JP2004262206A - 印刷用希釈液の定量補給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンプの構造が簡単でメンテナンスが容易であり、かつ薬液と原水との混合比率の精度が高く、小型化が可能で安価な印刷用希釈液の定量補給装置とする。
【解決手段】印刷過程でウェブに塗布する希釈液の収容タンクに原液とこれを希釈する原水とを定量供給する装置である。前記希釈液収容タンクへの原水管路を開閉する電磁弁38、並びに前記希釈液タンク内の液面を検出するセンサ40を設けるとともに、前記希釈液タンクへ原液を送り込む経路にチューブポンプ42を設ける。前記液面検出センサ40による補給信号に基づいて前記電磁弁38の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプ42の送液量を調整するタイマ手段54とを制御することにより設定希釈濃度にする制御装置52を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】印刷過程でウェブに塗布する希釈液の収容タンクに原液とこれを希釈する原水とを定量供給する装置である。前記希釈液収容タンクへの原水管路を開閉する電磁弁38、並びに前記希釈液タンク内の液面を検出するセンサ40を設けるとともに、前記希釈液タンクへ原液を送り込む経路にチューブポンプ42を設ける。前記液面検出センサ40による補給信号に基づいて前記電磁弁38の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプ42の送液量を調整するタイマ手段54とを制御することにより設定希釈濃度にする制御装置52を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷用希釈液の定量補給装置に係り、特に湿し水や帯電防止剤など、薬液成分と希釈原水とを一定の比率で混合して専用タンクに補給するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷設備では、印刷ウェブが静電気を帯びたり乾燥したりするために、帯電防止剤や湿し水が塗布する装置が設けられている。これらは薬液成分を原水により一定割合で希釈し、この希釈液を一旦アプリケータを介在して印刷ウェブに塗布するようにしている。アプリケータが噴霧手段によって構成される場合もあるが、一般的にはローラが用いられ、一定割合の濃度の希釈液を印刷ウェブに対してローラ転写する構成が採用される。いずれにしても、塗布すべき希釈液は薬液を原水で希釈したものであるから、予め一定濃度に設定された希釈液を一旦タンクに貯め、これをアプリケータに供給するとともに、タンク内の希釈液が減少した場合には所定量になるまで補給するように構成される。
【0003】
例えば、帯電防止剤の定量補給装置は、通常シリコンアプリケータとよばれる印刷物面に塗布する装置に、界面浄性剤、エステル系ワックスなどを含む薬剤成分(原液)と希釈液(原水)を専用タンクに補給するようにしている。また、湿し水の定量補給装置は、エッチ液とよばれるアルコール類、界面活性剤などを含む薬剤成分(原液)と希釈液(原水)を専用タンクに補給するものとしている。
【0004】
ところで、この種の補給装置に使用されている各々原液の供給に使用されている定量ポンプには、ベローズポンプ、マグネットポンプなど回転モータを使ったタイプが使用されている。従来の一般的な定量補給装置を図5に示す。専用タンク1には電磁弁2が介在された原水供給管3と薬液タンク4に通じる薬液供給管5が接続されている。薬液供給管5にはマグネットポンプ(又はベローズポンプ)6が設けられ、液面検出センサ7により補給信号が検出された場合に、制御装置8が電磁弁2の解放により原水の供給された水量に対し、所定の希釈率になるよう原液の供給量をマグネットポンプ(又はベローズポンプ)6の回転モータをタイマ制御し、回転量により計量して専用タンク1に補給するようにしている。アプリケータ9には専用タンク1から希釈液が循環供給される。この方法では、精度の高い原液の補給はできるが、制御装置と供給ポンプが大きくなり装置として大型になり、価格も高価となる。また、ポンプの構造が複雑で、故障の際のメンテナンスがやりにくい欠点がある。
【0005】
他の方法として特許文献1に開示されているように、希釈液(原水)の水圧を利用して原液を吸い上げ希釈液として専用タンク1に供給するタイプがある。これは図6に示すように、原水供給管3が専用タンク1に接続されているが、この原水供給管3には薬液タンク4からの汲み上げ管10が接続され、両管3、10の連結部にてインジェクタポンプ11を形成させている。これにより、液面検出センサ7により補給信号が検出された場合に、制御装置8が電磁弁2の開放により原水を専用タンク1に導入させるが、原水の水圧により原液が汲み上げられ、原水と帯電防止剤原液を一定の比率に混合して吐出し補給するものとなる。このような方法では、ポンプに送り込む原水の水圧が工場内の変化により正確な希釈設定が困難となる。同時に装置そのものが高価であり、ポンプが故障した際のメンテナンスが困難であるなどの欠点がある。
