JP2004264424A - フォトクロミック表示素子 - Google Patents

フォトクロミック表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2004264424A
JP2004264424A JP2003053211A JP2003053211A JP2004264424A JP 2004264424 A JP2004264424 A JP 2004264424A JP 2003053211 A JP2003053211 A JP 2003053211A JP 2003053211 A JP2003053211 A JP 2003053211A JP 2004264424 A JP2004264424 A JP 2004264424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photochromic
light
layer
display
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003053211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4328883B2 (ja
Inventor
Tetsuo Tsutsui
哲夫 筒井
Masahiro Irie
正浩 入江
Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Kyushu TLO Co Ltd
Original Assignee
Kyushu TLO Co Ltd
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyushu TLO Co Ltd, Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Kyushu TLO Co Ltd
Priority to JP2003053211A priority Critical patent/JP4328883B2/ja
Publication of JP2004264424A publication Critical patent/JP2004264424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4328883B2 publication Critical patent/JP4328883B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】表示媒体の構成が単純で省エネルギー型であり、且つ、表示の際には、パターンマスクを使用せずに内部発光パターンにより表示を自由に変更できるフォトクロミック表示素子を提供すること。
【解決手段】電界発光素子が発光する光を励起光とするフォトクロミック表示素子。メモリー性を有する。具体的な構成は、フォトクロミック層を片側の面に設けた透明電極を有する透明基板を、少なくとも一方とする、二枚の電極を有する基板間に、発光物質を含有する発光層を有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界発光素子が発光する光を励起光とするフォトクロミック表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フォトクロミック材料を使用した表示素子が知られており、熱による消色反応が抑制されたフォトクロミック材料であるフルキド化合物やジアリールエテン化合物等を使用して、メモリー性を有することが知られている。これらのフォトクロミック表示素子は、自らは発光しないので、外部から、フォトクロミック材料が発色する波長の光で書き込みすることで表示情報をメモリーし、フォトクロミック材料が消色する波長の光を照射することで表示情報を消去する。従って、省エネルギーであるが、書き込み用や消去用の外部光源を必要とするため、表示媒体の構成が複雑であるといった問題点を有する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一方、発光体として、ある種の薄膜(発光体)を対向電極で挟持させ、通電することにより生じるエネルギーで発光させる発光素子が開発されている。発光素子の一つである電界発光素子は、素子の薄型化や軽量化が可能であることや、低駆動電圧で高輝度の発光が得られることから、特に注目されている。
【0004】
電界発光素子には、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略す。)と、無機エレクトロルミネッセンス素子(以下、無機EL素子と略す。)とが知られている。
【0005】
有機EL素子は、一般に、陽極、発光物質を含有する発光層、及び陰極が、順に積層した構造からなる。陽、陰極間に電圧を印加すると、前記発光層に、陰極から電子が、陽極から正孔が注入される。注入された電子と正孔は、発光物質中において再結合し、発光物質は励起子を生成する。この励起子が基底状態に失活する際に発光がおこる。
また、無機EL素子は、陽極と陰極との間に蛍光性を有する無機誘電体層を有し、蛍光性を有する無機誘電体層に電圧を印加する際に発光が起こる。
【0006】
しかし、これらの電界発光素子は、表示媒体として表示を維持するには常に電流を流し続け発光させる必要があり、結果として、寿命が短い、又は、消費電力が大きいという問題点があった。
【0007】
素子外部からのパターン露光によって、フォトクロミック材料の高導電部と低導電部を形成し、高導電部を用いてエレクトロルミネッセンス発光させる光メモリーが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、パターン露光するために外部光源及びパターンを記録したマスクを必要としており、表示媒体の構成が複雑であるといった問題点や、パターン表示の為に連続発光を必要とするため常に電流を流し続けて発光させる必要があり、消費電力が大きいという問題点は未だ解決できていない。更に、パターンを形成したマスクを必要とするため、表示を変更する場合はマスクをその都度交換する必要があり、経済的ではない。またこの方法は、エレクトロルミネッセンスからの発光を励起光としてフォトクロミック表示させるものではない。
【0008】
