JP2004261060A - 刈取収穫機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圃場Gに接触することにより圃場Gに対する刈取部の高さを検出する高さセンサー25と、圃場Gの作物に接触することにより圃場Gの作物に対する刈取部の横方向の位置を検出する位置センサー29とを、一体的に構成して刈取部に備える。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、稲や小麦、大豆用のコンバインや藺草収穫機等のように、圃場の作物を刈り取って収穫する刈取収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】
刈取収穫機では例えば特許文献1に開示されているように、圃場に接触することにより圃場に対する刈取部の高さを検出する高さセンサー(特許文献1の第1,2,3図中の10a,10b)を刈取部に備えて、刈取部が圃場から設定高さに位置するように、高さセンサーの検出値に基づいて刈取部を自動的に昇降駆動するように構成したものがある。
【0003】
特許文献1の構造では、圃場の作物に接触することにより圃場の作物に対する刈取部の横方向の位置を検出する位置センサー(特許文献1の第2図及び第11図中の26)を刈取部に備えており、圃場の作物に沿って機体が進行するように位置センサーの検出値に基づいて機体の向きが自動的に修正されるように構成されている。
これにより、圃場の凹凸等に関係なく刈取部が圃場から設定高さに維持され、圃場の作物の列が乱れていてもこれに関係なく圃場の作物の列に沿って機体が進行するのであり、圃場の作物が圃場から設定高さの位置で刈り取られ、安定して収穫される。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−121712号公報(第1,2,3,11図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の構造によると、高さセンサーが刈取部の右端部に備えられ、位置センサーが刈取部の左右中央前部に備えられており、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線が刈取部の別々の部分に取り付けられている。これにより、高さセンサー及び位置センサーの刈取部への取付構造の簡素化、刈取部への取付作業の容易化、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線の刈取部への取付構造の簡素化、刈取部への取付作業の容易化と言う面で改善の余地がある。
【0006】
本発明は刈取収穫機において、高さセンサー及び位置センサーを刈取部に備える場合、高さセンサー及び位置センサーの刈取部への取付構造の簡素化、刈取部への取付作業の容易化、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線の刈取部への取付構造の簡素化、刈取部への取付作業の容易化を図ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
[I]
刈取収穫機において、機体の前部に備えられた刈取部を昇降駆動する昇降機構と、機体の向きを変更する向き変更機構と、圃場に接触することにより圃場に対する刈取部の高さを検出する高さセンサーと、圃場の作物に接触することにより圃場の作物に対する刈取部の横方向の位置を検出する位置センサーとを備えて、刈取部が圃場から設定高さに位置するように高さセンサーの検出値に基づいて昇降機構を作動させる昇降制御手段と、圃場の作物に沿って機体が進行するように位置センサーの検出値に基づいて向き変更機構を作動させる操向制御手段とを備えた場合、請求項1の特徴によると、高さセンサーと位置センサーとを一体的に構成して刈取部に備えている。
【0008】
請求項1の特徴のように、高さセンサーと位置センサーとを一体的に構成して刈取部に備えると、高さセンサー及び位置センサーが刈取部の同じ位置に備えられることになるので、高さセンサー及び位置センサーを刈取部の別々の部分に取り付ける場合に比べて、少ない取付部材により高さセンサー及び位置センサーを刈取部に取り付けることが可能になる。
前述のように少ない取付部材により高さセンサー及び位置センサーを刈取部に取り付けることが可能になれば、高さセンサー及び位置センサーの刈取部への取付作業も楽に行えるようになる。
【0009】
請求項1の特徴のように、高さセンサー及び位置センサーが刈取部の同じ位置に備えられることになれば、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線を一つにまとめて刈取部に取り付けることが可能になるので、高さセンサー及び位置センサーを刈取部の別々の部分に取り付ける場合に比べて、少ない取付部材により高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線を刈取部に取り付けることが可能になる。
前述のように少ない取付部材により高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線を刈取部に取り付けることが可能になれば、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線の刈取部への取付作業も楽に行えるようになる。
【0010】
[II]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、圃場の作物に沿って機体が進行するように、位置センサーの検出値に基づいて向き変更機構を作動させて、機体の向きが修正されると、機体の前部に備えられた刈取部は圃場に対して横方向に移動するような状態になる。この場合、刈取部に備えられた高さセンサーは圃場に接触しているので、前述のように刈取部が圃場に対して横方向に移動するような状態になると、高さセンサーが横方向に無理に曲げられるような状態になることがある。
