JP2004266094A - 多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法 Download PDF

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誠裕 岡本
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Abstract

【課題】多層接続電気回路の電気抵抗が低く、電気的特性に優れた多層配線基板を得ること。
【解決手段】金属粉体の結合体によって層間導通ビア18を形成し、その金属粉体の結合体によって接着層13の多層化接着面より外側に突出した突出部18Aを形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層配線基板(多層プリント配線板)、多層配線基板用基材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の多層配線基板には、多層積層後、絶縁層にスルーホールを開口した後に、スルーホール内をめっきし、めっき層によって層間導通を取るスルーホールめっき法によるものがある。
【0003】
スルーホールめっき法による多層配線基板は、各層の回路を低く安定した接続抵抗で接続できる利点をもつが、工程が複雑で、工数も多いため、コストが高くなり、多層配線基板の用途を制限する要因となっている。また、スルーホールめっき法による多層配線基板では、スルーホールの直上には部品を実装できず、配線の自由度が低いと云う欠点もある。
【0004】
近年、めっきに代わる層間接続方法として、スルーホールに導電性ペーストを充填したIVH(Interstitial Via Hole)による多層配線基板が実用化されている。
【0005】
例えば、松下グループのALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)基板では、図6(a)〜(f)に示されているように、絶縁樹脂板/フィルム(未硬化樹脂基板)101を出発材としてレーザを用いてビアホール(バイアホール)102をあけ、印刷法によってビアホール102にペースト状の導電性性樹脂103を充填し、この導電性性樹脂103の充填によって所望の箇所に表裏導通接続部、すなわち、導電ペースト充填のIVH(Interstitial Via Hole)を有する絶縁層104を作成する。
【0006】
そして、絶縁層104の表裏に銅箔105を貼り付け、銅箔105をエッチングして配線パターン(銅回路部)106を形成したものを、複数枚、貼り合わせて多層配線基板100を得る。
【0007】
導電ペースト充填のIVHによる多層配線基板は、安価である反面、導電ペーストと銅回路との電気的な接続において次のような欠点がある。導電ペーストは、導電フィラーとして樹脂バインダ中に分散している銀や銅などの導電性粒子同士の接触によって電気的な導通を取るため、銅回路と導電ペーストが無圧縮状態の導電性粒子同士の単なる接触状態で導通を取ると、回路抵抗が増大する可能性がある。
【0008】
これは、たとえ、初期の導電性粒子同士の接触が十分であっても、熱的、湿的エージングによって銅回路表面に酸化物等の電気的バリア層が形成され、電気的接続が不安定になったり、また、冷熱サイクルなどによる繰り返し応力によって導電性粒子同士の接触が不十分になる虞れがある。
【0009】
このことに対し、図7(a)〜(c)に示されているように、剥離可能なカバーフィルム112を基材111に貼り合わせてからビアホール113を開口し、ビアホール113に導電性ペースト114を充填した後に、カバーフィルム113を剥離することにより、カバーフィルム112の厚さに相当する高さ突起した突起部114Aを含む導電性ペーストによるビアを形成するもの(カバーフィルム法)がある(例えば、特許文献1)。なお、図7において、115は銅回路部を示している。
【0010】
カバーフィルム法によるものでは、各基材を貼り合わせて多層化する際に、ビアの突起部を通じてビア全体が圧縮され、導電性ペースト内の導電性粒子同士の接触が良好になると共に、ビア突起部が隣接する他層の銅回路表面に喰い込むよう接触し、層間導通の信頼性が向上する。
【0011】
また、カバーフィルム法によるものでは、基材とカバーフィルムを貼り合わせてからビアホールの開口を行うため、印刷マスクなどを用いる手法に比べて導電性ペースト印刷時(充填時)の位置合わせの必要がなく、径が小さいビアホールにも、歩留まりよく導電性ペーストを充填できると云う利点がある。
【0012】
また、ビアホール内に基材の厚さ以上に導電性ペーストを充填できるため、カバーフィルム法は、ペースト硬化後の体積収縮やペースト表面のへこみなど、導電性ペースト充填ビア特有の課題に対しても効果的な手法である。
【0013】
導電性ペースト充填ビア以外の基板として、銅張り積層板に形成した貫通孔に金属粉体を充填し、金属粉体に超音波振動を与えることにより、金属粉体同士の摩擦熱で金属粉体を溶解固着させ、金属粉体の結合体によって層間導通を得るプリント回路基板がある(例えば、特許文献2)。
【0014】
【特許文献1】
特許第2601128号公報
【0015】
【特許文献2】
