JP2004263448A - 耐火木造壁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下枠1aと竪枠1bと上枠1cとを組み合わせて構成した木製の枠組体1と、この枠組体1の室内側の面に張着した第1の石膏ボード2と、この第1の石膏ボード2の室内側の面に張着したアルミニウムシート3と、このアルミニウムシート3の室内側の面に張着した第2の石膏ボード4とにより、耐火木造壁10を構築する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐火性能を有する木造の壁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建築物における壁構造のうち、建築基準法上の準耐火性能を満たすものとして、図2に示すように、木製の枠組体100の室内側の面に、所定厚さの石膏ボード110を取り付けたものがある(例えば非特許文献1参照)。
木製の枠組体100は、床版上に釘打ち固定された下枠101と、この下枠101の上に所定間隔で立設された複数の竪枠102と、この竪枠102の上端に取り付けられた上枠103とから形成されている。石膏ボード110は、単層または複数層により所定の厚さに構成され、前記枠組体100の室内側の面を覆うように取り付けられている。なお、図2では、石膏ボード110を2つの層、すなわち、第1の石膏ボード111と第2の石膏ボード112とにより構成した例を示している。
【0003】
かかる壁構造によれば、火災時には、石膏ボード110に含まれる結晶水が、火災の熱によって水蒸気に変化することで熱エネルギーを消費するので、一定時間火災を食い止めることが可能となる。したがって、この石膏ボード110の厚みを適宜調整することにより、建築基準法上の準耐火構造とすることができる。
【0004】
【非特許文献1】
社団法人 石膏ボード工業会、(「どのように施工しますか」、「せっこうボード製品の種類と規格」参照)、[online]、[平成15年2月17日検索]、インターネット<URL:http://www.gypsumboard−a.or.jp/use2.shtml>
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、準耐火構造を超える性能が必要となる耐火構造の壁の場合には、金属製の枠組体を用いるのが通常であり、木製の枠組体を使用した耐火構造の壁はこれまで存在しなかった。したがって、木造で構築可能な建築物の規模や用途が大幅に制限されてしまっているという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、建築基準法上の耐火性能を満足する木造壁を実現することにより、木造建築の普及を図ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る耐火木造壁は、上枠と下枠と竪枠とを組み合わせて構成した木製の枠組体と、この枠組体の室内側の面に張着した第1の石膏ボードと、この第1の石膏ボードの室内側の面に張着したアルミニウムシートと、このアルミニウムシートの室内側の面に張着した第2の石膏ボードとを有することを特徴とする。
【0008】
かかる構造によれば、第1の石膏ボードと第2の石膏ボードとの間に配置されたアルミニウムシートの輻射断熱機能により、火災の熱が室内側へと輻射され、壁内側に伝わる熱が減少する。これにより、壁内部の温度上昇を抑制することができ、枠組体を木製とすることが可能となる。
【0009】
なお、本明細書で使用する「準耐火構造」、「耐火構造」、「耐火性能」の用語の意義は、建築基準法第2条および建築基準法施行令第107条に定めるものと同義である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、部屋と部屋とを仕切る間仕切壁を耐火構造とした場合を示している。
【0011】
本実施形態において、耐火木造壁10は、図1に示すように、骨格となる枠組体1と、この枠組体1の室内側の面に張着された第1の石膏ボード2と、この第1の石膏ボード2の室内側の面に張着されたアルミニウムシート3と、このアルミニウムシート3の室内側の面に張着された第2の石膏ボード4とから構成されている。以下、これらの各構成要素について詳細に説明する。
【0012】
(1)枠組体1
枠組体1は、正面視方形枠状の部材であり、床版上に設置された下枠1aと、この下枠1aの上面に所定間隔で垂直に立設された複数の竪枠1b、1b…と、これらの竪枠1b、1b…の上端に下枠1aと平行に取り付けられた上枠1cとから構成されている。これら下枠1a、竪枠1b、上枠1cは、いずれも木製であり、同一断面の角形棒状部材である。このように構成される枠組体1は、耐火木造壁10の骨格的な機能を果たすものであり、これに張着される石膏ボード等を支持して空間を仕切り、火災の延焼を防止するものである。
【0013】
なお、本実施形態においては、剛性を高めるために、この枠組体1の室内側の面を覆うように合板1dが取り付けられている。また、下枠1a、竪枠1b、上枠1c及び合板1dに囲まれて形成された空間には、断熱材1eが充填されている。
【0014】
(2)第1の石膏ボード2
第1の石膏ボード2は、所定厚さを有する板状部材であり、枠組体1の室内側の面、つまり本実施形態では合板1dの室内側の面に配置されている。材料としては、例えば強化石膏ボード(GB−S,JIS A 6913)を使用することができ、石膏ボード用の釘(JIS A 5508)で枠組体1に固定されている。第1の石膏ボード2は、結晶水を含有しており、火災の熱がアルミニウムシート3を通して伝わってくると、この結晶水が水蒸気となり、温度の上昇・熱の伝達を阻害する。すなわち、第1の石膏ボード2は、アルミニウムシート3を通して伝わってきた熱から、枠組体1を保護する役割を果たすものである。なお、「所定厚さ」については後記する。
【0015】
ここで、石膏ボード1枚の面積が枠組体1の面積よりも小さい場合には、複数枚の石膏ボードを同一平面上で突き合わせるようにして、合板1dの外側面をすべて覆うように敷きつめて、第1の石膏ボード2を形成してもよい。
【0016】
(3)アルミニウムシート3
