のおいて、回転偏心カム921は、回転体92の回転位置番号1〜5のうち回転位置番号2の回転位置と回転位置番号5の回転位置とで同じPGが設定される偏心形状を成している。つまり、PG2=PG5=1.45mmとなっており、目標となるPGが1.45mmである場合には、PG切換前の回転体92の回転位置によって、よりPGの切換動作の回数が少なくなるようにPG2とPG5とのいずれかを選択することによって、PG切換に要する時間を短縮することができる。したがって、図35に示したように、目標となるPGが1.45mmである場合には、PG切換前のPCカウンタのカウント値が2以下(1又は2)であれば、目標とする回転体92の回転位置を回転位置番号2としてPCA=2とする。一方、PG切換前のPCカウンタのカウント値が3以上(3又は4又は5)であれば、目標とする回転体92の回転位置を回転位置番号5としてPCA=5とする。
【0147】
図36及び図37は、AUTOPG切換シーケンスの制御手順を示したフローチャートである。
まず、現在のPCカウンタのカウント値(PC1〜5)と、印刷PGモードとを確認し、目標とするPCA値(PCA1〜5)を設定する(ステップS41)。現在のPCカウンタのカウント値から現在の回転体92の回転位置を検出し、ホスト装置等からの印刷指令に含まれている印刷PGモードから目標となるPGを検出し、現在の回転体92の回転位置と印刷PGモードとから目標とするPCA値を決定して設定する。次に、PCA=PCか否かを判定する(ステップS42)。PCA=PCである場合には(ステップS42でYes)、つまり、目標とするPCA値とPCカウンタのカウント値とが同じ値である場合には、現在設定されているPGが印刷PGモードのPGと一致しており、PGを切り換える必要がないので、そのまま当該手順を終了する。一方、PCA=PCでない場合には(ステップS42でNo)、つまり、目標とするPCA値とPCカウンタのカウント値とが異なる値である場合には、現在設定されているPGが印刷PGモードのPGと一致していないのでPGを切り換える。
【0148】
つづいて、キャリッジ1を動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS43)、トリガ部材573を上昇させてキャリッジ1の往復動作領域に進出させる(ステップS44)。つづいて、エラーカウンタn、及びエラーカウンタmをリセットしてそれぞれのカウント値を0にし(ステップS45)、再度PCA=PCか否かを判定する(ステップS46)。PCA=PCである場合には(ステップS46でYes)、つまり、目標とするPCA値とPCカウンタのカウント値とが同じ値である場合には、現在設定されているPGが印刷PGモードのPGと一致しており、PGを切り換える必要がないので、トリガ部材573を下降させてキャリッジ1の往復動作領域から退避させ(ステップS49)、当該手順を終了する。
【0149】
一方、PCA=PCでない場合には(ステップS46でNo)、つまり、目標とするPCA値とPCカウンタのカウント値とが異なる値である場合には、PCカウンタのカウント値が不定値か否かを判定する(ステップS47)。PCカウンタのカウント値が不定値である場合には(ステップS47でPC=0)、後述するAUTOPGポジション確認シーケンス(ステップS48)を実行した後、ステップS46へ戻る。一方、PCカウンタのカウント値が不定値でない場合には(ステップS47でPC=1、2、3、4、5)、つづいて、動作点AP1に位置しているキャリッジ1を復路走査方向XRに微速で移動させる(ステップS50)。
【0150】
前述したように、キャリッジ1が微速で復路走査方向XRへ移動していくと、やがてトリガ部材573がPG切換ユニット9の切換レバー932に当接し、切換レバー932は、トリガ部材573に押されて揺動方向CFへ揺動していく。揺動位置が規制される揺動位置まで切換レバー932が揺動すると、キャリッジ1は、それ以上復路走査方向XRへ移動できなくなり、キャリッジ駆動用モータ67の回転が強制的に停止させられて過負荷状態となるので、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値以上になったか否かを判定し(ステップS51)、過負荷状態を検出していなければ、つまり、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値未満である場合には(ステップS51でNo)、そのままキャリッジ駆動用モータ67を駆動させる。一方、過負荷状態を検出した時点で、つまり、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値以上になった時点で(ステップS51でYes)、キャリッジ駆動用モータ67を停止させてキャリッジ1を停止させ、キャリッジ1の絶対位置を確認する(ステップS52)。
【0151】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP3の絶対位置より大きい場合には(ステップS52でCR位置>AP3)、つまり、キャリッジ1の停止位置が動作点AP3より動作点AP1側にある場合には、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域(動作点AP3と動作点AP4との間)に位置しておらず、かつ、絶対位置X2の領域(動作点AP2と動作点AP4との間)にも位置していないことになる。したがって、正常にPGの切換動作が行われなかったことになるので、エラーカウンタnのカウント値が3以上か否かを判定し(ステップS53)、エラーカウンタnのカウント値が3未満である場合には(ステップS53でNo)、エラーカウンタnのカウント値に1を加算してエラーカウンタnのカウント値を更新し(ステップS54)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS55)、ステップS46へ戻る。一方、エラーカウンタnのカウント値が3以上である場合には(ステップS53でYes)、当該手順において同一手順で計3回PGの切換を行うことができなかったことになるので、PGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS56)。
