JP2004265837A - 表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器並びに表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器の製造方法 - Google Patents

表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器並びに表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器の製造方法 Download PDF

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Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Kazunari Umetsu
一成 梅津
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Abstract

【課題】構造が簡単で、外気の遮断効果がより高く、製造工程での加熱により表示特性に影響を与えないような構造の表示パネル、そのパネルの製造方法等を得る。
【解決手段】有機化合物による電解発光素子を用いた表示を行う表示部1及び表示部1に表示を行わせるための電力を外部から供給するための取り出し電極4とが形成された土台用基板3と、表示部1を間にして土台用基板3と対向し、表示部を封止する透明基板2とを表示部1を囲む周縁部分で接合し、表示部1を封止した封着部5を有し、封着部5は、取り出し電極4上には熱伝導性の低い断熱絶縁膜5Aを成膜した上で、さらに土台用基板3側から封止用基板2に向けて、拡散防止層5B、低融点金属層5D、拡散防止層5Fの順で構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示パネル、そのパネルを用いた電子機器等に関するものである。特に水分、温度等に影響を受けやすい有機電界発光素子を表示部分に用いた表示パネル等に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラットな表示パネルは、携帯電話機をはじめとしてコンピュータ、電子手帳、携帯ゲーム機等といった様々な電子機器、家電機器に利用されている。しかも、その種類も豊富で、例えば液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマ表示パネル(PDP:Plasma Display Panel)等、様々な種類の表示パネルが提供されている。また、有機化合物又は無機化合物(以下、単に有機、無機という)を利用した電界発光素子(以下、EL素子という)の表示パネル(ELD:Electro Luminescence Display)も提供されている。特に表示部分に有機化合物を用いた有機EL素子は、自己発光であるため自認性がよく、応答速度が速いので、その素子を利用した表示パネルは動画を表示するために有望な装置である。
【0003】
ここで、表示パネルでは、通常、表示部分を保護するため、表示部分を封止している。特に、現在の有機EL素子は、水分、酸素等の影響を受けると、電極との間で剥離を起こしてしまったり、素子自体が変質してしまったりしてその発光寿命が短くなってしまう。そこで、表示パネルを水分、酸素等(これらを含む外気)から遮断し、封止するための技術が様々提供されている。例えば無機EL素子を用いた例であるが、無機EL素子が形成された基材と封止部材とを低融点金属を用いて封止する方法(特許文献1及び2参照)がある。この方法は、電機絶縁性薄膜又は絶縁層を介して下部電極取り出し部(導電性薄膜リード又はリード)上又は対向電極取り出し部(導電性薄膜リード又はリード)上に設けた封着用の金属(金属はんだ材又は低融点金属)を溶融、固化させるものである。また、有機EL素子を用いた例についても、同様に低融点金属を用いて封止する方法(特許文献3参照)がある。この方法は、有機EL素子が形成された透光性基材と封止部材とを各々の外表面で低融点金属製の封着層を封着し、また、その封着層に対し、間隔をあけてあらかじめ電極取り出し部を形成するものである。また、場合によっては乾燥剤を内部に封入する。
【0004】
【特許文献1】
特公平3−80314号公報
【特許文献2】
特開平4−278983号公報
【特許文献3】
特開平10−172757号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
金属を利用した封止方法は、封止の効果を上げるには適した方法であるが、封止を行う過程で加熱を行う工程を伴う。特に有機EL素子は熱による損傷を受けやすい。そのため、特許文献1及び2のような方法では、有機EL素子が形成されている基板と封止部材を互いに封着させた場合、封着用の金属を溶融させる際に加えた熱が下部電極取り出し部や対向電極取り出し部を介して有機EL素子に伝導されてしまう。そのため、この熱によって有機EL素子が熱損傷を受ける。その結果として最終的に得られる表示パネルの表示特性も低下する。また、特許文献3のような方法では、間隔をあけるために電極取り出し部の構成が複雑になってしまい、封着時の熱が封止部材や空間を通して有機EL素子に伝導させてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、構造が簡単で、外気の遮断効果がより高く、製造工程での加熱により表示特性に影響を与えないような構造の表示パネル、そのパネルの製造方法等を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示パネルは、有機化合物による電界発光素子を用いた表示を行う表示部及び表示部に表示を行わせるための電力を外部から供給するための取り出し電極が形成された土台用基板と、表示部を間にして前記土台用基板と対向し、表示部を封止する封止用基板とを表示部を囲む周縁部分で接合し、表示部を封止した封着部を有し、封着部は、取り出し電極上には熱伝導性の低い絶縁膜を成膜した上で、さらに土台用基板側から封止用基板に向けて、低融点金属を安定させるための拡散防止層、低融点金属層、拡散防止層の順で構成する。
