JP2008243934A - 半導体基板とその製造方法および紫外線発光装置 - Google Patents

半導体基板とその製造方法および紫外線発光装置 Download PDF

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洋 藤岡
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Abstract

【課題】熱放散が良好でかつ紫外光等の短波長領域の光に対する基材の反射性を向上することができ、III族窒化物の半導体層と金属の基材との間に界面反応層が形成されない高品質な半導体基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】ロジウムからなる基材2と、基材2の表面にIII族窒化物からなる半導体層3とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体基板とその製造方法および紫外線発光装置に関するものである。
近年、短波長の光学素子として、ガリウム窒化物(GaN)、アルミニウム窒化物(AlN)、およびこれらの化合物が注目されている。従来から、これらのIII族窒化物の半導体層を成長させるための基材としてサファイアが広く用いられている。サファイアは化学的な安定性が高いという利点があるが、一方で熱伝導率が低いという課題があり、基材上に形成した光学素子等の半導体素子の性能を低下させる要因となっている。
このため、III族窒化物の半導体層を成長させる基材として、熱伝導率の高い金属等を用いて熱放散を改善し、基材上の半導体素子の性能を改善できる半導体基板が知られている。このような半導体基板としては、サファイア基板上に形成した半導体層をレーザリフトオフ法により剥離させ、銅やシリコン等の高熱伝導率の基材上に移設するものが知られている。(例えば、非特許文献1参照)。
また、近年、基材上に形成した光学素子の光取り出し効率を向上させることが望まれている。上述の非特許文献1では、光反射性の高い銀(Ag)の基材上に光学素子を形成することで、光学素子から基材側に発せられる光を反射させ、光取り出し効率の向上を図っている。
R.H.Horng et al, "High-power GaN light-emitting diodes with patterned copper substrates by electroplating", Physica Status Solidi (a), Volume 201, Issue 12, 2004. pp.2786-2790
しかし、上述の非特許文献1では、サファイア基板上に形成した半導体層を剥離させ、別の基材上に移設する工程を必要とするため、製造工程が複雑で製造が困難であるだけでなく、歩留まりが著しく低下する。このため、金属の基材上に、III族窒化物の半導体層を直接成長させる技術が要望されている。
しかしながら、例えば、MOCVD法等の従来の技術を用いて金属の基材上にIII族窒化物の半導体層を形成した場合、III族窒化物と金属の基材との間で深刻な界面反応が生じ、半導体素子の性能が著しく低下するという課題がある。
また、光学素子の光取り出し効率を向上させるために基材としてAgを用いた場合、可視光領域における光反射性は良好であるが、紫外光等の短波長領域における光反射性が著しく低下するという課題がある。
そこで、この発明は、熱放散が良好でかつ紫外光等の短波長領域の光に対する基材の反射性を向上することができ、III族窒化物の半導体層と金属の基材との間に界面反応層が形成されない高品質な半導体基板とその製造方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の半導体基板は、ロジウムからなる基材と、前記基材の表面にIII族窒化物からなる半導体層とを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、サファイア等と比較して熱伝導性に優れ、銀(Ag)等と比較して紫外線等の短波長の光に対する反射性に優れたロジウム(Rh)上にIII族窒化物の半導体層が形成される。
したがって、半導体基板の熱放散をサファイア等の基材を用いた場合よりも大幅に向上させることができるだけでなく、紫外線等の短波長の光に対する基材の反射性をAg等の基材を用いた場合よりも大幅に向上させることができる。また、基材上に形成された半導体層を用いて基材上に半導体素子を形成することができる。
また、本発明の半導体基板は、表面にロジウム薄膜が形成された基材と、前記ロジウム薄膜の表面にIII族窒化物からなる半導体層とを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、サファイア等と比較して熱伝導性に優れ、銀(Ag)等と比較して紫外線等の短波長の光に対する反射性に優れたロジウム(Rh)上にIII族窒化物の半導体層が形成される。
