JP2004267216A - ヒトオーファンgタンパク質共役型受容体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の塩基配列から成るcDNAによりコードされるGタンパク質共役型受容体([GPCR])。特定の塩基配列から成るcDNAを含んで成るプラスミド。前記プラスミドを含んでなる宿主細胞。ヒトGPCRの同定はジェンバンク(GenBank)データベース情報の再検討に基づき、開示された内在性ヒトGPCRのいくつかを同定した。他の開示される内在性ヒトGPCRは特定のESTクローンをクエリ配列として使用するESTデータベース(dbsest)のBLAST検索を実施することにより同定した。そのあと、同定された特定のESTクローンをプローブとして使用して、ヒトゲノムライブラリーをスクリーニングした。
【選択図】なし
Description
ヒトGPCRの同定
ヒトゲノムプロジェクトの努力は、ヒトゲノム内に配置されている核酸配列に関する夥しい量の情報の同定をもたらし;それは、この努力によって、いずれかの特定のゲノム配列がヒトタンパク質を翻訳する読取り枠情報を含有するもしくは含有するかも知れないかどうかに関する理解もしくは認識を伴うことなく、遺伝子配列情報が利用可能にされているというのが実情である。ヒトゲノム内の核酸配列のいくつかの同定方法は当業者の範囲内にある。例えば、そして制限でなく、本明細書で開示される多様なGPCRは、ジェンバンク[GenBank](商標)データベースを再検討することにより発見された一方、他のGPCRは、既に配列決定されたGPCRの核酸配列を利用してESTデータベースのBLAST(商標)検索を実施することにより発見された。下の表Aは、GPCRのそれぞれの相同なGPCRと一緒に、開示される内在性のオーファンGPCRを列挙する。
B.受容体スクリーニング
受容体の伝統的研究は、アンタゴニストおよび受容体に影響を及ぼす可能性のある他の分子を見出すように発見を進行させることができる前に内在性リガンドを最初に同定しなければならないという演繹的過程(歴史的に基づく)から常に進行したため、内在性リガンドの同定(これは主として受容体の内在性リガンドを必要とする受容体結合アッセイの実施の一手段を提供するという目的上)のための技術は過去数年のあいだにより容易に利用可能になった。最初にアンタゴニストが知られているかも知れない場合でさえ、探索は内在性リガンドを探すように直ちに拡大した。この思考様式は、構成的に活性化される受容体の発見後でさえも受容体の研究に存続している。これまで認識されていなかったことは、受容体のアゴニスト、部分的アゴニストおよび反作用薬を発見するのに最も有用であるのは受容体の活性状態であるということである。過度に活性の受容体もしくは過小活性の受容体から生じる疾患にとって、治療薬で望ましいものは、必ずしも内在性リガンドに対するアンタゴニストである薬物ではなく、それぞれ受容体の活性状態を減少させるかもしくは受容体の活性を高めるよう作用する化合物である。これは、活性の受容体状態の活性を低下させるもしくは高める化合物は内在性リガンドと同一部位で結合する必要がないためである。従って、本発明の方法により教示されるとおり、治療的化合物についてのいかなる探索もリガンド非依存的な活性状態に対する化合物のスクリーニングにより開始すべきである。
C.疾患/障害の同定および/もしくは選択
好ましくは、(a)組織mRNAに対するドットブロット分析、および/もしくは(b)組織サンプル中の受容体の発現のRT−PCR同定のためのプローブを作成するのにヒトオーファンGPCRのDNA配列を使用することができる。組織供給源、もしくは疾患に罹った組織中での受容体の存在、または正常組織に比較して疾患に罹った組織中での上昇された濃度での受容体の存在は、限定されるものでないがその疾患に関連する疾患を挙げることができる治療レジメンとの相関を同定するのに好ましく利用することができる。受容体はこの技術により器官の領域に等しく十分に局在化する可能性がある。受容体が局在化されている特定の組織の既知の機能に基づき、受容体の推定の機能上の役割を推定することができる。
D.候補化合物のスクリーニング
1.包括的GPCRスクリーニングアッセイの技術
Gタンパク質受容体が構成的に活性(すなわちそれに結合する内在性リガンドの非存在下で活性)になった場合、それはGタンパク質(例えばGq、Gs、Gi、Go)に結合しかつGタンパク質へのGTPの結合を刺激する。その後、Gタンパク質がGTPアーゼとして作用し、そしてGTPをGDPにゆっくりと加水分解し、それにより受容体は正常な条件下で失活型になる。しかしながら、構成的に活性化された受容体はGDPをGTPに交換し続ける。構成的に活性化される受容体を発現する膜への高められた結合をモニターするのに、GTPの加水分解不可能な類似物[35S]GTPγSを使用することができる。[35S]GTPγSはリガンドの不存在下および存在下での膜へのGタンパク質の共役をモニターするのに使用することができることが報告されている。このモニタリングの一例、なかんずく当業者に公知かつ利用可能な例は、1995年にトレイノル(Traynor)とナホルスキ(Nahorski)により報告された。本アッセイ系の好ましい使用は候補化合物の初期スクリーニングのためである。なぜなら、該系は、受容体の細胞内ドメインと相互作用する特定のGタンパク質に関係なく、全部のGタンパク質共役型受容体に包括的に応用可能であるからである。
