JP2004261367A - 浴槽用マット - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時の感触に優れ、使用時は水中に簡単に沈めることが出来、しかも、軽量で取扱い性に優れた浴槽用マットを提供する。
【解決手段】浴槽用マットは、真比重1.5〜2.5の充填剤含有ゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合することにより、厚さが0.5〜20mmのシート状に形成される。そして、連通孔構造に構成されることにより、見掛比重が1.0〜1.75に設定される。
【選択図】 図1
【解決手段】浴槽用マットは、真比重1.5〜2.5の充填剤含有ゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合することにより、厚さが0.5〜20mmのシート状に形成される。そして、連通孔構造に構成されることにより、見掛比重が1.0〜1.75に設定される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽用マットに関するものであり、詳しくは、浴槽内に敷設する滑り防止用のマットであって、使用時の感触に優れ、使用時は水中に簡単に沈めることが出来、しかも、軽量で取扱い性に優れた浴槽用マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽用マットは、浴槽での転倒事故を防止するために浴槽内の底に敷設される滑り防止用のマットである。浴槽用マットとしては、表面の滑り或いは浴槽底面に対する裏面の滑りを吸盤によって防止する様にしたものもあるが、吸盤方式のマットは、その立体的な形状のために嵩張り、また、不要時に取り外し難いと言う問題があるため、取扱い容易なシート状のマットが望ましい。
【0003】
シート状の浴槽用マットとしては、例えば、天然ゴムや合成ゴムを加熱型または加熱加圧型加硫機でシート状に加硫成形して成り、かつ、複数の楕円形の窪みを溝で連結したパターンの表面形状が付与され、そして、比重が1.2以上に調節された浴槽用マットが提案されている。斯かるマットは、上記の様な比重設定により、水中に沈めることが出来、また、吸盤に代わる窪みの吸着作用により、表面の滑りを防止するものである(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−215911号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の様なゴム製の浴槽用マットは、滑り防止機能を発揮させるべく多数の窪みを表面に設けているため、使用時に肌に触れる感触が悪いと言う問題がある。また、水中に円滑に沈める様にするためには、比重をより大きくする方が望ましいが、その反面、比重をより大きくした場合には、全体の重量が重くなるため、取扱い難いと言う問題を生じる。
【0006】
本発明は、ゴム製の浴槽用マットにおける上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、使用時の感触に優れ、使用時は水中に簡単に沈めることが出来、しかも、軽量で取扱い性に優れた浴槽用マットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の浴槽用マットは、真比重1.5〜2.5の充填剤含有ゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合することにより、厚さが0.5〜20mmのシート状に形成され、かつ、連通孔構造に構成されることにより、見掛比重が1.0〜1.75に設定されていることを特徴とする。
【0008】
すなわち、上記の浴槽用マットにおいて、ゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合してシート状になされたその表面は、ゴム粒子の微細な凹凸により滑り防止機能を発揮すると共に、使用時に触感で判別され得る様な凹凸がなく、肌触り性に関して良好な感触を有する。また、特定の真比重の充填剤含有ゴム粒子を結合した構造および連通孔構造は、水に投入した場合、マットの両表面間に亙って水を透過させ、マット自体を水中に直ちに沈ませる様に機能し、そして、連通孔構造によって特定の見掛比重になされた構成および特定の厚さになされた構成は、マットの全体重量を軽量化し、取扱い性を向上させる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る浴槽用マットの一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る浴槽用マットの内部構造を示す図であり、厚さ方向に沿って破断した断面の模式図である。なお、図1においては、裏返した状態で浴槽用マットを破断して示している。また、以下の実施形態の説明においては、浴槽用マットを「マット」と略記する。
【0010】
