JP2004262993A - ポリプロピレン共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリプロピレン共重合体であって、ブロック共重合段の触媒活性を落さず、重合槽のファウリングを防止し、フィッシュアイの少ない耐衝撃性、剛性に優れたポリプロピレン共重合体を安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】第1工程として、プロピレン単独あるいはプロピレンと他のオレフィンとの共重合を行い、全重量の50〜95%を製造し、ついで第2工程として、プロピレンと他のオレフィンを重合してポリプロピレン共重合体を連続的に全重量の5〜50重量%を製造する方法において、特定のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系化合物を遷移金属触媒量に対し、1〜1000重量%となる様に連続的に添加し、この添加重合反応混合物を引き続き1槽以上の重合器を用いプロピレンと他のオレフィンを重合することを特徴とするポリプロピレン共重合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はポリプロピレン共重合体の製造方法に関し、詳しくは、触媒活性を落さず、重合槽のファウリングを防止し、フィッシュアイの少ない、耐衝撃性および剛性に優れたポリプロピレン共重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
立体規則性触媒を用いてプロピレンを重合して得られる高結晶性ポリプロピレンは熱可塑性樹脂として剛性、耐熱性に優れた材料として広い用途で用いられている。一方、ポリプロピレンの欠点である耐衝撃性を改良したポリプロピレン共重合体は、プロピレンと他のオレフィン例えばエチレンの重合あるいは共重合を2段階以上に分けて行うブロック共重合法により製造されることが知られている。
【0003】
立体規則性触媒を用いて、前段においてプロピレンあるいはプロピレンと少量のエチレンとの混合物の重合を連続的に行い、後段以降においてプロピレンとエチレンの共重合を連続的に行って、非晶性であるプロピレン/エチレン共重合体を製造して耐衝撃性と剛性のバランスの優れたプロピレン/エチレンブロック共重合体を連続的に製造する方法が知られている。
【0004】
このブロック共重合体を多段の連続重合にて製造する場合においては、各段の重合器における触媒の滞留時間に分布が生じ、ひいては各触媒あたりの重合量に分布が発生する。その結果、このような不均一性が原因となって、耐衝撃性、剛性、加工性等の品質バランスの悪いものやフィルム、シートを成形したときに多数のフィシュアイを生じ、外観の悪い商品価値の低い製品しか得られないという問題が生じる。特に、ブロック共重合段にて、高分子量物を生成させる場合には、著しいフィッシュアイが発生し、外観が悪くなる。
【0005】
この対策として、ブロック共重合反応を行う後段以降に電子供与性化合物等の重合活性を抑制する化合物を添加して制御することが行われている。
しかし、電子供与性化合物等の重合活性を抑制する化合物を添加して制御する場合、ブロック共重合段の触媒活性が著しく低下し、ブロック共重合段の重合量が少なくなる。このため、ブロック共重合段の重合量を増加させることができない。
【0006】
ブロック共重合段において、非晶性であるプロピレン/オレフィン共重合体を製造する場合においては、その該パウダーの粘着性により、重合槽内の長期滞留物による多数のフィッシュアイ発生、また、重合槽内にファウリングが発生し、ひいては、製造停止に至ってしまう場合もある。
【0007】
また、特許第3355864号にて提案されている方法では、フィッシュアイを低減する化合物を用いると、ブロック共重合段の触媒活性を著しく低下させる。ブロック共重合段の触媒活性を維持したままフィッシュアイを低減させる化合物は、該特許には見当たらない。また、上述の特許中の化合物は、フィッシュアイ低減効果のみであり、フィッシュアイ低減効果と重合槽のファウリング防止効果の両機能を併せ持つ化合物は上述の特許中には記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題を解決して耐衝撃性、剛性、加工性等の品質バランスが良好で、フィルムやシートを成形したときにフィシュアイを生じない商品価値の高いポリプロピレン共重合体を生産性良く製造する方法について、鋭意検討し本発明を完成した。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、ポリプロピレン共重合体の製造法であって、ブロック共重合段の触媒活性を落さず、重合槽のファウリングを防止し、且つフィッシュアイの少ない耐衝撃性、剛性に優れたポリプロピレン共重合体を安定して製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1工程として、プロピレン単独あるいはプロピレンと他のオレフィンとの共重合を行い、全重量の50〜95%を製造し、ついで第2工程として、プロピレンと他のオレフィンを重合してポリプロピレン共重合体を全重量の5〜50重量%を連続的に製造する方法において、一般式(I)
【0010】
【化2】
Figure 2004262993
で示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系化合物(z)を遷移金属化合物量に対し、1〜1000重量%となる様に連続的に添加し、この添加重合反応混合物を引き続き、第二工程において1槽以上の重合器を用いプロピレンと他のオレフィンを重合することを特徴とするポリプロピレン共重合体の製造方法である。また、第1工程が多段重合であり、その最終段にて上記一般式(I)で表わされる化合物(z)を連続的に添加し、次いで第2工程として、プロピレンと他のオレフィンを重合するのが好ましい形態である。
以下、重合触媒種、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系化合物(z)、および具体的な重合方法について順次説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリプロピレン樹脂は担持型チタン系触媒、例えばマグネシウム担持型チタン系触媒の存在下に前記モノマーを重合した重合体、または、メタロセン触媒の存在下に前記モノマーを重合した重合体である。
【0012】
マグネシウム担持型チタン系触媒としては、たとえば
(a)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有する固体状チタン触媒成分と、
(b)有機金属化合物と、
(c)電子供与体と
を含む触媒などがあげられる。上記の固体状チタン触媒成分(a)はマグネシウム化合物、チタン化合物および電子供与体を接触させることにより調製することができる。
【0013】
固体状チタン触媒成分(a)の調製に用いられるマグネシウム化合物としては、還元能を有するマグネシウム化合物および還元能を有さないマグネシウム化合物を挙げることができる。
還元能を有するマグネシウム化合物としては、マグネシウム−炭素結合またはマグネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙げることができる。具体的にはジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドなどを挙げることができる。
【0014】
還元能を有さないマグネシウム化合物としては、たとえば塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩等を挙げることができる。
【0015】
これら還元能を有さないマグネシウム化合物は、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導した化合物、または触媒成分の調製時に誘導した化合物であってもよい。還元能を有さないマグネシウム化合物を、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導するには、たとえば還元能を有するマグネシウム化合物を、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、エステル、アルコール、ハロゲン含有化合物、ケトンなどの活性な炭素−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
