JP2004266025A - 半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置 - Google Patents

半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置 Download PDF

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洋 藤岡
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正治 尾嶋
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Abstract

【課題】原子レベルで平坦化された基板上にレーザーMBE装置を用いることにより、電磁鋼板上に良質な単結晶薄膜を成長させ、その単結晶薄膜上にベースを形成し、電磁鋼板はエッチングして、半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置を提供する。
【解決手段】電磁鋼板表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、この電磁鋼板の超高真空中でのアニールを施し、前記電磁鋼板上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成し、この平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去し、レーザーMBE法により前記原子レベルで平坦化された電磁鋼板31上に半導体を成長させ、電子回路を形成後、その上にベースを貼り付けて、電磁鋼板31はエッチングする。
【選択図】 図28

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置、特に、大面積の半導体薄膜電子回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、本願発明者らは、半導体薄膜材料、薄膜光電変換素子材料の分野で従来使用されてきた単結晶Si、GaAsに代わって方向性電磁鋼板を基板材料として薄膜生成する提案を行っており、既に、下記特許文献1として開示している。
【0003】
【特許文献1】
特開平2001−302388(4−5頁 図2)
【非特許文献1】
S.Nakamura,M.Senoh,N.Iwasa,S.Nagahama,Appl.Phys.Lett.67(1995)1868.
【非特許文献2】
S.Nakamura,Mat.Sci.Eng.B43(1997)258.
【非特許文献3】
J.Ohta,H.Fujioka,M.Sumiya,H.Koinuma,M.Oshima,J.Cryst.Growth,225(2001)73.
【非特許文献4】
J.Ohta,H.Fujioka,H.Takahashi,M.Oshima,Phys.Stat.Sol.(a),188(2001)497.〔5〕J.Ohta,H.Fujioka,H.Takahashi,M.Sumiya and M.Oshima,J.Cryst.Growth 233(2001)779.
【非特許文献5】
J.Ohta,H.Fujioka,H.Takahashi,M.Sumiya,and M.Oshima,J.Cryst.Growth 233(2001)779.
【非特許文献6】
H.Amano et al.,Jpn.J.Appl.Phys.28(1989)L2112.
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、基板が方向性電磁鋼板に限られるという問題があった。一方で、光素子や表示素子では透明な基板が要求される。また、電子素子においても、基板と半導体間の寄生容量を減らし信号伝達を早くする目的で金属ではなく絶縁性の基板が要求されている。これらの要求を満たすものとして、本発明は、原子レベルで平坦化された方向性電磁鋼板上に薄膜成長法により良質な単結晶薄膜を成長させて、その単結晶薄膜上にベースを形成し、前記方向性電磁鋼板をエッチングする、大面積の半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、(a)電磁鋼板表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、(b)この基板の超高真空中でのアニールを施し、前記基板上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成し、この平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去し、(c)薄膜成長法により、前記原子レベルで平坦化された基板上に半導体を成長させ、(d)この半導体上に電子回路素子を形成し、(e)この電子回路素子上にベースを貼り付け、(f)前記電磁鋼板をエッチングすることを特徴とする。
【0006】
〔2〕上記〔1〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記ベースが導電性透明基板または絶縁性透明基板であることを特徴とする。
【0007】
〔3〕上記〔1〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記ベースがポリマーフィルムであることを特徴とする。
【0008】
〔4〕上記〔1〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記工程(b)における熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする。
【0009】
〔5〕上記〔1〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記半導体の成長前にバッファ層としてAlN層を挿入することを特徴とする。
【0010】
〔6〕上記〔5〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記AlN層の成長窒素圧力を10mTorr以下にすることを特徴とする。
【0011】