更に、フォトクロミック層を無機EL素子に組み合わせた表示素子も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、フォトクロミック層は、無機EL素子の背面から入射される光を遮り、表示特性を向上させる為のシャッター機能として用いられているので、上記問題点は解決されていない。またこの方法も、エレクトロルミネッセンスからの発光を励起光としてフォトクロミック表示させるものではない。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−311355号公報
【特許文献2】
特開平10−152679号公報
【特許文献3】
特開平8−54832号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、表示媒体の構成が単純で省エネルギー型であり、且つ、表示の際には、パターンマスクを使用せずに内部発光パターンにより表示を自由に変更できるフォトクロミック表示素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、電界発光素子の内部又は外部にフォトクロミック材料を含有する層(以下、フォトクロミック層と略す。)を組み込み、フォトクロミック表示素子の励起光源として電界発光素子を用いることで、上記課題を解決した。具体的には、
【0012】
1.電界発光素子の内部又は外部にフォトクロミック層を組み込むだけなので、構成が単純である。
【0013】
2.電界発光素子の発光パターンを変えるだけで、該パターンに応じた表示をフォトクロミック層に描くことができる。フォトクロミック材料として熱による消色反応が抑制されたフォトクロミック材料を使用すれば、電界発光素子の発光を停止させても、フォトクロミック層は一定時間その表示を保持することができる。該パターンは、電極を短冊形とし、その短冊形電極を表示面と裏面において直交させる単純マトリックス駆動やTFTを用いたアクティブ駆動等によってドットパターン表示をすることで、任意の表示が可能である。更に、素子のパターンを、フォトクロミック層の発色時が、赤、緑、青、又は、シアン、マジェンタ、イエロー等の色を示す材料を用い、液晶表示に使用するカラーフィルター様パターンに構成すれば、多色カラー又はフルカラー表示も可能である。
【0014】
3.電圧を印加し続けなくとも表示を維持することができるので、省エネルギーである。
【0015】
即ち、本発明は、電界発光素子が発光する光を励起光とするフォトクロミック表示素子を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のフォトクロミック表示素子は、電界発光素子の内部又は外部にフォトクロミック層を組み込んでいる。具体的には、透明電極を有する透明基板を少なくとも一方とする、二枚の電極を有する基板間に、発光物質を含有する層(以下、発光層と略す。)を有する電界発光素子の、該透明基板の透明電極側とは反対側に(即ち、電界発光素子の外部に)にフォトクロミック層を有するか、該透明電極上(即ち、電界発光素子の内部に)にフォトクロミック層を有するか、又は、透明基板と透明電極との間(即ち、電界発光素子の内部に)に、フォトクロミック層を有する。
フォトクロミック層は、透明電極面又は透明基板面と接していてもよいし、接していなくてもよい。
【0017】
なお、本発明において電界発光素子とは、透明電極を有する透明基板を少なくとも一方とする、二枚の電極を有する基板間に、電極に接して少なくとも発光層を有する電界発光素子を指す。また、本発明においては、正孔輸送層や電子輸送層を包含して、発光層という。
【0018】
電界発光素子に電圧を印加すると、ある電圧以上において流れる電流値が増大し、電界発光素子の発光層が発光する。この光が励起光となり、フォトクロミック層中のフォトクロミック材料が発色する。電極を短冊形とし、その短冊形電極を表示面と裏面において直交させる単純マトリックス駆動やTFTを用いたアクティブ駆動等をとれば、電界発光素子を画像様に発光させることができ、該画像をフォトクロミック層に書き込みすることができる。
【0019】
この時、単色カラー表示は、フォトクロミック層に、上記駆動方式で発光パターンを照射することで可能である。また、多色カラー又はフルカラー表示は、発色時に、赤、緑、青、又は、シアン、マジェンタ、イエロー等の色を示す材料を、液晶表示に使用されるカラーフィルター様パターンに構成し、上記駆動方式等で、発光パターンを照射することで可能である。
【0020】
フォトクロミック材料に熱による消色反応が抑制されたフォトクロミック材料を使用すれば、フォトクロミック層にメモリー性が生じる。従って、電界発光素子はフォトクロミック層が発色するまでの短期間駆動させれば表示を保持でき、一定時間ごとにパルス電圧を印加して駆動することによって、長時間表示を保持できる。
メモリー性とは、素子構成によって一概にはいえないが、概ね、25℃で5V以上の電圧を印加して駆動させた後、電圧印加を停止して1分以上表示が保持できる場合を指す。
【0021】
一方、フォトクロミック層に書き込んだ画像を消去する場合は、フォトクロミック材料の吸収に応じた波長の光を照射すれば良く、具体的には、可視光、典型的には、太陽光や蛍光灯などの室内光をある時間照射すればよい。また、スポットライトや液晶表示に用いられる、フロントライトを用いることもできる。
【0022】
本発明のフォトクロミック表示素子の形態例を、図1〜図2に模式的断面図で示す。
【0023】
図1に示す、透明基板2の透明電極3とは反対側の面フォトクロミック層1を有し、透明電極3と電極5との間に、各々の電極に接して発光層4を有するフォトクロミック表示素子。
【0024】
図2に示す、透明電極10と電極13との間に、各々の電極に接してフォトクロミック層11、発光層12とをこの順に有するフォトクロミック表示素子。又は、これらの積層構造等があげられる。
【0025】
本発明のフォトクロミック表示素子を構成する層のうち、フォトクロミック層とは、フォトクロミック材料を含有する、情報表示機能を有する層である。また、発光層とは、発光物質を含有し発光機能を有する層であり、正孔輸送機能や電子輸送機能を包含しても良いし、正孔輸送層や電子輸送層を別途有しても良い。
