JP2004268282A - 加圧式のボールペン - Google Patents

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Seiichi Kobayashi
小林  清一
Toru Kitao
徹 北尾
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Abstract

【目的】ポンピングによる加圧機構の圧力設定を調節して筆記描線が変換可能となる便利な加圧式のボールペンを提供可能とする。
【構成】先端にボールペンのチップを有し、後方のインキ収容部にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが充填され、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、
加圧機構のポンピング作動によって空気が送り込まれてフォロアの後端が加圧されると共に、加圧力が調節可能に設けられてなる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インキの後端にインキと追随するフォロアが設けられ、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに関する
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−150865
従来、軸筒の後端にポンピング式の加圧機構部が設けられ、更にその前方で且つインキの後端に接触してインキの消耗と共に追随するよう配設されたフォロアの後端に位置して弁機構が配設され、加圧機構部の前進作動によって軸筒の後端孔に空気が押し込まれて、その際に所定圧で弁が開いてフォロアの後端が加圧されることによってインキのチップ側への流動性が支援されるように構成されたものが提案されている。(特許文献1)
このものは、初期筆記でインキ切れしやすいインキを使用したボールペン、乾燥しやすいインキを使用したボールペン、インキに種々のフィラーが混入されたボールペン、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキが充填されたボールペン、誤記等を白色のインキで隠蔽することで修正可能とするボールペンなどの改良を目的としたものである。
例えば、通常誤記等を修正するための白色顔料を用いた液体塗布具は、可撓性のある容器にインキとボール等が封入されており、白色顔料と溶剤が分離しやすい為に使用に際して振って攪拌したり、またインキを吐出する為に容器の側面を押圧して行う。しかしながら、インキ残量が少なくなった時には容器の側壁を強く押してもインキが吐出されないという苛立たしさがある。そこで、剪断減粘性を有するインキと加圧作用を利用して、攪拌を無用とし、容器の側面を押圧してインキを吐出する必要のないものとして提案されている。
【0003】
一般に粘性の低いインキまたは剪断減粘性を有したインキを使用したボールペンは、インキの流出量が多く(筆記濃度を上げるため)インキ収容管の径を太くしてインキの搭載量を多くしている。また、インキの粘度は油性ボールペンのインキに比べて小さいのでインキ収容管に対する流動抵抗は小さい。従って、インキの自重や落下あるいはノック衝撃が加わることによりインキ漏れ(インキ収容管の後端にインキが逆流する)が生じやすい。その為に、通常はインキの後端に筆記時のインキの消耗に追随して移動するが、インキの自重や衝撃に対してインキの逆流を抑制するグリース状のフォロアが、また、必要によりフォロア棒がフォロア内に浸漬されて設けられている。しかしながら、フォロアを設けても上向き筆記をした時にはチップのボール背面のインキが無くなると、インキのヘッドが直に加わる為に顕著な逆流が生じて手や衣服を汚す危険がある。また、インキの粘度が低く流出量が多いが故に、チップ側を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる(直流)問題が存在する。
特に、誤記等を修正するために白色顔料を用いた液体塗布具の場合には、インキの流量を多くすることや、乾燥による目詰まり排除などの理由で、筆圧によって先端ボールが後退する寸法が大きくとってあり、先端ボールの周面とチップのボール抱持部の内面との間の隙間が大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願の発明者らは、インキの後端にインキと追随するフォロアが設けられ、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、フォロアの後端を押圧する加圧力を外気圧から徐々に上げていったところインキの流出量が増加し、筆記描線の濃度や線幅がやや太くなることを見いだし、チップ、インキ、フォロアを適宜設定し、加圧力を段階的に選ぶことによって筆記描線が細字、中字、太字にイメージングされることに知見を得た。
