JP2004264949A - 労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体並びに労務管理・賃金管理に用いられるシステム - Google Patents
労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体並びに労務管理・賃金管理に用いられるシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】オペレータに対して未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付かせることができるとともに、どの業務の手続をどのような順番で行うべきかを明示することができる労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体等を提供すること。
【解決手段】コンピュータの画面上に労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示させるとともに、前記手続のうち選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を当該捕捉処理に対応する業務の順序を明示して前記画面上に全て表示させる。捕捉処理の識別子の表示がクリックされると当該捕捉処理に対応した業務が可能になる。当該業務が完了すると当該業務に対応する捕捉処理の識別子を前記画面上にチェックを付して表示させる。
【選択図】図5
【解決手段】コンピュータの画面上に労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示させるとともに、前記手続のうち選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を当該捕捉処理に対応する業務の順序を明示して前記画面上に全て表示させる。捕捉処理の識別子の表示がクリックされると当該捕捉処理に対応した業務が可能になる。当該業務が完了すると当該業務に対応する捕捉処理の識別子を前記画面上にチェックを付して表示させる。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、健康保険厚生年金に関する手続、被扶養者に関する手続、第三号被保険者に関する手続、雇用保険に関する手続その他の社員に関する手続を所定の期間内に取りこぼしなく行うことを可能とする労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体並びに労務管理・賃金管理に用いられるシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、労務管理・賃金管理ソフトウエアとしては、非特許文献1から6に開示されたものが知られている。これらの労務管理・賃金管理ソフトウエアは、これをコンピュータにインストールすることにより当該コンピュータに、社会保険労務士が行う業務、例えば、健康保険厚生年金に関する手続、被扶養者に関する手続、第三号被保険者に関する手続、雇用保険に関する手続その他の社員に関する手続に必要な処理を行わせるとともに、当該各手続に必要な書類を作成させるものであり、書類作成に必要な情報そのものはオペレータにより当該コンピュータのキーボードやマウス等のデバイスを用いて入力されるように構成されている。これらの各手続は通常複数の書類を必要とする。
【0003】
【非特許文献1】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.melb.co.jp/JP/i20_solution.html>
【非特許文献2】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.kk−koc.co.jp/>
【非特許文献3】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.mks.or.jp/shalom/index2.html
【非特許文献4】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.jip.co.jp/bs/products/Shohin/27/kihon/kihon.html
【非特許文献5】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.fard.co.jp/index2.html
【非特許文献6】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.back−office.co.jp/service.html
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの非特許文献に開示された従来の労務管理・賃金管理ソフトウエアでは、複数の書類のうち作成し忘れた書類があってもそれをオペレータに知らせるような機能はなかった。従って、オペレータが作成し忘れた書類があっても第三者によって指摘されるか又は自分で気付かない限り、その書類が作成されることはなかった。また、ある社員については必要書類を作成したけれども、別の社員については必要書類を作成していない場合には、その別の社員については全く必要書類が作成されないという場合もあった。また一つの手続には複数の書類を必要とするため、どのような書類をどのような順序で作成するかを担当者が自分で判断して業務を遂行するのは熟練者でも労力を要するという問題もあった。
【0005】
このような状況を放置しておくと種々の問題がある。例えば、社員にとっては本来受けられるはずの給付等が受けられなかったり、逆に、会社が本来負担しなくてもよい料金まで負担する羽目になる等、不利益・不都合が大きいという問題があった。また社労士事務所では業務の漏れを発見するのに時間を割くと業務効率が悪化し人件費が嵩むという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、オペレータに対して未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付かせることができるとともに、どの業務の手続をどのような順番で行うべきかを明示することができる労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体並びに労務管理・賃金管理に用いられるシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載された本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体は、コンピュータを、社員を一意に特定する識別データ及び/又は当該社員に関する各種データを入力する入力手段、前記識別データ及び/又は前記各種データを記憶する社員情報記憶手段、労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示する手続表示手段、前記手続のうち、どの手続が選択されたのかを判断する手続選択手段、選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を前記画面上に全て表示する捕捉処理表示手段、前記捕捉処理のうち、どの捕捉処理が選択されたのかを判断する捕捉処理選択手段、選択された捕捉処理において必要となる前記識別データ及び/又は前記各種データの入力を促す誘導表示を前記画面上に表示する誘導入力表示手段、前記誘導表示に従って前記入力手段により入力される前記識別データ及び/又は前記各種データに基づいて、選択された捕捉処理に対応した出力データを作成する出力データ作成手段として機能させることを要旨とするものである。
【0008】
ここで「識別データ」とは、社員を一意に特定するためのデータであり、具体的には氏名や社員コードが該当するがこれに限定されるものではない。「各種データ」とは社員に関するデータであり、例えば、請求項2に記載されるように、生年月日、性別、入社年月日、退社年月日その他の前記捕捉処理に必要なデータが該当するがこれに限定されるものではない。
【0009】
労務管理・賃金管理に必要な「手続」には、入社手続、退社手続、給与手続、賞与手続、社会保険月額変更対象者の手続、社会保険月額算定手続、昇給月顧問先の手続、年末調整手続、労働保険手続、随時手続(40歳・60歳・64歳・65歳・70歳到達者の手続)、その他の手続(休業手続等)が含まれるがこれらに限定されるものではなく労務管理・賃金管理に必要な手続であれば該当しえる。
【0010】
「捕捉処理」とは「手続」を行うために必要な書類作成業務・各種事務業務の一つ一つの業務をいう。入社手続の場合「捕捉処理」には社員情報入力の業務、健保厚年資格取得届の作成業務、被扶養者(異動)届の作成業務、連絡票の作成業務、雇用保険資格取得届の作成業務、労働者名簿の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0011】
退社手続の場合「捕捉処理」には社員情報入力の業務、健保厚年資格喪失届の作成業務、連絡票の作成業務、雇用保険資格喪失届の作成業務、離職票の作成業務、源泉徴収票の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。給与手続の場合「捕捉処理」には給与入力の業務、給与明細書の作成業務、振込依頼書振込FDの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0012】