本発明においては、有機電界発光素子による表示部と取り出し電極とが形成された土台用基板と封止用基板とで、空気、水分等に触れないように表示部を封止する。その封着部分の構成は、取り出し電極上には特に熱伝導性の低い絶縁膜を成膜した上で、表示部の周縁部分に、さらに土台用基板側から封止用基板に向けて、低融点金属を安定させるための拡散防止層、低融点金属層、拡散防止層の順で構成する。したがって、金属封止によって気密性を格段に向上し、外気及び水分の侵入を防ぐことができるので、有機電界発光素子で構成された表示部分の寿命を長持ちさせることができる。また、融点の低い金属を溶融させて封着するので加工時に加わる熱を低く抑え、さらに、取り出し電極上には熱伝導性の低い絶縁膜を成膜して取り出し電極からの熱伝導を抑えるので、表示部を構成する有機化合物に影響を与えることなく、表示性能のよい表示パネルを得ることができる。また、封止(封着)を行うために構造を複雑にしなくてもよい。
【0008】
また、本発明に係る表示パネルの封止用基板は凹部を有し、凹部により少なくとも表示部を覆い被せるものである。
本発明においては、封止用基板は凹部を有しており、表示部を凹部で覆い被せる、いわゆる缶封止を行う。したがって、乾燥剤を封入することができ、また、封止用基板の高さを凹部の高さに合わせて調整することができる。
【0009】
また、本発明に係る表示パネルは、低融点金属層とそれぞれの拡散防止層との間に、さらに金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する。
本発明においては、低融点金属層ののびをよくするために、低融点金属との間で濡れ性がよい、金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する。したがって、接合時のレベリング性をさらによくすることができ、低融点金属を均一に封着することができる。
【0010】
また、本発明に係る表示パネルは、熱伝導性の低い絶縁膜をシリコン酸化物で成膜する。
本発明においては、低融点金属の溶融による熱が取り出し電極から表示部へできるだけ伝導しないように熱伝導性の低い絶縁膜をシリコン酸化物で成膜する。したがって、取り出し電極から表示部への熱伝導を抑えることができ、表示部を構成する有機化合物に影響を与えることなく、表示性能のよい表示パネルを得ることができる。
【0011】
また、本発明に係る表示パネルは、拡散防止層がクロムとニッケルとの2層構造である。
本発明においては、ガラスになじむクロムを封止用基板及び土台用基板に下地の層として形成し、さらに低融点金属となじむニッケルを層として形成する。したがって、低融点金属がよくなじみ、表示部周縁全体の封着をよくすることができる。
【0012】
また、本発明に係る表示パネルでは、クロムの代わりにチタン又はチタン・タングステンの合金で形成する。
本発明においては、クロムと同様にガラスになじむチタン又はチタン・タングステンの合金をクロムの代わりとして用いる。したがって、クロムと同様に、低融点金属の表示部周縁全体への封着をよくすることができる。
【0013】
また、本発明に係る表示パネルでは、ニッケルの代わりにニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金で形成する。
本発明においては、ニッケルと同様に低融点金属となじむニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金をニッケルの代わりとして用いる。したがって、ニッケルと同様に、低融点金属の表示部周縁全体への封着をよくすることができる。
【0014】
また、本発明に係る表示パネルでは、低融点金属層は低融点金属層の材料となる低融点金属の融点以上の耐熱性を有し、所望の厚みの低融点金属層を確保するためのギャップ剤を含有する。
本発明においては、例えば銅、シリカ等の低融点金属の融点以上の耐熱性を有する材料で作られたギャップ剤を低融点金属層に含む。したがって、所望の厚さの低融点金属を確保することができる。
【0015】
また、本発明に係る表示パネルでは、低融点金属層は、スズ、スズ・銀の合金、スズ・銀・銅の合金、スズ・銀・銅・ビスマスの合金又はインジウムを材料として形成する。
本発明においては、低融点金属層には、スズ、スズ・銀の合金、スズ・銀・銅の合金、スズ・銀・銅・ビスマスの合金又はインジウムを材料とする。したがって、表示部に用いる有機化合物に影響を与えずに封着を行うことが可能である。
【0016】
また、本発明に係る表示パネルは、低融点金属層は、鉛フリーのハンダを材料として形成する。
本発明においては、封止接合を行うための金属として代表的な鉛フリーのハンダを材料として低融点金属層が構成される。したがって、したがって、表示部に用いる有機化合物に影響を与えずに封着を行うことが可能である。また、鉛フリーであるので環境にもよい。
【0017】
また、本発明に係る表示パネルにおいて、封止された内部は、真空環境又は不活性ガスが充填された環境にする。
本発明においては、水分及び酸素が表示部と触れないようにするため、覆われて封止された部分は、真空又は不活性ガスを充填する。したがって、特に表示部が有機EL素子で構成されている場合には、素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。
【0018】
また、本発明に係る電子機器は、上記した表示パネルを備え、表示機能を行わせるものである。
本発明においては、携帯電話機、デジタルカメラ等の電子機器の表示部分に本発明の表示パネルを用いる。したがって、外気の侵入を防ぎ、特に電界発光素子の場合には、発光の効率及び寿命を損ねることなく、表示機能に関しては長寿命の電子機器を得ることができる。
