JP2004261130A - 苔付パネルの立体配置構造 - Google Patents
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Abstract
【目的】苔を取付けた苔付パネルを立体配置して緑化を図る。
【構成】表面に苔を取付け、周囲を枠部材4により囲んだ苔付パネル3を単位サイズに形成し、複数枚を並べて隣接する枠部材4をジョイント金具5で連結することにより、上下左右等へ連続させて自由な形状にした広い面積の緑化壁2を形成する。この緑化壁2を壁面1から間隔を持たせて立設し、予め壁面に設けられているナットや植え込みボルト等を利用して、ジョイント金具5にて固定ボルト6で着脱自在に取付ける。これにより壁面1を緑化して景観を良好にするとともに、壁面へ植物接触させないので壁面を損なわない。
【選択図】図1
【構成】表面に苔を取付け、周囲を枠部材4により囲んだ苔付パネル3を単位サイズに形成し、複数枚を並べて隣接する枠部材4をジョイント金具5で連結することにより、上下左右等へ連続させて自由な形状にした広い面積の緑化壁2を形成する。この緑化壁2を壁面1から間隔を持たせて立設し、予め壁面に設けられているナットや植え込みボルト等を利用して、ジョイント金具5にて固定ボルト6で着脱自在に取付ける。これにより壁面1を緑化して景観を良好にするとともに、壁面へ植物接触させないので壁面を損なわない。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、苔付パネルを空間内へ立体配置して簡単に緑化できる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の壁面等を緑化するため、植物を植え込んだブロック状のものを作り、これを壁面へ重ねて覆うようにするものは公知である。また苔を群生させた苔シートを形成することも知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−134941号公報
【特許文献2】特開平4−70126号公報
【特許文献3】特開2002−186350号公報
【特許文献4】特開2000−43967号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法は、植物を直接壁面へ接触させるため、植物の根が壁面へ食い込むことになり、植物の根により壁面が破壊される。このため植物が枯れたり、撤去した後の壁面が汚くなり、これを修復するために多くの工数と費用を要した。したがって植物の根が壁面等と非接触の立体配置構造が望まれている。
【0005】
また、道路や庭などのように、ほぼ水平面内へある程度ラフな施工を許容されるものと異なり、都市景観等を良好にするための緑化では、周囲がぼろぼろ欠落したり見苦しくならないよう、きっちりとデザイン処理された輪郭をなしていることが必要である。したがって、市販されている芝生のように、単に定形ブロック状に切り出しただけのもの(以下、非デザイン処理体)は、このような条件に合致しない。特に、このような非デザイン処理体を単品で空間内へ立体配置して景観向上を図ることはその外観状不可能である。
【0006】
また、これらの非デザイン処理体を密に並べた状態で生育中に一部が枯れた場合、この部分を取り換えなければならないが、生長した植物は隣り合う非デザイン処理体の境界を越えて複雑に絡まり合っているので、その一部分を切り取り、新たな植物を前からある周囲部分と違和感のないようにはめ合わせなければならないから、手間が掛かりかつ至難のことであった。また野放し状態に伸て輪郭形状が乱れないようにする剪定や整枝等の形状保持に関するメンテナンスにも手間がかかった。したがって、デザイン処理された輪郭を備え、単品でも又は多数を組み合わせた場合でも、良好な外観を有する立体配置緑化物となり、かつ一部を交換することを容易にする等のメンテナンス性を向上させることが望まれている。
【0007】
さらに、植物の生育を管理するためには、十分な日光の照射や給水をしなければならないが、特に立体配置した場合にはこれらの管理が難しくなるから、生育管理を容易にすることも望まれる。
そこで本願発明は、これらの要請の実現を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の苔付パネルの立体配置構造に係る請求項1は、植物を壁面等に沿って立体配置することにより緑化するための構造において、表面に苔を一体化してその周囲に枠部材を取付けた苔付パネルを設け、この苔付パネルを前記枠部材にて、予め空間内へ立体配置された支持部材へ着脱自在に取付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2は、上記請求項1において、前記苔付パネルを単位サイズに形成し、この苔付パネルを複数並べて隣接する各枠部材のコーナーでジョイントにより連結して、前記支持場へ着脱自在に取付けることにより、空間内へ立体的に広がる広い面積の緑化壁を形成することを特徴とする。
【0010】
請求項3は、上記請求項2において、前記緑化壁は、建物等の壁面に沿って上下方向に立てられた支柱に対して着脱自在に取付けられことを特徴とする。
【0011】
請求項4は、上記請求項3において、前記支柱は前記壁面へ着脱自在に取付けられることを特徴とする。
【0012】
請求項5は、上記請求項1において、前記枠部材のうち、少なくとも一部をワイヤー部材で構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項6は、上記請求項1において、苔付パネルの傾斜角度を調節自在に取付けたことを特徴とする。
【0014】
請求項7は、上記請求項2において、前記支持部材の角度を調節自在にしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
表面に苔を一体化し周囲を枠部材で囲んだ単位サイズの苔付パネルを形成し、枠部材により立体配置された支持部材へ着脱自在に取付けたので、植物の根を直接壁面等へ接触させないようになり、壁面等を損なうことがなく、撤去後の壁面を修復する必要もない。
【0016】
また、苔付パネルは周囲を枠部材で囲まれて単位サイズをなしているから、単独で用いてもデザイン処理された緑化壁として景観を良好にすることができる。複数枚用いた場合はそれぞれの間で統一感が得られ、かつ多数枚を連続させた場合も周囲の形状をデザイン処理されたものとし、連続させるときの形状に関するデザインも容易になる。