賞与手続の場合「捕捉処理」には賞与入力の業務、賞与明細書の作成業務、振込依頼書振込FDの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。社会保険月額変更対象者の手続の場合「捕捉処理」には社会保険関係書類作成の業務、社会保険必要項目入力の業務、月額変更届の作成業務、改定業務、お知らせの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。月額算定手続の場合「捕捉処理」には社会保険必要項目入力の業務、月額算定基礎届の作成業務、改定業務、お知らせの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0013】
年末調整手続の場合「捕捉処理」には年末調整入力の業務、年末調整計算の業務、還付金明細書の作成業務、源泉徴収票の作成業務、源泉徴収簿の作成業務、賃金台帳の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。昇給月顧問先の手続の場合、昇給月は会社によって異なるため「捕捉処理」には昇給月入力業務、昇給金額算定業務、個人別賃金入力業務、月別賃金入力業務、確定賃金入力業務のうち少なくとも一つが含まれる。労働保険手続の場合「捕捉処理」には個人別賃金入力業務、月別賃金入力業務、確定賃金入力業務、労働保険料算定基礎賃金等の報告リスト作成業務、労働保険料等納入通知書リスト作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0014】
随時手続のうち、例えば、60歳到達者の手続の場合「捕捉処理」には60歳到達時情報入力の業務、60歳到達時賃金証明書の作成業務、高年齢給付資格取得確認票の作成業務のうち少なくとも一つが含まれ、70歳到達者の手続の場合「捕捉処理」には70歳到達時情報入力の業務、厚生年金資格喪失届の作成業務、連絡票の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0015】
手続選択手段や捕捉処理選択手段としてはキーボードやマウスであればよいが、これらに限定されるものではない。
「誘導表示」とは氏名、事業所コード、年月日等の入力場所がわかるような表示をいう。
【0016】
上記構成を備えたプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体は、これをコンピュータにインストールすることによりコンピュータを種々の手段として機能させる。コンピュータは手続表示手段として機能することにより労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示する。コンピュータは入力手段として機能すると識別データや各種データを当該コンピュータへ入力する。そしてコンピュータは手続選択手段として機能するとオペレータによりどの手続が選択されたのかを判断した後、捕捉処理表示手段として機能し選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を画面上に全て表示する。そのためオペレータは未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付くことができる。
【0017】
そして捕捉処理が始まると、コンピュータは誘導入力表示手段として機能し選択された捕捉処理において必要となる識別データ及び/又は各種データの入力を促す誘導表示を画面上に表示する。この誘導表示に従って識別データ及び/又は各種データが入力されるとコンピュータは社員情報記憶手段として機能しこれらを記憶するとともに、出力データ作成手段として機能し選択された捕捉処理に対応した出力データを作成する。
【0018】
請求項3に記載されるように前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め要否が識別可能に表示させてもよい。ここで「要否」とは当該捕捉処理が必要が不要かということを意味する。
また、請求項4に記載されるように前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、業務の流れに従って表示されるようにしてもよいし、請求項5に記載されるように予め設定された優先順位に従って表示されるようにしてもよい。
また、請求項6に記載されるように前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め設定された捕捉条件に従って表示されるようにしてもよい。このときに、請求項7に記載されるように前記捕捉条件は、捕捉開始時期及び/又は捕捉期間とすればよい。
【0019】
また、請求項8に記載されるように前記捕捉処理表示手段は、済んだ捕捉処理の識別子と未だ済んでない捕捉処理の識別子とを識別可能に表示するものであってもよい。
また、請求項9に記載されるように前記出力データは、これを用いて印刷したとしたならば前記捕捉処理に対応した書類が作成されるものであるとよい。当該出力データを用いて直ちに印刷作業ができるからである。
【0020】
また、請求項10に記載されるように前記社員情報記憶手段に記憶された識別データ及び/又は各種データは、選択された捕捉処理以外の捕捉処理に対応した出力データを作成するときに反映されるようにするとよい。そうすれば重複する識別データ及び/又は各種データについてはその入力作業が省略されるとともに、誤入力があったときは一つの内容を変更するだけで全ての識別データ及び/又は各種データにその変更が反映されるため全体として作業の効率化を図ることができるためである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステム1(以下単に「本システム1」という。)の運用形態を概略的に示したものである。同図において、社労士事務所A,B…とは例えば、顧客C…からの依頼を受けて役所D…へ提出する労務管理に関する各種手続のための書類作成、賃金計算、給与明細書の作成、役所に対する当該各種手続の代行等を業とする事務所をいう。社労士事務所A,B…には、労務管理・賃金管理をコンピュータに実行させるためのプログラムをインストールしたコンピュータ2…がインターネット等のネットワーク3を介して通信可能に配置されるとともに、各種手続に必要な書類を印刷するための印刷装置4…が配置されている。
【0022】
本システム1を構成するコンピュータ2…は、労務管理・賃金管理を当該コンピュータ2…に実行させるためのプログラムをその製造販売元からネットワーク3を介してダウンロードしてインストールしたものでもよい。また、本システム1を構成するコンピュータ2…は、労務管理・賃金管理をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体から当該プログラムをインストールしたものでもよい。
【0023】
本システム1は、これを構成するコンピュータ2…を社労士事務所Aのようにスタンドアロン型としてもよいし、社労士事務所Bのようにローカルエリアネットワーク(LAN)型とし、顧客Cの各種手続のための情報を格納したデータベース5…を各コンピュータ2…で共有するようにしてもよい。データベース5…を共有する場合には、各コンピュータ2…で同一のデータについて処理を行う場合もあり得るためデータの一貫性を保つための処理が内部的になされるがこの技術は公知であるのでその説明を省略する。
【0024】
そして、各事務所A,B…、顧客C…、役所D…はネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されていれば、各事務所A,B…は、顧客C…からの依頼を電子データで受け、その依頼に対する業務を行った後、役所D…に対して各種書類を窓口まで持参又は郵送するほか、電子データで各種書類を送信することもできる。
【0025】
以下の説明においては、社労士事務所Aの形態で本システム1が構成されるものとし、本システム1を構成するコンピュータ2は、労務管理・賃金管理を当該コンピュータに実行させるためのプログラムが、当該プログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体から、インストールされたものとする。
【0026】
本システム1を構成するコンピュータ2は、図2に示したように装置各部を制御する中央制御装置(CPU)6、当該コンピュータ2及び各種デバイスを制御するためのプログラムであってメインメモリに読み込まれるプログラムを記憶させたリードオンリメモリ(ROM)7、実行プログラム・各種データ等を記憶させたランダムアクセスメモリ(RAM)8、データ入力に用いるキーボード・マウス等の入力手段9、実行結果や入力情報を表示する画面装置10からなる。そしてこのコンピュータには、各種データや手続書類を印刷するための印刷装置4が接続されている。
【0027】
本システム1に係る労務管理・賃金管理において、キーボード・マウスはデータ入力のための入力手段10として機能する。社員名・生年月日等を入力したり種々の命令を送出させるためのデバイスである。入力手段10は手続の選択や捕捉処理の選択にも用いられる。RAM8は、本システム1に係る労務管理・賃金管理を当該コンピュータ2に実行させるためのプログラムやを記憶するほか、本システム1に係る労務管理・賃金管理に必要な各種データ・ファイルを記憶する。そのためRAM8は、社員情報記憶手段として機能する。CPU6は、RAM8から「労務管理・賃金管理プログラム」を読み出して当該コンピュータ2及び各種デバイスに制御指令を送出し、本システム1に係る労務管理・賃金管理に関する各種処理を実行する。
【0028】
画面装置10は、本システム1に係る労務管理・賃金管理に関する各種の処理を実行させるために必要な情報をオペレータに入力させるための誘導画面を表示する。図5から図12にその表示例を示すが、これらの画面表示例において状況ツリーEは手続表示手段により表示され、状況ウインドウFは捕捉処理表示手段により表示され、誘導入力表示H(図10参照)は誘導入力表示手段により表示される表示例である。ここで「手続」、「捕捉処理」、「誘導入力」についての説明は上述したので省略する。
【0029】