〔7〕上記〔5〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記AlN層の成長温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする。
【0012】
〔8〕上記〔1〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記半導体としてAlN層をバッファ層とするGaN層またはSi層を成長させることを特徴とする。
【0013】
〔9〕上記〔8〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記GaN層をレーザーMBE法で液体メタルターゲットを用いて成長させることを特徴とする。
【0014】
〔10〕上記〔8〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記AlN層は低温AlNバッファ層を成長後、その上に高温AlNバッファ層を成長させることを特徴とする。
【0015】
〔11〕半導体薄膜電子回路素子において、上記〔1〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法によって得られる。
【0016】
〔12〕上記〔11〕記載の半導体薄膜電子回路素子において、前記電子回路素子がナビゲーション用表示装置であることを特徴とする。
【0017】
〔13〕上記〔11〕記載の電子回路素子において、前記ベースが自動車のフロントガラスであることを特徴とする。
【0018】
〔14〕半導体薄膜電子回路装置において、上記〔3〕記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法によって得られる。
【0019】
〔15〕上記〔14〕記載の半導体薄膜電子回路装置において、前記ポリマーフィルムが大面積のフィルム状半導体装置を実装することを特徴とする。
【0020】
〔16〕上記〔11〕記載の半導体薄膜電子回路素子において、前記半導体薄膜電子回路が無線光通信によって外部と信号を授受する回路であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
電磁鋼板上への単結晶薄膜生成方法について順次説明する。
【0023】
まず、電磁鋼板の処理について説明する。
【0024】
図1は本発明の実施例を示す電磁鋼板の研磨装置の模式図、図2はその電磁鋼板の研磨のフローチャートである。
【0025】
この図において、1は電磁鋼板(Fe0.97Si0.03)、2はその電磁鋼板1の保持具、3は研磨板、4はコロイダルシリカ容器、5はコロイダルシリカ供給ノズル、6はコロイダルシリカである。
【0026】
この装置によって、電磁鋼板1の保持具2と研磨板3を回転させ、コロイダルシリカ6による電磁鋼板1の化学機械的研磨を行った後に、超高真空中(10−9Torr)でのアニールを行い、電磁鋼板1を原子レベルで平坦化する。
【0027】
以下、その処理を図2を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
(1)まず、粒径3.0μmのダイアモンドスラリーと溝付き銅板を用いた荒研磨を行う。この過程で基板の平面出しを行う。次に、超純水で軽く洗浄した後、アセトンで基板表面のワックスなどの汚れを拭き取る。さらに、20秒ほど超純水で超音波洗浄する(ステップS1)。
【0029】
(2)次に、粒径0.5μmのダイアモンドスラリーと研磨布を用いてラッピングを行う。研磨後はステップS1と同様に、超純水で軽く洗浄した後、アセトンで基板表面を軽く拭き、20秒ほど超純水で超音波洗浄を行う(ステップS2)。
【0030】
(3)次に、コロイダルシリカ(pH9.8)を用いてCMP(化学機械的研磨)を行う。このCMPは、あまり長時間行うと基板表面がアルカリに侵されてダメージを受けるので、5分間程度が適切である。また、シリカ微粒子が凝集し易いので、研磨後は十分に純水でリンスする。研磨後に超音波洗浄を行うと、細かなピットが形成されるので、ここでは超音波洗浄は行わない(ステップS3)。
【0031】
(4)最後に、超高真空中(10−9Torr)でのアニールを行う(ステップS4)。
【0032】
なお、図3は研磨前の電磁鋼板表面のAFM像、図4は研磨後の電磁鋼板表面のAFM像であり、これらの図から明らかなように、コロイダルシリカ研磨後、表面粗さのRMS値は3.42nmから0.14nmへと大きく減少した。
【0033】
なお、電磁鋼板の場合、550℃から650℃の間で熱処理をすることによって有機汚染物質を除去することができる。
【0034】
また、鉄板(金属板)の場合はSi原子を吹き付けることによっても表面の酸化層をSiOの形で除去できる。
【0035】
図5はMBEチャンバにおける超高真空中でのアニール前の基板表面のRHEED(Reflective High Energy Electron Diffraction;反射高エネルギー電子線回折)パターンを示す図、図6はMBEチャンバにおける超高真空中での600℃アニール後の基板表面のRHEEDパターンを示す図であり、これらの図からも、基板表面の原子レベルでの平坦化(平均粗さ10Å以下)に成功したことが分かる。
【0036】
次に、電磁鋼板上へのAlN薄膜の成長について説明する。
【0037】
まず、電磁鋼板上へAlN薄膜を成長させる前に、平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去する。特に、電磁鋼板の場合は、その表面に酸化膜が生成するので、その酸化膜を除去する。その場合、熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることが望ましい。
【0038】
図7は電磁鋼板表面上のXPS(光電子分光:詳細は後述)スペクトルの加熱温度依存特性図、図8は電磁鋼板表面上のXPSスペクトル(Fe2p)の加熱温度依存特性図、図9は電磁鋼板表面上のXPSスペクトル(Si2p)の加熱温度依存特性図であり、それぞれ横軸に結合エネルギー(eV)、縦軸にカウントを示している。
【0039】
図7から明らかなように、熱処理温度が200℃(a)乃至600℃(b)では電磁鋼板上に酸素(O1s)が存在しているが、熱処理温度が1000℃(c)になると酸素(O1s)が消えていることが分かる。
