JP2004265770A - エキシマランプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のエキシマランプ装置は、エキシマランプ1と、エキシマランプ1を冷却する冷却液体が流れる冷却流路5を有するエキシマランプ装置であって、冷却流路5に冷却液体温度調整手段6を有し、冷却液体によって冷却されるエキシマランプ1の冷却側の表面温度が50〜160℃であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスよりなる放電容器の内部で誘電体バリアエキシマ放電などによって、放電空間にエキシマ分子を形成し、エキシマ分子から放射された光を利用するエキシマランプを光源にしたエキシマランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金属、ガラス、その他の材料よりなる被処理体に波長200nm以下の真空紫外線を照射することにより、当該真空紫外線およびこれにより生成されるオゾンの作用によって被処理体を処理する技術、例えば被処理体の表面に付着した有機汚染物質を除去する洗浄処理技術や、被処理体の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成処理技術が開発され、実用化されている。
【0003】
このような紫外線処理を行うためのランプとしては、例えば一部が誘電体により構成された放電容器内に、適宜のエキシマ発光用ガスが充填され、放電容器内において誘電体バリアエキシマ放電等により、エキシマ分子が生成されてエキシマ光が放出されるエキシマランプが開発されている。
【0004】
このエキシマランプにおいては、エキシマ発光用ガスとして、例えば、キセノンガスを用いることにより、キセノンエキシマによるエキシマ光である波長172nmにピークを有する真空紫外線が放出され、また、例えばアルゴンと塩素ガスとの混合ガスを用いることにより、アルゴン−塩素エキシマによるエキシマ光である波長175nmにピークを有する真空紫外線が放出されることが知られている。
【0005】
なお、エキシマランプは、放電容器内に充填される発光用ガスを種々変えることにより、真空紫外線以外に、紫外線や可視光を放射することもできる。
【0006】
エキシマランプから真空紫外線が放射される場合、真空紫外線は、空気中の酸素によって吸収され、被処理体に高い効率で真空紫外線を照射することができない、という問題がある。
図9は、従来のエキシマランプ装置の断面説明図であり、エキシマランプ1を、エキシマ光を取り出すための窓部材2を有するケーシング3内に収納配置することにより、エキシマランプ装置を構成し、このエキシマランプ装置のケーシング3内に例えば窒素ガスなどの不活性ガスを導入口31から導入し、排出口32より排出することにより、ケーシング3内を不活性ガス雰囲気とし、この状態で、エキシマランプ装置内のエキシマランプ1を点灯させ、ケーシング3内で真空紫外線が吸収されない構造になっている。
【0007】
なお、図9中、11は内側管と外側管を同軸上に配置した中空円柱状の石英ガラスよりなる放電容器であり、外側管の外側に網状の外部電極12が設けられ、内側管の外側には断面C字状の樋状の内側電極13が設けられている。
【0008】
また、エキシマランプ1は、点灯中、放電容器11内の放電空間の温度が上がると、光出力が低下し真空紫外線の放射強度が低下するという問題があった。
【0009】
このような光出力の低下を改善するために、エキシマランプ1を冷却する必要があり、放電容器11の窓部材2とは反対側に熱伝導率が高いアルミニウム製の冷却ブロック4が配置され、この冷却ブロック4の溝に放電容器11の外輪部のおよそ半周部分を接触させ、放電空間内を冷却している。
冷却ブロック4には冷却流体貫通孔41が形成され、この冷却流体貫通孔41内に、例えば冷却水を流しエキシマランプ1を冷却している。
【0010】
【特許文献1】
特開平4−301357号公報
特開2002−168999号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エキシマランプから放射される光出力の低下を防止するために上述したように放電容器11に冷却ブロック4を接触させて冷却しているが、この冷却されている部分の放電容器11にクラックが発生することがあった。
