JP2004063834A - 電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置 - Google Patents

電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004063834A
JP2004063834A JP2002220804A JP2002220804A JP2004063834A JP 2004063834 A JP2004063834 A JP 2004063834A JP 2002220804 A JP2002220804 A JP 2002220804A JP 2002220804 A JP2002220804 A JP 2002220804A JP 2004063834 A JP2004063834 A JP 2004063834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
substrate
electromagnetic steel
crystal thin
steel substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002220804A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3886859B2 (ja
Inventor
Hiroshi Fujioka
藤岡 洋
Masaharu Oshima
尾嶋 正治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2002220804A priority Critical patent/JP3886859B2/ja
Publication of JP2004063834A publication Critical patent/JP2004063834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3886859B2 publication Critical patent/JP3886859B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】原子レベルで平坦化された基板上にレーザMBE装置を用いることにより、電磁鋼板上に良質な単結晶薄膜を成長させることができる、電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置を提供する。
【解決手段】電磁鋼基板12表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、この基板12の超高真空中でのアニールを施し、前記基板12上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成し、この平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去し、レーザーMBE法により前記原子レベルで平坦化された基板12上にターゲット11を用いたIII 族窒化物を成長させる。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明に先行した参考文献として、以下に開示されるようなものがある。
〔1〕S.Nakamura,M.Senoh,N.Iwasa,S.Nagahama,Appl.Phys.Lett.67(1995)1868.
〔2〕S.Nakamura,Mat.Sci.Eng.B43(1997)258.
〔3〕J.Ohta,H.Fujioka,M.Sumiya,H.Koinuma,M.Oshima,J.Cryst.Growth,225(2001)73.
〔4〕J.Ohta,H.Fujioka,H.Takahashi,M.Oshima,Phys.Stat.Sol.(a),188(2001)497.
〔5〕J.Ohta,H.Fujioka,H.Takahashi,M.Sumiya and M.Oshima,J.Cryst.Growth 233(2001)779.
〔6〕赤崎 勇,III 族窒化物半導体,培風館,1999.
〔7〕H.P.Maruska et al.,Appl.Phys.Lett.15(1969)327.
〔8〕H.Amano et al.,Jpn.J.Appl.Phys.28(1989)L2112.
〔9〕S.Nakamura,Jpn.J.Appl.Phys.30(1991)L1705.
〔10〕赤崎 勇,III 族窒化物半導体,培風館,1999.
〔11〕権田俊一,分子線エピタキシー,培風館,1994.
〔12〕H.Amano et al.,Appl.Phys.Lett.48(1986)353.
〔13〕A.Sasaki et al.,Appl.Phys.Lett.71(1997)2259.
〔14〕K.Balakrishnan et al.,J.Cryst.Growth 189/190(1998)244.
〔15〕R.D.Vispute et al.,Appl.Phys.Lett.71(1997)102.
〔16〕S.C.Jain et al.,J.Appl.Phys.87(2000)965.
〔17〕P.R.Tavernier et al.,Appl.Phys.Lett.74(1999)2678.
〔18〕T.F.Huang et al.,J.Cryst.Growth 200(1999)362.
〔19〕H.Takahashi et al.,J.Cryst.Growth(in press).
〔20〕門間改三,“鉄鋼材料学”,実教出版,1972.
〔21〕土肥俊郎,“詳説半導体CMP技術”,工業調査会,2001.
〔22〕新日本製鐵電磁鋼板技術部編,“わかる電磁鋼板”,新日本製鐵,1998.
〔23〕H.Okazaki,A.Arakawa,T.Asahi,O.Oda,K.Aiki,Solid State Electron.41(1997)263.
〔24〕A.Wakahara,T.Yamamoto,K.Ishio,A.Yoshida,Y.Seki,K.Kainosho,O.Oda,Jpn.J.Appl.Phys.39(2000)2399.
〔25〕J.Ohta,H.Fujioka,M.Sumiya,H.Koinuma,M.Oshima,J.Cryst.Growth 225(2001)73.
〔26〕S.Sasaki,T.Mori,A.Mikuni,H.Iwasaki,K.Kawasaki,Y.Takagi,K.Nose,Rev.Sci.Instrum.63(1992)1047.
〔27〕T.Uragami,H.Fujioka,I.Waki,T.Mano,K.Ono,M.Oshima,Y.Takagi,M.Kimura,T.Suzuki,Jpn.J.Appl.Phys.39(2000)4483.
〔28〕K.Kawasaki,Y.Takagi,N.Nose,H.Morikawa,S.Yamazaki,T.Kikuchi,S.Sasaki,Rev.Sci.Instrum.63(1992)1023.
〔29〕A.Alemu,M.Julier,J.Campo,B.Gil,D.Scalbert,J.P.Lascaray,S.Nakamura,Mat.Sci.Eng.B59(1999)159.