本発明のマットは、滑りを防止するために浴槽内の底に敷設されるシート状のゴム製マットである。本発明のマットにおいて、その平面形状は、浴槽の底面形状に応じて種々の形状に形成することが出来るが、一般的には、四隅を円弧状に面取した略方形状に形成される。
【0011】
本発明のマットは、図1に示す様に、充填剤含有のゴム粒子(1)を樹脂接着剤(2)にて相互に結合することにより、厚さ(t)が0.5〜20mmのシート状に形成される。マットの厚さ(t)は、図示する様に最大厚さであり、軽量性、不使用時の折畳みの際の柔軟性などの取扱い性、ならびに、耐久性を考慮して上記の範囲内に設定される。
【0012】
ゴム粒子(1)は、天然ゴム、合成ゴムまたはこららの混合物に硫酸バリウム、酸化鉄などの充填剤を配合して成る比重の大きなゴムを粒状に形成したものである。ゴム粒子(1)の構成材料としては、特に制限はないが、具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム−塩化ビニル樹脂ブレンド、ニトリルゴム/EPDMブレンド等が挙げられる。
【0013】
ゴム粒子(1)には、必要に応じ、従来公知のゴム製品に使用されている添加剤、例えば、老化防止剤、上記以外の充填剤、補強性充填剤、加工助剤、加硫剤、加硫促進剤などを配合してもよい。ゴム粒子(1)の形状には特に制限はないが、ゴム粒子(1)としては、マットに成形した場合の滑り防止機能、肌触り、後述する連通孔の大きさを考慮し、粒径が1〜5mmのものが使用される。なお、本発明において、粒径が1〜5mmのゴム粒子(1)とは、篩網によって選別した場合、φ5mmの篩目は通過するが、φ1mmの篩目は通過しない大きさのゴム粒子を言う。
【0014】
ゴム粒子(1)の真比重は、上記の充填剤の配合量の調節により、1.5〜2.5に設定される。ゴム粒子(1)の真比重を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、真比重が1.5よりも小さい場合は、マットとして浴槽で使用した際に水中に沈み難くなるか或いは沈まなくなるので不都合である。一方、真比重が2.5よりも大きい場合は、マットとしての重量が大きくなり、取扱い性が悪く、実用上好ましくない。
【0015】
また、ゴム粒子(1)を結合する樹脂接着剤(2)としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリ酢酸ビニル,フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂,熱可塑性ポリエステル,熱可塑性ポリアミド,熱可塑性ウレタン樹脂,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの熱可塑性合成樹脂、ウレタン樹脂,メラミン樹脂,熱硬化型アクリル樹脂,尿素樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,熱硬化型ポリエステル等の硬化性合成樹脂、ウレタン樹脂プレポリマー,エポキシ樹脂プレポリマー,メラミン樹脂プレポリマー,尿素樹脂プレポリマー,フェノール樹脂プレポリマー,ジアリルフタレートプレポリマー,アクリルオリゴマー,多価イソシアナート,メタクリルエステルモノマー,ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オリゴマー,モノマー等の合成樹脂前駆体などが挙げられる。接着強度、柔軟性、耐熱性などの観点からは、通常、ウレタン樹脂が好ましい。
【0016】
本発明のマットにおいて、樹脂接着剤(2)は、後述する製造方法により、ゴム粒子(1)を被覆する状態に使用される。ゴム粒子(1)に対する樹脂接着剤(2)の使用割合は、100:10〜30(重量部)である。樹脂接着剤(2)の使用割合が上記の範囲よりも小さい場合には、ゴム粒子(1)同士の結合力が不足し、マットの状態において破れ易くなり、また、上記の範囲よりも大きい場合には、後述する十分な大きさの連通孔を形成し難くなる。
【0017】
本発明のマットは、浴槽に配置する際に直ちに沈む様に、上記の粒径のゴム粒子(1)を結合させることにより連通孔構造に構成される。すなわち、マットの内部は、ゴム粒子(1)が不規則に配置され且つ樹脂接着剤(2)により不規則に連結されることにより、マットの両表面に通じる不定形の空隙がゴム粒子(1)の間に形成された構造をを備えている。そして、上記の連通孔構造により、マットの見掛比重は1.0〜1.75に設定される。マットの見掛比重を上記の範囲に設定することにより、マットの軽量化を図ることが出来、取扱い性を高めることが出来る。
【0018】
上記の連通孔構造は空隙率によっても特定することが出来る。連通孔構造における空隙率は、通常10〜40%、好ましくは20〜35%である。空隙率は、主として、使用するゴム粒子(1)のサイズや樹脂接着剤(2)に使用量によって調節することが出来る。なお、上記の空隙率は、マットの体積に占める空隙部分の体積の比率を意味し、次の式で表すことが出来る。
【0019】
【数1】
空隙率(%)={(V−W/ρ)/V}×100
(上記の式中、Vはマットの体積(cm3)、Wはサンプルの重量(g)、ρはゴム粒子の真比重を表す。)
【0020】
本発明のマットは、通常、ゴム粒子(1)と樹脂接着剤(2)から成るゲル状原料を型枠に流し込んで製造される。すなわち、本発明のマットの製造においては、先ず、充填剤含有の原料ゴムを粉砕処理してゴム粒子を得る。粉砕機としては、例えば、カッター式粉砕機や衝撃式粉砕機などを使用することが出来る。粉砕処理後は、前述の様に、例えば篩目がφ1mmの篩装置および篩目がφ5mmの篩装置を使用し、上記のゴム粒子を篩分処理して粒径が1〜5mmのゴム粒子(1)を選別する。
【0021】
次いで、ゴム粒子(1)と液状の樹脂接着剤(2)、例えば液状のウレタン樹脂とを100:10〜30(重量部)の割合で混合してゲル状原料を製造する。ゴム粒子(1)と樹脂接着剤(2)の混合操作においては、モルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、インターミックスニーダー、オープンロール等のミキサーを使用することが出来る。
【0022】
続いて、型枠内に上記のゲル状原料を略マットの設定厚さに充填する。使用する型枠としては、内側底面が平滑表面に形成され且つ例えば平面形状が長方形に形成された上面開放型の扁平な型枠が使用される。型枠にゲル状原料を充填した後は、その表面を直線状のブレード又は平板状の金鏝などで均すことにより、一定高さの凹凸表面に形成する。そして、型枠内で樹脂接着剤(2)を常温または加温条件下で硬化させ、次いで、脱型することによりシート状のマットを得る。
【0023】
上記の型枠への充填、均し操作では、型枠における底面側を平滑面(図1において下面に相当する面であってゴム粒子(1)の露出高さが一定の面)に形成し、型枠における上面側を僅かな凹凸表面(図1において上面に相当する面であってゴム粒子(1)の露出高さが不揃いの面)に形成することにより、マットとして使用する場合の表面と裏面とを決定する。型枠の底面によって形成されるマットの一面、すなわち、図1における下面は、浴槽内で肌触りの良好な表面として使用される面であり、また、均し操作によって形成されるマットの他の一面、すなわち、図1における上面は、浴槽内で浴槽底面に密着させる裏面として使用される面である。
【0024】
本発明のマットは、上記の様に構成されており、ゴム粒子(1)を樹脂接着剤(2)にて相互に結合してシート状になされたその表面は、ゴム粒子(1)の微細な凹凸により滑り防止機能を発揮すると共に、使用時に触感で判別され得る様な凹凸がなく、肌触り性に関して良好な感触を有する。また、特定の真比重の充填剤含有ゴム粒子(1)を結合した構造および連通孔構造は、浴槽の水に投入した場合、マットの両表面間に亙って水を透過させ、マット自体を水中に直ちに沈ませる様に機能し、そして、連通孔構造によって特定の見掛比重になされた構成および特定の厚さ(t)になされた構成は、マットの全体重量を軽量化し、取扱い性を向上させる。
【0025】
換言すれば、本発明のマットは、浴槽の底部に敷設して使用した場合、ゴム粒子(1)の微細な凹凸によって滑りを防止することが出来、しかも、大きな凹凸がないため、肌触りが良好である。更に、浴槽の底部に敷設する場合、ゴム粒子(1)が特定の真比重であり且つ連通孔構造を備えているため、直ちに水中に沈ませることが出来、また、特定の見掛比重および特定の厚さ(t)に設定されているため、軽量で且つ折り曲げ等も容易であり、取扱い性に優れている。
【0026】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の浴槽用は、浴槽の底部に敷設して使用した場合、ゴム粒子の微細な凹凸によって滑りを防止することが出来、しかも、使用時の感触に優れている。更に、特定の真比重のゴム粒子の利用と連通孔構造により、使用時は水中に簡単に沈めることが出来、しかも、特定の見掛比重および特定の厚さに設定されていることにより、軽量で取扱い性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浴槽用マットの内部構造を示す図であり、厚さ方向に沿って破断した断面の模式図である。
【符号の説明】
1 :ゴム粒子
2 :樹脂接着剤(硬化後の樹脂)
t :厚さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽用マットに関するものであり、詳しくは、浴槽内に敷設する滑り防止用のマットであって、使用時の感触に優れ、使用時は水中に簡単に沈めることが出来、しかも、軽量で取扱い性に優れた浴槽用マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽用マットは、浴槽での転倒事故を防止するために浴槽内の底に敷設される滑り防止用のマットである。浴槽用マットとしては、表面の滑り或いは浴槽底面に対する裏面の滑りを吸盤によって防止する様にしたものもあるが、吸盤方式のマットは、その立体的な形状のために嵩張り、また、不要時に取り外し難いと言う問題があるため、取扱い容易なシート状のマットが望ましい。
【0003】
シート状の浴槽用マットとしては、例えば、天然ゴムや合成ゴムを加熱型または加熱加圧型加硫機でシート状に加硫成形して成り、かつ、複数の楕円形の窪みを溝で連結したパターンの表面形状が付与され、そして、比重が1.2以上に調節された浴槽用マットが提案されている。斯かるマットは、上記の様な比重設定により、水中に沈めることが出来、また、吸盤に代わる窪みの吸着作用により、表面の滑りを防止するものである(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−215911号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の様なゴム製の浴槽用マットは、滑り防止機能を発揮させるべく多数の窪みを表面に設けているため、使用時に肌に触れる感触が悪いと言う問題がある。また、水中に円滑に沈める様にするためには、比重をより大きくする方が望ましいが、その反面、比重をより大きくした場合には、全体の重量が重くなるため、取扱い難いと言う問題を生じる。
【0006】
本発明は、ゴム製の浴槽用マットにおける上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、使用時の感触に優れ、使用時は水中に簡単に沈めることが出来、しかも、軽量で取扱い性に優れた浴槽用マットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の浴槽用マットは、真比重1.5〜2.5の充填剤含有ゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合することにより、厚さが0.5〜20mmのシート状に形成され、かつ、連通孔構造に構成されることにより、見掛比重が1.0〜1.75に設定されていることを特徴とする。
【0008】
すなわち、上記の浴槽用マットにおいて、ゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合してシート状になされたその表面は、ゴム粒子の微細な凹凸により滑り防止機能を発揮すると共に、使用時に触感で判別され得る様な凹凸がなく、肌触り性に関して良好な感触を有する。また、特定の真比重の充填剤含有ゴム粒子を結合した構造および連通孔構造は、水に投入した場合、マットの両表面間に亙って水を透過させ、マット自体を水中に直ちに沈ませる様に機能し、そして、連通孔構造によって特定の見掛比重になされた構成および特定の厚さになされた構成は、マットの全体重量を軽量化し、取扱い性を向上させる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る浴槽用マットの一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る浴槽用マットの内部構造を示す図であり、厚さ方向に沿って破断した断面の模式図である。なお、図1においては、裏返した状態で浴槽用マットを破断して示している。また、以下の実施形態の説明においては、浴槽用マットを「マット」と略記する。
【0010】
本発明のマットは、滑りを防止するために浴槽内の底に敷設されるシート状のゴム製マットである。本発明のマットにおいて、その平面形状は、浴槽の底面形状に応じて種々の形状に形成することが出来るが、一般的には、四隅を円弧状に面取した略方形状に形成される。
【0011】
本発明のマットは、図1に示す様に、充填剤含有のゴム粒子(1)を樹脂接着剤(2)にて相互に結合することにより、厚さ(t)が0.5〜20mmのシート状に形成される。マットの厚さ(t)は、図示する様に最大厚さであり、軽量性、不使用時の折畳みの際の柔軟性などの取扱い性、ならびに、耐久性を考慮して上記の範囲内に設定される。
【0012】
ゴム粒子(1)は、天然ゴム、合成ゴムまたはこららの混合物に硫酸バリウム、酸化鉄などの充填剤を配合して成る比重の大きなゴムを粒状に形成したものである。ゴム粒子(1)の構成材料としては、特に制限はないが、具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム−塩化ビニル樹脂ブレンド、ニトリルゴム/EPDMブレンド等が挙げられる。
【0013】
ゴム粒子(1)には、必要に応じ、従来公知のゴム製品に使用されている添加剤、例えば、老化防止剤、上記以外の充填剤、補強性充填剤、加工助剤、加硫剤、加硫促進剤などを配合してもよい。ゴム粒子(1)の形状には特に制限はないが、ゴム粒子(1)としては、マットに成形した場合の滑り防止機能、肌触り、後述する連通孔の大きさを考慮し、粒径が1〜5mmのものが使用される。なお、本発明において、粒径が1〜5mmのゴム粒子(1)とは、篩網によって選別した場合、φ5mmの篩目は通過するが、φ1mmの篩目は通過しない大きさのゴム粒子を言う。
【0014】
ゴム粒子(1)の真比重は、上記の充填剤の配合量の調節により、1.5〜2.5に設定される。ゴム粒子(1)の真比重を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、真比重が1.5よりも小さい場合は、マットとして浴槽で使用した際に水中に沈み難くなるか或いは沈まなくなるので不都合である。一方、真比重が2.5よりも大きい場合は、マットとしての重量が大きくなり、取扱い性が悪く、実用上好ましくない。
【0015】
また、ゴム粒子(1)を結合する樹脂接着剤(2)としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリ酢酸ビニル,フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂,熱可塑性ポリエステル,熱可塑性ポリアミド,熱可塑性ウレタン樹脂,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの熱可塑性合成樹脂、ウレタン樹脂,メラミン樹脂,熱硬化型アクリル樹脂,尿素樹脂,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,熱硬化型ポリエステル等の硬化性合成樹脂、ウレタン樹脂プレポリマー,エポキシ樹脂プレポリマー,メラミン樹脂プレポリマー,尿素樹脂プレポリマー,フェノール樹脂プレポリマー,ジアリルフタレートプレポリマー,アクリルオリゴマー,多価イソシアナート,メタクリルエステルモノマー,ジアリルフタレートモノマー等のプレポリマー、オリゴマー,モノマー等の合成樹脂前駆体などが挙げられる。接着強度、柔軟性、耐熱性などの観点からは、通常、ウレタン樹脂が好ましい。
【0016】
本発明のマットにおいて、樹脂接着剤(2)は、後述する製造方法により、ゴム粒子(1)を被覆する状態に使用される。ゴム粒子(1)に対する樹脂接着剤(2)の使用割合は、100:10〜30(重量部)である。樹脂接着剤(2)の使用割合が上記の範囲よりも小さい場合には、ゴム粒子(1)同士の結合力が不足し、マットの状態において破れ易くなり、また、上記の範囲よりも大きい場合には、後述する十分な大きさの連通孔を形成し難くなる。
【0017】
本発明のマットは、浴槽に配置する際に直ちに沈む様に、上記の粒径のゴム粒子(1)を結合させることにより連通孔構造に構成される。すなわち、マットの内部は、ゴム粒子(1)が不規則に配置され且つ樹脂接着剤(2)により不規則に連結されることにより、マットの両表面に通じる不定形の空隙がゴム粒子(1)の間に形成された構造をを備えている。そして、上記の連通孔構造により、マットの見掛比重は1.0〜1.75に設定される。マットの見掛比重を上記の範囲に設定することにより、マットの軽量化を図ることが出来、取扱い性を高めることが出来る。
【0018】
上記の連通孔構造は空隙率によっても特定することが出来る。連通孔構造における空隙率は、通常10〜40%、好ましくは20〜35%である。空隙率は、主として、使用するゴム粒子(1)のサイズや樹脂接着剤(2)に使用量によって調節することが出来る。なお、上記の空隙率は、マットの体積に占める空隙部分の体積の比率を意味し、次の式で表すことが出来る。
【0019】
【数1】
空隙率(%)={(V−W/ρ)/V}×100
(上記の式中、Vはマットの体積(cm3)、Wはサンプルの重量(g)、ρはゴム粒子の真比重を表す。)
【0020】
本発明のマットは、通常、ゴム粒子(1)と樹脂接着剤(2)から成るゲル状原料を型枠に流し込んで製造される。すなわち、本発明のマットの製造においては、先ず、充填剤含有の原料ゴムを粉砕処理してゴム粒子を得る。粉砕機としては、例えば、カッター式粉砕機や衝撃式粉砕機などを使用することが出来る。粉砕処理後は、前述の様に、例えば篩目がφ1mmの篩装置および篩目がφ5mmの篩装置を使用し、上記のゴム粒子を篩分処理して粒径が1〜5mmのゴム粒子(1)を選別する。
【0021】
次いで、ゴム粒子(1)と液状の樹脂接着剤(2)、例えば液状のウレタン樹脂とを100:10〜30(重量部)の割合で混合してゲル状原料を製造する。ゴム粒子(1)と樹脂接着剤(2)の混合操作においては、モルタルミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、インターミックスニーダー、オープンロール等のミキサーを使用することが出来る。
【0022】
続いて、型枠内に上記のゲル状原料を略マットの設定厚さに充填する。使用する型枠としては、内側底面が平滑表面に形成され且つ例えば平面形状が長方形に形成された上面開放型の扁平な型枠が使用される。型枠にゲル状原料を充填した後は、その表面を直線状のブレード又は平板状の金鏝などで均すことにより、一定高さの凹凸表面に形成する。そして、型枠内で樹脂接着剤(2)を常温または加温条件下で硬化させ、次いで、脱型することによりシート状のマットを得る。
【0023】
上記の型枠への充填、均し操作では、型枠における底面側を平滑面(図1において下面に相当する面であってゴム粒子(1)の露出高さが一定の面)に形成し、型枠における上面側を僅かな凹凸表面(図1において上面に相当する面であってゴム粒子(1)の露出高さが不揃いの面)に形成することにより、マットとして使用する場合の表面と裏面とを決定する。型枠の底面によって形成されるマットの一面、すなわち、図1における下面は、浴槽内で肌触りの良好な表面として使用される面であり、また、均し操作によって形成されるマットの他の一面、すなわち、図1における上面は、浴槽内で浴槽底面に密着させる裏面として使用される面である。
