JP2004263970A - 吸着式冷凍機及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸着式冷凍機において、管体の外周面に該管体の軸方向に沿って板状のフィンを摩擦圧接により固着して伝熱管を構成し、該伝熱管を複数個列設するとともに各伝熱管の間に前記吸着剤を装填した吸着エレメントを複数個並設して吸着剤熱交換器を構成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱源流体が内部を通流する伝熱管の外側に固体吸着剤が装填されてなる吸着剤熱交換器を備え、前記伝熱管内の熱源流体を介しての吸着剤と冷媒との間の可逆反応に伴う発熱、吸熱現象を利用し、熱源流体から供給される温熱を熱源として冷熱を発生させる吸着式冷凍機及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸着式冷凍機においては、固体吸着剤と、温水あるいは冷水等の熱源流体が内部を通流する伝熱管と、該吸着剤に吸着あるいは脱着されるとともに伝熱管内の熱源流体と熱交換する冷媒の通路とを備えた吸着剤熱交換器が用いられており、該吸着剤熱交換器における伝熱管と吸着剤と冷媒通路との組付け構成及び該吸着剤熱交換器の製造方法について種々の技術手段が提供されている。
【0003】
かかる技術手段の1つとして特許文献1(特開平10−286460号公報)の技術がある。
特許文献1(図2のもの)においては、成形用吸着剤を型成形して一体構造とした吸着剤熱交換器が開示されており、管体の外周面にろう付けあるいはかしめにて固着された板状のフィンの間にペースト状に成形された成形用吸着剤を挟み込んで固着し、このフィンと吸着剤との板状固着体を、これの板面が該伝熱管の軸心線と直角になるように、複数の伝熱管の外周面に該伝熱管の長手方向に沿って複数個連設し、該成形用吸着剤の両端面に冷媒の通路となる溝を形成している。
【0004】
また、特許文献2(特開2002−178742公報)には、吸着剤(シリカ)及び液冷媒が封入された吸着剤熱交換器に、該吸着剤及び冷媒加熱用の温水あるいは吸着剤及び冷媒冷却用の冷水が通流する伝熱管を通すように構成された吸着式冷凍機が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−286460号公報
【特許文献2】
特開2002−178742公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1記載の従来技術にあっては、管体の外周面にかしめにて固着された板状のフィンの間に成形用吸着剤を挟み込んで固着した板状固着体を、板面が伝熱管の軸心線と直角になるように該伝熱管の軸方向に沿って複数個連設して構成されていることから、伝熱管と吸着剤との間の熱伝達を該伝熱管の管体外周にろう付けあるいはかしめにて固着された板状のフィンを介して行うこととなるため、前記ろう付けあるいはかしめ部分が伝熱管側と冷媒側との間の熱遮断部となり、伝熱管側と冷媒側との間の熱接触抵抗が大きくならざるを得ず、良好な熱接触性が得られない。
【0007】
また、かかる従来技術にあっては、フィンの板面が伝熱管の軸心線と直角になるように該伝熱管の管体に固着されているため流動抵抗が大きく、冷媒がフィンの板面全体に亘って均等に流れ難い。また管体から離れたフィンの先端部は伝熱機能を果たし難く実質的な伝熱面積がフィンの表面面積に対して小さくなる。
【0008】
また、かかる従来技術にあっては、複数の管体の外周面にろう付けあるいはかしめにて板状のフィンを固着し、該板状のフィンの間に成形用吸着剤を挟み込んで固着して板状固着体を製作し、この板状固着体を板面が伝熱管の軸心線と直角になるように該伝熱管の長手方向に沿って複数個連続的に固着するという、3段階の工程で、かつろう付けあるいはかしめ作業を介在させて吸着剤熱交換器を製作しているため、多大な製造工数を要するとともに製造コストも高くなる。
等の問題点を有している。
さらに、特許文献2には、温水あるいは冷水等の熱源流体が通流する伝熱管の具体的構成は開示されていない。