【0019】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、外部から電力を供給するための取り出し電極及び表示部分となる位置に画素単位に設ける下部電極を土台用基板に形成する工程と、土台用基板に形成された下部電極の周縁部分及び土台用基板の反対の面から表示部を封止するための封止用基板の周縁部分に対応する位置に、低融点金属を安定させるための拡散防止層を形成する工程と、土台用基板又は封止用基板に形成した拡散防止層の上に、さらに低融点金属層を形成する工程と、有機化合物による電界発光素子を表示部分に形成し、さらに上部電極を形成する工程と、レーザによる局所加熱で低融点金属層を溶融させ、前記土台用基板と前記封止用基板とを所望の位置で固定した上で凝固させて封着する工程とを有するものである。
本発明においては、有機化合物を材料にして電界発光する表示部の中で、有機化合物ではない部分である取り出し電極と下部電極とを形成した後、封止用基板と土台用基板それぞれに対して、表示部の周縁に拡散防止層を形成し、さらに、どちらか又はどちらにも低融点金属層を形成する。その後、有機化合物による電界発光素子を表示部分に形成する。そして、重ね合わせてレーザによる加熱を行って金属を溶融させた後に所定の位置で凝固させ、封着する。したがって、金属封止によって気密性を格段に向上し、外気及び水分の侵入を防ぐことができ、有機電界発光素子で構成された表示部の寿命を長持ちさせることができる。また、融点の低い金属を溶融させて封着するので加工時に加わる熱を低く抑え、表示部を構成する有機化合物に影響を与えることなく、表示性能のよい表示パネルを得ることができる。
【0020】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、低融点金属層を溶融させた後、土台用基板と封止用基板とを所望の位置で固定した上で凝固させるものである。
本発明においては、位置固定のために、低融点金属層を溶融させた後、土台用基板と封止用基板とを所望の位置で固定してから凝固させる。したがって、封止用基板と土台用基板との間でずれのない表示パネルを得ることができる。
【0021】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、拡散防止層を形成する工程の前に、少なくとも取り出し電極上に熱伝導性の低い絶縁膜を成膜する工程を有するものである。
本発明においては、取り出し電極上に熱伝導性の低い絶縁膜を成膜する。したがって、取り出し電極から表示部への熱伝導を抑えることができる。
【0022】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法において、拡散防止層は、チタン、チタン・タングステンの合金又はクロムのうちいずれかの金属と、ニッケル、ニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金のいずれかの金属とを積層する。
本発明においては、チタン、チタン・タングステンの合金又はクロムのうちいずれかの金属と、ニッケル、ニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金のいずれかの金属とを積層して拡散防止層を構成する。したがって、低融点金属がよくなじみ、表示部周縁全体の封着をよくすることができる。
【0023】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、拡散防止層を形成する工程と低融点金属層を形成する工程との間に、金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する工程を有するものである。
本発明においては、低融点金属層ののびをよくするために、低融点金属との間で濡れ性がよい、金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する行程を有する。したがって、接合時のレベリング性をさらによくすることができ、低融点金属を均一に封着することができる。
【0024】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法において、拡散防止層、金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する工程は、拡散防止層となるチタン、チタン・タングステンの合金又はクロムのいずれかの層とニッケルの層及び金又は銅のいずれかを材料とする層とをスパッタ又は蒸着させて形成する。
本発明においては、チタン、チタン・タングステンの合金又はクロムのいずれかの層とニッケルの層及び金又は銅のいずれかの層とをスパッタ又は蒸着させて形成する。したがって、低融点金属層以外の層を同じマスクを用いて形成することができる。
【0025】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法において、拡散防止層、金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する工程は、拡散防止層となるニッケルの層及び金又は銅のいずれかを材料とする層とを電解めっき法で形成する。
本発明においては、ニッケルの層及び金又は銅のいずれかの層とを電解めっき法で形成する。したがって、形成の工程時間を短縮することができる。
【0026】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法において、拡散防止層、銅を材料とする層及び低融点金属層を形成する工程は、拡散防止層となるニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金の層、銅を材料とする層及び低融点金属層となるスズとを無電解めっき法で形成する。