【0017】
しかも、苔自体に根がないから、苔付パネルを立体配置しても、根が苔付パネルの外へ張り出して見苦しくなるようなこともない。さらに一部が枯れても、苔付パネルを一単位毎に交換できるので、交換が著しく容易になる。そのうえ、苔は多少の日光を水分のみがあれば良好に生育するとともに、繁りすぎて整枝等が必要になることもないから、常時全体を良好な生育状態に維持する生育管理やメンテナンス作業が容易である。
【0018】
また、枠部材を支柱間もしくは支持部材自体の傾きを変化させる角度調節手段を設けたので、この角度調節手段により随時苔付パネルの傾きを最適角度に傾斜させれば、日光及び雨水の苔面に対する供給を最適化できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
図1〜12は第1実施例に係り、多数の苔付パネルからなる緑化壁を壁面に沿って設けた例を示す。図1は施工後の正面図、図2は側面図、図3は各種のジョイント金具を示す図、図4は苔付パネルの構成図、図5は苔付パネルの断面図、図6はジョイント部を示す図、図7は図6の7−7線断面図、図8はジョイント金具の表側斜視図、図9は同裏側斜視図、図10及び図11は支柱の取付構造を示す図、図12は支柱の接地構造を示す図
【0020】
まず、図1及び図2において、建物のコンクリート等からなる壁面1と間隔をもって沿う適当面積の緑化壁2で覆うことにより緑化している。
緑化壁2は、サイズを規格化された苔付パネル3を多数上下・左右へ連続して構成された面積可変のものである。各苔付パネル3は周囲に枠部材4を有し、コーナー部のジョイント金具5により隣り合う苔付パネル3同士が連結されて、全体として単一の緑化壁2を形成している。
【0021】
苔付パネル3を一単位として、これを増減することにより自由に面積並びに上下・左右方向の寸法を壁面1に逢わせて変更することができ、かつ連結の仕方により、一部のみを高くもしくは低くする等して、形状を任意に変化させることにより、デザイン上の効果を上げることができる。このような連結の自由度はジョイント金具5による連結構造で実現される。
【0022】
緑化壁2は枠部材4の適所において、固定ボルト6により壁面1へ着脱自在に取付けられている。緑化壁2の下端は、脚部材7を介して接地部8へ着脱自在に固定されている。接地部8はコンクリートやタイル等からなる建造物の床もしくは地面等である。
【0023】
苔付パネル3は各種のジョイント金具5を示し、いずれもコーナー形状に即した形をなし、アルミ合金等の適宜金属や樹脂等を用いて鋳造もしくは射出成形等の適宜方法により成形される。なお図3中のABCDは図1中の同一符号部分に対応している。
【0024】
図3中のAは、図1のAで示したジョイント金具に相当し、4枚の苔付パネル3を連結するためのものであり、十字形をなす。
Bは図1のBで示したジョイント金具に相当し、2枚の苔付パネル3を連結するためのものであり略T字形をなす。
Cは図1のCで示したジョイント金具に相当し、1枚の苔付パネル3の連結しないコーナー部に設けられるものであり、略L字形をなす。
Dは脚部材7を示す。脚部材7はCのジョイント金具5へ取付けられる。
【0025】
図8〜9に示すように、十字形のジョイント金具5は、縦チャンネル10と横チャンネル11を十字形にクロスさせた形状に相当し、各チャンネルは、それぞれ枠部材4を嵌合する幅の略コ字状断面をなす。縦チャンネル10は上下へ通っており、横チャンネル11は縦チャンネル10に分断されて、その左右へ張り出す形状をなし、縦チャンネル10と横チャンネル11の交点部分に取付穴12が形成される。
【0026】
但し、縦チャンネル10を上下へ通さず、横チャンネル11で横切らせてもよい。一方のチャンネルを横切る他方のチャンネルの璧部は、枠部材4のストッパとなり、枠部材を連結するときの位置決めを容易にする。なお縦横のチャンネル10、11をそれぞれ中央で分断してもよい。
【0027】
取付穴12は固定ボルト6を通すためのものであり、この穴を中心して、四方へ腕状に延出する各縦チャンネル10及び横チャンネル11の凹部内には、ナットが形成されたボス13が一体に突出形成され、その上端部は縦チャンネル10及び横チャンネル11と面一になっている。
【0028】
図4に示すように、苔付パネル3は、略正方形の樹脂又は鉄やアルミ合金等の金属製板状をなすプレート14の前面に苔保持体15を重ね、接着又はタッカー止め等によって固定して苔付パネル3を構成したものである。プレート14及び苔保持体15の各コーナーには取付穴16,17が形成されている。
【0029】
苔付パネル3の周囲には枠部材4が取付けられる。枠部材4はチャンネル状をなし、プレート14の一辺の長さよりも若干長く、その長さ方向両端にはジョイント金具5のボス13と重ねる通し穴18が形成されている。
【0030】
各枠部材4はジョイント金具5の縦チャンネル10又は横チャンネル11内へ嵌合されて、その通し穴18をボス13と一致させ、かつこれらの裏側にアダプタ20を重ねてボルトにより一体化される
【0031】
アダプタ20は略正方形の板状をなし、各辺の中央部にボス13及び通し穴18と一致するジョイント取付穴21が形成されている。また、各コーナー部には苔付パネル3の取付穴16及び取付穴17と一致するパネル取付穴22が形成されている。
【0032】
そこで図6及び図7に示すように、1つのジョイント金具5に対して4つ7の枠部材4をボス13,取付穴16及びジョイント取付穴21に通したボルト27及びナット28で締結すれば、1つのジョイント金具5に対して4つの枠部材4が取付けられる。
【0033】
これを繰り返せば、一枚の苔付パネル3を一単位として、その使用数分の面積をなす緑化壁2を自由に形成できる。なお、緑化壁2の周囲部分は図3のB及びCに示すジョイント金具5を採用すればきれいに縁取りできる。
【0034】
図5に示すように、苔保持体15は不織布等からなり、苔を付着させ、かつその生育床となる基層23と表面のネット24との間に苔25を挟み、適所をキルティング状にミシン糸等による中間接合部26としたものであり、プレート14の大きさと同一サイズに形成する。
【0035】
苔25は所定量の日光と水分が与えられると活性化し、不足すると仮死状態になって休眠する苔であり、例えば、すな苔とはい苔を混合したものが知られている。このような苔シートの市販品としては有限会社モスキャッチシステム製の商品名モスキャッチがある。
