JP2005074979A - キャリッジのカバー閉成安全装置、記録装置、液体噴射装置 - Google Patents

キャリッジのカバー閉成安全装置、記録装置、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクカートリッジの交換時にインクカートリッジがキャリッジ内の所定位置まで挿入されていない場合に、カバーの閉成を不可能として、ユーザーがインクカートリッジの不完全挿入状態に気が付くようにしたキャリッジのカバー閉成安全装置を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ22が、カートリッジ固定手段39と、カートリッジ側干渉部44とを備える。キャリッジ23が、カートリッジ固定手段と係合してインクカートリッジの位置を固定するカートリッジ被固定部70と、カバー57の内側に形成され、インクカートリッジを収納部の所定位置まで挿入したときにはカートリッジ側干渉部と干渉せずカバーの閉成状態を実現可能であるが、インクカートリッジが収納部59の所定位置まで挿入されないときは、カートリッジ側干渉部44と干渉して、カバーの閉成を実現不能とするカバー側干渉部75とを備える。
【選択図】 図7

Description

本発明は、インクジェット式記録装置等の液体噴射装置に適用してヘッドへインク等の液体を供給する液体カートリッジ及びこれを収納するキャリッジに関するものである。
特許文献1(特開平6−115064号公報)には、レバーによるインクカートリッジの取付操作が完全に行なわれていないときレバーに当接してキャリッジの移動を停止させるストッパをケースと一体に設け、取付操作のためのキャリッジ停止位置をキャッピング位置とし、またインクカートリッジはレバーにより、キャリッジの移動方向において弾性的に保持される構成が提案されている。
また、特許文献2(特開2002−254670号公報)には、キャリッジのカートリッジホルダが回動して開閉する蓋部を備え、インクカートリッジを装着時には、まず蓋部を開放した状態で蓋部の基部に設けた係合部にインクカートリッジを係止させて初期装着位置にインクカートリッジを装着し、次いで蓋部を閉じることによって本装着位置に移行させてインクカートリッジを装着する機構を備え、インクカートリッジが係合部に係止されない不正常な初期装着がされたときは、本装着状態への移行を阻止する誤装着防止手段としてリブを備えた構成が提案されている。
更に特許文献3(特開2003−63029号公報)には、キャリッジの低部に、弾性部材としての板ばねが設けられており、少なくとも1つの個別ホルダにおける初期装着状態においては、突出した板ばねにより、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べて突出させ、該突出した初期装着状態をとる個別ホルダにおける本装着状態においては、インクカートリッジを他の個別ホルダにおける初期装着状態のインクカートリッジに比べ凹入させるようにした構成が提案されている。
特開平6−115064号公報 特開2002−254670号公報 特開2003−63029号公報
上記のような従来のインクカートリッジでは、インクカートリッジの後面側に、インクカートリッジが存在することを検知させる情報、インクカートリッジに収納されるインクの色、インクの残量などのインクに関する情報を記憶する記憶手段を備えた回路基板(ICチップ)が搭載されると共に、他の端子部と電気的接触を図るためのカートリッジ側端子部が表面に露出するように配設されている。これに対応してキャリッジの後方側にも回路基板が搭載され、該回路基板に対応するキャリッジの内側位置に、前記カートリッジ側端子部と電気的接触を図るための本体側端子部が配設されている。当該カートリッジ側端子部とキャリッジ側の前記本体端子部が接触することで、前記記憶手段に記憶されている情報の読み取りおよび更新が行えるようになっている。従ってインクカートリッジがキャリッジ内の所定位置までしっかりと挿入されていないと、カートリッジ側端子部と本体側端子部との電気的接触が不十分となり、情報の正確なやり取りを行うことができなくなるおそれがある。
また、インクカートリッジがキャリッジ内の所定位置までしっかりと挿入されていないと、インクの供給が不十分となり印刷品質に影響を与えたり、インク残量の減少をセンサが検知して記録装置が不意に停止してしまうなどの原因ともなり得る。
ところで、上記のような従来のインクカートリッジでは、図6に示す如く、キャリッジ100の上部において回動式に開閉可能なカバー101の後端部103の内側にスペース105が形成されている。なお、図6および後述する図7は、本発明の実施例を説明する図3および図4に示したインクカートリッジ及びキャリッジの構造から、本発明の特徴構成部分(後述する「カバー側干渉部」)を無くした状態のものに相当する。すなわち、図6および図7は、本発明における特徴部分を浮き彫りにするために描き起こした図面であり、これらの図面に記載されている構造がそのまま従来公知のものということではない。
インクカートリッジ107の後方側には、インクカートリッジ107の後方側をキャリッジ100に固定するためのカートリッジ固定手段109が設けられている。カートリッジ固定手段109には係合片113が形成されており、係合片113がキャリッジ100における係合部115に係止することによりインクカートリッジ107が固定される。そしてこのとき、カートリッジ固定手段109の上端部111は、スペース105内に受け入れられるようになっている。
また図7に示す如く、カートリッジ固定手段109の係合片113が係合部115に係止していない状態、即ちインクカートリッジ107がキャリッジ100の所定位置まで押し込まれていない状態でも、カートリッジ固定手段109の上端部111は、スペース105内に受け入れられ、カバー101の閉成が行えるようになっている。
そのためユーザーは、インクカートリッジの交換後にカバー101を閉じるときに、インクカートリッジ107がキャリッジ100の所定位置まで押し込まれていなくてもそのことに気付かず、その結果、上述したような種々の問題を生じることがある。