【0040】
また、図8から明らかなように、熱処理温度が200℃(a)では電磁鋼板の表面は鉄の酸化物(FeO)で覆われている。また、図9から分かるように、熱処理温度が600℃(b)では電磁鋼板の表面にSiが析出してSiOで覆われているが、熱処理温度が1000℃(c)では2SiO→2SiO↑+O↑として酸化膜(2SiO)が除去されていることが分かる。
【0041】
更に、図9から明らかなように、熱処理温度が600℃(b)では電磁鋼板の表面にSiOが生成されているが、熱処理温度が1000℃(c)では電磁鋼板の表面のSiOが除去されていることが分かる。
【0042】
以上のことから、熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることにより、電磁鋼板の表面の酸化膜を除去することができる。
【0043】
そこで、電磁鋼板上へのAlN薄膜の成長に戻る。
【0044】
レーザーMBE法では、20〜30nsのパルス幅を持ったレーザー光をレンズによって、0.1〜10J/cmのエネルギー密度に集光し、入射窓を通して、真空チャンバ内のターゲットにフォーカスし、固体ターゲット表面の約10nmを蒸発、アブレートする。放出される10〜100eVのエネルギーを持った中性原子、分子、イオン等の粒子は、プルームと呼ばれる発光柱を形成し、対向する適度に加熱された電磁鋼板上に凝縮し、薄膜を形成する。このレーザーMBE法は、装置構成が簡単で、真空チャンバ内に加熱蒸発源やプラズマ発生装置などを含まないので、クリーンな成膜雰囲気が得られ、ターゲットを交換するだけで、ヘテロ構造や超格子を容易に形成できる。
【0045】
本発明で使用したレーザーMBE法に関しては、KrFエキシマレーザー(λ=248nm、τ=20nsec)を励起源としており、これをターゲットに照射すると、プルームと呼ばれる一種のプラズマの非平衡場が生じる。このプルーム中に存在するレーザーによってアブレートされた粒子群は、極めて高い運動エネルギー(〜10eV)を持つ。これが、レーザーMBEの特徴を決めている一つの要因である。非常に高いエネルギーをもつ非平衡場であるため、いかに不活性なNであっても分解し、膜中に取り込まれることになる。その程度はガスの圧力にもよるが、GaNの場合には約10mTorrで組成が保たれる(上記非特許文献6)。
【0046】
図10は本発明の実施例を示すレーザーMBE装置の模式図である。
【0047】
この図において、10はレーザーMBEチャンバ、11はターゲット(ここではAlN焼結体であるが、以降のプロセスではGaN焼結体や液体Gaメタル)、12は電磁鋼板、13は加熱装置、14はKrFエキシマレーザー(248nm,3J/cm、2−15Hz)、15はスクリーン、16はRHEED装置、17,18はTMP(Turbo Molecular Pump)、19はNガス源である。
【0048】
このレーザーMBEチャンバ10はまた、超高真空中で光電子分光(XPS)装置、III −V族化合物半導体作製用分子線エピタキシー(MBE)装置に連結されており、窒化物とGaAsなどの多層構造の作製、および、化学結合状態解析による、試料表面および界面状態の評価が可能である。レーザーMBE装置のベースプレッシャーは1.0〜2.0×10−9Torr程度となっている。
【0049】
そこで、図1,図2に示したような平坦化処理を行った電磁鋼板12に対して図10に示すレーザーMBE装置を用いて、AlN薄膜の成長を行った。成長条件は、基板温度600℃、窒素分圧10mTorr、レーザーパルス周波数10Hzである。ターゲット11にはAlN焼結体(純度99.99%)を用い、約50nmの薄膜成長を行った後にRHEED観察を行ったところ、ストリーク状のパターンが観察された。
【0050】
図11は本発明の実施例を示すAlN薄膜成長を行った後のRHEED像を示す図である。
【0051】
この図から分かるように、このストリーク状のパターンはhexagonal−AlN(0001)面からのRHEED像であり、更に、電子線の入射方向を変えた時のパターン変化から、Fe(110)基板上にはhexagonal−AlN(0001)が成長していることが明らかになった。
【0052】
なお、MBEや、レーザーMBE法において、試料表面のその場観察技術としてよく用いられている評価技術の中でも、最も一般的に用いられているものが、反射高エネルギー電子線回折(RHEED)法である。
【0053】
上記した実施例では、レーザーMBEチャンバ10にRHEED装置16を取り付け、膜の表面状態をその場(in−situ)で観察した。反射高エネルギー電子線回折(RHEED)法は10〜50kVに加速した電子ビームを基板表面に浅い角度(1〜2°)で入射させ、表面原子によって反射回折された電子ビームを蛍光スクリーンに投影して回折像を得ることによって結晶の表面状態を調べる技術で、MBEでは最も標準的なその場計測技術である。
【0054】
このRHEED法では、電子線が本来物質と強く相互作用すること、さらに電子線を試料すれすれに入射することから、入射電子線の潜り込みは試料表面から数原子層にとどまり、したがって表面に敏感な回折像を容易にリアルタイムで得ることが出来る。さらに超高真空中におけるRHEED装置配置の自由度から、MBE薄膜成長過程におけるその場観察が可能となる。
【0055】
また、光電子分光法(XPS)は代表的な表面分析法の一つで、固体の表面から数nmの深さ領域に関する元素および化学結合状態の分析に用いる。また、Arイオンなどでエッチングを行いながら測定することにより、最表面の汚染物を除去した面や、サブミクロンオーダーまでの深さ方向分析が可能である。X線光電子分析とイオンスパッタリングを交互に繰り返し、スペクトルの変化を追跡することで、試料の深さ方向における組成変化の情報を得ることができる。
【0056】
試料は真空中で安定なものであれば何でも分析できるが、ほとんどの場合は固体試料である。金属、半導体、セラミックス、高分子材料など幅広い対象に用いられているが、絶縁物の場合は測定中に試料が帯電するため、低速電子を照射するなどの工夫が必要である。
【0057】