本発明においては、ニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金の層、銅の層及びスズの層とを無電解めっき法で形成する。したがって、拡散防止層から低融点金属層までを無電解めっき法によって形成することができ、形成の工程時間を短縮することができる。
【0027】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法では、低融点金属を局所加熱するレーザを、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ又はYAGレーザとする。
本発明においては、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ又はYAGレーザのような様々な波長を有するレーザを用いて局所加熱する。したがって、低融点金属の材料に応じた加熱ができる。
【0028】
また、本発明に係る電子機器の製造方法は、上記の製造方法で製造した表示パネルに対し、さらに低融点金属層を構成する低融点金属の融点以下の温度環境で実装する工程を有するものである。
本発明においては、表示装置、携帯電話機、デジタルカメラ等の電子機器の表示部分として表示パネルを用いるため、その実装時に低融点金属の融点以下の温度環境で実装する。例えば低融点金属層にスズ(融点230℃)を用いた場合は、それより温度が低いスズの合金等のようなさらに融点の低い金属を用いて実装する。したがって、気密性を保ったまま実装を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係る表示パネルの断面図である。表示部1は、表示信号(電力供給量で表される)に基づいて実際の表示が行われる部分である。本実施の形態では表示部1には有機EL素子を用いるものとする。表示部1の表示に関しての最小単位は画素である。表示部1において、画素は二次元(水平方向、垂直方向)に配置されているものとする。この画素単位で、後述するTFT回路17に構成されている各スイッチング素子(トランジスタ)、個別電極11A、発光体となる有機化合物等が形成され、発光量(表示階調)の制御がなされる。TFT回路17上の各スイッチング素子は、取り出し電極4と電気的に接続されている。そして、取り出し電極4を介して、発光させるための電力供給(表示信号)を外部から受け、その供給量に基づいた階調で発光する。封止用基板となる透明基板2は、例えば硼珪酸系の硬質ガラスが材料として用いられている。本実施の形態では、凹部が形成され、窪みを有する透明基板2を用い、土台用基板3上に形成された表示部1を外気から遮断するため、窪んだ部分の内側で表示部1を被うものとする(つまり缶封止するものとする)。土台用基板3は表示部1を形成するための土台となる基板である。本実施の形態では土台用基板3についても硼珪酸系の硬質ガラスを用いるものとする。この場合、同じ材料であるので、熱膨張しても同じ係数であり、都合がよい。取り出し電極4は、外部からの電力供給(表示信号の送信)を表示部1に対して行うための導電性薄膜リード配線又はリード配線である。本実施の形態では、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム酸化錫)を材料として取り出し電極4を形成する。取り出し電極4は、2次元配置されている画素を特定するために、水平方向、垂直方向からそれぞれ電力供給を行う。そのため、本実施の形態では、表示部1の左部分及び上部分の2箇所に設け、透明基板2の外部に露出しているものとする。ただし、取り出し箇所、方法についてはこれに限定するものではない。
【0030】
封着部5は透明基板2と土台用基板3とを封着し、表示部1を外気から遮断するためのものである。封着部5は、土台用基板3から透明基板2に向けて、断熱絶縁膜5A、拡散防止層5B、Au層5C、低融点金属層5D、Au層5E、拡散防止層5Fの順に層を成している。断熱絶縁膜5Aは、取り出し電極4が形成されている部分の上部に形成する膜である。取り出し電極4から他の層に電気が漏れないようにし、かつ、低融点金属を溶融させた際の熱が取り出し電極4を介して表示部1に伝導しないようにするために設けるものである。拡散防止層5B及び5Fは、さらにTi(チタン)、Ni(ニッケル)を材料とした2層構造である。透明基板2及び土台用基板3にそのまま低融点金属層5Dを形成しようとしても、ガラスを材料とする透明基板2及び土台用基板3は、溶融した低融点金属を弾いてしまい、所望の位置にうまく留めておくことができない。そのため、表示部1を熱してしまったり、所望する厚さの層ができなかったりする。そこで、濡れ性を改善し、溶融した低融点金属を所望の部分に留めるために拡散防止層5B及び5Fを設ける。ここで、Tiの代わりに、Cr(クロム)、Ti・W(チタン・タングステン)を用いてもよい。また、Niの代わりにNi・P(ニッケル・リン)、Ni・B(ニッケル・ボロン)を用いることもできる。
【0031】
拡散防止層5Bによっても、本発明の効果は十分得られるが、本実施の形態ではAu層5C及び5Eを設ける。Au層5C及び5Eは、上部の層となる低融点金属層5Cの低融点金属ののびをよくするためにAu(金)を材料として設けられる層である。
【0032】