上記した構成を備えた本システム1により労務管理・賃金管理に関する各種の処理がどのように実行されるのか、図3及び図4に示したフローチャート及び図5から図12に示した画面表示例を参照して説明する。
【0030】
図5から図12は、いずれも労務管理・賃金管理プログラム(以下単に「本プログラム」という。)の実行中における画面表示例を示したものである。図5、図6及び図11は手続として入社手続が選択されたとき、図7から図9は手続として退社手続が選択されたときの画面表示例である。図10は入社手続のうちの捕捉処理の一つである被扶養者(異動)届の作成業務が行われるときの画面表示例である。また図12は捕捉条件の設定が行われるときの画面表示例である。
【0031】
(本プログラムの起動と手続選択)
図3に示したように本プログラムが起動されると(S1)、各種の初期設定がなされた後、前回処理が終了したときの画面表示になるように処理が自動的に進む(S2)。ここでは図5に示した入社手続が自動的に選択され(S3)、捕捉状況確認処理が行われるものとする(S4)。
【0032】
(捕捉状況確認処理)
ここで図4を参照してS4の捕捉状況確認処理について説明する。捕捉状況確認処理では、状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gを表示するときに状況ウインドウFに表示すべき捕捉処理が、図13に示した捕捉テーブルT1や図14に示した捕捉条件設定テーブルT2を更新及び/又は参照することにより決定されるとともに当該捕捉処理が未処理か既処理かが判断される。未処理のときはチェックを付さずに表示し、既処理のときはチェックを付して表示するための設定がなされる。
【0033】
まず捕捉条件設定テーブルT2を参照して捕捉しようとする各捕捉処理の捕捉条件(期日・期間)に該当するか否かが判断される(S12)。「松田俊彦」や「近藤俊彦」のときは捕捉開始日が2月12日であるためその日から30日間は、S12において該当すると判断されてS13に進む。
【0034】
次に捕捉テーブルT1を参照して捕捉レコードが作成されているかが判断される(S13)。「松田俊彦」や「近藤俊彦」の捕捉レコードが既に作成されているため、そのままS16に進む。そして捕捉処理が完了した業務の捕捉フラグがON(済)にされる(S16)。既に捕捉フラグがON(済)にされているときには何もされない。
【0035】
次に捕捉テーブルT1の捕捉フラグが全てON(済)か否かが判断される(S17)。「松田俊彦」や「近藤俊彦」のときは捕捉テーブルT1に未だ済んでいない処理があるためS18をとばしてS19に進み、既処理と未処理の捕捉処理を区別して捕捉処理の一覧を画面上に表示すべく必要な情報がRAMに記憶される(S19)。
【0036】
尚、S13において捕捉レコードが作成されていないと判断されたとき、例えば、社員情報入力のみがなされたあとで捕捉状況確認処理が行われるときには、捕捉テーブルT1に全ての捕捉フラグがOFF(未)の捕捉レコードが追加されるとともに捕捉条件設定テーブルT2に条件設定レコードが追加され捕捉開始日付がシステム日付で更新される(S14)。手続毎に作成されている図15に示した捕捉可否設定テーブルT3及び図16に示した優先順位設定テーブルT4が参照され捕捉レコードのうち捕捉しない業務の捕捉フラグはON(済)とされた上で優先順位に従って左から順番に右へ向かって表示される(S15)。例えば、水野総合鑑定や太陽ファームの場合には捕捉フラグはすべてOFF(未)とされ全ての捕捉業務にチェックが付されずに状況ウインドウFに表示されるが、アオキ商会の場合には捕捉業務のうち連絡票は予め既に作成されたものとしてON(済)とされ連絡票についてはチェックが付されて、図16の優先順位に従って左から右へ順に状況ウインドウに表示されることになる。
【0037】
(状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gの表示)
図3に戻って説明を続ける。S5に進むと図5に示したように状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示される。メニューツリーは状況ツリーEと業務ツリーとからなるが、同図は状況ツリーEが表示された画面例である。状況ツリーEは、労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子としてその名称が表示される画面である。従ってオペレータは、どのような手続があるかを一目で把握することができる。業務ツリーは、実際に社員に関するデータ入力や各種手続書類を作成するために必要なデータ入力項目や業務の名称が表示される画面である。
【0038】
状況ツリーEは、マウスやカーソルキー等を用いて選択された手続又は前回処理の終了時に選択されていた手続が太枠で強調して表示される。ここでは入社手続が選択された状態になっている。また入社手続一覧Gには処理対象になっている社員データが太枠で強調して表示される。
【0039】
そして同図の画面上部の状況ウインドウFには、入社手続一覧Gで太枠で強調して表示されている社員に必要な捕捉業務のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子としてその名称及びアイコンが表示される。状況ウインドウFは左側から右側へいく方向へ業務の流れを示すが、オペレータはこの順序通りに業務を進める必要はなくどの業務が選択されてもその業務を行うことができる。また、捕捉条件設定テーブルT2の各業務に1、2…という番号が付されているが、これは状況ウインドウFで表示させる順番(画面向かって左側から右側へいく順番)を示す。場合によっては、捕捉条件設定テーブルT2で付された番号を変更することで表示順序を変更してもよい。
【0040】
図5に示した状況ウインドウFでは入社手続で必要な捕捉処理(業務処理)が社員情報入力業務及び健保厚年資格取得届・被扶養者(異動)届・連絡票・雇用保険資格取得届・労働者名簿の作成業務であることが一目でわかる。そして社員情報入力業務についてはチェックが付されているがこれにより、「近藤俊彦」についてはこの処理が完了していることがわかる。従ってオペレータは既処理・未処理のものを一目で確認でき今後の業務の進め方を調整することが容易になる。
【0041】
画面中央には入社手続一覧Gが表示され、入社手続を行う必要がある社員データが表示される。入社手続一覧Gは捕捉テーブルT1を参照して表示され、画面左半分には社員情報として「事業所コード」、「事業所名」、「社員コード」、「社員名」、「社員カナ」、「生年月日」、「性別」が表示される。一方画面右半分には状況ウインドウFに表示された捕捉処理の識別子としてその名称が表示されるとともに未処理/既処理の別が判別できるように表示される。○印が既処理、×印が未処理である。レコード数が多いときや各レコードの項目数が多くて全てを一覧表示できない場合にはスクロールバーを操作することにより全情報が得られる。
【0042】
ここでS5の表示例として別の例を示す。図6は入社手続に係る状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示された状態を示したものである。ここでは「松田俊彦」については被扶養者(異動)届以外については捕捉処理が完了していることがわかる。図7は退社手続に係る状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示された状態を示したものである。ここでは「松田明菜」については社員情報入力の業務及び健保厚年資格喪失届・離職票・源泉徴収票の作成業務は済んでいるがそのほかの業務が済んでいないことがわかる。また、図8は同じく退社手続に係る状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示された状態を示したものである。ここでは「平野雅夫」については何の業務も済んでないことがわかる。
【0043】
尚、例えば図7や図8の画面表示状態で「松田明菜」に係る退社手続に必要な捕捉処理を全て行った結果その処理過程でS16において全ての捕捉処理の捕捉フラグがON(済)にされると、捕捉レコードが捕捉テーブルより削除される。この後状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gを表示させると図9に示したように「松田明菜」に関する表示は画面からなくなる。
【0044】
(業務ツリーの表示・誘導入力画面の表示)
図5において「近藤俊彦」に係る状況ウインドウFにおいて被扶養者(異動)届がクリックされると(S2)、図10に示した画面に切り替わり(S6)、画面左側のメニューツリーには業務ツリーが表示されるとともに、画面中央には「被扶養者(異動)届」の作成に必要となる各種データの入力を促す誘導表示が画面上に表示される。もともと「近藤俊彦」が選択されていたので「社員個別指定」が自動的に選択され、書類作成に必要な情報として社員コード及び提出年月日の入力を促す誘導表示がなされる(S6)。
【0045】
そして誘導表示に従ってオペレータにより必要事項が入力され当該捕捉処理が実行される。最後に印刷ボタンが押されると、出力データ作成手段として機能し、既に入力されている各種データに基づいて出力データが作成される(S7)。そして捕捉処理(被扶養者(異動)届の作成)が完了したかどうかが判定される(S8)。印刷ボタンが押されると原則として完了したと判断され、被扶養者(異動)届が印刷される(S9)。そしてS10において上記の捕捉状況確認処理が行われ捕捉テーブルT1の被扶養者(異動)届の捕捉フラグがON(済)に書き換えられる。
【0046】
そしてオペレータの入力操作に基づいて状況ツリーEを表示させる操作がなされると(S2からS4)、図11に示した画面表示に切り替わり捕捉処理のうち被扶養者(異動)届のアイコンはチェックを付して表示される(S5)。また状況ウインドウFでは健保厚年資格取得届の作成業務が未だなされていないことがわかる。オペレータは状況ウインドウFに表示される順序に拘束されることなく、任意の捕捉処理を選んで書類作成や情報入力の業務ができる。