したがって、半導体基板の熱放散をサファイア等の基材を用いた場合よりも大幅に向上させることができるだけでなく、紫外線等の短波長の光に対する基材の反射性をAg等の基材を用いた場合よりも大幅に向上させることができる。また、基材上に形成された半導体層を用いて基材上に半導体素子を形成することができる。
また、本発明の半導体基板は、前記III族窒化物は、少なくともIn、Ga、Alのいずれかを含んで構成され、下記化学式(I)によって表されることを特徴とする。
InGaAl1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)…(I)
このように構成することで、熱伝導性に優れ、紫外線等の短波長の光に対する反射性に優れた基材上に、化学式(I)によって表されるIII族窒化物の半導体層を用いて紫外線発光素子等の半導体素子を形成することができる。
また、本発明の半導体基板は、前記III族窒化物の結晶構造が単結晶であることを特徴とする。
このように構成することで、半導体層の半導体特性を向上させることができる。
また、本発明の半導体基板は、前記半導体層はロジウムの(111)面に形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、III族窒化物のエピタキシャル成長に適した面に半導体層を形成し、半導体層の品質を向上させることができる。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、ロジウムからなる基材の表面に、PLD法、PED法、スパッタリング法のいずれかを用い、350℃以上かつ550℃以下の温度範囲でIII族窒化物の半導体層を形成する工程を有することを特徴とする。
このように製造することで、高いエネルギーで半導体層の材料を蒸発させ、従来のMOCVD法等と比較して低い温度範囲である350℃以上かつ550℃以下の温度範囲で基材上にIII族窒化物の半導体層を成長させることができる。これにより、半導体層と基材との間での界面反応を防止し、半導体層と基材との間に界面反応層が形成されることを防止できる。したがって、熱伝導性に優れ、紫外線等の短波長の光に対する反射性に優れた基材上に、界面反応層のない高品質な半導体層を形成することができる。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、基材上に形成されたロジウム薄膜の表面に、PLD法、PED法、スパッタリング法のいずれかを用い、350℃以上かつ550℃以下の温度範囲でIII族窒化物の半導体層を形成する工程を有することを特徴とする。
このように製造することで、高いエネルギーで半導体層の材料を蒸発させ、従来のMOCVD法等と比較して低い温度範囲である350℃以上かつ550℃以下の温度範囲でロジウム薄膜上にIII族窒化物の半導体層を成長させることができる。これにより、半導体層とロジウム薄膜との間での界面反応を防止し、半導体層とロジウム薄膜との間に界面反応層が形成されることを防止できる。したがって、熱伝導性に優れ、紫外線等の短波長の光に対する反射性に優れたロジウム薄膜上に、界面反応層のない高品質な半導体層を形成することができる。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記半導体層を形成する工程の前に、前記基材の前記半導体層の形成面を平坦化する平坦化工程を有することを特徴とする。
このように製造することで、基材の半導体層の形成面に均一に半導体層を成長させることができる。これにより、半導体層の品質を向上させることができる。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記半導体層を形成する工程の前に、前記ロジウム薄膜の前記半導体層の形成面を平坦化する平坦化工程を有することを特徴とする。
このように製造することで、ロジウム薄膜の半導体層の形成面に均一に半導体層を成長させることができる。これにより、半導体層の品質を向上させることができる。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記平坦化工程は、機械研磨あるいは機械化学研磨によって前記形成面を研磨する工程と、前記基材を超高真空チャンバー中で熱処理を行う工程とを有することを特徴とする。
このように製造することで、半導体層の形成面を原子レベルまで平坦化することができる。これにより、半導体層の形成面をIII族窒化物のエピタキシャル成長に適した状態とし、半導体層の品質をより向上させることができる。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記半導体層の形成面はロジウムの(111)面であることを特徴とする。
このように製造することで、III族窒化物のエピタキシャル成長に適した面に半導体層を形成し、半導体層の品質を向上させることができる。