本発明のフォトクロミック表示素子は、これらの層が、各々の機能が独立した単層が積層した構造であってもよいし、二つの機能全てを有する単層構造であってもよく、素子を構成する層に、フォトクロミック材料に由来する情報表示機能と、発光物質に由来する発光機能とが備わっていればよい。また、必要に応じ、正孔輸送層に由来する正孔輸送機能及び電子輸送層に由来する電子輸送機能が備わっていてもよい。また、通常情報表示機能を有する層は素子の前面に設ける。
【0026】
フォトクロミック層、発光層等の、本発明のフォトクロミック表示素子を構成する層は、全て印刷又は塗布法で作成することが可能である。例えば、図2に示すフォトクロミック表示素子を製造する場合は、透明電極10を有する透明基板9の透明電極10上に、フォトクロミック材料を溶媒に溶解又は分散させた液状組成物(以下、フォトクロミック組成物(A)と略す。)を印刷または塗布した後、乾燥させてフォトクロミック層11を形成し、発光物質を含有する組成物(以下、発光層用組成物(B)と略す。)を印刷または塗布した後、乾燥させて発光層12を形成する。次いで、電極13を蒸着し、基板を接着及びシール剤でシールして製造することができる。
【0027】
図2に示す、本発明のフォトクロミック表示素子を例として、本発明を説明する。
透明基板9として使用する透明基板は透明性を有する基板であればよく、電極や発光層を形成する際に変質しないガラスやプラスチック等が使用でき、例えば、ガラス基板やプラスチックのフィルムやシート等(以下、フィルムやシートをフィルム等という。)が挙げられる。プラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリアミド等が挙げられる。これらのプラスチックフィルム等を使用する場合は、水分や酸素の透過を抑制するため、表面を酸化珪素や窒化珪素等でガスバリアコートしたものを使用するのが好ましい。
【0028】
また、他方の基板14は必ずしも透明である必要はないので、上記にあげた基板の他、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレンなどのプラスチックフィルム等、アルミニウム、銅、ステンレスなど金属箔なども使用できる。また、ガラスや金属とプラスチックとをラミネートしたフィルム等を使用してもよい。これらの基板は、フレキシブルや軽量の面から、プラスチック基板が好ましい。
トップエミッション構造とする場合は、基板14は透明である必要があり、フォトクロミック層は基板14の外部に形成される。
【0029】
基板の厚さは使用方法及び材質によって異なるが、10μm〜10mmの範囲にあるのが好ましい。ガラスの場合は0.1〜3mm、プラスチック基板や金属基板の場合は10μm〜0.5mmの範囲が好ましい。
【0030】
透明電極10は陽極として機能するので、仕事関数の深い材料が用いられる。この様な、透明性を有する電極材料としては、酸化錫(以下、NESAと略す。)、酸化亜鉛、酸化インジウム、インジウムスズオキシド(以下、ITOと略す。)、酸化インジウム・酸化亜鉛化合物、酸化錫・アンチモン化合物、酸化ガリウム・酸化亜鉛化合物などが挙げられる。また、仕事関数の深い、金、銀、銅、パラジウム、白金、等を半透明に形成して用いることもできる。
【0031】
電極は、例えば、上記電極材料を基板上にスパッタリングや真空蒸着したり、前記電極材料微粒子の懸濁液を塗布し、該微粒子を焼結させて得られる。電極の膜厚は、10nm〜5μmの範囲であると、光が透過しやすい。中でも、膜厚が20nm〜1μmの範囲が好ましい。
【0032】
また、他方の電極13は陰極として機能するので、仕事関数の浅い材料が用いられる。必ずしも透明である必要はないが、トップエミッション構造とする場合は、半透明に形成する必要がある。これらの電極材料としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、チタニウム、インジウム、アルミニウム等の金属、こられの金属を含有する合金、例えば、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム/フッ化リチウム混合物などを使用することができる。また、カーボンやポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用することができる。中でも、リチウム、カルシウム、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム/フッ化リチウム混合物などが好ましく使用できる。また、電極13と発光層12の界面にフッ化リチウム等の超薄膜(0.1〜5nm)を介在させてもよい。
上記電極材料を使用した場合の電極の膜厚は、10nm〜1mmの範囲が好ましく、膜厚が20nm〜100μmの範囲がより好ましい。
【0033】
片面に透明電極10を有する透明基板9の透明電極10表面にフォトクロミック層11を形成する。フォトクロミック層11に使用するフォトクロミック材料としては、電界発光素子が発光する光で励起されて発色するフォトクロミック材料を使用する。フォトクロミック材料として、(社)日本化学会編、「有機フォトクロミズムの化学」(季刊化学総説、No.28、1996年、学会出版センター発行)、や「ケミカル・レビューズ(Chemical Reviews)」、2000年、第100号、p.1685−1890、に記載されている化合物等が使用でき、具体的には、スチルベン誘導体、スピロピラン類、スピロオキサジン類、ジアリールエテン類、フルギド類、シクロファン類、カルコン誘導体など、あるいはこれらの混合物があげられる。
【0034】
中でも、フォトクロミック材料の光による発色及び消色時の繰り返し安定性が高く、熱による消色反応が起こりづらい、スピロオキサジン類、ジアリールエテン類及びフルギド類が好ましい。更に、表示特性の観点から、電界発光素子の発光波長である350〜500nmの範囲内にある光で励起して、無色又は淡色の状態から発色する材料が特に好ましい。これらの材料として、「ケミカル・レビューズ(Chemical Reviews)」、2000年、第100号、p.1685−1716、に記載されているジアリールエテン類等が挙げられ、これらの中から適宜選択できる。
【0035】