GaN、AlN、InNを初めとするIII 族窒化物半導体は、直接遷移型のワイドバンドギャップ半導体であり、紫外域から可視光全域をカバーする発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)などの光デバイス、紫外線検出素子用材料、高出力電子デバイスなどの次世代デバイス材料として、非常に多くの注目を集めている半導体である〔参考文献1−2〕。
【0003】
通常、半導体薄膜の成長にはホモエピタキシャル成長が最も望ましいが、III 族窒化物半導体においては、その熱力学的な性質により、基板となり得るようなバルク単結晶の育成が極めて困難である。このため、III 族窒化物薄膜の成長はヘテロエピタキシャル成長に頼らざるを得ない。
【0004】
しかしながら、従来、窒素ガリウム系半導体はエピタキシャル成長に適した基板がなく、大きな格子定数差(約16%)や熱膨張係数差(約25%)にもかかわらず、主に単結晶サファイア基板(α−Al2 3 )が使用されてきた。サファイア以外の基板としては、基板自体に導電性があるSiC基板や、未だ良質な薄膜の成長は難しいが基板材料として魅力的な、酸化物単結晶基板、Si基板、GaAs基板、InP基板などが挙げられる。これらは、格子整合基板、既存デバイスとの融合という点から有望視されている。
【0005】
III 族窒化物の成長に関し、主に用いられる成長手法であるMOCVD法やMBE法において基板材料に要求される点としては、基板と薄膜の格子不整合が小さいことに加えて、800℃以上の高温でも安定であること、化学的に安定であることなどが挙げられる。なぜならば、III 族窒化物の成長は900℃〜1000℃以上もの高温下で行われ、さらに窒素源としてN2 プラズマやアンモニアなどが使用されているからである。
【0006】
Si基板やGaAs基板は、デバイス融合の観点から非常に魅力的な基板材料であるものの、その熱的不安定性および化学的不安定性から、薄膜成長前に雰囲気ガスと反応して界面窒化層が生じるため、従来のMOCVD法、MBE法では、良質なエピタキシャル成長が困難であった。
【0007】
また、LiGaO2 やMgAlO3 などの酸化物基板は、III 族窒化物と非常に格子マッチが良い(格子ミスマッチは1%以下)ものの、水素による還元や窒素源による窒化が問題となり、やはり成長前に基板材料そのものが分解してしまうなど、良質なIII 族窒化物の成長は困難を極める。
【0008】
したがって、現在のところ、その結晶品質においてサファイアを越える基板はない。サファイア基板は、格子不整合は約16%と大きいが、熱的安定性・化学的安定性があり、現在では低温バッファ層の利用による結晶性向上など、成長技術がある程度確立された基板材料である。
【0009】
しかしながら、サファイアには、▲1▼絶縁体でありデバイス構造工程が複雑になる、▲2▼非常に硬く加工が容易でない、▲3▼レーザー作製時に劈開面が利用できない、▲4▼大面積基板が得られないなど、デバイス作製やコスト面において不利な点を多数有している。従って、サファイアに代わる新しい基板の探索は、現在でも最も重要な課題の一つと考えられている。
【0010】
なお、本願発明者らは半導体薄膜材料、薄膜光電変換素子材料等の分野、特にIII −V族半導体単結晶材料の分野で、従来使用されてきた単結晶Si、GaAsに代わって方向性Si鋼板を基板材料とした単結晶薄膜の生成に関する提案を行っており、既に特開平2001−302388号として出願している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では安定して良質のヘテロエピタキシャル成長を得るのは困難であった。
【0012】
例えば、{100}〈001〉方向性Si鋼基板上に、砒素化ガリウム(GaAs)薄膜を、ヘテロエピタキシャル成長させる場合、基板を研磨し、洗浄した後に、MBE(Molecular Beam Epitaxy)結晶成長装置(分子線エピタキシー装置)によって結晶成長を行うようにしていた。
【0013】
そこで、本願発明者らは、従来とはまったく様式を異にする、レーザーMBE法(Pulsed laser deposition:PLD法)という成長手法に着目した。レーザーMBE法は、窒素源として窒素ガスを用いるために、窒素雰囲気中での窒化物の成長が可能であり、従来技術で問題となっている成長前の基板表面の窒化反応が抑えられる。そのため、従来技術では用いることの出来なかった基板上へも、良質なIII 族窒化物薄膜が成長可能になるのではないかと考えた。すでに、本願発明者は、(La,Sr)(Al,Ta)O3 (LSAT)基板、Mn−Znフェライト基板、Si基板上へのIII 族窒化物の成長を試みている〔参考文献3−5〕。
【0014】
表1に各種基板およびAlN、GaNの格子定数、熱膨張係数を示す。
【0015】
【表1】
Figure 2004063834
【0016】
表1から分かるように、サファイア基板に比べ、LSATやフェライト基板とIII 族窒化物の格子ミスマッチは小さい。これらの基板上に、レーザーMBE法を用いてIII 族窒化物の成長を行ったところ、窒化層の存在しない、急峻な界面の作製が可能であることが分かった。
【0017】
このようにして、本願発明者らは、レーザーMBE法を用いて種々の基板上へのIII 族窒化物の成長可能性を調べてきたが、本発明では、サファイア基板に代わる基板として、特に、変圧器材料として広く使われている電磁鋼板(Fe0.97Si0.03)に着目した。電磁鋼板は、高い配向性を持ち、GaNとの格子ミスマッチもサファイア基板と比べ小さい(約7〜8%)ために、成長基板として使用できる可能性を持っている。
【0018】
また、価格はサファイアの1/100以下であり、コスト面で優れたパフォーマンスを持つ。更には、数m大に及ぶ大面積基板を得ることができ、従来技術では不可能であった大面積軽量LED壁掛けテレビ等の、大面積発光デバイスが実現できると考えられる。
【0019】
また、実際のデバイス利用において、その品質向上のためには薄膜表面のデバイス領域における結晶構造の解析が必要不可欠であることから、レーザーMBE法により種々の基板上に成長したIII 族窒化物薄膜に対して、放射光を利用したG−GIXD解析を行い、レーザーMBE法により成長したIII 族窒化物薄膜の成長初期過程における歪みと、転位導入のプロセスの解明を行った。
【0020】
すなわち、本発明は、原子レベルで平坦化された基板上にレーザーMBE装置を用いることにより、電磁鋼板上に良質な単結晶薄膜を成長させることができる、電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、電磁鋼基板表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、この基板の超高真空中でのアニールを施し、前記基板上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成し、この平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去し、レーザーMBE法により、前記原子レベルで平坦化された基板上にターゲットを用いたIII 族窒化物を成長させることを特徴とする。
【0022】
〔2〕上記〔1〕記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記工程(b)における熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする。
【0023】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記III 族窒化物としてAlN層を成長させることを特徴とする。