【0006】
また、このポンプの給水口に水道水の本管に接続される給水ロへ接続した場合、水道本管内の圧力が減圧した場合、逆流により、ポンプに接続されている薬液が混入してしまう事への防止として水道法で禁止されており、接続ができない。
【0007】
また、水道法では、貯水タンクヘの接続は、許可されているが、貯水タンクから供給される原水は、工場内の水の使用量に応じて水圧の変化が発生しやすく、ポンプヘ安定した水圧での水供給が難しい。その結果、安定した水圧による混合比率の希釈精度が保てなくなる問題がある。
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3022643号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、ポンプの構造が簡単でメンテナンスが容易であり、かつ薬液と原水との混合比率の精度が高く、小型化が可能で安価な印刷用希釈液の定量補給装置、チューブポンプを用いた帯電防止剤及び湿し水の定量補給装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る印刷用希釈液の定量補給装置は、印刷過程でウェブまたはシリンダに塗布する希釈液の収容タンクに原液とこれを希釈する原水とを定量供給する装置において、前記希釈液収容タンクへの原水管路を開閉する電磁弁、並びに前記希釈液タンク内の液面を検出するセンサを設けるとともに、前記希釈液タンクへ原液を送り込む経路にチューブポンプを設け、前記液面検出センサによる補給信号に基づいて前記電磁弁の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプの送液量を調整するタイマ手段とを制御することにより設定希釈濃度にする制御手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
前記原液は帯電防止剤またはエッチ液を含む湿し水原液とし、帯電防止剤・湿し水の定量補給に用いる装置とすることができる。
上記構成に係る印刷用希釈液の定量供給装置では、特にオフセット輪転印刷において原水と帯電防止剤及び湿し水原液を指定希釈率になるように送り込むことができ、構造が簡単でメンテナンスが容易であるとともに薬液の安定した吸込み及び供給を行うことができる安価なチューブポンプを使用した定量補給装置とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る印刷用希釈剤の定量補給装置は、通常シリコンアプリケーターとよばれる印刷面に帯電防止剤を塗布する装置とエッチ液とよばれる印刷シリンダー上の版のインキが付着しないエリアにローラを介して供給するダンプニング装置に使われる各々の希釈液を作成し一定量の補給を行い、各シリコンアプリケータ、ダンプニング装置へ供給することが目的である。
【0013】
それぞれの希釈液の使用目的は異なるが、夫々の原液の希釈液を作成し一定量の補給をする形態は同じである為、ここでは帯電防止剤を対象とし、その定量補給装置について図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0014】
図1は、定量補給装置20の一実施形態の配管系統図及びブロック図である。帯電防止剤希釈液21は、希釈液収容タンク22からポンプ24にて加圧され、供給管26を介してアプリケータ28により印刷ウェブ30の表面に塗布され、余分な希釈液21は戻管32から希釈液収容タンク22に循環される。帯電防止剤希釈液21は印刷ウェブ30の表面に塗布し消費され、希釈液収容タンク22の希釈液の水位34は徐々に低下する。
【0015】
本実施形態に係る定量補給装置20は、この消費された帯電防止剤希釈液21を補給するための補給装置である。当該装置20は、印刷過程でウェブ30に塗布する帯電防止剤希釈液21の収容タンク22に通じる原水供給配管36を開閉する電磁弁38を設けている。また、前記希釈液収容タンク22内の水位34を検出するセンサ40を設けている。
【0016】
特にこの実施形態では、前記希釈液収容タンク22へ原液を送り込む経路にチューブポンプ42を設けている。このチューブポンプ42は、図3に示しているように、ケーシング44内に円弧状に配設したチューブ46と、当該チューブ46の内側を転がってチューブ46を圧接状態にする複数(2個以上)のローラ48を有したロータ50を備えている。ロータ50に接続されたモータ(図示せず)が設定時間回転することで、ローラ48がチューブ46の内側に沿って円周移動し、完全に圧縮されたチューブ46内の液は強制的に押し出され吐出される構造になっている。したがって、チューブポンプ42は圧縮されたチューブ46の復元力で発生する真空により液が吸引され、正確な混合比率を維持できるので、原水による希釈率を精度良く設定できるものとなっている。チューブポンプ42に使用するチューブ46は、帯電防止剤、湿し水の成分に対し耐久性をもつタイプヘの交換が容易に可能である。