低融点金属層5Dは、気密性の高い封着を行うため、低融点(ここでは250℃以下の融点のものを低融点とする)の金属(合金を含む)によって封止を行うものである。上述したように、表示部1が熱によって変性してしまう可能性を有する有機化合物材料で構成されている場合を考慮し、低い温度で固体から液体に溶融する低融点金属を用いる。ここでは、Sn(スズ:融点232℃)、Sn・Ag(スズ・銀:融点221℃)、Sn・Ag・Cu(スズ・銀・銅:融点220℃)、Sn・Ag・Cu・Bi(スズ・銀・銅・ビスマス:融点210℃)、In(インジウム:融点157℃)の低融点金属を材料として用いるが、特にこれらに限定するものではない。例えば、表示部1にある有機化合物を変性させないような融点であればよい。とはいえ、融点が低すぎても、他の製造過程で熱や動作環境の中で与えられる熱で溶融しないような材料でなければならない。また、封着時にレーザ光を用いて低融点金属を溶融させるため、レーザによって融点に加熱できない材料は用いることができない。ここで、低融点金属のような気密性の高い材料として低融点ガラス等も考えられる。ただ、低融点ガラスは溶融した際にガス(気体)を発生する。このガスが表示部1の有機化合物に与える影響を考慮し、本実施の形態では、低融点ガラスではなく、低融点金属を封止材料として用いるものとする。ただ、低融点ガラスを封止材料として用いる可能性を否定するものではない。
【0033】
図2は表示部1を構成する最小単位である1画素の構成例を表す図である。図2はトップエミッション型の表示部を表す。図2のような表示部1では、下部に設けられた個別電極11Aと上部に設けられた透明導電層11Bで電極を構成する。個別電極11Aは、表示を行うための最小の単位である画素毎に設けられた電極である。本実施の形態ではTFT(Thin Film transistor)回路17による制御を受け、光の反射板となる金属(例えばAl(アルミニウム))を個別電極11Aとして用いるものとする。また、個別電極11Aは正電荷(正孔、ホール)を供給するものとする。一方、透明導電層11Bは画素毎に設けず、表示部1の全面に成膜する。透明導電層11Bは負電荷(電子)を供給する。本実施の形態においては、透明導電層11Bを、例えばInCeO(Indium Cerium Oxide:インジウム酸化セリウム)/Ag(銀)/InCeOの3層構造からなる材料で構成する。ここでAgは銀合金でもよい。また、この材料の代わりに透明導電材料であるITOを用いてもよい。
【0034】
正孔注入層12は個別電極11Aから供給された正電荷を注入するための層である。本実施の形態では前述したITOを材料として用いるものとする。ITOは仕事関数が高いので正電荷を注入するための材料として特に有効である。また、有機化合物よりも変性に対する耐熱性を有するため、封着部5を形成する前に形成させておくこともできる。ここでは、個別電極11Aと正孔注入層12とを別の材料で形成しているが、これらを共にITOで形成することもできる。絶縁保護膜19は、ある画素に供給された電荷が隣接する画素に漏れる等の、影響を与えないようにするため、各画素を電気的に絶縁し、さらに個別電極11A等を保護する。また、液滴吐出方式で所定の有機化合物を溶液を画素の位置に吐出した場合に、その溶液の濡れ性をよくするための膜である。絶縁保護膜19は、シリコン酸化膜を材料として用いる。本実施の形態ではシリコン酸化膜にSiOを用いるものとする。絶縁保護膜19には正孔を供給するために画素毎に開口部19Aが設けられている。バンク13は例えばアクリルを構成材料としている。バンク13は表示部1の有機EL素子となる各層(具体的には正孔注入層12、正孔輸送層14及び発光ポリマー層15)となる有機化合物の溶液を液滴吐出方式(インクジェット方式)で吐出して固化させて形成する場合に、堰の役割を果たすものである。また、各画素が隣接する画素に影響を及ぼさないように分離するための役割も果たす。
【0035】
正孔輸送層14は、正孔注入層12(個別電極11A)から供給される正孔を発光ポリマー層15に輸送し、電子注入層16から注入された電子を発光ポリマー層15に閉じこめる役割を果たすための層である。発光ポリマー層15は、注入、輸送された正孔、電子とが結合することにより、実際に発光する層である。本実施の形態では発光ポリマー層15は、電子注入層16から注入された電子を輸送する電子輸送層の役割も兼ねるものとする。電子注入層16は透明導電層11Bから供給された電子を発光ポリマー層15に注入するための層である。
【0036】
TFT回路17は、各画素に設けられた個別電極11Aへの電力供給を制御するための回路である。TFT回路17は、例えば低温ポリシリコン(多結晶シリコン)、高温ポリシリコン又はアモルファスシリコンを材料として用いる。平坦化絶縁膜18は、TFT回路17を形成することで土台用基板3に生じた凹凸を吸収して平坦にし、その上に各画素の構成物を形成するための膜である。平坦化絶縁膜18には、ポリイミド、アクリル等の平坦性に優れた材料を用いる。ここで、TFT回路17と個別電極11Aとを電気的に接続するため、平坦化絶縁膜18は、各画素に対応したスルーホール18Aを有している。
【0037】
ここで、図2では表示部1はトップエミッション型であり、透明導電層11B側から外部に光が発せられる構造となっている。ただ、本発明は、表示部1がトップエミッション型であることに限定するものではない。また、本実施の形態では、表示部1がバンク13、電子輸送層14等を有する構成を採っているが、有機EL素子による表示を行うための構成には様々な形態があり、それら全てに本発明を適用することができる。
【0038】
本実施の形態における表示パネルは、透明基板2と土台用基板3とを低融点金属を用いて封着する。その際、封着部5は、透明基板2と土台用基板3とに、それぞれ断熱絶縁膜5A、拡散防止層5B及び5F並びに低融点金属層5Dを設け、低融点金属を溶融させ、固化させて封着することにより低融点金属層5Dを形成し、気密性を高くする。断熱絶縁膜5A及び拡散防止層5Bにより、取り出し電極4を電気的に絶縁し、かつ、溶融による熱が表示部1に伝導するのを防ぐことにより、取り出し電極4から表示部1への熱伝導を防ぐ。したがって、表示部1において有機EL素子となる有機化合物を熱損傷から防ぐことができる。なお、本実施の形態で説明のために用いる図面は、見やすさを優先しているため、各構成物の高さ、幅等が実際の比率とは異なる場合がある。
【0039】