【0024】
〔4〕上記〔3〕記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記AlN層の成長窒素圧力を10mTorr以下にすることを特徴とする。
【0025】
〔5〕上記〔3〕記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記AlN層の成長温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする。
【0026】
〔6〕上記〔1〕又は〔2〕記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記III 族窒化物としてAlN層をバッファ層とするGaN層を成長させることを特徴とする。
【0027】
〔7〕上記〔6〕記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記GaN層を液体Gaメタルターゲットを用いて成長させることを特徴とする。
【0028】
〔8〕上記〔6〕記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記AlN層は低温AlNバッファ層を成長後、その上に高温AlNバッファ層を成長させることを特徴とする。
【0029】
〔9〕電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置において、電磁鋼基板表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、前記基板の超高真空アニールを施し、前記基板上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成する手段と、この平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去する手段と、レーザーMBE法により、前記原子レベルで平坦化された基板上にターゲットを用いたIII 族窒化物を成長させる手段とを具備することを特徴とする。
【0030】
〔10〕上記〔9〕記載の電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置において、前記III 族窒化物はAlN層であることを特徴とする。
【0031】
〔11〕上記〔9〕記載の電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置において、前記III 族窒化物はAlN層をバッファ層とするGaN層であることを特徴とする。
【0032】
〔12〕上記〔11〕記載の電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置において、前記AlN層は低温AlNバッファ層と高温AlNバッファ層とを有することを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0034】
電磁鋼板上への単結晶薄膜生成方法について順次説明する。
【0035】
まず、基板の処理について説明する。
【0036】
図1は本発明の実施例を示す基板の研磨装置の模式図、図2はその基板の研磨のフローチャートである。
【0037】
この図において、1は電磁鋼(Fe0.97Si0.03)基板、2はその電磁鋼基板1の保持具、3は研磨板、4はコロイダルシリカ容器、5はコロイダルシリカ供給ノズル、6はコロイダルシリカである。
【0038】
この装置によって、電磁鋼基板1の保持具2と研磨板3を回転させ、コロイダルシリカ6による電磁鋼基板1の化学機械的研磨を行った後に、超高真空中(10−9Torr)でのアニールを行い、電磁鋼基板1を原子レベルで平坦化する。
【0039】
以下、その処理を図2を参照しながら詳細に説明する。
【0040】
(1)まず、粒径3.0μmのダイアモンドスラリーと溝付き銅板を用いた荒研磨を行う。この過程で基板の平面出しを行う。次に、超純水で軽く洗浄した後、アセトンで基板表面のワックスなどの汚れを拭き取る。さらに、20秒ほど超純水で超音波洗浄する(ステップS1)。
【0041】
(2)次に、粒径0.5μmのダイアモンドスラリーと研磨布を用いてラッピングを行う。研磨後はステップS1と同様に、超純水で軽く洗浄した後、アセトンで基板表面を軽く拭き、20秒ほど超純水で超音波洗浄を行う(ステップS2)。
【0042】
(3)次に、コロイダルシリカ(pH9.8)を用いてCMP(化学機械的研磨)を行う。このCMPは、あまり長時間行うと基板表面がアルカリに侵されてダメージを受けるので、5分間程度が適切である。また、シリカ微粒子が凝集し易いので、研磨後は十分に純水でリンスする。研磨後に超音波洗浄を行うと、細かなピットが形成されるので、ここでは超音波洗浄は行わない(ステップS3)。
【0043】
(4)最後に、超高真空中(10−9Torr)でのアニールを行う(ステップS4)。
【0044】
なお、図3は研磨前の基板表面のAFM像、図4は研磨後の基板表面のAFM像であり、これらの図から明らかなように、コロイダルシリカ研磨後、表面粗さのRMS値は3.42nmから0.14nmへと大きく減少した。
【0045】
なお、電磁鋼板の場合、550℃から650℃の間で熱処理をすることによって有機汚染物質を除去することができる。
【0046】
また、鉄板(金属板)の場合はSi原子を吹き付けることによっても表面の酸化層をSiOの形で除去できる。
【0047】
図5はMBEチャンバにおける超高真空中でのアニール前の基板表面のRHEED(Reflective High Energy Electron Diffraction;反射高エネルギー電子線回折)パターンを示す図、図6はMBEチャンバにおける超高真空中での600℃アニール後の基板表面のRHEEDパターンを示す図であり、これらの図からも、基板表面の原子レベルでの平坦化(平均粗さ10Å以下)に成功したことが分かる。
【0048】
次に、電磁鋼基板上へのAlN薄膜の成長について説明する。
【0049】
まず、電磁鋼基板上へのAlN薄膜の成長させる前に、平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去する。特に、電磁鋼基板の場合は、その表面に酸化膜が生成するので、その酸化膜を除去する。その場合、熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることが望ましい。
【0050】
図7は電磁鋼表面上のXPS(光電子分光:詳細は後述)スペクトルの加熱温度依存特性図、図8は電磁鋼表面上の(XPS)スペクトル(Fe2P)の加熱温度依存特性図、図9は電磁鋼表面上の(XPS)スペクトル(Si2P)の加熱温度依存特性図であり、それぞれ横軸に結合エネルギー(eV)、縦軸にカウントを示している。
【0051】
図7から明らかなように、熱処理温度が200℃(a)乃至600℃(b)では電磁鋼上に酸素(O1s)が存在しているが、熱処理温度が1000℃(c)になると酸素(O1s)が消えていることが分かる。
【0052】
また、図8から明らかなように、熱処理温度が200℃(a)では電磁鋼の表面は鉄の酸化物で覆われている。また、熱処理温度が600℃(b)では電磁鋼の表面にSiが析出してSiO2 で覆われているが、熱処理温度が1000℃(c)では2SiO2 →2SiO↑+O2 ↑として酸化膜(2SiO2 )が除去されていることが分かる。
【0053】
更に、図9から明らかなように、熱処理温度が600℃(b)では電磁鋼の表面にSiO2 が生成されているが、熱処理温度が1000℃(c)では電磁鋼の表面にSiO2 が除去されていることが分かる。