【0012】
これは、放電空間から真空紫外線が放射され、この真空紫外線が放電容器11を構成している石英ガラスに吸収され、石英ガラスに歪みが発生する。
この歪みは、放電容器の温度、すなわち石英ガラスの温度が上がると緩和され、歪みが取れる方向に向かうが、冷却ブロック4と接触している部分の放電容器11は温度が上がらず、歪みが緩和されず蓄積される状態になっており、この歪みが許容範囲を超えた時点で放電容器11にクラックが発生することが判明した。
【0013】
つまり、従来のエキシマランプ装置は、被処理体を高速で確実に処理することを最優先とし光出力を高めた結果、エキシマランプ1の放電容器11の一部を極端に強く冷却する構造となっており、光出力が大きくなる一方で、短時間で放電容器11にクラックが入るという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、エキシマランプ装置から放射される真空紫外線によって被処理体を確実に処理するとともに、使用寿命の長いエキシマランプ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のエキシマランプ装置は、エキシマランプと、当該エキシマランプを冷却する冷却液体が流れる冷却流路を有するエキシマランプ装置において、前記冷却流路に冷却液体温度調整手段を有していることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載のエキシマランプ装置は、冷却液体によって冷却される前記エキシマランプの冷却側の表面温度が50〜160℃であることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載のエキシマランプ装置は、請求項1または請求項2に記載のエキシマランプ装置であって、特に、前記冷却液体温度調整手段は、冷却液体を加熱することを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載のエキシマランプ装置は、請求項3に記載のエキシマランプ装置であって、特に、冷却液体が前記エキシマランプの管軸方向に沿って流れていることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載のエキシマランプ装置は、請求項4に記載のエキシマランプ装置であって、特に、前記冷却流路は、当該冷却流路内を流れる冷却液体がエキシマランプを冷却した後、冷却流路内を循環し、再びエキシマランプを冷却する構造になっている循環型であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1を用いて本発明のエキマランプ装置を説明する。
エキシマランプ装置は、ケーシング3内に4本のエキシマランプ1が収納配置されている。
エキシマランプ1は、内側管と外側管を同軸上に配置した中空円柱状の石英ガラスよりなる放電容器11を有し、外側管の外側に網状の外部電極12が設けられ、内側管の外側には断面C字状の樋状の内側電極13が設けられている。
【0021】
ケーシング3の一部にはエキシマ光を取り出すための窓部材2が嵌め込まれており、ケーシング3の導入口31から例えば窒素ガスなどの不活性ガスをケーシング3内に導入し排出口32より排出することにより、ケーシング3内を不活性ガス雰囲気とし、ケーシング3内で真空紫外線が吸収されない構造になっている。
【0022】
ケーシング3内には、熱伝導率が高いアルミニウム製の冷却ブロック4が配置され、この冷却ブロック4の溝に放電容器11の外輪部のおよそ半周部分を接触させ、放電容器11内の放電空間内を冷却している。
冷却ブロック4には冷却流体貫通孔41が形成され、この冷却流体貫通孔41内に、冷却液体例えば冷却水を流しエキシマランプ1を冷却している。
なお、冷却液体は、水に限定されず、オイルやグリセリンやアルコールであってもよく、熱伝導率が高いものの方がエキシマランプと冷却液体との温度差が少なく、放電容器の冷却部分の温度を制御しやすい。