【0036】
このような市販苔シートは比較的大きな規格サイズをなすので、これを必要サイズにするため任意の数に分割して使用できる。但しそのまま使用することも可能である。
【0037】
図10は、壁面固定の一例であり、予め壁面1にナット31が植え込まれている形式の場合は、ジョイント金具5の取付穴12に通して苔付パネル3の裏面でナット29で固定された固定ボルト6は、長ボルトであって軸部30がさらに延出して直接ナット31へ締結してさらに別のナット32で締め付ければ、壁面1に対して緑化壁2を適当距離を保った状態でかつ壁面1に何も加工せずに着脱自在の取付ができる。
【0038】
図11は壁面1に予めアンカーボルト33が設けられている場合の取付例であり、この場合はジョイントナット34を介して固定ボルト6を取付け、別のナット35で締め付けることにより同様の取付けができる。
【0039】
図12は壁面1が薄く、かつ予め貫通穴が設けられている場合であり、この場合には壁面1へ固定ボルト6の軸部30を貫通させ、壁面1の前後からナット36,37で締めることにより取付ける。なお、図10〜12ジョイント金具5は図3のBタイプである。
【0040】
図13は下端の取付例であり、緑化壁2の下端部をなすジョイント金具5(図3のCタイプ)を脚部材7へ固定ボルト6及びナット38で取付ける。脚部材7は樹脂やゴム等の比較的接触が柔らかく相手側を傷つけにくい材料からなり、接地部8上に摩擦で固定される。なお、接地部8が他面の場合には、脚部材7を杭のように他面へ打ち込んでもよい。
【0041】
このようにすると、表面に苔25を一体化し周囲を枠部材4で囲んだ単位サイズの苔付パネル3を形成し、枠部材4の一部をなすジョイント金具5により立体配置された支持部材である壁面1へ着脱自在に取付けたので、植物の根を直接壁面1へ接触させないようになり、壁面1を損なうことがなく、撤去後の壁面1を修復する必要もない。
【0042】
また、苔付パネル3は周囲を枠部材4で囲まれて単位サイズをなしているから、複数枚用いても統一感が得られ、かつ多数枚を連続させた場合も周囲の形状をデザイン処理されたものとし、連続させるときの形状に関するデザインも容易になる。しかも、苔自体に根がないから、苔付パネル3を立体配置しても、根が苔付パネル3の外へ張り出して見苦しくなるようなこともない。
また、一部が枯れても、苔付パネル3を一単位毎に交換できるので、交換が著しく容易になる。そのうえ、苔25は多少の日光を水分のみがあれば良好に生育するとともに、繁りすぎて整枝等が必要になることもないから、常時全体を良好な生育状態に維持する生育管理やメンテナンス作業が容易である。
【0043】
図14〜20により第2実施例を説明する。この例は枠部材4をワイヤータイプとし、かつ緑化壁2の取付けを支柱を介して行うものである。
【0044】
この実施例における枠部材は一対の丸棒状等からなる金属又は樹脂製のワイヤー40であり、図16,17に明らかなように、各縦チャンネル10,横チャンネル11へ入れた一対のワイヤー40の中間へボルト27を入れ、その頭部で両側のワイヤー40を固定する。なお、縦チャンネル10を通るワイヤー40は、配列する複数の苔付パネル3の枚数分の合計長さと一致するようになっている。このようにすると、ワイヤー40を曲げることにより、緑化壁2全体を自由に湾曲させることができる。
【0045】
また、この例では、図14に示すように上半部に苔付パネル3を設けず下半部のみに苔付パネル3を設けてある。これは取付相手の関係上採用される構造であり、上半部のワイヤー40は中間部の専用ジョイント41を介してポール42へ取付けられる。専用ジョイント41は略チャンネル状をなし、中央の取付穴12を挟んで両側にボス13が設けられる。
【0046】
この緑化壁2のポールに対する取付構造を図18に示す。この図は、図16及び17のジョイント金具5の部分で取付ける例であり、中央の取付穴12に固定ボルト6を通し、その軸部30をさらにポール42を貫通して横断させ、ナット36,37で着脱自在に連結する。この取付構造は図12とほぼ同じである。
【0047】
図19は取付構造の別例であり、角筒状のポール42に適用したものである。固定ボルト6はコ字状ブラケット43へナット44及び,45で取付けられる。コ字状ブラケット43はポール42の周囲に嵌合し、その一側に設けた固定ボルト46を締め込んでその先端に設けた押さえプレート47をポール42の表面へ押し付けることにより固定する。
【0048】
図20はポール42の上端部における固定構造を示し、壁面1の上部に引き掛けられたコ字状ブラケット48の一辺に固定ボルト49を設け、その先端をL字金具50の上端に設けたナット51へ結合し、固定ボルト49をねじ込むことにより、上端51を壁面1の表面へ押し付けるようになっている。
【0049】
L字金具50の他端52はボルト53によりポール42の上端部へ固定されている。したがって、壁面1に対してポール42を容易かつ着脱自在に固定できる。下端部側は前実施例同様である。
【0050】
このようにすると、立体は位置された支持部材としてポール42を利用できることになり、その接地も容易である。したがって、本来、支持部材がない部屋の中央部等に対しても容易に支持部材を設けることができる。
【0051】
図21〜23に第3実施例を示す。この実施例では苔付パネル3は連続せず、孤立してポール42へ取付けられている。しかし、枠部材4の各コーナーに設けられたジョイント金具5(図3のCタイプ)の取付穴12(図3参照)を利用してから裏面中央へ向かって取付フレーム54を突出させ、中央でコ字状ブラケット55へ連結している。
【0052】
コ字状ブラケット55はポール42を横断方向へ貫通するボルト56及びナット57で取付け、緩めることにより苔付パネル3の角度調節を自在として、所望の傾斜角度でボルト56及びナット57を締め付けて固定する。
【0053】
このように、苔付パネル3を連続させずに独立して用いても、周囲を枠部材4で囲まれているから、輪郭が美しいデザイン処理されたものになり、景観を良好にすることができる。また、苔付パネル3の角度調節手段を設けたので、この角度調節手段により随時苔付パネル3の傾きを最適角度に傾斜させることができ、日光及び雨水の苔面に対する供給を簡単にでき、かつ最適化できるので、苔の生育管理が容易になる。
【0054】