そこで本発明の目的は、インクカートリッジの交換時にインクカートリッジがキャリッジ内の所定位置まで挿入されていない場合に、カバーの閉成を不可能として、ユーザーがインクカートリッジの不完全挿入状態に気が付くようにしたキャリッジのカバー閉成安全装置及びこれを備える記録装置、液体噴射装置を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様に係るキャリッジのカバー閉成安全装置は、走査可能なキャリッジにインクカートリッジを収納したときに、インクカートリッジの収納状態が適切になることを確実にするための装置であり、前記インクカートリッジが、カートリッジ固定手段と、カートリッジ側干渉部とを備え、前記キャリッジが、キャリッジ本体と、該キャリッジ本体内に形成され少なくとも1つのインクカートリッジを収納する収納部と、前記キャリッジ本体に回動支点を有し、該回動支点の周囲で回動することにより開閉可能であり、閉成時に前記キャリッジ本体に係止してインクカートリッジの取り出しを不能にするカバーと、前記インクカートリッジのインクにより被記録媒体に記録を行うためのヘッドと、前記カバーに形成される係止部と、前記キャリッジ本体に形成され、前記カバーの閉成時に前記係止部と係止する被係止部と、前記キャリッジ本体に形成され、前記インクカートリッジのカートリッジ固定手段と係合してインクカートリッジの位置を固定するカートリッジ被固定部と、前記カバーの内側に形成され、前記インクカートリッジを前記収納部の所定位置まで挿入したときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉することなく、前記係止部と被係止部との係止により前記カバーの閉成状態を実現可能であるが、前記インクカートリッジが前記収納部の所定位置まで挿入されていないときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉して、前記カバーの閉成を実現不能とするカバー側干渉部とを備えることを特徴とするものである。
本発明の第1の態様によれば、インクカートリッジがキャリッジの収納部の所定位置まで挿入されていないときには、カバー側干渉部がカートリッジ側干渉部と干渉して、カバーを閉成することができなくなる。これによりユーザーがインクカートリッジが所定位置まで挿入されていないことに気づき、インクカートリッジを入れ直す機会を与えることができる。
また、本発明の第2の態様に係るキャリッジのカバー閉成安全装置は、上記第1の態様において、前記カートリッジ固定手段は、回動支点においてインクカートリッジの端面に弾性変形可能に接続されたフック状の回動片の形態をしており、前記回動片の自由端側に前記カートリッジ側干渉部が形成されており、回動片の中程に外側へ向けて突出した係合片が形成されており、前記キャリッジ本体の内側には前記係合片と対向する位置に、前記カートリッジ被固定部が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様によれば、回動片の自由端側にカートリッジ側干渉部が一体的に形成されるので、カートリッジ固定手段が正しく係合していない位置において干渉作用を発揮する構造を、カートリッジ固定手段の一部材でコンパクトに構成することができる。
また、本発明の第3の態様に係るキャリッジのカバー閉成安全装置は、上記第1または第2の態様において、前記カバーが閉成されていない状態では、前記キャリッジの走査時に前記カバーがキャリッジの走査経路周辺の部材に突き当たることを特徴とするものである。
本発明の第3の態様によれば、ユーザーがカバーが完全に閉成されていないことに気が付かない場合に、キャリッジの不正常な動き(前記突き当たりなど)によりインクカートリッジが正しくセットされていないことをユーザーに知らせることができる。
また、本発明の第4の態様に係るキャリッジのカバー閉成安全装置は、上記第1〜第3のいずれかの態様のキャリッジのカバー閉成安全装置を備えることを特徴とするものである。
本発明の第4の態様によれば、インクカートリッジがキャリッジ内の所定位置までしっかりと挿入されていないことによる弊害、例えば、カートリッジ側端子部と本体側端子部との電気的接触が不十分となり、情報の正確なやり取りを行うことができなくなることや、インクの供給が不十分となり印刷品質に影響を与えたり、インク残量の減少をセンサが検知して記録装置が不意に停止してしまうことなどを減らすことができる。
また、本発明の第5の態様に係る記録装置は、上記第4の態様において、前記キャリッジの上下動に伴い変化するプラテンギャップの最大時に前記突き当たりが生じるように形成されており、前記インクカートリッジの交換時には、交換後にプラテンギャップを最大にしてキャリッジを走査し、キャリッジの前記走査経路周辺の部材への突き当たりの有無を確認するように制御する制御部を備えることを特徴とするものである。
本発明の第5の態様によれば、プラテンギャップの最大時にだけカバーの突き当たりが生じる構造であるため、前記カバーが閉成されていないときに突き当たる対象部分の大きさを必要最小限に収めることができる。そして、それにより、インクカートリッジが正しくセットされていないことをユーザーに確実に知らせることができる。
また、本発明の第6の態様に係るキャリッジのカバー閉成安全装置は、走査可能なキャリッジに液体カートリッジを収納したときに、液体カートリッジの収納状態が適切になることを確実にするための装置であり、前記液体カートリッジが、カートリッジ固定手段と、カートリッジ側干渉部とを備え、前記キャリッジが、キャリッジ本体と、該キャリッジ本体内に形成され少なくとも1つの液体カートリッジを収納する収納部と、前記キャリッジ本体に回動支点を有し、該回動支点の周囲で回動することにより開閉可能であり、閉成時に前記キャリッジ本体に係止して液体カートリッジの取り出しを不能にするカバーと、前記液体カートリッジの液体により被噴射媒体に噴射を行うためのヘッドと、前記カバーに形成される係止部と、前記キャリッジ本体に形成され、前記カバーの閉成時に前記係止部と係止する被係止部と、前記キャリッジ本体に形成され、前記液体カートリッジのカートリッジ固定手段と係合して液体カートリッジの位置を固定するカートリッジ被固定部と、前記カバーの内側に形成され、前記液体カートリッジを前記収納部の所定位置まで挿入したときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉することなく、前記係止部と被係止部との係止により前記カバーの閉成状態を実現可能であるが、前記液体カートリッジが前記収納部の所定位置まで挿入されていないときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉して、前記カバーの閉成を実現不能とするカバー側干渉部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の第7の態様に係る液体噴射装置は、上記第6の態様のキャリッジのカバー閉成安全装置を備えることを特徴とするものである。