また、本発明の紫外線発光装置は、前記半導体基板を備え、前記半導体層により紫外線発光素子が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、紫外線発光素子によって基材側に発せられた紫外光をロジウムの基材あるいは薄膜の表面によって反射させ、紫外線発光装置の紫外線の取り出し効率を向上させることができる。また、ロジウムの基材または薄膜によって半導体層の熱放散を促進し、紫外線発光素子の性能が低下することを防止することができる。
また、本発明の紫外線発光装置は、前記紫外線発光素子は、前記半導体層が複数積層されて形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、用途に合わせて半導体層の組成を最適化し、紫外線発光素子の性能を向上させることができる。
本発明によれば、半導体基板の熱放散をサファイア等の基材を用いた場合よりも大幅に向上させることができるだけでなく、紫外線等の短波長の光に対する基材の反射性をAg等の基材を用いた場合よりも大幅に向上させることができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔半導体基板〕
図1に示すように、半導体基板1は、ロジウム(Rh)によって形成された基材2上に、半導体層3を備えて構成されている。半導体層3は下記の化学式(I)によって表される単結晶III族窒化物によって形成されている。
InGaAl1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)…(I)
本実施形態において、半導体層3はAlN(上記の化学式(I)においてX=0、Y=0の場合)によって形成されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
半導体基板1の基材2を構成するRhの熱伝導率は約150W/mkである。したがって、熱伝導率が約33W/mkであるサファイアと比較して熱伝導性に優れているので、半導体基板1の熱放散を従来よりも大幅に向上させることができる。
また、図2に示すように、例えば、波長が約300nmの短波長の光に対する反射率は、Rhが約70%であるのに対し、Agは約15%に低下する。このように、Agと比較して、紫外線等の短波長の光に対する反射性に優れたRhによって基材2が形成されているので、基材2の紫外線等の短波長の光に対する反射率をAg等の基材を用いた場合よりも大幅に向上させることができる。
また、基材2上に化学式(I)によって表されるIII族窒化物であるAlNやGaN等、紫外線発光ダイオードの半導体層として機能する半導体層3を形成し、後述するように、半導体層3を用いて紫外線発光素子を形成することができる。また、半導体層3は単結晶のAlNによって形成されているので、非単結晶の半導体層を形成した場合と比較して半導体層3の半導体特性を向上させることができる。
〔半導体基板の製造方法〕
次に、本実施形態の半導体基板1の製造方法について説明する。
(基材平坦化工程)
図1に示すように、まず、単結晶のRhによって形成された基材2の(111)面を半導体層3の形成面4とし、機械研磨あるいは機械化学研磨によって研磨する。機械研磨あるいは機械化学研磨においては、例えば、粒径が約3μmのダイアモンドスラリーを用いて15分研磨した後、粒径が約0.5μmのダイアモンドスラリーを用いて15分研磨する。次いで、研磨された半導体層3の形成面4を、例えば、有機溶剤等によって洗浄する。これにより、半導体層3の形成面4は鏡面研磨された状態となり、AlNのエピタキシャル成長に適した状態となる。
次いで、研磨された基材2を超高真空のPLD(Pulsed Laser Deposition)チャンバー内に移動させ、バックグラウンド圧力が、例えば、約6×10−10Torr、温度が約800℃の状態で熱処理する。このとき、半導体層3の形成面4の酸素および炭素を、単色のAl−Kα(1486.7eV)のX線源を用いたXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光)法により測定した。
その結果、図3および図4に示すように、熱処理の温度を上昇させるにしたがって、半導体層3の形成面4の汚染として検出される酸素O1s(図3参照)および炭素C1s(図4参照)のXPSスペクトルの頂点の起伏はなだらかになり、約800℃以上でほぼ起伏のない平坦なものとなった。このとき、基材2の酸素(O)および炭素(C)の表面濃度は、それぞれ約2.7%および約2.2%まで減少した。したがって、上述のように、約800℃以上の温度で基材2を熱処理することで、半導体層3の形成面4の汚染を十分に除去し、清浄な形成面4を得ることができる。
また、熱処理中に半導体層3の形成面4をRHEED(Reflection High Energy Electron Diffraction:反射高速電子線回折)法により解析したところ、形成面4の原子レベルでの凹凸を表すドット状やリング状の回折パターンが観測され、熱処理温度の上昇に伴って徐々に平坦な表面を表す縞状の回折パターンへと変遷していった。したがって、上述のように熱処理することで、基材2の半導体層3の形成面4を原子レベルまで平坦化することができる。
(半導体層形成工程)