【0016】
本発明では、上述した以外にも多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得られる固体状チタン触媒成分(a)中において、ハロゲン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる場合には、触媒成分を調製する過程でハロゲン含有化合物と接触反応させることが好ましい。
【0017】
マグネシウム化合物としては還元能を有さないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムが特に好ましい。
【0018】
本発明のポリプロピレン樹脂は担持型チタン系触媒、すなわち前記のマグネシウム化合物以外を担体として用いて調製した固体状チタン触媒成分(a’)を用いることもできる。マグネシウム化合物以外の化合物としては、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体を例示することができる。このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
【0019】
多孔質酸化物として、具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiOおよび/またはAlを主成分とするものが好ましい。
【0020】
なお、上記無機酸化物は、少量のNaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaSO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO、Al(NO、NaO、KO、LiOなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
【0021】
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m/g、好ましくは100〜700m/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
【0022】
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
【0023】
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO4)・HO、α−Zr(HPO、α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(HPO、α−Ti(HAsO・H2O、α−Sn(HPO・HO、γ−Zr(HPO、γ−Ti(HPO、γ−Ti(NHPO・HOなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
【0024】
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×10Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
【0025】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0026】
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl、ZrClなどの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al13(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCHなどの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiOなどのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
【0027】
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
【0028】
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
【0029】
固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)の調製の際には、チタン化合物としてたとえば次式(II)で示される4価のチタン化合物を用いることが好ましい。
Ti(OR)4−g …(II)
(式(II)中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、0≦g≦4である。)
【0030】
具体的にはTiCl、TiBr、TiIなどのテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH)Cl、Ti(OC)Cl、Ti(O−n−C)Cl、Ti(OC)Br、Ti(O−iso−C)Brなどのトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O−CCl、Ti(OCBrなどのジハロゲン化ジアルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O−n−CCl、Ti(OCBrなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタン;Ti(OCH、Ti(OC、Ti(O−n−C、Ti(O−is
o−C、Ti(O−2−エチルヘキシル)などのテトラアルコキシチタン等が挙げられる。
【0031】
これらの中ではハロゲン含有チタン化合物が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。チタン化合物は、炭化水素化合物またはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈して用いることもできる。
【0032】
固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)の調製の際に用いられる電子供与体としては、たとえばアルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、有機酸または無機酸のエステル、有機酸ハライド、エーテル、酸アミド、酸無水物、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート、含窒素環状化合物、含酸素環状化合物などが挙げられる。
【0033】
より具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコール類;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素数6〜20のフェノール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アセチルアセトン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケトン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、マレイン酸n−ブチル、メチルマロン酸ジイソブチル、シクロヘキセンカルボン酸ジn−ヘキシル、ナジック酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素数2〜30の有機酸エステル;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライド類;メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、アニソール、ジフェニルエチルエポキシ−p−メンタンなどの炭素数2〜20のエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドなどの酸アミド類;無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミンなどのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類;ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールなどのピロール類、ピロリン、ピロリジン、インドール、ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、トリメチルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリジン、塩化ピリジンなどのピリジン類、ピペリジン類、キノリン類、イソキノリン類などの含窒素環状化合物;テトラヒドロフラン、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ピノールフラン、メチルフラン、ジメチルフラン、ジフェニルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジヒドロピランなどの環状含酸素化合物等が挙げることができる。
【0034】
また上記の有機酸エステルとしては、多価カルボン酸エステルを特に好ましい例として挙げることができる。このような多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、α−メチルグルタル酸ジイソブチル、メチルマロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロン酸ジエチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジブチル、フチルマレイン酸ジエチル、β−メチルグルタル酸ジイソプロピル、エチルコハク酸ジアルリル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジオクチルなどの脂肪族ポリカルボン酸エステル;1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンカルボン酸ジイソブチル、テトラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック酸ジエチルなどの脂環族ポリカルボン酸エステル;フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸モノイソブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジn−プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボン酸エステル等が挙げられる。
本発明では、上記の中ではカルボン酸エステルを用いることが好ましく、特に多価カルボン酸エステル、とりわけフタル酸エステル類を用いることが好ましい。
【0035】
固体状チタン触媒成分(a)は担体に担持させた担体担持型のものを用いることもできる。
このような担体としては、Al、SiO、B、MgO、CaO、TiO、ZnO、SnO、BaO、ThO、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂等が挙げられる。これらの中ではAl、SiO が好ましく用いられる。
【0036】
固体状チタン触媒成分(a)は、公知の方法を含むあらゆる方法を採用して調製することができる。
固体状チタン触媒成分(a)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含有しており、マグネシウムにチタンが担持された触媒成分である。
【0037】
固体状チタン触媒成分(a)において、ハロゲン/チタン(原子比)は約2〜200、好ましくは約4〜100であり、前記電子供与体/チタン(モル比)は約0.01〜200、好ましくは約0.01〜100であり、マグネシウム/チタン(原子比)は約1〜100、好ましくは約2〜50であることが望ましい。
【0038】
本発明では、触媒として上記のような固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)とともに有機金属化合物(b)が用いられる。この有機金属化合物としては、周期律表第I族〜第III族から選ばれる金属、特にアルミニウムを含む有機アルミニウム化合物が好ましい。
前記の有機アルミニウム化合物としては、たとえば式(III)
AlX3−m …(III)
(式(III)中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、mは好ましくは0<m<3である。)
で示される化合物が好ましい。
【0039】
このような有機アルミニウム化合物としては、より具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム等があげられる。
これらの中では特にトリアルキルアルミニウムが好ましく用いられる。
【0040】
本発明では、触媒として上記のような(a)又は(a’)固体状チタン触媒成分、(b)有機金属化合物とともに、電子供与体(c)として好ましくは有機ケイ素化合物(c−1)または複数の原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下、ポリエーテル化合物という場合もある)(c−2)が用いられる。
【0041】
本発明で用いられる有機ケイ素化合物(c−1)は、下記式(IV)で示される。
Si(OR4−n …(IV)
(式(IV)中、nは1、2または3であり、nが1のときRは2級または3級の炭化水素基であり、nが2または3のときRの少なくとも1つは2級または3級の炭化水素基であり、Rは同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−nが2または3であるときRは同一であっても異なっていてもよい。)
【0042】
上記式(IV)で示される有機ケイ素化合物(c−1)は、nが1である場合には、シクロペンチルトリメトキシシラン、2−メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、2,3−ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、iso−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2−ノルボルナントリメトキシシラン、2−ノルボルナントリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類を挙げることができる。
【0043】
上記(IV)においてnが2である場合には、ジシクロペンチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、t−アミルメチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、2−ノルボルナンメチルジメトキシシランなどのジアルコキシシラン類が挙げられる。
【0044】
上記(IV)においてnが3である場合には、トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシランなどのモノアルコキシシラン類などが挙げられる。
【0045】
これらの中ではジメトキシシラン類が好ましく、具体的に、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ(2−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ−t−アミルジメトキシシランなどが好ましい。
【0046】
前記ポリエーテル化合物(c−2)では、エーテル結合間に存在する原子は炭素、ケイ素、酸素、硫黄、リンおよびホウ素からなる群から選ばれる1種以上であり、原子数は2以上である。これらのうちエーテル結合間の原子に比較的嵩高い置換基、具体的には炭素数2以上、好ましくは3以上で直鎖状、分岐状、環状構造を有する置換基、より好ましくは分岐状または環状構造を有する置換基が結合しているものが望ましい。また2個以上のエーテル結合間に存在する原子に複数の、好ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜10、特に好ましくは3〜7の炭素原子が含まれた化合物が好ましい。
【0047】