【0152】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP3の絶対位置と動作点AP4の絶対位置との間にある場合には(ステップS52でAP4≦CR位置≦AP3)、つまり、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域(動作点AP3と動作点AP4との間)にある場合には、PGの切換が正常に行われたことになる。前述したように、PG切換時のキャリッジ1の停止位置が絶対位置X1であった場合には、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号1であると識別することができるので、PG切換後の回転体92は、回転位置番号1の回転位置になっており、PGがPG1に設定されている状態であると判定できる。
【0153】
ここで、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていることを検証するために、PCカウンタのカウント値がPC=5であるか否かを判定する(ステップS57)。つまり、PG切換後の回転体92の回転位置は、回転位置番号1であるので、PG切換前の回転体92の回転位置は、回転位置番号5であったはずであり、PCカウンタのカウント値はPC=5になっているはずである。したがって、PCカウンタのカウント値がPC=5である場合には(ステップS57でYes)、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていると判定し、PCカウンタのカウント値をPC=1にセットし(ステップS58)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS59)、ステップS46へ戻る。一方、PCカウンタのカウント値がPC=5でない場合には(ステップS57でNo)、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていないと判定し、PCカウンタをリセットしてPC=0にセットし(ステップS61)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS62)、後述するAUTOPGポジション確認シーケンス(ステップS63)を実行した後、ステップS46へ戻る。
【0154】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP2の絶対位置と動作点AP4の絶対位置との間にある場合には(ステップS52でAP2≦CR位置≦AP4)、つまり、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X2の領域(動作点AP2と動作点AP4との間)にある場合には、PGの切換が正常に行われたことになる。前述したように、PG切換時のキャリッジ1の停止位置が絶対位置X2であった場合には、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号2〜5のいずれかであると識別することができるので、PG切換後の回転体92の回転位置は、回転位置番号2〜5のいずれかであり、PGがPG2〜PG5のいずれかに設定されている状態であると判定できる。
【0155】
ここでも、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていることを検証するために、PCカウンタのカウント値がPC=5であるか否かを判定する(ステップS60)。つまり、PG切換後の回転体92の回転位置は、回転位置番号2〜5であるので、PG切換前の回転体92の回転位置は、回転位置番号5ではないはずであり、PCカウンタのカウント値はPC=5以外の値になっているはずである。したがって、PCカウンタのカウント値がPC=5でない場合には(ステップS60でNo)、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていると判定し、PCカウンタのカウント値をカウントアップしてPC=PC+1にセットし(ステップS64)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS65)、ステップS46へ戻る。一方、PCカウンタのカウント値がPC=5である場合には(ステップS60でYes)、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていないと判定し、PCカウンタをリセットしてPC=0にセットし(ステップS61)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS62)、後述するAUTOPGポジション確認シーケンス(ステップS63)を実行した後、ステップS46へ戻る。
【0156】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP2の絶対位置より小さい場合には(ステップS52でCR位置<AP2)、つまり、キャリッジ1の停止位置が動作点AP2よりホームポジションHP側にある場合には、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域に位置しておらず、かつ、絶対位置X2の領域にも位置していないことになる。したがって、正常にPGの切換動作が行われなかったことになるので、エラーカウンタmのカウント値が3以上か否かを判定し(ステップS66)、エラーカウンタmのカウント値が3未満である場合には(ステップS66でNo)、エラーカウンタmのカウント値に1を加算してエラーカウンタmのカウント値を更新する(ステップS67)。
【0157】