2.特異的GPCRスクリーニングアッセイの技術
「包括的」Gタンパク質共役型受容体アッセイ(すなわちアゴニスト、部分的アゴニストもしくは反作用薬である化合物を選択するためのアッセイ)を使用して候補化合物が同定されれば、該化合物が受容体部位で相互作用していることを確認するためのさらなるスクリーニングが好ましい。例えば、「包括的」アッセイにより同定された化合物は受容体に結合しないかも知れないが、しかし代わりに細胞内ドメインからGタンパク質を単に「分離する」かも知れない。
a.GsおよびGi
Gsは酵素アデニリルシクラーゼを刺激する。他方、Gi(およびGo)はこの酵素を阻害する。アデニリルシクラーゼはATPのcAMPへの転化を触媒し;従って、Gsタンパク質を共役する構成的に活性化されたGPCRは、cAMPの増大された細胞レベルと関連する。他方、Gi(もしくはGo)タンパク質を共役する構成的に活性化されたGPCRは、cAMPの低下された細胞レベルと関連する。一般に、“Indirect Mechanisms of Synaptic Transmission,”第8章、From Neuron To Brain(第3版)ニコルス(Nichols,J.G.)ら編 サイナウア アソシエーツ インク(Sinauer Associates,Inc.)(1992)を参照されたい。従って、cAMPを検出するアッセイを利用して、ある候補化合物が例えば受容体に対する反作用薬(すなわちこうした化合物はcAMPのレベルを低下させることができる)であるかどうかを決定することができる。cAMPを測定するための当該技術分野で既知の多様なアプローチを利用することができ;最も好ましいアプローチはELISAに基づく形式での抗cAMP抗体の使用に頼る。利用することができる別の型のアッセイは全細胞セカンドメッセンジャーレポーター系アッセイである。遺伝子のプロモーターは特定の遺伝子がコードするタンパク質の発現を駆動する。環状AMPは、cAMP応答性のDNA結合タンパク質もしくは転写因子(CREB)(その後cAMP応答要素と呼ばれる特定の部位でプロモーターに結合しそして遺伝子の発現を駆動する)の結合を促進することにより遺伝子発現を駆動する。レポーター遺伝子(例えばβ−ガラクトシダーゼもしくはルシフェラーゼ)の前に複数のcAMP応答要素を含有するプロモーターを有するレポーター系を構築することができる。従って、構成的に活性化されたGsに結合された受容体は、cAMPの蓄積を引き起こし、これがその後遺伝子およびレポータータンパク質の発現を活性化する。その後、標準的な生化学的アッセイを使用して、β−ガラクトシダーゼもしくはルシフェラーゼのようなレポータータンパク質を検出することができる(チェン(Chen)ら 1995)。
GoおよびGq
GqおよびGoは酵素ホスホリパーゼCの活性化に関連し、この酵素は順にリン脂質PIP2を加水分解して、2種の細胞内メッセンジャー、すなわちジアシルグリセロール(DAG)およびイノシトール1,4,5−三リン酸(IP3)を放出する。IP3の増大された蓄積はGqおよびGo会合型受容体の活性化と関連する。一般に、“Indirect Mechanisms of Synaptic Transmission,”第8章、From Neuron To Brain(第3版)ニコルス(Nichols,J.G.)ら編 サイナウア アソシエーツ インク(Sinauer Associates,Inc.)(1992)を参照されたい。IP3の蓄積を検出するアッセイを利用して、候補化合物が例えばGqもしくはGo会合型受容体に対する反作用薬である(すなわちこうした化合物はIP3のレベルを低下させることができる)かどうかを決定することができる。Gq会合型受容体はAP1レポーターアッセイ(ここでGq依存性のホスホリパーゼCがAP1要素を含有する遺伝子の活性化を引き起こす)を使用してもまた検査することができ;従って、活性化されたGq会合型受容体は、こうした遺伝子の発現の増大を明示することができ、それにより、それに対する反作用薬はこうした発現の減少を明示することができ、また、アゴニストはこうした発現の増大を明示することができる。こうした検出のための商業的に入手可能なアッセイが利用可能である。
3.GPCR融合タンパク質
反作用薬、アゴニストおよび部分的アゴニストの直接同定のための候補化合物のスクリーニングのための内在性の構成的に活性化されるオーファンGPCRもしくは非内在性の構成的に活性化されるオーファンGPCRの使用は興味深い挑戦を提供し、ここでは定義によりそれに結合される内在性リガンドの不存在下でさえ該受容体は活性である。従って、活性化された受容体により得られるシグナルを高めることが可能であるアプローチを利用することがしばしば有用である。好ましい一アプローチはGPCR融合タンパク質の使用である。
E.他の利用性