【0054】
以上のことから、熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることにより、電磁鋼の表面の酸化膜を除去することができる。
【0055】
そこで、電磁鋼基板上へのAlN薄膜の成長に戻る。
【0056】
PLD法では、20〜30nsのパルス幅を持ったレーザー光をレンズによって、0.1〜10J/cm2 のエネルギー密度に集光し、入射窓を通して、真空チャンバ内のターゲットにフォーカスし、固体ターゲット表面の約10nmを蒸発、アブレートする。放出される10〜100eVのエネルギーを持った中性原子、分子、イオン等の粒子は、プルームと呼ばれる発光柱を形成し、対向する適度に加熱された基板上に凝縮し、薄膜を形成する。このPLD法は、装置構成が簡単で、真空チャンバ内に加熱蒸発源やプラズマ発生装置などを含まないので、クリーンな成膜雰囲気が得られ、ターゲットを交換するだけで、ヘテロ構造や超格子を容易に形成できる。
【0057】
本発明で使用したレーザーMBE法に関しては、KrFエキシマレーザー(λ=248nm、τ=20nsec)を励起源としており、これをターゲットに照射すると、プルームと呼ばれる一種のプラズマの非平衡場が生じる。このプルーム中に存在するレーザーによってアブレートされた粒子群は、極めて高い運動エネルギー(〜10eV)を持つ。これが、レーザーMBEの特徴を決めている一つの要因である。非常に高いエネルギーをもつ非平衡場であるため、いかに不活性なN2 であっても分解し、膜中に取り込まれることになる。その程度はガスの圧力にもよるが、GaNの場合には約10mTorrで組成が保たれる(参考文献〔8〕)。
【0058】
図10は本発明の実施例を示すレーザーMBE装置の模式図である。
【0059】
この図において、10はチャンバ、11はターゲット(ここではAlN焼結体であるが、以降のプロセスではGaN焼結体や液体Gaメタル)、12は電磁鋼基板、13は加熱装置、14はKrFエキシマレーザー(248nm,3J/cm2 、2−15Hz)、15はスクリーン、16はRHEED装置、17,18はTMP(Turbo Molecular Pump)、19はN2 ガス源である。
【0060】
このPLDチャンバはまた、超高真空中で光電子分光(XPS)装置、III −V族化合物半導体作製用分子線エピタキシー(MBE)装置に連結されており、窒化物とGaAsなどの多層構造の作製、および、化学結合状態解析による、試料表面および界面状態の評価が可能である。レーザーMBE装置のベースプレッシャーは1.0〜2.0×10−9Torr程度となっている。
【0061】
そこで、平坦化処理を行った電磁鋼基板12に対して図10に示すレーザーMBE装置を用いて、AlN薄膜の成長を行った。成長条件は、基板温度600℃、窒素分圧10mTorr、レーザーパルス周波数10Hzである。ターゲットにはAlN焼結体(純度99.99%)を用い、約50nmの薄膜成長を行った後にRHEED観察を行ったところ、ストリーク状のパターンが観察された。
【0062】
図11は本発明の実施例を示すAlN薄膜成長を行った後のRHEED像を示す図である。
【0063】
この図から分かるように、このストリーク状のパターンはhexagonal−AlN(0001)面からのRHEED像であり、更に、電子線の入射方向を変えた時のパターン変化から、Fe(110)基板上にはhexagonal−AlN(0001)が成長していることが明らかになった。
【0064】
なお、MBEや、PLD法において、試料表面のその場観察技術としてよく用いられている評価技術の中でも、最も一般的に用いられているものが、反射高エネルギー電子線回折(RHEED)法がある。
【0065】
上記した実施例では、成長チャンバにRHEED装置16を取り付け、膜の表面状態をその場(in−situ)で観察した。反射高エネルギー電子線回折法は10〜50kVに加速した電子ビームを基板表面に浅い角度(1〜2°)で入射させ、表面原子によって反射回折された電子ビームを蛍光スクリーンに投影して回折像を得ることによって結晶の表面状態を調べる技術で、MBEでは最も標準的なその場計測技術である。
【0066】
電子線が本来物質と強く相互作用すること、さらに電子線を試料すれすれに入射することから、入射電子線の潜り込みは試料表面から数原子層にとどまり、したがって表面に敏感な回折像を容易にリアルタイムで得ることが出来る。さらに超高真空中におけるRHEED装置配置の自由度から、MBE薄膜成長過程におけるその場観察が可能となる。
【0067】
また、光電子分光法(XPS)は代表的な表面分析法の一つで、固体の表面から数nmの深さ領域に関する元素および化学結合状態の分析に用いる。また、Arイオンなどでエッチングを行いながら測定することにより、最表面の汚染物を除去した面や、サブミクロンオーダーまでの深さ方向分析が可能である。X線光電子分析とイオンスパッタリングを交互に繰り返し、スペクトルの変化を追跡することで、試料の深さ方向における組成変化の情報を得ることができる。
【0068】
試料は真空中で安定なものであれば何でも分析できるが、ほとんどの場合は固体試料である。金属、半導体、セラミックス、高分子材料など幅広い対象に用いられているが、絶縁物の場合は測定中に試料が帯電するため、低速電子を照射するなどの工夫が必要である。
【0069】
また、高分子などはX線で損傷する場合があり、分析には注意が必要となる。特にハロゲンや窒素などいわゆるヘテロ元素を含む試料では測定中にこれらの元素が脱離したり、化学状態が変化したりする場合が多々あるので十分注意が必要である。必要に応じ試料を冷却して測定する場合もある。
【0070】
半導体結晶のヘテロエピタキシャル成長における基板とエピタキシャル膜の界面の急峻性は、デバイスへの応用を考えた場合非常に重要になってくる。そこで、成長したサンプルについて界面の状態を調べていくとともに、成長の初期過程について詳しく研究を進めるため、XPSを用いることができる。
【0071】
さらに、III 族窒化物などの薄膜材料において、その構造解析は非常に重要な事項であり、これはX線回折(XRD、GIXD)などを用いることができる。
【0072】
また、X線反射率測定(GIXR)では、X線を物質に入射した際に、可視光と同様に試料の表面で起こる反射、屈折などの物理現象を利用して、X線を試料表面すれすれに入射させてX線の全反射を起こし、その入射角度を少しずつ変化させることによって現れるX線反射の干渉パターンを理論的にフィッティングすることにより、試料の密度、膜厚、表面および界面粗さなどを調べる。
【0073】
このように、原子レベルで平坦化した基板上にc軸配向性の高い物質を積む。代表例がAlNやAlGaN〔この他六方晶材料(ZnO等)も候補〕であり、PLDMBE法により、基板表面を荒らさずに良質な薄膜をつけることができた。
【0074】
この場合、以下の点が特筆される。
【0075】
1.PLD法による成長の場合、成長窒素圧力を10mTorr以下にすることによって、Al極性を有する良質なバッファ層の作成が可能となった。
【0076】
2.PLD法で成長温度を700℃以上1100℃以下にすることによって、良質な結晶性を持つAlNを得ることができた。
【0077】
3.電磁鋼基板のように低温に保ちたいサンプルはPLD法で600℃の低温バッファ層を積み、さらにその上に結晶性の高いAlNバッファ層を高温で積むのが望ましい。
【0078】
4.XPS法を用いて、AlNバッファ層が下地基板材料原子の半導体薄膜中への拡散を抑制していることを確認した。
【0079】
次に、上記したAlN薄膜をバッファ層としたGaN発光素子について説明する。