ジアリールエテン類として、具体的には、1,2−ビス(2,4−ジメチル−3−チエニル)パーフルオロシクロペンタン、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)−無水マレイン酸、2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−3−(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)無水マレイン酸、2,3−ビス(1,2−ジメチル−3−インドリル)無水マレイン酸、2,3−ビス(1,2−ジメチル−5−メトキシ−3−インドリル)無水マレイン酸、2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−3−(2,4−ジメチル−5−シアノ−3−チエニル)無水マレイン酸、1−(1,2−ジメチル−メトキシ−3−インドリル)−2−(2,4−ジメチル−5−シアノ−3−チエニル)パーフルオロシクロペンタン、1,2−ビス(2−ヘキシル−3−チエニル)パーフルオロシクロペンタンのジチエノ(チオフェン)誘導体等が挙げられる。
【0036】
透明電極10表面にフォトクロミック層11を形成するには、前記フォトクロミック組成物(A)を透明電極10表面に塗布又は印刷した後、乾燥して形成するか、又は、前記フォトクロミック材料を透明電極10表面に蒸着させる。中でも、生産性の面から、塗布又は印刷法を使用することが好ましい。
【0037】
塗布又は印刷法の際に使用する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン等のケトン類、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類、蟻酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等を使用することができる。これらの溶媒は単独でも混合して使用しても構わない。
【0038】
また、フォトクロミック組成物(A)には、結着樹脂あるいは分散樹脂として、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ナイロンなどの高分子材料を添加しても良い。また、後述する、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基等の活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物等を添加することもできる。また、オリゴマー、およびインキや塗料に使用される公知慣用の各種添加剤を、フォトクロミック材料の着色特性や経時安定性を阻害しない範囲内で添加してもよい。
【0039】
一方、フォトクロミック層の電気抵抗が高く、電界発光電圧が高くなる場合には、後記、電荷(正孔)輸送材料や、発光材料に混合して用いることもできる。
【0040】
高い発色状態を得るために、フォトクロミック層は、フォトクロミック材料を10質量%以上含有するのが好ましいので、該結着樹脂や分散樹脂は、この範囲内で適宜添加するのが好ましい。フォトクロミック層中のフォトクロミック材料は、50質量%含有するとなお好ましい。
【0041】
フォトクロミック層の膜厚は、フォトクロミック材料の発色時の吸光度が1以上となるような膜厚に形成すると、鮮明な表示が得られる。フォトクロミック材料の発色時の吸光係数はフォトクロミック材料によって異なるので、膜厚は一概に規定できないが、通常は、乾燥後のフォトクロミック層11の膜厚が10nm〜100μmの範囲となるようにすると、鮮明な表示を得ることができる。フォトクロミック組成物(A)は、乾燥後の膜厚が10nm〜100μmの範囲となるように、不揮発分濃度を適宜調整して使用する。
【0042】
フォトクロミック層11を、前記透明電極10の表面に塗布又は印刷する方法としては、例えば、ダイコーティング、(マイクロ)グラビアコーティング、スピンコーティング、アプリケーター法等の塗工法、インクジェット印刷、平版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の、公知慣用の塗布法や印刷法を適用することができる。塗膜を乾燥する方法には制限はなく、例えば、ホットプレート、オーブン、赤外線炉等を使用して乾燥すればよい。
【0043】
また、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基等の活性エネルギー線重合性官能基を有する化合物を添加した場合は、赤外線、可視光線、紫外線、又は電子線等を照射して硬化することができる。
【0044】
一方、蒸着法でフォトクロミック層11を形成する場合は、汎用の真空蒸着装置を用い、10−3Paより高い真空下で、タングステンやモリブデンボート、セラミックス坩堝、又は、クヌーセンセルなどからの真空蒸着によって形成することができる。膜厚は、上記印刷や塗工法と同様でよい。
【0045】
次に、フォトクロミック層11の上に発光層12を設ける。発光層には、無機EL層と有機EL層がある。無機EL層を有する無機EL素子は、一般に、160V付近の印加電圧から発光が始まり、高電圧を必要とする。一方、有機EL層を有する有機EL素子は、発光物質として低分子化合物を使用すれば、数Vの印加電圧で、発光物質として高分子化合物を使用すれば、数V〜十数Vの印加電圧で発光が始まる。従って、有機EL層はより低電圧印加で発光させることができ好ましい。
【0046】
発光層として有機EL層を使用する場合、発光層12は、蒸着法、塗布又は印刷法によって作成することができる。また、発光層を積層後、電子輸送層を積層してもよいし、あるいは、フォトクロミック層11の上に正孔輸送層を作成後、発光層、電子輸送層の順に積層してもよい。更に、発光層や正孔輸送層を複数層設けたり、正孔注入層や電子注入層を設けても良い。正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層あるいは電子注入層に使用する材料は、通常有機EL素子に使用する公知慣用の材料を用いることができ、作成方法や層の膜厚も公知の範囲で行えばよい。
【0047】
発光層12に使用する発光物質としては、励起されて可視光領域又は紫外光領域に蛍光又は燐光を発するものを使用する。中でも、350〜500nmの範囲内に、蛍光又は燐光を発するものが好ましく、フォトクロミック材料の発色前後のコントラストや色調から、350〜450nmの範囲で発光するものが好ましい。500nmよりも長波長の光で励起されるフォトクロミック材料は、発色前の状態でフォトクロミック材料が有色であると、表示品質が低下するおそれがある。また、現状、350nm以下の発光をECL素子で得るのは難しい。