そこで本発明の課題は、同じボールペン筆記体に対して、ポンピングによる加圧機構の圧力設定を調節して筆記描線が変換可能となる便利な加圧式のボールペンを提供可能とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成する為に以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、先端にボールペンのチップを有し、後方のインキ収容部にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが充填され、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、加圧機構のポンピング作動によって空気が送り込まれてフォロアの後端が加圧されると共に、加圧力が調節可能に設けられてなる。
【0006】
請求項2に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、請求項1に記載の加圧式のボールペンに於いて、加圧機構は、ノックスプリングによってノック棒が後軸筒に対して常時後方に附勢された状態で、且つ前後退可能に後軸筒に係止されると共に、ノック棒の外周部が後軸筒の内周部に密接するように設けられ、ノック棒を前進させた時に通気口とノック棒の前端との間に形成される空間部を圧縮して加圧するように設けられたノック機構部と、そのノック機構部の前方に加圧空気を疎通させる弁機構が設けられてなる。
【0007】
請求項3に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、請求項1に記載の加圧式のボールペンに於いて、ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、前記通気口が解放されるように弁体の後端に当接する前端に突部を有したスライド軸がノック棒に対して軸方向に相対的に前後動可能となるように設けられたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明に係る加圧式のボールペンは、請求項1に記載の加圧式のボールペンに於いて、ポンピング作動の終端位置で、フォロアの後端が外気と同じとなるように構成されてなる。
【0009】
【実施例】
図1及び図2は本発明の実施例1である加圧式のボールペン1を示している。
先ず、ボールペン1は、前軸筒2、チップ7、弁体6、受け座部材4、インキ10、フォロア11、フォロア棒12、後軸筒13、後軸筒後端に設けられるポンピング式の加圧機構で構成され、筆記具の最終形態として、通常は先軸部3に被嵌するキャップ(図示せず)が設けられる。
【0010】
前軸筒2は樹脂成形品(通常は透明樹脂)で、先方に先細状の先軸部3を一体に有し、インキとフォロアが充填されるインキ収容部の後方に接合部(雌螺子部2b)が設けられている。また、先端より内孔3aが形成され、内孔の後端には、拡開した孔(弁室5となる)があり、その孔の前端に複数箇所でリブ3cが放射状に設けられている。尚、前軸筒2は一例としてPP樹脂やナイロン樹脂成形品等が使用される。
【0011】
一方、受け座部材4は、前面にテーパー状または球面状の弁体受け座4aを有し、弁体受け座4aの中心から後端に貫通した導孔4dが設けられている。
また、外周部の前方に円周状に凸部4bが、後方に円周状又は突条の係止部4cが形成されている。
受け座部材4は、前軸筒2の後端から挿入され、前軸筒の内孔先方の段部2aに当接して位置決めされると共に、その前方の内孔面に上記凸部4bが密接し、更に係止部4cが後方の内孔面に食い付き状に係止される。
尚、前軸筒2の内孔面と受け座部材4の外周部の相互間に溝部と突部を設けて、弾性変形を利用して係止することも可能である。
【0012】
以上で、リブ3cの後端となる前受け座3dと受け座部材4の前端となる弁体受け座4aとの間に弁室5が形成される。尚、受け座部材4を係止する前に球状の弁体6が挿入されて、弁室5内に弁体6が遊嵌される。
尚、弁体6は球状に限らず棒状のコマであってもよい。その場合、弁体の前方外周にインキを流通可能とする溝を形成すれ弁室の前端に上記のリブ3cを特に設ける必要はない。
【0013】