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のキャリッジのカバー閉成安全装置を適用した記録装置または液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンタ1(以下、単にプリンタという)を示す側面図であり、図2はキャリッジのカバーを開放している状態を示す斜視図であり、図3はキャリッジのカバーを閉成した状態を示す側断面図であり、図4はインクカートリッジがキャリッジに正しく収納されていない状態を示す要部拡大側断面図であり、図5はインクカートリッジ交換フローの一例を示す流れ図である。
プリンタ1は、プリンタ本体3と、該プリンタ本体3の後方上部に設けられる給送部5と、プリンタ本体3の前方に形成される排出部7とを備えて成る。給送部5には給送トレイ11が形成されており、給送トレイ11には複数枚の被記録媒体Pが積載できるようになっている。給送トレイ11の直ぐ下流側には給送ローラ13が設けられている。給送ローラ13は、対向する分離ローラ14との間で給送トレイ11の最上部に位置する被記録媒体Pを挟圧して、前方へ送り出す作用をする。
送り出された被記録媒体Pは、下側の送り駆動ローラ15及び上側の送り従動ローラ17から構成される送りローラ19に至り、駆動系により記録工程における精密な送り動作を受けながら、送りローラ19の下流側に位置する記録ヘッド21側へ給送されるようになっている。
記録ヘッド21は、キャリッジ23に支持されており、キャリッジ23には8個のインクカートリッジ22が搭載されている。キャリッジ23は、ガイドバー25に沿って、給送方向と直交する方向(主走査方向)へ往復移動できるようになっている。記録ヘッド21と対向する位置には、プラテン24が設けられ、該プラテン24は、記録ヘッド21によって被記録媒体Pに記録を行う際に、被記録媒体Pを下側から支持する作用を担う。
記録ヘッド21とプラテン24との距離であるプラテンギャップ(プラテン上に指示された用紙などの被記録媒体と記録ヘッドとの距離は「ペーパーギャップ」と言う)は、記録ヘッド21を支持するキャリッジ23を上下動させることにより、被記録媒体Pの厚さに応じて適宜調節可能である。プラテンギャップが適正に調整されている状態では、被記録媒体Pはプラテン24上を滑らかに通過しながら、高品質の記録が行なわれるようになっており、記録ヘッド21で記録された被記録媒体Pは、排出部7に設けられる排出ローラ27によって順次排出される。排出ローラ27は、下側の排出駆動ローラ29及び上側の排出従動ローラ31から構成されており、被記録媒体Pが排出駆動ローラ29の回転駆動により引き出されて排出される機構となっている。
インクカートリッジ22は、図3に示す如く、その底面33には下方へ突出形成されたインク供給路35と、内圧調節弁37とが形成されている。内圧調節弁37は、常時下向きに弾性的に付勢されることにより閉成状態を維持する弁手段(図示せず)を備えており、この弁手段は、キャリッジ本体に形成される突起部により弾性的付勢に抗して上方へ押し込まれることにより、外気圧をインクカートリッジ内へ導入するように開放可能である。内圧調節弁37は、このような構造を備えることにより、インクカートリッジ22内のインクの減少に伴い内圧が低下し、インクの供給が悪くなることを防止する機能を有する。
インクカートリッジ22の一方の端面(図3の左側)には、カートリッジ固定手段39が形成されている。カートリッジ固定手段39は、回動支点41においてインクカートリッジ22の端面に弾性変形可能に接続されたフック状の回動片の形態をしており、回動支点41から斜め上方へ延び、他端側、即ち上端が自由端43となっている。自由端43の直下の前側には、カートリッジ側干渉部44が突出形成されている。自由端43の下方には、外側へ突出するように係合片45が形成されており、係合片45の上面側はほぼ水平に形成され、下面側は傾斜して形成されている。自由端43付近にはインクカートリッジ22の一方の側部から2つの案内壁(垂直壁と水平壁)47が突設されており、係合片45は2つの案内壁47の間で回動支点41を中心に弾性的に回動可能であり、カートリッジ固定手段39に力が加わらない自由状態では、カートリッジ固定手段39は図3に示すように外側へ開いた状態となっている。
インクカートリッジ22の前方側端面には、カートリッジ側端子部49を表面に露出させた回路基板(図示せず)が設けられている。該回路基板は、インクカートリッジが存在することを検知させる情報、インクカートリッジに収納されるインクの色、インクの残量などのインクカートリッジに関する情報が記憶されている記憶手段(図示せず)が搭載されている。
次に、キャリッジ23の具体的構成について説明する。キャリッジ23は、キャリッジ本体55と、キャリッジ本体55の前側上部に設けられて回動支点58を中心に前方上方側へ回動して開放可能なカバー57とから構成されている。キャリッジ本体55の内側には、インクカートリッジ22を収納するためのカートリッジ収納部59が形成されており、カートリッジ収納部59内は、一例として図2に示す如く8つのインクカートリッジ22を収納可能に区切られている。