次に、熱処理によって温度が約800℃以上まで上昇した基材2を約450℃の温度まで冷却した後、原子レベルまで平坦化された半導体層3の形成面4にPLD法によってAlNをエピタキシャル成長させ、基材2上に約450℃の温度で半導体層3を直接形成する。まず、焼結したAlNのターゲット(99.99%)を、上述のPLDチャンバー内で、例えば、波長約248nm、周波数約20nsのKrFエキシマレーザにより、約1.0×10−2Torrの圧力の窒素雰囲気下で蒸発させる。そして、基材2の半導体層3の形成面4にAlNを蒸着させ、約20nmの厚さの半導体層3を形成する。ここで、KrFエキシマレーザのエネルギー密度および繰り返し周波数は、それぞれ約3.0J/cmおよび約30Hzである。
このように、半導体層3の形成にPLD法を採用することで、AlNのターゲットを蒸発させ、元素を高い運動エネルギーで供給することができる。したがって、例えば、約350℃以上かつ550℃以下の温度で基材2の半導体層3の形成面4にAlNを成長させることができる。
次に、上述のように約450℃の温度で形成した半導体層3をRHEED法により解析したところ、図5に示すように、明瞭なスポット状の回折パターンが観測された。この結果は、基材2の半導体層3の形成面4であるRh(111)面上にAlN(0001)がエピタキシャル成長したことを示している。
また、このRHEED法により得られた回折パターンから、面内のエピタキシャル関係は、格子不整合度が15.7%となるAlN[11−20]//Rh[1−10]であることが導かれる。このように、Rhの六角形の結晶構造上にAlNの六角形の結晶構造が重なって形成されることで、界面エネルギーを低下させて界面反応を防止し、界面反応層が形成されることを防止することができる。
次に、半導体層3の表面をGIXR(Grazing Incidence X-ray Reflectively:X線反射率)法により解析し、図6に示す結果を得た。この解析結果に論理的フィッティングを掛けたところ、界面反応層が存在しないことを示す結果が得られた。すなわち、この結果は基材2と半導体層3との間に急峻なヘテロ界面を得ることができたことを示している。これは、上述のRHEED法により得られた結果を裏付けるものである。
次に、半導体層3の表面をEBSD(Electron Back Scattering Diffraction:電子線後方散乱回折)法により解析し、図7に示すAlN{11−24}EBSD極点図を得た。この結果は、面内のエピタキシャル関係がAlN[11−20]//Rh[1−10]であることであることを示している。これは、上述のRHEED法の結果を裏付けるものである。また、図7はAlNに30°回転ドメインが存在しない高品質のエピタキシャルな半導体層3が形成されていることを示している。
次に、半導体層3の表面をXPS法により解析したところ、図8に示すようにRh3dピークは観測されず、半導体層3の表面へのRh原子の拡散は見られなかった。この結果は、上述の製造方法によって界面層が生じることなく、高品質の半導体層3が形成されたことを示している。
一方、上述の方法により形成された半導体層3と比較するため、従来のMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)法等を想定し、約750℃の温度で基材2の半導体層3の形成面4上にAlNを成長させて半導体層を形成した。そして、形成した半導体層をRHEED法により解析したところ、図9に示すように、リング状のパターンが観測された。この結果は、基材2上に多結晶のAlNが形成されたことを示している。
また、上述の750℃の温度で形成した半導体層の表面をGIXR法により解析し、図10に示す結果を得た。この測定結果に論理的フィッティングを施したところ、約12nmの界面反応層が存在することを示す結果が得られた。
次いで、650℃の温度で同様に半導体層を形成し、RHEEDにより解析したところ、図5に示すようなスポット状のパターンの上に、図9に示すようなリング状のパターンが重なったパターンが観測された。この結果は、基材2上の半導体層に依然として多結晶のAlNが存在するが、(0001)構造が優位になり始めていることを示している。
次いで、350℃および550℃の温度で同様に半導体層を形成し、RHEED法により解析したところ、図5に示すように、明瞭なスポット状のパターンが観測された。この結果は、450℃の温度で半導体層3を形成した場合と同様に、基材2の半導体層の形成面であるRh(111)面上にAlN(0001)がエピタキシャル成長したことを示している。さらに、350℃よりも低い温度で同様に半導体層を形成しRHEED法により解析したところ、図9に示すようなリング状のパターンが測定された。この結果は、350℃よりも低い温度では、基材2上の半導体層は多結晶のAlNによって形成されることを示している。