図3は表示パネルの製造手順を表す図である。次に本実施の形態の表示パネルの製造手順について説明する。まず、土台用基板3上に、低温ポリシリコン(多結晶シリコン)、高温ポリシリコン又はアモルファスシリコンを付し、そのシリコン上にTFT回路17を形成する。また、この工程において、例えば選択蒸着法、スパッタリング法により、ITOを所望の位置に設け、取り出し電極4も形成する。なお、ここでは、各画素の発光を制御するためのスイッチング素子としてTFTを用いたが、別のスイッチング素子を用いてもよい。また、取り出し電極4についてもITOでなくてもよい。ただし、表示部1への熱伝導性が低い材料の方がよい。
【0040】
その後、スピンコート法によって平坦化絶縁膜18をTFT回路17の上部に成膜し、TFT回路17の形成によって生じた凹凸を平坦にする。そして、TFT回路17と対応する個別電極11Aとの間を電気的に接続し、電力を供給するための接続孔となるスルーホール18Aを平坦化絶縁膜18に形成する。そして、平坦化絶縁膜18上に各画素に対して例えば100nm〜500nmの厚さの個別電極11Aを形成する。個別電極11AはAlをスパッタリング又は蒸着させて形成する。スパッタ又は蒸着により、スルーホール18A内に付着したAlが、TFTと個別電極11Aとの間を電気的に接続することになる。個別電極11Aを形成した後、厚さが例えば50nm〜200nmになるまでITOをスパッタ又は蒸着し、正孔注入層12を形成する。
【0041】
正孔注入層12を形成した後、スパッタリング法又はCVD(Chemical Vapor Deposition :化学気相析出)法によって、絶縁保護膜19となるSiOを厚さが例えば1000nm(1μm)になるまで形成する。その後、緩衝フッ酸溶液(BHP)に浸漬し、ウェットエッチングを行い、画素毎に開口部19Aを形成する。ここでは、絶縁保護膜19の下層である正孔注入層12がフッ酸に強いITOを材料としているため、緩衝フッ酸溶液によるウェットエッチングにより開口部19Aを形成した。例えば、フッ酸に弱いチタン(Ti)のような材料で正孔注入層12を形成した場合には、例えばアルゴン(Ar)の逆スパッタ法を用いて開口部19Aを形成する。
【0042】
開口部19Aを形成した後、その上にアクリルを材料とする層を形成する。そして、フォトリソグラフィ法を行い、各画素において、正孔輸送層14、発光ポリマー層15を形成する領域以外の部分を残すようにする。残った部分はバンク13となる。なお、バンク13は、液滴吐出方式を用いて有機EL素子を構成する場合に必要となるものである。そのため、例えば低分子の有機化合物を、蒸着マスクを用いた選択蒸着法により蒸着させて有機ELを構成する場合には、特に必要なものではない。したがって、このような場合には、バンク13を形成する工程を省略することができる。本実施の形態では、液滴吐出方式を用いると共に、各画素を分離するという観点も考慮し、バンク13を形成するものとする。
【0043】
図4は透明基板2及び土台用基板3に形成する封止部5となる各層の位置関係を表す図である。図4(a)は透明基板2の上面図及びA−A’間の断面図を表し、図4(b)は土台用基板3の上面図及びB−B’間の断面図を表す。次に透明基板2及び土台用基板3に封着部5となる各層を形成する方法について説明する。まず、断熱絶縁膜5Aとなるシリコン酸化膜を土台用基板3上に形成されている取り出し電極4の上に100〜1500nm(0.1〜1.5μm)形成する。絶縁性を確保するためには、約1000nm(1μm)成膜する方が望ましい。本実施の形態では、取り出し電極4は2箇所に設けているので、それぞれの取り出し電極4の上部分に断熱絶縁膜5Aを設ける。シリコン酸化膜の形成にはスパッタ法又はCVD法を用いる。本実施の形態ではシリコン酸化膜としてSiOを用いるが、これに限定するものではなく、例えばSiO等、他のシリコン酸化膜を用いてもよい。また、シリコン酸化膜以外の他の材料を用いることもできる。
【0044】
次に拡散防止層5Bとなる層を土台用基板3に形成し、拡散防止層5FとなるTi(チタン)及びNi(ニッケル)の層をそれぞれ蒸着法又はCVD法により透明基板2上に形成する。Ti(チタン)は、ガラスである透明基板2及び土台用基板3にNi(ニッケル)を形成する役割を果たす。また、Ni(ニッケル)は、低融点金属の拡散を防止するための役割を果たす。Tiは例えば10〜100nm、Niは例えば100〜500nmで形成する。ここで、Tiの代わりにCr(クロム)によって形成してもよい。また、Niの代わりに、Ni・P(ニッケル・リン)、Ni・B(ニッケル・ボロン)を用いた場合には無電解めっき法を用いて形成してもよい。
【0045】
低融点金属の拡散防止を図るためにはNiだけでもその役割を十分果たすことができるが、本実施の形態では低融点金属の伸びをよくするために、さらにAu層5C及び5Eを10〜100nmで形成する。Auの代わりにCu(銅)による層を形成してもよい。Au、Cuについては、スパッタ法、蒸着法、電解めっき法、無電解めっき法を用いて形成することができる。特にCuの場合は、低融点金属層5DをSnで構成する場合に、共に無電解めっきを行うことができる。また、拡散防止層のNiの層を形成する代わりに直接Au、Cuを形成してもよい。
【0046】
そして、Au層5C又は5Eの上層に、低融点金属層5Dとなる低融点金属を設ける。この時点でのそれぞれの低融点金属の厚さは定めないが低融点金属層5Dが数μm確保できるような程度に設けておく。低融点金属を透明基板2側、土台用基板3側のどちらかに設けるようにしてもよいし、どちら側にも設けるようにしてもよい。ただ、取り出し電極4を加熱しないようにするため、透明基板2側からのレーザ照射が望ましい等の理由から低融点金属を透明基板2に設けておく方がよい場合もある。低融点金属層5Dとなる低融点金属として、Sn、Sn・Ag・Cu、Sn・Ag・Cu・Bi、Inを任意の厚さ(数μm)で形成する。低融点金属を形成する方法としては、フラックスに分散させたハンダペーストをスクリーン印刷する方法、電気めっきを用いた方法等がある。また、低融点金属がSnの場合には、Cuを下地として無電解めっき法で形成する方法がある。したがって、封着部5を拡散防止層5B、5FがNi・P、Au層5C、5EがCu、低融点金属層5CがSnの組み合わせで形成する場合には、無電解めっき法を用いることができる。In等の場合には、スパッタリング法、選択蒸着法で形成するという方法もある。さらに、低融点金属の凝固の際に加える圧力に対して接合ギャップを確保して低融点金属層5Dを所望の厚さの層にするため、低融点金属内に融点以上の耐熱性があるギャップ剤を混合した上で設けるようにしてもよい。ギャップ剤としては、例えばCu、シリカを材料とする球体(ビーズ)等がある。これにより、低融点金属層5Dに隙間が生じるのを防ぐことができる。