またチップ7は、インキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール8が略当接した状態で先端ボール8が回転自在に抱持されるようカシメられている。
また、チップ内孔7aにスプリング9が内挿され、チップ後方の軸部7bの後端が適宜カシメられて、スプリング9の後端が抜出不能に設けられている。
また、スプリング9の先方には直立状の棒軸部9aが形成され、当該棒軸部9aの先端が先端ボール8の背面に押圧状に当接している。尚、先端ボール8はその押圧でチップ7のボール抱持部の内縁に密接状態と成される。
【0014】
先端ボール8がボール抱持部の内面に密接することはインキが高粘度であっても筆記先端の乾燥、インキの直流防止に対し極めて重要である。
また、必要に応じて先端ボール8を抱持するチップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的な塑性加工などが配慮される。また、必要によっては先端ボールとの密接面に表面処理などが配慮される。
【0015】
チップ7は先軸部3先端の内孔3aに圧着される。
また、チップ7はインキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール8が略当接した状態で、先端ボール8が回転自在に抱持されるようカシメられている。
また、チップ7の内孔部にスプリング9が内挿され、チップの軸部7bの後端が適宜カシメられて(カシメ部7c)スプリング9の後端が抜出不能となされている。尚、スプリングの前面に先端ボール8の背面を押圧する押し部材を設けることも、また、上記棒軸部を極細巻きのコイル状となすことも可能である。
また更に、チップを耐磨耗性やインキのシール性能に優れた樹脂成形品となして、先端ボールの背面を押圧するバネ座を一体または別体のバネ座を設けて構成することも可能である。
【0016】
以上により、チップ側が下向きの時に弁体6が前受け座3dに当接して、インキが導孔4d、弁室5、リブとリブとの間に形成される溝を通じてチップ内孔7aから先端ボール8の背面まで導通する。
【0017】
前軸筒2は、上記導孔4dの後方にインキ収容部を有しており、そのインキ収容部内に低粘度のインキや剪断減粘性を有するインキが充填され、そのインキの後端にインキの消耗と共にインキと追随するグリース状のフォロア11が充填されている。また、フォロア11はインキと相溶性が無く、インキの蒸発を防止する性能を有している。また、必要に応じてフォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒12が浸漬される。尚、フォロアは例えばシリコンゴム等の追従体とすることも可能である。
【0018】
後軸筒13の前端には、中央の鍔部14cの後方に後軸部14aと、鍔部前方に雌螺子部14bとシール部14fが一体に形成された継ぎ手14が、その鍔部14cを後軸筒13の前端に当接し、後軸部14aを後軸筒13の内孔に嵌着して設けられている。また、継ぎ手14の軸心に形成された内孔部略後端に受け座14dと更に後端に貫通して通気口14eが設けられ、その受け座14dに密接するように弁体16がスプリング17で押圧され、そのスプリング17の前端に当接して圧入筒15が継ぎ手14の前端側内孔に固着されて、圧入筒15の後端部15aと受け座14dとの間に弁室が形成されると共に、圧入筒15の軸心には弁室に連通する貫通孔が設けられて、弁機構部が構成されている。
【0019】
前記シール部14fは、雌螺子部14b前方の外周部に円周状の凸部として形成され、雌螺子部14bが前軸筒2に螺合によって結合されたときに、前軸筒の内面に摺接して気密効果を上げることが可能となる。(尚、シール部14fをゴム等の弾性体よりリングに代えることもできる。)
以上によって、常時は、弁体16が受け座14dに密接して通気口14eが閉塞され、後軸筒の内孔を気密状に分断する。
【0020】
また、弁機構部の後方にノック機構部が配設される。
ノック機構部は以下のように構成されている。
後軸筒13の後端部側面に、後端側から先方に向かって細くなるテーパー状のスリット部13cが形成され、その前端に段部13dを有して軸方向前方所定長さのスリット部13bが形成されている。
【0021】
またノック棒18は、後端に鍔部とその前方に軸部が形成され、鍔部の前端に段部18bが設けられ、軸部外周の略中間に突部18aと軸部外周の略前端に周状の溝部18cが設けられて、その溝部18cに一例としてゴム等の弾性体や弾性のある成形樹脂などより成るシールリング21が止着されている。尚、シールリング21は、気密性、滑り性のよいものが選択される。また他潤滑剤を介在させるなど配慮される。また、シールリング部は軸部外周に一体に形成することも可能である。また、ノック棒18の軸心部略中央には、小孔を有した仕切り部18dが形成されており、その前後に孔部が設けられ、後方の孔部には周上の全体あるいは要所に凸部が形成されている。