このようなポリエーテル化合物(c−2)のうち好ましい化合物は1,3−ジエーテル類で、特に2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシクロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロパンが好ましく用いられる。
【0048】
本発明では、上記のような固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)、有機金属化合物(b)および電子供与体(c)からなる触媒を用いてポリプロピレン樹脂を製造するに際して、予め予備重合を行うこともできる。
予備重合は固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)、有機金属化合物(b)、および必要に応じて電子供与体(c)の存在下にオレフィンを重合させる。
【0049】
上記予備重合オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどの直鎖状のオレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、アリルナフタレン、アリルノルボルナン、スチレン、ジメチルスチレン類、ビニルナフタレン類、アリルトルエン類、アリルベンゼン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘプタン、アリルトリアルキルシラン類などの分岐構造を有するオレフィンなどを用いることができ、これらを共重合させてもよい。これらの中ではエチレン、プロピレンが特に好ましく用いられる。
【0050】
予備重合は、固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)1g当り0.1〜1000g程度、好ましくは0.3〜500g程度の重合体が生成するように行うことが望ましい。予備重合量が多すぎると、本重合における(共)重合体の生成効率が低下することがあり、得られる(共)重合体からシートまたはフィルムなどを成形した場合にフィッシュアイが発生し易くなる場合がある。
【0051】
固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)は、重合容積1 リットル当りチタン原子換算で、通常約0.01〜200ミリモル、好ましくは約0.05〜100ミリモルの濃度で用いられることが望ましい。
【0052】
有機金属化合物(b)は、固体状チタン触媒成分(a)又は(a’)中のチタン原子1モル当り通常約0.05〜300モル、好ましくは約0.1〜100 モルの量で用いることが望ましい。
【0053】
また電子供与体(c)は、予備重合時には用いても用いなくてもよいが、本重合時には使用することが好ましく、その際の使用量は固体状チタン触媒成分(a)または(a’)中のチタン原子1モル当り0.001〜300モル、好ましくは0.01〜200モルの量である。
【0054】
予備重合は、不活性炭化水素媒体に予備重合オレフィンおよび上記触媒成分を加え、温和な条件下で行うことが好ましい。
不活性炭化水素媒体としては、たとえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;これらの混合物などを用いることができる。特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
【0055】
上記のような触媒を用いてプロピレンを多段重合させる際には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、いずれかの段でまたは全段でプロピレンと上述したような他のモノマーを共重合させてもよい。
【0056】
本発明のポリプロピレン樹脂はオレフィン重合用触媒成分、例えばメタロセン触媒成分の存在下に前記モノマーを重合した重合体でもよい。例えば、
(A)遷移金属化合物
(B)(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、さらに必要に応じて、
(C)粒子状担体
から構成されることが好ましい。
以下、各成分について具体的に説明する。
【0057】
(A)遷移金属化合物
本発明で用いられる(A)遷移金属化合物として、具体的には下記一般式のような遷移金属化合物が用いられる。
(A)一般式:ZR“Z‘MQ
一般式中、(a)ZとZ‘は、同じでも異なっていても良く、シクロペンタジエニル環を含むπ−結合性配位子を表し、(b)R“は、架橋部を表し、(c)Mは、第4族遷移金属化合物を表し、(d)Qは、直鎖または分枝鎖アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基またはハロゲン原子を表し、(e)kは、1から3の整数であり、(f)mは、0から3の整数である。
ここで、ZとZ‘は整数mの違いによって、構造が次のように分類される。
【0058】
【化3】
Figure 2004262993
ここで、Rは直鎖または分枝鎖アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキルアリール基、アリールアルキル基などを表す。また、隣接したRは互いに結合して環を形成してもよい。
【0059】
次にシクロペンタジエニル環について具体例を示すと、 Cp, MeCp, EtCp, i−PrCp, n−BuCp, t−BuCp, 1,3−MeCp, 1−t−Bu−3−MeCp, 1,3,4−MeCp, MeCp, Ind, 2−MeInd, 2−EtInd, 3−MeInd, 3−t−BuInd, 2−i−PrInd, 2,4−MeInd, 2,4,7−MeInd, 2−Me−4−i−PrInd, 2−Me−4−PhInd, 2−Me−4−(1−Naph)Ind, 2−Me−Benz[e]Ind, Flu, 2,7−Me2Flu, 2,7−t−BuFlu, 3,6−t−BuFluここで、略号は以下の(置換)シクロペンタジエニル基を意味する。
【0060】
【化4】
Figure 2004262993
【0061】
特にQ=Cl、k=2の場合について、以下に具体例を示す。
CpZrCl, (MeCp)ZrCl, (EtCp)ZrCl, (n−BuCp)ZrCl, (MeCp)ZrCl, MeSi(Ind)ZrCl, MeSi(2−MeInd)ZrCl, Et(2,4,7−MeInd)ZrCl, Et(2,4,5,6,7−MeInd)ZrCl, MeSi(2−Me−4−PhInd)ZrCl, MeSi(2−Me−4−PhInd)(2−i−PrInd)ZrCl, MeSi(2−Me−(1−Naph)Ind)ZrCl, MeC(Cp)ZrCl, MeC(Cp)(Ind)ZrCl, MeC(Cp)(2−MeInd)ZrCl, MeC(Cp)(3−MeInd)ZrCl, MeC(Cp)(3−t−BuInd)ZrCl, MeC(Cp)(Flu)ZrCl, MeC(Cp)(2,7−MeFlu)ZrCl, MeC(Cp)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, MeC(3−MeCp)ZrCl, MeC(3−MeCp)(Ind)ZrCl, MeC(3−MeCp)(2−MeInd)ZrCl, Me2C(3−MeCp)(3−MeInd)ZrCl, MeC(3−MeCp)(3−t−BuInd)ZrCl, MeC(3−MeCp)(Flu)ZrCl, MeC(3−MeCp)(2,7−MeFlu)ZrCl, MeC(3−MeCp)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, MeC(3−t−BuCp)ZrCl, MeC(3−t−BuCp)(Ind)ZrCl, MeC(3−t−BuCp)(2−MeInd)ZrCl, MeC(3−t−BuCp)(3−MeInd)ZrCl, MeC(3−t−BuCp)(3−t−BuInd)ZrCl, MeC(3−t−BuCp)(Flu)ZrCl, MeC(3−t−BuCp)(2,7−MeFlu)ZrCl,MeC(3−t−BuCp)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, MeC(3−t−Bu−5−MeCp)(Flu)ZrCl, MeC(3−t−Bu−5−MeCp)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