【0047】
(捕捉設定処理)
オペレータによる入力操作により(S2)、捕捉条件の決定が選択されると、図12の捕捉処理設定画面が表示され、捕捉の可否と何日捕捉するかとを設定するための誘導入力が表示される(S11)。ここからデータを入力することにより、必要に応じて捕捉の可否や何日捕捉するかが変更できる。
【0048】
(その他)
捕捉テーブルT1及び捕捉条件設定テーブルT2に一旦は格納した社員データのうち事業所コード、事業所名、社員コード、社員名、社員カナ、生年月日、性別については社員全リストテーブル(図示省略)に格納されており必要に応じて読み出して使用される。
【0049】
以上においては入社手続や退社手続を一例にとって説明したが、給与手続、賞与手続、社会保険月額変更対象者の手続、社会保険月額算定手続、昇給月顧問先の手続、年末調整手続、労働保険手続、随時手続(40歳・60歳・64歳・65歳・70歳到達者の手続)、その他の手続(休業手続等)においても状況ツリーE・業務ツリーからなるメニューツリー、状況ウインドウF及び手続一覧Gが表示される。これにより、オペレータに対して手続書類・手続処理に何があるのかを簡単に知らせることができる。すなわち処理すべきであるにもかかわらず未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付かせることができる。従ってオペレータによる業務のし忘れを大幅に低減させることができる。そのため業務の効率向上を図れ人件費を実質的に抑えることもできる。
【0050】
以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では状況ツリーEの位置を画面左側に配置し、状況ウインドウFの位置を画面上部に配置し、手続き一覧の位置を画面中央に配置するようにしたがこれらの配置は変更してもよい。要するに各手続に必要な捕捉処理であって未だ処理が済んでいないものが一目でオペレータに判らせることができるものであれば本発明の範囲に含まれるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体は、当該コンピュータに、選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を画面上に全て表示させる。そのためオペレータは未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付くことができるという効果がある。従って取りこぼしなく手続を遂行することができるという効果がある。業務効率も向上し人件費を抑えることができるという効果がある。
【0052】
このときに画面上に表示させる全ての捕捉処理の識別子の順序は、予め設定された優先順位に従って表示させるようにすれば担当者にとっては業務の順序が明示されることになり業務管理が楽になり業務効率が向上するという効果がある。
【0053】
以上説明したように本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムは、選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を画面上に全て表示する。そのためオペレータは未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付くことができるという効果がある。従って取りこぼしなく手続を遂行することができるという効果がある。業務効率も向上し人件費を抑えることができるという効果がある。
【0054】
このときに画面上に表示させる全ての捕捉処理の識別子の順序は、予め設定された優先順位に従って表示させるようにすれば担当者にとっては業務の順序が明示されることになり業務管理が楽になり業務効率が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムの構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムを構成するコンピュータの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムを構成するコンピュータにインストールされるプログラムの処理手順を示したフローチャートである。
【図4】捕捉状況確認処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係り、社員「近藤俊彦」の入社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係り、社員「松田俊彦」の入社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係り、社員「松田明菜」の退社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係り、社員「平野雅夫」の退社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図9】本発明の一実施形態に係り、図7又は図8の場合に社員「松田明菜」の退社手続を全て完了した後の社員「平野雅夫」の退社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図10】被扶養者(異動)届の作成業務を行うときの誘導入力画面表示の一例を示した図である。
【図11】本発明の一実施形態に係り、図5の画面表示の状態から開始して被扶養者(異動)届の作成業務が完了した後における社員「近藤俊彦」の入社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図12】捕捉条件の設定を行うときの誘導入力画面表示の一例を示した図である。
【図13】捕捉テーブルT1の一例を示した図である。
【図14】捕捉条件設定テーブルT2の一例を示した図である。
【図15】捕捉可否設定テーブルT3の一例を示した図である。
【図16】優先順位設定テーブルT4の一例を示した図である。
【符号の説明】
E 状況ツリー
F 状況ウインドウ
G 手続一覧
H 誘導入力画面
【発明の属する技術分野】
本発明は、健康保険厚生年金に関する手続、被扶養者に関する手続、第三号被保険者に関する手続、雇用保険に関する手続その他の社員に関する手続を所定の期間内に取りこぼしなく行うことを可能とする労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体並びに労務管理・賃金管理に用いられるシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、労務管理・賃金管理ソフトウエアとしては、非特許文献1から6に開示されたものが知られている。これらの労務管理・賃金管理ソフトウエアは、これをコンピュータにインストールすることにより当該コンピュータに、社会保険労務士が行う業務、例えば、健康保険厚生年金に関する手続、被扶養者に関する手続、第三号被保険者に関する手続、雇用保険に関する手続その他の社員に関する手続に必要な処理を行わせるとともに、当該各手続に必要な書類を作成させるものであり、書類作成に必要な情報そのものはオペレータにより当該コンピュータのキーボードやマウス等のデバイスを用いて入力されるように構成されている。これらの各手続は通常複数の書類を必要とする。
【0003】
【非特許文献1】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.melb.co.jp/JP/i20_solution.html>
【非特許文献2】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.kk−koc.co.jp/>
【非特許文献3】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.mks.or.jp/shalom/index2.html
【非特許文献4】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.jip.co.jp/bs/products/Shohin/27/kihon/kihon.html
【非特許文献5】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.fard.co.jp/index2.html
【非特許文献6】平成15年2月7日検索 インターネット
<URL http://www.back−office.co.jp/service.html
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの非特許文献に開示された従来の労務管理・賃金管理ソフトウエアでは、複数の書類のうち作成し忘れた書類があってもそれをオペレータに知らせるような機能はなかった。従って、オペレータが作成し忘れた書類があっても第三者によって指摘されるか又は自分で気付かない限り、その書類が作成されることはなかった。また、ある社員については必要書類を作成したけれども、別の社員については必要書類を作成していない場合には、その別の社員については全く必要書類が作成されないという場合もあった。また一つの手続には複数の書類を必要とするため、どのような書類をどのような順序で作成するかを担当者が自分で判断して業務を遂行するのは熟練者でも労力を要するという問題もあった。
【0005】
