JP2004262348A - 自動二輪車用タイヤ対構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前輪用タイヤ12及び後輪用タイヤに発生するプライステアフォースが互いに逆方向となるように両タイヤ12(14)が配置される。前輪用タイヤ12のブレーカー19aは、タイヤ周方向30に対して角度θだけ傾斜している。一方、後輪用タイヤのブレーカーは、タイヤ周方向に対して角度(−θ)だけ傾斜している。ブレーカー19aは、ブレーカーコード26とトッピングゴム29とを備え、ブレーカーコード26の方向が、上記タイヤ周方向30に対して角度θだけ傾斜している。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術の分野】
この発明は、自動二輪車用タイヤ対、具体的には、自動二輪車に装着される前輪用タイヤと後輪用タイヤの装着組合構造(対構造)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車用タイヤは、通常前輪用タイヤと後輪用タイヤとが一組のタイヤ対として設計される。これは、前後輪が装着された状態での当該自動二輪車の走行安定性等が図られるためである(例えば、特許文献1参照)。
一般に自動二輪車用タイヤは、タイヤの骨格を形成するカーカス部と、カーカス部を補強する補強部材(プライ)とを備え、この補強部材の外側にトレッド部が形成される。
【0003】
車体に装着されたタイヤが転動すると(すなわち走行時)、タイヤに加わる荷重によりプライが変形する。これに起因して、当該タイヤにプライステアフォースと称される力(あたかもタイヤにスリップ角がつけられた状態と同様の力)が発生する。この特性は、タイヤのプライステア特性と称される。
従来の前輪用タイヤと後輪用タイヤとにより構成されるタイヤ対構造では、前輪用タイヤのプライステアフォースと後輪用タイヤのプライステアフォースとは、同一方向となるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−278891号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
プライステアフォースが同一方向となるように前輪用タイヤ及び後輪用タイヤが車体に装着された場合は、当該自動二輪車が定常直進走行を行っているときには何ら問題は生じない。
しかし、例えば、急な加速又は減速が行われると(特に、高速走行時における急制動時)、前輪及び後輪の荷重が変動し、前輪用タイヤと後輪用タイヤに発生するプライステアフォースの大きさが異なることになる。そのため、前輪用タイヤ及び後輪用タイヤについての横力の変化がそれぞれ左右逆方向に発生し、したがって、車体に加わるヨー方向のモーメントが増加し、走行安定性が損なわれるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、急加速又は急減速が行われた場合であっても、走行安定性が維持される自動二輪車用タイヤ対を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的が達成されるため、本願に係る自動二輪車用タイヤ対構造は、前輪用タイヤに発生するプライステアフォースと後輪用タイヤに発生するプライステアフォースとが互いに逆方向となるように、前輪用タイヤと後輪用タイヤとが配置されていることを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、前輪用タイヤに発生するプライフォースと後輪用タイヤに発生するプライフォースとは、それらの方向が互いに逆方向である。したがって、前輪用タイヤに加わる荷重と後輪用タイヤに加わる荷重が異なる場合(例えば、当該タイヤ対構造が自動二輪車に採用され、高速走行状態から急制動が行われた場合等)には、両タイヤについて発生するプライステアフォースの大きさがそれぞれ異なるが、両者の横力変化が左右同方向に発生するために、当該自動二輪車用タイヤ対構造に加わるヨーモーメントの急激な変化が起こらない。
【0009】