また、上述のように、350℃、450℃、550℃、650℃および750℃の温度で形成した半導体層をそれぞれGIXR法により解析し、それぞれ論理的フィッティングを掛けることにより、図11に示す結果を得た。図11は、約350℃以上かつ550℃以下の温度範囲では、基材2と半導体層との間に界面反応層が形成されることを防止でき、界面反応層が存在しない急峻なヘテロ界面が形成されることを示している。また、550℃よりも高い温度範囲では基材2と半導体層との間に界面反応層が形成されることを示している。
さらに、これらの異なる温度によって形成された半導体層の表面をXPS法により解析し、図12に示す結果を得た。図12に示すように、650℃および750℃の温度で形成された半導体層ではRh3dピークが観測された。このときのRhの表面濃度の推定値はそれぞれ0.1%および0.6%であった。この結果は、基材2と半導体層との間の界面反応により、半導体層にRh原子が拡散したことを示している。
一方、550℃以下の温度ではRh3dピークは観測されず、半導体層表面へのRh原子の拡散は見られなかった。この結果は、550℃以下の温度で半導体層を形成することで、基材と半導体層との間での界面反応を防止し、界面反応層が形成されることを防止でき、基材2と半導体層との間に急峻なヘテロ界面が形成されることを示している。
また、上述のように450℃の温度で形成した半導体層3を、450℃、550℃、650℃、および750℃の温度で熱処理し、それぞれGIXR法により解析し、論理的フィッティングを掛けることにより、図13に示す結果を得た。図13に示すように、半導体層3が熱処理によって550℃よりも高い温度になっても、基材2と半導体層3との間に界面反応層が形成されることはなく、急峻なヘテロ界面を維持することができる。
さらに、これらの熱処理した半導体層3の表面をXPS法により解析し、図14に示す結果を得た。図14に示すように、Rh3dピークは観測されず、約450℃、すなわち350℃以上かつ550℃以下の温度範囲で形成された半導体層は、550℃よりも高い温度での熱処理によっても、Rh原子が半導体層の表面に拡散することがないことを示している。
以上説明したように、本実施形態の半導体基板の製造方法によれば、PLD法を用い、350℃以上かつ550℃以下の温度範囲でAlNの半導体層3を形成することで、半導体層3と基材2との間での界面反応を防止し、半導体層3と基材2との間に界面反応層が形成されることを防止できる。したがって、熱伝導性に優れ、紫外線等の短波長の光に対する反射性に優れたRhの基材2上に、界面反応層のない高品質なAlNの半導体層3を形成することができる。
また、半導体層3を形成する工程の前に、基材2の半導体層3の形成面4を原子レベルまで平坦化することで、半導体層3の形成面4にAlNの半導体層3をエピタキシャル成長させることができる。これにより、半導体層3の品質を向上させることができる。
また、形成した半導体層3を550℃よりも高い温度で熱処理しても、急峻なヘテロ界面を維持することができ、Rh原子が半導体層3の表面に拡散することがないので、半導体層3上に、さらにGaN等のIII族窒化物の半導体層をエピタキシャル成長させることができる。
〔紫外線発光装置〕
次に、本実施形態の紫外線発光装置について説明する。
図15に示すように、紫外線発光装置10は、上述した半導体基板1の半導体層3上にGaNからなる第二の半導体層5を備えている。AlNからなる半導体層3、GaNからなる半導体層5、および図示しない配線等により、基材2上に紫外線発光素子6が形成されている。
また、本実施形態の別の紫外線発光装置20は、図16に示すように、支持基板7上に上述したRhからなる基材2およびAlNからなる半導体層3が形成され、半導体層3上にGaNからなる第二の半導体層5を備えている。また、図15に示す紫外線発光装置10と同様に、AlNからなる半導体層3、GaNからなる半導体層5、および図示しない配線等により、基材2上に紫外線発光素子6が形成されている。支持基板7としては、例えば、ガラス等の絶縁材料、金属等の導電材料、シリコン等の半導体材料等を用いることができる。
上述のように、紫外線発光素子6は紫外線等の短波長の光に対する反射率の高いRhからなる基材2上に形成されているので、紫外線発光素子6によって基材2側に発せられた紫外光を基材2の表面で反射させ、紫外線発光装置10,20の紫外線の取り出し効率を向上させることができる。また、サファイア等の従来の基材と比較して熱伝導率の高いRhからなる基材2によって半導体層3の熱放散を促進し、半導体層3の温度上昇により紫外線発光素子6の性能が低下することを防止することができる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施形態で説明した半導体基板では、ロジウムからなる基材上に半導体層を形成する場合について説明したが、例えば、金属等の支持基材上にロジウム薄膜を形成し、ロジウム薄膜上に半導体層を形成してもよい。これにより、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