【0009】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、伝熱管と吸着剤との間における冷媒の流動を円滑化するとともに伝熱管側と吸着剤側との間の熱接触抵抗を低減することにより熱接触性を改善して冷媒及び吸着剤の加熱あるいは冷却効率を向上し、さらには製造工数を低減するとともに製造コストを低減した吸着剤冷凍機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる目的を達成するもので、その第1発明は、温水あるいは冷水等の熱源流体が内部を通流する伝熱管の外側にシリカゲル、ゼオライト等からなり冷媒を吸着する固体吸着剤が装填されてなる吸着剤熱交換器を備え、該吸着剤熱交換器における前記伝熱管内の熱源流体を介しての前記吸着剤と冷媒との間の可逆反応に伴う発熱、吸熱現象を利用し、前記熱源流体から供給される温熱を熱源として冷熱を発生させる吸着式冷凍機において、前記伝熱管は管体の外周面に該管体の軸方向に沿って板状のフィンを摩擦圧接により固着してなり、前記吸着剤熱交換器は、該伝熱管を複数個列設するとともに各伝熱管の間に前記吸着剤を装填した吸着エレメントを複数個並設して構成されたことを特徴とする。
【0011】
かかる第1発明において好ましくは、前記吸着剤熱交換器は、前記各吸着エレメントの間に前記冷媒が通流する冷媒通路を複数設けてなる。
また第1発明において好ましくは、前記冷媒通路を、前記冷媒が前記吸着エレメントにおける伝熱管の軸方向あるいは軸直角方向の両方向に選択流動可能に構成する。
【0012】
かかる発明によれば、吸着剤熱交換器の加熱用温水あるいは冷却用冷水が内部を通流する管体の外周面に板状のフィンを該管体の外周面から突出させ管体の軸方向に沿って摩擦圧接により固着した伝熱管を形成し、このフィン付き伝熱管を列状に複数個並べ各伝熱管の間に吸着剤を装填して吸着エレメントを構成し、この吸着エレメントを複数個並設し各吸着エレメントの間に冷媒通路を設けて吸着剤熱交換器を構成しており、フィンが管体の外周面の軸方向に沿って直接摩擦接着されて伝熱管を構成しているため、吸着剤間における冷媒の流れに、伝熱管の軸方向に沿って管体の外周面にフィンの伝熱面に沿った流れが形成されて、従来技術に係る伝熱管に直角に設けられたフィンを備えた吸着剤熱交換器に比べて冷媒の流動抵抗が低減される。また前記のように冷媒のフィンの伝熱面に沿った流れが形成されることによって、伝熱管内の加熱用温水あるいは冷却用冷水と冷媒との間の実質的な伝熱面積が増大する。
【0013】
また、伝熱管を、管体の外周面に板状のフィンを管体の軸方向に沿って摩擦圧接により固着して構成したので、管体とフィンとが一体化されて、従来技術に係る管体の外周面にアルミフィンをろう付けあるいはかしめにより固着したアルミフィン伝熱管のような熱遮断部分がなく、伝熱管側と冷媒側との間の熱接触抵抗が低減されて熱接触性が向上する。
これにより、吸着剤熱交換器における冷媒の温水あるいは冷水による加熱効率あるいは冷却効率が向上し、吸着式冷凍機の冷凍サイクル時間の短縮が可能となり、該吸着式冷凍機の総合効率が向上する。
【0014】
また、フィンを管体の外周面に摩擦圧接により固着したフィン付き伝熱管を列状に複数個並べ各伝熱管の間に吸着剤を充填してなる吸着エレメントを複数個並設して各吸着エレメントの間に冷媒通路を設けて吸着剤熱交換器を構成したので、伝熱管を垂直配置あるいは水平配置の何れの構造にしても、従来技術のように吸着剤がその自重によって下方側に偏ることがなく、吸着剤熱交換器を形状、機能に自由度を持たせて最適設計できる。
【0015】
また、かかる発明によれば、前記吸着剤熱交換器内の冷媒通路を、冷媒が吸着エレメントにおける伝熱管の軸方向に流れるように、あるいは軸直角方向に流れるように、吸着エレメントの向きを90°変えるのみで自在に選択設計可能となり、伝熱管の方向に対して最適な冷媒通路を設定できる。
【0016】