【0022】
上記後方の孔部には回転ブッシュ19が嵌着される。
回転ブッシュ19は、後端閉塞状の筒体で、後端にスリット部19cが形成され、また前方の軸部19aの外周に周状の凹溝部が形成されて、前端を開口した内孔部には雌螺子部19bが形成されている。
【0023】
また、スライド軸20は、後端に雄螺子部20bが形成された短軸部と、その前方にやや小径とした長軸部が一体で形成され、その長軸部の外周所用箇所には軸方向に溝部20aが形成されて、長軸部の前端はややテーパー状に細められた先端部20cが形成されている。
【0024】
以上により、上記回転ブッシュ19の雌螺子部19bに上記スライド軸20の雄螺子部20bが螺合された状態で、回転ブッシュ19の軸部19aが上記ノック棒18の後方の孔部に嵌着され、軸部19aに形成された凹溝部に後方の孔部に形成された凸部が係合して、回転ブッシュ19はノック棒18に対して回転のみ可能に設けられる。また、回転ブッシュ19の外周部とノック棒18の内周部との間は空気のリークが防止可能となされる。また、防止を確実とする為に、弾性体よりなるシール部等が設けられる。また、その時、スライド軸20の長軸部が仕切り部18dの小孔を貫通した状態となり、長軸部に形成された溝部20aに小孔に形成された凸部(図示せず)が嵌入して、仕切り部18dに対してスライド軸20は回転止めされる。従って、回転ブッシュ19を正逆回転することによって、スライド軸20は前後動することになる。
【0025】
尚、スリット部19cは、回転ブッシュ19の後端面に適宜深さでマイナス状あるいはプラス状の溝として形成され、溝にドライバーあるいはコインを挿着して回転ブッシュを回転可能とする。
また、必要に応じて、スライド軸20が不用意に前後動しないようにノック棒18と回転ブッシュ19との間に適宜回転抵抗を生じるように係合部等が設けられる。また、ノック棒と回転ブッシュを回転のみ可能に係合する凹凸部や仕切り部とスライド軸を回転止めする凸部と溝部の係合関係などは上記形態に限定されないものである。
【0026】
またノック棒18は、後軸筒13の後端から挿入され、仕切り部18dの前面と継ぎ手14の後端との間にノックスプリング22が敷設されると共に、突部18aがテーパー状のスリット部13cを弾性的に拡開して、突部18aが段部13dの前面に係止され、ノックスプリング22によって後軸筒13に対してノック棒18は常時後方に附勢される。またノック棒の軸部前方が後軸筒の後端孔に嵌入し、シールリング21の外周部が後端孔の内周部に摺接する。そのとき、シールリング21はスリット部13bの略前端にかかる直前の状態に位置しており、従って、通気口14eとノック棒18の前端との間に形成される空間部23は外気と連通している。
【0027】
即ち、ノック棒18の前進作動の直前において、後軸筒13の空間部23は外気と連通され、ノック棒18が適宜前進した直後においてシールリング21の外周部が後軸筒の内周部に密接することで外気と遮断され、空間部23の縮小と共に加圧されるよう構成されている。また、ノック棒18を前進して空間部23を適宜圧縮した状態で、スライド軸20の先端部20cが弁体16の後端に当接して弁体16と受け座14dとの密接状態が解除されることになる。
【0028】
ポンピング式の加圧機構は、弁機構部と、弁機構部の後方に形成される空間部を圧縮するように設けられたノック機構部とで構成される。
上述したように、弁機構部とノック機構部とで構成されるポンピング式の加圧機構の実施例を説明したが、弁機構部やノック機構部の取付け構造など設計都合によって種々の形態が採用可能である。
例えば、弁機構はそれ自体が弾性を有した弁体とすることができる。また、弁機構をスライド軸を当接且つ貫通することで閉塞部を弾性的に開口させる構成とすることもできる。
【0029】
以上で、前軸筒2の雌螺子部2bに後軸部13に嵌着された継ぎ手14の雄螺子部14bを螺合することによって、フォロア11の後端部空間が外気と遮断される。尚、前軸筒と後軸筒を結合させる接合部は、螺子部に限らず、凹凸部の弾性係合によっても達成することが可能である。
【0030】
また、図3及び図4は本発明の実施例2である加圧式のボールペン24を示している。実施例2は、実施例1の構造を簡素化したものであって、基本的には同じものである。
即ち、前軸筒25の前方の内孔部で、チップ7の後端に対峙したインキ逆流防止用の弁機構が無く、さらに、インキ10の後端に設けられたフォロア27にはフォロア棒が浸漬されていない。このことは、実施例1がインキの逆流防止に対して完璧なのに対して実施例2が実質上問題のない構造として示している。