【0023】
図2は、図1に示すエキシマランプ装置であってエキシマランプの管軸と平行な方向の断面図であり、冷却液体が流れる冷却流路も併せて記載している。
冷却流路5はその一部が冷却ブロック4に形成された冷却流体貫通孔41であって、この冷却流路5内に冷却水が流れることによって、冷却ブロック4を冷却し、放電容器11を冷却するものである。
【0024】
冷却流路5は、一端51側が施設内に設けられた工業用水取水口につながっており、他端52側は排出口につながっており、冷却流路5内に流れる冷却水はエキシマランプを冷却した後は、再び、エキシマランプを冷却しない構造である冷却水が冷却流路内で循環しない非循環型構造になっている。
このように冷却流路5が非循環型構造では、冷却流路5の一端51側から流入した冷却水の温度が低く、この温度状態で冷却ブロック4内に冷却水が流れ込むと放電容器11を過度に冷却してしまうので、冷却流路5には、冷却水が冷却ブロック4に流れ込む上流側の位置に冷却流体温度調整手段6が組み込まれている。
この冷却流体温度調整手段6が冷却流路5に設けられる位置は、冷却流体温度調整手段6を通過した冷却水が直ぐに冷却ブロック4に流れ込む位置がよく、具体的には、冷却流体温度調整手段6の冷却液体流出部分、例えば流出開口と冷却ブロック4の冷却液体流入部分、例えば流入開口との距離が50cm程度、好ましくは、約10cmとなる位置に冷却流体温度調整手段6が設置されている。
【0025】
この冷却流体温度調整手段6は、内部に電気エネルギーによって発熱する熱源が配置されており、この熱源に冷却水が接触することによって、冷却水を加熱して冷却水の温度を上げる構造になっている。なお、電気エネルギーに変えて、化石燃料を燃焼させ、発生した熱によって、冷却水を加熱して冷却水の温度を上げる構造でもよい。
【0026】
また、冷却流体温度調整手段6の構造として、図示はしていないが、点灯用電源の中に冷却流路を設け、点灯電源の部品の発熱による熱を冷却液体の加熱に利用してもよい。
さらには、エキシマランプ1を点灯するとケーシング3の側面の下方の温度が上がるので、ケーシング3の周囲に冷却流路5を張り巡らし、ケーシングの熱によって冷却液体を加熱してもよい。要は、冷却水の温度が上がればどのような加熱構造を用いてもよい。
【0027】
次に、冷却水の温度と172nmの真空紫外線の光放射強度との関係を調べる実験を行った。結果を図3に示す。
この実験で用いたエキシマランプ装置は、図1および図2に示すエキシマランプ装置であって、この装置に組み込まれるエキシマランプは電気入力が0.8W/cm3であり、冷却水の流量は3リットル/minであり、冷却液体温度調整手段によって冷却ブロックに流れ込む冷却水の温度をコントロールするものである。
【0028】
図3中、横軸の冷却水の温度とは、冷却ブロックに流れ込む冷却水の温度を示すものであり、冷却水の温度が25℃の時は、冷却液体温度調整手段の機能を止め工業用水取水口から流れてきた冷却水を加熱せずにそのまま冷却ブロックに流し込む冷却水の温度を示すものである。
また、縦軸は、冷却水の温度が25℃の時の172nmの真空紫外線の光放射強度を1とし、冷却水の温度に対する光放射強度の相対値を示す。
冷却水の温度とは、冷却ブロックに冷却水が流れ込む手前であって冷却水が流れる距離にして冷却ブロックから30mmとなる位置の冷却流路に熱電対を挿入して冷却水の温度を測定した値である。
【0029】
図3中、冷却水の温度が上昇するにしたがって、光放射強度が低下することがわかる。冷却水が90℃以上になると、光放射強度の相対値が0.8以下となり、光放射強度が低く被処理体を処理する場合、処理が不完全になったり処理時間が長くなる場合がある。しかしながら、光放射強度の相対値が0.8以上の場合、つまり、冷却水の温度が25℃から90℃の場合は、冷却水の温度が25℃の場合に比べ光放射強度は若干低くなるが、被処理体を処理することには何ら問題はなく、被処理体を確実にしかも所定の時間で処理することができる。
【0030】
この結果からわかるように、冷却液体温度調整手段によって冷却水を加熱しても冷却水の温度が90℃以下であれば、エキシマランプ装置から放射された真空紫外線で被処理体を確実に所定の時間で処理することができる。