さらに、かかる発明によれば、フィンを管体の外周面に摩擦圧接により固着して伝熱管を構成したので、一定の温度条件で吸着剤熱交換器を製作できて、従来技術に係るアルミフィンを管体外周面にろう付けしてなる伝熱管を用いた吸着剤熱交換器のように、伝熱管と吸着剤との一体化製作時に加熱、冷却を繰り返すことにより吸着剤層内において亀裂の発生をみることがなく、吸着剤熱交換器の耐久性が向上する。
【0017】
第2発明は前記吸着剤熱交換器を製作する方法に係り、温水あるいは冷水等の熱源流体が内部を通流する伝熱管の外側にシリカゲル、ゼオライト等からなり冷媒を吸着する固体吸着剤が装填されてなる吸着剤熱交換器を備え、該吸着剤熱交換器における前記伝熱管内の熱源流体を介しての前記吸着剤と冷媒との間の可逆反応に伴う発熱、吸熱現象を利用し、前記熱源流体から供給される温熱を熱源として冷熱を発生させる吸着式冷凍機の製造方法において、吸着剤熱交換器は、管体の外周面に該管体の軸方向に沿って板状のフィンを摩擦圧接により固着して前記伝熱管を製作し、該伝熱管を複数個列設して各伝熱管の間に吸着剤を装填して吸着エレメントを製作し、複数個の前記吸着エレメントを各吸着エレメント間に冷媒通路を形成するように組み立てることを特徴とする。
【0018】
かかる第2発明によれば、前記のような摩擦圧接により製作した伝熱管を複数個列設して各伝熱管の間に吸着剤を充填して吸着エレメントを製作し、吸着エレメントを複数個、カートリッジ形態にして、各吸着エレメント間に冷媒通路を形成するように組み立てるので、従来技術のように、複数の伝熱管に対してフィン及び板状の吸着剤が直角に固着された吸着剤熱交換器に比べて製作が容易であり、また前記特許文献1のような冷媒通路用の溝を加工形成するのが不要となって、製造工数が低減されるとともに製造コストの低減も可能となる。
【0019】
また、管体の外周面に該管体の軸方向に沿って板状のフィンを摩擦圧接により固着して伝熱管を製作するので、該伝熱管を所要の長さに切断して組付け、吸着剤熱交換器を構成することができて、該吸着剤熱交換器の大きさに自在に対応した伝熱管が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0021】
図1は本発明の実施例に係る吸着剤熱交換器の正面構成図、図2は伝熱管の要部斜視図である。図3は本発明が適用される吸着式冷凍機の系統図である。
【0022】
本発明が適用される吸着式冷凍機の構成を示す図3において、1は真空容器で、仕切板2で区画された2室内に吸着剤熱交換器3a,3bを設置している。該吸着剤熱交換器3(3a及び3b)は伝熱管の伝熱面にシリカゲル、ゼオライト、活性炭等の固体吸着剤を充填した構成となっている。該吸着剤熱交換器3a,3bの伝熱管30(図1,2参照)に接続される供給管は、4つの切換弁8a、8b、9a、9bを備えた切換機構5を介して冷却水供給系統6及び温水供給系統7に接続している。
10は冷水系統12に連なる伝熱管13を備えた蒸発器、11は冷却水供給系統6に連なる伝熱管14を備えた凝縮器であり、該蒸発器10及び凝縮器11はそれぞれ冷媒蒸気経路を介して前記吸着剤熱交換器3a,3bに接続されている。また前記蒸発器10と凝縮器11との間には、膨張弁15が介装された冷媒供給管16を設置している。
【0023】
かかる吸着式冷凍機の運転時において、図3は吸着剤熱交換器3aを吸着器、吸着剤熱交換器3bを再生器として動作させているバッチサイクルの運転状態を示しており、冷却水供給系統6に対応する切換弁8a、8bは吸着器としての吸着剤熱交換器3a側に切り換えられ、温水供給系統7に対応する切換弁9a、9bは再生器(脱着器)としての吸着剤熱交換器3b側に切り換えられている。
また、前記吸着剤熱交換器3a側の開閉弁17aは閉、制御弁18aは開となっており、吸着剤熱交換器3b側の開閉弁17bは開、制御弁18bは閉となっている。
19はコントローラで、前記切換弁8a、8b、9a、9bを切換制御するとともに、開閉弁17a、17b、制御弁18a、18bを開閉制御するものである。
【0024】
かかるバッチサイクルにおいて、再生器(脱着器)としての吸着剤熱交換器3b内における水を吸着している吸着剤は、温水供給系統7から切換弁9a、9bを経て伝熱管に供給される温水により加熱されて脱着反応用の熱が与えられ、該吸着剤と水とが脱着して冷媒蒸気を発生せしめる。