【0017】
また、実施形態に係る定量補給装置20は、前記液面検出センサ40の検出水位に基づいて、所定水位まで低下した場合には補給信号を出力する制御装置(制御手段)52を備えている。そして、制御手段52は、補給信号に基づいて前記電磁弁38の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプ42の送液量を調整するタイマ手段54とを制御することにより設定希釈濃度にするようにしている。
【0018】
したがって、制御装置52は、希釈液収容タンク22に設けられた液面検出センサ40の検出した水位信号を受入れ、原水供給配管36に設けられた電磁弁38を開閉制御すると同時に、液面検出センサ40の検出信号を利用して帯電防止剤原液タンク56から帯電防止剤原液58を吸い上げ、希釈液収容タンク22にて所定濃度になるよう供給するチューブポンプ42のモータ駆動の投入起動させる。制御装置52と原水の供給配管36と帯電防止剤原液58の供給配管60が別の供給配管経路になっている。
【0019】
原水供給配管36は、工場内の配管系、水道、工業用水、井戸水などに接続される貯水槽からだけではなく各水道、工業用水、井戸水などの供給される本管への直接接続することができ、希釈液収容タンク22内へ液面検出センサ40の水位の高水位と低水位の検出信号により電磁弁38が開閉し一定水量の原水が供給される。
【0020】
液面検出センサ40の低水位の検出信号をチューブポンプ42のモータ駆動制御用タイマ手段54の回路への投入起動信号としチューブポンプ42のモ一タが回転させ、帯電防止剤が所定の希釈率になる一定時間、帯電防止剤原液58を希釈液収容タンク22へ吸上げ管62、供給配管60を経て供給される。
【0021】
希釈液収容タンク22は、たとえば容量が100〜150リットルであり、その深さは35〜40cmである。液面検出センサ40の電極棒に接する液面の高水位と低水位の長さは、3cmとすると原水の供給水量は、9リットルになる。帯電防止剤希釈液21の希釈率を10%に設定すると帯電防止剤原液58の供給量は1リットルであり、チューブポンプ42の送り出す帯電防止剤原液58の供給量をタイマ手段54で制御する。
【0022】
図4は定量補給装置20のブロック構成図である。帯電防止剤原液58とこれを希釈する原水とはそれぞれチューブポンプ42、電磁弁38を操作することによって、供給・停止が行われる。制御装置52はこれらを統括制御しており、希釈液収容タンク22の液面検出センサ40による検出水位が補給状態になったか否かを判定し、補給状態の時に電磁弁38を開放して原水を導入する。導入量は管路サイズや送水量が規定値であるので算出でき、電磁弁38の開放時間で判断できる。この導入量が決定されれば、帯電防止剤原液の供給量も決定でき、チューブポンプ42の作動時間をタイマ手段54で決定することで、正しく希釈濃度を設定することができる。
【0023】
実際に用いられるチューブポンプ42としては、内径8mm、外径15mmのチューブ46を用い毎分1200mlの供給できるタイプを使用し、50秒間で1リットルの帯電防止剤原液58の供給がされ、希釈液収容タンク22内に希釈率10%となる帯電防止剤原液58が供給される。
【0024】
なお、本発明の他の実施形態として、別タンクに液面検出センサ40を設け、液面検出センサ40の出力で制御装置52を介して電磁弁38を開閉し、原水とチューブポンプ42のタイマ手段54の制御により帯電防止剤原液58を、別のタンクで調整希釈した帯電防止剤希釈液を希釈液収容タンク22に補給するものでもよい。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、特に、原液の供給経路にチューブポンプが設けられており、これは通常、ケーシング内にチューブとチューブを圧接状態にする複数(2個以上)のローラを有したロータに接続されたモータが設定時間回転することで、ローラがチューブに沿って移動し完全に圧縮されたチューブ内の液は強制的に押し出され吐出される構造になっている。したがって、チューブポンプは圧縮されたチューブの復元力で発生する真空により液が吸引され、正確な混合比率を維持できるので、原水による希釈率を精度良く設定できるものとなっている。チューブポンプに使用するチューブは、帯電防止剤、湿し水の成分に対し耐久性をもつタイプヘの交換が容易に可能である。混合比率、原液の供給によるトラブルが発生してもポンプ本体の交換を必要とせずチューブ交換のみのメンテナンスで復旧が可能である。また、チューブポンプは、小型の直流モータとチューブから構成されており、小型の定量補給装置が可能で装置の設置面積が少なくてすみ装置設置スぺ一スの有効利用ができる。