【0011】
請求項2の特徴によると、高さセンサーと位置センサーとを、刈取部の前後軸芯周りに一体でローリング自在に支持している。これにより、請求項2の特徴によると、前述のように刈取部が圃場に対して横方向に移動するような状態になって、高さセンサーが横方向に無理に曲げられるような状態になっても、高さセンサー及び位置センサーが刈取部の前後軸芯周りにローリングすることにより、高さセンサーが横方向に無理に曲げられるような状態が吸収される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、クローラ式の右及び左の走行装置1によって支持された機体の前部の左部に刈取部2、機体の前部の右部に運転部3が備えられ、機体の後部の左部に脱穀装置4、機体の後部の右部にグレンタンク5が備えられて、刈取収穫機の一例である稲用のコンバインが構成されている。これにより、圃場Gの穀稈A(図2参照)が刈取部2によって刈り取られ、脱穀装置4により脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に供給される。
【0013】
図1及び図2に示すように、圃場Gの穀稈Aの列の間に入り込む4つのデバイダ6、圃場Gの穀稈Aを引き起こす引き起し装置7、圃場Gの穀稈Aの株元を切断するバリカン式の刈取装置8、刈り取られた穀稈Aを脱穀装置4に搬送する搬送装置9を備えて、刈取部2が構成されている。機体の前部の横軸芯P1周りに刈取部2が上下に揺動自在に支持されて、刈取部2を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ10が備えられている。
【0014】
図2に示すように、右及び左の走行装置1に動力を伝達及び遮断自在な油圧操作式の右及び左のサイドクラッチ11が、ミッションケース12に備えられており、右及び左のサイドクラッチ11を操作する制御弁13、制御弁13を操作する制御装置14が備えられている。これにより、右及び左のサイドクラッチ11を伝動側に操作していると、機体は直進(前進又は後進)し、右(左)のサイドクラッチ11を遮断側に操作すると、機体は緩やかに右(左)に向きを変える。油圧シリンダ10に作動油を給排操作して油圧シリンダ10を作動させる制御弁15が備えられており、後述するように制御弁15は制御装置14によって操作される。
【0015】
図1及び図2に示すように、刈取部2の下部から前方に4本の支持フレーム16,17が前方に延出されており、支持フレーム16,17の前端にデバイダ6が支持されている。図3及び図4に示すように、中央側の支持フレーム17の前端に、逆U字状の支持フレーム18が固定されて、支持フレーム18の前端にデバイダ6が支持されており、支持フレーム18の前部にボス部19が固定され、支持フレーム18の後部にブラケット20が固定されている。板材を平面視コ字状に折り曲げて構成された支持部材21が備えられおり、支持部材21の前部に固定された支持軸21aがボス部19に回転自在に支持され、支持部材21の後部に固定された支持軸21bがブラケット20に回転自在に支持されて、支持部材21が刈取部2の前後軸芯P2周りにローリング自在に支持されている。
【0016】
図3及び図4に示すように、支持フレーム18の前部にピン18aが固定されて、支持部材21の前部にピン21cが固定され、支持部材21の支持軸21aにつる巻きバネ30が外嵌されており、つる巻きバネ30の両端が支持フレーム18及び支持部材21のピン18a,21cに掛けられている。これにより、刈取部2の正面視で、後述する接地アーム23が刈取部2に対して直交した下方に向く基準姿勢(後述する接触アーム28が刈取部2と平行な横外方に向く基準姿勢)に、つる巻きバネ30によって支持部材21が付勢されている。
【0017】
図3及び図4に示すように、ケース22が支持部材21に固定され、板バネ製の接地アーム23がケース22の横軸芯P3周りに上下に揺動自在に支持されており、支持アーム17に固定されたU字状の受け部材26に接地アーム23の後部が挿入されている。ケース22にポテンショメータ24が固定されており、ケース22の内部に備えられたギヤ機構(図示せず)により、ケース22に対する接地アーム23の角度(位置)がポテンショメータ24に伝達されるように構成されている。このようにケース22、接地アーム23及びポテンショメータ24によって、高さセンサー25が構成されている。
【0018】
図3に示すように、高さセンサー25において、接地アーム23が圃場Gに接地し、圃場Gに対して刈取部2が上下動すると、接地アーム23が弾性変形しながらケース22の横軸芯P3周りに上下に揺動するのであり、ケース22に対する接地アーム23の角度(位置)をポテンショメータ24によって検出することにより、圃場Gに対する刈取部2の高さを検出することができる。
【0019】
図3及び図4に示すように、支持部材21に2個のリミットスイッチ27が前後に固定されており、リミットスイッチ27の上部に接触アーム28が縦軸芯P4周りに揺動自在に支持されている。圃場Gの作物Aに接触しない状態で、前の接触アーム28が右斜め後方に延出され、後の接触アーム28が左斜め後方に延出されており、バネ(図示せず)により前及び後の接触アーム28が前方に付勢されて、ストッパー(図示せず)により前及び後の接触アーム28が図4に示す状態に止められている。図4に示す状態で前(後)のリミットスイッチ27はOFF状態となっており、前(後)の接触アーム28が圃場Gの穀稈Aに接触して所定角度だけ後方に揺動すると、前(後)のリミットスイッチ27がON状態となる。このように前(後)のリミットスイッチ27及び前(後)の接触アーム28により、前及び後の位置センサー29が構成されている。
【0020】