【0031】
次に、同じエキシマランプ装置であって、冷却水の温度とエキシマランプの放電容器にクラックが発生するまでの時間を調べる実験を行った。結果を図4に示す。
なお、冷却流路に設けられた冷却液体温度調整手段によって冷却ブロックに流れ込む冷却水の温度をコントロールするものである。
【0032】
図4中、横軸の冷却水の温度とは、冷却ブロックに流れ込む冷却水の温度を示すものであり、冷却水の温度が25℃の時は、冷却液体温度調整手段の機能を止め工業用水取水口から流れてきた冷却水を加熱せずにそのまま冷却ブロックに流し込む冷却水の温度を示すものである。
また、縦軸は、放電容器にクラックが発生するまでの時間を示すもであり、冷却水の温度が25℃の時のクラック発生までの時間を1とした場合の相対時間を示すものである。
なお、冷却水の温度とは、冷却ブロックに冷却水が流れ込む手前であって冷却水が流れる距離にして冷却ブロックから30mmとなる位置の冷却流路に熱電対を挿入して冷却水の温度を測定した値である。
【0033】
図4中、冷却水の温度が上昇するにしたがって、クラック発生までの時間が長くなり、エキシマランプが長寿命化していることがわかる。
従来では、冷却流路に冷却水を加熱する冷却液体温度調整手段が備わっておらず、工業用水取水口からの冷却水がそのまま冷却ブロックに流れ込む構造であるので、冷却水の温度が25℃という低温状態であり、比較的短時間のうちに、エキシマランプ装置の寿命がくるものであった。
【0034】
しかし、冷却水が流れる流路に冷却水を加熱する冷却液体温度調整手段を設け冷却水の温度を上げることにより、冷却水の温度が上がるにつれてクラック発生までの時間が延びることがわかる。これは、放電容器を過度に冷却しないので放電容器に蓄積される紫外線による歪みの進行を遅らすことができているものである。
【0035】
そして、冷却水の温度が90℃以上になるととクラック発生までの時間が延びず平衡状態になり、また、図3からもわかるように冷却水の温度が90℃以上になると光放射強度が低下するため、冷却水の上限温度は90℃が望ましい。
一方、図4からわかるように冷却水の温度が30℃になると、クラック発生までの相対時間が1.2時間となり、冷却水の温度が25℃の時の値1と比べ20%寿命が延びたことになり、20%寿命が延びることは長寿命化を達成していることになり、この結果から冷却水の下限温度は30℃が望ましい。
【0036】
冷却水の温度が90℃の時と30℃の時のエキシマランプの放電容器の温度を測定した。温度測定位置と方法は、放電容器が冷却ブロックと接している表面部分であって、放電容器内で放電が起こっている端部から冷却水が流れ込む方向の放電容器の端部側に30mmずれた位置において、網状の外部電極の隙間を通して熱電対を放電容器の表面に接触させて測定した。
測定結果から、冷却水の温度が90℃の時は放電容器の表面温度は160℃であった。また、冷却水の温度が30℃の時は放電容器の表面温度は50℃であった。
【0037】
この結果から、冷却水によって冷却されるエキシマランプの放電容器の表面温度が、50℃〜160℃の範囲であれば放電容器に蓄積される紫外線歪みを緩和し、放電容器にクラックが入るまでの時間を延ばすことができエキシマランプ装置の長寿命化を達成することができ、さらには、エキシマランプ装置から放射された真空紫外線で被処理体を確実に所定の時間で処理することができる。
【0038】
さらに、図2に示すように、冷却ブロック4に形成された冷却流体貫通孔41はキシマランプ1の管軸に沿って並行になるように形成され、冷却水がエキシマランプ1の管軸方向に沿って流れる構造になっている。
【0039】
このような構造をとる理由を図5を用いて説明する。図5はエキシマランプと冷却水が流れる冷却流体貫通孔41の位置関係を示す図であり、それ以外の構造は省略している。
図5に示すように、冷却流体貫通孔41がエキシマランプ1の管軸Xと交差するように形成され、つまり、矢印のように冷却水がエキシマランプ1の管軸Xと交差するように流れると冷却流体貫通孔41と放電容器11の離間距離が一定にならず、冷却流体貫通孔41から近い部分と遠い部分ができ、放電容器11の管軸方向では冷却の程度が一定にならずバラツキが発生してしまい、この結果、放電空間内のエキシマ放電もバラツキが発生し、紫外線放射強度が管軸方向で一定にならない状態になる。