図示しないが、カートリッジ収納部59内の底部には、各インクカートリッジ22を収納したときにインク供給路35に対応する位置にインク供給針(図示せず)が設けられ、またカートリッジ収納部59内の底部の前側には、各インクカートリッジ22を各区画に収納したときに内圧調節弁37に対応する位置に、突起部(図示せず)が上向きに形成されている。インクカートリッジ22がキャリッジ内に収納され、押し込まれたとき、この突起部の上端は内圧調節弁37の中へ押し込まれ、内圧調節弁37の常時下方へ付勢されている弁手段を上方へ押し上げて、弁手段を開放し、インクの減少によるインクカートリッジ22内の内圧の低下を防止する。更にカートリッジ収納部59内の前側の内壁には、各インクカートリッジ22を各区画に収納したときにカートリッジ側端子部49に対応する位置に、カートリッジ側の記憶手段(図示せず)と情報のやり取りをするための本体側端子部及び回路基板(図示せず)が設けられている。
図1又は図2に示す如く、キャリッジ本体55の後面側には、2つの環状の支持部69が形成されており、これら支持部69がガイドバー25にスライド可能に支持されることでキャリッジ23が主走査方向に移動できるようになっている。またキャリッジ本体55の後ろ側上方には、係合片45が係合するためのカートリッジ被固定部70が形成されている。カートリッジ被固定部70は、キャリッジの後面から前方側へ突出するように形成されており、その上面側は傾斜して形成され、下面側はほぼ水平に形成されている。
従ってインクカートリッジ22の取り替えの際、インクカートリッジ22を上方から下方へ押し込むことにより、係合片45の傾斜した下面がカートリッジ被固定部70の傾斜した上面に案内されることで、カートリッジ固定手段39が前方側に弾性的に変形する。その結果、係合片45がカートリッジ被固定部70の下側へ移行し、カートリッジ固定手段39がその弾性復帰力により自然状態に復帰するとき、係合片45の上面がカートリッジ被固定部70の下面に係止して、インクカートリッジ22の固定がなされるようになる。
キャリッジ23のカバー57は、図2に示す如く、ほぼ矩形の枠状に形成されており、その先端側の中央には係止部71が形成されており、該係止部71は、カバー57の閉成時にキャリッジ本体55の後面上部に形成される被係止部73にスナップ嵌め式に係止して、カバー57の閉成状態を維持できるようになっている。
次に、本願発明の特徴的構成について説明する。本願発明のキャリッジのカバー閉成安全装置では、図3に示す如く、カバー57の後端側の下面からカバー側干渉部75が下方へ突出して形成されている。図3に示すように、係合片45がカートリッジ被固定部70の下側に係合するまでインクカートリッジ22が押し込まれているときには、カバー側干渉部75は、カートリッジ側干渉部44の上面と当接し、このときカバー57の係止部71がキャリッジ本体55の被係止部73にスナップ嵌め可能であり、カバー57が閉成可能となっている。
一方、図4に示すように、インクカートリッジ22が本来位置決めされるべき位置まで押し込まれておらず、そのため係合片45がカートリッジ被固定部70に係合していないときには、カバー57が完全に閉成される前にカバー側干渉部75がカートリッジ側干渉部44の上面と当接してしまい、係止部71が被係止部73にスナップ嵌めできず、カバー57が浮いた状態になってしまう。作業者は、カバー57をスナップ嵌めできないときには、インクカートリッジ22がキャリッジの所定位置に収納されていないことに気づくことができるので、インクカートリッジ22を入れ直すことができる。
因みに、本実施形態では、フック状のカートリッジ固定手段39の上端部分にカートリッジ側干渉部44を一体的に形成することで、カートリッジ固定手段39が正しく係合していない場合に干渉作用を発揮する構造を、カートリッジ固定手段39の一部材だけでコンパクトに構成することができるというメリットがある。
しかし、このような干渉作用を発揮する構造は、カートリッジ固定手段39の一部材だけで構成する必要はなく、インクカートリッジ22のカートリッジ固定手段39以外の箇所にカートリッジ側干渉部44を形成しても構わない。
また、上記実施の形態では、カバー57が閉成できないことを作業者が認識することを前提としているが、作業者によってはカバー57が閉成されていないことに気が付かない場合もあり得る。そこでこのような場合も想定して、カバー57が正しく閉成していないときには、キャリッジの走査時に走査経路周辺に位置する部材に軽く突き当たってキャリッジが正常に動作しない状態を作り出し、ユーザーに知らしめることもできる。このような状態の一例について図5を参照しながら説明する。尚、以後説明する制御を行うプリンタ1は、プラテンギャップが最大であるときに、上述したようなカートリッジ側干渉部44とカバー側干渉部75とが干渉してカバー57が閉成できなくなるように設計されている。
図1に示す如く、プリンタ本体3には制御部76が設けられており、該制御部76においてインクカートリッジ交換時に以下のようなフローで制御を行う。即ち、まずユーザーがインク交換ランプが点灯したことに気が付き、インク交換スイッチを押すと(ステップ77)、制御部76では現在のプラテンギャップ(PG)を記憶し(ステップ79)、その後プラテンギャップを最大にするようにキャリッジ23を上昇させる(ステップ81)。キャリッジを上下動させてプラテンギャップを調整する機構については後述する。そして、キャリッジ23をインクカートリッジ交換位置に移動させ(ステップ83)、ステップ85においてユーザーがインクカートリッジのカバー57を開ける。
この状態でユーザーは、古いインクカートリッジを取り外して新しいインクカートリッジを取り付ける(ステップ87)。ユーザーがインクカートリッジのカバー57を閉じ(ステップ89)、インク交換スイッチを押すと(ステップ91)、キャリッジがキャッピング位置まで主走査方向に移動するために動き出す(ステップ93)。このときユーザーがインクカートリッジを正しい位置まで押し込んでセットしていない場合には、上述したようにカバー57が浮き上がった状態となっているから、キャリッジの移動時にカバー57が走査経路周辺に位置する部材に突き当たってキャリッジが正常に動作しない状態となる。即ちこの状態は、図5のフローにおいてはステップ95において「NO」と判断される。この時フローはステップ87の手前に戻り、ユーザーがインクカートリッジを正しく入れ直す機会を作る。