なお、上記実施形態では帯電防止剤をウェブに塗布する場合について説明したが、湿し水を版胴に塗布する場合の湿し水付け装置に適用することができるのはもちろんである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、印刷過程でウェブまたはシリンダに塗布する希釈液の収容タンクに原液とこれを希釈する原水とを定量供給する装置において、前記希釈液収容タンクへの原水管路を開閉する電磁弁、並びに前記希釈液タンク内の液面を検出するセンサを設けるとともに、前記希釈液タンクへ原液を送り込む経路にチューブポンプを設け、前記液面検出センサによる補給信号に基づいて前記電磁弁の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプの送液量を調整するタイマ手段とを制御することにより設定希釈濃度にする制御手段を設けた構成としたので、ポンプの構造が簡単でメンテナンスが容易であり、かつ薬液と原水との混合比率の精度が高く、定量補給装置の小型化が可能で安価な印刷用希釈液の定量補給装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止剤用としての定量補給装置20の一実施の形態の配管系統図である。
【図2】本発明装置を示す正面図である。
【図3】チューブポンプの液の供給原理を示す図である。
【図4】定量補給装置のブロック線図である。
【図5】従来例を示す説明図である。
【図6】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
20………定量補給装置、21………帯電防止剤希釈液、22………帯電防止剤希釈液収容タンク、24………ポンプ、26………供給管、28………アプリケータ、30………印刷ウェブ、32………戻管、34………水位、36………原水供給配管、38………電磁弁、40………液面検出センサ、42………チューブポンプ、44………ケーシング、46………チューブ、48………ローラ、50………ロータ、52………制御装置、54………タイマ手段、56………帯電防止剤原液タンク、58………帯電防止剤原液、60………供給配管、62………吸上げ管。
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷用希釈液の定量補給装置に係り、特に湿し水や帯電防止剤など、薬液成分と希釈原水とを一定の比率で混合して専用タンクに補給するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷設備では、印刷ウェブが静電気を帯びたり乾燥したりするために、帯電防止剤や湿し水が塗布する装置が設けられている。これらは薬液成分を原水により一定割合で希釈し、この希釈液を一旦アプリケータを介在して印刷ウェブに塗布するようにしている。アプリケータが噴霧手段によって構成される場合もあるが、一般的にはローラが用いられ、一定割合の濃度の希釈液を印刷ウェブに対してローラ転写する構成が採用される。いずれにしても、塗布すべき希釈液は薬液を原水で希釈したものであるから、予め一定濃度に設定された希釈液を一旦タンクに貯め、これをアプリケータに供給するとともに、タンク内の希釈液が減少した場合には所定量になるまで補給するように構成される。
【0003】
例えば、帯電防止剤の定量補給装置は、通常シリコンアプリケータとよばれる印刷物面に塗布する装置に、界面浄性剤、エステル系ワックスなどを含む薬剤成分(原液)と希釈液(原水)を専用タンクに補給するようにしている。また、湿し水の定量補給装置は、エッチ液とよばれるアルコール類、界面活性剤などを含む薬剤成分(原液)と希釈液(原水)を専用タンクに補給するものとしている。
【0004】
ところで、この種の補給装置に使用されている各々原液の供給に使用されている定量ポンプには、ベローズポンプ、マグネットポンプなど回転モータを使ったタイプが使用されている。従来の一般的な定量補給装置を図5に示す。専用タンク1には電磁弁2が介在された原水供給管3と薬液タンク4に通じる薬液供給管5が接続されている。薬液供給管5にはマグネットポンプ(又はベローズポンプ)6が設けられ、液面検出センサ7により補給信号が検出された場合に、制御装置8が電磁弁2の解放により原水の供給された水量に対し、所定の希釈率になるよう原液の供給量をマグネットポンプ(又はベローズポンプ)6の回転モータをタイマ制御し、回転量により計量して専用タンク1に補給するようにしている。アプリケータ9には専用タンク1から希釈液が循環供給される。この方法では、精度の高い原液の補給はできるが、制御装置と供給ポンプが大きくなり装置として大型になり、価格も高価となる。また、ポンプの構造が複雑で、故障の際のメンテナンスがやりにくい欠点がある。