【0031】
また、図5乃至図8は本発明の実施例3である加圧式のボールペンを示している。(後軸筒部位のみで表示)また基本的には上述した実施例1,2と同じなので以下相違点を主体として説明する。
先ず、回転ブッシュ52の後端には外径方向に張り出した摘み部52aが設けられており、ノック棒51に対して摘み部52aが容易に回動可能となされている。(それに対して実施例1はやや容易性を押さえている。)
また、後軸筒54の内孔には、スリット部54cの前段部54dの前方に内周部54aが形成され、その内周部54aの前方に内周部54aの内径より適宜拡大して設定した内周部54bが形成されており、シールリング53の外周部は内周部54aの後端から僅か後方に位置されている。従って、通気口55とノック棒51の前端との間に形成される空間部56は外気と連通している。
【0032】
即ち、ノック棒51の前進作動の直前において、後軸筒54の空間部56は外気と連通され、ノック棒51が適宜前進した直後においてシールリング53の外周部が内周部54aに密接することで外気と遮断され、空間部56の縮小と共に加圧されるよう構成されている。
また、ノック棒51を前進して空間部56を適宜圧縮した状態で、弁体16の受け座14dとの密接状態が解除されるようにスライド軸20の前端に設けられた凸部が弁体16の後端に当接する。
【0033】
図7は、ノック棒51がポンピング作動操作の終端位置から更なる回転操作で後軸筒54に対してもっとも前進して係止された状態を示している。
図8はその状態に於ける後軸筒54のスリット部を側面から示した外観図である。図に示すように、スリット部は、スリット部54cの前段部54dから後軸筒54の周面に沿った傾斜状のスリット部54gを経由して水平な溝部54hに至るよう設けられ、ノック棒51の突部51aが溝部54hに係止されて、ノック棒51の後退が阻止された状態になされている。
この状態は、図6の状態から回転ブッシュ52を回転して行うが、その為に、ノック棒51と回転ブッシュ52との間に適宜な回転抵抗が付与され、その回転抵抗より弱い抵抗でノック棒51の突部51aが傾斜状のスリット部54gを滑り、水平な溝部54hに係止可能とされる。あるいは、ノック棒51と回転ブッシュ52との間に回転を可否とするロック装置を設けることで対処できる。
尚、図7及び図8に示される係止構造は実施例1にも容易に適用できる。その場合には上記のようなロック装置は不要とすることができる。
【0034】
また、弁機構部とノック機構部とで構成されるポンピング式の加圧機構の基本構成を上記で説明したが、弁機構部やノック機構部は設計都合によって種々の形態が採用可能である。また、実施例ではインキが充填された筆記部からなる前軸筒に加圧機構を備えた後軸筒を接合して設けているが、後端に加圧機構を備えた軸筒内に筆記部を替え芯として搭載するように構成することも可能である。
【0035】
【作用】
次に、ポンピング式の加圧機構の作用を以下に説明する。
図2に示す状態からノック棒18の後端を押圧して前進すると、シールリング21の外周部が後軸筒13の内周部全周に密接した時点で空間部23が外気と遮断されると共に、ノック棒18が更に前進することによってシールリング21の外周部が後軸筒13の内周部13aに密接して摺動し、空間部23の縮小と共に内圧が上昇する。また、ノック棒18を前進して空間部23を適宜圧縮した状態で、弁体16の受け座14dとの密接状態が解除されるようにスライド軸20の先端部20cが弁体16の後端に当接し、加圧された空気が弁体の前方に押し込まれることによって、フォロア11の後端が加圧されてインキのチップ側への流動性が支援される。
【0036】
そのことは、チップ先端部からのインキの流出量を決定する。フォロアの後端を押圧する加圧力を増加すると、チップ先端部からのインキの流出量が増加し、筆記描線の濃度や線幅がやや太くなり、加圧力を段階的に調節することによって筆記描線が細字、中字、太字にイメージングされることとなる。
また、落下衝撃やインキの流動性の悪さ等に起因して先端ボールの周面からインキが離れてしまい連続的なインキの流出がとぎれるのを防止する作用ととぎれた時に回復する作用となる。
【0037】
また、インキの特性などによって適正な加圧力が設定される。その場合、シールリング21の外周部が後軸筒13の内周部全周に密接する時の空間部23の容積とスライド軸20の先端部20cが弁体16の後端に当接した時の空間部23の容積を幾らにするか、シール部のリーク値などを勘案して設定することが可能となる。尚、空間部23の縮小と共に内圧が上昇する実質上の空間は、ノック棒18の仕切り部18d前方の孔部18eに形成される空間や回転ブッシュ19の雌螺子部19bにスライド軸20の雄螺子部20bが螺合する内孔空間部、通気口14eに形成される空間部などが加算されたものとなる。