【0048】
発光物質として、具体的には、π共役系高分子化合物や遷移金属錯体、無機半導体や有機顔料のナノサイズ粒子、あるいはこれらの混合物があげられる。
π共役系高分子化合物としては、ポリパラフェニレンやポリフルオレン等の芳香族共役系高分子化合物、ポリアセチレン等の脂肪族共役系高分子化合物、ポリピロールやポリチオフェン等の複素環式共役系高分子化合物、ポリアニリン等の含ヘテロ原子共役系高分子化合物、ポリフェニレンビニレンやポリアリーレンビニレン等の複合型共役系高分子化合物等があげられる。これらのπ共役系高分子化合物の多くは有機溶媒への溶解性に劣るが、ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基や、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基を有するアルキル基などの置換基を導入すると、溶解性が向上する。該π共役系高分子化合物の分子量は、質量平均分子量(以下、Mwと略す。)が1000〜500000の範囲にあるものが好ましく、2000〜300000がより好ましい。
【0049】
また、低分子色素とテトラフェニルジアミンやトリフェニルアミンを主鎖や側鎖に導入したポリマー、イリジウムトリス(フェニルピリジン)等を側鎖に導入したポリマー等も使用できる。
低分子系化合物としては、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ジスチリルベンゼン化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、
【0050】
ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、キサンテン化合物及びチオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キノリン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、2,2′−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキサジアゾール化合物の金属錯体、フェニルピリジンの遷移金属錯体、希土類錯体等が挙げられる。これらの発光材料は、単独で用いても、複数併用してもよい。また、高分子発光材料に低分子発光材料を混合して使用することもできる。
【0051】
該遷移金属錯体は、単核錯体又は複核錯体を形成していてもよい。また、複数種の配位子を含んでいてもよい。該遷移金属錯体は、低分子化合物でもオリゴマーやポリマーでもよい。分子量としては、Mwが300〜500000の範囲が好ましく、中でも500〜100000の範囲が好ましい。
【0052】
無機半導体や有機顔料のナノサイズ粒子としては、カドミウムセレニド等の無機半導体ナノサイズ粒子や、キナクリドン等の蛍光色を有する有機顔料ナノサイズ粒子が挙げられる。これらは、数nmの粒子径範囲で量子サイズ効果を示し、粒子系に依存して蛍光発光色が異なるので、同一材料において粒子径を変えるだけで種々の色調の発光を得ることができる。
【0053】
これらの発光物質の中でも、セスキ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(2,4−ジブトキシ−p−フェニレン)、ポリ(2,5−ジヘプチルー2’、5’−ジペンチロキシビフェニレン)、ポリ(p−フェニレンチエニレン)、ポリ(9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン)、ポリ(9,9−ジ−2−(エチルヘキシル)フルオレン)等のπ共役系高分子化合物やイリジウム(III)ビス(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナート−N,C)ピコリナート、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛等の遷移金属錯体あるいはこれらの混合物が発光波長の観点から好ましい。
【0054】
正孔輸送層に使用する正孔輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールやポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリメチルフェニルシラン、ポリアニリンなどの高分子やトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、カルバゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン等のポリフィリン誘導体、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン誘導体、ポリスチレン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体、スターバーストポリアミン誘導体などを使用することができる。
【0055】
電子輸送層に使用する電子輸送材料としてはオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ペリレンテトラカルボキシル誘導体、アントラキノジメタン誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、ペリノン誘導体、オキシン誘導体、キノリン錯体誘導体などの化合物が挙げられる。
【0056】
発光層12に、低分子量の発光物質を使用する場合は、発光層12は、通常は蒸着法によって作成する。具体的には、汎用の真空蒸着装置を用い、10−3Paより高い真空下で、タングステンやモリブデンボート、セラミックス坩堝、又は、クヌーセンセルなどからの真空蒸着によって作成することができる。膜厚は、10nm〜100μmの範囲となるようにするのが好ましい。特に10〜500nmの範囲が、発光特性が良いので好ましい。また、発光層12を、塗布又は印刷法で作成したい場合は、ポリ−N−ビニルカルバゾールの様な正孔輸送性のポリマー溶液に低分子量の発光物質を溶解又は分散した溶液をフォトクロミック層11表面に塗布又は印刷した後、乾燥して形成することができる。