(2) また、上記目的が達成されるため、本願に係る自動二輪車用タイヤ対構造は、カーカス部、トレッド部及びこれらの間に配置され、カーカス部を補強する補強部材を備えた前輪用タイヤと、カーカス部、トレッド部及びこれらの間に配置され、カーカス部を補強する補強部材を備えた後輪用タイヤとにより構成される自動二輪車用タイヤ対構造であって、上記前輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか一方側に傾斜した方向に沿って配置され、上記後輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか他方側に傾斜した方向に沿って配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
この構成によれば、前輪用タイヤの補強部材がタイヤ周方向となす角度と、後輪用タイヤの補強部材がタイヤ周方向となす角度とは互いに逆方向である。このため、前輪用タイヤに発生するプライフォースと後輪用タイヤに発生するプライフォースとは、それらの方向が互いに逆方向である。
したがって、前輪用タイヤに加わる荷重と後輪用タイヤに加わる荷重が異なる場合(例えば、当該タイヤ対構造が自動二輪車に採用され、高速走行状態から急制動が行われた場合等)には、両タイヤについて発生するプライステアフォースの大きさがそれぞれ異なるが、両者の横力変化が左右同方向に発生するために、当該自動二輪車用タイヤ対構造に加わるヨーモーメントの急激な変化が起こらない。
【0011】
ここで、上記前輪用タイヤの補強部材及び上記後輪用タイヤの補強部材は、それぞれ複数のプライを備えており、上記前輪用タイヤのタイヤ径方向最外層を構成するプライがタイヤ周方向に対して左右いずれか一方側に傾斜した方向に沿って配置され、上記後輪用タイヤのタイヤ径方向最外層を構成するプライがタイヤ周方向に対して左右いずれか他方側に傾斜した方向に沿って配置されているのが好ましい。
この構成では、前輪用タイヤ及び後輪用タイヤのプライステア特性に最も大きな影響を与える最外層のプライについて、その角度が互いに逆方向となっている。したがって、当該自動二輪車用タイヤ対構造に加わるヨーモーメントがさらに小さくなる。
【0012】
また、一般に「補強部材」の概念には、コードが螺旋状に巻回されてなるブレーカー(プライ)も含まれるが、本発明においては、かかる構造を備えたプライは、「補強部材」の概念に含まれないものとする。したがって、複数のプライが備えられ、且つこれらのプライの外側に上記構造のプライが配置されている場合は、「最外層を構成するプライ」は、コードが螺旋状に巻回されてなるブレーカー(プライ)の直下に配置されたプライを意味する。
【0013】
(3) 上記前輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか一方側に角度(θ)だけ傾斜した方向に沿って配置され、上記後輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか他方側に角度(θ)だけ傾斜した方向に沿って配置されているのが好ましい。
この構成では、前輪用タイヤの補強部材の傾斜角度と、後輪用タイヤの補強部材の傾斜角度とは、対象に配置される。これにより、自動二輪車用タイヤ対構造がシンプルなものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ対構造が採用された自動二輪車の斜視図である。
この自動二輪車10は、前輪11に前輪用タイヤ12が装着され、後輪13に後輪用タイヤ14が装着されており、これら前輪用タイヤ12及び後輪用タイヤ14によって、自動二輪車用タイヤ対構造が構成されている。
【0016】
図2は、前輪用タイヤ12の断面図であり、前輪用タイヤ12の構造が模式的に示されている。
この図には、前輪用タイヤ12の中心を通り且つ前輪用タイヤ12の赤道面Eと直交する平面に沿った断面が示されている。同図において、上下方向が前輪用タイヤ12の径方向(タイヤ径方向)であり、左右方向が前輪用タイヤ12の軸方向である。また、紙面に垂直な方向が、前輪用タイヤ12の周方向(タイヤ周方向)である。
なお、各タイヤ12,14のサイズは特に限定されるものではないが、本実施形態では、前輪用タイヤ12については、120/70ZR17であり、後輪用タイヤ14については、190/50ZR17である。
【0017】
前輪用タイヤ12は、トレッドパターンを除き、赤道面Eを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。前輪用タイヤ12は、トレッド部15、サイドウォール部16、ビード部17、カーカス部18及びブレーカー19a、19bを備えている。すなわち、本実施形態では、前輪用タイヤ12は、2枚のブレーカー19a、19b(プライ)を備えており、これらは、カーカス部18を補強する補強部材19として機能する。