【0024】
本発明のマットは、上記の様に構成されており、ゴム粒子(1)を樹脂接着剤(2)にて相互に結合してシート状になされたその表面は、ゴム粒子(1)の微細な凹凸により滑り防止機能を発揮すると共に、使用時に触感で判別され得る様な凹凸がなく、肌触り性に関して良好な感触を有する。また、特定の真比重の充填剤含有ゴム粒子(1)を結合した構造および連通孔構造は、浴槽の水に投入した場合、マットの両表面間に亙って水を透過させ、マット自体を水中に直ちに沈ませる様に機能し、そして、連通孔構造によって特定の見掛比重になされた構成および特定の厚さ(t)になされた構成は、マットの全体重量を軽量化し、取扱い性を向上させる。
【0025】
換言すれば、本発明のマットは、浴槽の底部に敷設して使用した場合、ゴム粒子(1)の微細な凹凸によって滑りを防止することが出来、しかも、大きな凹凸がないため、肌触りが良好である。更に、浴槽の底部に敷設する場合、ゴム粒子(1)が特定の真比重であり且つ連通孔構造を備えているため、直ちに水中に沈ませることが出来、また、特定の見掛比重および特定の厚さ(t)に設定されているため、軽量で且つ折り曲げ等も容易であり、取扱い性に優れている。
【0026】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の浴槽用は、浴槽の底部に敷設して使用した場合、ゴム粒子の微細な凹凸によって滑りを防止することが出来、しかも、使用時の感触に優れている。更に、特定の真比重のゴム粒子の利用と連通孔構造により、使用時は水中に簡単に沈めることが出来、しかも、特定の見掛比重および特定の厚さに設定されていることにより、軽量で取扱い性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浴槽用マットの内部構造を示す図であり、厚さ方向に沿って破断した断面の模式図である。
【符号の説明】
1 :ゴム粒子
2 :樹脂接着剤(硬化後の樹脂)
t :厚さ
Claims (4)
- 真比重1.5〜2.5の充填剤含有ゴム粒子を樹脂接着剤にて相互に結合することにより、厚さが0.5〜20mmのシート状に形成され、かつ、連通孔構造に構成されることにより、見掛比重が1.0〜1.75に設定されていることを特徴とする浴槽用マット。
- ゴム粒子の粒径が1〜5mmである請求項1に記載の浴槽用マット。
- ゴム粒子に対する接着剤の使用割合が100:10〜30(重量部)である請求項1又は2に記載の浴槽用マット。
- 充填剤含有ゴム粒子と樹脂接着剤とを混合し、内側底面が平滑表面の型枠内に充填し、表面を均して一定高さの凹凸表面を形成した後に硬化させて成る請求項1〜3の何れかに記載の浴槽用マット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003054609A JP2004261367A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 浴槽用マット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003054609A JP2004261367A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 浴槽用マット |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004261367A true JP2004261367A (ja) | 2004-09-24 |
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ID=33118902
Family Applications (1)
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JP2003054609A Withdrawn JP2004261367A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 浴槽用マット |
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JP (1) | JP2004261367A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016055169A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 春 富 郭 | 滑り止めマット |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003054609A patent/JP2004261367A/ja not_active Withdrawn
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