この冷媒蒸気は図中矢印で示すように、開閉弁17bを経て凝縮器11に入る。そして該冷媒蒸気は、凝縮器11において伝熱管14内を流れる冷却水供給系統6の冷却水と熱交換をして凝縮し、この凝縮液は冷媒供給管16を通って膨張弁15に至り、該膨張弁15にて膨張、減圧されて蒸発器10に送り込まれる。このようにして、前記吸着剤熱交換器3b側において吸着剤の再生が行われる。
【0025】
該蒸発器10においては、前記膨張弁15を経た減圧凝縮液と冷水系統12の水とを熱交換することにより該減圧凝縮液を蒸発、気化して冷媒蒸気とするとともに、冷水系統12の水は冷却、降温されて図示しない冷却負荷側に送られる。一方、吸着器としての吸着剤熱交換器3aでは、吸着剤は前のバッチサイクルにおいて前述と同様な再生が行われているため、制御弁18aを介して蒸発器10内の冷媒蒸気を吸引して吸着する。
即ち、この吸着反応で吸着剤に発生する吸着熱を、切換弁8a、8bを経て冷却水供給系統6から供給される冷却水で奪うことによって、前記蒸発器10内の冷媒蒸気を吸引して吸着剤に吸着する吸着作用がなされる。
【0026】
本発明は、前記吸着剤熱交換器3(3a及び3b)の構造及び製造方法の改良に係るものである。
本発明の実施例を示す図1,2において、30は伝熱管で、図2に示すように、前記温水供給系統7からの温水あるいは冷却水供給系統6からの冷水が内部を通流する管体31の外周面に、該管体31の軸方向に沿って、板状のフィン32をV字状に(必ずしもV字状でなくてもよく、I字状、U字状に曲げるようにしてもよい)突出させて、摩擦圧接によって固着して構成される。前記摩擦圧接は、周知の方法で行えばよいので、詳細な施工方法の説明は省略する。
【0027】
図1において、3は図2の3a及び3bに相当する吸着剤熱交換器で、吸着エレメント40をこの例のように横方向(水平方向)に複数個並設し、各吸着エレメント40の間に冷媒通路34を形成して構成される。
また、前記各吸着エレメント40は、前記フィン32付きの伝熱管30を縦列状に複数個並べ各伝熱管30の間に成形吸着剤33を充填して構成される。
尚、前記吸着エレメント40を縦方向(垂直方向)に複数個並設し、前記フィン32付きの伝熱管30を横列状に複数個並べ各伝熱管30の間に成形吸着剤33を充填して構成してもよい。
前記冷媒通路34内を流動する冷媒の流動方向は、図1のAに示されるように、前記伝熱管30の軸方向に設定する。このようにすれば、成形吸着剤33間における冷媒の流れにフィン32に沿った流れが形成されて冷媒の流動抵抗が少なくなり、また伝熱管30内の加熱用温水あるいは冷却用冷水と冷媒との間の実質的な伝熱面積が増大する。
尚、前記冷媒通路34内を流動する冷媒の流動方向を、図1のBに示されるように、前記伝熱管30の軸直角方向に設定することもできる。
【0028】
要するに、かかる実施例においては、吸着エレメントの向きを90°変えるのみで、吸着剤熱交換器3内の冷媒通路34を、図1のAに示されるような冷媒が吸着エレメント40における伝熱管30の軸方向に流れるように、あるいは図1のBに示されるような軸直角方向に流れるように、自在に選択設計可能となり、伝熱管の方向に対して最適な冷媒通路を設定できる。
【0029】
かかる実施例によれば、伝熱管30を、管体31の外周面に板状のフィン32を該管体31の軸方向に沿って直接摩擦圧接により固着して構成し、このフィン付き伝熱管30を列状に複数個並べるとともに各伝熱管30の間に成形吸着剤33を充填して吸着エレメント40を構成し、この吸着エレメント40を複数個並設して各吸着エレメント40の間に冷媒通路34を設けて吸着剤熱交換器3を構成している。
従って、前記フィン32が管体31の外周面に軸方向に沿って直接摩擦接着されて伝熱管30を構成しているため、成形吸着剤33間にをおける冷媒の流れに、伝熱管30の軸方向フィン32に沿った流れが形成されて、従来技術に係る伝熱管に直角に設けられたフィンを備えた吸着剤熱交換器に比べて冷媒の流動抵抗が低減され、また前記のように冷媒のフィン32に沿った流れが形成されることによって、伝熱管30内の加熱用温水あるいは冷却用冷水と冷媒との間の実質的な伝熱面積が増大する。