また、高分子などはX線で損傷する場合があり、分析には注意が必要となる。特にハロゲンや窒素などいわゆるヘテロ元素を含む試料では測定中にこれらの元素が脱離したり、化学状態が変化したりする場合が多々あるので十分注意が必要である。必要に応じ試料を冷却して測定する場合もある。
【0058】
半導体結晶のヘテロエピタキシャル成長における基板とエピタキシャル膜の界面の急峻性は、デバイスへの応用を考えた場合非常に重要になってくる。そこで、成長したサンプルについて界面の状態を調べていくとともに、成長の初期過程について詳しく研究を進めるため、XPSを用いる。
【0059】
さらに、III 族窒化物などの薄膜材料において、その構造解析は非常に重要な事項であり、これはX線回折(XRD、GIXD)などを用いることができる。
【0060】
また、X線反射率測定(GIXR)では、X線を物質に入射した際に、可視光と同様に試料の表面で起こる反射、屈折などの物理現象を利用して、X線を試料表面すれすれに入射させてX線の全反射を起こし、その入射角度を少しずつ変化させることによって現れるX線反射の干渉パターンを理論的にフィッティングすることにより、試料の密度、膜厚、表面および界面粗さなどを調べる。
【0061】
このように、本発明では、原子レベルで平坦化した電磁鋼板からなる基板上にc軸配向性の高い物質を積む。代表例がAlNやAlGaN〔この他六方晶材料(ZnO等)も候補〕であり、レーザーMBE法により、基板表面を荒らさずに良質な薄膜を積層することができた。
【0062】
この場合、以下の点が特筆される。
【0063】
1.レーザーMBE法による成長の場合、成長窒素圧力を10mTorr以下にすることによって、Al極性を有する良質なバッファ層の作成が可能となった。
【0064】
2.レーザーMBE法で成長温度を700℃以上1100℃以下にすることによって、良質な結晶性を持つAlNを得ることができた。
【0065】
3.電磁鋼板のように低温に保ちたいサンプルはレーザーMBE法で600℃の低温バッファ層を積み、さらにその上に結晶性の高いAlNバッファ層を高温で積むのが望ましい。
【0066】
4.XPS法を用いて、AlNバッファ層が下地基板材料原子の半導体薄膜中への拡散を抑制していることを確認した。
【0067】
次に、上記したAlN薄膜をバッファ層としたGaN発光素子について説明する。
【0068】
図10に示したレーザーMBE装置を用いてAlN薄膜をバッファ層としたGaN薄膜の製造方法について説明する。
【0069】
ここでは、ターゲットにAlN焼結体(パウダー)およびGaN焼結体(パウダー)を用いて、AlN薄膜をバッファ層としてGaN薄膜の成長を行った。AlNおよびGaN薄膜の成長条件を表1に示す。
【0070】
【表1】
Figure 2004266025
【0071】
図12は本発明の実施例を示すGaN成長後のRHEED像を示す図である。
【0072】
この図から明らかなように、スポット状のパターンが見られることから、GaN薄膜の成長モードは3次元成長であると考えられる。成長後、AFMによる表面観察を行った。
【0073】
その結果を図13に示す。これによれば、島状の構造が見られ、表面粗さを表すRMS値はおよそ4.2nmであった。この結果は、RHEEDによる観察の結果と一致している。表面に見られるクラック状のものは、研磨段階における基板表面の研磨傷によるものと思われる。
【0074】
図14はGaN成膜後のXRDおよびGIXD測定の結果を示す図であり、図14(a)はXRD測定、図14(b)はGIXD測定結果をそれぞれ示している。
【0075】
それぞれhexagonal−AlNおよびGaNからのピークしか見られないことから、単結晶薄膜が得られたことが分る。
【0076】
また、それぞれのピーク位置より、基板と薄膜のアライメントは〔110〕Fe//〔0001〕AlN GaN および〔001〕Fe//〔11−20〕AlN GaN であることが分かった。
【0077】
この結晶配向における基板とGaNの原子配列を図15に示す。この図から格子のミスマッチは〔001〕方向に8%、〔110〕方向に7%と比較的小さいことが分かる。
【0078】
更に、図16に本発明の実施例を示すサンプルを面内で回転したφスキャン図を示す。この図に示すように明瞭な6回対称性が見られることから、成長した薄膜はキュービック層などの存在しない良質なhexagonal単結晶薄膜であることが分かる。
【0079】
次に、液体Gaメタルターゲットを用いたGaN薄膜成長について説明する。
【0080】
これまで作製したGaN薄膜において、光学特性に関してはそれほど良い結果は得られなかった。これは、ターゲットとするGaN焼結体に、焼結の際にOなどが混入するために、成長したGaN薄膜中でもこのOが不純物となり、それが非発光中心となるために良質な光学特性が得られないのではないかと考えられる。実際に、XPS測定によって、薄膜中にOが存在しているという研究結果も得られている。そこで、GaN薄膜の純度を上げるために、液体Gaメタルターゲットを用いたGaN成長を試みた。各種成長条件を表2に示す。
【0081】
【表2】
Figure 2004266025
【0082】
GaN薄膜成長後のRHEED像を図17に示す。
【0083】
この図に示すように、焼結体GaNターゲットを用いたときと異なり、ストリーク状のRHEEDパターンが見られる。つまり、成長は2次元的に進んでいると考えられる。
【0084】
更に、GaNの膜質を向上させるためには、AlNバッファ層の成長最適化が必要と考え、AlNバッファ層の成長温度を変えてAlNおよびGaNの成長を試みた。表3にそれぞれの成長条件を示す。
【0085】
【表3】
Figure 2004266025
【0086】
図18にそれぞれ成長温度を変えてAlNバッファ層およびGaN層を成長した後のRHEED観察の結果を示す。この図18には1段式ホルダを用いて成長を行った結果を示しており、より高温で成長したGaNの方が結晶性が向上していることが分かる。
【0087】
図19にそれぞれの試料に対する室温でのPLスペクトルを示す。
【0088】
薄膜の結晶性は向上していると考えられるにも関わらず、図19から分かるように、どの試料に関してもバンド端遷移に起因する発光は見られなかった。また、1段式ホルダを用いて作製した試料からはYellow発光が見られたが、2段式ホルダを用いて作製した試料からは、まったく発光が見られなかった。このことから、予想では高温であればあるほど成長に適していると考えられたGaN薄膜が、実際はあまり高温で成長すると光学特性が悪くなってしまうことが分かった。