また、基材上に350℃以上かつ550℃以下の温度でIII族窒化物の半導体層をエピタキシャル成長させる方法として、PLD法以外の方法を用いてもよい。PLD法以外の方法としては、PED(Pulsed Electron Deposition:パルス電子線堆積)法またはスパッタリング法等、高いエネルギーでIII族窒化物を蒸着させる方法を用いることで、上述の温度範囲で基材上にIII族窒化物の半導体層をエピタキシャル成長させることができる。
本発明の実施形態における半導体基板の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態における基材の光の波長と反射率の関係を表す図である。 同、半導体層形成面の酸素(O1s)のXPSスペクトルを表す図である。 同、半導体層形成面の炭素(C1s)のXPSスペクトルを表す図である。 本発明の実施形態における半導体層のRHEED法の回折パターンである。 同、半導体層のGIXR法による解析結果を示す図である。 同、半導体層のAlN{11−24}EBSD極点図である。 同、半導体層のXPSスペクトルを表す図である。 従来の方法で形成した半導体層のRHEED法の回折パターンである。 同、半導体層のGIXR法による解析結果を示す図である。 半導体層の形成温度と界面反応層の厚さとの関係を示す図。 異なる温度で形成された半導体層のXPSスペクトルを表す図。 本発明の実施形態における半導体層の熱処理温度と界面反応層の厚さとの関係を示す図。 本発明の実施形態における半導体層の熱処理後のXPSスペクトルを表す図。 本発明の実施形態における紫外線発光装置の概略構成を表す断面図である。 本発明の実施形態における別の紫外線発光装置の概略構成を表す断面図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 基材
3 半導体層
4 形成面
5 半導体層
6 紫外線発光素子
10 紫外線発光装置
20 紫外線発光装置

Claims (13)

  1. ロジウムからなる基材と、前記基材の表面にIII族窒化物からなる半導体層とを備えたことを特徴とする半導体基板。
  2. 表面にロジウム薄膜が形成された基材と、前記ロジウム薄膜の表面にIII族窒化物からなる半導体層とを備えたことを特徴とする半導体基板。
  3. 前記III族窒化物は、少なくともIn、Ga、Alのいずれかを含んで構成され、下記化学式(I)によって表されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体基板。
    InGaAl1−X−YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦X+Y≦1)…(I)
  4. 前記III族窒化物の結晶構造が単結晶であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体基板。
  5. 前記半導体層はロジウムの(111)面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体基板。
  6. ロジウムからなる基材の表面に、PLD法、PED法、スパッタリング法のいずれかを用い、350℃以上かつ550℃以下の温度範囲でIII族窒化物の半導体層を形成する工程を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  7. 基材上に形成されたロジウム薄膜の表面に、PLD法、PED法、スパッタリング法のいずれかを用い、350℃以上かつ550℃以下の温度範囲でIII族窒化物の半導体層を形成する工程を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  8. 前記半導体層を形成する工程の前に、前記基材の前記半導体層の形成面を平坦化する平坦化工程を有することを特徴とする請求項6記載の半導体基板の製造方法。
  9. 前記半導体層を形成する工程の前に、前記ロジウム薄膜の前記半導体層の形成面を平坦化する平坦化工程を有することを特徴とする請求項7記載の半導体基板の製造方法。
  10. 前記平坦化工程は、機械研磨あるいは機械化学研磨によって前記形成面を研磨する工程と、前記基材を超高真空チャンバー中で熱処理を行う工程とを有することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の半導体基板の製造方法。
  11. 前記半導体層の形成面はロジウムの(111)面であることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれかに記載の半導体基板の製造方法。
  12. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の半導体基板を備え、前記半導体層により紫外線発光素子が形成されていることを特徴とする紫外線発光装置。
  13. 前記紫外線発光素子は、前記半導体層が複数積層されて形成されていることを特徴とする請求項12記載の紫外線発光装置。
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