【0057】
発光層12に高分子量の発光物質を使用する場合は、発光層は、該発光物質を溶媒に溶解又は分散させて得られる発光層用組成物(B)を、フォトクロミック層11表面に塗布又は印刷した後、乾燥して形成する。この時、フォトクロミック層11と発光層の間に正孔輸送層を形成しても良い。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン等のケトン類、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル類、
【0058】
蟻酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等を使用することができる。これらの溶媒は単独でも混合して使用しても構わない。
【0059】
また、発光層用組成物(B)には、結着樹脂あるいは分散樹脂として、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ナイロンなどの高分子材料を添加しても良い。高い発光効率を得るためには、発光層が、発光物質を10質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上であればより好ましい。
【0060】
発光層用組成物(B)を、フォトクロミック層11の表面に塗布又は印刷する方法としては、前記、フォトクロミック層11を作製する場合と同様の方法を挙げることができる。発光層の膜厚は、乾燥後の膜厚が10nm〜100μmの範囲であることが好ましい。膜厚が10nm未満では素子のショートを招き、100μmを越えると駆動電圧の上昇を招くおそれがある。中でも、膜厚が50nm〜1μmであると、より高い発光効率が得られ好ましい。発光層用組成物(B)の不揮発分濃度は、塗工法が印刷である場合と塗布である場合とでは異なるが、乾燥後の発光層の膜厚が10nm〜100μmの範囲となるように調節する。
【0061】
一方、発光層に無機EL層を使用する場合は、図2の構成は取り得ないので図1の構成となる。無機EL層を作成する例として図1に従って説明すると、透明電極3の上に、発光層4として、例えば硫化亜鉛を発光母体として、マンガン、フッ化テルビウム、塩化サマリウム、塩化ツリウム、フッ化プラセオジウム等をドープしたものをスパッタ法で作製する。該発光層は、黄橙色、緑色、赤色、青色、白色等に発光する。
【0062】
本発明のフォトクロミック表示素子が発光層を複数層有する場合は、すべての発光層が同一の発光物質を含有していてもよいし、異なる発光物質を含有していてもよい。
【0063】
得られた発光層上(図1においては、発光層4上に、図2においては発光層12上に)に電極(図1においては電極5、図2においては電極13)を真空蒸着した後、必要に応じて基板(図1においては基板6、図2においては基板14)を接着、次いで、電極からリード線を取り出した後、素子周辺をシール剤15及び16でシールする。シール剤15及び16としては、液晶ディスプレイ等で通常使用するような、公知慣用の熱硬化性シール剤や紫外線硬化性シール剤、あるいはこれらを併用したシール剤を使用することができる。中でも、紫外線硬化性シール剤は、素子に熱が加わることがないので、熱劣化等のおそれがなく好ましい。
【0064】
本発明のフォトクロミック表示素子は、透明基板面を除く外表面を水蒸気バリアー性フィルムで被覆してあってもよい。水蒸気バリアー性フィルムとしては、アルミニウム等の金属箔、アルミニウムとポリエチレンテレフタレート等からなる金属ラミネートフィルム等を使用することができる。
【0065】
本発明のフォトクロミック表示素子は、電界発光素子の発光によって励起され、着色されて表示パターンを形成するものである。従って、日常光の照射によって表示パターンが乱されることがないよう、フォトクロミック層の外側に、短波長光を遮断して、電界発光素子の発光によって露光されていない部分のフォトクロミック材料の着色を防止する短波長光遮断層を設けることが好ましい。例えば、図2に示すフォトクロミック表示素子の場合では、透明基板9の外側に、短波長光遮断層を設ける。短波長光遮断層としては、例えば、紫外線をカットするL−39やL−42、可視光領域の黄色より短波長の光をカットするY−44,Y−52、橙色より短波長の光をカットするO−54,O−58等があり、用いるフォトクロミック材料の励起波長と吸収端の波長によって、適宜選択する。
【0066】
また、フォトクロミック層の表示パターンのコントラストを上げ、視認性を向上するために、各種手段を講じることができる。例えば、図2に示すフォトクロミック表示素子においては、背面側にくる電極13を鏡面にする、電極13を透明にして基板14を白色にする等の手段を講じることができる。またフォトクロミック層を、フォトクロミック材料の発色体が赤、緑、及び青又はシアン、マジェンタ、及びイエローを呈する材料で塗り分けることで、マルチカラーやフルカラー表示が可能である。
【0067】
また、EL素子の発光パターンを変えるだけで、該パターンに応じた表示をフォトクロミック層に描くことができる。該パターンは、電極を短冊形とし、その短冊形電極を表示面と裏面において直交させる単純マトリックス駆動やTFTを用いたアクティブ駆動等によってドットパターン表示をすることで、任意の表示が可能である。図3に電極を短冊形とし、その短冊形電極を表示面と裏面において直交させる単純マトリックス駆動によって情報を表示した例を示す。
【0068】
一方、本発明のフォトクロミック表示素子は、基板が、片面に電極を有する柔軟性のあるプラスチックフィルム等である場合には、ロール・ツー・ロール法で連続的に製造することができる。
【0069】
本発明のフォトクロミック表示素子において、発光層が無機EL層の場合は10〜200V程度の印加で駆動され、また、有機EL層の場合は2〜30V程度の電圧の印加で駆動され、0.1〜1000mA/cmの電流値を示し、0.01〜50000cd/m程度の発光輝度が得られる。また、発光物質を適宜選択することによって、発光色を任意に設定することもできる。
【0070】
本発明のフォトクロミック表示素子において、電界発光素子部分はフォトクロミック材料が着色するまでの短期間駆動させればよく、一定時間ごとにパルス電圧を印加して駆動すればよい。また、太陽光の下など、本発明のフォトクロミック表示素子に強い光が照射され続ける場合、着色したフォトクロミック材料の消色反応が進行するので、この場合は連続して電圧を印加することが好ましい。
【0071】
本発明のフォトクロミック表示素子は、一枚の基板の電極上に、フォトクロミック層、発光層各層を順次形成し、印刷法又は塗布法という簡便な手法で形成することができる。また、プラスチック基板等の柔軟性のある基板を使用すれば、ロール・ツー・ロール法で作成することができ、大面積のフォトクロミック表示素子を簡単に製造することができる。
【0072】
本発明のフォトクロミック表示素子は、電界発光素子部分の発光パターンをフォトクロミック層の表示パターンに変換して、電界発光素子部分を常時発光させなくとも、一定時間表示を保持するという省エネルギー型である。従って、本発明のフォトクロミック表示素子は、各種表示素子、ディスプレイ、ペーパーライクディスプレイ、電子ブック、標識、看板、インテリア等の用途に、好適に使用することができる。
【0073】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の例において、「%」は、特に断りのない限りは質量基準とする。
【0074】
<実施例1>
片面に厚さ100nmのITO電極を有する、縦横の長さが共に20mm、厚さが1.1mmのコーニング社製ガラス板「1737」のITO電極上に、フォトクロミック材料として、2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−3−(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)無水マレイン酸とMnが400のポリエチレングリコールとポリビニルカルバゾールとの混合物(質量比1:1)をクロロホルムに溶解し、乾燥膜厚1μmの厚さに塗布して、フォトクロミック層を形成した。次に、発光層として、ポリ(ジオクチル)フルオレンの1%キシレン溶液を塗布して乾燥膜厚50nmとした。陰極としてカルシウムを100nmの膜厚に蒸着し、続いてアルミニウムを300nmの膜厚に蒸着した。その後、保護層として、紫外線硬化型エポキシ樹脂からなるシール剤と保護基板を用いて封止して、フォトクロミック表示素子を得た。
この状態で、ITO電極を有する、縦横の長さが共に20mm、厚さが1.1mmのコーニング社製ガラス板「1737」上に、シャープカットフィルターY−48を重ねた。
このフォトクロミック表示素子に、ITO電極を陽極として10Vの直流電圧を1分印加後、印加を止めた。フォトクロミック層は濃褐色に着色しており、室内光下、その発色状態を10分以上維持した。
【0075】
<比較例1>
実施例1において、ガラス板「1737」のITO電極上にフォトクロミック層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。
この有機EL素子に、ITO電極を陽極として10Vの直流電圧を1分印加後、印加を止めた。電圧印加中は青色発光を呈したが、電圧印加を中止するとともに、青色発光は消失し、表示のメモリー性を示さなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトクロミック表示素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のフォトクロミック表示素子の一例を示す断面図である。
【図3】本発明のフォトクロミック表示素子をパッシブ駆動で表示した例である。
【符号の説明】
1 フォトクロミック層
2 透明基板
3 透明電極
4 発光層
5 電極
6 基板
7 シール剤
8 シール剤
9 透明基板
10 透明電極
11 フォトクロミック層
12 発光層
13 電極
14 基板
15 シール剤
16 シール剤
17 上部透明基板
18 下部基板
19,20,21,22,23,24,25,26 下部電極
27,28,29,30,31,32,33,34 上部透明電極

Claims (7)

  1. 電界発光素子が発光する光を励起光とすることを特徴とするフォトクロミック表示素子。
  2. 前記電界発光素子が発光する光の波長が350〜500nmの範囲内である請求項1に記載のフォトクロミック表示素子。
  3. 前記フォトクロミック表示素子がメモリー性を有する請求項1または請求項2に記載のフォトクロミック表示素子。
  4. 前記電界発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子である請求項1から3のいずれかに記載のフォトクロミック表示素子。
  5. フォトクロミック層を片側の面に設けた透明電極を有する透明基板を、少なくとも一方とする、二枚の電極を有する基板間に、発光物質を含有する発光層を有する請求項1から4のいずれかに記載のフォトクロミック表示素子。
  6. 前記フォトクロミック層がジアリールエテン系化合物を含有する請求項5に記載のフォトクロミック表示素子。
  7. 二枚の基板の少なくとも一方がプラスチック基板である請求項5または6に記載のフォトクロミック表示素子。
JP2003053211A 2003-02-28 2003-02-28 フォトクロミック表示素子 Expired - Fee Related JP4328883B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003053211A JP4328883B2 (ja) 2003-02-28 2003-02-28 フォトクロミック表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003053211A JP4328883B2 (ja) 2003-02-28 2003-02-28 フォトクロミック表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004264424A true JP2004264424A (ja) 2004-09-24
JP4328883B2 JP4328883B2 (ja) 2009-09-09

Family