以上の構造により図3及び図4に示すように、高さセンサー25、前及び後の位置センサー29が支持部材21によって一体的に構成されて、刈取部2に支持される状態となっている。高さセンサー25、前及び後の位置センサー29、支持部材21が一体的に刈取部2の前後軸芯P2周りにローリングする状態となっており、つる巻きバネ30によって、刈取部2の正面視で接地アーム23が刈取部2に対して直交した下方に向く基準姿勢(接触アーム28が刈取部2と平行な横外方に向く基準姿勢)に付勢されている。高さセンサー25からの配線(図示せず)、前及び後の位置センサー29からの配線(図示せず)が一つにまとめられて、支持フレーム17の内部を通って制御装置14に接続されている。
【0021】
制御装置14に、昇降制御手段(図示せず)及び操向制御手段(図示せず)が備えられている。これにより、高さセンサー25の検出値(ケース22に対する接地アーム23の角度(位置))に基づいて、刈取部2が圃場Gから設定高さに維持されるように、制御装置14により制御弁15が操作され、油圧シリンダ10が伸縮作動して、刈取部2が自動的に昇降駆動される(昇降制御手段)。前及び後の位置センサー29の信号に基づいて、前及び後の位置センサー29がON状態となるように(前及び後の接触アーム28が圃場Gの穀稈Aに接触して所定角度だけ後方に揺動する状態)、制御装置14により制御弁13が操作され、右及び左のサイドクラッチ11が伝動側及び遮断側に操作されて、圃場Gの穀稈Aに沿って機体が自動的に進行する(操向制御手段)。
【0022】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明の実施の形態]の図3及び図4に示す構造に代えて、図5に示すように、高さセンサー25(ケース22、接地アーム23及びポテンショメータ24)の上側に位置するように、前及び後の位置センサー29(リミットスイッチ27及び接触アーム28)を、支持部材21に取り付けるように構成してもよい。
【0023】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、ケース22の内部にリミットスイッチ27を備え、ケース22から接触アーム28が右及び左斜め後方に延出されるように構成してもよい。
【0024】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]において、前及び後のリミットスイッチ27を廃止し、1個のポテンショメータ(図示せず)を備え、ポテンショメータから1個の接触アーム(図示せず)を斜め後方に延出して、位置センサー29を構成してもよい。このように構成すると、圃場Gの穀稈Aに接触アームが接触して後方に揺動した場合、接触アームの後方への角度をポテンショメータによって検出することにより、圃場Gの穀稈Aに対する刈取部2の横方向の位置を検出する。
本発明は稲用のコンバインばかりではなく、小麦や大豆用のコンバイン、藺草収穫機等にも適用できる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、刈取収穫機において、高さセンサーと位置センサーとを一体的に構成して刈取部に備えることにより、少ない取付部材により高さセンサー及び位置センサーを刈取部に取り付けることが可能になり、少ない取付部材により高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線を刈取部に取り付けることが可能になって、高さセンサー及び位置センサーの刈取部への取付構造の簡素化、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線の刈取部への取付構造の簡素化を図ることができた。
【0026】
請求項1の特徴によると、前述と同様に高さセンサー及び位置センサーの刈取部への取付作業が楽に行えるようになり、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線の刈取部への取付作業が楽に行えるようになって、高さセンサー及び位置センサーの刈取部への取付作業の容易化、高さセンサーからの配線及び位置センサーからの配線の刈取部への取付作業の容易化を図ることができた。
【0027】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、刈取部が圃場に対して横方向に移動するような状態になって、高さセンサーが横方向に無理に曲げられるような状態になっても、高さセンサー及び位置センサーが刈取部の前後軸芯周りにローリングすることにより、高さセンサーが横方向に無理に曲げられるような状態を吸収することができるようになって、高さセンサーの破損を少なくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの前半部の側面図
【図2】刈取部、ミッションケース及び走行装置の付近の概略平面図
【図3】高さセンサー及び位置センサーの付近の側面図
【図4】高さセンサー及び位置センサーの付近の平面図
【図5】発明の実施の第1別形態における高さセンサー及び位置センサーの付近の側面図
【符号の説明】
2 刈取部
10 昇降機構
11 向き変更機構
25 高さセンサー
29 位置センサー
G 圃場
A 作物
P2 前後軸芯
Claims (2)
- 機体の前部に備えられた刈取部を昇降駆動する昇降機構と、機体の向きを変更する向き変更機構とを備えると共に、
圃場に接触することにより圃場に対する前記刈取部の高さを検出する高さセンサーと、圃場の作物に接触することにより圃場の作物に対する前記刈取部の横方向の位置を検出する位置センサーとを、一体的に構成し前記刈取部に備えて、
前記刈取部が圃場から設定高さに位置するように、前記高さセンサーの検出値に基づいて昇降機構を作動させる昇降制御手段と、
圃場の作物に沿って機体が進行するように、前記位置センサーの検出値に基づいて向き変更機構を作動させる操向制御手段とを備えてある刈取収穫機。 - 前記高さセンサーと位置センサーとを、前記刈取部の前後軸芯周りに一体でローリング自在に支持してある請求項1に記載の刈取収穫機。
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