アルミニウムシート3は、所定厚さのシート状部材であり、第1の石膏ボード2と第2の石膏ボード4との間に配置されており、第1の石膏ボード2の室内側の面に接着剤などによって張り付けられている。このアルミニウムシート3は、輻射断熱機能を有しており、火災の熱を輻射して、第1の石膏ボード2に伝わる熱を減少させる役割を果たす。これにより、耐火木造壁10内部の温度上昇を抑制することができるので、枠組材を木製とすることが可能となる。また、第1の石膏ボードを薄肉化することもできる。
なお、アルミニウムシート3は、第1の石膏ボード2の室内側の面に隙間なく張り付けるようにするのが望ましい。また、アルミニウムシート3の材料としては、JIS規格(JIS H 4160)に適合するものを使用するのが望ましい。
【0017】
(4)第2の石膏ボード4
第2の石膏ボード4は、所定厚さを有する板状部材であり、アルミニウムシート3の室内側の面に配置されている。材料としては、第1の石膏ボード2と同じく、例えば強化石膏ボード(GB−S,JIS A 6913)を使用することができ、石膏ボード用の釘(JIS A 5508)によって枠組体1に固定されている。さらに、第2の石膏ボード4は、ステープル及び釘などによって第1の石膏ボード2に打ち付けられており、これにより第1の石膏ボード2と、アルミニウムシート3と、第2の石膏ボード4の密着性が高められている。このように、第2の石膏ボード4が、アルミニウムシート3の室内側の面に配置されることにより、アルミニウムシート3は直接火炎に曝されることがなくなり、輻射断熱機能を十分発揮することができる。すなわち、第2の石膏ボード4は、結晶水を水蒸気に変化させてアルミニウムシート3への熱の伝達を遅延させるのみならず、アルミニウムシート3を火炎から保護して輻射断熱機能を十分に発揮させる役割を果たす。
【0018】
ここで、第1の石膏ボード2と同じように、複数の石膏ボードを敷きつめて第2の石膏ボード4を形成する場合において、石膏ボード同士を突き合わせる位置、すなわち目地の位置は、第1の石膏ボード2の目地の位置と重ならないようにするのが望ましい。
また、第2の石膏ボード4の目地部は、目地処理材にて平滑に仕上げるのが望ましい。具体的には、石膏系又は炭酸カルシウム系のパテ(JIS A 6914,塗布量200g/m以上)を塗布し、その表面にガラスファイバーテープを貼り付けるようにするのが望ましい。
【0019】
(5)「所定厚さ」について
このように構成した耐火木造壁10が、建築基準法上の耐火性能を満足するためには、各構成部材の厚さを次のようにすることが望ましい。すなわち、第1の石膏ボード2の厚さは15mm以上とし、アルミニウムシート3の厚さは0.05mm以上とし、第2の石膏ボード4の厚さは21mm以上とすることが望ましい。そしてさらに、アルミニウムシート3については、密度が2.7Mg/m3以上であることが望ましい。
【0020】
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0021】
例えば、本実施形態は、部屋と部屋とを仕切る間仕切壁を耐火構造とした場合を例示したが、建物の外部と部屋とを仕切る外壁を耐火構造とする場合には、枠組体1の室内側の面にのみこれら第1の石膏ボード2、アルミニウムシート3、及び第2の石膏ボード4を取り付けるようにし、枠組体1の建物の外側の面には外壁材等を取り付けるようにしてもよい。
【0022】
また、本実施形態では枠組体1の室内側の面に合板1dを取り付けたが、合板1dの代りに不燃材料を取り付けてもよい。さらにまた、合板1dの取り付けを省略してもよく、第1の石膏ボード2を枠組体1に直接取り付けた場合でも、建築基準法上の耐火性能を満足することができる。
【0023】
また、本実施形態では,石膏ボードとして強化石膏ボード(GB−S,JISA 6913)を使用したが、これと同等の性能を有する他の石膏ボードを使用してもよい。
【0024】
また、本実施形態では第1及び第2の石膏ボード2,4の固定に際して、石膏ボード用の釘(JIS A 5508)を使用したが、その他に、SNF釘(JIS A 5508)、十字穴つき木ねじ(JIS B 1112)、ドリリングタッピンねじ(JIS B 1125)等を使用してもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、建築基準法上の耐火性能を満足する木造壁を実現することができる。そして、かかる耐火木造壁を種々の建築物に適用することにより、木造で構築可能な建築物の規模や用途が大幅に拡大され、木造建築の普及を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例である耐火木造壁を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】従来の準耐火構造の木造壁を示す一部切り欠き斜視図である。
【符号の説明】
10 耐火木造壁
1 枠組体
1a 下枠
1b 竪枠
1c 上枠
1d 合板
1e 断熱材
2 第1の石膏ボード
3 アルミニウムシート
4 第2の石膏ボード
100 従来の木造壁の枠組体
101 下枠
102 竪枠
103 上枠
110 従来の木造壁の石膏ボード
111 第1の石膏ボード
112 第2の石膏ボード
Claims (1)
- 上枠と下枠と竪枠とを組み合わせて構成された木製の枠組体と、
この枠組体の室内側の面に張着された第1の石膏ボードと、
この第1の石膏ボードの室内側の面に張着されたアルミニウムシートと、
このアルミニウムシートの室内側の面に張着された第2の石膏ボードと、を有することを特徴とする耐火木造壁。
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JP2003055269A JP3673516B2 (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 耐火木造壁 |
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WO2007018196A1 (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-15 | Shelter Co., Ltd. | 木製建築部材 |
JP2007126849A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Ncn:Kk | 木造建築の耐火構造 |
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