【0089】
次に、低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層を用いたGaN成長について説明する。
【0090】
更なるGaNの結晶品質向上のために、基板とGaN薄膜間のAlNバッファ層の結晶品質が重要であると考え、これまで低温で成長していたAlN層に加え、それに続いて高温AlN層を成長させ、その2層をバッファ層としてGaNを成長させることを試みた。
【0091】
すなわち、図20に示すように、電磁鋼板21、低温(535℃)AlNバッファ層22、高温(700℃)AlNバッファ層23、GaN層24からなる単結晶薄膜装置20(発光素子)を得た。それぞれの成長条件を表4に示す。ホルダには、これまでの実験を踏まえて、1段式ホルダを用いた。
【0092】
【表4】
Figure 2004266025
【0093】
図21に低温AlNバッファ層および、高温AlNバッファ層からのRHEED像を示す。
【0094】
この図において低温AlNバッファ層22からのRHEED像はやや拡散しており、ダブルドメイン層の混在も見られるが、高温AlNバッファ層23成長後にはコントラストが良く、hexagonal−AlN層のみに起因する明瞭なRHEED像が観察された。
【0095】
更に、この高温AlNバッファ層上にGaN薄膜を成長した後のRHEED像を図22に示す。
【0096】
この図から分かるように、低温バッファ層上に成長したGaNには若干見られたようなリングパターンやダブルドメインの混在が2段バッファ層、つまり低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層では、ほとんど見られず、非常に明瞭なストリーク状のパターンを示している。
【0097】
図23にこの試料の室温におけるPLスペクトルを示す。
【0098】
この図からバンド端遷移を起源とする、強い発光が見られ、ピークの半値幅は約200meVであることが分かった。このことから、低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層の利用によって、発光特性が大きく向上したことが分かった。また、このピーク半値幅は、レーザーMBE法を用いて成長したサファイア基板上のGaN薄膜の半値幅に匹敵するものであり、従って、電磁鋼板がサファイア基板に代わる基板となり得ることが証明されたといえよう。
【0099】
上記したように、本発明の実施例では、レーザーMBE法により、電磁鋼基板上に高品質なIII 族窒化物薄膜の成長を行うようにしたので、グレインサイズを数mにまで巨大にでき、大面積基板が得られる。また、価格がサファイアの1/100以下である。
【0100】
その用途としては、大面積の軽量ディスプレイや高効率LED照明装置等があり、それらを低コストで実現することができる。
【0101】
また、上記実施例では、レーザーMBE法によるIII 族窒化物薄膜の成長について述べたが、工夫すれば、MBE法やCVD法、スパッタリング法等の薄膜成長法によってもIII 族窒化物薄膜やSiなどの半導体を成長させることができる。
【0102】
このようにして製造された電磁鋼板上のIII 族窒化物薄膜を用いて電子回路を形成する。
【0103】
以下、かかる基板上への電子回路素子の形成について説明する。
【0104】
図24は電磁鋼板上に直接MBE法でSi層を成長した際のXPS(光電子分光スペクトル)結果を示す図、図25はAlNバッファ層を挟んで電磁鋼板上にSi層を成長した際のXPS(光電子分光スペクトル)結果を示す図、図26はAlNバッファ層を挟んで電磁鋼板上にMBE法でSi層を成長した際のSi表面のRHEED像を示す図、図27はAlNバッファ層を挟んで電磁鋼板上にMBE法でSi層を成長した際のSiX線回折像を示す図〔良好なSi(111)結晶が成長している〕である。
【0105】
電磁鋼板上にAlNバッファ層が形成されない状態で、半導体であるSi層を形成すると、図24に示すように、Si層の表面に鉄原子(Fe2p)が拡散する。そこで、図25〜図27に示すように、電磁鋼板上にAlNバッファ層を挟んでSi層を形成すると、Si層への鉄の拡散が抑制され、良好なSi結晶が成長することが明らかである。したがって、電磁鋼板上にAlNバッファ層を形成した上で、薄膜半導体薄膜及びそれによる電子回路を形成することが重要であることがわかる。
【0106】
図28は本発明の実施例を示す電子回路素子の形成のための基板の製造工程断面模式図である。
【0107】
(a)図28(a)に示すように、電磁鋼板31上にIII 族窒化物薄膜32が形成された広い面積の基板を用意することができる。
【0108】
(b)次に、図28(b)に示すように、そのIII 族窒化物薄膜32上に半導体製造プロセスにより、電子回路素子100(単結晶薄膜トランジスタを有する表示装置、太陽電池など)を形成する。
【0109】
この電子回路素子100としては、例えば、後述するように、薄膜トランジスタアレイ(TFTアレイ)を設け、その表面処理後に表面パネルとの間に液晶が封入された電子回路素子を形成する。
【0110】
(c)次に、図28(c)に示すように、その上に接着材103を塗布する。ここで、接着材103としては、例えば、透明性接着材としての反応形樹脂系接着材の2液型のエポキシ系接着剤が望ましい。
【0111】
(d)次に、図28(d)に示すように、その接着材103により、ベースとしての絶縁性透明基板(例えば、ガラス)102を接着する。
【0112】
(e)次いで、図28(e)に示すように、塩酸+過酸化水素+水(HCl+H+HO,3:5:5)のエッチャントにより、電磁鋼板31を全面エッチングする。例えば、300μmの厚さの場合約1分でエッチング可能である。
【0113】
このようにして、ベースとしての絶縁性透明基板(例えば、ガラス)102上に電子回路素子100を形成することができる。
【0114】
ここで、上記工程(b)においてIII 族窒化物薄膜32上に半導体製造プロセスにより、電子回路素子100を形成するときの一例について説明する。なお、電極としては、透明のITO電極を用いる。かかる電子回路素子としてのTFTアレイ自体の構造は公知のものである。
【0115】
図29は本発明にかかる薄膜トランジスタ(TFTアレイ)の等価回路図である。例えば、アクティブマトリクス液晶表示装置の一部を構成する。
【0116】
この図において、電磁鋼板上にAlNバッファ層および半導体層が形成された基板A上に半導体製造プロセスによりTFTアレイを形成する。つまり、行方向に延出された複数のアドレス配線104と列方向に延出された複数のデータ配線105とが互いに絶縁されて交差するように配置され、これらの複数のアドレス配線104と複数のデータ配線105との各交差部に、これらの配線に接続されたTFT106と、このTFT106のそれぞれに接続された表示電極107とが設けられ、これらの表示電極107が行及び列方向に複数配列されて表示領域が形成される。また、108はアドレス配線の接続端子、109はデータ配線の接続端子であり、それぞれ行又は列方向信号駆動回路(図示なし)に接続されるように構成されている。
【0117】
図30〜図32は本発明にかかる電磁鋼板からの転写を利用した単結晶薄膜トランジスタ(図29におけるTFT106に対応)の製造工程図である。
【0118】
まず、図30(a)に示すように、方向性電磁鋼板31上にAlNバッファ層32を積層し、その上に半導体Si層111を形成する。
【0119】
次に、図30(b)に示すように、半導体Si層111上に酸素雰囲気中で加熱1050℃でゲート酸化膜112を成長させる。
【0120】
次に、図30(c)に示すように、ゲート酸化膜112上にCVD法によりPドープ多結晶Si膜(半透明膜)113を形成する。
【0121】
次に、図30(d)に示すように、リソグラフィー及びプラズマエッチングによりPドープ多結晶Si膜113からゲート電極114を形成する。
【0122】
次に、図30(e)に示すように、ゲート電極114をマスクとした半導体Si層111への砒素イオン注入(1cm当たり1×1015個、加速電圧50keV)よりソース115、ドレイン116を形成する。
【0123】
次に、図31(a)に示すように、更に、CVD法により、絶縁膜(SiO)117を形成する。
【0124】
次に、図31(b)に示すように、リソグラフィー及びプラズマエッチングにより絶縁膜のソース115、ドレイン116に対応する部位にコンタクト穴118,119を形成する。
【0125】
次に、図31(c)に示すように、スパッタリングにより導電性透明材料(ITO)層120を成長させる。
【0126】
次に、図31(d)に示すように、導電性透明材料(ITO)層120のリソグラフィー及びプラズマエッチングにより透明電極(ITO)121、122を形成する。
【0127】
次に、図32(a)に示すように、絶縁性接着材123を介してガラスベースとしてのガラス(絶縁性透明基板)102に固着する。
【0128】
最後に、エッチャントであるHCl:H:HO(3:5:5)溶液(5分間、60℃)に浸漬して、方向性電磁鋼板31をエッチングする。
【0129】
上記した単結晶薄膜トランジスタのソース115に、図示しないが表示電極が接続され、液晶材を介して対向電極を配置し、水平方向の走査線駆動回路および垂直方向の信号駆動回路に接続して、表示装置として用いることができる。
【0130】
更に、本発明は、特に、上記した絶縁性透明基板102を自動車のフロントガラスに適用する。
【0131】
図33はかかる自動車のフロントガラスに適用されたナビゲーション装置の構成図である。
【0132】
この図において、201は自動車のフロントガラス(上記した絶縁性透明基板102に対応)、202はその自動車のフロントガラス201に配置された液晶表示装置、203はハンドルである。
【0133】
図34はそのナビゲーション装置の概略説明図であり、なお、ここに示すナビゲーション装置自体は公知のものを用いることができる。
【0134】
この図において、310は現在位置検出装置であり、絶対方位センサ311、相対方位センサ312、距離センサ313、GPS受信装置314、ビーコン受信装置315、データ送受信装置316などからなる。情報処理制御装置320は、CPU321、第1ROM322、センサ入力インタフェース323、RAM324、通信インタフェース325、第2ROM326、画像プロセッサ327、時計328、画像メモリ329、音声プロセッサ330などからなる。入出力装置340は、入力装置341、ディスプレイ342、プリンタ343、スピーカ344、バス(bus)345などからなる。また、地図データファイル、交差点データファイルなどを格納する情報記憶装置350を設けるようにしている。
【0135】
上記実施例ではナビゲーション装置について述べたが、電磁鋼板は広い面積のものを用いることができるので、弾力性のある絶縁性透明基板上に電子回路素子を実装することができ、広汎な利用が可能である。
【0136】
図35は本発明の実施例を示すポリマーフィルムが大面積のフィルム状半導体装置の模式図であり、ここでは、大面積の太陽電池パネルを示している。
【0137】
このように、大面積のポリマーフィルム上に太陽電池を構築して、ビルの窓301として用いることができる。
【0138】
また、図36に示すような弾力性のある計算機401としても用いることができる。
【0139】
図37は本発明にかかる電磁鋼板上に成長した半導体(GaN)をポリマー上に接着し、電磁鋼板を塩酸過酸化水素混合液で背面からエッチングした状態を示す図である。
【0140】
この図において、501は電磁鋼板(図示なし)上に成長したAlNバッファー/GaN薄膜、502はエポキシ系接着材、503はポリマーとしてのポリ塩化ビニル板である。
【0141】
このように、電磁鋼板上に成長した半導体(GaN)501をポリマー503上に接着し、電磁鋼板をエッチャントにより除去することにより、大面積のポリマー上への半導体デバイスの実装を可能にすることができる。
【0142】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0143】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0144】