従って、必要な加圧力を得る為には空間部23の大きさを変化させる軸方向の寸法Aの設定が重要となる。
【0038】
スライド軸20の先端部20cが弁体16の後端に当接する軸方向の寸法Bによって加圧力が設定され、スライド軸20の先端部20cが弁体16を押して弁部を開口することによって加圧空気がフォロア11の後端側に流入する。
従って、弁体16が受け座14dに密接するように押圧するスプリング17の強さが所定の強さより強い方にばらついても所定の加圧力が期待できる。
上述したが、インキの性質や機構のバラツキなどによって適正な加圧が発揮できずに異常にインキが吐出してしまったり、反対に少なすぎたりする問題が存在する。そこで、回転ブッシュ19のスリット部19cにドライバーあるいはコインなどを挿着して回転ブッシュ19を正逆回転することによってスライド軸20を前後動させ、適正な加圧力となる寸法Bを調整する。
【0039】
実施例1の場合、スライド軸20の前後動調節はやや操作の容易性を押さえており、一旦、適正な加圧力に設定された状態が簡単に変更されないように考えられたものである。また、実施例3の場合(図5参照)、摘み部52aが容易に回転操作できるように設けられており、加圧力を調節することによって筆記描線が細字、中字、太字加圧力を頻繁に変化させることができるように考えられたものである。
【0040】
実施例3の場合、図6の状態から回転ブッシュ52の摘み部52aを一方に回転すると、ノック棒の突部51aが傾斜状のスリット部54gに案内されて溝部54hに係止される。(図8参照)また、この状態は図7に示される。このとき、シールリング53は後軸筒の内周部54bに位置しており、弁体16の前方から外気に連通する通気路が形成され、フォロア11の後端は外気と通気した状態に維持される。(このことは、上述したように実施例1にも適用可能である。)
従って、外気圧に対して加圧力が0となり、筆記した際に筆記描線の濃度がもっとも薄く、線幅がもっとも細いものとなる。また、ボールペンの未使用時に於いて、不用意に筆記先端部に外力が懸かっても加圧によってインキが吹出る問題が回避可能となる。
【0041】
次に、ボールペン1の機能について説明する。
先ず、筆記しない状態ではスプリング9の押圧で先端ボール8がチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキ10の直流及び逆流が防止される。また、筆圧により先端ボール8が微小に後退するので隙間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボール8の回転でインキが流出されて筆記される。
スプリング9の押圧が無い場合でも、インキの粘度があまり低く過ぎたり、あるいはインキの充填量が多過ぎたり、インキ収容部が大き過ぎたりしない場合には、フォロアの後端が加圧されるのでインキが直流や逆流が防止できる。
しかしながら、チップ7を上向きにして筆記したり、ノック衝撃の繰り返しなどを考慮するとインキの直流及び逆流防止のためにスプリング9で押圧することが望ましい。
【0042】
またフォロア棒は、インキ収容部が大径である場合に使用される。即ち、グリース状のフォロアは、インキ収容部が大径の場合に衝撃などの影響で変形を受け破壊されやすいという問題がある。フォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒を浸漬させることにより剛性を上げることが可能となる。
【0043】
また、インキの直流及び逆流はスプリングによる先端ボールへの押圧で果たされるが、先端ボールをボール抱持部の内縁にスプリングの押圧によって密接させると共に、その後方に弁体を遊嵌した弁室を設けてチップ上向きで弁体が導孔を閉塞するように併設して設けることで、ボール抱持部の加工バラツキによる先端ボールとの密接不完全状態や、ボール抱持部と先端ボールとの隙間に固形物が付着した場合の密接不完全状態が生じてもインキの逆流が確実に防止できる。
【0044】
上述したフォロア棒や弁体を有したインキの逆流防止構造は、インキ収容部が大径で逆流しやすい場合や、上向き筆記を繰り返した時や衝撃が掛かった時に性能を発揮するものであって構成要素として必須のものではなく、特に誤記修正用のボールペンとした場合などは上向きに使用されることはまず無いので必ずしも必要としない。
【0045】
