JP4240017B2 - 発光装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置及びその製造方法、並びにこの発光装置を有する電子機器に関し、特に発光素子を備えた有機EL素子等の発光装置及びその製造方法、並びに電子機器に関するものである。
従来、液晶装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス;electroluminescence)装置等の発光装置においては、基板上に複数の回路素子、電極、液晶又はEL素子等が積層された構成を有するものがある。例えば有機EL装置におい
ては、発光物質を含む発光層を陽極及び陰極の電極層で挟んだ構成の発光素子を有しており、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とを発光能を有する発光層内で再結合し、励起状態から失括する際に発光する現象を利用している。
しかしながら、上述したような従来の発光装置には、以下のような問題が存在する。
上記の構成を有する有機EL装置は電流駆動型の発光素子を備えているため、発光させる際には陽極と陰極との間に電流を流さなければならない。その結果、発光時において素子が発熱し、素子の周囲に酸素や水分があった場合にはこれらの酸素や水分による素子構成材料の酸化が促進されて素子が劣化する。特に、陰極に用いられるアルカリ金属やアルカリ土類金属は酸化しやすい特性を持っている。酸化や水による素子の劣化の代表的なものはダークスポットの発生およびその成長である。ダークスポットとは発光欠陥点のことである。そして、有機EL装置の駆動に伴って発光素子の劣化が進むと、発光輝度が低下したり、発光が不安定になる等、経時的な安定性が低く、且つ寿命が短いという問題があった。
そこで、上記の劣化を抑えるための対策として、例えば発光素子を接着剤を用いて一対のガラス板で挟むことで大気と遮断する構成や、特開2001−196165に開示されるように、基板の一方の面又は他方の面に冷却用の流体を供給する冷却手段を設ける構成を採用することが考えられる。ところが、ガラス板を用いる場合、ガラス板を少なくとも二枚使用するため、装置としての厚さが大きくなるという問題を生じてしまう。また、冷却手段を設ける場合も、流体の流路を形成する必要があるため装置の大型化は避けられない。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、熱の影響を抑制でき、且つ薄型化を実現する発光装置及びその製造方法、並びにこの発光装置を有する電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、基板と、前記基板に形成された発光素子と、前記発光素子を封止する封止層とを備え、前記発光素子からの光を前記封止層を介して射出する発光装置であって、前記封止層は、光透過性を有する放熱層と、前記発光素子と前記放熱層との間に形成された、無機化合物からなるガスバリア層と、を有し、前記放熱層は、厚さが10nm以下の金属膜であることを特徴とする。
また、上記発光装置において、前記放熱層は、金又は銀からなる金属膜であることが好ましい。
また、上記発光装置においては、前記放熱層上に、ガス透過性を有する保護膜が設けられていることが好ましい。
本発明の発光装置は、基板と、前記基板上に形成された発光素子と、前記発光素子上に形成された封止層を備え、前記封止層は前記発光素子の上方に形成された平坦化層を有し、前記平坦化層の上方には少なくとも第1の層と第2の層を有し、前記第1の層は絶縁膜からなり、前記第2の層はボロン、炭素、窒素、アルミニウム、珪素、リン、酸素、セリウム、イッテルビウム、サマリウム、エルビウム、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、ジスプロシウム、ネオジウム、金、銀、銅から選ばれた材料からなることを特徴とする。また、前記第1の層は前記平坦化層の上面及び側面の両方に設けられ、基板上まで伸延されていることが望ましい。更に、前記第2の層は前記平坦化層の上方に設けられ、第1の層上まで伸延されていることが望ましい。更にまた、前記封止層が前記第1の層と第2の層の間に更に絶縁層を有することが望ましい。
本発明の発光装置は、発光素子を備えた発光装置であって、発光素子を気密に封止する封止層を備え、封止層が熱伝導性を有する放熱層を含むことを特徴とするものである。