【0005】
他の方法として特許文献1に開示されているように、希釈液(原水)の水圧を利用して原液を吸い上げ希釈液として専用タンク1に供給するタイプがある。これは図6に示すように、原水供給管3が専用タンク1に接続されているが、この原水供給管3には薬液タンク4からの汲み上げ管10が接続され、両管3、10の連結部にてインジェクタポンプ11を形成させている。これにより、液面検出センサ7により補給信号が検出された場合に、制御装置8が電磁弁2の開放により原水を専用タンク1に導入させるが、原水の水圧により原液が汲み上げられ、原水と帯電防止剤原液を一定の比率に混合して吐出し補給するものとなる。このような方法では、ポンプに送り込む原水の水圧が工場内の変化により正確な希釈設定が困難となる。同時に装置そのものが高価であり、ポンプが故障した際のメンテナンスが困難であるなどの欠点がある。
【0006】
また、このポンプの給水口に水道水の本管に接続される給水ロへ接続した場合、水道本管内の圧力が減圧した場合、逆流により、ポンプに接続されている薬液が混入してしまう事への防止として水道法で禁止されており、接続ができない。
【0007】
また、水道法では、貯水タンクヘの接続は、許可されているが、貯水タンクから供給される原水は、工場内の水の使用量に応じて水圧の変化が発生しやすく、ポンプヘ安定した水圧での水供給が難しい。その結果、安定した水圧による混合比率の希釈精度が保てなくなる問題がある。
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3022643号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、ポンプの構造が簡単でメンテナンスが容易であり、かつ薬液と原水との混合比率の精度が高く、小型化が可能で安価な印刷用希釈液の定量補給装置、チューブポンプを用いた帯電防止剤及び湿し水の定量補給装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る印刷用希釈液の定量補給装置は、印刷過程でウェブまたはシリンダに塗布する希釈液の収容タンクに原液とこれを希釈する原水とを定量供給する装置において、前記希釈液収容タンクへの原水管路を開閉する電磁弁、並びに前記希釈液タンク内の液面を検出するセンサを設けるとともに、前記希釈液タンクへ原液を送り込む経路にチューブポンプを設け、前記液面検出センサによる補給信号に基づいて前記電磁弁の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプの送液量を調整するタイマ手段とを制御することにより設定希釈濃度にする制御手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
前記原液は帯電防止剤またはエッチ液を含む湿し水原液とし、帯電防止剤・湿し水の定量補給に用いる装置とすることができる。
上記構成に係る印刷用希釈液の定量供給装置では、特にオフセット輪転印刷において原水と帯電防止剤及び湿し水原液を指定希釈率になるように送り込むことができ、構造が簡単でメンテナンスが容易であるとともに薬液の安定した吸込み及び供給を行うことができる安価なチューブポンプを使用した定量補給装置とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る印刷用希釈剤の定量補給装置は、通常シリコンアプリケーターとよばれる印刷面に帯電防止剤を塗布する装置とエッチ液とよばれる印刷シリンダー上の版のインキが付着しないエリアにローラを介して供給するダンプニング装置に使われる各々の希釈液を作成し一定量の補給を行い、各シリコンアプリケータ、ダンプニング装置へ供給することが目的である。
【0013】
それぞれの希釈液の使用目的は異なるが、夫々の原液の希釈液を作成し一定量の補給をする形態は同じである為、ここでは帯電防止剤を対象とし、その定量補給装置について図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0014】
図1は、定量補給装置20の一実施形態の配管系統図及びブロック図である。帯電防止剤希釈液21は、希釈液収容タンク22からポンプ24にて加圧され、供給管26を介してアプリケータ28により印刷ウェブ30の表面に塗布され、余分な希釈液21は戻管32から希釈液収容タンク22に循環される。帯電防止剤希釈液21は印刷ウェブ30の表面に塗布し消費され、希釈液収容タンク22の希釈液の水位34は徐々に低下する。
【0015】
本実施形態に係る定量補給装置20は、この消費された帯電防止剤希釈液21を補給するための補給装置である。当該装置20は、印刷過程でウェブ30に塗布する帯電防止剤希釈液21の収容タンク22に通じる原水供給配管36を開閉する電磁弁38を設けている。また、前記希釈液収容タンク22内の水位34を検出するセンサ40を設けている。