このような状況を放置しておくと種々の問題がある。例えば、社員にとっては本来受けられるはずの給付等が受けられなかったり、逆に、会社が本来負担しなくてもよい料金まで負担する羽目になる等、不利益・不都合が大きいという問題があった。また社労士事務所では業務の漏れを発見するのに時間を割くと業務効率が悪化し人件費が嵩むという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、オペレータに対して未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付かせることができるとともに、どの業務の手続をどのような順番で行うべきかを明示することができる労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体並びに労務管理・賃金管理に用いられるシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載された本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体は、コンピュータを、社員を一意に特定する識別データ及び/又は当該社員に関する各種データを入力する入力手段、前記識別データ及び/又は前記各種データを記憶する社員情報記憶手段、労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示する手続表示手段、前記手続のうち、どの手続が選択されたのかを判断する手続選択手段、選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を前記画面上に全て表示する捕捉処理表示手段、前記捕捉処理のうち、どの捕捉処理が選択されたのかを判断する捕捉処理選択手段、選択された捕捉処理において必要となる前記識別データ及び/又は前記各種データの入力を促す誘導表示を前記画面上に表示する誘導入力表示手段、前記誘導表示に従って前記入力手段により入力される前記識別データ及び/又は前記各種データに基づいて、選択された捕捉処理に対応した出力データを作成する出力データ作成手段として機能させることを要旨とするものである。
【0008】
ここで「識別データ」とは、社員を一意に特定するためのデータであり、具体的には氏名や社員コードが該当するがこれに限定されるものではない。「各種データ」とは社員に関するデータであり、例えば、請求項2に記載されるように、生年月日、性別、入社年月日、退社年月日その他の前記捕捉処理に必要なデータが該当するがこれに限定されるものではない。
【0009】
労務管理・賃金管理に必要な「手続」には、入社手続、退社手続、給与手続、賞与手続、社会保険月額変更対象者の手続、社会保険月額算定手続、昇給月顧問先の手続、年末調整手続、労働保険手続、随時手続(40歳・60歳・64歳・65歳・70歳到達者の手続)、その他の手続(休業手続等)が含まれるがこれらに限定されるものではなく労務管理・賃金管理に必要な手続であれば該当しえる。
【0010】
「捕捉処理」とは「手続」を行うために必要な書類作成業務・各種事務業務の一つ一つの業務をいう。入社手続の場合「捕捉処理」には社員情報入力の業務、健保厚年資格取得届の作成業務、被扶養者(異動)届の作成業務、連絡票の作成業務、雇用保険資格取得届の作成業務、労働者名簿の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0011】
退社手続の場合「捕捉処理」には社員情報入力の業務、健保厚年資格喪失届の作成業務、連絡票の作成業務、雇用保険資格喪失届の作成業務、離職票の作成業務、源泉徴収票の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。給与手続の場合「捕捉処理」には給与入力の業務、給与明細書の作成業務、振込依頼書振込FDの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0012】
賞与手続の場合「捕捉処理」には賞与入力の業務、賞与明細書の作成業務、振込依頼書振込FDの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。社会保険月額変更対象者の手続の場合「捕捉処理」には社会保険関係書類作成の業務、社会保険必要項目入力の業務、月額変更届の作成業務、改定業務、お知らせの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。月額算定手続の場合「捕捉処理」には社会保険必要項目入力の業務、月額算定基礎届の作成業務、改定業務、お知らせの作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0013】
年末調整手続の場合「捕捉処理」には年末調整入力の業務、年末調整計算の業務、還付金明細書の作成業務、源泉徴収票の作成業務、源泉徴収簿の作成業務、賃金台帳の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。昇給月顧問先の手続の場合、昇給月は会社によって異なるため「捕捉処理」には昇給月入力業務、昇給金額算定業務、個人別賃金入力業務、月別賃金入力業務、確定賃金入力業務のうち少なくとも一つが含まれる。労働保険手続の場合「捕捉処理」には個人別賃金入力業務、月別賃金入力業務、確定賃金入力業務、労働保険料算定基礎賃金等の報告リスト作成業務、労働保険料等納入通知書リスト作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0014】
随時手続のうち、例えば、60歳到達者の手続の場合「捕捉処理」には60歳到達時情報入力の業務、60歳到達時賃金証明書の作成業務、高年齢給付資格取得確認票の作成業務のうち少なくとも一つが含まれ、70歳到達者の手続の場合「捕捉処理」には70歳到達時情報入力の業務、厚生年金資格喪失届の作成業務、連絡票の作成業務のうち少なくとも一つが含まれる。
【0015】
手続選択手段や捕捉処理選択手段としてはキーボードやマウスであればよいが、これらに限定されるものではない。
「誘導表示」とは氏名、事業所コード、年月日等の入力場所がわかるような表示をいう。
【0016】
上記構成を備えたプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体は、これをコンピュータにインストールすることによりコンピュータを種々の手段として機能させる。コンピュータは手続表示手段として機能することにより労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示する。コンピュータは入力手段として機能すると識別データや各種データを当該コンピュータへ入力する。そしてコンピュータは手続選択手段として機能するとオペレータによりどの手続が選択されたのかを判断した後、捕捉処理表示手段として機能し選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を画面上に全て表示する。そのためオペレータは未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付くことができる。
【0017】
そして捕捉処理が始まると、コンピュータは誘導入力表示手段として機能し選択された捕捉処理において必要となる識別データ及び/又は各種データの入力を促す誘導表示を画面上に表示する。この誘導表示に従って識別データ及び/又は各種データが入力されるとコンピュータは社員情報記憶手段として機能しこれらを記憶するとともに、出力データ作成手段として機能し選択された捕捉処理に対応した出力データを作成する。
【0018】
請求項3に記載されるように前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め要否が識別可能に表示させてもよい。ここで「要否」とは当該捕捉処理が必要が不要かということを意味する。
また、請求項4に記載されるように前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、業務の流れに従って表示されるようにしてもよいし、請求項5に記載されるように予め設定された優先順位に従って表示されるようにしてもよい。
また、請求項6に記載されるように前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め設定された捕捉条件に従って表示されるようにしてもよい。このときに、請求項7に記載されるように前記捕捉条件は、捕捉開始時期及び/又は捕捉期間とすればよい。
【0019】
また、請求項8に記載されるように前記捕捉処理表示手段は、済んだ捕捉処理の識別子と未だ済んでない捕捉処理の識別子とを識別可能に表示するものであってもよい。
また、請求項9に記載されるように前記出力データは、これを用いて印刷したとしたならば前記捕捉処理に対応した書類が作成されるものであるとよい。当該出力データを用いて直ちに印刷作業ができるからである。
【0020】
また、請求項10に記載されるように前記社員情報記憶手段に記憶された識別データ及び/又は各種データは、選択された捕捉処理以外の捕捉処理に対応した出力データを作成するときに反映されるようにするとよい。そうすれば重複する識別データ及び/又は各種データについてはその入力作業が省略されるとともに、誤入力があったときは一つの内容を変更するだけで全ての識別データ及び/又は各種データにその変更が反映されるため全体として作業の効率化を図ることができるためである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステム1(以下単に「本システム1」という。)の運用形態を概略的に示したものである。同図において、社労士事務所A,B…とは例えば、顧客C…からの依頼を受けて役所D…へ提出する労務管理に関する各種手続のための書類作成、賃金計算、給与明細書の作成、役所に対する当該各種手続の代行等を業とする事務所をいう。社労士事務所A,B…には、労務管理・賃金管理をコンピュータに実行させるためのプログラムをインストールしたコンピュータ2…がインターネット等のネットワーク3を介して通信可能に配置されるとともに、各種手続に必要な書類を印刷するための印刷装置4…が配置されている。