【発明の効果】
本発明の加圧式のボールペンの構成及び作用は以上の如くであり、フォロアの後端を押圧する加圧力を変換することでインキの流出量が増減することから、同じボールペン筆記体に対して、ポンピングによる加圧力を段階的に選ぶことによって筆記描線の濃度や線幅が調節できる便利な加圧式のボールペンを提供可能とする。
また、ノック棒の前端に設けられた凸部を弁体の後端に当接させることによってインキの特性などによって適正な加圧力が設定可能となり、弁体を押圧するスプリングの強さが所定の強さより強い方にばらついても所定の加圧力に設定可能である。
また、携帯時などボールペンの未使用時に於いて、加圧状態が解除できるので、不用意に筆記先端部に外力が懸かっても加圧によってインキが吹出て周囲を汚損する等の問題が回避可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1であるボールペンの前軸筒側要部を示す縦断面図である。
【図2】実施例1であるボールペンの前軸筒後方側と後軸筒側を示す縦断面図である。
【図3】実施例2であるボールペンの前軸筒側要部を示す縦断面図である。
【図4】実施例2であるボールペンの前軸筒後方側と後軸筒側を示す縦断面図である。
【図5】実施例3であるボールペンの前軸筒後方側と後軸筒側を示す縦断面図である。
【図6】図5の状態からノック棒を前進させた状態を示す断面図である。
【図7】図6の状態からノック棒を最前進させた状態を示す断面図である。
【図8】図7の状態に係止された状態を示す要部外観図である。
【符号の説明】
1 ボールペン
2 前軸筒
2a 段部
2b 雌螺子部
3 先軸部
3a 内孔
3b 孔部
3c リブ
3d 前受け座
4 受け座部材
4a 弁体受け座
4b 凸部
4c 係止部
4d 導孔
5 弁室
6 弁体
7 チップ
7a チップ内孔
7b 軸部
7c カシメ部
8 先端ボール
9 スプリング
9a 棒軸部
10 インキ
11 フォロア
12 フォロア棒
13 後軸筒
13a 内周部
13b スリット部
13c テーパー状のスリット部
13d 段部
14 継ぎ手
14a 後軸部
14b 雄螺子部
14c 鍔部
14d 受け座
14e 通気口
14f シール部
15 圧入筒
15a 後端部
16 弁体
17 スプリング
18 ノック棒
18a 突部
18b 段部
18c 溝部
18d 仕切り部
18e 孔部
19 回転ブッシュ
19a 軸部
19b 雌螺子部
19c スリット部
20 スライド軸
20a 溝部
20b 雄螺子部
20c 先端部
21 シールリング
22 ノックスプリング
23 空間部
24 ボールペン
25 前軸筒
26 先軸部
27 フォロア
51 ノック棒
51a 突部
52 回転ブッシュ
52a 摘み部
53 シールリング
54 後軸筒
54a 内周部
54b 内周部
54c スリット部
54d 前段部
54e テーパー状のスリット部
54f 後段部
54g 傾斜状のスリット部
54h 溝部
55 通気口
56 空間部

Claims (4)

  1. 先端にボールペンのチップを有し、後方のインキ収容部にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが充填され、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式のボールペンに於いて、
    加圧機構のポンピング作動によって空気が送り込まれてフォロアの後端が加圧されると共に、加圧力が調節可能に設けられてなる加圧式のボールペン。
  2. 加圧機構は、ノックスプリングによってノック棒が後軸筒に対して常時後方に附勢された状態で、且つ前後退可能に後軸筒に係止されると共に、ノック棒の外周部が後軸筒の内周部に密接するように設けられ、ノック棒を前進させた時に通気口とノック棒の前端との間に形成される空間部を圧縮して加圧するように設けられたノック機構部と、そのノック機構部の前方に加圧空気を疎通させる弁機構が設けられてなる請求項1に記載の加圧式のボールペン。
  3. ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、前記通気口が解放されるように弁体の後端に当接する前端に突部を有したスライド軸がノック棒に対して軸方向に相対的に前後動可能となるように設けられたことを特徴とする加圧式のボールペン。
  4. ポンピング作動の終端位置で、フォロアの後端が外気と同じとなるように構成されてなる請求項1に記載の加圧式のボールペン。
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