従って、本発明の発光装置では、膜状の封止層で発光素子を気密に封止することで、厚さが大きくなることなく酸素や水分による劣化を抑制することができる。また、例えば発光素子の発光により熱が生じた場合でも、この熱を放熱層を介して放熱できるため、素子構成材料の酸化を抑制することが可能になり、発光素子の劣化を一層防止することが可能になる。
放熱層としては、膜状の金、銀、または銅等の金属層で形成することができる。この場合、本発明では、金、銀、銅の熱伝導率が大きいので、例えば発光素子の発光により生じた熱を効果的に放熱することができる。特に金、銀では、放熱層の厚さを例えば10nm以下とすることで、優れた光透過性が得られる。従って、発光素子の発した光を封止層を介して投射する、共通電極側から光を取り出す形式を採用した場合に、少ない損失で光を透過することができる。
また、放熱層として、例えばアルカリ金属の透過を妨げる絶縁膜を採用してもよい。絶縁膜としては、例えばB(ホウ素)、C(炭素)、N(窒素)から選ばれた少なくとも一つの元素と、Al(アルミニウム)、Si(珪素)、P(リン)から選ばれた少なくとも一つの元素とを含むものや、Si、Al、N、O、Mを含むもの(但し、Mは希土類元素の少なくとも一種、好ましくはCe(セリウム),Yb(イッテルビウム),Sm(サマリウム),Er(エルビウム),Y(イットリウム)、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Nd(ネオジウム)から選ばれた少なくとも一つの元素)を用いることができる。この場合、絶縁膜を発光素子の近傍に設けることで、水分及びアル
カリ金属に対するブロッキング効果があり、且つ、放熱効果をも有する絶縁膜として作用することになり、発光素子の劣化を抑制することができる。
また、本発明は、無機化合物で形成されたガスバリア層または有機化合物で形成された放熱層が絶縁層の上方に形成される構成を採用できる。
これにより、本発明では、ガスバリア層により発光素子を気密に封止することで、厚さが大きくなることなく酸素や水分による劣化を抑制することができる。平坦性に優れた絶縁層を形成すれば、その絶縁層の上方に形成したガスバリア層または放熱層も平坦化され、凹凸を有する場合のように歪みが生じてバリア性が低下することを防ぐことができる。
本発明は、絶縁層を形成する有機化合物をポリマーとする構成も採用できる。例えば、ポリマーはモノマーや前駆体を塗布した後、硬化または重合させることにより形成される。モノマーや粘度が低い前駆体を用いた場合は平坦性に優れたポリマー層を形成することができる。
また、本発明では、封止層の上方にガス透過性の保護膜を成膜する構成も選択可能である。
これにより、本発明では、封止層、ひいては発光装置の耐スクラッチ性が向上するため、外部からの衝撃による封止層や発光層などへのダメージを防止できる。また、保護膜がガスを透過させるので、封止層に生じた熱が外気に放熱されやすくなる。この保護膜は、基板全面に亘って形成しても、パターンとして形成してもよく、また汚染物の付着や水分の吸着・吸湿、耐摩耗性を考慮すると、フッ素系ポリマーやシリコーン、ポリオレフィン、ポリカーボネート樹脂など、表面活性エネルギーの低い材料が好ましい。
本発明の電子機器は、上記の発光装置を備えたことを特徴としている。
これにより、本発明では、発光素子の劣化が抑制された高寿命で、且つ薄型の電子機器を得ることができる。
一方、本発明の発光装置の製造方法は、発光素子を備えた発光装置の製造方法であって、発光素子を気密に封止する封止層形成工程を含み、封止層形成工程が熱伝導性を有する放熱層を形成する工程を含むことを特徴としている。
これにより、本発明の製造方法では、膜状の封止層で発光素子を気密に封止することで、厚さが大きくなることなく酸素や水分による劣化を抑制することができる。また、例えば発光素子の発光により熱が生じた場合でも、この熱を放熱層を介して放熱できるため、素子構成材料の酸化を抑制することが可能になり、発光素子の劣化を一層防止することが可能になる。
また、本発明は、封止層形成工程が有機化合物で形成された絶縁層を発光素子に被覆する工程と、絶縁層上に無機化合物で形成されたガスバリア層または放熱層を形成する工程とを含む手順を採用できる。
これにより、本発明では、ガスバリア層により発光素子を気密に封止することで、厚さが大きくなることなく酸素や水分による劣化を抑制することができる。また、絶縁層を発光素子に被覆することにより、絶縁層の表面を平坦化できる。従って、この絶縁層の上方に形成したガスバリア層または放熱層も平坦化され、凹凸を有する場合のように歪みが生じてバリア性が低下することを防ぐことができる。