【0022】
本システム1を構成するコンピュータ2…は、労務管理・賃金管理を当該コンピュータ2…に実行させるためのプログラムをその製造販売元からネットワーク3を介してダウンロードしてインストールしたものでもよい。また、本システム1を構成するコンピュータ2…は、労務管理・賃金管理をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体から当該プログラムをインストールしたものでもよい。
【0023】
本システム1は、これを構成するコンピュータ2…を社労士事務所Aのようにスタンドアロン型としてもよいし、社労士事務所Bのようにローカルエリアネットワーク(LAN)型とし、顧客Cの各種手続のための情報を格納したデータベース5…を各コンピュータ2…で共有するようにしてもよい。データベース5…を共有する場合には、各コンピュータ2…で同一のデータについて処理を行う場合もあり得るためデータの一貫性を保つための処理が内部的になされるがこの技術は公知であるのでその説明を省略する。
【0024】
そして、各事務所A,B…、顧客C…、役所D…はネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されていれば、各事務所A,B…は、顧客C…からの依頼を電子データで受け、その依頼に対する業務を行った後、役所D…に対して各種書類を窓口まで持参又は郵送するほか、電子データで各種書類を送信することもできる。
【0025】
以下の説明においては、社労士事務所Aの形態で本システム1が構成されるものとし、本システム1を構成するコンピュータ2は、労務管理・賃金管理を当該コンピュータに実行させるためのプログラムが、当該プログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体から、インストールされたものとする。
【0026】
本システム1を構成するコンピュータ2は、図2に示したように装置各部を制御する中央制御装置(CPU)6、当該コンピュータ2及び各種デバイスを制御するためのプログラムであってメインメモリに読み込まれるプログラムを記憶させたリードオンリメモリ(ROM)7、実行プログラム・各種データ等を記憶させたランダムアクセスメモリ(RAM)8、データ入力に用いるキーボード・マウス等の入力手段9、実行結果や入力情報を表示する画面装置10からなる。そしてこのコンピュータには、各種データや手続書類を印刷するための印刷装置4が接続されている。
【0027】
本システム1に係る労務管理・賃金管理において、キーボード・マウスはデータ入力のための入力手段10として機能する。社員名・生年月日等を入力したり種々の命令を送出させるためのデバイスである。入力手段10は手続の選択や捕捉処理の選択にも用いられる。RAM8は、本システム1に係る労務管理・賃金管理を当該コンピュータ2に実行させるためのプログラムやを記憶するほか、本システム1に係る労務管理・賃金管理に必要な各種データ・ファイルを記憶する。そのためRAM8は、社員情報記憶手段として機能する。CPU6は、RAM8から「労務管理・賃金管理プログラム」を読み出して当該コンピュータ2及び各種デバイスに制御指令を送出し、本システム1に係る労務管理・賃金管理に関する各種処理を実行する。
【0028】
画面装置10は、本システム1に係る労務管理・賃金管理に関する各種の処理を実行させるために必要な情報をオペレータに入力させるための誘導画面を表示する。図5から図12にその表示例を示すが、これらの画面表示例において状況ツリーEは手続表示手段により表示され、状況ウインドウFは捕捉処理表示手段により表示され、誘導入力表示H(図10参照)は誘導入力表示手段により表示される表示例である。ここで「手続」、「捕捉処理」、「誘導入力」についての説明は上述したので省略する。
【0029】
上記した構成を備えた本システム1により労務管理・賃金管理に関する各種の処理がどのように実行されるのか、図3及び図4に示したフローチャート及び図5から図12に示した画面表示例を参照して説明する。
【0030】
図5から図12は、いずれも労務管理・賃金管理プログラム(以下単に「本プログラム」という。)の実行中における画面表示例を示したものである。図5、図6及び図11は手続として入社手続が選択されたとき、図7から図9は手続として退社手続が選択されたときの画面表示例である。図10は入社手続のうちの捕捉処理の一つである被扶養者(異動)届の作成業務が行われるときの画面表示例である。また図12は捕捉条件の設定が行われるときの画面表示例である。
【0031】
(本プログラムの起動と手続選択)
図3に示したように本プログラムが起動されると(S1)、各種の初期設定がなされた後、前回処理が終了したときの画面表示になるように処理が自動的に進む(S2)。ここでは図5に示した入社手続が自動的に選択され(S3)、捕捉状況確認処理が行われるものとする(S4)。
【0032】
(捕捉状況確認処理)
ここで図4を参照してS4の捕捉状況確認処理について説明する。捕捉状況確認処理では、状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gを表示するときに状況ウインドウFに表示すべき捕捉処理が、図13に示した捕捉テーブルT1や図14に示した捕捉条件設定テーブルT2を更新及び/又は参照することにより決定されるとともに当該捕捉処理が未処理か既処理かが判断される。未処理のときはチェックを付さずに表示し、既処理のときはチェックを付して表示するための設定がなされる。
【0033】
まず捕捉条件設定テーブルT2を参照して捕捉しようとする各捕捉処理の捕捉条件(期日・期間)に該当するか否かが判断される(S12)。「松田俊彦」や「近藤俊彦」のときは捕捉開始日が2月12日であるためその日から30日間は、S12において該当すると判断されてS13に進む。
【0034】
次に捕捉テーブルT1を参照して捕捉レコードが作成されているかが判断される(S13)。「松田俊彦」や「近藤俊彦」の捕捉レコードが既に作成されているため、そのままS16に進む。そして捕捉処理が完了した業務の捕捉フラグがON(済)にされる(S16)。既に捕捉フラグがON(済)にされているときには何もされない。
【0035】
次に捕捉テーブルT1の捕捉フラグが全てON(済)か否かが判断される(S17)。「松田俊彦」や「近藤俊彦」のときは捕捉テーブルT1に未だ済んでいない処理があるためS18をとばしてS19に進み、既処理と未処理の捕捉処理を区別して捕捉処理の一覧を画面上に表示すべく必要な情報がRAMに記憶される(S19)。
【0036】
尚、S13において捕捉レコードが作成されていないと判断されたとき、例えば、社員情報入力のみがなされたあとで捕捉状況確認処理が行われるときには、捕捉テーブルT1に全ての捕捉フラグがOFF(未)の捕捉レコードが追加されるとともに捕捉条件設定テーブルT2に条件設定レコードが追加され捕捉開始日付がシステム日付で更新される(S14)。手続毎に作成されている図15に示した捕捉可否設定テーブルT3及び図16に示した優先順位設定テーブルT4が参照され捕捉レコードのうち捕捉しない業務の捕捉フラグはON(済)とされた上で優先順位に従って左から順番に右へ向かって表示される(S15)。例えば、水野総合鑑定や太陽ファームの場合には捕捉フラグはすべてOFF(未)とされ全ての捕捉業務にチェックが付されずに状況ウインドウFに表示されるが、アオキ商会の場合には捕捉業務のうち連絡票は予め既に作成されたものとしてON(済)とされ連絡票についてはチェックが付されて、図16の優先順位に従って左から右へ順に状況ウインドウに表示されることになる。
【0037】
(状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gの表示)
図3に戻って説明を続ける。S5に進むと図5に示したように状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示される。メニューツリーは状況ツリーEと業務ツリーとからなるが、同図は状況ツリーEが表示された画面例である。状況ツリーEは、労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子としてその名称が表示される画面である。従ってオペレータは、どのような手続があるかを一目で把握することができる。業務ツリーは、実際に社員に関するデータ入力や各種手続書類を作成するために必要なデータ入力項目や業務の名称が表示される画面である。
【0038】
状況ツリーEは、マウスやカーソルキー等を用いて選択された手続又は前回処理の終了時に選択されていた手続が太枠で強調して表示される。ここでは入社手続が選択された状態になっている。また入社手続一覧Gには処理対象になっている社員データが太枠で強調して表示される。
【0039】
そして同図の画面上部の状況ウインドウFには、入社手続一覧Gで太枠で強調して表示されている社員に必要な捕捉業務のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子としてその名称及びアイコンが表示される。状況ウインドウFは左側から右側へいく方向へ業務の流れを示すが、オペレータはこの順序通りに業務を進める必要はなくどの業務が選択されてもその業務を行うことができる。また、捕捉条件設定テーブルT2の各業務に1、2…という番号が付されているが、これは状況ウインドウFで表示させる順番(画面向かって左側から右側へいく順番)を示す。場合によっては、捕捉条件設定テーブルT2で付された番号を変更することで表示順序を変更してもよい。
【0040】