そして、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS68)、トリガ部材573がキャリッジ1の往復動作領域に進出していない可能性があるので、トリガ部材573を下降させてキャリッジ1の往復動作領域からいったん退避させ(ステップS69)、トリガ部材573を上昇させて再びキャリッジ1の往復動作領域に進出させ(ステップS70)、ステップS46へ戻る。トリガ部材573をキャリッジ1の往復動作領域に進出させる動作のリトライを行うことで、トリガ部材573がキャリッジ1の往復動作領域に進出していない状態のままPGが切り換えられない状態になってしまう虞をなくすことができる。一方、エラーカウンタmのカウント値が3以上である場合には(ステップS66でYes)、当該手順において同一手順で計3回PGの切換を行うことができなかったことになるので、PGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS71)。
【0158】
このように、PCカウンタのカウント値とPCA値が一致するまで(ステップS42又はステップS46でYesと判定されるまで)、PGの切換動作を繰り返すことによって、PGを所望のPGに正確に設定することができる。また、PCカウンタのカウント値が不定値であったり、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていないと判定したりした場合には、後述するAUTOPGポジション確認シーケンスによってPG切換ユニット9が正常に動作しているか否かを確認することで、PGの誤設定が防止されるとともに、PG切換ユニット9の異常をいち早く検出することができる。
【0159】
つづいて、「液体噴射間隔切換動作確認制御手順」としてのAUTOPGポジション確認シーケンス(ステップS48、ステップS63)について説明する。
【0160】
図38は、AUTOPGポジション確認シーケンスの制御手順を示したフローチャートである。
まず、PCカウンタのカウント値がPC=1か否かを判定する(ステップS81)。PCカウンタのカウント値がPC=1である場合には(ステップS81でYes)、そのまま動作点AP1に位置しているキャリッジ1を復路走査方向XRに微速で移動させる(ステップS83)。PCカウンタのカウント値がPC=1でない場合には(ステップS81でNo)、前述したAUTOPGリセットシーケンス(ステップS82)を実行してから動作点AP1に位置しているキャリッジ1を復路走査方向XRに微速で移動させる(ステップS83)。つまり、動作点AP1に位置しているキャリッジ1を復路走査方向XRに微速で移動させる時点で(ステップS83)、PCカウンタのカウント値は、PC=1又はPC=2(AUTOPGリセットシーケンス実行時)のいずれかに設定されている状態となる。
【0161】
前述したように、キャリッジ1が微速で復路走査方向XRへ移動していくと、やがてトリガ部材573がPG切換ユニット9の切換レバー932に当接し、切換レバー932は、トリガ部材573に押されて揺動方向CFへ揺動していく。揺動位置が規制される揺動位置まで切換レバー932が揺動すると、キャリッジ1は、それ以上復路走査方向XRへ移動できなくなり、キャリッジ駆動用モータ67の回転が強制的に停止させられて過負荷状態となるので、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値以上になったか否かを判定し(ステップS84)、過負荷状態を検出していなければ、つまり、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値未満である場合には(ステップS84でNo)、そのままキャリッジ駆動用モータ67を駆動させる。一方、過負荷状態を検出した時点で、つまり、キャリッジ駆動用モータ67の出力値が所定値以上になった時点で(ステップS84でYes)、キャリッジ駆動用モータ67を停止させてキャリッジ1を停止させ、キャリッジ1の絶対位置を確認する(ステップS85)。
【0162】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP3の絶対位置より大きい場合には(ステップS85でCR位置>AP3)、つまり、キャリッジ1の停止位置が動作点AP3より動作点AP1側にある場合には、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域(動作点AP3と動作点AP4との間)に位置しておらず、かつ、絶対位置X2の領域(動作点AP2と動作点AP4との間)にも位置していないことになる。したがって、正常にPGの切換動作が行われなかったことになるので、エラーカウンタnのカウント値が3以上か否かを判定し(ステップS86)、エラーカウンタnのカウント値が3未満である場合には(ステップS86でNo)、エラーカウンタnのカウント値に1を加算してエラーカウンタnのカウント値を更新し(ステップS87)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS88)、ステップS83へ戻る。一方、エラーカウンタnのカウント値が3以上である場合には(ステップS86でYes)、当該手順において同一手順で計3回PGの切換を行うことができなかったことになるので、PGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS89)。
【0163】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP2の絶対位置より小さい場合には(ステップS85でCR位置<AP2)、つまり、キャリッジ1の停止位置が動作点AP2よりホームポジションHP側にある場合には、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域に位置しておらず、かつ、絶対位置X2の領域にも位置していないことになる。したがって、正常にPGの切換動作が行われなかったことになるので、エラーカウンタmのカウント値が3以上か否かを判定し(ステップS97)、エラーカウンタmのカウント値が3未満である場合には(ステップS97でNo)、エラーカウンタmのカウント値に1を加算してエラーカウンタmのカウント値を更新する(ステップS98)。
【0164】