本明細書に開示されるヒトオーファンGPCRの好ましい使用は、(好ましくは製薬学的作用物質としての使用のための)反作用薬、アゴニストもしくは部分的アゴニストとしての候補化合物の直接同定のためであることができるが、これらのバージョンのヒトGPCRは研究の設定でもまた利用することができる。例えば、GPCRを組み込むインビトロおよびインビボの系は、正常のおよび疾患に罹った双方のヒトの状態でこれらの受容体が演じる役割をさらに解明かつ理解するため、ならびに構成的活性化の役割の理解(それがシグナル伝達カスケードの理解に適用されるため)に利用することができる。ヒトオーファンGPCRの価値は、身体内でのこうした受容体の位置(1種もしくは複数)を決定することにより、そのための内在性リガンドが同定される前に人体でのこれらの受容体の役割を理解するのにGPCRを使用することができることにおいて、研究ツールとしてのその利用性が高められることである。開示される受容体の他の用途は、とりわけ本特許文書の検討に基づき当業者に明らかとなるであろう。
内在性のヒトGPCR
1.ヒトGPCRの同定
ジェンバンク(GenBank)データベース情報の再検討に基づき、開示された内在性ヒトGPCRのいくつかを同定した。データベースを検索する間に以下のcDNAクローンを下に明示されるとおり同定した。
a.hG2A(配列番号23および24)
マウスESTクローン1179426を使用して、3種のアミノ酸hG2Aコーディング配列以外の全部を含有するヒトゲノムクローンを得た。このコーディング配列の5’端は5’RACE(商標)を使用することにより得、また、PCRのための鋳型はクロンテック(Clontech)のヒト脾マラソン−レディ[Marathon−ready](商標)cDNAであった。開示されるヒトG2Aは、以下:
5’−CTGTGTACAGCAGTTCGCAGAGTG−3’(配列番号39;1回目のPCR)
5’−GAGTGCCAGGCAGAGCAGGTAGAC−3’(配列番号40;2回目のPCR)
のような配列番号39および配列番号40に示されるような第一回および第二回のPCRのためのG2AのcDNAに特異的なプライマーを使用するPCRにより増幅した。PCRは、94℃30秒間、次いで94℃5秒間および72℃4分間の5周期;ならびに94°5秒間および70°4分間の30周期で、アドバンテージ[Advantage](商標)GCポリメラーゼキット(クロンテック(Clontech);製造説明書に従うことができる)を使用して実施した。およそ1.3kbのPCRフラグメントをアガロースゲルから精製し、HindIIIおよびXbaIで消化し、そして発現ベクターpRC/CMV2(インヴィトロジェン(Invitrogen))にクローン化した。T7シークェナーゼ[Sequenase](商標)キット(USB アマーシャム(USB Amersham);製造元の説明書に従うことができる)を使用してクローン化された挿入物を配列決定し、そして提示された配列と配列を比較した。P32標識されたフラグメントを用いてRNAドットブロット(クロンテック(Clontech);製造元の説明書に従うことができる)をプロービングすることによりヒトG2Aの発現を検出することができる。
b.hCHN9(配列番号33および34)
ESTクローン1541536の配列決定は、hCHN9が1個の開始コドンのみを有する(すなわち終止コドンは欠けていた)部分的cDNAクローンであることを示した。hCHN9をデータベース(nr)に対して「BLAST検索する(blast)」のに使用した場合、hCHN9の3’の配列はロイコトリエンB4受容体のcDNAの5’非翻訳領域(hCHN9のコーディング配列と同じ読み枠に終止コドンを含有した)に100%相同であった。LTB4RのcDNAの5’非翻訳領域がhCHN9の3’配列であったかどうかを決定するために、hCHN9に見出される開始コドンに隣接する5’配列およびLTB4Rの5’非翻訳領域に見出される終止コドンを取り巻く3’配列に基づくプライマーを使用してPCRを実施した。利用された5’プライマー配列は以下のとおりであった:
5’−CCCGAATTCCTGCTTGCTCCCAGCTTGGCCC−3’(配列番号41;センス)および
5’−TGTGGATCCTGCTGTCAAAGGTCCCATTCCGG−3’(配列番号42;アンチセンス)
製造元により供給される緩衝液系、0.25μMの各プライマーおよび0.2mMの各4種のヌクレオチドとともに鋳型としての胸腺cDNAおよびrTthポリメラーゼ(パーキン エルマー(Perkin Elmer))を使用してPCRを実施した。周期条件は、94℃1分間、65℃1分間ならびに72℃1分および10秒間の30周期であった。予測された大きさと一致する1.1kbのフラグメントをPCRから得た。本PCRフラグメントをpCMVにサブクローニングし(下を参照されたい)そして配列決定した(配列番号33を参照されたい)。c.hRUP4(配列番号37および38)
鋳型としてヒト脳cDNA(クロンテック(Clontech))を用いるRT−PCRにより完全長のhRUP4をクローン化した:
5’−TCACAATGCTAGGTGTGGTC−3’(配列番号43;センス)および