図24〜26は第4実施例であり、この例では平行して設けられた一対のポール42間に長尺ボルト58を掛け渡して先端をナット59で締結するとともに、苔付パネル3を上下2枚が連結された緑化壁2の上下方向中間部のジョイント金具5(図3のBタイプ)にて取付穴12を利用して取付けられた図示しないブラケットを介してこの長尺ボルト58へ取付ける。
【0055】
ナット59を緩めて長尺ボルト58を回転させれば、長尺ボルト58と一体緑化壁2を回動させて2枚の苔付パネル3を同時に傾斜させることができる。所定角度に調整してから、ナット59を締め付ければこの傾斜状態を固定できる。このようにすれば、角度調整機構が簡単になるとともに、複数枚の苔付パネル3を同時に角度調整できる。
【0056】
図26は脚部の構造を示し、パイプ状をなすポール42の下端部開口へ樹脂又はゴム製の脚60の首部61を嵌合している。
【0057】
図27〜28は第5実施例であり、この例では、第3実施例同様の取付フレーム54の端部にネジ部を形成して略2つ折り状にした取付プレート62へ貫通させ、さらにその裏に置かれたブラケット63を貫通させてナット64で固定する。取付プレート62の二つ折り部分に形成されたリング状部65に横バー66を通し、この横バー66を平行する一対のポール42間に掛け渡した構造である。ナット64の締め付けを調節することにより、リング状部65の横バー66に対する締め付けを調整することにより角度調節が自在になる。
【0058】
図29〜30は第6実施例であり、苔付パネル3の下端部を所定長さのカラー70を介することにより、長尺にされたボルト27の締結時に苔付パネル3を傾けることができる。この場合、苔付パネル3は、苔保持体15の下端部が枠部材4から浮き上がることになる(図30)。カラー70はボス13に被せるか、継ぎ足して用いる。カラー70の長さを選択することにより角度を自由に設定でき、苔付パネル3の最も簡単な角度調整が可能になる。
【0059】
図31〜33は第7実施例であり、この実施例はスタンド式ディスプレイとして構成してある。すなわち、スタンドフレーム80と脚81からなり、スタンドフレーム80と脚81の開き角を調節することにより、スタンドフレーム80の傾きを調節自在とする。
【0060】
また、スタンドフレーム80は上下方向へ3個分の苔付パネル3が入るスペースとし、上段に苔付パネル3を取付け、中段を広告等の表示パネル82が入るスペースとし、下段は空間にしてウエイト83を設けてある。スタンドフレーム80は、図4に示した構成部品である枠部材4とジョイント金具5を利用して形成され、これまで述べたようにしてアダプター20を介して苔付パネル3を取付ける。但し、空間となる下段部分は、必要により不使用の部分が見えないよう、アダプター20を変形して用いる。また中段のスタンドフレーム80の側部には特別に加工して脚81の上端部を回動自在に取付ける。
【0061】
ウエイト83には、図33に示すように、正面上部の目に付きやすい部分に苔84を植え付け、かつ底部には凹部85を設けて、スタンドフレーム80及び脚81の略下部に設けた横バー86,87に係合するようになっている。この凹部85を適当間隔で前後方向へ多数設ければスタンドフレーム80と脚81の開き角を簡単に調節することもできる。
【0062】
このようにすれば、緑化壁2をスタンド式デスプレイとして手軽に設置できるとともに、苔以外の表示も併設できる。また、スタンドフレーム80が支持部材になるとともに、支持部材自体を最も簡単に角度調整できる。
【0063】
図34〜35は第8実施例である。この例は変形した苔部分を有するものに関し、これまでと違って、単位サイズのプレート14の一部に変形した苔部分を設けるものである。この場合、所定形状(例えば文字や記号もしくはパターン等)に切り抜いた基層23を形成し、その上に苔25を載せ、さらに同形状にカットしたアルミ合金製ネット24を重ねてタッカー90で一体化することにより苔保持体15を構成したものである。
【0064】
このようにした苔保持体15をプレート14上に取付けて、苔を活性化させれば、アルミ合金製ネット24を覆って、苔が生長してして所定の形状をなし、苔による文字や模様を形成して、景観を良好にするグリーンデイスプレイになるとともに、ある種の情報伝達手段としても利用できる。
【0065】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々に変形や応用が可能であり、例えば、支持部材は空間内に立体配置されたものならば、壁やポール等に限らず種々可能であり、ネットフェンス等でもよい。またプレート14の厚さが十分であれば、苔には根が無いのでこれが壁面へ食い込むおそれがないから、必ずしも壁面から離して取付ける必要はない。要は撤去時に取付跡を残さないようにできればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る施工後の正面図
【図2】その側面図
【図3】各種のジョイント金具を示す図
【図4】苔付パネルの構成図
【図5】苔付パネルの断面図
【図6】ジョイント部を示す図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】ジョイント金具の表側斜視図
【図9】同裏側斜視図
【図10】壁面へ取付構造を示す図
【図11】壁面への他の取付構造を示す図
【図12】壁面へのさらに別の取付構造を示す図
【図13】下端部の接地構造を示す図
【図14】第2実施例に係る緑化壁の正面図
【図15】その側面図
【図16】ジョイント部の正面図
【図17】図16の17−17線断面図
【図18】支柱の取付構造を示す図
【図19】支柱の他の取付構造を示す図
【図20】支柱の上端部に対する支持構造を示す図
【図21】第3実施例に係る緑化壁の正面図
【図22】その側面図
【図23】支柱に対する取付構造を示す斜視図
【図24】第4実施例に係る緑化壁の正面図
【図25】その側面図
【図26】支柱下端部の接地構造を示す図
【図27】第5実施例に係る緑化壁の正面図
【図28】その要部側面図
【図29】第6実施例に係る断面図
【図30】その部分拡大図
【図31】第7実施例に係る斜視図
【図32】その部分拡大図
【図33】ウエイト部の断面図
【図34】第8実施例に係る苔保持体を示す図
【図35】図34の35−35線断面図
【符号の説明】1:壁面、2:緑化壁、3:苔付パネル、4:枠部材、5:ジョイント金具、6:固定ボルト、7:脚部材、8:接地部、15:苔補自体、20:アダプター、40:ワイヤー、42:ポール、54:取付フレーム、80:スタンドフレーム