そして、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS99)、トリガ部材573がキャリッジ1の往復動作領域に進出していない可能性があるので、トリガ部材573を下降させてキャリッジ1の往復動作領域からいったん退避させ(ステップS100)、トリガ部材573を上昇させて再びキャリッジ1の往復動作領域に進出させ(ステップS101)、ステップS83へ戻る。トリガ部材573をキャリッジ1の往復動作領域に進出させる動作のリトライを行うことで、トリガ部材573がキャリッジ1の往復動作領域に進出していない状態のままPGが切り換えられない状態になってしまう虞をなくすことができる。一方、エラーカウンタmのカウント値が3以上である場合には(ステップS97でYes)、当該手順において同一手順で計3回PGの切換を行うことができなかったことになるので、PGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS102)。
【0165】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP2の絶対位置と動作点AP4の絶対位置との間にある場合には(ステップS85でAP2≦CR位置≦AP4)、つまり、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X2の領域(動作点AP2と動作点AP4との間)にある場合には、PGの切換が正常に行われたことになる。前述したように、PG切換時のキャリッジ1の停止位置が絶対位置X2であった場合には、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号2〜5のいずれかであると識別することができるので、PG切換後の回転体92の回転位置は、回転位置番号2〜5のいずれかであり、PGがPG2〜PG5のいずれかに設定されている状態であると判定できる。
【0166】
ここで、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていることを検証するために、PCカウンタのカウント値がPC=5であるか否かを判定する(ステップS94)。つまり、PG切換後の回転体92の回転位置は、回転位置番号2〜5であるので、PG切換前の回転体92の回転位置は、回転位置番号5ではないはずであり、PCカウンタのカウント値はPC=5以外の値になっているはずである。したがって、PCカウンタのカウント値がPC=5でない場合には(ステップS94でNo)、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていると判定し、PCカウンタのカウント値をカウントアップしてPC=PC+1にセットし(ステップS95)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS96)、ステップS83へ戻り、再度PGの切換動作を行う。一方、PCカウンタのカウント値がPC=5である場合には(ステップS94でYes)、既にAUTOPG切換シーケンスにおいて、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていないと判定されて当該手順に移行してきていることから、もはやPGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS93)。
【0167】
キャリッジ1の絶対位置が動作点AP3の絶対位置と動作点AP4の絶対位置との間にある場合には(ステップS85でAP4≦CR位置≦AP3)、つまり、キャリッジ1の停止位置が絶対位置X1の領域(動作点AP3と動作点AP4との間)にある場合には、PGの切換が正常に行われたことになる。前述したように、PG切換時のキャリッジ1の停止位置が絶対位置X1であった場合には、PG切換後の回転体92の回転位置が回転位置番号1であると識別することができるので、PG切換後の回転体92は、回転位置番号1の回転位置になっており、PGがPG1に設定されている状態であると判定できる。
【0168】
ここで、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていることを検証するために、PCカウンタのカウント値がPC=5であるか否かを判定する(ステップS90)。つまり、PG切換後の回転体92の回転位置は、回転位置番号1であるので、PG切換前の回転体92の回転位置は、回転位置番号5であったはずであり、PCカウンタのカウント値はPC=5になっているはずである。したがって、PCカウンタのカウント値がPC=5である場合には(ステップS90でYes)、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントして回転体92を1回転させることができたと判定し、PCカウンタのカウント値をPC=1にセットし(ステップS91)、キャリッジ1を再び動作点AP1まで中速で移動させ(ステップS92)、当該手順を終了する。一方、PCカウンタのカウント値がPC=5でない場合には(ステップS90でNo)、既にAUTOPG切換シーケンスにおいて、PCカウンタのカウント値が回転体92の回転位置を正しくカウントしていないと判定されて当該手順に移行してきていることから、もはやPGの自動切換制御を正常に行うことができない状態であると判定し、フェイタルエラーとして当該手順を終了する(ステップS93)。
【0169】
PCカウンタのカウント値がPC=1となっている状態から、PGの切換動作を繰り返して再びPCカウンタのカウント値がPC=1となった時点で、PG切換ユニット9が正常に動作していれば、回転体92が丁度1回転した状態で、PGは、「既定の液体噴射間隔」としてのPG1に設定されているはずである。したがって、当該手順において、PCカウンタのカウント値がPC=1となっている状態から、PGの切換動作を繰り返してPGが「既定の液体噴射間隔」としてのPG1に設定された時点で、PCカウンタのカウント値がPC=5であれば(ステップS90でYes)、PG切換後のPCカウンタの更新後にPC=1となるので、PG切換ユニット9が正常に動作していると判定することができる。