, MeC(3−t−Bu−5−MeCp)(3,6−t−BuFlu)ZrCl,PhC(Cp)ZrCl, PhC(Cp)(Ind)ZrCl, PhC(Cp)(2−MeInd)ZrCl, PhC(Cp)(3−MeInd)ZrCl, PhC(Cp)(3−t−BuInd)ZrCl, PhC(Cp)(Flu)ZrCl, PhC(Cp)(2,7−MeFlu)ZrCl, PhC(Cp)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, PhC(3−MeCp)ZrCl, PhC(3−MeCp)(Ind)ZrCl, PhC(3−MeCp)(2−MeInd)ZrCl, PhC(3−MeCp)(3−MeInd)ZrCl, PhC(3−MeCp)(3−t−BuInd)ZrCl, PhC(3−MeCp)(Flu)ZrCl, PhC(3−MeCp)(2,7−MeFlu)ZrCl, PhC(3−MeCp)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)(Ind)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)(2−MeInd)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)(3−MeInd)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)(3−t−BuInd)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)(Flu)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)(2,7−MeFlu)ZrCl, PhC(3−t−BuCp)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, MeC(Ind)(Flu)ZrCl, MeC(3−MeInd)(Flu)ZrCl, MeC(3−t−BuInd)(Flu)ZrCl, MeC(3−t−BuInd)ZrCl, MeC(3−t−BuInd)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, MeSi(Ind)(Flu)ZrCl, MeSi(3−MeInd)(Flu)ZrCl, MeSi(3−t−BuInd)(Flu)ZrCl, MeSi(3−t−BuInd)ZrCl, MeSi(3−t−BuInd)(2,7−t−BuFlu)ZrCl, PhC(Ind)(Flu)ZrCl, PhC(3−MeInd)(Flu)ZrCl, PhC(3−t−BuInd)(Flu)ZrCl, PhC(3−t−BuInd)ZrCl, PhC(3−t−BuInd)(2,7−t−BuFlu)ZrCl
【0062】
B−1 )有機金属化合物
本発明で用いられる(B−1)有機金属化合物として、具体的には下記のような第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
(B−1a)一般式:R Al(OR
(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である)で表される有機アルミニウム化合物。このような化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどを例示することができる。
【0063】
(B−1b)一般式:MAlR
(式中、MはLi、NaまたはKを示し、Rは炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。このような化合物としては、LiAl(C、LiAl(C15などを例示することができる。
【0064】
(B−1c)一般式:R
(式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、MはMg、ZnまたはCdである)で表される第2族または第12族金属のジアルキル化合物。上記の有機金属化合物(B−1)のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。また、このような有機金属化合物(B−1)は、1種単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0065】
B−2 )有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で用いられる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0066】
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0067】
なお、上記アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また、回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同一の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
【0068】
また、本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。これらの有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
【0069】
B−3 )遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
本発明で用いられる(B−3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。このようなイオン化イオン性化合物(B−3)は、1種単独または2種以上組み合せて用いられる。本発明の遷移金属化合物をオレフィン重合用触媒として使用する場合、助触媒成分としてのメチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)を併用すると、オレフィン化合物に対して特に高い重合活性を示す。
【0070】
また、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−2)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて担体(C)を用いることもできる。
【0071】
(C)担体
本発明で用いられる(C)担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
【0072】
多孔質酸化物として、具体的にはSiO、Al、MgO、ZrO、ZrO、B、CaO、ZnO、BaO、ThOなど、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−ZrO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−ZrO−MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiOおよび/またはAlを主成分とするものが好ましい。このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が5〜300μm、より好ましくは10〜200μmであって、比表面積が50〜1000m/g、より好ましくは100〜700m/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
【0073】
無機塩化物としては、MgCl、MgBr、MnCl、MnBr等が用いられる。無機塩化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
【0074】
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO、α−Zr(KPO・3HO、α−Zr(HPO、α−Zr(HAsO・HO、α−Sn(HPO・HO、γ−Zr(HPO、γ−Zr(HPO、γ−Zr(NHPO・HOなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。