【発明の属する技術分野】
この発明は、苔付パネルを空間内へ立体配置して簡単に緑化できる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の壁面等を緑化するため、植物を植え込んだブロック状のものを作り、これを壁面へ重ねて覆うようにするものは公知である。また苔を群生させた苔シートを形成することも知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−134941号公報
【特許文献2】特開平4−70126号公報
【特許文献3】特開2002−186350号公報
【特許文献4】特開2000−43967号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法は、植物を直接壁面へ接触させるため、植物の根が壁面へ食い込むことになり、植物の根により壁面が破壊される。このため植物が枯れたり、撤去した後の壁面が汚くなり、これを修復するために多くの工数と費用を要した。したがって植物の根が壁面等と非接触の立体配置構造が望まれている。
【0005】
また、道路や庭などのように、ほぼ水平面内へある程度ラフな施工を許容されるものと異なり、都市景観等を良好にするための緑化では、周囲がぼろぼろ欠落したり見苦しくならないよう、きっちりとデザイン処理された輪郭をなしていることが必要である。したがって、市販されている芝生のように、単に定形ブロック状に切り出しただけのもの(以下、非デザイン処理体)は、このような条件に合致しない。特に、このような非デザイン処理体を単品で空間内へ立体配置して景観向上を図ることはその外観状不可能である。
【0006】
また、これらの非デザイン処理体を密に並べた状態で生育中に一部が枯れた場合、この部分を取り換えなければならないが、生長した植物は隣り合う非デザイン処理体の境界を越えて複雑に絡まり合っているので、その一部分を切り取り、新たな植物を前からある周囲部分と違和感のないようにはめ合わせなければならないから、手間が掛かりかつ至難のことであった。また野放し状態に伸て輪郭形状が乱れないようにする剪定や整枝等の形状保持に関するメンテナンスにも手間がかかった。したがって、デザイン処理された輪郭を備え、単品でも又は多数を組み合わせた場合でも、良好な外観を有する立体配置緑化物となり、かつ一部を交換することを容易にする等のメンテナンス性を向上させることが望まれている。
【0007】
さらに、植物の生育を管理するためには、十分な日光の照射や給水をしなければならないが、特に立体配置した場合にはこれらの管理が難しくなるから、生育管理を容易にすることも望まれる。
そこで本願発明は、これらの要請の実現を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の苔付パネルの立体配置構造に係る請求項1は、植物を壁面等に沿って立体配置することにより緑化するための構造において、表面に苔を一体化してその周囲に枠部材を取付けた苔付パネルを設け、この苔付パネルを前記枠部材にて、予め空間内へ立体配置された支持部材へ着脱自在に取付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2は、上記請求項1において、前記苔付パネルを単位サイズに形成し、この苔付パネルを複数並べて隣接する各枠部材のコーナーでジョイントにより連結して、前記支持場へ着脱自在に取付けることにより、空間内へ立体的に広がる広い面積の緑化壁を形成することを特徴とする。
【0010】
請求項3は、上記請求項2において、前記緑化壁は、建物等の壁面に沿って上下方向に立てられた支柱に対して着脱自在に取付けられことを特徴とする。
【0011】
請求項4は、上記請求項3において、前記支柱は前記壁面へ着脱自在に取付けられることを特徴とする。
【0012】
請求項5は、上記請求項1において、前記枠部材のうち、少なくとも一部をワイヤー部材で構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項6は、上記請求項1において、苔付パネルの傾斜角度を調節自在に取付けたことを特徴とする。
【0014】
請求項7は、上記請求項2において、前記支持部材の角度を調節自在にしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の効果】
表面に苔を一体化し周囲を枠部材で囲んだ単位サイズの苔付パネルを形成し、枠部材により立体配置された支持部材へ着脱自在に取付けたので、植物の根を直接壁面等へ接触させないようになり、壁面等を損なうことがなく、撤去後の壁面を修復する必要もない。
【0016】
また、苔付パネルは周囲を枠部材で囲まれて単位サイズをなしているから、単独で用いてもデザイン処理された緑化壁として景観を良好にすることができる。複数枚用いた場合はそれぞれの間で統一感が得られ、かつ多数枚を連続させた場合も周囲の形状をデザイン処理されたものとし、連続させるときの形状に関するデザインも容易になる。
【0017】
しかも、苔自体に根がないから、苔付パネルを立体配置しても、根が苔付パネルの外へ張り出して見苦しくなるようなこともない。さらに一部が枯れても、苔付パネルを一単位毎に交換できるので、交換が著しく容易になる。そのうえ、苔は多少の日光を水分のみがあれば良好に生育するとともに、繁りすぎて整枝等が必要になることもないから、常時全体を良好な生育状態に維持する生育管理やメンテナンス作業が容易である。
【0018】
また、枠部材を支柱間もしくは支持部材自体の傾きを変化させる角度調節手段を設けたので、この角度調節手段により随時苔付パネルの傾きを最適角度に傾斜させれば、日光及び雨水の苔面に対する供給を最適化できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
図1〜12は第1実施例に係り、多数の苔付パネルからなる緑化壁を壁面に沿って設けた例を示す。図1は施工後の正面図、図2は側面図、図3は各種のジョイント金具を示す図、図4は苔付パネルの構成図、図5は苔付パネルの断面図、図6はジョイント部を示す図、図7は図6の7−7線断面図、図8はジョイント金具の表側斜視図、図9は同裏側斜視図、図10及び図11は支柱の取付構造を示す図、図12は支柱の接地構造を示す図
【0020】