【0016】
特にこの実施形態では、前記希釈液収容タンク22へ原液を送り込む経路にチューブポンプ42を設けている。このチューブポンプ42は、図3に示しているように、ケーシング44内に円弧状に配設したチューブ46と、当該チューブ46の内側を転がってチューブ46を圧接状態にする複数(2個以上)のローラ48を有したロータ50を備えている。ロータ50に接続されたモータ(図示せず)が設定時間回転することで、ローラ48がチューブ46の内側に沿って円周移動し、完全に圧縮されたチューブ46内の液は強制的に押し出され吐出される構造になっている。したがって、チューブポンプ42は圧縮されたチューブ46の復元力で発生する真空により液が吸引され、正確な混合比率を維持できるので、原水による希釈率を精度良く設定できるものとなっている。チューブポンプ42に使用するチューブ46は、帯電防止剤、湿し水の成分に対し耐久性をもつタイプヘの交換が容易に可能である。
【0017】
また、実施形態に係る定量補給装置20は、前記液面検出センサ40の検出水位に基づいて、所定水位まで低下した場合には補給信号を出力する制御装置(制御手段)52を備えている。そして、制御手段52は、補給信号に基づいて前記電磁弁38の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプ42の送液量を調整するタイマ手段54とを制御することにより設定希釈濃度にするようにしている。
【0018】
したがって、制御装置52は、希釈液収容タンク22に設けられた液面検出センサ40の検出した水位信号を受入れ、原水供給配管36に設けられた電磁弁38を開閉制御すると同時に、液面検出センサ40の検出信号を利用して帯電防止剤原液タンク56から帯電防止剤原液58を吸い上げ、希釈液収容タンク22にて所定濃度になるよう供給するチューブポンプ42のモータ駆動の投入起動させる。制御装置52と原水の供給配管36と帯電防止剤原液58の供給配管60が別の供給配管経路になっている。
【0019】
原水供給配管36は、工場内の配管系、水道、工業用水、井戸水などに接続される貯水槽からだけではなく各水道、工業用水、井戸水などの供給される本管への直接接続することができ、希釈液収容タンク22内へ液面検出センサ40の水位の高水位と低水位の検出信号により電磁弁38が開閉し一定水量の原水が供給される。
【0020】
液面検出センサ40の低水位の検出信号をチューブポンプ42のモータ駆動制御用タイマ手段54の回路への投入起動信号としチューブポンプ42のモ一タが回転させ、帯電防止剤が所定の希釈率になる一定時間、帯電防止剤原液58を希釈液収容タンク22へ吸上げ管62、供給配管60を経て供給される。
【0021】
希釈液収容タンク22は、たとえば容量が100〜150リットルであり、その深さは35〜40cmである。液面検出センサ40の電極棒に接する液面の高水位と低水位の長さは、3cmとすると原水の供給水量は、9リットルになる。帯電防止剤希釈液21の希釈率を10%に設定すると帯電防止剤原液58の供給量は1リットルであり、チューブポンプ42の送り出す帯電防止剤原液58の供給量をタイマ手段54で制御する。
【0022】
図4は定量補給装置20のブロック構成図である。帯電防止剤原液58とこれを希釈する原水とはそれぞれチューブポンプ42、電磁弁38を操作することによって、供給・停止が行われる。制御装置52はこれらを統括制御しており、希釈液収容タンク22の液面検出センサ40による検出水位が補給状態になったか否かを判定し、補給状態の時に電磁弁38を開放して原水を導入する。導入量は管路サイズや送水量が規定値であるので算出でき、電磁弁38の開放時間で判断できる。この導入量が決定されれば、帯電防止剤原液の供給量も決定でき、チューブポンプ42の作動時間をタイマ手段54で決定することで、正しく希釈濃度を設定することができる。
【0023】
実際に用いられるチューブポンプ42としては、内径8mm、外径15mmのチューブ46を用い毎分1200mlの供給できるタイプを使用し、50秒間で1リットルの帯電防止剤原液58の供給がされ、希釈液収容タンク22内に希釈率10%となる帯電防止剤原液58が供給される。
【0024】