【0075】
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、ZrCl、ZrClなどの陽イオン性無機化合物、Zr(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al13(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCHなどの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独、または2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiOなどのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
【0076】
有機化合物としては、粒径が5〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体、ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
【0077】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、本発明の遷移金属化合物(A)、(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、必要に応じて担体(C)と共に、必要に応じて後述するような特定の有機化合物成分(D)を含むこともできる。
【0078】
(D)有機化合物成分
本発明において、(D)有機化合物成分は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
【0079】
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)成分(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)成分(A)をおよび成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(A)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
【0080】
上記(2)〜(5)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。成分(B)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。また、上記の成分(C)に成分(A)が担持された固体触媒成分、成分(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
【0081】
本発明に係るオレフィン系重合体の製造方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン系重合体を得る。本発明では、重合は溶液重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等を挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0082】
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10−8〜10−2モル、好ましくは10−7〜10−3モルになるような量で用いられる。成分(B−1)は、成分(B−1)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が通常0.01〜5,000、好ましくは0.05〜2,000となるような量で用いられる。成分(B−2)は、成分(B−2)中のアルミニウム原子と成分(A)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が、通常10〜5,000、好ましくは20〜2,000となるような量で用いられる。成分(B−3)は、成分(B−3)と成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
【0083】
成分(D)は、成分(B)が成分(B−1)の場合には、モル比〔(D)/(B−1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B)が成分(B−2)の場合には、モル比〔(D)/(B−2)〕が通常0.01〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成分(B)が成分(B−3)の場合は、モル比(D)/(B−3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。
【0084】
また、このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる二段以上に分けて行うことも可能である。得られるオレフィン系重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する成分(B)の量により調節することもできる。水素を添加する場合、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
【0085】
本発明において、重合反応に供給されるオレフィンは、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーであり、モノマーの少なくとも1種がエチレンまたはプロピレンであることが好ましい。α−オレフィンとしては、炭素原子数が3〜20、好ましくは3〜10の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセなどが挙げられる。また、炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン;極性モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などのα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルなどを挙げることができる。また、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどの芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ο,p−ジメチルスチレン、ο−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、ο−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどを反応系に共存させて重合を進めることもできる。
【0086】
本発明において使用するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール化合物(z)のポリプロピレングリコール部の分子量は、100〜10000、好ましくは、200〜4000、更に好ましくは300〜2500である。過大な分子量は、液化プロピレンやヘプタンなどの溶媒に不溶なため好ましくない。
【0087】
本発明において使用するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール化合物(z)中のエチレンオキシドの割合は、5〜50重量%、好ましくは、8〜40重量%、更に好ましくは10〜25重量%である。過大なエチレンオキシドの割合は、触媒活性の低下を引き起こし好ましくない。
なお、本発明に係るポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール化合物(z)の分子末端にある二つの水酸基の一部ないし全部は、アルキル基で修飾されていてもよい。
【0088】
本発明において使用するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール化合物(z)の添加量は、添加する遷移金属化合物量に対し、1〜1000重量%、好ましくは、5〜100重量%、更に好ましくは10〜50重量%である。添加方法については、そのまま添加しても、適当な溶媒に希釈して添加しても良い。
【0089】
本発明でのプロピレン重合は、第一工程でプロピレン単独あるいはプロピレンと他のオレフィンとの共重合と第二工程でプロピレン共重合を行う。その場合、第一工程、第二工程ともに単段、多段のどちらでも良い。本発明において使用するポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール化合物(z)は、第一工程と第二工程の間に添加、、あるいは、第一工程が多段の場合、第一工程の最終段に添加しても良い。
【0090】
プロピレン重合方法については、不活性媒体を用いる溶媒重合法、プロピレン自身を液状溶媒とする塊状重合法、ガス重合法あるいはこれらを組み合わせて利用することが可能である。
【0091】
第一工程で行うプロピレン単独重合あるいはプロピレンと他のオレフィンとの共重合は、全重合体の50〜95wt%となるようにするのがブロック共重合体の物性バランスを良好に保つ上で好ましい。ここで他のオレフィンとの共重合を行う際に、他のオレフィンの量が6wt%を越えると剛性が大幅に低下し好ましくない。
【0092】
第二工程のプロピレン共重合は、プロピレンと他のオレフィン反応比として90/10〜10/90モル比、好ましくは80/20〜20/80モル比である。
【0093】
この様にして得られるブロック共重合体の分子量としては後述のメルトフローレートとして0.01〜200g/10min、通常0.1〜120g/10minであり、そのために第一工程のプロピレン単独重合あるいはプロピレンと他のオレフィンとの共重合を行った後のポリプロピレンの分子量としては、極限粘度数で0.3〜5.0dl/g程度、好ましくは0.5〜2.0dl/g程度であり、第二工程の共重合で得られる共重合体のそれは1.0〜20dl/g、好ましくは1.5〜15dl/g程度である。
【0094】
重合温度としては−100〜200℃、重合圧力としては常圧〜100kg/cmで行うのが一般的である。好ましくは0〜100℃、常圧〜50kg/cmである。
【0095】
また分子量を所望の大きさに保つために、通常水素を使用する公知の方法と同様にして分子量の調節を行うことができる。
【0096】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。実施例における物性の測定方法は次の通りである。
1)メルトフローレート(MFR)
ASTM D−1238の方法により230℃、荷重2.16kgで測定した。
【0097】
2)ノルマルデカン(nC10)可溶部量、[η]
サンプルをノルマルデカンに加熱溶解し、室温まで冷却させた後、析出物とノルマルデカンをろ別した。ろ液をアセトン中入れ、析出させた。析出物とアセトンをろ別し、析出物を乾燥した。
ノルマルデカン可溶部量(wt%)=析出物重量/サンプル重量×100
[η]は、135℃、デカリン中にて測定した。
【0098】
3)フィッシュアイ
Tダイ型フィルム成形機にて、厚さ30μmのフィルムを製膜し、フィッシュアイカウンターにて、フィッシュアイを測定した。
【0099】
4)高速面衝撃
成形片:t=2mm射出成形品(13cm×12cm×2mm)
撃芯:1/2inchφ、速度3.0mm/sec
受け台:3inchφ
測定温度:23℃
【0100】
5)ファウリング
実施例、比較例を行った後、重合槽内を目視し、相対比較を行った。
【0101】
実施例1
1)ポリプロピレン樹脂の製造
[固体状チタン触媒成分(a)の調製]
無水塩化マグネシウム952g、デカン4420mlおよび2−エチルヘキシルアルコール3906gを、130℃で2時間加熱して均一溶液とした。この溶液中に無水フタル酸213gを添加し、130℃にてさらに1時間攪拌混合を行って無水フタル酸を溶解させた。
【0102】
このようにして得られた均一溶液を23℃まで冷却した後、この均一溶液の750mlを、−20℃に保持された四塩化チタン2000ml中に1時間にわたって滴下した。滴下後、得られた混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでフタル酸ジイソブチル(DIBP)52.2gを添加し、これより2時間攪拌しながら同温度に保持した。次いで熱時濾過にて固体部を採取し、この固体部を2750mlの四塩化チタンに再懸濁させた後、再び110℃で2時間加熱した。
【0103】
加熱終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、110℃のデカンおよびヘキサンを用いて、洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなるまで洗浄した。
上記の様に調製された固体状チタン触媒成分(a)はヘキサンスラリーとして保存されるが、このうち一部を乾燥して触媒組成を調べた。固体状チタン触媒成分(a)は、チタンを2重量%、塩素を58重量%、マグネシウムを19重量%およびDIBPを21重量%の量で含有していた。
【0104】
[前重合触媒の調製]
遷移金属触媒成分80g、トリエチルアルミニウムmL、ヘプタン80Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温5℃に保ちプロピレンを800g挿入し、60分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた予備重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、遷移金属触媒成分濃度で1g/Lとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この予備重合触媒は遷移金属触媒成分1g当りポリプロピレンを10g含んでいた。
【0105】
[重合]
内容量58Lの環状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を300NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として0.35g/時間、トリエチルアルミニウム4.2mL/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.6mL/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。環状反応器の温度は70℃であり、圧力は3.6MPa/Gであった。
【0106】
得られたスラリーは内容量100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを15kg/時間、水素を200NL/時間で供給した。重合温度65℃、圧力3.4MPa/Gで重合を行った。
【0107】
得られたスラリーを内容量2.4Lの挟み込み管に移送し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール化合物を遷移金属固体成分に対して、20wt%添加した。当該スラリーをガス化させ、気固分離を行った後、480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン/(エチレン+プロピレン)=0.30(モル比)、水素/(エチレン+プロピレン)=0.0003(モル比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力0.87MPa/Gで重合を行った。
【0108】
[ペレット化]
得られたポリプロピレン樹脂100重量部に対して、酸化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.1重量部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.2重量部、ステアリン酸カルシウムを0.01重量部を配合し、単軸押出機を用いて、樹脂温度230℃で溶融混練してポリプロピレン樹脂のペレット化を行った。造粒機は(株)ジーエムエンジニアリング製GMZ50−32(L/D=32、単軸)を使用した。得られたペレットについて測定した物性を表1にまとめた。なお表1において、○印は、ファウリングが目視観察されなかったことを示し、×印は、ファウリングが目視観察されたことを示す。
【0109】
実施例2
重合を次の様に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0110】