本発明は、絶縁層を形成する有機化合物をポリマーとする構成も採用できる。例えば、ポリマーはモノマーや前駆体を塗布した後、硬化または重合させることにより形成される。モノマーや粘度が低い前駆体を用いた場合は平坦性に優れたポリマー層を形成することができる。
そして、本発明では、放熱層を膜状の金、銀または銅等の金属層で形成する構成も採用可能である。
これにより、本発明では、金、銀、銅の熱伝導率が大きいので、例えば発光素子の発光により生じた熱を効果的に放熱することができる。特に金、銀では、放熱層の厚さを例えば10nm以下とすることで、優れた光透過性が得られる。従って、発光素子の発した光を封止層を介して投射する、共通電極側から光を取り出す形式を採用した場合に、少ない損失で光を透過することができる。
また、本発明では、封止層の上方にガス透過性の保護膜を成膜する工程も採用可能である。
これにより、本発明では、封止層、ひいては発光装置の耐スクラッチ性が向上するため、外部からの衝撃による封止層や発光層などへのダメージを防止できる。また、保護膜がガスを透過させるので、封止層に生じた熱が外気に放熱されやすくなる。この保護膜は、基板全面に亘って形成しても、パターンとして形成してもよく、また汚染物の付着や水分の吸着・吸湿、耐摩耗性を考慮すると、フッ素系ポリマーやシリコーン、ポリオレフィン、ポリカーボネート樹脂など、表面活性エネルギーの低い材料が好ましい。
以下、本発明の発光装置及びその製造方法並びに電子機器の実施の形態を、図1および図2を参照して説明する。
ここでは、本発明の発光装置を例えば、有機EL装置とする場合の例を用いて説明する。
図1に示す有機EL装置(発光装置)1は、透明基板2上に発光素子3と、発光素子3を気密に封止する封止層4とが設けられた構成になっている。透明
基板2の材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルケトンなどのプラスチックや、ガラスなどの透明材料が採用可能であり、ここではガラスが用いられている。
発光素子3は、透明基板2上に形成された陽極5、ホール輸送層6、陽極5がホール輸送層6と接合する表面を露出させるように形成された絶縁層7、有機発光層8、電子輸送層9、陰極10とから概略構成されている。
陽極5の材料としては、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、亜鉛−バナジウム(ZnV)、インジウム(In)、スズ(Sn)などの単体や、これらの化合物或いは混合物や、金属フィラーが含まれる導電性接着剤などで構成されるが、ここではITO(Indium Tin Oxide)を用いている。この陽極5の形成は、好ましくはスパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着法によって行われ形成するが、スピンコータ、グラビアコータ、ナイフコータなどによる印刷や、スクリーン印刷、フレキソ印刷などを用いて形成してもよい。そして、陽極5の光透過率は、80%以上に設定することが好ましい。
ホール輸送層6としては、例えば、カルバゾール重合体とTPD:トリフェニル化合物とを共蒸着して10〜1000nm(好ましくは、100〜700nm)の膜厚に形成する。別法として、ホール輸送層6は、例えばインクジェット法により、正孔注入、輸送層材料を含む組成物インクを陽極5上に吐出した後に、乾燥処理及び熱処理を行うことで陽極5上に形成される。なお、組成物インクとしては、例えばポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸等の混合物を、イソプロピルアルコール等の極性溶媒に溶解させたものを用いることができる。
絶縁膜7は、例えばSiO2をCVD法により基板全面に堆積させた後、フォ
トリソグラフィー技術及びエッチング技術を用いてパターン形成することができる。
有機発光層8は、上記ホール輸送層6と同様に、例えばインクジェット法やマスク蒸着法により、発光層用材料を含む組成物インクをホール輸送層6上に吐出した後に乾燥処理または熱処理を施すことで、ホール輸送層6上に形成される。有機発光層8を構成する発光材料としては、フルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、その他ベンゼン誘導体に可溶な低分子有機EL材料、高分子有機EL材料等を用いることができる。なお、インクジェット法に適している材料としては、例えばパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体が挙げられ、マスク蒸着法に適している材料としてはペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素が挙げられる。
また、電子輸送層9としては、金属と有機配位子から形成される金属錯体化合物、好ましくは、Alq3(トリス(8-キノリノレート)アルミニウム錯体)、Znq2(ビス(8-キノリノレート)亜鉛錯体)、Bebq2(ビス(8-キノリノレート)ベリリウム錯体)、Zn−BTZ(2-(o-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール亜鉛)、ペリレン誘導体などを10〜1000nm(好ましくは、100〜700nm)の膜厚になるように蒸着して積層する。
陰極10は、電子輸送層9へ効率的に電子注入を行える仕事関数の低い金属、好ましくは、Ca、Au、Mg、Sn、In、Ag、Li、Alなどの単体、又はこれらの合金で形成することができる。本実施形態では、Caを主体とする陰極、及びAlを主体とする反射層の2層構成になっている。
なお、図示しないが、本実施の形態の有機EL装置1はアクティブマトリクス
型であり、実際には複数のデータ線と複数の走査線とが格子状に配置され、これらデータ線や走査線に区画されたマトリクス状に配置された各画素毎に、スイッチングトランジスタやドライビングトランジスタ等の駆動用TFTを介して上記の発光素子3が接続されている。そして、データ線や走査線を介して駆動信号が供給されると電極間に電流が流れ、発光素子3が発光して透明基板2の外面側に光が出射され、その画素が点灯する。なお、本発明は、アクティブマトリクス型に限られず、パッシブ駆動型の表示素子にも適用できることはいうまでもない。
封止層4は、発光素子3上に、発光素子3を被覆する絶縁層11、ガスバリア層12、絶縁層13、および放熱層14が順次積層して形成された構成となっている。
絶縁層11、13は、有機ポリマー等で形成されている。具体的には、絶縁層11、13としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、またはPET、ポリエチレン、ポリプロピレンやこれらを組み合わせたものを用いることができる。
ガスバリア層12は、無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物等のガスバリア性を有する無機化合物で形成されている。具体的には、ガスバリア層12としては、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、上記ITO、またはこれらを組み合わせたものを用いることができる。また、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、酸窒化ケイ素(SiON)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)やこれらを組み合わせたものを用いることができる。
放熱層14は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等の熱伝導率の高い金属膜で形成されている。ここで、金属の同一温度における熱伝導率λと電気伝導率σとの間には、ウィデーマン−フランツの法則により、λ/σ=一定という関係
が成り立つ。従って、熱伝導率の高い金属として電気伝導率の高い金属を選択すればよく、上記の金、銀、銅を選択することができる。また、これらの金属の中には、酸化しやすいものや非常に高価なものも含まれるため、2種類以上合わせた合金や熱伝導率を大きく変えない程度に亜鉛や錫、アルミニウムなどの金属元素を加えて合金化してもよい。
上記の構成の封止層4を製造する工程(封止層形成工程)について説明する。まず、スプレーコート等により、発光素子3を被覆するように有機モノマーを塗布及び硬化によりポリマー化して絶縁層11を形成する。次に、真空蒸着、低温スパッタ、CVD等により絶縁層11上(一部は基板2上)に無機化合物からなるガスバリア層12を形成する。ここで、絶縁層11は活動性の高い前駆体として、有機モノマーを塗布した後、硬化させて形成されているため、その上面(ガスバリア層12が形成される面)が平坦化される。従って、ガスバリア層12は、絶縁層11に倣って平坦化された状態で形成される。この後、上記絶縁層11と同様の手順で絶縁層13を形成する。