5’−TGCATAGACAATGGGATTACAG−3’(配列番号44;アンチセンス)。
以下の周期、すなわち94℃2分間;94℃30秒間;55℃30秒間、72℃45秒間および72℃10分間により、タックプラス[TaqPlus](商標) プレシジョン[Precision](商標)ポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene);製造説明書に従うことができる)を使用してPCRを実施した。周期2から4を30回反復した。
5’−CTGCTTAGAAGAGTGGACCAG−3’(配列番号46;オリゴ1)、
5’−CTGTGCACCAGAAGATCTACAC−3’(配列番号47;オリゴ2)
および、2種のアンチセンスオリゴヌクレオチドプライマーの組:
5’−CAAGGATGAAGGTGGTGTAGA−3’(配列番号48;オリゴ3)
5’−GTGTAGATCTTCTGGTGCACAGG−3’(配列番号49;オリゴ4)
を、製造元の説明書に従って鋳型としてヒト脳マラソン−レディ[Marathon−Ready](商標)cDNA(クロンテック(Clontech)、カタログ番号7400−1)を用いる3’−および5’−race PCRに使用した。RACE PCRにより生成されたDNAフラグメントをpCRII−TOPO(商標)ベクター(インヴィトロジェン(Invitrogen))にクローン化し、そしてSP6/T7プライマー(ストラタジーン(Stratagene))および数種の内的プライマーを使用して配列決定した。3’RACE産物はポリ(A)テール(tail)およびTAA終止コドンで終了する1個の完了される読取り枠を含有した。5’RACE産物は不完全な5’端を含有した(すなわちATG開始コドンが存在しなかった)。
5’−GCAATGCAGGTCATAGTGAGC−3’(配列番号50;オリゴ5)
を第2回の5’RACE PCRに使用し、そしてPCR産物を上のとおり分析した。第3回の5’RACE PCRは、アンチセンスプライマー:
5’−TGGAGCATGGTGACGGGAATGCAGAAG−3’(配列番号51;オリゴ6)および
5’−GTGATGAGCAGGTCACTGAGCGCCAAG−3’(配列番号52;オリゴ7)
を利用して実施した。5’RACE PCRの産物の配列は開始コドンATGの存在を示し、また、さらなる回の5’RACE PCRはいかなるそれ以上の5’配列も生成しなかった。プライマーとして、センスプライマー
5’−GCAATGCAGGCGCTTAACATTAC−3’(配列番号53;オリゴ8)
およびオリゴ4を使用するRT−PCR、ならびにヒト脳および心のcDNA鋳型(クロンテック(Clontech)、カタログ番号7404−1)から生成された650bpのPCR産物の配列分析により、完了された5’配列を確認した。オリゴ2および以下のアンチセンスプライマー:
5’−TTGGGTTACAATCTGAAGGGCA−3’(配列番号54;オリゴ9)
を使用するRT−PCR、ならびにヒト脳および心のcDNA鋳型(クロンテック(Clontech)、カタログ番号7404−1)から生成された670bpのPCR産物の配列分析により、完了された3’配列を確認した。
d.hRUP5(配列番号9および10)
以下の配列:
5’−ACTCCGTGTCCAGCAGGACTCTG−3’(配列番号55)
5’−TGCGTGTTCCTGGACCCTCACGTG−3’(配列番号56)
を有した、ATG開始コドンから上流のセンスプライマー(配列番号55)、および終止コドンとしてTCAを含有するアンチセンスプライマー(配列番号56)、ならびに鋳型としてヒト末梢白血球cDNA(クロンテック(Clontech))を使用するRT−PCRにより完全長のhRUP5をクローン化した。段階2から段階4が30回反復された以下の周期、すなわち94℃30秒間;94℃15秒間;69℃40秒間;72℃3分間;および72℃6分間による50μlの反応中での増幅にアドバンテージ(Advantage)cDNAポリメラーゼ(クロンテック(Clontech))を使用した。1.4kbのPCRフラグメントを単離し、そしてpCRII−TOPO(商標)ベクター(インヴィトロジェン(Invitrogen))を用いてクローン化し、そしてT7 DNAシークェナーゼ[Sequenase](商標)キット(アマーシャム(Amersham))を使用して完全に配列決定した。配列番号9を参照されたい。
e.hRUP6(配列番号11および12)
プライマー:
5’−CAGGCCTTGGATTTTAATGTCAGGGATGG−3’(配列番号57)および
5’−GGAGAGTCAGCTCTGAAAGAATTCAGG−3’(配列番号58)
ならびに鋳型としてヒト胸腺マラソン−レディ[Marathon−Ready](商標)cDNA(クロンテック(Clontech))を使用するRT−PCRにより完全長のhRUP6をクローン化した。以下の周期、すなわち94℃30秒間;94℃5秒間;66℃40秒間;72℃2.5秒間および72℃7分間による50μlの反応中での増幅にアドバンテージ(Advantage)cDNAポリメラーゼ(クロンテック(Clontech)、製造元の説明書に従う)を使用した。周期2から4を30回反復した。1.3kbのPCRフラグメントを単離し、そしてpCRII−TOPO(商標)ベクター(インヴィトロジェン(Invitrogen))にクローン化し、そしてABI ビッグ ダイ ターミネーター[Big Dye Terminator](商標)キット(P.E.バイオシステム(P.E.Biosystem))を使用して完全に配列決定した(配列番号11を参照されたい)。
f.hRUP7(配列番号13および14)
プライマー:
5’−TGATGTGATGCCAGATACTAATAGCAC−3’(配列番号59;センス)および
5’−CCTGATTCATTTAGGTGAGATTGAGAC−3’(配列番号60;アンチセンス)
ならびに鋳型としてヒト末梢白血球cDNA(クロンテック(Clontech))を使用するRT−PCRにより完全長のRUP7をクローン化した。段階2ないし段階4が30回反復された以下の周期、すなわち94℃2分間;94℃15秒間;60℃20秒間;72℃2分間;72℃10分間による50μlの反応中での増幅にアドバンテージ[Advantage](商標)cDNAポリメラーゼ(クロンテック(Clontech))を使用した。1.25kbのPCRフラグメントを単離し、そしてpCRII−TOPO(商標)ベクター(インヴィトロジェン(Invitrogen))にクローン化し、そしてABI ビッグ ダイ ターミネーター[Big Dye Terminator](商標)キット(P.E.バイオシステム(P.E.Biosystem))を使用して完全に配列決定した。配列番号13を参照されたい。
g.hARE−5(配列番号5および6)
hARE5特異的プライマー5’−CAGCGCAGGGTGAAGCCTGAGAGC−3’配列番号69(センス、開始コドンATGの5’)および5’−GGCACCTGCTGTGACCTGTGCAGG−3’配列番号70(アンチセンス、終止コドンTGAの3’)、ならびに鋳型としてヒトゲノムDNAを使用するPCRにより完全長のhARE−5をクローン化した。段階2ないし段階4が35回反復された以下の周期、すなわち、96℃、2分;96℃、20秒;58℃、30秒;72℃、2分;および72℃、10分による増幅に、タックプラス プレシジョン[TaqPlus Precision](商標)DNAポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))を使用した。
h.hARE−4(配列番号3および4)
hARE−4特異的プライマー5’−CTGGTGTGCTCCATGGCATCCC−3’配列番号67(センス、開始コドンATGの5’)および5’−GTAAGCCTCCCAGAACGAGAGG−3’配列番号68(アンチセンス、終止コドンTGAの3’)、ならびに鋳型としてヒトゲノムDNAを使用するPCRにより完全長のhARE−4をクローン化した。段階2ないし段階3が35回反復された以下の周期、すなわち94℃、3分;94℃、30秒;59℃、2分;72℃、10分による増幅にタック(Taq)DNAポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))および5%DMSOを使用した。
i.hARE−3(配列番号1および2)
hARE−3特異的プライマー5’−gatcaagcttCCATCCTACTGAAACCATGGTC−3’配列番号65(センス、小文字のヌクレオチドはHindIIIのオーバーハングを表し、開始コドンとしてのATG)および5’−gatcagatctCAGTTCCAATATTCACACCACCGTC−3’配列番号66(アンチセンス、小文字のヌクレオチドはXbaIのオーバーハングを表し、終止コドンとしてのTCA)、ならびに鋳型としてヒトゲノムDNAを使用するPCRにより完全長のhARE−3をクローン化した。段階2ないし段階4が35回反復された以下の周期、すなわち94℃、3分;94℃、1分;55℃、1分;72℃、2分;72℃、10分による増幅にタックプラス プレシジョン[TaqPlus Precision](商標)DNAポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))を使用した。
j.hRUP3(配列番号7および8)
hRUP3特異的プライマー5’−GTCCTGCCACTTCGAGACATGG−3’配列番号71(センス、開始コドンとしてのATG)および5’−GAAACTTCTCTGCCCTTACCGTC−3’配列番号72(アンチセンス、終止コドンTAAの3’)、ならびに鋳型としてヒトゲノムDNAを使用するPCRにより完全長のhRUP3をクローン化した。段階2ないし段階4が35回反復された以下の周期、すなわち94℃、3分;94℃、1分;58℃、1分;72℃、2分;72℃、10分による増幅にタックプラス プレシジョン[TaqPlus Precision](商標)DNAポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))を使用した。
受容体の発現
タンパク質の発現のために多様な細胞が当該技術分野で利用可能であるが、哺乳動物細胞を利用することが最も好ましい。これの主な理由は実地的なことに基づく。すなわち、例えばGPCRの発現のための酵母細胞の利用は、可能な一方で、受容体共役型の遺伝子的機構を包含しなくてもよい(事実、酵母の場合は包含しない)非哺乳動物細胞、および哺乳動物の系について発展した分泌経路をプロトコルに導入し、従って、非哺乳動物細胞で得られる結果は、潜在的に有用な一方で哺乳動物細胞から得られるものと同じくらい好ましくはない。哺乳動物細胞のうちCOS−7、293および293T細胞がとりわけ好ましいが、利用される特定の哺乳動物細胞は当業者の特定のニーズに基づくことが可能である。開示されるGPCRの発現のための一般的手順は以下のとおりである。
開示されるヒトGPCRの組織分布
本明細書に開示されるGPCRの組織分布の測定にはいくつかのアプローチを使用することができる。
1.ドットブロット分析
商業的に入手可能なヒト組織のドットブロット形式を使用して、内在性オーファンGPCRが局在化されている領域の決定のため、こうした受容体をプロービングした。実施例1のGPCRからのcDNAフラグメント(放射標識された)をプローブとして使用したか、もしくは使用することができる。すなわち、製造元の説明書に従って、プライム−イット II[Prime−It II](商標)ランダムプライマー標識キット(ストラタジーン(Stratagene))、#300385)を使用する完全な受容体のcDNA(ベクターから切り出された)を使用して、放射標識されたプローブを生成したか、もしくは生成することができる。製造元の説明書に従い、ヒトRNAマスターブロット[Master Blot](商標)(クロンテック(Clontech)、#7770−1)を内在性ヒトGPCR放射標識プローブとハイブリダイズさせ、そしてストリンジェントな条件下で洗浄した。ブロットを−80℃で一夜、コダック(Kodak)バイオマックス[BioMax](商標)オートラジオグラフィーフィルムに露光させた。数種の受容体についての結果を表BおよびCに要約する(多様な組織およびそれらの位置を同定する格子についてはそれぞれ図1Aおよび1Bを参照されたい)。hCHN3およびhCHN8を使用して生じられた結果についての例示的ドットブロットを、それぞれ図2Aおよび2Bに提供する。
a.hRUP3
hRUP3のmRNAの組織分布を確かめるため、hRUP3特異的プライマーおよび鋳型としてのヒト多組織cDNAパネル(MTC、クロンテック(Clontech))を使用してRT−PCRを実施した。40μlの反応中で以下の反応周期、すなわち94℃2分間;94℃15秒間;55℃30秒間;72℃1分間;72℃、10分間を使用するPCR反応にタック(Taq)DNAポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))を利用した。プライマーは以下のとおりであった:
5’−GACAGGTACCTTGCCATCAAG−3’(配列番号61;センス)
5’−CTGCACAATGCCAGTGATAAGG−3’(配列番号62;アンチセンス)。
b.hRUP4
プライマーとしてhRUP4 オリゴ8および4、ならびに鋳型としてヒト多組織cDNAパネル(MTC、クロンテック(Clontech))を使用してRT−PCRを実施した。周期2から4が30回反復された以下の周期、すなわち94℃30秒間、94℃10秒間、55℃30秒間、72℃2分間および72℃5分間による40μlの反応中での増幅にタック(Taq)DNAポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))を使用した。
c.hRUP5
以下のhRUP5特異的プライマー:
5’−CTGACTTCTTGTTCCTGGCAGCAGCGG−3’(配列番号63;センス)
5’−AGACCAGCCAGGGCACGCTGAAGAGTG−3’(配列番号64;アンチセンス)
および、鋳型としてヒト多組織cDNAパネル(MTC、クロンテック(Clontech))を使用してRT−PCRを実施した。以下の周期、すなわち94℃30秒間、94℃10秒間、62℃1.5分間、72℃5分間によりかつ周期2から3が30回反復された40μlの反応中での増幅にタック(Taq)DNAポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene))を使用した。20μlの反応を1.5%アガロースゲルに負荷してRT−PCR産物を分析し、そしてhRUP5のmRNAは末梢血白血球でのみ発現されて見出された(データは示されない)。
d.hRUP6
hRUP6の発現を確認しかつその組織分布を決定するためにRT−PCRを適用した。AC005871およびGPR66セグメントの整列に基づく、使用されたオリゴヌクレオチドは、以下の配列:
5’−CCAACACCAGCATCCATGGCATCAAG−3’(配列番号73;センス)
5’−GGAGAGTCAGCTCTGAAAGAATTCAGG−3’(配列番号74;アンチセンス)
を有し、また、ヒト多組織cDNAパネル(MTC、クロンテック(Clontech))を鋳型として使用した。以下の周期、すなわち94℃30秒間;94℃5秒間;66℃40秒間、72℃2.5分間および72℃7分間により40μlの反応中でタックプラス プレシジョン[TaqPlus Precision](商標)ポリメラーゼ(ストラタジーン(Stratagene);製造説明書に従うことができる)を使用してPCRを実施した。周期2から4を30回反復した。
Claims (72)
- 配列番号1を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号2を含んで成る配列番号1のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号1のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項3記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号3を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号4を含んで成る配列番号3のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号3のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項7記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号5を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号6を含んで成る配列番号5のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号5のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項11記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号9を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号10を含んで成る配列番号9のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号9のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項15記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号11を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号12を含んで成る配列番号11のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号11のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項19記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号13を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号14を含んで成る配列番号13のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号13のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項23記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号15を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号16を含んで成る配列番号15のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号15のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項27記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号17を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号18を含んで成る配列番号17のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号17のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項31記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号19を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号20を含んで成る配列番号19のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号19のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項35記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号21を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号22を含んで成る配列番号21のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号21のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項39記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号23を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号24を含んで成る配列番号23のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号23のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項43記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号25を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号26を含んで成る配列番号25のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号25のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項47記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号27を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号28を含んで成る配列番号27のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号27のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項51記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号29を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号30を含んで成る配列番号29のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号29のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項55記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号31を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号32を含んで成る配列番号31のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号31のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項59記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号33を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号34を含んで成る配列番号33のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号33のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項63記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号35を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号36を含んで成る配列番号35のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号35のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項67記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
- 配列番号37を含んで成るヒトGタンパク質共役型受容体をコードするcDNA。
- 配列番号38を含んで成る配列番号37のcDNAによりコードされるヒトGタンパク質共役型受容体。
- ベクターおよび配列番号37のcDNAを含んで成るプラスミド。
- 請求項71記載のプラスミドを含んで成る宿主細胞。
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