(A)原子レベルに平坦化した電磁鋼板上に薄膜成長法により良質なIII −V族化合物やSi薄膜をエピタキシャル成長することができるために、低価格で大面積の単結晶薄膜基板が得られ、大面積の太陽電池やディスプレイへの応用展開の道が開ける。また、Fe(110)上に成長したGaN薄膜からは、室温で強いバンド端発光が見られることから、電磁鋼板がサファイア基板に代わる基板となり得ることが明らかになった。
【0145】
(B)レーザーMBE法による成長の場合、成長窒素圧力を10mTorr以下にすることによってAl極性を有する良質なバッファ層の作成が可能となる。
【0146】
(C)レーザーMBE法による成長温度を700℃以上1100℃以下にすることによって良質な結晶性を持つAlNを得ることができる。
【0147】
(D)電磁鋼板のように低温に保ちたいサンプルはレーザーMBE法で600℃の低温AlNバッファ層を積み、さらにその上に結晶性の高いAlNバッファ層を高温で積むことにより、良質なIII 族窒化物薄膜をエピタキシャル成長することができ、室温でのバンド端遷移を起源とする強い発光が見られた。ピークの半値幅は狭く、約200meVであることが分かった。
【0148】
(E)XPS法を用いて調べた結果、AlNバッファ層が下地基板材料原子の半導体薄膜中への拡散を抑制していることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電磁鋼板の研磨装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す電磁鋼板の研磨のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例を示す研磨前の電磁鋼板表面のAFM像を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す研磨後の電磁鋼板表面のAFM像を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示すMBEチャンバにおける超高真空中でのアニール前の基板表面のRHEEDパターンを示す図である。
【図6】本発明の実施例を示すMBEチャンバにおける超高真空中での600℃アニール後の基板表面のRHEEDパターンを示す図である。
【図7】本発明にかかる電磁鋼板表面上のXPS(光電子分光)スペクトルの加熱温度依存特性図である。
【図8】本発明にかかる電磁鋼板表面上のXPSスペクトル(Fe2p)の加熱温度依存特性図である。
【図9】本発明にかかる電磁鋼板表面上のXPSスペクトル(Si2p)の加熱温度依存特性図である。
【図10】本発明の実施例を示すレーザーMBE装置の模式図である。
【図11】本発明の実施例を示すAlN薄膜成長を行った後のRHEED像を示す図である。
【図12】本発明の実施例を示すGaN成長後のRHEED像を示す図である。
【図13】本発明の実施例を示すGaN成長後のAFMによる表面観察を行った結果を示す図である。
【図14】本発明の実施例を示すGaN成膜後のXRDおよびGIXD測定の結果を示す図である。
【図15】本発明の実施例を示す結晶配向における基板とGaNの原子配列を示す図である。
【図16】本発明の実施例を示すサンプルを面内で回転したφスキャン図である。
【図17】本発明の実施例を示す液体Gaメタルターゲットを用いたGaN薄膜成長後のRHEED像を示す図である。
【図18】本発明の実施例を示す成長温度を変えてAlNバッファ層およびGaN層を成長した後のRHEED観察の結果を示す図である。
【図19】本発明の実施例を示すそれぞれの試料に対する室温でのPLスペクトルを示す図である。
【図20】本発明の実施例を示す2段AlNバッファ層を有する単結晶薄膜装置の構成図である。
【図21】本発明の実施例を示す低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層からのRHEED像を示す図である。
【図22】本発明の実施例を示す低温AlNバッファ層上に形成された高温AlNバッファ層上にGaN薄膜を成長した後のRHEED像を示す図である。
【図23】本発明の実施例を示す低温AlNバッファ層上に形成された高温AlNバッファ層上にGaN薄膜を成長した試料の室温におけるPLスペクトルを示す図である。
【図24】電磁鋼板上に直接MBE法でSi層を成長した際のXPS(光電子分光スペクトル)結果を示す図である。
【図25】本発明にかかるAlNバッファ層を挟んで電磁鋼板上にSi層を成長した際のXPS(光電子分光スペクトル)結果を示す図である。
【図26】本発明にかかるAlNバッファ層を挟んで電磁鋼板上にMBE法でSi層を成長した際のSi表面のRHEED像を示す図である。
【図27】本発明にかかるAlNバッファ層を挟んで電磁鋼板上にMBE法でSi層を成長した際のSiX線回折像を示す図である。
【図28】本発明の実施例を示す電子回路素子の形成のための基板の製造工程断面模式図である。
【図29】本発明にかかる薄膜トランジスタ(TFTアレイ)の等価回路図である。
【図30】本発明にかかる電磁鋼板からの転写を利用した単結晶薄膜トランジスタの製造工程図(その1)である。
【図31】本発明にかかる電磁鋼板からの転写を利用した単結晶薄膜トランジスタの製造工程図(その2)である。
【図32】本発明にかかる電磁鋼板からの転写を利用した単結晶薄膜トランジスタの製造工程図(その3)である。
【図33】本発明の実施例を示す自動車のフロントガラスに適用されたナビゲーション装置の構成図である。
【図34】本発明の実施例を示すナビゲーション装置の概略説明図である。
【図35】本発明の実施例を示すポリマーフィルムが大面積のフィルム状半導体装置(太陽電池)の模式図である。
【図36】本発明の実施例を示す弾力性のある計算機を示す図である。
【図37】本発明にかかる電磁鋼板上に成長した半導体(GaN)をポリマー上に接着し、電磁鋼板を塩酸過酸化水素混合液で背面からエッチングした状態を示す図である。
【符号の説明】
1,12,21,31 電磁鋼板(Fe0.97Si0.03)基板(大面積)
2 電磁鋼板の保持具
3 研磨板
4 コロイダルシリカ容器
5 コロイダルシリカ供給ノズル
6 コロイダルシリカ
10 レーザーMBEチャンバ
11 ターゲット(AlN焼結体,GaN焼結体,液体Gaメタル)
13 加熱装置
14 KrFエキシマレーザー
15 スクリーン
16 RHEED装置