続いて、絶縁層13上(一部はガスバリア層12上)に金属膜からなる放熱層14を形成(成膜)する。この放熱層14は、ガスバリア層12と同様に真空蒸着、低温スパッタ、CVD等により形成される。ここで、絶縁層13は、平坦化されたガスバリア層12上に形成された有機ポリマーであるので、その上面が平坦されており、従って絶縁層13上に成膜された放熱層14も平坦化された状態で形成される。なお、図示していないものの、放熱層14は、放熱板に接続されており、伝達された熱を効果的に放熱できる構成になっている。また、ガスバリア層12と放熱層14の製造においては、同一のマスクを使用することで、コストの低下を図っている。
上記の構成の有機EL装置1では、ガスバリア層12を有する封止層4で発光素子3を封止することで、酸素や水分による劣化が抑制される。また、発光素子3で発生した熱は、絶縁層11、ガスバリア層12、絶縁層13を介して(一部
は絶縁層11、ガスバリア層12を介して)放熱層14に伝達されて放熱される。
このように、本実施の形態では、膜状の封止層4で酸素や水分などの発光素子3や電極の劣化の因子に対して封止し、さらに発光素子3で発生した熱を放熱するので、厚さが大きくなることなく、酸素や水分、熱による発光素子3及び電極の劣化を抑制することが可能になり、薄型で高寿命の有機EL装置1を容易に得ることができる。
また、本実施の形態では、有機ポリマーで形成された絶縁層11、13上にガスバリア層12、放熱層14がそれぞれ成膜されているため、これらガスバリア層12、放熱層14が平坦化され、凹凸をもって形成された場合のように歪みが生じてガスバリア性が低下してしまうことを未然に防ぐことができる。
次に、上記実施の形態の有機EL装置1を備えた電子機器の例について説明する。
図2(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図2(a)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の有機EL装置1を用いた表示部を示している。
図2(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図2(b)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の有機EL装置1を用いた表示部を示している。
図2(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図2(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の有機EL装置1を用いた表示部を示している。
図2(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施の形態の有機EL装置1を備えているので、薄型で高寿命の有機EL表示部を備えた電子機器を実現することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施の形態において、ガスバリア層12と放熱層14との間に絶縁層13を設ける構成としたが、絶縁層13は必ずしも必要ではなく、ガスバリア層上に直接放熱層14を設ける構成としてもよい。また、上記の実施形態で示したガスバリア層12と放熱層14の位置は一例であり、これらの配置を逆にして、絶縁層11上に放熱層14を形成し、絶縁層13上にガスバリア層12を形成する構成としてもよい。ただし、放熱層14を外表面に晒す構成は、外気と触れる表面積が増すため、放熱効果を考慮した場合は上記実施の形態で示した配置が好ましい。
また、上記実施の形態では、放熱層14を金属膜で形成する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えばアルカリ金属の透過を妨げる絶縁膜を採用してもよい。絶縁膜としては、例えばB(ホウ素)、C(炭素)、N(窒素)から選ばれた少なくとも一つの元素と、Al(アルミニウム)、Si(珪素)、P(リン)から選ばれた少なくとも一つの元素とを含むものや、Si、Al、N、O、Mを含むもの(但し、Mは希土類元素の少なくとも一種、好ましくはCe(セリウム),Yb(イッテルビウム),Sm(サマリウム),Er(エルビウム),Y(イットリウム)、La(ランタン)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Nd(ネオジウム)から選ばれた少なくとも一つの元素)を用いることができる。この場合、絶縁膜を発光素子の近傍に設けることで、水分及びアルカリ金属に対するブロッキング効果があり、且つ、放熱効果をも有する絶縁膜として作用することになり、発光素子の劣化を抑制することができる。