【0047】
封着部5となる各層を形成した後、その形成加工によって加えられた熱を有機化合物を変性させない程度に放熱した後、正孔輸送層14及び発光ポリマー層15の順に画素毎に形成する。ここでは、液滴吐出法により、バンク13で囲んだ内側(主として開口部19A上部)に有機化合物を含む溶液を吐出し、固化させることにより各層を形成する。正孔輸送層14及び発光ポリマー層15を形成した後、電子注入層16及び透明導電層11Bを表示部1の一面に一括して被覆する。
【0048】
そして、このようにして作成した透明基板2と土台用基板3とを低融点金属により接合し、封着する。透明基板2と土台用基板3とを重ね合わせ、透明基板2側、土台用基板3側又は両方からレーザ光を局所的(選択的)に照射し、低融点金属を溶融する。ただし、取り出し電極4をできるだけ加熱しないように、透明基板2側から照射する方が望ましい。レーザ光により局所的に照射することにより、表示部1に熱の影響を及ぼさなくてすむ。レーザ光を照射するレーザの種類については、例えばYAGレーザ、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ等、特に限定しない。ただし、低融点金属層5Dとなる低融点金属が決まっている場合には、その低融点金属を加熱できる波長のレーザを選択する必要がある。また、レーザを照射する際に回折格子を介して所望の部分を一度に照射させるようにしてもよい。レーザ照射で低融点金属が溶融している間に透明基板2と土台用基板3とを固定し、そのまま凝固させて封着作業を完了する。ここで、溶融した低融点金属は、レベリング性を有しており、平坦になって安定しようとする。したがって、例えば、段差(例えば取り出し電極4が設けられている部分)があったとしても気密性のよい接合が行える。また、低融点金属層5Dの厚さに比して断熱絶縁膜5A並びに拡散防止層5B又は5Fは薄いので、低融点金属のレベリング性には影響を与えない。封着の際、封着した内部を真空にするか又は不活性ガスを充填するようにしてもよい。このようにして封着部5を形成し、表示パネルの製造を完了する。
【0049】
表示パネルの製造が完了した後、低融点金属層5Dを再度溶融させてしまわないような温度(低融点金属の融点より低い温度)で、表示装置を製造するための他の手段(例えば各個別電極11Aへの電力供給のための駆動制御回路等)を実装し、表示装置を完成させる。例えば、融点が232℃のSnで低融点金属層5Dを形成した場合には、それよりもさらに低融点の金属(例えば融点が210℃のSn・Ag・Cu・Biを実装作業に用いて作成すると低融点金属層5Dを溶融させずに実装することができる。
【0050】
以上のように第1の実施の形態によれば、凹部を有する透明基板2と土台用基板3とを低融点金属を用いて封着し、水分や酸素の侵入を防ぐことができ、格段の封止効果を得ることができる。そのため、有機EL素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。また、低融点金属を用いているので、金属を溶融させるための熱を低く抑えられ、融点の低い金属を溶融させて封着するので加工時に加わる熱を低く抑え、さらに、取り出し電極4上には断熱絶縁膜5Aを成膜して取り出し電極4から表示部1への熱伝導を抑えるので、表示部1を構成する有機化合物に影響を与えることなく、表示性能のよい表示パネルを得ることができる。また、Au層5C、5Eを設けたので、低融点金属の伸びをよくし、レベリング性を確保することができ、隙間のない低融点金属層5Dを形成することができる。また、低融点金属にギャップ剤を含んでおけば、低融点金属層5Dの所望の厚さを確保することができる。また、特に乾燥剤等を用いなくてもよいので、低いコストで格段の封止効果を得ることができ、廃棄物の削減にも寄与することができる。ただ、乾燥剤の封入を否定するものではない。本実施の形態での透明基板2は凹部を有し、缶封止を行っているので乾燥剤を封入する空間は確保できる。
【0051】
実施の形態2.
上述の実施の形態では、透明基板2を凹部を有する形状とし、いわゆる缶封止を行ったが、本発明はこれに限定するものではなく、透明基板2を平板で構成してもよい。その場合も第1の実施の形態で説明した封着方法を用いることができる。また、透明基板2、土台用基板3の材料をガラスで構成した。本発明はこれに限定するものではなく、金属材料、変形可能な材料、他の材料を用いて基板を構成するようにしてもよい。その場合、基板の耐熱温度が低い場合には、それに合わせた低融点金属を用いてもよい。
【0052】
実施の形態3.
上述の実施の形態については、透明基板2からの表示としたが、土台用基板3からの表示にすることもできる。また、両面表示を行うこともできる。この場合には、個別電極11Aを透明材料で構成する必要がある。
【0053】
実施の形態4.
図5は本発明の第4の実施の形態に係る電子機器を表す図である。図5(a)はPDA(Personal Digital Assistant)、図5(b)は携帯電話、図5(c)はデジタルカメラを表す。また、本実施の形態では図示していないが、コンピュータ、ゲーム機等、表示機能を有し、表示パネルを用いる電子機器に本発明の表示パネルを利用することができる。
【0054】
実施の形態5.