17,18 TMP(Turbo Molecular Pump)
19 Nガス源
20 単結晶薄膜装置(発光素子)
22 低温AlNバッファ層
23 高温AlNバッファ層
24 GaN層
32 III 族窒化物薄膜
100 電子回路素子(単結晶薄膜トランジスタを有する表示装置や太陽電池)
102 絶縁性透明基板
103,502 接着材
104 アドレス配線
105 データ配線
106 TFT
107 表示電極
108 アドレス配線の接続端子
109 データ配線の接続端子
111 半導体Si層
112 ゲート酸化膜
113 Pドープ多結晶Si膜(半透明膜)
114 ゲート電極
115 ソース
116 ドレイン
117 絶縁膜(SiO
118,119 コンタクト穴
120 導電性透明材料(ITO)層
121,122 透明電極(ITO)
123 絶縁性接着材
201 フロントガラス
202 液晶表示装置
203 ハンドル
301 ビルの窓
310 現在位置検出装置
311 絶対方位センサ
312 相対方位センサ
313 距離センサ
314 GPS受信装置
315 ビーコン受信装置
316 データ送受信装置
320 情報処理制御装置
321 CPU
322 第1ROM
323 センサ入力インタフェース
324 RAM
325 通信インタフェース
326 第2ROM
327 画像プロセッサ
328 時計
329 画像メモリ
330 音声プロセッサ
340 入出力装置
341 入力装置
342 ディスプレイ
343 プリンタ
344 スピーカ
345 バス
350 情報記憶装置
401 弾力性のある計算機
501 電磁鋼板上に成長したAlNバッファー/GaN薄膜
502 エポキシ系接着材
503 ポリ塩化ビニル板

Claims (16)

  1. (a)電磁鋼板表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、該電磁鋼板の超高真空中でのアニールを施し、前記電磁鋼板上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成し、
    (b)該平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去し、
    (c)薄膜成長法により、前記原子レベルで平坦化された基板上に半導体を成長させ、
    (d)該半導体上に電子回路素子を形成し、
    (e)該電子回路素子上にベースを貼り付け、
    (f)前記電磁鋼板をエッチングすることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記ベースが導電性透明基板または絶縁性透明基板であることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  3. 請求項1記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記ベースがポリマーフィルムであることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記工程(b)における熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  5. 請求項1記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記半導体の成長前にバッファ層としてAlN層を挿入することを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  6. 請求項5記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記AlN層の成長窒素圧力を10mTorr以下にすることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  7. 請求項5記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記AlN層の成長温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  8. 請求項1記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記半導体としてAlN層をバッファ層とするGaN層またはSi層を成長させることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  9. 請求項8記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記GaN層をレーザーMBE法で液体メタルターゲットを用いて成長させることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  10. 請求項8記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法において、前記AlN層は低温AlNバッファ層を成長後、その上に高温AlNバッファ層を成長させることを特徴とする半導体薄膜電子回路素子の製造方法。
  11. 請求項1記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法によって得られる半導体薄膜電子回路素子。
  12. 請求項11記載の半導体薄膜電子回路素子において、前記電子回路素子がナビゲーション用表示装置であることを特徴とする電子回路装置。
  13. 請求項11記載の半導体薄膜電子回路素子において、前記ベースが自動車のフロントガラスであることを特徴とする。
  14. 請求項3記載の半導体薄膜電子回路素子の製造方法によって得られる半導体薄膜電子回路装置。
  15. 請求項14記載の半導体薄膜電子回路装置において、前記ポリマーフィルムが大面積のフィルム状半導体装置を実装することを特徴とする半導体薄膜電子回路装置。
  16. 請求項11記載の半導体薄膜電子回路素子において、前記半導体薄膜電子回路が無線光通信によって外部と信号を授受する回路であることを特徴とする半導体薄膜電子回路装置。
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