ID=33117885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003053211A Expired - Fee Related JP4328883B2 (ja) 2003-02-28 2003-02-28 フォトクロミック表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4328883B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006277973A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Osaka Kyoiku Univ 有機電子デバイス及びその製造方法
JP2016149191A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社ジャパンディスプレイ 有機el表示装置
WO2017173692A1 (zh) * 2016-04-05 2017-10-12 深圳市华星光电技术有限公司 Oled显示面板及其制备方法
CN110783378A (zh) * 2018-07-31 2020-02-11 乐金显示有限公司 显示装置及其制造方法、头戴式显示装置
EP4148711A1 (en) * 2021-09-14 2023-03-15 Freshape SA Photon and/or photoelectron driven full-colour reflective passive screen

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006277973A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Osaka Kyoiku Univ 有機電子デバイス及びその製造方法
JP4572370B2 (ja) * 2005-03-28 2010-11-04 国立大学法人 大阪教育大学 有機電子デバイス及びその製造方法
JP2016149191A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社ジャパンディスプレイ 有機el表示装置
WO2017173692A1 (zh) * 2016-04-05 2017-10-12 深圳市华星光电技术有限公司 Oled显示面板及其制备方法
CN110783378A (zh) * 2018-07-31 2020-02-11 乐金显示有限公司 显示装置及其制造方法、头戴式显示装置
EP4148711A1 (en) * 2021-09-14 2023-03-15 Freshape SA Photon and/or photoelectron driven full-colour reflective passive screen
WO2023041496A1 (en) * 2021-09-14 2023-03-23 Freshape Sa Photon and/or photoelectron driven full-colour reflective passive screen

Also Published As

Publication number Publication date
JP4328883B2 (ja) 2009-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4048521B2 (ja) 発光素子
KR101245124B1 (ko) 발광 장치, 및 그를 포함하는 전기 기구 및 전자 서적
US7745017B2 (en) Organic electroluminescent device and method for producing the same
JP4313308B2 (ja) 有機金属錯体、有機el素子及び有機elディスプレイ
JP5515661B2 (ja) 有機el表示装置の製造方法
JP4288895B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンスの製造方法
KR101958479B1 (ko) 유기 el 표시 장치 및 그 제조 방법
JP4899284B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
KR100709941B1 (ko) 발광셀, 발광셀을 갖는 발광장치, 발광유닛, 발광유닛을갖는 발광장치, 발광장치용 프레임, 및 발광셀의 제조 방법
JP2010192366A (ja) 有機電界発光素子および有機電界発光素子の製造方法
JP4506086B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH1167451A (ja) 有機el発光装置及び多色発光装置
WO2016092883A1 (ja) 表示素子および表示装置ならびに電子機器
JP4003388B2 (ja) エレクトロルミネッセンス素子および色変換フィルター
JP4328883B2 (ja) フォトクロミック表示素子
JP3779625B2 (ja) 発光素子
JP2003208988A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び表示装置
JP2006069936A (ja) 金属錯体、発光性固体、有機el素子及び有機elディスプレイ
JP2004342484A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
JP4949149B2 (ja) 発光素子
WO2020012685A1 (ja) 薄膜、電子デバイス、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス用材料、表示装置、及び、照明装置
JP2023518514A (ja) 表示素子及び表示装置
JP2014165261A (ja) 有機発光表示装置およびその製造方法
JP4924138B2 (ja) エレクトロルミネッセンス素子および色変換フィルター
JP2012028823A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060227

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees