JP2004264031A - 導電性粒子の計測方法 - Google Patents

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Yuichiro Sugita
勇一郎 杉田
Toshiaki Takenaka
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Abstract

【課題】高品質なビアホール導体をバラツキ少なく安定的に形成し、高い接続信頼性を有する回路形成基板を実現するための導電性ペーストを提供する。
【解決手段】一次粒子と一次粒子が凝集した凝集粒子を含む導電性粒子の計測方法であって、一次粒子平均径を得る工程と、凝集粒子平均径を得る工程と、次式により算出する工程を備えた導電性粒子の計測方法を提供し、これにより導電性ペーストに含まれる導電性粒子を数値的に計測するものである。これをもとに導電性ペーストを製造することで良好な流動性、分散性の導電性ペーストを提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に利用される回路形成基板に用いられる導電性ペーストの組成、とりわけ多層基板における各層間を電気的に接続するためのビアホール充填用として用いることができる導電性ペーストに含まれる導電性粒子の計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の急速な小型化・高密度化に伴って、電子部品を搭載する回路形成基板も従来の片面基板から両面、多層基板の採用が進み、より多くの回路を基板上に集積可能な高密度回路形成基板の開発が行われている。
【0003】
回路形成基板では、従来広く用いられてきたスルーホール加工とめっきによる層間の接続に代わって、より高密度で所定の位置で層間の接続を実現できる導電性ペーストを用いたインナービアホール構造の回路形成基板が提案されている。
【0004】
この技術は、絶縁性のプリプレグシートの両面に離型性フィルムをラミネート加工により張り付け、このシートにレーザーなどを用いて貫通穴を形成した後、この貫通穴に導電性ペーストを充填し、離型性フィルムを剥離した後、このプリプレグシートの両面に金属箔を設置し加熱加圧することにより、貫通穴のビアホール導体(インナービアホール)を介して絶縁基板の両面に電気的接続を出現させるものであり、金属箔を選択的にエッチングすることにより任意のパターンに回路形成することができるものである。
【0005】
以下、インナービアホール接続回路形成基板の製造方法について図面を参照して説明する。
【0006】
図7(a)〜(g)は、従来の回路形成基板の製造工程を示す工程断面図である。
【0007】
まず、図7(a)に示すように、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムにシリコーン系などの離型剤を塗布して形成された離型性フィルム11を絶縁基板12の両側に張り合わせたものを準備する。
【0008】
絶縁基板としては、例えば無機物あるいは有機物の繊維からなる織布あるいは不織布に、熱硬化性樹脂を含浸させたものであり、代表的にはガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸した複合材料やアラミド繊維の不織布にエポキシ樹脂を含浸した複合材料のエポキシ樹脂を半硬化状態(Bステージ)としたプリプレグシートが用いられる。
【0009】
次に図7(b)に示すように、絶縁基板としてのプリプレグシート12の所定の位置にレーザーやドリルを用いて貫通穴13を形成する。
【0010】
次に図7(c)に示すように、離型性フィルム11の上から導電性ペースト14を貫通穴13の内部に充填する。この充填にはディスペンサーなどノズルからペーストを吐出させても良いし、プリプレグシート12のどちらの面から充填しても良いが、生産性やコストの面から現実的には図7(c)に示すように、印刷機のテーブル(図示せず)に乗せ、ウレタンゴムなどのスキージ15を用いた印刷法により充填を行うことが多い。
【0011】
この時離型性フィルム11は、印刷マスクとしての役割とプリプレグシート12の汚染防止膜としての役割を果たしている。
【0012】
次に図7(d)に示すように、プリプレグシート12の両面の離型性フィルム11を剥離した後、図7(e)に示すようにプリプレグシート12の両側から金属箔16で挟み込み、熱プレス機を用いて加熱加圧することにより、図7(f)に示すようにプリプレグシート12と金属箔16が接着されると同時に、プリプレグシート12および貫通穴13の内部に充填された導電性ペースト14が圧縮されることで、両面の金属箔16が導電性ペースト14によって電気的に接続される。
【0013】
この電気的導通発現のメカニズムをさらに図8(a)、(b)を用いて説明する。
【0014】
図8(a)、(b)は、それぞれ図7(e)、(f)に対応しており、ビアホールの断面を模式的に示す図で、導電性ペースト14は、導電性粒子18と熱硬化性樹脂などを主成分としたバインダー成分19や添加剤とから構成されており、加熱加圧によってプリプレグシート12の厚みが図8(a)のtから図8(b)のtへと圧縮され、導電性粒子同士および導電性粒子と金属箔16の界面で接触が起きることで導通を得るものである。
(参考;基材の圧縮率は次式で与えられる。基材圧縮率(%)=(t−t)/t×100)
その後、図7(g)に示すように、両面の金属箔16を選択的にエッチングして配線パターン17を形成することにより回路形成基板が得られる。
【0015】
この導電性ペースト14を用いたインナービア接続技術は、プロセスも簡単で高い生産性により、比較的安価に高密度回路形成基板を実現するものであり、その1ビア当たりの抵抗値も数mΩ以下と非常に低く、加熱や加湿、熱衝撃による負荷試験においても高い接続信頼性を示している。
【0016】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0017】
【特許文献1】
特開平6−268345号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、高密度回路形成基板として高速伝送が可能な高周波回路用途や半導体パッケージなどの微細な配線パターン用途や小型・軽量化を必要とする携帯型電子機器用途などには、インナービアの低抵抗化と高信頼性化および抵抗値バラツキの低減といった導通接続信頼性の改善が重要であり、また民生用として携帯電話等の電子機器に用いる場合、その製造コストへの要求は大変厳しいものであった。
【0019】
ここで、既に説明した図8(a)、(b)から推測できるとおり、インナービアの導通接続信頼性を改善するには、導電性粒子同士の接触状態に着目する必要があり、またさらにコスト面では、一定のペースト量に対して出来るだけ多くの回路形成基板を製造することがコストに直結するため、ビア充填するプリプレグの処理枚数の向上(生産性の向上によるコスト低減)が強く要望されていた。
【0020】
図9は、図7(c)に示した導電性ペースト14を貫通穴13にスキージ15を用いて印刷充填した後の、絶縁基板12の断面を模式的に示した図である。
【0021】
ここで、図9に示すとおり離型性フィルム11の表面に液状バインダー成分19の層ができ、少量の導電性粒子18が残存している。
【0022】
このように、充填プロセスにおいては、導電性ペースト14から液状のバインダー成分19が濾し取られて離型性フィルム1の表面に残る。
【0023】
このプロセスは次々に新しいプリプレグシートへの充填を繰り返す連続印刷となるので、導電性ペーストから次々に液状バインダーが濾し取られることになり、徐々に固体の導電性粒子がリッチ(導電性ペースト中の導電性粒子の存在比率が上昇)となるため、粘度の上昇が起こってしまう。
【0024】
他に、導電性粒子の液状バインダー成分への分散状態の変化や、スキージングのシェア応力によって熱硬化性樹脂の硬化進行が進むと考えられる。この粘度上昇は微細な貫通穴への充填を著しく悪化させるため、これらの粘度上昇を抑えることができる組成すなわち低粘度化が、そのプリプレグの処理枚数を向上させることにつながると考えられる。
【0025】
しかしながら、この導電性ペーストには以下に示すような3点の課題があり、それを全て解決し、導通接続信頼性の改善と、生産性の向上によるコスト低減を両立することは非常に困難であった。
【0026】
(課題1)
インナービアホール内に導電性を担う導電性粒子の存在比率が大きければ、導体抵抗が低減できるのは事実である。そのため、導電性ペーストには出来るだけ多くの導電性粒子を含有させる必要がある。しかしながら、固体の導電性粒子と液状のバインダーとの混合であるので、ペースト化可能な混合比の限度があり、また粘度が高すぎるとビアへの充填性が損なわれる。
【0027】
生産性については、先に説明したとおりビアに導電性ペーストを充填させる工程において、そのプリプレグの処理枚数は導電性ペーストの粘度が低ければ低いほど有効である。したがって、多くの導電性粒子を含有した粘度の低い導電性ペーストが求められる。
【0028】
(課題2)
金属箔16と絶縁基板12を加熱加圧することによりインナービアホールを形成することから、導電性ペースト14中に揮発成分が多く含まれていると、加熱時にインナービアホール内部の蒸気圧が増加し、膨れによる接続不良が発生する可能性がある。そのため導電性ペーストは低揮発性を保持する必要がある。
【0029】
つまり、水分含有量は低い方が望ましく、また一般に知られた厚膜回路形成用ペーストに用いるような粘度調整用として溶剤を用いる場合、その添加量には限度があり、また少ない方が望ましい。
【0030】
(課題3)
熱硬化性樹脂を主成分としたバインダーは、インナービアホールの接続信頼性に対して重要な要因となるため、絶縁基板とのマッチングも考慮に入れた上で、回路形成基板およびインナービアホールへの要求特性により、選択される樹脂や硬化剤の種類が決定される。そのため、樹脂粘度の限定を前提とした選択が自由にできない場合があったり、さらには導電性粒子との混合比率も自由に配合できない場合がある。
【0031】
本発明は、上記の課題を解決するものである。つまり導通接続信頼性に対しては出来るだけ多くの導電性粒子を含有させたいが、一方で生産性を向上させるために極力導電性粒子の含有量を抑えるといった相反する要求を解決することが可能な、ビアホール導体用に好適な導電性ペーストを提供するものであり、それを用いた回路形成基板、およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、一次粒子と一次粒子が凝集した凝集粒子を含む導電性粒子の計測方法であって、一次粒子平均径を得る工程と、凝集粒子平均径を得る工程と、次式により算出する工程を備えた導電性粒子の計測方法を提供し、これにより導電性ペーストに含まれる導電性粒子を数値的に計測するものである。
【0033】
これをもとに導電性ペーストを製造し、その導電性ペーストを用いて回路形成基板を製造することである。
【0034】
本発明によれば、上記構成によって、導電性ペースト中の導電性粒子を熱硬化性樹脂を主成分とするバインダーに、分散性良く分散させることで、粘度を抑えた導電性ペーストであって、かつインナービアホール内部での導電性粒子同士の接触状態を改善するとともに、その度合いをバラツキ無く一定にすることができ、接続信頼性の向上と、生産性の向上によるコスト低減を両立することのできる優れた導電性ペーストを提供し、その導電性ペーストを用いた信頼性の高い回路形成基板を実現するものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1について図面を参照しながら説明する。
【0036】
本発明の特徴とするところは、導電性ペーストを構成する導電性粒子である銅、銀または金等の金属粉末、合金粉末または異種金属被覆金属粉末の凝集性および粒度分布を高度に制御することにある。
【0037】
はじめに凝集性を制御した導電性ペーストの例として実施の形態1を示す。
【0038】
図1は本発明の第1の実施の形態における銅粉末の凝集状態の例を模式的に示した平面図である。
【0039】
図1に示すように本実施の形態における導電性粒子としての銅粒子は、球形である一次粒子1と、一次粒子1が2つ以上が凝集した凝集粒子2の集合体であり、その平均粒径は0.5〜20μm、比表面積は0.07〜1.7m/gであり、凝集度が1.60となっている。これにより導電性粒子同士の接触機会を上げその結果、ビアホール導体抵抗を下げる効果がある。
【0040】
ここで凝集度とは凝集粒子の凝集度合いを表す指標であって、本件の発明にあたり独自に考案した。一般に導電性粒子の粒度分布の測定装置は、レーザー回折散乱式が広く普及され粉体工業界では、湿式ではマイクロトラック、乾式ではHELOSといった装置が代表的である。
【0041】
このレーザー回折散乱式の粒度分布は、数個の粒子が凝集している場合、個々の粒子すなわち一次粒子の粒径の計測ではなく凝集単位での計測となってしまう。
【0042】
したがって、本発明に関わる導電性粒子のような凝集粒子を含んだ粒子の集合体を計測した場合、得られた粒度分布の結果は凝集粒子を一つの粒子として算出したものとなり、実際の粒子の粒度分布を反映していないことになる。
【0043】
逆に粒子を凝集の有無に関わらず、1個の粒子すなわち一次粒子まで分割して粒度分布を計測する方法として、粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した観察像を画像解析することで、一次粒子の球形に近似した粒度分布が得られる。
【0044】
このいずれの粒度分布計測方法においても凝集性を考慮した計測方法ではないので、得られた粒度分布の結果と導電性ペーストの粘度やビアへの充填性、ビアホール導体の抵抗値等と完全には相関が取れなかった。そこで、粒子の凝集性を考慮した指標として凝集度を提案する。
【0045】
本発明に関わる導電性粒子の凝集度の計測方法の一例としては、このレーザー回折散乱式の粒度分布計測装置を用いた平均粒径を凝集粒子平均径とし、SEM像の画像解析から得られる平均粒径を一次粒子平均径として次の式から凝集度を与えている。
(式;凝集度=凝集粒子平均径/一次粒子平均径)
なお本発明の第1の実施の形態では、一次粒子平均径の算出にSEM像を用いたが、CCDカメラや光学顕微鏡で撮影した像を用いても良いし、例えばシスメックス社から市販されているFPIAやベックマン・コールター社のマルチイメージアナライザーのような粒子情報を画像処理する方式の粒度分布計測装置のデータを用いても良い。
【0046】
このように、これまで単独の粒度分布計測装置では成し得なかった粒子の凝集性を凝集度として与えることができる。
【0047】
また、導電性ペーストの粘度やビアへの充填性だけでなく、例えば図8に示した充填プロセスにおいて、離型性フィルムの表面に導電性粒子が残ってしまう現象が、いわゆる粒子径だけでなく粒子の凝集性によってバラツキをもつことについて、凝集度を用いることによって説明ができる。すなわち凝集度を管理することによって上記の課題を解決することができる。
【0048】
図2、図3は、図1で説明した導電性粒子と異なる凝集度となる導電性粒子を模式的に示した平面図であり、それぞれ図2は3.90および図3は1.00となっている。
【0049】
図2は、図1よりも凝集性が強く、また図3は一次粒子1の凝集が全くない完全に分離された状態を実現したものであり、理論的に凝集度は1.00になるべきものだが、実際の計測値からの凝集度の算出においては、一次粒子と凝集粒子の計測装置の違いや球形近似の方法などにより若干バラツキをもっている。
【0050】
なお、本発明における導電性粒子としては、凝集度が1.05〜3.90の範囲のものが特に望ましい。これにより接続信頼性を保持したまま、ペースト粘度を低く抑えることができる。
【0051】
凝集度が1.05未満では、確かに導電性ペーストの粘度の低減効果は著しいが、反対にビアホール導体の抵抗値が悪化し、導通接続信頼性が損なわれ、3.90を越えるとビアホール導体の導通接続信頼性は満足できるが、反して導電性ペーストの分散性は改善されず、また粘度低減効果も低下する。
【0052】
次にこのような適度に凝集体を形成した凝集粒子を得る方法について説明する。
【0053】
導電性の粒子は、様々な種類のものが候補となるが、現実には湿式による化学還元法や電解法あるいは乾式によるアトマイズ法あるいは粉砕法により形成した粒子となる。
【0054】
本発明の第1の実施の形態においては、湿式の化学還元反応によって析出させた銅粉末を乾燥させたものを用いた。
【0055】
この銅粉末の凝集度は4.60であった。この銅粉末の凝集度を制御する方法としては、個々の凝集状態を緩和する方法で、凝集状態の粒子にエネルギーを与えて解粒処理を施すことにより粒子の凝集度を下げるものである。
【0056】
エネルギーの与え方としては、粒子に直接ジェット噴流などの気流を当てても良いし、粒子を遠心力を伴う回転性の装置に投入して、相対的に風力エネルギーが加わるようにしても良い。ここでは日清エンジニアリング社製の空気分級機「ターボクラシファイア」を用いて解粒処理を施した。
【0057】
この装置の本来の使用方法は粒子を粒径により分級することにあるが、本件では凝集粒子に風力エネルギーを与えることを目的としており、分級ではなく解粒の効果を旨としている。この与えるエネルギーの大小を回転速度や処理回数および処理時間等により解粒の強さをコントロールして、凝集度1.60をはじめとした数種類の銅粉末を得た。
【0058】
以上のような導電性粒子が湿式法や乾式法によって形成された際に生じる凝集を、解粒処理によって凝集を解きほぐすことによって、その結果、導電性ペーストの粘度を貫通穴への印刷充填に適した粘度に低減させることができるという効果がある。
【0059】
さらに、本発明の導電性粒子としては表面酸素濃度が1.0wt%以下であることが望ましく、これにより導体表面の酸化膜の少ない良好な導体抵抗を得られる効果がある。
【0060】
1.0wt%を越えると表面酸化物の絶縁層により粒子同士の電気的接続を妨げたり、表面の酸素原子が熱硬化性樹脂を主成分としたバインダー成分との化学的あるいは物理的な結合を伴い導電性ペーストの粘度を上昇させるといった現象が発生する。
【0061】
また、導電性粒子の吸着水濃度は1000ppm以下であることが望ましく、これにより印刷特性に優れかつ信頼性の高いビアホール導体を形成することができる。
【0062】
1000ppmを越えると、反応が促進されポットライフが短くなり、導電性ペーストの粘度を上昇させ印刷性が低下したり、または熱硬化性樹脂の硬化性を悪化させる原因にもなる。なお、導電性粒子を乾燥させることによって容易に1000ppm以下とすることができる。
【0063】
なお、本件では便宜的に一次粒子を球状としているが、湿式による化学還元法や電解法あるいは乾式によるアトマイズ法あるいは粉砕法により粒子を形成することが前提となるので、完全な真球ではなく凹凸があったり微細な結晶粒からなる塊であって、歪な形状の粒子をも含む。
【0064】
次に上記の銅粉末を配合した実施の形態1における導電性ペーストの製造方法について説明する。
【0065】
上述したように導電性粒子として湿式還元法で形成した銅粉末を解粒処理を施して得た図1に示す凝集度1.60の銅粉末を87.5wt%に対して、ダイマー酸ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製エピコート871)を10.9wt%として、アミンアダクト型硬化剤(味の素ファインテクノ社製アミキュアMY−24)を1.6wt%添加して得たバインダーを、セラミック3本ロール機を用いて混練し、導電性ペーストを得た。
【0066】
この作用効果は、適度な凝集体を形成した導電性粒子をバインダー中に均一分散させることによってビアホール導体の接続信頼性を確保できるとともに流動性を確保できる。
【0067】
ここで、本実施の形態では導電性粒子として銅粉末を用いて含有量を87.5wt%としたが、体積での含有量が重要で、用いる導電性粒子の比重によって異なり、本発明における導電性粒子の体積での含有量としては30〜70vol%の範囲が望ましく、70vol%を越えるとバインダー含有量は30vol%未満となり導電性ペーストの粘度が著しく上昇するためペースト化することができない。
【0068】
逆にバインダー量を70vol%を越えて含有しようとすると導電性粒子の含有量が30vol%となり、導電性粒子の量が少ないためビアホールでの導電性粒子同士の接触が不足し、抵抗値の著しい増加を招くことになる。
【0069】
なお、導電性ペーストの構成成分の熱硬化性樹脂として、上記実施の形態1ではダイマー酸ジグリシジルエステル型エポキシ樹脂を用いたが、ビアホール導体に要求する特性に応じて、例えば架橋密度を上げる、可とう性を付与する、ガラス転移点(Tg)を上げるなどの機能によって、他にビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂や、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂などから選ばれるエポキシ樹脂を単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0070】
また、上記エポキシ樹脂以外にポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノールレゾール樹脂などをバインダー成分とすることも可能である。
【0071】
なお、上記に説明した導電性ペーストは無溶剤型としたが、必要に応じてブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ブチルセルソルブ、エチルセルソルブ、α−ターピネオール等の溶剤分散剤などの添加剤を含有させることもできる。
【0072】
ただし、導電性ペーストとしての揮発量は、全重量に対して4.0wt%以下であることが望ましく、これによりビアホール導体の高い信頼性を確保できる。
【0073】
4.0wt%を越えるとビアホール内部の揮発分が多くなるため、導通接続信頼性が悪化したり膨れが発生してしまう。
【0074】
以上のようにして、得られたエポキシ系の銅ペーストについてE型粘度計で粘度を測定したところ、R14/3°コーンを用いて0.5rpm(ずり速度ls−1)では、18Pa・sとなり、5rpmでは38Pa・sであった。
【0075】
他の実施例として、凝集度の異なる銅粉末を用いたが上記と同じ製造方法なので説明は省略し、得られた導電性ペーストの粘度は、次の実施の形態2において説明する。
【0076】
(実施の形態2)
次に本発明の第2の実施の形態における回路形成基板について説明する。
【0077】
図6(a)〜(g)は、本発明の回路形成基板の製造工程を示す工程断面図である。
【0078】
まず、図6(a)に示すように、アラミド繊維の不織布にエポキシ樹脂を含浸させた120μmの厚みで、500mm×340mmの大きさで、半硬化状態(Bステージ)としたプリプレグシート12(基材A)の両面に、シリコーン系などの離型剤を塗付して形成された離型処理した20μmの厚みのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム11をラミネーターを用いて貼り付ける。
【0079】
次に図6(b)に示すように、プリプレグシート12の所定の位置に炭酸ガスレーザーによってビア径φ200μmの貫通穴13を加工した。
【0080】
次に図6(c)に示すように、離型性フィルム11の上から本発明の第1の実施の形態で作製した導電性ペースト4を、充填機に投入して貫通穴13へ充填した。
【0081】
この充填には印刷機のテーブル(図示せず)に乗せ、ウレタンゴムなどのスキージ15を用いた印刷法により充填を行う。
【0082】
この時離型性フィルム11は、印刷マスクとしての役割とプリプレグシート12の汚染防止膜としての役割を果たしている。
【0083】
次に図6(d)に示すように、プリプレグシート12の両面の離型性フィルム11を剥離した後、図6(e)に示すようにプリプレグシート12の両側から金属箔16としては両面粗化の厚み18μm銅箔で挟み込み、熱プレス機を用いて加熱加圧することにより、図6(f)に示すようにプリプレグシート12と金属箔16が接着されると同時に、プリプレグシート12および貫通穴13の内部に充填された導電性ペースト4が圧縮されることで、両面の金属箔16が導電性ペースト4によって電気的に接続される。
【0084】
その後、図6(g)に示すように、両面の金属箔16を選択的にエッチングして配線パターン17を形成することにより回路形成基板が得られる。
【0085】
なお、本発明の本質ではないので詳細な説明は省略するが、上記のように金属箔として本実施の形態では18μmの両面粗化銅箔を使用したが、片面光沢銅箔であったり35μmや12μmさらに薄いキャリア付きの銅箔を使用することもできるし、銅箔以外の金属箔を用いることもできる。
【0086】
また、熱プレスの加熱加圧の条件は、選択するプリプレグシートや導電性ペーストの組成等により設定されるが、本実施の形態ではプレス温度200℃、圧力4.9Mpa(50kgf/cm)、加圧時間60分とした。
【0087】
本実施の形態では抵抗値測定を行うために500ビアを直列回路とした抵抗測定用ピースが5行×12列並んだ総ビアホール数が3万ビアのテストパターンを作製した。
【0088】
また、先述の基材Aとしたプリプレグシートとは異なる材質でガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させたFR−4または5相当のプリプレグシート(基材B)についても同様にして、ビア径φ150μmの回路形成基板を得た。
【0089】
なお、本実施の形態における回路形成基板に用いた2種類のプリプレグシートの圧縮率は、それぞれ基材A(アラミド/エポキシ)で15.8%、基材B(ガラス/エポキシ)で10.5%であった。
【0090】
次に上記のように形成した回路形成基板において、本発明の導電性ペースト4に用いられた銅粉末の凝集度と導電性ペーストの粘度およびビアホールの導通抵抗との関係について(表1)および図5を参照しながら説明する。
【0091】
【表1】
Figure 2004264031
【0092】
(表1)に示すように本実施の形態における導電性ペーストに用いられた導電性粒子はその凝集度が1.05〜3.90の範囲のものであり、基板抵抗値としては500ビアの直列抵抗値の平均値を示しているが、例えば基材Aにおいては1.12〜1.28Ωと極めて良好な電気導通性を得ることができた。
【0093】
特に凝集度が1.39において基板抵抗値は最小の1.12Ωとなっており、かつ抵抗値のバラツキを表す標準偏差も最小となる0.01であった。これは導電性粒子の凝集度が1.39付近であるとき、インナービアホール内をミクロで観察したとした場合において、導体抵抗にとって導電性粒子同士の接触状態が最良で、かつ導電性粒子の導電性ペースト中での分散性が良好であることによって、1つ1つのビアホールへの導電性粒子の充填量のバラツキが抑制されていることを意味している。
【0094】
凝集度が1.05未満となると、(表1)の比較例1に示すように基材抵抗値は大きくなり、なおかつ標準偏差の値も大きくなる。またその傾向は、圧縮率の小さな基材Bでさらに顕著となっている。
【0095】
一方で(表1)の基材Aについての結果を示した図5からわかるとおり、凝集度が下がればそれに伴って粘度が低減されることから、凝集度の低減が導電性ペーストの分散性に強い相関があり、極端に分散させた状態すなわち凝集度を1.05未満とした場合、導電性ペーストの粘度は低く流動性は良好であるが、逆にビアホールの導通接続が満足できないという結果を招く。これは、凝集度が低くなればなるほど、分散性が良くなり過ぎて、導電性粒子が絶縁体である熱硬化性樹脂を主成分としたバインダーに均一に分散され、インナービアホール内においては導電性粒子同士の接触が少なくなるかまたは不安定になっているものと考えられる。
【0096】
反対に、導電性粒子の凝集度が3.90を越えるとその凝集性により、導電性ペーストの粘度が著しく高くなり、プリプレグシートに設けられた貫通穴へ導電性ペーストを充填する際の充填性が損なわれたり、離型性フィルムを剥離する際には貫通穴の離型性フィルムの部分の縁に付着した導電性ペーストがそのまま離型性フィルムとともに離脱されてしまうといういわゆるペースト取られという現象が発生してしまう。
【0097】
そのため、図5に示したように抵抗値はむしろ増加傾向となり、抵抗値のバラツキが大きくなる。また導電性粒子の凝集度が3.90を越えて粘度の高い導電性ペーストは、その一定のペースト量に対してビア充填できるプリプレグの処理枚数が減少し生産性が悪化するため、コスト面の要求を満足できない。なお(表1)に示したように凝集度が3.90を越えることによる抵抗値の悪化の傾向は、貫通穴のビア径が小さくなるほど影響を受けやすいため顕著であった。これらの理由から本発明の導電性粒子の凝集度の上限としては3.90以下であることが望ましい。
【0098】
なお本発明の実施の形態における導電性粒子として湿式の化学還元反応によって析出させた銅粉末を乾燥させたものであって、解粒処理を施さずに凝集度が1.41となった銅粉末を用いた例を、(表1)の実施例3に示す。
【0099】
このように解粒処理の有無に関わらず、導電性ペーストの粘度および導体抵抗は凝集度に依存した傾向を示しており、解粒処理を施した銅粉末であっても解粒処理を施さない場合と同様の傾向にあった。
【0100】
ただし、解粒処理を施さないで凝集度を制御することは、凝集度に影響を与える例えば湿式の化学還元反応ではその温度や濃度や攪拌状態等の反応条件や、乾燥の際の温度や吸水量など、さらに凝集防止のための表面処理剤などの諸条件を厳密に制御する必要がある。
【0101】
そのため、既に説明したような凝集粒子に対して外部からエネルギーを加えて凝集粒子を解粒する方法が、簡便でかつ確実にしかも安価に凝集度の制御を可能とする優れた方法を提供するものである。
【0102】
なお本発明に関わる導電性粒子を高濃度でバインダー中に分散させるためには、平均粒径が0.5〜20μmの範囲が好ましく、その比表面積は0.07〜1.7m/gとすることが好ましい。
【0103】
平均粒径が0.5μm未満では粒径が小さすぎその比表面積が大となり1.7m/gを越え、導電性粒子をバインダー中に高濃度で分散することができず、逆に平均粒径が20μmを越えると1つのビアホール内に充填される導電性粒子の数が減少し、結果として導電性粒子同士の接触機会と接触面積が減少するため基板抵抗値の上昇を招く。
【0104】
また、比表面積が0.07m/g未満であると導電性粒子の平均粒径を20μm以下とすることは難しく、1.7m/gを越えると導電性ペーストの粘度が著しく上昇するため導電性粒子の高濃度分散が不可能である。
【0105】
(実施の形態3)
次に粒度分布を制御した導電性ペースト、およびその導電性ペーストを用いた回路形成基板の例として実施の形態3を示す。
【0106】
なお、本発明の第3の実施の形態における導電性ペースト中の導電性粒子以外の構成、およびその導電性ペーストを用いた回路形成基板の製造方法は、第1および第2の実施の形態で説明したものと同様であるので詳細な説明は省略する。
【0107】
図4(a)、(b)は本発明の第3の実施の形態における銅粉末の粒度分布の一実施例を示した図であり、それぞれの図はいずれも同じ試料を表したものである。
【0108】
本実施の形態で用いる銅粉末は、その製造方法は第1および第2の実施の形態で説明したものと同様であるが、導電性ペーストの分散性を向上させる方法として、2つ以上の異なる粒径にピークを有したことを特徴としている。
【0109】
具体的には、本実施の形態の導電性粒子3としては、0.2〜10μmと0.6〜20μmに2つ以上のピークを有した粒度分布であることが望ましく、上記範囲を越えると導電性粒子の平均粒径が0.5〜20μm、比表面積が0.07〜1.7m/gを満足することが困難となる。
【0110】
ここで上記ピークについて図4(b)を用いて簡単に説明する。
【0111】
図4(b)−▲1▼および▲2▼は、粒度分布測定装置として湿式のレーザー回折散乱式であるマイクロトラックで測定した粒度分布の測定チャートを示している。
【0112】
この粒度分布のチャートは、粒子を粒径でクラス分けした時の頻度を左縦軸に取った度数分布を示したものである。
【0113】
ここで言うピークとは、この度数分布の一定の粒径範囲で最頻値となる山状に盛り上がった状態の部分のことを言う。図中では○で囲った部分がピークにあたり、その粒径は第1ピークが1μm付近に、第2ピークが6μm付近にある。
【0114】
また、ピークとピークの間は必ずしも完全に谷状になる必要はなく、なだらかに連続することもある。
【0115】
また、平均粒径とはこの度数分布の累積値が50%となるときの粒径の値のことで、粒度分布のピークと平均粒径は異なる意味で用いている。
【0116】
さらに、ここでは粒度分布の計測にレーザー回折散乱式を用いて説明したが、コールターカウンターに代表される電気抵抗方式や画像処理法など他の方式も同様である。
【0117】
なお、ピークの形成方法としては、異なる平均粒径の粒度分布をもつ粉末を2つ以上用意し、例えばV型混合機などを用いて混合してもよい。また、中間粒径を分級により取り除き2山以上のピークを形成することも可能である。
【0118】
また、混合や分級によらない方法としては、例えば湿式の化学還元法において反応中に粒径制御することも可能であるし、他にアトマイズ法においてノズル噴射口を2つ以上設けて粒径制御してもよく、ピークの形成方法は特に限定されるものではない。
【0119】
図4(b)−▲1▼および▲2▼は本実施の形態の導電性粒子の粒度分布であって、粒度分布測定装置として前述の湿式のレーザー回折散乱式であるマイクロトラックで測定した粒度分布を示しており、第1のピークとして1μm近傍に、第2のピークとして6μm近傍にピークが存在したものであり、それぞれ5wt%と95wt%を混合した銅粉末である。
【0120】
一般的に平均粒径は粒子の粒径でクラス分けした時のそれぞれの頻度から算出される値でその累積値が50%の時の粒径を言う。算出基準を体積基準とするか個数基準とするかで、その混合されて得た粉末の平均粒径は大きく異なる。
【0121】
図4(b)は前述の同一の銅粉末を体積基準と個数基準で粒度分布を測定した例であり、それぞれ平均粒径(D50)は、6.04と1.03となっている。本発明の導電性ペーストに関わる導電性粒子の粒度分布は、2つ以上のピークを有することを特徴とするものであって、その算出基準は問題にはならないことを言及しておく。
【0122】
次に、実施の形態2と同様の製造方法で回路形成基板を形成し、本発明の導電性ペーストに用いられた銅粉末の粒度分布のピーク値と導電性ペーストの粘度およびビアホールの導通抵抗との関係について(表2)および図4を参照しながら説明する。
【0123】
【表2】
Figure 2004264031
【0124】
(表2)において比較例3および比較例4は、粒度分布のピークを1つしか有しておらず、かつ凝集度も制御していない比較例を示した。
【0125】
いずれも導電性粒子のバインダーへの分散が困難で、比較例4に至ってはペースト化すらできなかった。
【0126】
異なる粒径の銅粉末を混合した実施例7〜10はいずれも良好な導電性ペーストを得ることができ、そのペーストを用いた回路形成基板も良好な導通接続特性を有していることがわかる。
【0127】
このように本発明に関わる導電性粒子として2つ以上のピークを有することで、例えば図4(a)に示した模式図のように、第2のピークに対応する相対的に大きい粒径の粒子の間に、第1のピークに対応する相対的に小さい粒子が入り込む状態を構成することになり、小さい粒子同士の凝集を抑制したり、小さい粒子が大きい粒子にとってコロのような役割を担って分散性を高める機能が発現する。つまり粒径の異なる粉体によって流動性が発現し粘度低減に効果を有する。
【0128】
また、本発明に関わる導電性粒子の粒度分布のピークは、2つだけで構成する必要は無く、実施例10に示したように3つ以上であっても本発明の特徴とする効果を得ることができる。
【0129】
なお、その混合割合についても充填する貫通穴のビア径や用いる導電性粒子の種類や粒径の大きさに応じて任意に選択できる。
【0130】
なお、本発明の各実施の形態における回路形成基板においてプリプレグシートとして、アラミド繊維の不織布にエポキシ樹脂を含浸したもの(アラミド/エポキシ)と、ガラス繊維の織布にエポキシ樹脂を含浸させたもの(ガラス/エポキシ)とを用いたが、他に使用可能な繊維としてPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)、PBI(ポリベンゾイミダゾール)、PBZT(ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール)、または全芳香族ポリエステルなどの有機繊維や無機繊維が挙げられる。またエポキシ樹脂の他にポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂またはシアネートエステル樹脂などの熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させることもできる。なお、上記2種類のプリプレグシートの圧縮率は、それぞれ(アラミド/エポキシ)で15.8%、(ガラス/エポキシ)で10.5%であったが、さらに低圧縮率や高圧縮率の基材を用いることも可能である。
【0131】
また、これまで説明した本発明の各実施の形態においては、導電性粒子の材質として銅を用いた例を説明したが、以下の(I)〜(IV)に分類した導電性粒子を用いても本発明の特徴とする効果を発揮できることは言うまでもない。
(I)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム。
(II)金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、亜鉛、クロム、ビスマスから選ばれる任意の組み合わせの合金粒子。
(III)金属または無機物または有機物粒子を核にして、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる少なくとも1種類の金属で被覆された粒子。
(IV)金属または無機物または有機物粒子を核にして、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、亜鉛、クロム、ビスマスから選ばれる任意の組み合わせの合金で被覆された粒子。
【0132】
以上の分類から選定することによって、回路形成基板の使用条件や要求特性、および製造条件等に対応することができる。
【0133】
また、上記導電性粒子に分散や防錆を目的とした例えば有機脂肪酸やシランカップリング剤などの表面処理剤を付与した導電性粒子も本発明の導電性ペーストにおける導電性粒子として使用することは可能である。
【0134】
【発明の効果】
上記各実施の形態より明らかなように本発明は、一次粒子と一次粒子が凝集した凝集粒子を含む導電性粒子の計測方法であって、一次粒子平均径を得る工程と、凝集粒子平均径を得る工程と、次式により算出する工程を備えた導電性粒子の計測方法を提供し、これにより導電性ペーストに含まれる導電性粒子を数値的に計測するものである。
【0135】
これをもとに導電性ペーストを製造することで良好な流動性、分散性の導電性ペーストを提供することができる。
【0136】
その結果、ビアへの充填性とビアホール内部での導電性粒子同士の接触が安定し、高品質なビアホール導体をバラツキ少なく安定的に形成でき、高密度回路形成基板として高速伝送が可能な高周波回路用途や半導体パッケージなどの微細な配線パターン用途や小型・軽量化を必要とする携帯型電子機器用途などに必要な高い接続信頼性を有し、かつ安価な回路形成基板を提供することを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における導電性粒子の模式図
【図2】本発明の実施の形態1における他の導電性粒子の模式図
【図3】本発明の実施の形態1と異なる凝集性の導電性粒子の模式図
【図4】本発明の実施の形態3における導電性粒子の粒度分布を表す図
【図5】凝集度と粘度および抵抗値との相関関係を表す図
【図6】本発明の回路形成基板の製造方法を示す工程図
【図7】従来の回路形成基板の製造方法を示す工程図
【図8】回路形成基板の導通発現のメカニズムを示す工程図
【図9】導電性ペーストの貫通穴への充填後の状態を示す断面図
【符号の説明】
1 一次粒子
2 凝集粒子
3 導電性粒子
4 導電性ペースト
11 離型性フィルム
12 絶縁基板(プリプレグシート)
13 貫通穴
15 スキージ
16 金属箔
17 配線パターン

Claims (7)

  1. 一次粒子と一次粒子が凝集した凝集粒子を含む導電性粒子の計測方法であって、一次粒子平均径を得る工程と、凝集粒子平均径を得る工程と、次式により算出する工程を備えた導電性粒子の計測方法。
    式:凝集度=凝集粒子平均径/一次粒子平均径
  2. 一次粒子平均径を得る工程は導電性粒子の観察像を画像解析することであり、凝集粒子平均径を得る工程は導電性粒子をレーザー回折散乱式の粒度分布測定装置を用いて測定することであることを特徴とする請求項1に記載の導電性粒子の計測方法。
  3. 導電性粒子の観察像は、SEM(走査型電子顕微鏡)、またはCCDカメラ、または光学顕微鏡で観察し得ることを特徴とする請求項2に記載の導電性粒子の計測方法。
  4. 導電性粒子は、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウムの群から選ばれる少なくとも1種類からなる粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電性粒子の計測方法。
  5. 導電性粒子は、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、亜鉛、クロム、ビスマスから選ばれる任意の組み合わせの合金粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電性粒子の計測方法。
  6. 導電性粒子は、金属または無機物または有機物粒子を核にして、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、亜鉛、クロムから選ばれる少なくとも1種類の金属で被覆された粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電性粒子の計測方法。
  7. 導電性粒子は、金属または無機物または有機物粒子を核にして、金、白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル、錫、鉛、インジウム、亜鉛、クロム、ビスマスから選ばれる任意の組み合わせの合金で被覆された粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電性粒子の計測方法。
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