【0040】
このような問題を避けるために、本実施例では、冷却ブロック4に形成された冷却流体貫通孔41はエキシマランプ1の管軸に沿って並行になるように形成され、冷却水がエキシマランプ1の管軸方向に沿って流れる構造になっているので、冷却流体貫通孔41と放電容器11の離間距離が一定になり、放電容器11の管軸方向で冷却の程度が一定になり、この結果、放電空間内のエキシマ放電もバラツキがなく一定状態で発生し、紫外線放射強度が管軸方向で一定になり、被処理体をムラなく処理することができるものである。
【0041】
図6、図7は、エキシマランプ装置の冷却構造が異なる他の実施例を示す説明図である。
図6に示すエキシマランプ装置は、エキシマランプ1の放電容器11の内側管の外側に形成されている円筒状の中空空間Kが冷却水が流れる冷却流路5の一部になっており、この中空空間Kに冷却水が流れることにより、放電容器11を冷却するものである。そして、冷却流路5には、冷却水が中空空間Kに流れ込む上流側の位置に冷却流体温度調整手段6が組み込まれており、冷却水を冷却流体温度調整手段6で加熱して中空空間Kに流し込む構造になっている。
なお、図6では、エキシマランプ1と冷却流路5と冷却流体温度調整手段6以外の構造は省略している。
【0042】
図7に示すエキシマランプ装置は、エキシマランプ1全体が冷却流路5の途中に形成された冷却路5の一部である光透過性の冷却槽50に浸漬されて、放電容器11の全表面から放電容器11を冷却するものである。
図7では、冷却槽50内でのエキシマランプ1の保持機構や給電機構は記載していないが、適宜の機構を採用すればよい。
そして、冷却流路5には、冷却水が冷却槽50に流れ込む上流側の位置に冷却流体温度調整手段6が組み込まれており、冷却水を冷却流体温度調整手段6で加熱して冷却槽50に流し込む構造になっている。
なお、図7は、誘電体エキシマランプ1と冷却流路5と冷却流体温度調整手段6以外の構造は省略している。
【0043】
図7では、放電容器11の回りに冷却水が存在するため放電容器から放射される真空紫外線が冷却水で吸収されてしまうので、この場合は、放電容器11内には紫外線や可視光を放射する発光ガスを充填するものである。
【0044】
また、上述した全ての実施例では、放電容器11が二重管構造になっているが、他の構造であってもよい。要は、放電容器11内に発光用ガスが充填され、誘電体バリア放電やマイクロ波による放電やその他の放電方法によって、エキシマ発光する放電容器の構造であればよく、特に、二重管構造に限定されるものではなく、さらには、放電容器11を冷却する構造は、冷却ブロックに接触させる構造や冷却槽に浸漬させる構造は、放電容器の形状等によって適宜選択すればよいものである。
【0045】
上述した実施例に示すエキシマランプ装置は、冷却流路5は、冷却流路5内に流れる冷却流体がエキシマランプ1を冷却した後は、再び、エキシマランプを冷却しない構造である冷却流体が冷却流路内で循環しない非循環型になっているが、図8に示すように、エキシマランプを冷却した冷却流体が再び冷却路を循環して、エキシマランプを冷却する循環型であってもよい。
図8では、図2と同一符号は同一部分であるので説明は省略するが、冷却流路5の一端51側は冷却流路の一部を構成する貯水槽53に繋がっており、他端52側も貯水層53に繋がっている。また、冷却流路5にはポンプPが取り付けられており、このポンプPによって、冷却流路5内の冷却水が循環するものである。
【0046】
この場合、冷却水の無駄がなくなり、冷却水を効率良く利用することができる。また、循環型の場合、循環型冷却路に組み込まれている冷却流体温度調整手段6に流れ込む冷却水の温度が90℃以上の場合は、この冷却流体温度調整手段6によって30℃〜90℃の温度になるように冷却するものである。これは、上述したように冷却水の温度が90℃以上になると真空紫外線の放射強度が低くなるからである。