【0170】
尚、当該実施の形態においては、前述したように、最も印刷実行頻度の高い普通紙に対応したPGを初期設定時のPGに設定するため、初期設定時のPGは、「既定の液体噴射間隔」としてのPG1ではなく便宜的にPG2となっているので、AUTOPGリセットシーケンス実行後のPCカウンタのカウント値はPC=2となるようになっている。本来は、PCカウンタのカウント値をPC1→PC2→PC3→PC4→PC5→PC1と遷移させて回転体92をちょうど1回転させて全てのPGの切換動作を確認するために、AUTOPGポジション確認シーケンスを実行する際のPCカウンタのカウント値は、PC=1であるのが好ましく最も理想的ではある。当該実施の形態においては、最も印刷実行頻度の高い普通紙に対応したPGを初期設定時のPGに設定するため、割り切って、AUTOPGポジション確認シーケンスを実行する際のPCカウンタのカウント値をPC=1又はPC=2としている。
【0171】
このように、AUTOPGポジション確認シーケンスを実行する際のPCカウンタのカウント値をPC=1又はPC=2としても本願発明の実施は可能であり、PG1→PG2へのPGの切換動作のみ確認することができないものの、PG切換ユニット9の動作確認精度には、ほとんど影響がなく本願発明による効果を得ることができる。
【0172】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るインクジェット式記録装置の外観斜視図である。
【図2】本願発明に係るインクジェット式記録装置の概略側面図である。
【図3】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部斜視図である。
【図4】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部平面図である。
【図5】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部斜視図である。
【図6】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部側面図である。
【図7】本願発明に係るインクジェット式記録装置の要部側面図である。
【図8】インクジェット式記録装置のインクシステムの斜視図である。
【図9】インクジェット式記録装置のインクシステムの側面図である。
【図10】キャリッジの側面図である。
【図11】キャリッジの斜視図である。
【図12】キャリッジの別の角度からの斜視図である。
【図13】メインキャリッジの斜視図である。
【図14】メインキャリッジの正面図である。
【図15】メインキャリッジの平面図である。
【図16】メインキャリッジの側面図である。
【図17】PG切換ユニットの要部正面図である。
【図18】回転体の断面を示したPG切換ユニットの要部正面図である。
【図19】サブキャリッジの斜視図である。
【図20】PG切換ユニットの取付構造の断面を示した側面図である。
【図21】PG切換ユニット本体の断面を模式的に示した側面図である。
【図22】キャリッジの要部断面図である。
【図23】キャリッジの要部平面図である。
【図24】PG切換ユニットの一部を拡大して示した要部正面図である。
【図25】回転体の回転動作を示した動作図である。
【図26】回転体の回転動作を示した動作図である。
【図27】回転体の回転動作を示した動作図である。
【図28】回転体の回転動作を示した動作図である。
【図29】回転体の回転動作を示した動作図である。
【図30】キャリッジとキャップケースとを示した概略の動作図である。
【図31】絶対位置で模式的に示したキャリッジの動作領域図である。
【図32】PG設定シーケンスの手順を示したフローチャートである。
【図33】PGに対する回転位置番号の対応を示した表である。
【図34】AUTOPGリセット手順を示したフローチャートである。
【図35】目標PGに対する目標回転位置の対応を示した表である。
【図36】AUTOPG切換シーケンスを示したフローチャートである。
【図37】AUTOPG切換シーケンスを示したフローチャートである。
【図38】AUTOPGポジション確認シーケンスを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 キャリッジ、2 メインキャリッジ、3 サブキャリッジ、4 記録ヘッド、7 給紙カセット、8 インクカートリッジ収容部、9 PG切換ユニット、11 キャリッジカバー、13a〜13d ばね、26 スライドレバー、27ヘッド角度調節レバー、28 サブキャリッジガイド軸、32 軸受、33 軸受、34 凹部、50 インクジェット式記録装置、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排紙駆動ローラ、55 排紙従動ローラ、56 排紙補助ローラ、57 キャップケース、61 キャリッジガイド軸、73 ピックアップローラ、74 給紙ローラ、75 リバースローラ、81 通信回路基板フレーム、82 インクカートリッジ、84 通信回路基板、91 切換ユニット本体、92 回転体、93 回転偏心カム駆動ユニット、200 制御部、571 キャップ、572 キャリッジロック、573 トリガ部材、91a 掛合部、91b 凸部、921 回転偏心カム、92a〜92e 突起部、931 係合部、932 切換レバー、937 係止部、X 主走査方向、Y 副走査方向

Claims (23)

  1. 所定の走査方向に往復動可能に支持されるメインキャリッジと、被噴射材に液体を噴射する液体噴射ヘッドを搭載したサブキャリッジと、該サブキャリッジを前記被噴射材の被噴射面に対して垂直方向に変位可能に前記メインキャリッジに支持し、前記サブキャリッジを変位させて前記液体噴射ヘッドのヘッド面と被噴射材の被噴射面との間隔を切り換える液体噴射間隔切換装置とを備え、前記サブキャリッジは、前記メインキャリッジに対して付勢手段を介したフローティング状態で、前記付勢手段の付勢力によって前記液体噴射間隔切換装置の一端に押圧されつつ前記メインキャリッジに支持されているキャリッジの前記液体噴射間隔切換装置であって、