【0018】
なお、本実施形態では、補強部材19は、ブレーカー19a及びブレーカー19bの2枚を備えているが、補強部材19は、単一のプライにより構成されることも可能であるし、また、さらに多数のプライにより構成されていてもよいことは勿論である。
【0019】
ブレーカー19aは、同図が示すように、カーカス部18とトレッド部15との間に配置されたプライである。また、ブレーカー19bは、ブレーカー19aと同様に、カーカス部18とトレッド部15との間に配置されているが、特に、ブレーカー19aとカーカス部18との間に配置されている。
ブレーカー19a、19bは、既知の要領で構成されるが、例えば、アラミド繊維からなるブレーカーコードがトッピングゴムで被覆されることにより形成される。
これらブレーカー19a、19bは、タイヤ周方向に対して所定の角度だけ傾斜して配置されている。ブレーカー19a、19bの配置については、後に詳述される。
【0020】
トレッド部15は架橋ゴムからなり、そのトレッド面21は、径方向外向きに凸となるようにアーチ状に形成されている。
一般に自動二輪車が旋回されるときは、運転者が自動二輪車を旋回方向内側に傾斜させるが、このとき、タイヤは、路面とキャンバー角を成して接地する。そして、自動二輪車の旋回時に生じる遠心力に対抗するように、タイヤの接地面にキャンバースラストが発生し、この力によって当該自動二輪車は安定した旋回がなされる。
【0021】
このように、安定したキャンバースラストが発生するために、上記トレッド部15の外面、すなわちトレッド面21は、図2が示すように、大きくアーチを描くように形成されている。
トレッド面21は、路面と接地する。このため、トレッド面21には、溝部とランド部とからなるトレッドパターン(図示せず)が形成されている。
【0022】
サイドウォール部16は、トレッド部15に連続し、トレッド部15の両端から径方向内向きに延びている。このサイドウォール部16も、架橋ゴムからなる。サイドウォール部16は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。また、サイドウォール部16は、カーカス部18の外傷を防止する。
【0023】
ビード部17は、サイドウォール部16に連続して形成されている。ビード部17は、ビードコア22と、このビードコア22から径方向外向きに延びるビードエーペックス23とを備えている。
ビードコア21は環状に形成されており、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)からなる。ビードエーペックス23は、径方向外向きに先細りとなるテーパ状に形成されており、架橋ゴムからなる。
【0024】
カーカス部18は、カーカスプライを備えている。カーカスプライは、トレッド部15、サイドウォール部16及びビード部17の内周面に沿うように配置されている。カーカスプライの端部24,25は、ビードコア22に掛け回され、サイドウォール部16側へ延びている。
【0025】
図3は、前輪用タイヤ12の要部断面平面図であり、前輪用タイヤ12のブレーカー19a、19bの配置要領が図示されている。
前述のように、ブレーカー19a、19bは、ブレーカーコード26がトッピングゴム29で被覆されることにより形成されている。
【0026】
図2及び図3が示すように、ブレーカー19bを構成するプライは、カーカス部18の外側(径方向外方)に周方向に沿って配置されている。これにより、カーカス部18が径方向に締め付けられ、補強される。さらに、ブレーカー19aは、ブレーカー19bの外側に周方向に沿って配置され、ブレーカー19bと協働してカーカス部18を締め付けている。
【0027】
このとき、ブレーカー19bは、所定の方向に沿って配置されている。具体的には、ブレーカーコード26の方向が周方向30に対して角度(−θ)となるように、当該ブレーカー19bが配置されている。なお、この角度θは、10°(degree)〜85°の範囲で適宜設定され得る。
また、ブレーカー19aは、ブレーカーコード26の方向が周方向30に対して角度θとなるように配置されている。
【0028】
次に、後輪用タイヤ14の構造は、前輪用タイヤ12と同様であり、トレッド部、サイドウォール部、ビード部、カーカス部及びブレーカーを備えている。ただし、後輪用タイヤ14のサイズが前輪用タイヤ12の諸元と異なっているので、後輪用タイヤ14の各部の形状乃至寸法は、前輪用タイヤ12の各部の形状等と異なっている。
なお、後輪用タイヤ14の諸元は、前輪用タイヤ12と同様に設定される必要はなく、タイヤの骨格を構成するカーカス部と、トレッド部と、これらの間に配置され、カーカス部を補強する補強部材(ブレーカー等)とが備えられているものであれば、他の種々の諸元のものが採用され得る。
【0029】
図4は、後輪用タイヤ14の要部断面平面図であり、後輪用タイヤ14のブレーカー31a、31bの配置要領が図示されている。
後輪用タイヤ14は、前輪用タイヤ12と同様に、カーカス部32を備えており、このカーカス部32を補強する補強部材31が設けられている。補強部材31は、ブレーカー31a、31bを備えている。
ブレーカー31a、31bは、前輪用タイヤ12と同様に、ブレーカーコード26とトッピングゴム29とを備えている。
【0030】
後輪用タイヤ14のブレーカー31bは、ブレーカーコード26の方向が周方向30に対して角度θとなるように配置されている。この角度θは、前輪用タイヤ12と同様に、10°〜85°の範囲で適宜設定され得る。また、ブレーカー31aは、ブレーカーコード26の方向が周方向30に対して角度θとなるように配置されている。
つまり、前輪用タイヤ12のブレーカー19a(最外層のブレーカー)は、周方向30に対して右側(一方側)に角度θだけ傾斜しており、後輪用タイヤ14のブレーカー31a(最外層のブレーカー)は、ブレーカー19aと左右対称となるように、周方向30に対して左側(他方側)に角度θだけ傾斜している。
【0031】
このように、前輪用タイヤ12のブレーカー19aの方向と、後輪用タイヤ14のブレーカー31aの方向が逆方向となるように設定されることにより、当該自動二輪車用タイヤ対構造において、前輪用タイヤ12に発生するプライステアフォースの方向と、後輪用タイヤ14に発生するプライステアフォースの方向とは、互いに逆方向となる。
したがって、前輪用タイヤ12に加わる荷重と後輪用タイヤ14に加わる荷重が異なる場合には、両タイヤ12,14について発生するプライステアフォースの大きさがそれぞれ異なるが、両者の方向が逆方向であるために、当該自動二輪車用タイヤ対構造に加わるヨーモーメントが小さくなる。
【0032】
このことはすなわち、当該自動二輪車用タイヤ対構造が採用された自動二輪車10が急加速された場合や、高速走行状態から急制動された場合であっても、車体に加わるヨーモーメントが抑えられるので、横方向への不安定な動作が抑制され、走行安定性が向上する。
【0033】
本実施形態では、ブレーカー19、31を構成するプライのうち、最外層のブレーカー19a、31a同士が、その方向が逆になるように配置されている。これは、一般にタイヤのプライステア特性は、補強部材の配置に起因するものであり、補強部材を構成する最外層のブレーカーがプライステア特性に最も大きく影響するものだからである。
しかしながら、最外層のブレーカー19a、31a以外のブレーカー(すなわち、ブレーカー19b、31b)が、その方向が逆になるように配置されている場合であってもよい。その場合であっても、両タイヤ12,14について発生するプライステアフォースの大きさがそれぞれ異なり、両者の方向が逆方向であるために、当該自動二輪車用タイヤ対構造に加わる前後荷重移動時のヨーモーメントの変化が小さくなるという効果が奏される。
【0034】
【実施例】
次に、実施例によって本発明の効果について説明される。なお、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0035】
表1は、本発明の実施例に係る自動二輪車用タイヤ対構造の性能について、従来例(比較例)に対する比較試験が行われた結果が示されている。
各実施例及び比較例に係るタイヤのサイズは、前輪用タイヤについては、120/70ZR17であり、後輪用タイヤについては、190/50ZR17である。これらのタイヤが、テスト車両に装着される。
比較試験は、テスト車両が走行した場合の前後輪用タイヤ双方のプライステアフォースの大きさの測定のほか、当該車両の直進安定性、高速制動安定性及び操縦性について測定され、これらが指数で表されることにより実施された。
【0036】
ここで、高速制動安定性とは、高速直進走行状態から急制動された場合の直進性をいう。また、操縦性とは、全速度域における車両応答性の高さ及び操縦性の軽さをいう。
さらに、表1において、「KEV」とは、芳香族ポリアミド繊維からなるブレーカーコードを備えたプライであることを意味する。