【0047】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明のエキシマランプ装置によれば、エキシマランプを冷却する冷却液体が流れる冷却流路に冷却液体温度調整手段を有し、冷却流体の温度を制御することができるので、エキシマランプから放射される真空紫外線の光放射強度を被処理体を処理することに十分な範囲内の光放射強度にすることができ、さらに、エキシマランプの放電容器のクラック発生までの時間を延ばすことができ、エキシマランプ装置から放射される真空紫外線によって被処理体を確実に処理するとともに、使用寿命の長いエキシマランプ装置となる。
【0048】
請求項2に記載の本発明のエキシマランプ装置は、冷却液体によって冷却されるエキシマランプの表面温度が50〜160℃にすることにより、エキマランプからの真空紫外線の光放射強度の低下を実用使用範囲内に確実治めるとともに、放電容器のクラック発生までの時間を確実に延びずことができる。
【0049】
請求項3に記載の本発明のエキシマランプ装置は、冷却液体温度調整手段は、流入側より流出側の方で冷却液体の温度が上がる構造であるので、工業用水取水口から取り込んだ冷却水を直接冷却流路に流し込みエキシマランプの冷却に利用することができ、冷却流路の設計を容易にすることができる。
【0050】
請求項4に記載の本発明のエキシマランプ装置は、冷却液体がエキシマランプの管軸方向に沿って流れているので、放電容器の管軸方向で冷却の程度を一定にすることができ、放電空間内のエキシマ放電を一定状態にすることができ、紫外線放射強度が管軸方向で一定になり、被処理体をムラなく処理することができる。
【0051】
請求項5に記載の本願発明のエキシマランプ装置は、冷却流路は内部を流れる冷却液体が循環する循環型であるので、冷却水の無駄がなくなり、冷却水を効率良く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエキシマランプ装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すエキシマランプ装置であってエキシマランプの管軸と平行な方向の断面図であり、冷却液体が流れる冷却流路も併せた断面説明図である。
【図3】冷却水の温度と光放射強度との関係を調べた実験データ説明図である。
【図4】冷却水の温度とエキシマランプの放電容器にクラックが発生するまでの時間を調べた実験データ説明図である。
【図5】エキシマランプと冷却水が流れる冷却流体貫通孔の位置関係を示す説明図である。
【図6】本発明のエキシマランプ装置の冷却構造の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明のエキシマランプ装置の冷却構造の他の例を示す断面図である。
【図8】本発明の冷却流体が循環する循環型のエキシマランプ装置の断面図である。
【図9】従来のエキシマランプ装置の断面図である。
【符号の説明】
1 エキシマランプ
11 放電容器
12 外部電極
13 内部電極
2 窓部材
3 ケーシング
4 冷却ブロック
41 冷却流体貫通孔
5 冷却路
6 冷却液体温度調節手段
Claims (5)
- エキシマランプと、当該エキシマランプを冷却する冷却液体が流れる冷却流路を有するエキシマランプ装置において、
前記冷却流路に冷却液体温度調整手段を有していることを特徴とするエキシマランプ装置。 - 冷却液体によって冷却される前記エキシマランプの冷却側の表面温度が50〜160℃であることを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ装置。
- 前記冷却液体温度調整手段は、冷却液体を加熱することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエキシマランプ装置。
- 冷却液体が前記エキシマランプの管軸方向に沿って流れていることを特徴とする請求項3に記載のエキシマランプ装置。
- 前記冷却流路は、当該冷却流路内を流れる冷却液体がエキシマランプを冷却した後、冷却流路内を循環し、再びエキシマランプを冷却する構造になっている循環型であることを特徴とする請求項4に記載のエキシマランプ装置。
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