まず、図1及び図2において、建物のコンクリート等からなる壁面1と間隔をもって沿う適当面積の緑化壁2で覆うことにより緑化している。
緑化壁2は、サイズを規格化された苔付パネル3を多数上下・左右へ連続して構成された面積可変のものである。各苔付パネル3は周囲に枠部材4を有し、コーナー部のジョイント金具5により隣り合う苔付パネル3同士が連結されて、全体として単一の緑化壁2を形成している。
【0021】
苔付パネル3を一単位として、これを増減することにより自由に面積並びに上下・左右方向の寸法を壁面1に逢わせて変更することができ、かつ連結の仕方により、一部のみを高くもしくは低くする等して、形状を任意に変化させることにより、デザイン上の効果を上げることができる。このような連結の自由度はジョイント金具5による連結構造で実現される。
【0022】
緑化壁2は枠部材4の適所において、固定ボルト6により壁面1へ着脱自在に取付けられている。緑化壁2の下端は、脚部材7を介して接地部8へ着脱自在に固定されている。接地部8はコンクリートやタイル等からなる建造物の床もしくは地面等である。
【0023】
苔付パネル3は各種のジョイント金具5を示し、いずれもコーナー形状に即した形をなし、アルミ合金等の適宜金属や樹脂等を用いて鋳造もしくは射出成形等の適宜方法により成形される。なお図3中のABCDは図1中の同一符号部分に対応している。
【0024】
図3中のAは、図1のAで示したジョイント金具に相当し、4枚の苔付パネル3を連結するためのものであり、十字形をなす。
Bは図1のBで示したジョイント金具に相当し、2枚の苔付パネル3を連結するためのものであり略T字形をなす。
Cは図1のCで示したジョイント金具に相当し、1枚の苔付パネル3の連結しないコーナー部に設けられるものであり、略L字形をなす。
Dは脚部材7を示す。脚部材7はCのジョイント金具5へ取付けられる。
【0025】
図8〜9に示すように、十字形のジョイント金具5は、縦チャンネル10と横チャンネル11を十字形にクロスさせた形状に相当し、各チャンネルは、それぞれ枠部材4を嵌合する幅の略コ字状断面をなす。縦チャンネル10は上下へ通っており、横チャンネル11は縦チャンネル10に分断されて、その左右へ張り出す形状をなし、縦チャンネル10と横チャンネル11の交点部分に取付穴12が形成される。
【0026】
但し、縦チャンネル10を上下へ通さず、横チャンネル11で横切らせてもよい。一方のチャンネルを横切る他方のチャンネルの璧部は、枠部材4のストッパとなり、枠部材を連結するときの位置決めを容易にする。なお縦横のチャンネル10、11をそれぞれ中央で分断してもよい。
【0027】
取付穴12は固定ボルト6を通すためのものであり、この穴を中心して、四方へ腕状に延出する各縦チャンネル10及び横チャンネル11の凹部内には、ナットが形成されたボス13が一体に突出形成され、その上端部は縦チャンネル10及び横チャンネル11と面一になっている。
【0028】
図4に示すように、苔付パネル3は、略正方形の樹脂又は鉄やアルミ合金等の金属製板状をなすプレート14の前面に苔保持体15を重ね、接着又はタッカー止め等によって固定して苔付パネル3を構成したものである。プレート14及び苔保持体15の各コーナーには取付穴16,17が形成されている。
【0029】
苔付パネル3の周囲には枠部材4が取付けられる。枠部材4はチャンネル状をなし、プレート14の一辺の長さよりも若干長く、その長さ方向両端にはジョイント金具5のボス13と重ねる通し穴18が形成されている。
【0030】
各枠部材4はジョイント金具5の縦チャンネル10又は横チャンネル11内へ嵌合されて、その通し穴18をボス13と一致させ、かつこれらの裏側にアダプタ20を重ねてボルトにより一体化される
【0031】
アダプタ20は略正方形の板状をなし、各辺の中央部にボス13及び通し穴18と一致するジョイント取付穴21が形成されている。また、各コーナー部には苔付パネル3の取付穴16及び取付穴17と一致するパネル取付穴22が形成されている。
【0032】
そこで図6及び図7に示すように、1つのジョイント金具5に対して4つ7の枠部材4をボス13,取付穴16及びジョイント取付穴21に通したボルト27及びナット28で締結すれば、1つのジョイント金具5に対して4つの枠部材4が取付けられる。
【0033】
これを繰り返せば、一枚の苔付パネル3を一単位として、その使用数分の面積をなす緑化壁2を自由に形成できる。なお、緑化壁2の周囲部分は図3のB及びCに示すジョイント金具5を採用すればきれいに縁取りできる。
【0034】
図5に示すように、苔保持体15は不織布等からなり、苔を付着させ、かつその生育床となる基層23と表面のネット24との間に苔25を挟み、適所をキルティング状にミシン糸等による中間接合部26としたものであり、プレート14の大きさと同一サイズに形成する。
【0035】
苔25は所定量の日光と水分が与えられると活性化し、不足すると仮死状態になって休眠する苔であり、例えば、すな苔とはい苔を混合したものが知られている。このような苔シートの市販品としては有限会社モスキャッチシステム製の商品名モスキャッチがある。
【0036】
このような市販苔シートは比較的大きな規格サイズをなすので、これを必要サイズにするため任意の数に分割して使用できる。但しそのまま使用することも可能である。
【0037】
図10は、壁面固定の一例であり、予め壁面1にナット31が植え込まれている形式の場合は、ジョイント金具5の取付穴12に通して苔付パネル3の裏面でナット29で固定された固定ボルト6は、長ボルトであって軸部30がさらに延出して直接ナット31へ締結してさらに別のナット32で締め付ければ、壁面1に対して緑化壁2を適当距離を保った状態でかつ壁面1に何も加工せずに着脱自在の取付ができる。
【0038】
図11は壁面1に予めアンカーボルト33が設けられている場合の取付例であり、この場合はジョイントナット34を介して固定ボルト6を取付け、別のナット35で締め付けることにより同様の取付けができる。
【0039】
図12は壁面1が薄く、かつ予め貫通穴が設けられている場合であり、この場合には壁面1へ固定ボルト6の軸部30を貫通させ、壁面1の前後からナット36,37で締めることにより取付ける。なお、図10〜12ジョイント金具5は図3のBタイプである。
【0040】
図13は下端の取付例であり、緑化壁2の下端部をなすジョイント金具5(図3のCタイプ)を脚部材7へ固定ボルト6及びナット38で取付ける。脚部材7は樹脂やゴム等の比較的接触が柔らかく相手側を傷つけにくい材料からなり、接地部8上に摩擦で固定される。なお、接地部8が他面の場合には、脚部材7を杭のように他面へ打ち込んでもよい。