図5に示した状況ウインドウFでは入社手続で必要な捕捉処理(業務処理)が社員情報入力業務及び健保厚年資格取得届・被扶養者(異動)届・連絡票・雇用保険資格取得届・労働者名簿の作成業務であることが一目でわかる。そして社員情報入力業務についてはチェックが付されているがこれにより、「近藤俊彦」についてはこの処理が完了していることがわかる。従ってオペレータは既処理・未処理のものを一目で確認でき今後の業務の進め方を調整することが容易になる。
【0041】
画面中央には入社手続一覧Gが表示され、入社手続を行う必要がある社員データが表示される。入社手続一覧Gは捕捉テーブルT1を参照して表示され、画面左半分には社員情報として「事業所コード」、「事業所名」、「社員コード」、「社員名」、「社員カナ」、「生年月日」、「性別」が表示される。一方画面右半分には状況ウインドウFに表示された捕捉処理の識別子としてその名称が表示されるとともに未処理/既処理の別が判別できるように表示される。○印が既処理、×印が未処理である。レコード数が多いときや各レコードの項目数が多くて全てを一覧表示できない場合にはスクロールバーを操作することにより全情報が得られる。
【0042】
ここでS5の表示例として別の例を示す。図6は入社手続に係る状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示された状態を示したものである。ここでは「松田俊彦」については被扶養者(異動)届以外については捕捉処理が完了していることがわかる。図7は退社手続に係る状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示された状態を示したものである。ここでは「松田明菜」については社員情報入力の業務及び健保厚年資格喪失届・離職票・源泉徴収票の作成業務は済んでいるがそのほかの業務が済んでいないことがわかる。また、図8は同じく退社手続に係る状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gが表示された状態を示したものである。ここでは「平野雅夫」については何の業務も済んでないことがわかる。
【0043】
尚、例えば図7や図8の画面表示状態で「松田明菜」に係る退社手続に必要な捕捉処理を全て行った結果その処理過程でS16において全ての捕捉処理の捕捉フラグがON(済)にされると、捕捉レコードが捕捉テーブルより削除される。この後状況ツリーE・状況ウインドウF・手続一覧Gを表示させると図9に示したように「松田明菜」に関する表示は画面からなくなる。
【0044】
(業務ツリーの表示・誘導入力画面の表示)
図5において「近藤俊彦」に係る状況ウインドウFにおいて被扶養者(異動)届がクリックされると(S2)、図10に示した画面に切り替わり(S6)、画面左側のメニューツリーには業務ツリーが表示されるとともに、画面中央には「被扶養者(異動)届」の作成に必要となる各種データの入力を促す誘導表示が画面上に表示される。もともと「近藤俊彦」が選択されていたので「社員個別指定」が自動的に選択され、書類作成に必要な情報として社員コード及び提出年月日の入力を促す誘導表示がなされる(S6)。
【0045】
そして誘導表示に従ってオペレータにより必要事項が入力され当該捕捉処理が実行される。最後に印刷ボタンが押されると、出力データ作成手段として機能し、既に入力されている各種データに基づいて出力データが作成される(S7)。そして捕捉処理(被扶養者(異動)届の作成)が完了したかどうかが判定される(S8)。印刷ボタンが押されると原則として完了したと判断され、被扶養者(異動)届が印刷される(S9)。そしてS10において上記の捕捉状況確認処理が行われ捕捉テーブルT1の被扶養者(異動)届の捕捉フラグがON(済)に書き換えられる。
【0046】
そしてオペレータの入力操作に基づいて状況ツリーEを表示させる操作がなされると(S2からS4)、図11に示した画面表示に切り替わり捕捉処理のうち被扶養者(異動)届のアイコンはチェックを付して表示される(S5)。また状況ウインドウFでは健保厚年資格取得届の作成業務が未だなされていないことがわかる。オペレータは状況ウインドウFに表示される順序に拘束されることなく、任意の捕捉処理を選んで書類作成や情報入力の業務ができる。
【0047】
(捕捉設定処理)
オペレータによる入力操作により(S2)、捕捉条件の決定が選択されると、図12の捕捉処理設定画面が表示され、捕捉の可否と何日捕捉するかとを設定するための誘導入力が表示される(S11)。ここからデータを入力することにより、必要に応じて捕捉の可否や何日捕捉するかが変更できる。
【0048】
(その他)
捕捉テーブルT1及び捕捉条件設定テーブルT2に一旦は格納した社員データのうち事業所コード、事業所名、社員コード、社員名、社員カナ、生年月日、性別については社員全リストテーブル(図示省略)に格納されており必要に応じて読み出して使用される。
【0049】
以上においては入社手続や退社手続を一例にとって説明したが、給与手続、賞与手続、社会保険月額変更対象者の手続、社会保険月額算定手続、昇給月顧問先の手続、年末調整手続、労働保険手続、随時手続(40歳・60歳・64歳・65歳・70歳到達者の手続)、その他の手続(休業手続等)においても状況ツリーE・業務ツリーからなるメニューツリー、状況ウインドウF及び手続一覧Gが表示される。これにより、オペレータに対して手続書類・手続処理に何があるのかを簡単に知らせることができる。すなわち処理すべきであるにもかかわらず未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付かせることができる。従ってオペレータによる業務のし忘れを大幅に低減させることができる。そのため業務の効率向上を図れ人件費を実質的に抑えることもできる。
【0050】
以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では状況ツリーEの位置を画面左側に配置し、状況ウインドウFの位置を画面上部に配置し、手続き一覧の位置を画面中央に配置するようにしたがこれらの配置は変更してもよい。要するに各手続に必要な捕捉処理であって未だ処理が済んでいないものが一目でオペレータに判らせることができるものであれば本発明の範囲に含まれるものである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるプログラム及びそのプログラムをコンピュータ読取可能に記憶した記録媒体は、当該コンピュータに、選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を画面上に全て表示させる。そのためオペレータは未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付くことができるという効果がある。従って取りこぼしなく手続を遂行することができるという効果がある。業務効率も向上し人件費を抑えることができるという効果がある。
【0052】
このときに画面上に表示させる全ての捕捉処理の識別子の順序は、予め設定された優先順位に従って表示させるようにすれば担当者にとっては業務の順序が明示されることになり業務管理が楽になり業務効率が向上するという効果がある。
【0053】
以上説明したように本発明に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムは、選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を画面上に全て表示する。そのためオペレータは未だ済んでいない書類作成業務や情報入力業務が何なのかを簡単に気付くことができるという効果がある。従って取りこぼしなく手続を遂行することができるという効果がある。業務効率も向上し人件費を抑えることができるという効果がある。
【0054】
このときに画面上に表示させる全ての捕捉処理の識別子の順序は、予め設定された優先順位に従って表示させるようにすれば担当者にとっては業務の順序が明示されることになり業務管理が楽になり業務効率が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムの構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムを構成するコンピュータの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る労務管理・賃金管理に用いられるシステムを構成するコンピュータにインストールされるプログラムの処理手順を示したフローチャートである。
【図4】捕捉状況確認処理の処理手順を示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係り、社員「近藤俊彦」の入社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態に係り、社員「松田俊彦」の入社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図7】本発明の一実施形態に係り、社員「松田明菜」の退社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態に係り、社員「平野雅夫」の退社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図9】本発明の一実施形態に係り、図7又は図8の場合に社員「松田明菜」の退社手続を全て完了した後の社員「平野雅夫」の退社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図10】被扶養者(異動)届の作成業務を行うときの誘導入力画面表示の一例を示した図である。
【図11】本発明の一実施形態に係り、図5の画面表示の状態から開始して被扶養者(異動)届の作成業務が完了した後における社員「近藤俊彦」の入社手続に係る画面表示の一例を示した図である。
【図12】捕捉条件の設定を行うときの誘導入力画面表示の一例を示した図である。