[重合]
内容量58Lの環状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を300NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として0.35g/時間、トリエチルアルミニウム4.2mL/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.6mL/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。環状反応器の温度は70℃であり、圧力は3.6MPa/Gであった。
【0111】
得られたスラリーは内容量100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを15kg/時間、水素を200NL/時間で供給した。重合温度65℃、圧力3.4MPa/Gで重合を行った。
【0112】
得られたスラリーを内容量2.4Lの挟み込み管に移送し、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール化合物を遷移金属固体成分に対して、40wt%添加した。当該スラリーをガス化させ、気固分離を行った後、480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン/(エチレン+プロピレン)=0.30(モル比)、水素/(エチレン+プロピレン)=0.0003(モル比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力0.89MPa/Gで重合を行った。
【0113】
比較例1
重合を次の様に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0114】
[重合]
内容量58Lの環状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を300NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として0.35g/時間、トリエチルアルミニウム4.2mL/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.6mL/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。環状反応器の温度は70℃であり、圧力は3.6MPa/Gであった。
【0115】
得られたスラリーは内容量100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを15kg/時間、水素を200NL/時間で供給した。重合温度65℃、圧力3.4MPa/Gで重合を行った。
【0116】
得られたスラリーを内容量2.4Lの挟み込み管に移送した。当該スラリーをガス化させ、気固分離を行った後、480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン/(エチレン+プロピレン)=0.30(モル比)、水素/(エチレン+プロピレン)=0.0003(モル比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力0.89MPa/Gで重合を行った。
【0117】
比較例2
重合を次の様に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0118】
[重合]
内容量58Lの環状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を300NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として0.35g/時間、トリエチルアルミニウム4.2mL/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.6mL/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。環状反応器の温度は70℃であり、圧力は3.6MPa/Gであった。
【0119】
得られたスラリーは内容量100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを15kg/時間、水素を200NL/時間で供給した。重合温度65℃、圧力3.4MPa/Gで重合を行った。
【0120】
得られたスラリーを内容量2.4Lの挟み込み管に移送し、ポリエチレングリコールを遷移金属固体成分に対して、5wt%添加した。当該スラリーをガス化させ、気固分離を行った後、480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン/(エチレン+プロピレン)=0.30(モル比)、水素/(エチレン+プロピレン)=0.0003(モル比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力1.38MPa/Gで重合を行った。
【0121】
比較例3
重合を次の様に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0122】
[重合]
内容量58Lの環状重合器にプロピレンを30kg/時間、水素を300NL/時間、触媒スラリーを固体触媒成分として0.35g/時間、トリエチルアルミニウム4.2mL/時間、ジシクロペンチルジメトキシシラン1.6mL/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。環状反応器の温度は70℃であり、圧力は3.6MPa/Gであった。
【0123】
得られたスラリーは内容量100Lの攪拌器付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを15kg/時間、水素を200NL/時間で供給した。重合温度65℃、圧力3.4MPa/Gで重合を行った。
【0124】
得られたスラリーを内容量2.4Lの挟み込み管に移送し、ポリプロピレングリコールを遷移金属固体成分に対して、20wt%添加した。当該スラリーをガス化させ、気固分離を行った後、480Lの気相重合器にポリプロピレンホモポリマーパウダーを送り、エチレン/プロピレンブロック共重合を行った。気相重合器内のガス組成が、エチレン/(エチレン+プロピレン)=0.30(モル比)、水素/(エチレン+プロピレン)=0.0003(モル比)になるようにプロピレン、エチレン、水素を連続的に供給した。重合温度70℃、圧力0.91MPa/Gで重合を行った。
【0125】
【表1】
Figure 2004262993
【0126】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン共重合体の製造方法により、触媒活性を落さず、フィッシュアイの少ない耐衝撃性、剛性に優れた高品質のポリプロピレン共重合体を製造可能とした。また、重合槽のファウリングも改良され、工業化に適したポリプロピレン共重合体の製造方法である。

Claims (2)

  1. 第1工程として、プロピレン単独あるいはプロピレンと他のオレフィンとの共重合を行い、全重量の50〜95%を製造し、次いで第2工程として、プロピレンと他のオレフィンを重合してポリプロピレン共重合体を全重量の5〜50重量%を連続的に製造する方法において、下記一般式(I)
    Figure 2004262993
    で示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール系化合物(z)を、遷移金属化合物量に対し、1〜1000重量%となる様に連続的に添加し、この添加重合反応混合物を引き続き1槽以上の重合器を用いプロピレンと他のオレフィンを重合することを特徴とするポリプロピレン共重合体の製造方法。
  2. 第1工程が多段重合であり、その最終段にて上記一般式(I)で表わされる化合物(z)を連続的に添加し、次いで第2工程として、プロピレンと他のオレフィンを重合することを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン共重合体の製造方法。
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