【0041】
このようにすると、表面に苔25を一体化し周囲を枠部材4で囲んだ単位サイズの苔付パネル3を形成し、枠部材4の一部をなすジョイント金具5により立体配置された支持部材である壁面1へ着脱自在に取付けたので、植物の根を直接壁面1へ接触させないようになり、壁面1を損なうことがなく、撤去後の壁面1を修復する必要もない。
【0042】
また、苔付パネル3は周囲を枠部材4で囲まれて単位サイズをなしているから、複数枚用いても統一感が得られ、かつ多数枚を連続させた場合も周囲の形状をデザイン処理されたものとし、連続させるときの形状に関するデザインも容易になる。しかも、苔自体に根がないから、苔付パネル3を立体配置しても、根が苔付パネル3の外へ張り出して見苦しくなるようなこともない。
また、一部が枯れても、苔付パネル3を一単位毎に交換できるので、交換が著しく容易になる。そのうえ、苔25は多少の日光を水分のみがあれば良好に生育するとともに、繁りすぎて整枝等が必要になることもないから、常時全体を良好な生育状態に維持する生育管理やメンテナンス作業が容易である。
【0043】
図14〜20により第2実施例を説明する。この例は枠部材4をワイヤータイプとし、かつ緑化壁2の取付けを支柱を介して行うものである。
【0044】
この実施例における枠部材は一対の丸棒状等からなる金属又は樹脂製のワイヤー40であり、図16,17に明らかなように、各縦チャンネル10,横チャンネル11へ入れた一対のワイヤー40の中間へボルト27を入れ、その頭部で両側のワイヤー40を固定する。なお、縦チャンネル10を通るワイヤー40は、配列する複数の苔付パネル3の枚数分の合計長さと一致するようになっている。このようにすると、ワイヤー40を曲げることにより、緑化壁2全体を自由に湾曲させることができる。
【0045】
また、この例では、図14に示すように上半部に苔付パネル3を設けず下半部のみに苔付パネル3を設けてある。これは取付相手の関係上採用される構造であり、上半部のワイヤー40は中間部の専用ジョイント41を介してポール42へ取付けられる。専用ジョイント41は略チャンネル状をなし、中央の取付穴12を挟んで両側にボス13が設けられる。
【0046】
この緑化壁2のポールに対する取付構造を図18に示す。この図は、図16及び17のジョイント金具5の部分で取付ける例であり、中央の取付穴12に固定ボルト6を通し、その軸部30をさらにポール42を貫通して横断させ、ナット36,37で着脱自在に連結する。この取付構造は図12とほぼ同じである。
【0047】
図19は取付構造の別例であり、角筒状のポール42に適用したものである。固定ボルト6はコ字状ブラケット43へナット44及び,45で取付けられる。コ字状ブラケット43はポール42の周囲に嵌合し、その一側に設けた固定ボルト46を締め込んでその先端に設けた押さえプレート47をポール42の表面へ押し付けることにより固定する。
【0048】
図20はポール42の上端部における固定構造を示し、壁面1の上部に引き掛けられたコ字状ブラケット48の一辺に固定ボルト49を設け、その先端をL字金具50の上端に設けたナット51へ結合し、固定ボルト49をねじ込むことにより、上端51を壁面1の表面へ押し付けるようになっている。
【0049】
L字金具50の他端52はボルト53によりポール42の上端部へ固定されている。したがって、壁面1に対してポール42を容易かつ着脱自在に固定できる。下端部側は前実施例同様である。
【0050】
このようにすると、立体は位置された支持部材としてポール42を利用できることになり、その接地も容易である。したがって、本来、支持部材がない部屋の中央部等に対しても容易に支持部材を設けることができる。
【0051】
図21〜23に第3実施例を示す。この実施例では苔付パネル3は連続せず、孤立してポール42へ取付けられている。しかし、枠部材4の各コーナーに設けられたジョイント金具5(図3のCタイプ)の取付穴12(図3参照)を利用してから裏面中央へ向かって取付フレーム54を突出させ、中央でコ字状ブラケット55へ連結している。
【0052】
コ字状ブラケット55はポール42を横断方向へ貫通するボルト56及びナット57で取付け、緩めることにより苔付パネル3の角度調節を自在として、所望の傾斜角度でボルト56及びナット57を締め付けて固定する。
【0053】
このように、苔付パネル3を連続させずに独立して用いても、周囲を枠部材4で囲まれているから、輪郭が美しいデザイン処理されたものになり、景観を良好にすることができる。また、苔付パネル3の角度調節手段を設けたので、この角度調節手段により随時苔付パネル3の傾きを最適角度に傾斜させることができ、日光及び雨水の苔面に対する供給を簡単にでき、かつ最適化できるので、苔の生育管理が容易になる。
【0054】
図24〜26は第4実施例であり、この例では平行して設けられた一対のポール42間に長尺ボルト58を掛け渡して先端をナット59で締結するとともに、苔付パネル3を上下2枚が連結された緑化壁2の上下方向中間部のジョイント金具5(図3のBタイプ)にて取付穴12を利用して取付けられた図示しないブラケットを介してこの長尺ボルト58へ取付ける。
【0055】
ナット59を緩めて長尺ボルト58を回転させれば、長尺ボルト58と一体緑化壁2を回動させて2枚の苔付パネル3を同時に傾斜させることができる。所定角度に調整してから、ナット59を締め付ければこの傾斜状態を固定できる。このようにすれば、角度調整機構が簡単になるとともに、複数枚の苔付パネル3を同時に角度調整できる。
【0056】
図26は脚部の構造を示し、パイプ状をなすポール42の下端部開口へ樹脂又はゴム製の脚60の首部61を嵌合している。
【0057】
図27〜28は第5実施例であり、この例では、第3実施例同様の取付フレーム54の端部にネジ部を形成して略2つ折り状にした取付プレート62へ貫通させ、さらにその裏に置かれたブラケット63を貫通させてナット64で固定する。取付プレート62の二つ折り部分に形成されたリング状部65に横バー66を通し、この横バー66を平行する一対のポール42間に掛け渡した構造である。ナット64の締め付けを調節することにより、リング状部65の横バー66に対する締め付けを調整することにより角度調節が自在になる。
【0058】