なお、本発明の他の実施形態として、別タンクに液面検出センサ40を設け、液面検出センサ40の出力で制御装置52を介して電磁弁38を開閉し、原水とチューブポンプ42のタイマ手段54の制御により帯電防止剤原液58を、別のタンクで調整希釈した帯電防止剤希釈液を希釈液収容タンク22に補給するものでもよい。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、特に、原液の供給経路にチューブポンプが設けられており、これは通常、ケーシング内にチューブとチューブを圧接状態にする複数(2個以上)のローラを有したロータに接続されたモータが設定時間回転することで、ローラがチューブに沿って移動し完全に圧縮されたチューブ内の液は強制的に押し出され吐出される構造になっている。したがって、チューブポンプは圧縮されたチューブの復元力で発生する真空により液が吸引され、正確な混合比率を維持できるので、原水による希釈率を精度良く設定できるものとなっている。チューブポンプに使用するチューブは、帯電防止剤、湿し水の成分に対し耐久性をもつタイプヘの交換が容易に可能である。混合比率、原液の供給によるトラブルが発生してもポンプ本体の交換を必要とせずチューブ交換のみのメンテナンスで復旧が可能である。また、チューブポンプは、小型の直流モータとチューブから構成されており、小型の定量補給装置が可能で装置の設置面積が少なくてすみ装置設置スぺ一スの有効利用ができる。
なお、上記実施形態では帯電防止剤をウェブに塗布する場合について説明したが、湿し水を版胴に塗布する場合の湿し水付け装置に適用することができるのはもちろんである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、印刷過程でウェブまたはシリンダに塗布する希釈液の収容タンクに原液とこれを希釈する原水とを定量供給する装置において、前記希釈液収容タンクへの原水管路を開閉する電磁弁、並びに前記希釈液タンク内の液面を検出するセンサを設けるとともに、前記希釈液タンクへ原液を送り込む経路にチューブポンプを設け、前記液面検出センサによる補給信号に基づいて前記電磁弁の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプの送液量を調整するタイマ手段とを制御することにより設定希釈濃度にする制御手段を設けた構成としたので、ポンプの構造が簡単でメンテナンスが容易であり、かつ薬液と原水との混合比率の精度が高く、定量補給装置の小型化が可能で安価な印刷用希釈液の定量補給装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電防止剤用としての定量補給装置20の一実施の形態の配管系統図である。
【図2】本発明装置を示す正面図である。
【図3】チューブポンプの液の供給原理を示す図である。
【図4】定量補給装置のブロック線図である。
【図5】従来例を示す説明図である。
【図6】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
20………定量補給装置、21………帯電防止剤希釈液、22………帯電防止剤希釈液収容タンク、24………ポンプ、26………供給管、28………アプリケータ、30………印刷ウェブ、32………戻管、34………水位、36………原水供給配管、38………電磁弁、40………液面検出センサ、42………チューブポンプ、44………ケーシング、46………チューブ、48………ローラ、50………ロータ、52………制御装置、54………タイマ手段、56………帯電防止剤原液タンク、58………帯電防止剤原液、60………供給配管、62………吸上げ管。
Claims (3)
- 印刷過程でウェブまたはシリンダに塗布する希釈液の収容タンクに原液とこれを希釈する原水とを定量供給する装置において、前記希釈液収容タンクへの原水管路を開閉する電磁弁、並びに前記希釈液タンク内の液面を検出するセンサを設けるとともに、前記希釈液タンクへ原液を送り込む経路にチューブポンプを設け、前記液面検出センサによる補給信号に基づいて前記電磁弁の開放による原水流入量に合わせて前記チューブポンプの送液量を調整するタイマ手段とを制御することにより設定希釈濃度にする制御手段を設けたことを特徴とする印刷用希釈液の定量補給装置。
- 前記原液は帯電防止剤であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用希釈液の定量補給装置。
- 前記原液はエッチ液を含む湿し水原液であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用希釈液の定量補給装置。
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JP2003057400A JP2004262206A (ja) | 2003-03-04 | 2003-03-04 | 印刷用希釈液の定量補給装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007175275A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Koito Ind Ltd | 混合液供給装置 |
-
2003
- 2003-03-04 JP JP2003057400A patent/JP2004262206A/ja active Pending
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