特開平11−97841号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カバーフィルム法によって導電性ペーストを充填した層間導通用ビア形成する場合、次のような問題が生じる。
【0017】
(1)基材と同時に形成されたカバーフィルムの孔内壁部に導電性ペーストが付着し、カバーフィルムの剥離時に導電性ペーストが基材側から持ち去られ、結果として、基材のビアホールに対する導電性ペーストの充填量が不安定になる。
【0018】
(2)カバーフィルム剥離時の導電性ペーストの持ち去りにより、基材側に形成されるビアの突起形状が一律にならず、粘度やカバーフィルムの開口径によっては、突起部全体をカバーフィルム側に持ち去られる可能性がある。
【0019】
(3)導電性ペーストの持ち去り量が少なく、良好な突起部を有する層間導通用ビアが形成されても、樹脂をバインダとする導電性ペーストでは、硬化しても、硬度が低いため、図8に示されているように、積層して貼り合わせる際に、層間導通用ビア124の突起部125が圧縮によって拡径方向に広がる圧壊変形を生じ、突起部125が他層の銅回路123の表面に喰い込む状態が得られない。なお、図8において、121は絶縁層(基材)を、122は接着層を示している。
【0020】
これらのことにより、カバーフィルム法によって導電性ペーストを充填した層間導通用ビアでは、層間の電気的導通の信頼性を十分に得ることが難しい。
【0021】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、冷熱サイクルなどによる繰り返し応力に対して耐久性に優れ、しかも安定した電気的特性を示す多層配線基板を得ることができる多層配線基板用基材およびその多層配線基板用基材を用いた多層配線基板、および多層配線基板用基材の製造方法を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、前記絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に充填された金属粉体の結合体によって層間導通を得る多層配線基板用基材であって、前記金属粉体の結合体が、前記接着層の多層化接着面より外側に突出した突出部を含む。
【0023】
この発明による多層配線基板用基材によれば、金属粉体の結合体によって層間導通が得られ、金属粉体の結合体による突出部は、導電性ペーストの硬化物に比して高硬度であるから、圧壊変形を生じることなく積層相手の導電層表面に良好に喰い込む状態が得られるようになる。
【0024】
この発明による多層配線基板用基材では、前記絶縁性基材を、ポリイミド等の可撓性樹脂フィルムにより構成することができ、フレキシブルプリント配線基板を構成することができる。
【0025】
また、この発明による多層配線基板用基材では、前記接着層を、ポリイミド系接着材により構成することができる。
【0026】
この発明による多層配線基板用基材は、層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けられ、前記絶縁性基材を貫通する貫通孔に充填された金属粉体の結合体によって層間導通を得る多層配線基板用基材であって、前記金属粉体の結合体が、前記絶縁性基材の前記導電層とは反対側の多層化接着面より外側に突出した突出部を含む。
【0027】
この発明による多層配線基板用基材によれば、金属粉体の結合体によって層間導通が得られ、金属粉体の結合体による突出部は、導電性ペーストの硬化物に比して高硬度であるから、圧壊変形を生じることなく積層相手の導電層表面に良好に喰い込む状態が得られるようになる。
【0028】
層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材としては、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性機能を付与された熱可塑性ポリイミド、あるいは液晶ポリマ等がある。
【0029】
この発明による多層配線基板は、上述の発明による多層配線基板用基材を含むものである。
【0030】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、前記絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものの、接着層側の表面にカバーフィルムを貼り合わせるフィルム貼合工程と、前記絶縁性基材と前記接着層と前記カバーフィルムに貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔に金属粉体を充填する金属粉体充填工程と、前記貫通孔に充填された金属粉体を結合する金属粉体結合工程と、前記カバーフィルムを剥離するフィルム剥離工程とを有する。
【0031】
この発明による多層配線基板用基材の製造方法によれば、金属粉体の結合体によって層間導通を得る多層配線基板用基材が製造される。カバーフィルムの剥離によって接着層側の表面の表面に、金属粉体の結合体による突出部が形成され、この突出部は導電性ペーストの硬化物に比して高硬度であるから、圧壊変形を生じることなく積層相手の導電層表面に良好に喰い込む状態が得られるようになる。また、金属粉体の結合体による突出部は、導電性ペーストによるものとは違って、カバーフィルムの剥離時に欠損を招じることや、硬化による体積収縮や表面へこみを生じることもない。
【0032】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けらたものの、前記導電層とは反対側の表面にカバーフィルムを貼り合わせるフィルム貼合工程と、前記絶縁性基材と前記カバーフィルムに貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔に金属粉体を充填する金属粉体充填工程と、前記貫通孔に充填された金属粉体を結合する金属粉体結合工程と、
前記カバーフィルムを剥離するフィルム剥離工程とを有する。
【0033】
この発明による多層配線基板用基材の製造方法によれば、金属粉体の結合体によって層間導通を得る多層配線基板用基材が製造される。カバーフィルムの剥離によって導電層とは反対側の表面に、金属粉体の結合体による突出部が形成され、この突出部は導電性ペーストの硬化物に比して高硬度であるから、圧壊変形を生じることなく積層相手の導電層表面に良好に喰い込む状態が得られるようになる。また、金属粉体の結合体による突出部は、導電性ペーストによるものとは違って、カバーフィルムの剥離時に欠損を招じることや、硬化による体積収縮や表面へこみを生じることもない。
【0034】
多層配線基板用基材の製造方法における前記金属粉体結合工程は、前記貫通孔に充填された金属粉体に超音波振動を与えることにより、金属粉体同士を融着させて金属粉体を結合する工程とすることができる。
【0035】
多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材をなす樹脂フィルムの一方の面に銅箔層を有する片面銅張材を出発材とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1(a)〜(h)はこの発明による一実施形態に係わる多層配線基板用基材およびその製造方法を示している。
【0037】
図1(a)に示されているように、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム11の片面に導電層をなす銅箔12を設けられた片面銅張基板(CCL:Copper Clad Laminate)10を出発材とし、これのポリイミドフィルム表面側(銅箔12とは反対側の表面)に、熱可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムによる接着層13を貼り合わせる(図1(b)参照)。
【0038】
つぎに、図1(c)に示されているように、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、銅回路部や銅ランド部14を形成する。そして、フィルム貼合工程として、接着層13側の表面にPETフィルム等によるカバーフィルム15をラミネートする。
【0039】
つぎに、貫通孔形成工程として、図1(d)に示されているように、レーザ照射、エッチング等によってポリイミドフィルム11、接着層13及びカバーフィルム15にビアホール(貫通孔)16を形成する。
【0040】
つぎに、図1(e)に示されているように、基材を上下反転させ、ビアホール16の開口が上側に位置するようにし、金属粉体充填工程として、ビアホール16に金属粉体17を充填する。金属粉体17としては、粒径が0.1〜1.0μm程度の銅粉体や銀粉体、それらの混合粉体がある。
【0041】
金属粉体17の充填完了後に、図1(f)に示されているように、2枚の金属平板90、91によって基材を両面から挟み、加圧しながら、金属粉体結合工程として、ビアホール16に充填された金属粉体17に超音波振動を印加する。金属粉体17に超音波振動が与えられることにより、金属粉体17同士が擦れ合って摩擦熱が生じ、金属粉体17の表面が溶解し、金属粉体17同士が融着結合する。これにより、図1(g)に示されているように、金属粉体17の結合体による層間導通ビア18が形成される。
【0042】
最後に、フィルム剥離工程として、カバーフィルム15を基材より剥離する。これにより、図1(h)に示されているように、カバーフィルム15の厚さ分、接着層13の多層化接着面(表面)より外側に突出した突出部18Aが設けられ、1枚の多層配線基板用基材20が完成する。
【0043】
突出部18Aは、先の超音波処理によって金属粉体同士が溶融して強固に結合したもので、焼結金属相当の結合強度をしているから、カバーフィルム15の剥離時に、カバーフィルム15側に付着して持ち去られるような現象が生じることがない。また、この後の工程での衝撃などによって、突出部18Aの角部に欠落等が生じるようなこともない。
【0044】
図2(a)、(b)はこの発明による一実施形態に係わる多層配線基板およびその製造工程を示している。
【0045】
図2(a)に示されているように、複数枚(3枚)の多層配線基板用基材20と1枚の最下層基材30とを重ね合わせて多層化接合を行う。なお、最下層基材30は、絶縁樹脂層をなすポリイミドフィルム31の片面に導電層をなす銅箔を設けられた片面銅張基板(CCL:Copper Clad Laminate)を出発材として銅箔にエッチングを行い、銅回路部や銅ランド部32を形成したものである。
【0046】
多層化接合工程は、各基材20、30の表面、内部に設けられた図示されていないアライメントマーク、基準穴、回路パターン等を用いて位置決めした後に、これら基材を積層し、真空キュアプレス機あるいはキュアプレス機を用い、加熱圧着する。これにより、図2(b)に示されているような多層配線基板40が完成する。
【0047】
上述の製造方法によって製造された多層配線基板40では、層間導通ビア18の突出部18Aは、先の超音波処理によって金属粉体同士が溶融して強固に結合したもので、焼結金属相当の結合強度をしているから、硬度が高く、接合相手の銅回路表面、例えば、図3に示されているように、銅ランド部32に喰い込むように接合する。
【0048】
これにより、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、冷熱サイクルなどによる繰り返し応力に対して耐久性に優れ、しかも安定した電気的特性を示す多層配線基板が得られる。
【0049】
図4(a)〜(g)はこの発明による他の実施形態に係わる多層配線基板用基材およびその製造方法を示している。この実施形態では、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層51として、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したもの、液晶ポリマなど、絶縁樹脂層自体が多層化接着のための接着性を有するものが用いられている。
【0050】
図4(a)に示されているように、絶縁樹脂層51の片面に導電層をなす銅箔52を設けられた片面銅張基板(CCL:Copper Clad Laminate)50を出発材とし、塩化第二鉄を主成分とするエッチング液を用いて銅のケミカルエッチングを行い、図4(b)に示されているように、銅回路部や銅ランド部53を形成する。
【0051】
そして、フィルム貼合工程として、絶縁樹脂層51の表面側(銅箔52とは反対側の表面)に、PETフィルム等によるカバーフィルム54をラミネートする。
【0052】
つぎに、貫通孔形成工程として、図4(c)に示されているように、レーザ照射、エッチング等によって絶縁樹脂層51及びカバーフィルム54にビアホール(貫通孔)55を形成する。
【0053】
つぎに、図4(d)に示されているように、基材を上下反転させ、ビアホール55の開口が上側に位置するようにし、金属粉体充填工程として、ビアホール55に金属粉体56を充填する。金属粉体56としては、粒径が0.1〜1.0μm程度の銅粉体や銀粉体、それらの混合粉体がある。
【0054】
金属粉体56の充填完了後に、図4(e)に示されているように、2枚の金属平板90、91によって基材を両面から挟み、加圧しながら、金属粉体結合工程として、ビアホール55に充填された金属粉体56に超音波振動を印加する。
【0055】
金属粉体56に超音波振動が与えられることにより、金属粉体56同士が擦れ合って摩擦熱が生じ、金属粉体56の表面が溶解し、金属粉体56同士が融着結合する。これにより、図4(f)に示されているように、金属粉体56の結合体による層間導通ビア57が形成される。
【0056】
最後に、フィルム剥離工程として、カバーフィルム54を基材より剥離する。これにより、図4(g)に示されているように、カバーフィルム54の厚さ分、絶縁樹脂層51の多層化接着面(表面)より外側に突出した突出部57Aが設けられ、1枚の多層配線基板用基材60が完成する。
【0057】
突出部57Aは、先の超音波処理によって金属粉体同士が溶融して強固に結合したもので、焼結金属相当の結合強度をしているから、カバーフィルム54の剥離時に、カバーフィルム54側に付着して持ち去られるような現象が生じることがない。また、この後の工程での衝撃などによって、突出部57Aの角部に欠落等が生じるようなこともない。
【0058】
図5(a)、(b)はこの発明による一実施形態に係わる多層配線基板およびその製造工程を示している。
【0059】
図5(a)に示されているように、複数枚(3枚)の多層配線基板用基材60と1枚の最下層基材30とを重ね合わせて多層化接合を行う。
【0060】
多層化接合工程は、各基材60、30の表面、内部に設けられた図示されていないアライメントマーク、基準穴、回路パターン等を用いて位置決めした後に、これら基材を積層し、真空キュアプレス機あるいはキュアプレス機を用い、加熱圧着する。これにより、図5(b)に示されているような多層配線基板70が完成する。
【0061】
上述の製造方法によって製造された多層配線基板70では、層間導通ビア57の突出部57Aは、先の超音波処理によって金属粉体同士が溶融して強固に結合したもので、焼結金属相当の結合強度をしているから、硬度が高く、接合相手の銅回路表面に喰い込むように接合する。
【0062】
これにより、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、冷熱サイクルなどによる繰り返し応力に対して耐久性に優れ、しかも安定した電気的特性を示す多層配線基板が得られる。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法によれば、金属粉体の結合体によって層間導通が得られ、金属粉体の結合体による突出部は、導電性ペーストの硬化物に比して高硬度であり、圧壊変形を生じることなく積層相手の導電層表面に良好に喰い込む状態が得られるようになるから、多層接続電気回路の電気抵抗が低く、冷熱サイクルなどによる繰り返し応力に対して耐久性に優れ、しかも安定した電気的特性を示す多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(h)はこの発明による多層配線基板用基材およびそれの製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図2】(a)、(b)はこの発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板およびそれの製造方法を示す工程図である。
【図3】この発明の一つの実施形態に係わる多層配線基板の要部の拡大断面図である。
【図4】(a)〜(g)はこの発明による多層配線基板用基材およびそれの製造方法の他の実施形態を示す工程図である。
【図5】(a)、(b)はこの発明の他の実施形態に係わる多層配線基板およびそれの製造方法を示す工程図である。
【図6】(a)〜(f)は従来の多層配線基板の製造工程を示す工程図である。
【図7】(a)〜(c)は従来の多層配線基板用基材の製造工程を示す工程図である。
【図8】従来の多層配線基板の不具合を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 片面銅張基板
11 ポリイミドフィルム
12 銅箔
13 接着層
14 銅ランド部、銅回路部
15 カバーフィルム
16 ビアホール
17 金属粉体
18 層間導通ビア
18A 突出部
20 多層配線基板用基材
30 最下層基材
40 多層配線基板
50 片面銅張基板
51 絶縁樹脂層
52 銅箔
53 銅ランド部、銅回路部
54 カバーフィルム
55 ビアホール
56 金属粉体
57 層間導通ビア
57A 突出部
60 多層配線基板用基材
70 多層配線基板

Claims (10)

  1. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、前記絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に充填された金属粉体の結合体によって層間導通を得る多層配線基板用基材であって、
    前記金属粉体の結合体が、前記接着層の多層化接着面より外側に突出した突出部を含む多層配線基板用基材。
  2. 前記絶縁性基材がポリイミド等の可撓性樹脂フィルムである請求項1記載の多層配線基板用基材。
  3. 前記接着層はポリイミド系接着材により構成されている請求項1又は2記載の多層配線基板用基材。
  4. 層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けられ、前記絶縁性基材を貫通する貫通孔に充填された金属粉体の結合体によって層間導通を得る多層配線基板用基材であって、
    前記金属粉体の結合体が、前記絶縁性基材の前記導電層とは反対側の多層化接着面より外側に突出した突出部を含む多層配線基板用基材。
  5. 前記絶縁性基材は、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性機能を付与された熱可塑性ポリイミド、あるいは液晶ポリマにより構成されている請求項4記載の多層配線基板用基材。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の多層配線基板用基材を含む多層配線基板。
  7. 絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、前記絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものの、接着層側の表面にカバーフィルムを貼り合わせるフィルム貼合工程と、
    前記絶縁性基材と前記接着層と前記カバーフィルムに貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔に金属粉体を充填する金属粉体充填工程と、
    前記貫通孔に充填された金属粉体を結合する金属粉体結合工程と、
    前記カバーフィルムを剥離するフィルム剥離工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
  8. 層間接着のための接着層を兼ねた絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を設けらたものの、前記導電層とは反対側の表面にカバーフィルムを貼り合わせるフィルム貼合工程と、
    前記絶縁性基材と前記カバーフィルムに貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔に金属粉体を充填する金属粉体充填工程と、
    前記貫通孔に充填された金属粉体を結合する金属粉体結合工程と、
    前記カバーフィルムを剥離するフィルム剥離工程と、
    を有する多層配線基板用基材の製造方法。
  9. 前記金属粉体結合工程は、前記貫通孔に充填された金属粉体に超音波振動を与えることにより、金属粉体同士を融着させて金属粉体を結合する工程である請求項7又は8記載の多層配線基板用基材の製造方法。
  10. 絶縁性基材をなす樹脂フィルムの一方の面に銅箔層を有する片面銅張材を出発材とする請求項7〜9の何れか1項記載の多層配線基板用基材の製造方法。
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