図29〜30は第6実施例であり、苔付パネル3の下端部を所定長さのカラー70を介することにより、長尺にされたボルト27の締結時に苔付パネル3を傾けることができる。この場合、苔付パネル3は、苔保持体15の下端部が枠部材4から浮き上がることになる(図30)。カラー70はボス13に被せるか、継ぎ足して用いる。カラー70の長さを選択することにより角度を自由に設定でき、苔付パネル3の最も簡単な角度調整が可能になる。
【0059】
図31〜33は第7実施例であり、この実施例はスタンド式ディスプレイとして構成してある。すなわち、スタンドフレーム80と脚81からなり、スタンドフレーム80と脚81の開き角を調節することにより、スタンドフレーム80の傾きを調節自在とする。
【0060】
また、スタンドフレーム80は上下方向へ3個分の苔付パネル3が入るスペースとし、上段に苔付パネル3を取付け、中段を広告等の表示パネル82が入るスペースとし、下段は空間にしてウエイト83を設けてある。スタンドフレーム80は、図4に示した構成部品である枠部材4とジョイント金具5を利用して形成され、これまで述べたようにしてアダプター20を介して苔付パネル3を取付ける。但し、空間となる下段部分は、必要により不使用の部分が見えないよう、アダプター20を変形して用いる。また中段のスタンドフレーム80の側部には特別に加工して脚81の上端部を回動自在に取付ける。
【0061】
ウエイト83には、図33に示すように、正面上部の目に付きやすい部分に苔84を植え付け、かつ底部には凹部85を設けて、スタンドフレーム80及び脚81の略下部に設けた横バー86,87に係合するようになっている。この凹部85を適当間隔で前後方向へ多数設ければスタンドフレーム80と脚81の開き角を簡単に調節することもできる。
【0062】
このようにすれば、緑化壁2をスタンド式デスプレイとして手軽に設置できるとともに、苔以外の表示も併設できる。また、スタンドフレーム80が支持部材になるとともに、支持部材自体を最も簡単に角度調整できる。
【0063】
図34〜35は第8実施例である。この例は変形した苔部分を有するものに関し、これまでと違って、単位サイズのプレート14の一部に変形した苔部分を設けるものである。この場合、所定形状(例えば文字や記号もしくはパターン等)に切り抜いた基層23を形成し、その上に苔25を載せ、さらに同形状にカットしたアルミ合金製ネット24を重ねてタッカー90で一体化することにより苔保持体15を構成したものである。
【0064】
このようにした苔保持体15をプレート14上に取付けて、苔を活性化させれば、アルミ合金製ネット24を覆って、苔が生長してして所定の形状をなし、苔による文字や模様を形成して、景観を良好にするグリーンデイスプレイになるとともに、ある種の情報伝達手段としても利用できる。
【0065】
なお、本願発明は上記実施例に限定されず種々に変形や応用が可能であり、例えば、支持部材は空間内に立体配置されたものならば、壁やポール等に限らず種々可能であり、ネットフェンス等でもよい。またプレート14の厚さが十分であれば、苔には根が無いのでこれが壁面へ食い込むおそれがないから、必ずしも壁面から離して取付ける必要はない。要は撤去時に取付跡を残さないようにできればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る施工後の正面図
【図2】その側面図
【図3】各種のジョイント金具を示す図
【図4】苔付パネルの構成図
【図5】苔付パネルの断面図
【図6】ジョイント部を示す図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】ジョイント金具の表側斜視図
【図9】同裏側斜視図
【図10】壁面へ取付構造を示す図
【図11】壁面への他の取付構造を示す図
【図12】壁面へのさらに別の取付構造を示す図
【図13】下端部の接地構造を示す図
【図14】第2実施例に係る緑化壁の正面図
【図15】その側面図
【図16】ジョイント部の正面図
【図17】図16の17−17線断面図
【図18】支柱の取付構造を示す図
【図19】支柱の他の取付構造を示す図
【図20】支柱の上端部に対する支持構造を示す図
【図21】第3実施例に係る緑化壁の正面図
【図22】その側面図
【図23】支柱に対する取付構造を示す斜視図
【図24】第4実施例に係る緑化壁の正面図
【図25】その側面図
【図26】支柱下端部の接地構造を示す図
【図27】第5実施例に係る緑化壁の正面図
【図28】その要部側面図
【図29】第6実施例に係る断面図
【図30】その部分拡大図
【図31】第7実施例に係る斜視図
【図32】その部分拡大図
【図33】ウエイト部の断面図
【図34】第8実施例に係る苔保持体を示す図
【図35】図34の35−35線断面図
【符号の説明】1:壁面、2:緑化壁、3:苔付パネル、4:枠部材、5:ジョイント金具、6:固定ボルト、7:脚部材、8:接地部、15:苔補自体、20:アダプター、40:ワイヤー、42:ポール、54:取付フレーム、80:スタンドフレーム
Claims (7)
- 植物を壁面等に沿って立体配置することにより緑化するための構造において、表面に苔を一体化してその周囲に枠部材を取付けた苔付パネルを設け、この苔付パネルを前記枠部材にて、予め空間内へ立体配置された支持部材へ着脱自在に取付けたことを特徴とする苔付パネルの立体配置構造。
- 前記苔付パネルを単位サイズに形成し、この苔付パネルを複数並べて隣接する各枠部材のコーナーでジョイントにより連結して、前記支持場へ着脱自在に取付けることにより、空間内へ立体的に広がる広い面積の緑化壁を形成することを特徴とする請求項1に記載した苔付パネルの立体配置構造。
- 前記緑化壁は、建物等の壁面に沿って上下方向に立てられた支柱に対して着脱自在に取付けられことを特徴とする請求項2に記載した苔付パネルの立体配置構造。
- 前記支柱は前記壁面へ着脱自在に取付けられることを特徴とする請求項3に記載した苔付パネルの立体配置構造。
- 前記枠部材のうち、少なくとも一部をワイヤー部材で構成したことを特徴とする請求項1に記載した苔付パネルの立体配置構造。
- 苔付パネルの傾斜角度を調節自在に取付けたことを特徴とする請求項1に記載した苔付パネルの立体配置構造。
- 前記支持部材の角度を調節自在にしたことを特徴とする請求項2に記載した苔付パネルの立体配置構造。
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