【0030】
また、前記伝熱管30を、管体31の外周面に板状のフィン32を管体の軸方向に沿って摩擦圧接により固着して構成したので、管体31とフィン32とが一体化されて、従来技術に係る管体の外周面にアルミフィンをろう付けあるいはかしめにより固着したアルミフィン伝熱管のような熱遮断部分がなく、伝熱管側と冷媒側との間の熱接触抵抗が低減されて熱接触性が向上する。
これにより、従来のアルミフィン式伝熱管を用いた吸着剤熱交換器に比べて伝熱管30側と吸着剤33側との間の熱接触抵抗が低減されて熱接触性が向上する。
【0031】
また、前記のように、フィン32を管体31の外周面に摩擦圧接により固着したフィン付き伝熱管30を列状に複数個並べ、各伝熱管30の間に成形吸着剤33を充填してなる吸着エレメント40を複数個並設して各吸着エレメント40の間に冷媒通路34を設けて吸着剤熱交換器3を構成したので、伝熱管30を垂直配置あるいは水平配置の何れの構造にしても、従来技術のように吸着剤33がその自重によって下方側に偏ることがない。これにより、吸着剤熱交換器3を形状、機能に自由度を持たせて最適設計できる。
【0032】
さらに、フィン32を管体31の外周面に摩擦圧接により固着して伝熱管30を構成したので、一定の温度条件で吸着剤熱交換器3を製作できる。従って、従来技術に係るアルミフィン式伝熱管を用いた吸着剤熱交換器のように、伝熱管と吸着剤との一体化製作時に加熱、冷却を繰り返すことにより吸着剤層内において亀裂の発生をみることがない。これにより、吸着剤熱交換器3の耐久性が向上する。
【0033】
次に、前記のように構成された吸着剤熱交換器3の製造方法について説明する。
先ず、管体31の外周面に、該管体31の軸方向に沿って、板状のフィン32を図2のようなV字状に突出させ、摩擦圧接によって固着してフィン32付きの伝熱管30を所要本数製作する。そして、各伝熱管30を吸着剤熱交換器3の組付け長さを勘案して、所要の長さに切断する。
【0034】
次いで、前記フィン32付きの伝熱管30を縦列状(横列状でもよい)に複数個並べ、各伝管30の間に成形吸着剤33を充填して吸着エレメント40を製作する。
かかる吸着エレメント40の製作は、次のようにして行うのが好ましい。
即ち、42メッシュ以下のシリカゲル粉粒状のものと、セルローズ系有機バインダーと、セピオライトで繊維状の無機バインダーとを所定時間(15分程度)混合し、これに水を添加して所定時間(60分程度)分散混合を行い、ペースト状の成形吸着剤33を形成し、各伝熱管30の間に充填する。
そして、図1のように、前記吸着エレメント40を、横方向(水平方向)に複数個並設し、各吸着エレメント40の間に冷媒通路34を形成して吸着剤熱交換器3を製作する。
【0035】
かかる吸着剤熱交換器3は、前記のようにして製造されるので、摩擦圧接により製作した伝熱管30を複数個列設し各伝熱管30の間に成形吸着剤33を充填して吸着エレメント40を製作し、吸着エレメント40を複数個、カートリッジ形態にして、各吸着エレメント40間に冷媒通路34を形成するように組み立てることにより、前記特許文献1等の従来技術のように、複数の伝熱管に対してフィン及び板状の吸着剤が直角に固着された吸着剤熱交換器に比べて製作が容易であり、少ない製造工数での製作が可能となる。
【0036】
また、管体31の外周面に該管体31の軸方向に沿って板状のフィン32を摩擦圧接により固着して伝熱管30を製作するので、該伝熱管30を所要の長さに切断して組付け、吸着剤熱交換器3を構成することができることとなる。これにより、該吸着剤熱交換器3の大きさに自在に対応した伝熱管30が得られる。