    前記メインキャリッジ側に軸支され、前記サブキャリッジを支持する回転偏心カムと、揺動可能に前記メインキャリッジ側に軸支され、所定の方向に揺動して前記回転偏心カムを一回転方向に回転させる切換レバーと、前記回転偏心カムと一体に回転する如く配置され、複数の突起部が同心円上に形成された回転体とを有し、
    前記切換レバーを一方向に揺動させることで前記切換レバーの係合部が前記突起部と係合して前記回転体が一回転方向に回転し、前記係合部と係合している突起部の前記回転体の回転方向と反対方向直近に形成されている突起部に前記切換レバーの係止部が当接する回転位置まで前記回転体が回転した時点で、前記切換レバーが前記係合部に係合している突起部と前記係止部に当接している突起部との間に挟持されて一方向への前記切換レバーの揺動が規制されることによって、前記回転体の回転位置が規定されて前記回転偏心カムの回転位置が規定され、前記回転体に前記切換レバーの係止部が当接する回転位置まで前記回転体が回転した後、前記切換レバーを他揺動方向に揺動させると、前記係合部と係合している突起部の前記回転体の回転方向と反対方向直近に形成されている突起部と前記係合部とが係合した際に前記回転体が他回転方向に回転しない構成を成しており、
    前記回転体は、前記突起部が同心円上の隣の突起部との間隔が1カ所を除いて略等間隔となる如く形成されている、ことを特徴とした液体噴射間隔切換装置。
  2. 請求項1において、前記係合部は、前記切換レバーの揺動軸に向けて縮退可能に構成され、前記切換レバー内に縮設された付勢手段によって伸長方向に付勢されており、前記回転体に前記切換レバーの係止部が当接する回転位置まで前記回転体が回転した後、前記切換レバーを他揺動方向に揺動させると、前記係合部と係合している突起部の前記回転体の回転方向と反対方向直近に形成されている突起部と係合した際に縮退して前記回転体が他回転方向に回転しない構成を成している、ことを特徴とした液体噴射間隔切換装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液体噴射間隔切換装置を備えたキャリッジと、該キャリッジの往復動作領域に進出退避可能に配設されたトリガ部材とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジの駆動力源と前記トリガ部材を進出退避させる手段とを制御して前記液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の自動切換制御を実行する液体噴射間隔自動切換制御装置であって、
    前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域に進出させ、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動位置が規制される揺動位置まで前記キャリッジの往復動作領域に進出した状態の前記トリガ部材が前記切換レバーを揺動させるまで、前記キャリッジを移動させて前記回転偏心カムを前記突起部の間隔分だけ回転させる動作を繰り返すことによって、液体噴射間隔を前記突起部が形成されている間隔で段階的にサイクリックに切り換える液体噴射間隔自動切換制御手段と、
    該液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を切り換えた際に、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置が、1カ所だけ間隔が異なる前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置である場合に既定の液体噴射間隔であると判定する既定液体噴射間隔検出制御手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  4. 請求項3において、既定の液体噴射間隔を検出している時点から前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって前記回転体が1回転するまで液体噴射間隔を切り換えて、再び既定の液体噴射間隔が検出された場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する液体噴射間隔切換動作確認制御手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  5. 請求項4において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合にエラーとする手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  6. 請求項5において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合には、前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域からいったん退避させた後、再び前記キャリッジの往復動作領域に進出させてから前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを再度移動させる手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  7. 請求項5又は6において、設定されている液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値記憶手段と、
    前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を切り換える度に前記液体噴射間隔設定値記憶手段にて記憶した前記回転体の回転位置を更新する液体噴射間隔設定値更新手段と、
    前記液体噴射間隔設定値記憶手段にて記憶した前記回転体の回転位置が不定である場合に、前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定し、既定の液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値初期化手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  8. 請求項7において、前記液体噴射間隔切換装置は、前記液体噴射間隔自動切換制御手段による液体噴射間隔の切換動作をn回繰り返すことで、前記回転体が1周する如く前記突起部が形成されており、液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置に1〜nの整数の回転位置番号が既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置を1として回転方向に順に付与されており、
    前記液体噴射間隔設定値記憶手段は、1〜nをサイクリックにカウントする回転位置カウンタであり、
    前記液体噴射間隔設定値更新手段は、前記液体噴射間隔自動切換制御手段によって液体噴射間隔を切り換える度に前記回転位置カウンタをカウントアップする手段を有し、
    前記液体噴射間隔設定値初期化手段は、既定の液体噴射間隔に対応した回転体の回転位置に対応した液体噴射間隔に設定された時点で前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  9. 請求項8において、前記液体噴射間隔自動切換制御手段は、前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とを照合する手段と、
    前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とが一致していない場合には、前記カウント値が一致するまで液体噴射間隔を切り換える手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  10. 請求項8又は9において、前記液体噴射間隔自動切換制御手段は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合には、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項において、前記液体噴射間隔自動切換制御手段は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合には、前記回転位置カウンタのカウント値を0にセットした後、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手段によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手段を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項において、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手段は、前記回転位置カウンタのカウント値が1以外の場合に前記液体噴射間隔設定値初期化手段によって、液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定して前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手段と、
    液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合にエラーとする手段と、
    液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合にエラーとし、nだった場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する手段とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御装置。
  13. 請求項3〜12のいずれか1項に記載の液体噴射間隔自動切換制御装置を備えた液体噴射装置。
  14. 請求項1又は2に記載の液体噴射間隔切換装置を備えたキャリッジと、該キャリッジの往復動作領域に進出退避可能に配設されたトリガ部材とを備えた液体噴射装置において、前記キャリッジの駆動力源と前記トリガ部材を進出退避させる手段とを制御して前記液体噴射間隔切換装置による液体噴射間隔の自動切換制御をコンピュータに実行させるための液体噴射間隔自動切換制御プログラムであって、
    前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域に進出させ、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動位置が規制される揺動位置まで前記キャリッジの往復動作領域に進出した状態の前記トリガ部材が前記切換レバーを揺動させるまで、前記キャリッジを移動させて前記回転偏心カムを前記突起部の間隔分だけ回転させる動作を繰り返すことによって、液体噴射間隔を前記突起部が形成されている間隔で段階的にサイクリックに切り換える液体噴射間隔自動切換制御手順と、
    該液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を切り換えた際に、前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置が、1カ所だけ間隔が異なる前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置である場合に既定の液体噴射間隔であると判定する既定液体噴射間隔検出制御手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  15. 請求項14において、既定の液体噴射間隔を検出している時点から前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって前記回転体が1回転するまで液体噴射間隔を切り換えて、再び既定の液体噴射間隔が検出された場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する液体噴射間隔切換動作確認制御手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  16. 