上述の実施の形態は、全て有機EL素子を用いた表示用パネルについて説明した。ただ、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、無機EL素子等、他の同様な平面の表示パネルでも実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る表示パネルの断面図である。
【図2】1画素の構成例を表す図である。
【図3】本実施の形態の表示パネルの製造手順を表す図である。
【図4】封止部5となる各層の位置関係を表す図である。
【図5】第4の実施の形態に係る電子機器を表す図である。
【符号の説明】
1 表示部、2 透明基板、3 土台用基板、4 取り出し電極、5 封着部、5A 断熱絶縁膜、5B、5F 拡散防止層、5C、5E Au層、5D 低融点金属層、11A 個別電極、11B透明導電層、12 正孔注入層、13 バンク、14 正孔輸送層、15 発光ポリマー層、16 電子注入層、17 TFT回路、18 平坦化絶縁膜、18A スルーホール、19 絶縁保護膜

Claims (22)

  1. 有機化合物による電界発光素子を用いた表示を行う表示部及び該表示部に表示を行わせるための電力を外部から供給するための取り出し電極が形成された土台用基板と、
    前記表示部を間にして前記土台用基板と対向し、前記表示部を封止する封止用基板と
    を前記表示部を囲む周縁部分で接合し、前記表示部を封止した封着部を有し、
    前記封着部は、前記取り出し電極上には熱伝導性の低い絶縁膜を成膜した上で、さらに前記土台用基板側から前記封止用基板に向けて、低融点金属を安定させるための拡散防止層、低融点金属層、拡散防止層の順で構成することを特徴とする表示パネル。
  2. 前記封止用基板は凹部を有し、該凹部により少なくとも前記表示部を覆い被せることを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
  3. 前記低融点金属層とそれぞれの前記拡散防止層との間に、さらに金又は銅のいずれかを材料とする層を形成することを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
  4. 前記熱伝導性の低い絶縁膜を、シリコン酸化物で成膜することを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
  5. 前記拡散防止層が、クロムとニッケルとの2層構造であることを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
  6. 前記クロムの代わりに、チタン又はチタン・タングステンの合金で形成することを特徴とする請求項5記載の表示パネル。
  7. 前記ニッケルの代わりに、ニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金で形成することを特徴とする請求項5記載の表示パネル。
  8. 前記低融点金属層は、前記低融点金属層の材料となる低融点金属の融点以上の耐熱性を有し、所望の厚みの前記低融点金属層を確保するためのギャップ剤を含有することを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
  9. 前記低融点金属層は、スズ、スズ・銀の合金、スズ・銀・銅の合金、スズ・銀・銅・ビスマスの合金又はインジウムを材料として形成することを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
  10. 前記低融点金属層は、鉛フリーのハンダを材料として形成することを特徴とする請求項1記載の表示パネル。
  11. 封止された内部は、真空環境又は不活性ガスが充填された環境にすることを特徴とする請求項1又は2記載の表示パネル。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の表示パネルを備え、表示機能を行わせることを特徴とする電子機器。
  13. 外部から電力を供給するための取り出し電極及び表示部分となる位置に画素単位に設ける下部電極を土台用基板に形成する工程と、
    少なくとも取り出し電極上に熱伝導性の低い絶縁膜を成膜する工程と、
    土台用基板に形成された前記下部電極の周縁部分及び前記土台用基板の反対の面から前記表示部を封止するための封止用基板の前記周縁部分に対応する位置に、低融点金属を安定させるための拡散防止層を形成する工程と、
    前記土台用基板又は前記封止用基板に形成した前記拡散防止層の上に、さらに低融点金属層を形成する工程と、
    有機化合物による電界発光素子を前記表示部分に形成し、さらに上部電極を形成する工程と、
    レーザによる局所加熱で前記低融点金属層を溶融させ、凝固させて封着する工程と
    を有することを特徴とする表示パネルの製造方法。
  14. レーザによる局所加熱で前記低融点金属層を溶融させた後、前記土台用基板と前記封止用基板とを所望の位置で固定した上で凝固させることを特徴とする請求項13記載の表示パネルの製造方法。
  15. 前記拡散防止層を形成する工程の前に、少なくとも取り出し電極上に熱伝導性の低い絶縁膜を成膜する工程を有することを特徴とする請求項13記載の表示パネルの製造方法。
  16. 前記拡散防止層は、チタン、チタン・タングステンの合金又はクロムのうちのいずれかの金属と、ニッケル、ニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金のうちいずれかの金属とを積層することを特徴とする請求項13記載の表示パネルの製造方法。
  17. 前記拡散防止層を形成する工程と前記低融点金属層を形成する工程との間に、金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する工程を有することを特徴とする請求項15記載の表示パネルの製造方法。
  18. 前記拡散防止層、前記金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する工程は、
    前記拡散防止層となるチタン、チタン・タングステンの合金又はクロムの層とニッケルの層及び金又は銅のいずれかを材料とする層とをスパッタ又は蒸着させて形成することを特徴とする請求項17記載の表示パネルの製造方法。
  19. 前記拡散防止層、前記金又は銅のいずれかを材料とする層を形成する工程は、
    前記拡散防止層となるニッケルの層及び金又は銅のいずれかを材料とする層とを電解めっき法で形成することを特徴とする請求項17記載の表示パネルの製造方法。
  20. 前記拡散防止層、前記銅を材料とする層及び前記低融点金属層を形成する工程は、
    前記拡散防止層となるニッケル・リンの合金又はニッケル・硼素の合金の層、前記銅を材料とする層及び前記低融点金属層となるスズとを無電解めっき法で形成することを特徴とする請求項19記載の表示パネルの製造方法。
  21. 前記低融点金属を局所加熱する前記レーザを、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ又はYAGレーザとすることを特徴とする請求項17記載の表示パネルの製造方法。
  22. 請求項14〜21のいずれかに記載の工程の後、さらに前記低融点金属層を構成する低融点金属の融点以下の温度環境で実装する工程を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
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