また、絶縁層11が、発光素子3を被覆するように有機モノマーを塗布及び硬化によりポリマー化して絶縁層11を形成する構成としたが、有機モノマーを塗布した後に重合によりポリマー化してもよい。なお、上記実施の形態で挙げた具体的な材料は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
さらに、上記実施の形態では、発光素子3の発光が透明基板2を介して外面側に出射される形式の例を用いて説明したが、発光素子3の発光が透明基板2と逆側の共通電極側から封止層4を介して出射される形式であっても適用可能である。この場合、放熱層14を形成する金属膜を熱伝導率の高い金または銀とすることで効果的に放熱できることに加えて、例えば厚さ10nm以下の金膜を用いれば、優れた光透過性(透明性)を得ることができ、透過光の損失が少ない有機EL装置を得ることができる。
また、上記実施の形態で示したように、放熱層14が封止層4の表面に晒されている構成では放熱性では有利であるが、耐摩耗性(耐スクラッチ性)を向上させるために放熱層14(すなわち封止層4)上にフィルムやコート層からなる保護膜を設けてもよい。この場合、汚染の付着や水分の吸着・吸湿、耐摩耗性を考慮すると、フッ素系ポリマーやシリコン樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどの表面活性エネルギーの低い材料を用いることが好ましい。また、保護膜は、基板全面に亘って、もしくはパターンとして形成してもよく、さらに保護膜にガス高透過性(1000cm3/m2・24hr以上)を持たせることが好ましい。これにより、放熱層14に伝達された熱を、保護膜を介して外気に放熱することができ、放熱効果が向上する。
なお、上記実施の形態では、ガスバリア層12を一層のみ形成する構成としたが、これに限定されるものではなく、二層以上設ける構成とすればガスバリア性をより向上させることが可能になる。この場合、ガスバリア層と有機ポリマー層(絶縁層)とを1ユニットとしたものを複数ユニット積層することが望ましい。また、基板としてはガラスに限られず、プラスチック基板を用いてもよい。
以上説明したように、本発明では、ガスバリア性が低下することなく薄型で高寿命の発光装置、および表示部を備えた電子機器を容易に得ることができる。また、本発明では、透過光の損失が少ない共通電極側から光を取り出す形式の発光装置を得ることができるとともに、放熱性および耐摩耗性に優れた発光装置を得ることが可能になる。
本発明の実施の形態を示す図であって、基板上の発光素子が封止層で封止された断面図である。 有機EL表示装置を備えた電子機器の一例を示す図であり、(a)は携帯電話、(b)は腕時計型電子機器、(c)は携帯型情報処理装置のそれぞれ斜視図である。
符号の説明
1 有機EL装置
2 基板
3 発光素子
4 封止層
11 絶縁層
12 ガスバリア層
14 放熱層


Claims (4)

  1. 基板と、前記基板に形成された発光素子と、前記発光素子を封止する封止層とを備え、前記発光素子からの光を前記封止層を介して射出する発光装置であって、
    前記封止層は、
    光透過性を有する放熱層と、
    前記発光素子と前記放熱層との間に形成された、無機化合物からなるガスバリア層と、
    を有し、
    前記放熱層は、厚さが10nm以下の金属膜であることを特徴とする発光装置。
  2. 前記放熱層は、金又は銀からなる金属膜であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記放熱層上に、ガス透過性を有する保護膜が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の発光装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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