加えて、本実施例では、後輪用タイヤは、コードが螺旋状に巻回されてなるブレーカーが設けられているが、前述のように、当該プライは「補強部材」の概念に含まれず、したがて、当該プライの方向は、ブレーカーの方向を規定するものではない。
【0037】
【表1】
表1が示すように、比較例では、前輪用タイヤのブレーカーの方向と後輪用タイヤのブレーカーの方向とが同方向であるので、両タイヤのプライステアファースが同方向に発生し、その結果、高速制動安定性が低いのに対し、実施例では、前輪用タイヤのブレーカーの方向と後輪用タイヤのブレーカーの方向とが逆方向であるので、両タイヤのプライステアファースが逆方向に(互いにうち消し合うように)発生し、その結果、高速制動安定性が高くなっている。
なお、両タイヤのプライステアファースが逆方向に発生する場合であっても、表1が示すように、直線安定性及び操縦性は、何ら悪影響は受けない。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、前輪用タイヤに発生するプライフォースと後輪用タイヤに発生するプライフォースとは、それらの方向が互いに逆方向であるため、両タイヤの荷重配分が異なる場合であっても、当該自動二輪車用タイヤ対構造に加わるヨーモーメントが小さくなる。したがって、当該自動二輪車用タイヤ対構造が採用された自動二輪車が急加速された場合や、高速走行状態から急制動された場合であっても、車体に加わるヨーモーメントが抑えられるので、横方向への不安定な動作が抑制され、走行安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ対構造が採用された自動二輪車の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ対構造に採用される前輪用タイヤの断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ対構造に採用される前輪用タイヤの要部断面平面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車用タイヤ対構造に採用される後輪用タイヤの要部断面平面図である。
【符号の説明】
10・・・自動二輪車
11・・・前輪
12・・・前輪用タイヤ
13・・・後輪
14・・・後輪用タイヤ
15・・・トレッド部
18・・・カーカス部
19・・・補強部材
19a・・・ブレーカー
19b・・・ブレーカー
26・・・ブレーカーコード
30・・・周方向
31・・・補強部材
31a・・・ブレーカー
31b・・・ブレーカー
32・・・カーカス
Claims (4)
- 前輪用タイヤに発生するプライステアフォースと後輪用タイヤに発生するプライステアフォースとが互いに逆方向となるように、前輪用タイヤと後輪用タイヤとが配置されている自動二輪車用タイヤ対構造。
- カーカス部、トレッド部及びこれらの間に配置され、カーカス部を補強する補強部材を備えた前輪用タイヤと、カーカス部、トレッド部及びこれらの間に配置され、カーカス部を補強する補強部材を備えた後輪用タイヤとにより構成される自動二輪車用タイヤ対構造であって、
上記前輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか一方側に傾斜した方向に沿って配置され、
上記後輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか他方側に傾斜した方向に沿って配置されている自動二輪車用タイヤ対構造。 - 上記前輪用タイヤの補強部材及び上記後輪用タイヤの補強部材は、それぞれ複数のプライを備えており、
上記前輪用タイヤのタイヤ径方向最外層を構成するプライがタイヤ周方向に対して左右いずれか一方側に傾斜した方向に沿って配置され、上記後輪用タイヤのタイヤ径方向最外層を構成するプライがタイヤ周方向に対して左右いずれか他方側に傾斜した方向に沿って配置されている請求項2に記載の自動二輪車用タイヤ対構造。 - 上記前輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか一方側に角度(θ)だけ傾斜した方向に沿って配置され、
上記後輪用タイヤの補強部材は、タイヤ周方向に対して左右いずれか他方側に角度(θ)だけ傾斜した方向に沿って配置されている請求項2又は3に記載の自動二輪車用タイヤ対構造。
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