【図13】捕捉テーブルT1の一例を示した図である。
【図14】捕捉条件設定テーブルT2の一例を示した図である。
【図15】捕捉可否設定テーブルT3の一例を示した図である。
【図16】優先順位設定テーブルT4の一例を示した図である。
【符号の説明】
E 状況ツリー
F 状況ウインドウ
G 手続一覧
H 誘導入力画面
Claims (30)
- コンピュータを、
社員を一意に特定する識別データ及び/又は当該社員に関する各種データを入力する入力手段、
前記識別データ及び/又は前記各種データを記憶する社員情報記憶手段、
労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示する手続表示手段、
前記手続のうち、どの手続が選択されたのかを判断する手続選択手段、
選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を前記画面上に全て表示する捕捉処理表示手段、
前記捕捉処理のうち、どの捕捉処理が選択されたのかを判断する捕捉処理選択手段、
選択された捕捉処理において必要となる前記識別データ及び/又は前記各種データの入力を促す誘導表示を前記画面上に表示する誘導入力表示手段、
前記誘導表示に従って前記入力手段により入力される前記識別データ及び/又は前記各種データに基づいて、選択された捕捉処理に対応した出力データを作成する出力データ作成手段
として機能させるための労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 前記各種データには、生年月日、性別、入社年月日、退社年月日その他の前記捕捉処理に必要なデータが含まれることを特徴とする請求項1に記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め要否が識別可能に表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、業務の流れに従って表示されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、予め設定された優先順位に従って表示されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め設定された捕捉条件に従って表示されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記捕捉条件は、捕捉開始時期及び/又は捕捉期間であることを特徴とする請求項6に記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記捕捉処理表示手段は、済んだ捕捉処理の識別子と未だ済んでない捕捉処理の識別子とを識別可能に表示するものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記出力データは、これを用いて印刷したとしたならば前記捕捉処理に対応した書類が作成されるものであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 前記社員情報記憶手段に記憶された識別データ及び/又は各種データは、選択された捕捉処理以外の捕捉処理に対応した出力データを作成するときに反映されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体。
- コンピュータを、
社員を一意に特定する識別データ及び/又は当該社員に関する各種データを入力する入力手段、
前記識別データ及び/又は前記各種データを記憶する社員情報記憶手段、
労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示する手続表示手段、
前記手続のうち、どの手続が選択されたのかを判断する手続選択手段、
選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を前記画面上に全て表示する捕捉処理表示手段、
前記捕捉処理のうち、どの捕捉処理が選択されたのかを判断する捕捉処理選択手段、
選択された捕捉処理において必要となる前記識別データ及び/又は前記各種データの入力を促す誘導表示を前記画面上に表示する誘導入力表示手段、
前記誘導表示に従って前記入力手段により入力される前記識別データ及び/又は前記各種データに基づいて、選択された捕捉処理に対応した出力データを作成する出力データ作成手段
として機能させるための労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。 - 前記各種データには、生年月日、性別、入社年月日、退社年月日その他の前記捕捉処理に必要なデータが含まれることを特徴とする請求項11に記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め要否が識別可能に表示されることを特徴とする請求項11又は12に記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、業務の流れに従って表示されることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、予め設定された優先順位に従って表示されることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め設定された捕捉条件に従って表示されることを特徴とする請求項11から15のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記捕捉条件は、捕捉開始時期及び/又は捕捉期間であることを特徴とする請求項16に記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記捕捉処理表示手段は、済んだ捕捉処理の識別子と未だ済んでない捕捉処理の識別子とを識別可能に表示するものであることを特徴とする請求項11から17のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記出力データは、これを用いて印刷したとしたならば前記捕捉処理に対応した書類が作成されるものであることを特徴とする請求項11から18のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 前記社員情報記憶手段に記憶された識別データ及び/又は各種データは、選択された捕捉処理以外の捕捉処理に対応した出力データを作成するときに反映されることを特徴とする請求項11から19のいずれかに記載の労務管理・賃金管理に用いられるプログラム。
- 社員を一意に特定する識別データ及び/又は当該社員に関する各種データを入力する入力手段と、
前記識別データ及び/又は前記各種データを記憶する社員情報記憶手段と、
労務管理・賃金管理に必要な手続の識別子を画面上に少なくとも一つ又は全て表示する手続表示手段と、
前記手続のうち、どの手続が選択されたのかを判断する手続選択手段と、
選択された手続に必要な捕捉処理のうち少なくとも未だ済んでない捕捉処理の識別子を前記画面上に全て表示する捕捉処理表示手段と、
前記捕捉処理のうち、どの捕捉処理が選択されたのかを判断する捕捉処理選択手段と、
選択された捕捉処理において必要となる前記識別データ及び/又は前記各種データの入力を促す誘導表示を前記画面上に表示する誘導入力表示手段と、
前記誘導表示に従って前記入力手段により入力される前記識別データ及び/又は前記各種データに基づいて、選択された捕捉処理に対応した出力データを作成する出力データ作成手段と
を備えたことを特徴とする労務管理・賃金管理システム。 - 前記各種データには、生年月日、性別、入社年月日、退社年月日その他の前記捕捉処理に必要なデータが含まれることを特徴とする請求項21に記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め要否が識別可能に表示されることを特徴とする請求項21又は22に記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、業務の流れに従って表示されることを特徴とする請求項21から23のいずれかに記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子の順序は、予め設定された優先順位に従って表示されることを特徴とする請求項21から23のいずれかに記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記画面上に表示される全ての捕捉処理の識別子は、予め設定された捕捉条件に従って表示されることを特徴とする請求項21から25のいずれかに記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記捕捉条件は、捕捉開始時期及び/又は捕捉期間であることを特徴とする請求項26に記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記捕捉処理表示手段は、済んだ捕捉処理の識別子と未だ済んでない捕捉処理の識別子とを識別可能に表示するものであることを特徴とする請求項21から27のいずれかに記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記出力データは、これを用いて印刷したとしたならば前記捕捉処理に対応した書類が作成されるものであることを特徴とする請求項21から28のいずれかに記載の労務管理・賃金管理システム。
- 前記社員情報記憶手段に記憶された識別データ及び/又は各種データは、選択された捕捉処理以外の捕捉処理に対応した出力データを作成するときに反映されることを特徴とする請求項21から29のいずれかに記載の労務管理・賃金管理システム。
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