請求項15において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合にエラーとする手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  17. 請求項16において、前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを移動させた際の前記キャリッジの停止位置が、前記突起部間に挟持された状態の前記切換レバーの揺動位置に対応した位置でない場合には、前記トリガ部材を前記キャリッジの往復動作領域からいったん退避させた後、再び前記キャリッジの往復動作領域に進出させてから前記切換レバーを前記トリガ部材で揺動させるべく前記キャリッジを再度移動させる手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  18. 請求項16又は17において、設定されている液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値記憶手順と、
    前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を切り換える度に前記液体噴射間隔設定値記憶手順にて記憶した前記回転体の回転位置を更新する液体噴射間隔設定値更新手順と、
    前記液体噴射間隔設定値記憶手順にて記憶した前記回転体の回転位置が不定である場合に、前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定し、既定の液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置を記憶する液体噴射間隔設定値初期化手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  19. 請求項18において、前記液体噴射間隔切換装置は、前記液体噴射間隔自動切換制御手順による液体噴射間隔の切換動作をn回繰り返すことで、前記回転体が1周する如く前記突起部が形成されており、液体噴射間隔に対応した前記回転体の回転位置に1〜nの整数の回転位置番号が基準となる回転位置を1として回転方向に順に付与されており、
    前記液体噴射間隔設定値記憶手順は、1〜nをサイクリックにカウントする回転位置カウンタであり、
    前記液体噴射間隔設定値更新手順は、前記液体噴射間隔自動切換制御手順によって液体噴射間隔を切り換える度に前記回転位置カウンタをカウントアップする手順を有し、
    前記液体噴射間隔設定値初期化手順は、液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔に設定された時点で前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  20. 請求項19において、前記液体噴射間隔自動切換制御手順は、前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とを照合する手順と、
    前記回転位置カウンタの現在のカウント値と、設定すべき液体噴射間隔に対応したカウント値とが一致していない場合には、前記カウント値が一致するまで液体噴射間隔を切り換える手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  21. 請求項19又は20において、前記液体噴射間隔自動切換制御手順は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合には、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手順によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  22. 請求項19〜21のいずれか1項において、前記液体噴射間隔自動切換制御手順は、液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合には、前記回転位置カウンタのカウント値を0にセットした後、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手順によって前記液体噴射間隔切換装置が正常に動作しているか否かを確認する手順を有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
  23. 請求項19〜22のいずれか1項において、前記液体噴射間隔切換動作確認制御手順は、前記回転位置カウンタのカウント値が1以外の場合に前記液体噴射間隔設定値初期化手順によって、液体噴射間隔を既定の液体噴射間隔に設定して前記回転位置カウンタのカウント値を1にセットする手順と、
    液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔でないと判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだった場合にエラーとする手順と、
    液体噴射間隔を切り換えた際に前記切換レバーが前記突起部間に挟持されて揺動が規制された状態における前記キャリッジの停止位置から切換後の液体噴射間隔が既定の液体噴射間隔であると判定した場合には、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnだったか否かを照合し、切換前の前記回転位置カウンタのカウント値がnでなかった場合にエラーとし、nだった場合に前記液体噴射切換装置が正常に動作していると判定する手順とを有している、ことを特徴とした液体噴射間隔自動切換制御プログラム。
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