【0080】
図10に示したレーザーMBE装置を用いてAlN薄膜をバッファ層としたGaN薄膜の製造方法について説明する。
【0081】
ここでは、ターゲットにAlN焼結体(パウダー)およびGaN焼結体(パウダー)を用いて、AlN薄膜をバッファ層としてGaN薄膜の成長を行った。AlNおよびGaN薄膜の成長条件を表2に示す。
【0082】
【表2】
Figure 2004063834
【0083】
図12は本発明の実施例を示すGaN成長後のRHEED像を示す図である。
【0084】
この図から明らかなように、スポット状のパターンが見られることから、GaN薄膜の成長モードは3次元成長であると考えられる。成長後、AFMによる表面観察を行った。
【0085】
その結果を図13に示す。これによれば、島状の構造が見られ、表面粗さを表すRMS値はおよそ4.2nmであった。この結果は、RHEEDによる観察の結果と一致している。表面に見られるクラック状のものは、研磨段階における基板表面の研磨傷によるものと思われる。
【0086】
図14は成膜後のXRDおよびGIXD測定の結果を示す図であり、図14(a)はXRD測定、図14(b)はGIXD測定結果をそれぞれ示している。
【0087】
それぞれhexagonal−AlNおよびGaNからのピークしか見られないことから、単結晶薄膜が得られたことが分る。
【0088】
また、それぞれのピーク位置より、基板と薄膜のアライメントは〔110〕Fe//〔0001〕AlN , GaN および〔001〕Fe//〔11−20〕AlN , GaN であることが分かった。
【0089】
この結晶配向における基板とGaNの原子配列を図15に示す。この図から格子のミスマッチは〔001〕方向に8%、〔110〕方向に7%と比較的小さいことが分かる。
【0090】
更に、図16に本発明の実施例を示すサンプルを面内で回転したφスキャン図を示す。この図に示すように明瞭な6回対称性が見られることから、成長した薄膜はキュービック層などの存在しない良質なhexagonal単結晶薄膜であることが分かる。
【0091】
次に、液体Gaメタルターゲットを用いたGaN成長について説明する。
【0092】
これまで作製したGaN薄膜において、光学特性に関しては、それほど良い結果は得られなかった。これは、ターゲットとするGaN焼結体には、焼結の際にO2 などが混入するために、成長したGaN薄膜中でもこのO2 が不純物となり、それが非発光中心となるために良質な光学特性が得られないのではないかと考えられる。実際に、XPS測定によって、薄膜中にO2 が存在しているという研究結果も得られている。そこで、GaN薄膜の純度を上げるために、液体Gaメタルターゲットを用いたGaN成長を試みた。各種成長条件を表3に示す。
【0093】
【表3】
Figure 2004063834
【0094】
GaN薄膜成長後のRHEED像を図17に示す。
【0095】
この図に示すように、焼結体GaNターゲットを用いたときと異なり、ストリーク状のRHEEDパターンが見られる。つまり、成長は2次元的に進んでいると考えられる。
【0096】
更に、GaNの膜質を向上させるためには、AlNバッファ層の成長最適化が必要と考え、AlNバッファ層の成長温度を変えてAlNおよびGaNの成長を試みた。表4にそれぞれの成長条件を示す。
【0097】
【表4】
Figure 2004063834
【0098】
図18にそれぞれ成長温度を変えてAlNバッファ層およびGaN層を成長した後のRHEED観察の結果を示す。この図18には1段式ホルダを用いて成長を行った結果を示しており、より高温で成長したGaNの方が結晶性が向上していることが分かる。
【0099】
図19にそれぞれの試料に対する室温でのPLスペクトルを示す。
【0100】
薄膜の結晶性は向上していると考えられるにも関わらず、図19から分かるように、どの試料に関してもバンド端遷移に起因する発光は見られなかった。また、1段式ホルダを用いて作製した試料からはYellow発光が見られたが、2段式ホルダを用いて作製した試料からは、まったく発光が見られなかった。このことから、予想では高温であればあるほど成長に適していると考えられたGaN薄膜が、実際はあまり高温で成長すると光学特性が悪くなってしまうことが分かった。
【0101】
次に、低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層を用いたGaN成長について説明する。
【0102】
更なるGaNの結晶品質向上のために、基板とGaN薄膜間のAlNバッファ層の結晶品質が重要であると考え、これまで低温で成長していたAlN層に加え、それに続いて高温AlN層を成長させ、その2層をバッファ層としてGaNを成長させることを試みた。
【0103】
すなわち、図20に示すように、電磁鋼基板21、低温(535℃)AlNバッファ層22、高温(700℃)AlNバッファ層23、GaN層24からなる単結晶薄膜装置20(発光素子)を得た。それぞれの成長条件を表5に示す。ホルダには、これまでの実験を踏まえて、1段式ホルダを用いた。
【0104】
【表5】
Figure 2004063834
【0105】
図21に低温AlNバッファ層および、高温AlNバッファ層からのRHEED像を示す。
【0106】
この図において低温AlNバッファ層からのRHEED像はやや拡散しており、ダブルドメイン層の混在も見られるが、高温AlNバッファ層成長後にはコントラストが良く、hexagonal−AlN層のみに起因する明瞭なRHEED像が観察された。
【0107】
更に、この高温AlNバッファ層上にGaN薄膜を成長した後のRHEED像を図22に示す。
【0108】
この図から分かるように、低温バッファ層上に成長したGaNには若干見られたようなリングパターンやダブルドメインの混在が2段バッファ層、つまり低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層では、ほとんど見られず、非常に明瞭なストリーク状のパターンを示している。
【0109】
図23にこの試料の室温におけるPLスペクトルを示す。
【0110】
この図からバンド端遷移を起源とする、強い発光が見られ、ピークの半値幅は約200meVであることが分かった。このことから、低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層の利用によって、発光特性が大きく向上したことが分かった。また、このピーク半値幅は、PLD法を用いて成長したサファイア上のGaNの半値幅に匹敵するものであり、従って、電磁鋼板がサファイア基板に代わる基板となり得ることが証明されたといえよう。
【0111】
上記したように、本発明の実施例では、レーザーMBE法により、電磁鋼基板上に高品質なIII 族窒化物薄膜の成長を行うようにしたので、グレインサイズを数mにまで巨大にでき、大面積基板が得られる。また、価格がサファイヤの1/100以下である。
【0112】
その用途としては、大面積の軽量ディスプレイや高効率LED照明装置等があり、それらを低コストで実現することができる。
【0113】
また、上記実施例では、レーザーMBE法によるIII 族窒化物薄膜の成長について述べたが、工夫すれば、MBE法によってもIII 族窒化物薄膜を成長させることができる。
【0114】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0115】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0116】