【0037】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、フィンが管体の外周面の軸方向に沿って直接摩擦接着されて伝熱管を構成しているため、吸着剤間における冷媒の流れに、伝熱管の軸方向に沿って管体の外周面にフィンの伝熱面に沿った流れが形成されて、従来技術に係る伝熱管に直角に設けられたフィンを備えた吸着剤熱交換器に比べて冷媒の流動抵抗が低減され、また前記のように冷媒のフィンの伝熱面に沿った流れが形成されることによって、伝熱管内の加熱用温水あるいは冷却用冷水と冷媒との間の実質的な伝熱面積が増大する。
【0038】
また、伝熱管を、管体の外周面に板状のフィンを管体の軸方向に沿って摩擦圧接により固着して構成したので、管体とフィンとが一体化されて、従来技術に係る管体の外周面にアルミフィンをろう付けあるいはかしめにより固着したアルミフィン伝熱管のような熱遮断部分がなく、伝熱管側と冷媒側との間の熱接触抵抗が低減されて熱接触性が向上する。
これにより、吸着剤熱交換器における冷媒の温水あるいは冷水による加熱効率あるいは冷却効率が向上し、吸着式冷凍機の冷凍サイクル時間の短縮が可能となり、該吸着式冷凍機の総合効率が向上する。
【0039】
また、摩擦圧接により製作した伝熱管を複数個列設して各伝熱管の間に吸着剤を充填して吸着エレメントを製作し、吸着エレメントを複数個、カートリッジ形態にして、各吸着エレメント間に冷媒通路を形成するように組み立てるので、従来技術のような複数の伝熱管に対してフィン及び板状の吸着剤が直角に固着された吸着剤熱交換器に比べて製作が容易であり、製造工数が低減されるとともに製造コストの低減も可能となる。
【0040】
また、管体の外周面に該管体の長手方向に沿って板状のフィンを摩擦圧接により固着して伝熱管を製作するので、該伝熱管を所要の長さに切断して組付け吸着剤熱交換器を構成することができて、該吸着剤熱交換器の大きさに自在に対応した伝熱管が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る吸着剤熱交換器の正面構成図である。
【図2】伝熱管の要部斜視図である。
【図3】本発明が適用される吸着式冷凍機の系統図である。
【符号の説明】
3(3a、3b) 吸着剤熱交換器
11 凝縮器
15 膨張弁
30 伝熱管
31 管体
32 フィン
33 成形吸着剤
34 冷媒通路
40 吸着エレメント
Claims (4)
- 温水あるいは冷水等の熱源流体が内部を通流する伝熱管の外側にシリカゲル、ゼオライト等からなり冷媒を吸着する固体吸着剤が装填されてなる吸着剤熱交換器を備え、該吸着剤熱交換器における前記伝熱管内の熱源流体を介しての前記吸着剤と冷媒との間の可逆反応に伴う発熱、吸熱現象を利用し、前記熱源流体から供給される温熱を熱源として冷熱を発生させる吸着式冷凍機において、前記伝熱管は管体の外周面に該管体の軸方向に沿って板状のフィンを摩擦圧接により固着してなり、前記吸着剤熱交換器は、該伝熱管を複数個列設するとともに各伝熱管の間に前記吸着剤を装填した吸着エレメントを複数個並設して構成されたことを特徴とする吸着式冷凍機。
- 前記吸着剤熱交換器は、前記各吸着エレメントの間に前記冷媒が通流する冷媒通路を複数設けてなることを特徴とする請求項1記載の吸着式冷凍機。
- 前記冷媒通路を、冷媒が前記吸着エレメントにおける伝熱管の軸方向あるいは軸直角方向の両方向に選択流動可能に構成したことを特徴とする請求項2記載の吸着式冷凍機。
- 温水あるいは冷水等の熱源流体が内部を通流する伝熱管の外側にシリカゲル、ゼオライト等からなり冷媒を吸着する固体吸着剤が装填されてなる吸着剤熱交換器を備え、該吸着剤熱交換器における前記伝熱管内の熱源流体を介しての前記吸着剤と冷媒との間の可逆反応に伴う発熱、吸熱現象を利用し、前記熱源流体から供給される温熱を熱源として冷熱を発生させる吸着式冷凍機の製造方法において、吸着剤熱交換器は、管体の外周面に該管体の軸方向に沿って板状のフィンを摩擦圧接により固着して前記伝熱管を製作し、該伝熱管を複数個列設して各伝熱管の間に吸着剤を装填して吸着エレメントを製作し、複数個の前記吸着エレメントを各吸着エレメント間に冷媒通路を形成するように組み立てることを特徴とする吸着式冷凍機の製造方法。
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