ユーザーがインクカートリッジを正しく入れ直せば、ステップ95において「YES」と判断され、キャリッジはキャッピング位置まで移動してインク充填動作が行われる(ステップ97)。そしてステップ79において記憶されたプラテンギャップに戻るようにキャリッジが下方へ移動する(ステップ99)。
次に、キャリッジを上下動させてプラテンギャップを調整する機構について説明する。図8はプラテンギャップ調節機構への駆動伝達機構を備える記録装置の一例としてのインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という)を示す側断面図であり、図9は剛性を有する被記録媒体を給送するときの状態を示す側断面図であり、図10は剛性を有しない被記録媒体を給送時の搬送従動ローラホルダ周辺の斜視図である。
プリンタ201は、その上流側に被記録媒体Pを供給する給送装置202を備え、給送装置202によって被記録媒体Pを傾斜姿勢で堆積した状態を保持し、一枚ずつ被記録媒体Pを下流側へ給送する。被記録媒体が用紙などのように湾曲可能な場合には図8に示すような給送経路100Aを通って被記録媒体が記録工程に供給され、被記録媒体が剛性を有する場合には、図9に示す如く給送経路100Bを通って被記録媒体が記録工程に供給される。
給送装置202は、ホッパ216を備え、該ホッパ216に被記録媒体Pを傾斜姿勢で複数枚堆積保持している。ホッパ216は、その上流側に回動支点を備え、該回動支点を中心に回動することにより、側面視略D形の給送ローラ214に向けて離間及び圧縮動作を行うことができるように構成されている。被記録媒体Pはホッパ216の給送ローラ214に向けての圧接動作によって押し上げられ、被記録媒体Pの最上位のものが給送ローラ214に圧接する。この状態において、給送ローラ214が回動することにより被記録媒体Pが下流側へと給送されるようになる。
給送ローラ214の下流の下方には、板状体のガイド215がほぼ水平に設けられ、給送装置202から給送された被記録媒体Pの先端がガイド215に当接し、被記録媒体Pは滑らかに湾曲して下流側へ案内される。ガイド215より下流には図示しない駆動手段によって回転駆動する搬送駆動ローラ219aと、搬送駆動ローラ219aに当接して従動回転する搬送従動ローラ219bとから構成される搬送ローラ219が配設されており、被記録媒体Pは搬送ローラ219により挟圧されて、下流側への駆動力を付与される。搬送駆動ローラ219aは、主走査方向に長い棒状のローラで構成されており、搬送従動ローラ219bは、主走査方向に短く且つ主走査方向に所定の間隔で複数個配設されている。
搬送従動ローラ219bは、搬送従動ローラホルダ218の下流側において軸支され、搬送従動ローラホルダ218は、回動軸218aを中心に回動可能に設けられ、且つねじりコイルバネ(図示せず)によって搬送従動ローラ219bが常に搬送駆動ローラ219aに圧接するように回動付勢されている。
搬送従動ローラ219bは、図9に示す如く、搬送従動ローラホルダ218が、その回動支点218aを中心に回動することで、上方へ退避した退避状態になることができる。即ち、従動ローラレリース軸231に、カム部236が、搬送従動ローラホルダ218の上流側のカムフォロワ部218bと当接するように設けられており、このカム回動軸231が回動することにより、カム部236がカムフォロワ部218bに上方から当接して、搬送従動ローラホルダ218が回動支点218aを中心に回動する、これにより搬送従動ローラ219bが上方に退避して、図9に示す如く退避状態となる。そしてカム部236のカムフォロワ部218bに対する当接が解除されると、搬送従動ローラ219bは、ねじりコイルバネ(図示せず)によって搬送駆動ローラ219aに向けて回動付勢されて、図8に示す如く当接状態に戻ることができる。尚、図9では被記録媒体のうち剛性が強く、搬送ローラによってニップ困難なものを特に符号Pを付して区別している。
更に、搬送ローラ219の下流側には、被記録媒体Pに記録を行う記録部226が設けられている。記録部226は、プラテン228及び記録ヘッド213が上下に対向するように配設されている。プラテン228は、主走査方向に長く構成されており、記録部226に搬送されてきた被記録媒体Pを下側から支持する。
記録ヘッド213は、インクカートリッジ211を保持可能なキャリッジ210の底部に設けられ、キャリッジ210は主走査方向に延びるキャリッジガイド軸212によってガイドされながら主走査方向に往復移動することができる。プラテン228の上面と記録ヘッド213との距離、即ちプラテンギャップ(PG)は、記録精度を左右する重要な要素であり、被記録媒体Pの厚みに応じて適宜調節する必要がある。PGの調節機構については後述する。
記録部226より下流側には、プリンタ201における用紙Pの排紙部となっており、図示しない駆動手段により回転駆動される排出駆動ローラ220aと、排出駆動ローラ220aに軽く圧接して従動回転する排出従動ローラ220bとからなる排出ローラ220を備えている。記録部226で記録が行われた被記録媒体Pは、排出ローラ220に挟圧されつつ、排出駆動ローラ220aが回転(正転)することによりスタッカ250上に排出されるようになっている。
排紙従動ローラ220bは、その外周に複数の歯を有する歯付きローラであり、排紙従動ローラホルダ223によって自由回転可能に軸支されている。この排紙従動ローラホルダ223は、主走査方向に長い板状体からなり、被記録媒体Pの排出経路を側視して記録ヘッド213の下流近傍から下流に向かって略水平に延びる排出従フレーム225に固設されている。排出従フレーム225は同様に主走査方向に長く、且つ記録ヘッド213の下流近傍から下流に向かって略水平に延びる板状体からなる排紙主フレーム224に、コイルバネ227によって上方から圧接するような状態で取り付けられている。
排紙従動ローラ220bの上流には、排紙補助ローラ22が設けられ、被記録媒体Pは、排紙補助ローラ222によってやや下方に押し付けられるようになっている。また搬送従動ローラ219bは、搬送駆動ローラ219aよりその軸芯位置がやや下流側に配設されていて、排紙従動ローラ220bは、排紙駆動ローラ220aよりその軸芯位置がやや上流側に配設されている。このような構成によって、被記録媒体Pは、搬送ローラ219と排出ローラ220との間において、僅かに下に凸となる湾曲状態となり、記録ヘッド213に対向する位置にある被記録媒体Pはプラテン228に押し付けられ、これにより被記録媒体Pの浮き上がり防止され、正常に記録が実行されるようになっている。
次に、図11〜図15を参照しながら、PGの調節機構及び搬送従動ローラ219bを上方へ退避させるためのカム部236の駆動機構について説明する。図11は、駆動伝達分岐ギア周辺の斜視図であり、図12は、駆動伝達分岐ギア周辺のギアの噛み合い状態を示す側断面図であり、図13は、キャリッジガイド軸を上下動させる構造を示す斜視図であり、図14は、ギャップ調節カム周辺の構造を示す正面図であり、図15は駆動伝達分岐ギア周辺の側面図である。
図11及び図12に示す如く、プリンタ201内にはPGの調節及びカム部236を駆動させる駆動モータ251が設けられている。駆動モータ251の駆動プーリ252は複数のギア列からなる入力ギア機構253を介して入力ギア255に駆動力を伝達し、入力ギア255は駆動伝達分岐ギア257に歯合している。
図12に示されているように、駆動伝達分岐ギア257は、入力ギア255に歯合するメインギア259と、メインギア259に固定され一体的に回転する第1出力ギア261及び第2出力ギア263とから構成される3段のギア構造を備える。第1出力ギア261の外周には一部に欠歯部265が形成されており、その他の部分に形成されたギア歯は、第1出力ギア261に隣接する中間ギア267と歯合可能である。尚、第1出力ギア261における欠歯部265の作用については後述する。
中間ギア267は、ガイド軸ギア269と歯合しており、ガイド軸ギア269の中心にはキャリッジガイド軸212が固定されている。またガイド軸ギア269に隣接してキャリッジガイド軸212には、ガイド軸ギア269と同期して回動するギャップ調節カム271が固定され、ギャップ調節カム271の近傍にはカムフォロワとして作用する固定ピン273が固定されている。
図13に示す如く、キャリッジガイド軸212は、プリンタ1のフレーム275に形成された縦長に延びる案内溝277内を貫通しているため、上下方向の移動だけが許容され、水平方向への移動はできない。このような構成により、駆動モータ251からガイド軸ギア269に回転駆動力が付与されると、ギャップ調節カム271が回転駆動するようになり、ギャップ調節カム271の外周面と固定ピン273との作用により、キャリッジガイド軸212が上下動する。この結果、キャリッジガイド軸212に支持されるキャリッジ210が上下動して、プラテンギャップ(PG)の調節が可能となる。
一方、第2出力ギア263の外周にも一部に欠歯部279が形成されており、その他の部分に形成されたギア歯は、従動ローラレリース軸231の端部に固定されたカム駆動ギア281と歯合可能である。尚、第2出力ギア263における欠歯部279の作用については後述する。
このような構成により、駆動モータ251から従動ローラレリース軸231に回転駆動力が付与されると、従動ローラレリース軸231、そしてカム部236が回転するようになり、前述したようにカム部236とカムフォロワ部218bとの作用により、搬送従動ローラ219bの上方への退避状態と、搬送駆動ローラ219aとの当接状態とを実現できるようになる。
上述のようにプラテンギャップ調節用の駆動機構を利用して、搬送従動ローラ219bの退避状態と当接状態とを実現することができるから、別々の駆動系を用意する必要がなく、構造を簡単にし、コストを低減することもできる。
以下、図16及び図17を参照しながら、上記構造により実現されるプラテンギャップの調節と、搬送従動ローラ219bの退避状態及び当接状態への移行について説明する。図16は、駆動モータ251の回転に伴う、プラテンギャップの変位と、搬送従動ローラ219bの退避動作と、センサの検出状態とを示すグラフであり、図17は、ガイド軸ギア269と同軸の円盤270に設けたセンサを示す斜視図である。
図16中、横軸方向は駆動モータ251の回転位相位置を示し、右方向が出力軸側から見て反時計回りに回転する方向であり、左方向が時計回りに回転する方向である。図16において実線283は、駆動モータ251の回転に伴うプラテンギャップの変位を示し、この場合、縦軸の上方向が変位が大きくなることを示している。実線283の右側に連続する破線285は、第1出力ギア261の欠歯部265が中間ギア267と対向している状態であり、このとき駆動モータ251の回転駆動力はギャップ調節カム271には伝達されないため、破線で示してある。
また実線287は、搬送従動ローラ219bの退避・当接動作を行っているときの従動ローラレリース軸231の変位を示し、この場合、縦軸の上方向が当接状態からどの程度上方へ退避したかの距離を示し、実線287の右端の水平部分287aは搬送従動ローラ219bの退避完了状態を示す。実線287の左側に連続する破線289は、第2出力ギア263の欠歯部279がカム駆動ギア281と対向している状態であり、このとき駆動モータ251の回転駆動力は従動ローラレリース軸231には伝達されないため、破線で示してある。破線289で表す水平ラインは、搬送駆動ローラ219aと搬送従動ローラ219bとの当接状態を示している。
図16において、実線283と破線285との境界地点291と、実線287と破線289との境界地点293との位置関係から明らかなように、第1出力ギア261の欠歯部265は、第2出力ギア263がカム駆動ギア281と歯合している範囲で形成されており、逆に第2出力ギア263の欠歯部279は、第1出力ギア261が中間ギア267と歯合している範囲で形成されている。
第2出力ギア263に欠歯部279を形成する理由は、第1出力ギア261を介して駆動モータ251の駆動力がギャップ調節カム271に伝達されているときに、この駆動力が従動ローラレリース軸231にも伝達されていると、搬送従動ローラ219bの退避の必要のない場合に搬送従動ローラ219bが退避動作をしてしまったり、搬送従動ローラ219bが退避すべき時に搬送駆動ローラ219aに当接状態となってしまうことを回避するためである。
一方、第1出力ギア261に欠歯部265を形成する理由は、従動ローラレリース軸231へ回転駆動力を伝達しているときには駆動モータ251への負荷が増加するから、これを防止するために欠歯部265を形成して第1出力ギア261と中間ギア267とを空回り状態として駆動モータ251への負荷を軽減するためである。尚、駆動モータ251への負荷を軽減する必要がなければ、第1出力ギア261に欠歯部265を形成する必要はない。
図16の実線283で示す如く、本例では4段階のプラテンギャップを選択できるようになっている。実線283の水平部分はそれぞれ4段階のPG(−、Typ、+、++)の安定領域295、296、297、298を示す。「Typ」で示す安定領域296は通常の厚みの用紙に対応するPGであり、「−」で示す安定領域295は薄い用紙用のPGであり、「+」で示す安定領域297は通常用紙より少し厚めの用紙用PGであり、「++」で示す安定領域298は更に厚い用紙用のPGである。各安定領域295、296、297、298の間には、各安定領域に移行するための遷移領域299、300、301が形成されている。
被記録媒体への記録中にプラテンギャップを一定に維持するためには、プラテンギャップを遷移領域299、300、301ではなく、安定領域295、296、297、298のいずれかにする必要がある。そこで図17に示す如く、ガイド軸ギア269と同軸の円盤270の外周縁に、4枚の遮光板303a、303b、303c、303dを間隔をあけて突出状態で形成し、またガイド軸ギア269の外周縁に隣接した位置に光学式の安定領域検出センサ305を設けている。安定領域検出センサ305は発光部と受光部とを有し、発光部から発光された光が受光部で受光されたか否かによって遮光板の存在を検知するものである。
4枚の遮光板303a、303b、303c、303dの円盤270の外周縁における位置は、各安定領域295、296、297、298と対応しており、4枚の遮光板のいずれかが安定領域検出センサ305での光を遮ると、図示しない判断装置がプラテンギャップが安定領域にあることを判断する。尚、判断装置は、4枚の遮光板303a、303b、303c、303dが順に安定領域検出センサ305の光を遮ることで、現在、どの遮光板が光を遮っているかを判断し、これによりいずれの安定領域にあるかを判断することができる。
図16中、実線307は、安定領域検出センサ305の光が遮光された位置を、プラテンギャップの段階を表す実線283と対応させて示す図である。実線307において一段高い部分が「遮光状態」を示し、一段低い部分が「通光状態」を示している。実線307と実線283とを対応して比較すると明らかなように、4枚の遮光板303a、303b、303c、303dは各安定領域295、296、297、298の長さと完全に一致しているわけではなく、各安定領域295、296、297、298の遷移領域と隣接する端部付近を除いた中央領域に対応するように各遮光板の周方向の長さが決定されている。これにより公差等の理由により、安定領域検出センサ305が遷移領域を誤って安定領域と判断することを防止することができる。
また図17に示す如く、円盤270の一面側には円弧状の遮光板309が一定長さに亘って形成されており、円盤270の該一面の側には発光部と受光部とを備えるホームポジション検出センサ311が設けられている。ホームポジション検出センサ311は、ギャップ調節カム271のホームポジションを決定するために設けられるものであり、図16中の実線313は、ホームポジション検出センサ311による遮光・通光の区別を、プラテンギャップの段階を表す実線283と対応させて示す図である。
実線313において、右側の一段高い部分が「遮光状態」を示し、左側の一段低い部分が「通光状態」を示している。実線313と実線283とを対応して比較すると明らかなように、実線283において、遷移領域301から安定領域298に移行した時点でホームポジション検出センサ311の「通光状態」から「遮光状態」に移行することがわかる。即ち、本例では、遷移領域301からプラテンギャップが最大となる安定領域298に移行する時点をホームポジションとしており、ホームポジション検出センサ311の「通光状態」から「遮光状態」への変化、またはその逆の変化を検出することでホームポジションの位置を知ることができる。また遷移領域301からプラテンギャップが最大となる安定領域298に移行する時点をホームポジションとすることで、記録ヘッド213の下に異物が存在することを知らないでユーザーがプリンタ201の電源をONにした場合でも、プラテンギャップが十分にあるから、記録ヘッド213のスキャニング動作により記録ヘッド213が異物によって損傷する可能性を小さくすることができる。
以上、本発明のキャリッジのカバー閉成安全装置を記録装置の一例であるインクジェットプリンタを例にとって説明したが、インクジェットプリンタの他にも、インク等の液体をそのヘッドから吐出して被噴射媒体に噴射を実行する他の液体噴射装置にも同様に適用可能である。
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
本発明は、インクジェット式記録装置等の液体噴射装置に適用してヘッドへインク等の液体を供給する液体カートリッジ及びこれを収納するキャリッジに利用可能である。
本発明を適用したインクジェットプリンタを示す側面図。 キャリッジのカバーを開放している状態を示す斜視図。 キャリッジのカバーを閉成した状態を示す側断面図。 インクカートリッジが正しく収納されていない状態を示す拡大側断面図。 インクカートリッジ交換フローを示す流れ図。 従来のキャリッジを示す側断面図。 従来のキャリッジの問題点を示す側断面図。 PG調節機構への駆動伝達機構を備える記録装置の側断面図。 剛性を有する被記録媒体を給送するときの状態を示す側断面図。 剛性を有しない被記録媒体給送時の搬送従動ローラホルダ周辺斜視図。 駆動伝達分岐ギア周辺の斜視図。 駆動伝達分岐ギア周辺のギアの噛み合い状態を示す側断面図。 キャリッジガイド軸を上下動させる構造を示す斜視図。 ギャップ調節カム周辺の構造を示す正面図。 駆動伝達分岐ギア周辺の側面図。 PG変位、搬送従動ローラの退避動作、センサ検出状態を示すグラフ。 ガイド軸ギアと同軸の円盤に設けたセンサを示す上面図。
符号の説明
1 プリンタ、3 プリンタ本体、5 給送部、7 排出部、11 給送トレイ、
13 給送ローラ、14 分離ローラ、15 送り駆動ローラ、17 送り従動ローラ、19 送りローラ、21 記録ヘッド、22 インクカートリッジ、23 キャリッジ、24 プラテン、25 ガイドバー、27 排出ローラ、29 排出駆動ローラ、
31 排出ギザローラ、33 インクカートリッジの底面、35 インク供給路、
37 内圧調節弁、39 カートリッジ固定手段、41 回動支点、43 自由端、
44 カートリッジ側干渉部、45 係合片、47 案内壁、
49 カートリッジ側端子部、55 キャリッジ本体、57 カバー、58 回動支点、59 カートリッジ収納部、69 支持部、70 カートリッジ被固定部、71 係止部、73 被係止部、75 カバー側干渉部、76 制御部、
77−99 フローにおける各ステップ、 P 被記録媒体

Claims (7)

  1. 走査可能なキャリッジにインクカートリッジを収納したときに、該インクカートリッジの収納状態が適切になることを確実にするための装置であり、
    前記インクカートリッジが、カートリッジ固定手段と、カートリッジ側干渉部とを備え、
    前記キャリッジが、
    キャリッジ本体と、
    該キャリッジ本体内に形成され少なくとも1つのインクカートリッジを収納する収納部と、
    前記キャリッジ本体に回動支点を有し、該回動支点の周囲で回動することにより開閉可能であり、閉成時に前記キャリッジ本体に係止してインクカートリッジの取り出しを不能にするカバーと、
    前記インクカートリッジのインクにより被記録媒体に記録を行うためのヘッドと、
    前記カバーに形成される係止部と、
    前記キャリッジ本体に形成され、前記カバーの閉成時に前記係止部と係止する被係止部と、
    前記キャリッジ本体に形成され、前記インクカートリッジのカートリッジ固定手段と係合してインクカートリッジの位置を固定するカートリッジ被固定部と、
    前記カバーの内側に形成され、前記インクカートリッジを前記収納部の所定位置まで挿入したときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉することなく、前記係止部と被係止部との係止により前記カバーの閉成状態を実現可能であるが、前記インクカートリッジが前記収納部の所定位置まで挿入されていないときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉して、前記カバーの閉成を実現不能とするカバー側干渉部とを備えることを特徴とするキャリッジのカバー閉成安全装置。
  2. 請求項1において、前記カートリッジ固定手段は、回動支点においてインクカートリッジの端面に弾性変形可能に接続されたフック状の回動片の形態をしており、前記回動片の自由端側に前記カートリッジ側干渉部が形成されており、回動片の中程に外側へ向けて突出した係合片が形成されており、
    前記キャリッジ本体の内側には前記係合片と対向する位置に、前記カートリッジ被固定部が形成されていることを特徴とするキャリッジのカバー閉成安全装置。
  3. 請求項1または2において、前記カバーが閉成されていない状態では、前記キャリッジの走査時に前記カバーがキャリッジの走査経路周辺の部材に突き当たることを特徴とするキャリッジのカバー閉成安全装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャリッジのカバー閉成安全装置を備えることを特徴とする記録装置。
  5. 請求項4において、前記キャリッジの上下動に伴い変化するプラテンギャップの最大時に前記衝突が生じるように形成されており、前記インクカートリッジの交換時には、交換後にプラテンギャップを最大にしてキャリッジを走査し、キャリッジの前記走査経路周辺の部材への衝突の有無を確認するように制御する制御部を備えることを特徴とする記録装置。
  6. 走査可能なキャリッジに液体カートリッジを収納したときに、該液体カートリッジの収納状態が適切になることを確実にするための装置であり、
    前記液体カートリッジが、カートリッジ固定手段と、カートリッジ側干渉部とを備え、
    前記キャリッジが、
    キャリッジ本体と、
    該キャリッジ本体内に形成され少なくとも1つの液体カートリッジを収納する収納部と、
    前記キャリッジ本体に回動支点を有し、該回動支点の周囲で回動することにより開閉可能であり、閉成時に前記キャリッジ本体に係止して液体カートリッジの取り出しを不能にするカバーと、
    前記液体カートリッジの液体により被噴射媒体に噴射を行うためのヘッドと、
    前記カバーに形成される係止部と、
    前記キャリッジ本体に形成され、前記カバーの閉成時に前記係止部と係止する被係止部と、
    前記キャリッジ本体に形成され、前記液体カートリッジのカートリッジ固定手段と係合して液体カートリッジの位置を固定するカートリッジ被固定部と、
    前記カバーの内側に形成され、前記液体カートリッジを前記収納部の所定位置まで挿入したときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉することなく、前記係止部と被係止部との係止により前記カバーの閉成状態を実現可能であるが、前記液体カートリッジが前記収納部の所定位置まで挿入されていないときには、前記カートリッジ側干渉部と干渉して、前記カバーの閉成を実現不能とするカバー側干渉部とを備えることを特徴とするキャリッジのカバー閉成安全装置。
  7. 請求項6に記載のキャリッジのカバー閉成安全装置を備えることを特徴とする液体噴射装置。
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