(A)原子レベルに平坦化した電磁鋼基板上にPLD法により良質なIII 族窒化物薄膜をエピタキシャル成長することができるために、低価格で大面積の単結晶薄膜基板が得られ、大面積の太陽電池やディスプレイへの応用展開の道が開けた。また、Fe(110)上に成長したGaN薄膜からは、室温で強いバンド端発光が見られることから、電磁鋼板がサファイア基板に代わる基板となり得ることが明らかになった。
【0117】
(B)PLD法による成長の場合、成長窒素圧力を10mTorr以下にすることによってAl極性を有する良質なバッファ層の作成が可能となる。
【0118】
(C)PLD法による成長温度を700℃以上1100℃以下にすることによって良質な結晶性を持つAlNを得ることができる。
【0119】
(D)電磁鋼基板のように低温に保ちたいサンプルはPLD法で600℃の低温AlNバッファ層を積み、さらにその上に結晶性の高いAlNバッファ層を高温で積むことにより、良質なIII 族窒化物薄膜をエピタキシャル成長することができ、室温でのバンド端遷移を起源とする強い発光が見られた。ピークの半値幅は狭く、約200meVであることが分かった。
【0120】
(E)XPS法を用いて調べた結果、AlNバッファ層が下地基板材料原子の半導体薄膜中への拡散を抑制していることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す基板の研磨装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す基板の研磨のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例を示す研磨前の電磁鋼基板表面のAFM像を示す図である。
【図4】本発明の実施例を示す研磨後の電磁鋼基板表面のAFM像を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示すMBEチャンバにおける超高真空中でのアニール前の基板表面のRHEEDパターンを示す図である。
【図6】本発明の実施例を示すMBEチャンバにおける超高真空中での600℃アニール後の基板表面のRHEEDパターンを示す図である。
【図7】本発明にかかる電磁鋼表面上のXPS(光電子分光:詳細は後述)スペクトルの加熱温度依存特性図である。
【図8】本発明にかかる電磁鋼表面上の(XPS)スペクトル(Fe2P)の加熱温度依存特性図である。
【図9】本発明にかかる電磁鋼表面上の(XPS)スペクトル(Si2P)の加熱温度依存特性図である。
【図10】本発明の実施例を示すレーザーMBE装置の模式図である。
【図11】本発明の実施例を示すAlN薄膜成長を行った後のRHEED像を示す図である。
【図12】本発明の実施例を示すGaN成長後のRHEED像を示す図である。
【図13】本発明の実施例を示すGaN成長後のAFMによる表面観察を行った結果を示す図である。
【図14】本発明の実施例を示すGaN成膜後のXRDおよびGIXD測定の結果を示す図である。
【図15】本発明の実施例を示す結晶配向における基板とGaNの原子配列を示す図である。
【図16】本発明の実施例を示すサンプルを面内で回転したφスキャン図である。
【図17】本発明の実施例を示す液体Gaメタルターゲットを用いたGaN成長後のRHEED像を示す図である。
【図18】本発明の実施例を示す成長温度を変えてAlNバッファ層およびGaN層を成長した後のRHEED観察の結果を示す図である。
【図19】本発明の実施例を示すそれぞれの試料に対する室温でのPLスペクトルを示す図である。
【図20】本発明の実施例を示す2段AlNバッファ層を有する単結晶薄膜装置の構成図である。
【図21】本発明の実施例を示す低温AlNバッファ層および高温AlNバッファ層からのRHEED像を示す図である。
【図22】本発明の実施例を示す低温AlNバッファ層上に形成された高温AlNバッファ層上にGaN薄膜を成長した後のRHEED像を示す図である。
【図23】本発明の実施例を示す低温AlNバッファ層上に形成された高温AlNバッファ層上にGaN薄膜を成長した試料の室温におけるPLスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1,12,21  電磁鋼(Fe0.97Si0.03)基板
2  電磁鋼基板の保持具
3  研磨板
4  コロイダルシリカ容器
5  コロイダルシリカ供給ノズル
6  コロイダルシリカ
10  チャンバ
11  ターゲット(AlN焼結体,GaN焼結体,液体Gaメタル)
13  加熱装置
14  KrFエキシマレーザー
15  スクリーン
16  RHEED装置
17,18  TMP(Turbo Molecular Pump)
19  N2 ガス源
20  単結晶薄膜装置(発光素子)
22  低温AlNバッファ層
23  高温AlNバッファ層
24  GaN層

Claims (12)

  1. (a)電磁鋼基板表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、該基板の超高真空中でのアニールを施し、前記基板上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成し、
    (b)該平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去し、
    (c)レーザーMBE法により、前記原子レベルで平坦化された基板上にターゲットを用いたIII 族窒化物を成長させることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  2. 請求項1記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記工程(b)における熱処理温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  3. 請求項1又は2記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記III 族窒化物としてAlN層を成長させることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  4. 請求項3記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記AlN層の成長窒素圧力を10mTorr以下にすることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  5. 請求項3記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記AlN層の成長温度を700℃以上1100℃以下にすることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  6. 請求項1又は2記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記III 族窒化物としてAlN層をバッファ層とするGaN層を成長させることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  7. 請求項6記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記GaN層を液体Gaメタルターゲットを用いて成長させることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  8. 請求項6記載の電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法において、前記AlN層は低温AlNバッファ層を成長後、その上に高温AlNバッファ層を成長させることを特徴とする電磁鋼基板上への単結晶薄膜生成方法。
  9. (a)電磁鋼基板表面にコロイダルシリカによるCMP基板研磨と、前記基板の超高真空アニールを施し、前記基板上に原子レベルで平坦な結晶表面を形成する手段と、
    (b)該平坦な結晶表面の酸化膜を熱処理により除去する手段と、
    (c)レーザーMBE法により、前記原子レベルで平坦化された基板上にターゲットを用いたIII 族窒化物を成長させる手段とを具備することを特徴とする電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置。
  10. 請求項9記載の電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置において、前記III 族窒化物はAlN層であることを特徴とする電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置。
  11. 請求項9記載の電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置において、前記III 族窒化物はAlN層をバッファ層とするGaN層であることを特徴とする電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置。
  12. 請求項11記載の電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置において、前記AlN層は低温AlNバッファ層と高温AlNバッファ層とを有することを特徴とする電磁鋼基板上に生成される単結晶薄膜装置。
JP2002220804A 2002-07-30 2002-07-30 鉄Siからなる基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置 Expired - Fee Related JP3886859B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002220804A JP3886859B2 (ja) 2002-07-30 2002-07-30 鉄Siからなる基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002220804A JP3886859B2 (ja) 2002-07-30 2002-07-30 鉄Siからなる基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004063834A true JP2004063834A (ja) 2004-02-26
JP3886859B2 JP3886859B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=31941296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002220804A Expired - Fee Related JP3886859B2 (ja) 2002-07-30 2002-07-30 鉄Siからなる基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3886859B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004266025A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Japan Science & Technology Agency 半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置
WO2006080376A1 (ja) * 2005-01-27 2006-08-03 Rohm Co., Ltd 窒化物半導体素子および窒化物半導体結晶層の成長方法
JP2006206343A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Ngk Insulators Ltd AlN単結晶の表面平坦化方法およびAlN単結晶基板の作製方法
WO2006111804A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-26 Kanagawa Academy Of Science And Technology 半導体製造方法及び半導体装置
JP2007250574A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Nagasaki Univ 磁性体の製造方法
JP2008506259A (ja) * 2004-07-06 2008-02-28 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア オプトエレクトロニクス応用のための(Al、In、Ga)NおよびZn(S、Se)のウェハボンディング方法
JP2008243934A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 半導体基板とその製造方法および紫外線発光装置
JP2008285713A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Nippon Steel Corp 膜生成方法
JP2012041269A (ja) * 2011-11-15 2012-03-01 Sanyo Electric Co Ltd 半導体基板およびその製造方法
CN107644928A (zh) * 2017-10-24 2018-01-30 江门市奥伦德光电有限公司 一种自支撑垂直结构led芯片及其制备方法
KR102253176B1 (ko) * 2019-11-13 2021-05-14 에임즈마이크론 주식회사 GaN 기판 처리 방법, 이에 의해 처리된 GaN 기판 및 이를 수행하는 GaN 기판 처리 장치
CN113533397A (zh) * 2021-07-01 2021-10-22 上海大学 一种原位研究二维材料低温晶体结构的装置及方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104103332B (zh) * 2014-07-16 2016-08-24 合肥工业大学 一种以单晶铝为包壳的核废料嬗变靶材

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004266025A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Japan Science & Technology Agency 半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置
JP2008506259A (ja) * 2004-07-06 2008-02-28 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア オプトエレクトロニクス応用のための(Al、In、Ga)NおよびZn(S、Se)のウェハボンディング方法
JP2006206343A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Ngk Insulators Ltd AlN単結晶の表面平坦化方法およびAlN単結晶基板の作製方法
WO2006080376A1 (ja) * 2005-01-27 2006-08-03 Rohm Co., Ltd 窒化物半導体素子および窒化物半導体結晶層の成長方法
CN101111945B (zh) * 2005-01-27 2012-03-14 罗姆股份有限公司 氮化物半导体元件和氮化物半导体结晶层的生长方法
WO2006111804A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-26 Kanagawa Academy Of Science And Technology 半導体製造方法及び半導体装置
JP2007250574A (ja) * 2006-03-13 2007-09-27 Nagasaki Univ 磁性体の製造方法
JP2008243934A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 半導体基板とその製造方法および紫外線発光装置
JP2008285713A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Nippon Steel Corp 膜生成方法
JP2012041269A (ja) * 2011-11-15 2012-03-01 Sanyo Electric Co Ltd 半導体基板およびその製造方法
CN107644928A (zh) * 2017-10-24 2018-01-30 江门市奥伦德光电有限公司 一种自支撑垂直结构led芯片及其制备方法
CN107644928B (zh) * 2017-10-24 2023-05-30 江门市奥伦德光电有限公司 一种自支撑垂直结构led芯片及其制备方法
KR102253176B1 (ko) * 2019-11-13 2021-05-14 에임즈마이크론 주식회사 GaN 기판 처리 방법, 이에 의해 처리된 GaN 기판 및 이를 수행하는 GaN 기판 처리 장치
CN113533397A (zh) * 2021-07-01 2021-10-22 上海大学 一种原位研究二维材料低温晶体结构的装置及方法
CN113533397B (zh) * 2021-07-01 2023-04-07 上海大学 一种原位研究二维材料低温晶体结构的装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3886859B2 (ja) 2007-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7012016B2 (en) Method for growing group-III nitride semiconductor heterostructure on silicon substrate
US20080191203A1 (en) Method for Producing Gan Film, Semiconductor Device, Method for Generating Thin Film of Nitride of Group III Element and Semiconductor Device Having Thin Film of Nitride of Group III Element
US8471266B2 (en) Group III nitride semiconductor multilayer structure and production method thereof
US20090289270A1 (en) Group iii nitride semiconductor multilayer structure and production method thereof
JP2010114423A (ja) ウルツ鉱型結晶成長用基板およびその製造方法ならびに半導体装置
JP3886859B2 (ja) 鉄Siからなる基板上への単結晶薄膜生成方法及びその単結晶薄膜装置
EP2071053B1 (en) Filming method for iii-group nitride semiconductor laminated structure
Lee et al. Two-step growth of ZnO films on silicon by atomic layer deposition
JP2010073760A (ja) Iii族窒化物半導体積層構造体およびその製造方法
JP7352271B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
Ataev et al. Low-pressure chemical vapour deposition growth of high-quality ZnO films on epi-GaN/α-Al2O3
Du et al. Effects of sapphire (0001) surface modification by gallium pre-exposure on the growth of high-quality epitaxial ZnO film
US6906351B2 (en) Group III-nitride growth on Si substrate using oxynitride interlayer
JP3847682B2 (ja) 酸化物基板上への集積回路装置の製造方法及び装置
Lee et al. The application of a low temperature GaN buffer layer to thick GaN film growth on ZnO/Si substrate
JP2002029896A (ja) 窒化物半導体の結晶成長方法
JP2010021439A (ja) Iii族窒化物半導体積層構造体およびその製造方法
Sasaki et al. Room-temperature growth of ultrasmooth AlN epitaxial thin films on sapphire with NiO buffer layer
Van Nostrand et al. Growth of II-IV-V 2 chalcopyrite nitrides by molecular beam epitaxy
JP2004266025A (ja) 半導体薄膜電子回路素子の製造方法、その電子回路素子および電子回路装置
Creighton et al. SOURCES OF THE PARASITIC CHEMICAL REACTIONS DURING ALGAN OMVPE
Armitage et al. P-and N-type doping of non-polar A-plane GaN grown by molecular-beam epitaxy on R-plane sapphire
Thapa et al. Heteroepitaxial Growth of GaN on ZnO by MOVPE
Jiu MOCVD Overgrowth and Characterisation of Nonpolar GaN on Patterned Templates on Sapphire for Advanced III-nitride Optoelectronics
Cross Optoelectronic and Transport Properties of Indium Nitride

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101201

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees