JP2004260970A - 電動機および電動機システム - Google Patents
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Abstract
【課題】低速回転時の出力トルクが増加し、高速回転時の効率が向上する電動機を提供する。
【解決手段】電動機100は、主ステータ110と、8つの第1の永久磁石210および8つの第2の永久磁石が配置されたロータ200と、補助ステータコイル310が捲回された補助ステータ300とを含む。8つの第1の永久磁石210のそれぞれは、自身の磁束が主ステータ110と鎖交するように配置されている。8つの第2の永久磁石220のそれぞれは、自身の磁束がロータ200の内部において漏れ磁束となるように配置されている。電動機100の運転状態に基づいて補助ステータコイル310が励磁されると、第2の永久磁石220の磁束は主ステータ110と鎖交する。
【選択図】 図1
【解決手段】電動機100は、主ステータ110と、8つの第1の永久磁石210および8つの第2の永久磁石が配置されたロータ200と、補助ステータコイル310が捲回された補助ステータ300とを含む。8つの第1の永久磁石210のそれぞれは、自身の磁束が主ステータ110と鎖交するように配置されている。8つの第2の永久磁石220のそれぞれは、自身の磁束がロータ200の内部において漏れ磁束となるように配置されている。電動機100の運転状態に基づいて補助ステータコイル310が励磁されると、第2の永久磁石220の磁束は主ステータ110と鎖交する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の特性を向上する技術に関し、特に、低速回転時において出力トルクを向上させ、高速回転時において効率を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石型電動機は、回転子に配置された永久磁石の磁束と固定子における界磁との間に発生する吸引力および反発力に基づいてトルクを出力する。このトルクは磁束密度に基づいて変動するため、低回転で高トルクを発生する電動機は高回転で運転することが難しく、高回転域では弱め界磁制御を行う必要があり、弱め界磁制御は大きなエネルギーを要するため効率が悪化するという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、特開2000−261995公報(特許文献1)は、低速回転時における出力トルクを増加するための電動機を開示する。この電動機は、回転軸、回転子、ステータ、電磁石コアと電磁石コイルとからなる電磁石、およびその電磁石の磁力を制御するコントローラを含む。回転子は、回転軸上に配置された透磁部材と円筒状磁路コアと永久磁石部材とを含む。電磁石コアは、透磁部材に密着する密着部と、その密着部を回転子から軸方向に離間させる切り欠き部が周方向に形成された円筒部とを含む。
【0004】
特許文献1に開示された電動機によると、回転軸が低速回転している場合、コントローラが電磁石コイルに通電して電磁石コアに磁束を発生させる。この磁束は、永久磁石部材により発生する磁束に加算されるため、低速回転時における電動機の出力トルクが増加する。これにより、電動機が低速にて回転しているときにも、十分なトルクを出力することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−261995公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された電動機によると、回転軸が高速回転している場合、トルクの出力を抑制するために、コントローラが電磁石コイルに通電して、低速回転時と逆方向の磁束を電磁石コアに発生させる。この電磁石コアに発生した磁束の方向は、永久磁石による磁束の方向と逆になるため、高速回転時における効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機および電動機システムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る電動機は、第1の永久磁石および第2の永久磁石が設けられ回転子と、第1の固定子と、運転状態に基づいて第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための変更手段を含む。第1の永久磁石は、その第1の永久磁石による磁束が第1の固定子と鎖交するように配置されている。第2の永久磁石は、その第2の永久磁石による磁束が回転子の内部に漏れるように配置されている。
【0009】
第1の発明によると、電動機の運転状態(回転数、要求トルクなど)が高トルクを必要とするとき(たとえば低回転時)、変更手段は第1の固定子と鎖交するように第2の永久磁石の磁束の方向を変更する。その磁束が第1の固定子と鎖交すると、電動機は、第2の永久磁石からの磁束に基づくトルクをさらに出力する。一方、その運転状態が高トルクを必要としないとき(たとえば高回転時)、電動機の変更手段は第2の永久磁石の磁束の方向を変更しない。このとき第2の永久磁石の磁束は回転子から漏れないため、第1の固定子と鎖交しない。したがって、電動機の出力トルクは、第1の永久磁石の磁束に基づくトルクとなる。このようにして、運転状態に応じて電動機のトルクを変更することができる。これにより、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機を提供することができる。
【0010】
第2の発明に係る電動機は、第1の発明の構成に加えて、第2の永久磁石は、その第2の永久磁石による磁束が短絡するように配置されているものである。
【0011】
第2の発明によると、第2の永久磁石からの磁束は回転子の外部に漏れないため、この磁束の方向が変更されないときは、電動機は第1の永久磁石に基づくトルクを出力する。したがって、不要なトルクの発生を防止することができる。
【0012】
第3の発明に係る電動機は、第1の発明の構成に加えて、第2の永久磁石は、その第2の永久磁石による磁束が回転子の周方向を向くように配置されているものである。
【0013】
第3の発明によると、第2の永久磁石からの磁束は第1の固定子と鎖交しないため、この磁束の方向が変更されないときは、電動機は第1の永久磁石に基づくトルクを出力する。したがって、不要なトルクの発生を防止することができる。
【0014】
第4の発明に係る電動機は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、第1の永久磁石および第2の永久磁石は、それぞれ複数設けられている。各複数の第2の永久磁石は、複数の第1の永久磁石の間に配置されているものである。
【0015】
第4の発明によると、第1の永久磁石および第2の永久磁石の遠心力による回転子に対する負荷が軽減されるため、電動機を高速回転させることができる。
【0016】
第5の発明に係る電動機は、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、変更手段は、電動機が要求されるトルクおよび電動機の回転数のいずれかに基づいて、第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための磁束変更手段を含む。
【0017】
第5の発明によると、電動機が要求されるトルクおよび電動機の回転数のいずれかに基づいて(たとえば電動機の出力トルクが要求されているトルクよりも小さいとき、あるいは電動機の回転数が所定の回転数よりも小さいとき)、第2の永久磁石の磁束の方向を変更することができる。このようにして、電動機の出力トルクを変更することができる。
【0018】
第6の発明に係る電動機は、第5の発明の構成に加えて、磁束変更手段は、電動機の回転数が予め定められた回転数を下回るとき、あるいは、電動機が要求されるトルクが予め定められたトルクを下回るとき、第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための手段を含む。
【0019】
第6の発明によると、第1の永久磁石および第2の永久磁石によるトルクが出力されるため、低速回転時あるいは高トルクが必要なときに、電動機の出力トルクを向上させることができる。
【0020】
第7の発明に係る電動機は、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、変更手段は、第1の固定子とは異なる第2の固定子である。第2の固定子には、コイルが捲回されているものである。
【0021】
第7の発明によると、コイルを励磁することにより第2の永久磁石の磁束を第1の固定子に鎖交させることができるため、電動機の運転状態に応じて、その出力トルクを向上させることができる。
【0022】
第8の発明に係る電動機システムは、第1〜7のいずれかの発明に係る電動機を含む。この電動機システムは、インバータと、電動機の運転状態に基づいて回転子の回転と同期するように、インバータから第2の固定子に供給される電流を制御するための制御手段とをさらに含む。
【0023】
第8の発明によると、電動機の運転状態がたとえば高トルクを必要とする状態であるとき(たとえば低速回転時)、電動機システムの制御手段は、回転子の回転と同期するようにインバータから第2の固定子に供給される電流を制御する。また、運転状態が高トルクを必要としないとき(たとえば高速回転時)、制御手段は第2の固定子に電流を供給しない。このとき、銅損等の損失が低減される。このようにして、運転状態に応じて出力トルクあるいは効率を向上させることができる。これにより、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機システムを提供することができる。、
第9の発明に係る電動機システムは、第8の発明の構成に加えて、制御手段は、電動機の回転数が予め定められた回転数を下回る場合、あるいは電動機の出力トルクが要求されるトルクを下回る場合には、回転子の回転と同期するように電流を制御するための手段を含む。
【0024】
第9の発明によると、電動機の回転数が予め定められた回転数を下回る場合、あるいは電動機の出力トルクが要求されるトルクを下回る場合には、電動機の出力トルクを向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1〜図7を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0027】
図1を参照して、本実施の形態に係る電動機100の構成を説明する。図1(A)は、電動機100を正面から表わした図である。図1(B)は、図1(A)に示したX−X′軸における電動機100の断面を表わす。
【0028】
図1(A)に示すように、電動機100は、主ステータ110と、ロータ200と、8つの第1の永久磁石210と、8つの第2の永久磁石220と、シャフト230と、補助ステータ300と、補助ステータ300に捲回された補助ステータコイル310とを含む。第1の永久磁石210および第2の永久磁石220は、たとえばフェライト磁石、ネオジム磁石などであるが、特にこれらに限られない。
【0029】
8つの第1の永久磁石210は、その磁束が主ステータ110に鎖交するように配置されている。8つの第2の永久磁石220は、それぞれ、第1の永久磁石210の間に縦方向となるように(その磁束が主ステータ110に鎖交しないように)配置されている。
【0030】
このように配置すると、第2の永久磁石220の磁束は、他の磁束によりその方向が変えられない限り、ロータ200の内部における漏れ磁束となる。そのため、他の磁束が作用するまで、ロータ200は第2の永久磁石220の回転に影響を及ぼさない。
【0031】
なお、第1の永久磁石210および第2の永久磁石220の数は、これに限られず、電動機100の特性に応じて変更することができる。
【0032】
補助ステータコイル310は、外部の電力供給源(図示しない)に接続されており、その供給源から供給される電流に基づいて、磁束を発生する。この電力供給源は、たとえば、バッテリ(図示しない)に接続されたPWM(Pulse Width Modulation)型のインバータであるが、特にこれに限られない。
【0033】
図1(B)に示すように、主ステータ110には主ステータコイル120が捲回されている。シャフト230には、ロータ200が取り付けられている。ロータ200の端面には、エンドプレート250が配置されている。シャフト230には、補助ステータ300を内側に配置できるように凹部が形成されている。シャフト230の内周面と補助ステータ300の外周面には、所定のギャップ260が形成されている。軸受240は、シャフト230と補助ステータ300の取付部との間に設けられている。
【0034】
以上の構造に基づく電動機100の動作について説明する。電動機100の運転状態が高トルクを必要とするとき(たとえば低速回転時)、電流が補助ステータコイル310に供給され、補助ステータコイル310は磁束を発生する。この磁束の方向がロータ200の方向であるとき、第2の永久磁石220の磁束の方向はロータ200の外側に変更され、主ステータ110と鎖交する。その結果、第2の永久磁石220の磁束と主ステータ110による界磁との間においてトルクが発生するため、電動機100の出力トルクが上昇する。
【0035】
一方、電動機100の運転状態が高トルクを必要としないとき(たとえば高速回転時)、電流が補助ステータコイル310に供給されなくなり、磁束がなくなる。このとき、主ステータ110と鎖交していた第2の永久磁石220の磁束は、ロータ200の内部における漏れ磁束となる。そのため、第2の永久磁石220の磁束によるトルクの分だけ、電動機100の出力トルクは低下する。
【0036】
図2を参照して、本実施の形態に係る電動機100の特性について説明する。図2は、電動機100の回転数とトルクとの関係を表わす。図2に示すように、この特性を表わす領域は、領域Aと領域Bとに分けられる。
【0037】
領域Aは、電動機100の主ステータ110のみがトルクを出力する領域である。すなわち、補助ステータコイル310が励磁されない場合に出力されるトルクを表わす。
【0038】
領域Bは、主ステータ110に加えて、補助ステータ300がトルクを出力する領域である。たとえば、車両の発進時などにおいて、電動機100に要求されるトルクが所定のトルクよりも大きい場合には、主ステータ110と補助ステータ300とからトルクが出力される。この所定のトルクとは、たとえば主ステータ110とロータ200とにより発生するトルクである。
【0039】
図3を参照して、電動機100のトルク特性について説明する。図3は、電動機100の補助ステータ300の電流の位相と出力トルクとの関係を表わす。
【0040】
直線(A)は、補助ステータコイル310に起磁力を与えない場合(電流を供給しない場合)における電動機100の出力トルクを表わす。このトルクは、第1の永久磁石210の磁束に基づくトルクとなる。
【0041】
曲線(B)は、500Aの起磁力を補助ステータコイル310に与えた場合の出力トルクを表わす。図3に示したように、電流の位相がおよそ−70度から90度の範囲において出力トルクが上昇する。このような位相となるように電流を供給することにより、電動機100の出力を向上させることができる。なお、0度は、電動機100のd軸(第1の永久磁石210の中心を通る軸)上に、N極が発生する位置である。
【0042】
図4を参照して、ロータ200の内側に配置された補助ステータコイル310の起磁力とトルクとの関係について説明する。図4は、補助ステータコイル310への供給電流の位相が0度の場合における関係を表わす。
【0043】
曲線(A)に示すように、起磁力の増加につれて電動機100の出力トルクも上昇する。この場合、起磁力が1000Aに到達すると電動機100の出力トルクは、ほぼ上限に到達する。したがって、電動機100の必要トルクに応じて1000Aまでの起磁力を与えるように電流を制御すると、電動機100を効率よく運転することができる。
【0044】
曲線(B)は、トルクリプルの変化を表わす。トルクリプルとは、電動機100に定格電流を供給した場合の平均トルクに対する出力トルクの変動分の割合をいう。曲線(B)に示すように、補助ステータコイル310の起磁力が大きくなるにつれて、トルクリプルの値は低下する。したがって、起磁力を大きくすることにより出力トルクの「むら」が小さくなるため、電動機100を安定して回転させることができる。
【0045】
図5および図6を参照して、磁束の波形に基づく電動機の特性を説明する。図5は、従来の電動機におけるギャップ磁束波形、基本波磁束および高調波磁束を表わす。ここで、従来の電動機とは、本実施の形態に係る補助ステータ300を有さず、回転子には永久磁石210に相当する8つの永久磁石が配置された電動機である。
【0046】
曲線(A)に示すように、ギャップ磁束波形は、回転子の位相(機械角)について45度ごとに変化する。これは、ギャップの磁束密度が8つの永久磁石の磁束によって変化することを示す。曲線(B)は、基本波磁束の形状を表わす。曲線(C)は、その基本波磁束に対する高調波磁束の形状を表わす。この高調波磁束については、後述する。
【0047】
図6は、本実施の形態に係る電動機100におけるギャップ磁束波形、基本波磁束および高調波磁束を表わす。
【0048】
曲線(A)に示すように、ギャップ磁束波形は、ロータ200の位相(機械角)について45度の間に2段階にわたって変化する。これは、ロータ200において、8つの永久磁石210に加えて、それらの磁石の間に第2の永久磁石220が配置されたことによる。すなわち、8つの第2の永久磁石220がギャップにおける磁束密度の変化を緩和するため、ギャップ磁束波形は、従来の電動機におけるギャップ磁束波形に比べて、正弦波形に近い形状となる。また、曲線(C)に示す高調波磁束の振幅は、従来の電動機における高調波磁束の波形(図5の曲線(C))に比べて小さくなっている。その結果、磁束の急な変動が抑制され、トルクリプルを低減することができる。
【0049】
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態に係る電動機100によると、高トルクが必要とされる場合には、補助ステータコイル310が励磁される。この励磁により、第2の永久磁石の磁束が主ステータ110に鎖交するため、第1の永久磁石210によるトルクに加えて、第2の永久磁石220の磁束によるトルクも出力される。これにより、電動機100は、高トルクを出力することができる。
【0050】
また、高トルクが必要とされない場合(高回転時)には、補助ステータコイル310は励磁されない。この場合、第1の永久磁石210に基づくトルクのみが発生するため、電動機100の出力トルクは従来の出力トルクと変わらない。このとき、第2の永久磁石220の磁束はロータ200において漏れ磁束となり、その磁束は主ステータ110に鎖交しない。このようにすると、弱め界磁を制御するための電流を低減できるため、銅損を抑制することができる。
【0051】
高回転時においては、また、引き摺り損失が低減されるため、鉄損を低減することができる。さらに、無負荷誘起電圧の低下により巻数の増加が可能になるため。電動機100に供給する電流を低減することができる。このようにして、高速回転時における電動機の効率を向上させることができる。
【0052】
また、第1の永久磁石210に加えて第2の永久磁石220をロータ200に配置することにより、ギャップ磁束の波形を正弦波状に近づけることができるため、トルクリプルを低減することができる。また、ギャップ部パーミアンスの変動を抑制することができるため、高調波磁束の振れを小さくすることができる。
【0053】
さらに、永久磁石210および永久磁石220を分散してロータ200に配置することにより、永久磁石の遠心力による負荷がロータ200において軽減される。その結果、ロータ200の高速回転が可能になり、電動機100の運転性能を向上させることができる。
【0054】
<第1の実施の形態の変形例>
図7を参照して、本実施の形態の変形例について説明する。図7(A)は、本変形例に係る電動機700を正面から表わした図である。図7(B)は、図7(A)に示したY−Y′軸における電動機700の断面を表わす。
【0055】
電動機700は、補助ステータ760において直流コイル770が巻かれている点で、図1に示した電動機100と異なるが、他の構成については同じであるので、ここでは説明は繰り返さない。
【0056】
以上の構造に基づく本変形例に係る電動機700の動作について説明する。電流が直流コイル770に供給されると、磁束が発生して、ロータ720は磁気飽和の状態になる。このとき、ロータ720に配置されている第2の永久磁石740の磁束が漏れ磁束となって主ステータ710と鎖交するため、磁石トルクが増加する。したがって、高トルクを必要とするとき、直流コイル770に電流を供給することにより、電動機700の出力を大きくすることができる。
【0057】
<第2の実施の形態>
図8および図9を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0058】
図8は、本実施の形態に係る電動機システム1000を備えた電源システム2000の構成を表わす。この電源システム2000は、ハイブリッド車あるいは電気自動車等の車両に搭載される。この電動機システム1000は、電動機100と、インバータECU800と、インバータ810とを含む。この電動機システム1000は、SMR(System Main Relay)830を介して電源820に接続されている。
【0059】
なお、電動機100は、図1に示した第1の実施の形態に係る電動機100と同一であるので、説明は繰り返さない。
【0060】
この電動機システム1000は、たとえば車両の駆動源である。すなわち、電動機100の出力トルクは、シャフト230(図1)を介して駆動輪(図示しない)に伝達される。電源820は、たとえば数百Vの二次電池である。
【0061】
電動機100は、インバータ810から供給される交流電流により駆動される。また、電動機100が回生状態にあるときは、インバータ810を介して発電した電力を電源820に充電する。
【0062】
インバータECU800には、ハイブリッドECU(図示しない)から信号が入力される。この信号には、電動機100の出力トルクを増加する指示、アクセル開度信号、車速、要求トルクなどが含まれている。
【0063】
インバータECU800は、ハイブリッドECUから入力された信号に基づいてインバータ810を制御することにより、電動機100に供給する電流を制御する。インバータECU800は、電動機100が回生制動しているとき、所定の電圧以下の電流が電源820に供給されるように、インバータ810を制御する。これにより、電源820の過充電が防止される。
【0064】
SMR830は、電源システム2000を保護するため、所定の条件に基づいて電源820と電動機システム1000との間の回路の接続および遮断を行う。たとえば電動機システム1000が異常発電している場合には、SMR830は、電源820の過充電を防止するために、電源回路を遮断する。
【0065】
図9を参照して、本実施の形態に係る電動機システム1000の制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。
【0066】
ステップ(以下「ステップ」をSと表わす。)902にて、インバータECU800は、ハイブリッドECUからアクセル開度信号を受信する。S904にて、インバータECU800は、電動機100の回転数を検出する。
【0067】
S906にて、インバータECU800は、電動機100の回転数が所定回転数以下であるか否かを判断する。ここで所定回転数とは、電動機100が搭載される車両あるいは電動機100自身の特性に基づいて予め定められた回転数をいう。電動機100の回転数が所定回転数以下であるとき(S906にてYES)、処理はS908に移される。そうでないとき(S906にてNO)、処理は終了する。
【0068】
S908にて、インバータECU800は、電動機100が要求されているトルク(以下「要求トルク」という。)が所定トルク以上であるか否かを判断する。ここで、所定トルクとは、電動機100の主ステータ110と第1の永久磁石210とにより発生されるトルクをいう。要求トルクが所定トルク以上であるとき(S908にてYES)、処理はS910に移される。そうでないとき(S908にてNO)、処理は終了する。
【0069】
S910にて、インバータECU800は、インバータ810を制御して電動機100の補助ステータコイル310を励磁する。すなわち、所定の起磁力を与える電流が補助ステータコイル310に供給される。
【0070】
S912にて、インバータECU800は、ハイブリッドECUからアクセル開度信号を受信する。S914にて、インバータECU800は、電動機100の回転数を検出する。
【0071】
S916にて、インバータECU800は、補助ステータコイル310の励磁を終了する条件(以下「励磁の終了条件」という。)が成立しているか否かを判断する。この判断は、S912にて受信したアクセル開度信号およびS914にて受信した電動機100の回転数に基づいて行われる。励磁の終了条件が成立する場合は、たとえばアクセル開度信号が所定の値より小さく、電動機100の回転数が所定回転数よりも大きい場合である。励磁の終了条件が成立しているとき(S916にてYES)、処理はS918に移される。そうでないとき(S916にてNO)、処理はS910に戻される。
【0072】
S918にて、インバータECU800は、補助ステータコイル310の励磁を終了する。
【0073】
以上の構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る電動機システム1000の動作について説明する。
【0074】
インバータECU800は、ハイブリッドECUからアクセル開度信号を受信し(S902)、さらに電動機100の回転数を検出する(S904)。車両が低速走行している場合に、電動機100の回転数が所定回転数以下であり(S906にてYES)、要求トルクが所定トルク以上であるとき(S908にてYES)、補助ステータコイル310はインバータ810からの電流によって励磁される(S910)。これにより、ロータ200に向かう磁束が補助ステータコイル310に発生するとともに、ロータ200に配置された第2の永久磁石220の磁束の方向が主ステータ110の方向に変えられる。その結果、主ステータ110に鎖交する磁束が増加するため、増加した分だけ電動機100の出力トルクが上昇する。これにより、車両は加速する。
【0075】
その後再びアクセル開度信号が受信され(S912)、電動機100の回転数が検出される(S914)。車両が所定の速度に到達している場合には、励磁の終了条件が成立するため(S916にてYES)、補助ステータコイル310に対する電流の供給が停止される。これにより、補助ステータコイル310の励磁は終了する(S918)。その結果、第2の永久磁石220の磁束はロータ200の内部における漏れ磁束となるため、電動機100の出力トルクは低下する。車両は、さらに加速することなく走行する。
【0076】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動機システム1000によると、インバータECU800は、電動機100の運転状況に基づいてインバータ810から電動機100に供給する電流を制御することにより、電動機100の出力を最適にすることができる。すなわち電動機100が低速回転している場合に高トルクが要求されると、所定の起磁力を与える電流を供給することにより、補助ステータコイル310を励磁する。これにより、第2の永久磁石220の磁束がロータ200から漏れて主ステータ110に鎖交する。その結果、低速回転時における電動機100の出力トルクが増加する。
【0077】
一方、電動機100が高速回転しているときには、トルク要求は大きくないため、補助ステータコイル310は励磁されなくなる。これにより、ロータ200が磁気飽和しなくなるため、第2の永久磁石の磁束220はロータ200の外部に漏れなくなる。その結果、磁石トルクは発生しなくなり、電動機100の出力トルクは低下する。このようにすると、銅損等の損失が低減されるため、電動機システムの効率は向上する。
【0078】
これにより、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機システムを提供することができる。
【0079】
なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、電動機100の主ステータコイル120は集中巻の構成であったが、これに限られず、分布巻の構成であってもよい。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電動機の構成図である。
【図2】図1に示す電動機の特性を表わす図(その1)である。
【図3】図1に示す電動機の特性を表わす図(その2)である。
【図4】図1に示す電動機の特性を表わす図(その3)である。
【図5】従来の電動機の特性を表わす図である。
【図6】図1に示す電動機の特性を表わす図(その4)である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る電動機の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電動機システムを備えた電源システムの構成図である。
【図9】図8に示す電動機システムの制御構造を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
100,700 電動機、110,710 主ステータ、120 主ステータコイル、200,720 ロータ、210,730 第1の永久磁石、220,740 第2の永久磁石、230,750 シャフト、240 軸受、250 エンドプレート、300,760 補助ステータ、310,770 補助ステータコイル、800 インバータECU、810 インバータ、820 電源、830 SMR、1000 電動機システム、2000 電源システム。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の特性を向上する技術に関し、特に、低速回転時において出力トルクを向上させ、高速回転時において効率を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石型電動機は、回転子に配置された永久磁石の磁束と固定子における界磁との間に発生する吸引力および反発力に基づいてトルクを出力する。このトルクは磁束密度に基づいて変動するため、低回転で高トルクを発生する電動機は高回転で運転することが難しく、高回転域では弱め界磁制御を行う必要があり、弱め界磁制御は大きなエネルギーを要するため効率が悪化するという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するために、特開2000−261995公報(特許文献1)は、低速回転時における出力トルクを増加するための電動機を開示する。この電動機は、回転軸、回転子、ステータ、電磁石コアと電磁石コイルとからなる電磁石、およびその電磁石の磁力を制御するコントローラを含む。回転子は、回転軸上に配置された透磁部材と円筒状磁路コアと永久磁石部材とを含む。電磁石コアは、透磁部材に密着する密着部と、その密着部を回転子から軸方向に離間させる切り欠き部が周方向に形成された円筒部とを含む。
【0004】
特許文献1に開示された電動機によると、回転軸が低速回転している場合、コントローラが電磁石コイルに通電して電磁石コアに磁束を発生させる。この磁束は、永久磁石部材により発生する磁束に加算されるため、低速回転時における電動機の出力トルクが増加する。これにより、電動機が低速にて回転しているときにも、十分なトルクを出力することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−261995公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された電動機によると、回転軸が高速回転している場合、トルクの出力を抑制するために、コントローラが電磁石コイルに通電して、低速回転時と逆方向の磁束を電磁石コアに発生させる。この電磁石コアに発生した磁束の方向は、永久磁石による磁束の方向と逆になるため、高速回転時における効率が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機および電動機システムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る電動機は、第1の永久磁石および第2の永久磁石が設けられ回転子と、第1の固定子と、運転状態に基づいて第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための変更手段を含む。第1の永久磁石は、その第1の永久磁石による磁束が第1の固定子と鎖交するように配置されている。第2の永久磁石は、その第2の永久磁石による磁束が回転子の内部に漏れるように配置されている。
【0009】
第1の発明によると、電動機の運転状態(回転数、要求トルクなど)が高トルクを必要とするとき(たとえば低回転時)、変更手段は第1の固定子と鎖交するように第2の永久磁石の磁束の方向を変更する。その磁束が第1の固定子と鎖交すると、電動機は、第2の永久磁石からの磁束に基づくトルクをさらに出力する。一方、その運転状態が高トルクを必要としないとき(たとえば高回転時)、電動機の変更手段は第2の永久磁石の磁束の方向を変更しない。このとき第2の永久磁石の磁束は回転子から漏れないため、第1の固定子と鎖交しない。したがって、電動機の出力トルクは、第1の永久磁石の磁束に基づくトルクとなる。このようにして、運転状態に応じて電動機のトルクを変更することができる。これにより、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機を提供することができる。
【0010】
第2の発明に係る電動機は、第1の発明の構成に加えて、第2の永久磁石は、その第2の永久磁石による磁束が短絡するように配置されているものである。
【0011】
第2の発明によると、第2の永久磁石からの磁束は回転子の外部に漏れないため、この磁束の方向が変更されないときは、電動機は第1の永久磁石に基づくトルクを出力する。したがって、不要なトルクの発生を防止することができる。
【0012】
第3の発明に係る電動機は、第1の発明の構成に加えて、第2の永久磁石は、その第2の永久磁石による磁束が回転子の周方向を向くように配置されているものである。
【0013】
第3の発明によると、第2の永久磁石からの磁束は第1の固定子と鎖交しないため、この磁束の方向が変更されないときは、電動機は第1の永久磁石に基づくトルクを出力する。したがって、不要なトルクの発生を防止することができる。
【0014】
第4の発明に係る電動機は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、第1の永久磁石および第2の永久磁石は、それぞれ複数設けられている。各複数の第2の永久磁石は、複数の第1の永久磁石の間に配置されているものである。
【0015】
第4の発明によると、第1の永久磁石および第2の永久磁石の遠心力による回転子に対する負荷が軽減されるため、電動機を高速回転させることができる。
【0016】
第5の発明に係る電動機は、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、変更手段は、電動機が要求されるトルクおよび電動機の回転数のいずれかに基づいて、第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための磁束変更手段を含む。
【0017】
第5の発明によると、電動機が要求されるトルクおよび電動機の回転数のいずれかに基づいて(たとえば電動機の出力トルクが要求されているトルクよりも小さいとき、あるいは電動機の回転数が所定の回転数よりも小さいとき)、第2の永久磁石の磁束の方向を変更することができる。このようにして、電動機の出力トルクを変更することができる。
【0018】
第6の発明に係る電動機は、第5の発明の構成に加えて、磁束変更手段は、電動機の回転数が予め定められた回転数を下回るとき、あるいは、電動機が要求されるトルクが予め定められたトルクを下回るとき、第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための手段を含む。
【0019】
第6の発明によると、第1の永久磁石および第2の永久磁石によるトルクが出力されるため、低速回転時あるいは高トルクが必要なときに、電動機の出力トルクを向上させることができる。
【0020】
第7の発明に係る電動機は、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、変更手段は、第1の固定子とは異なる第2の固定子である。第2の固定子には、コイルが捲回されているものである。
【0021】
第7の発明によると、コイルを励磁することにより第2の永久磁石の磁束を第1の固定子に鎖交させることができるため、電動機の運転状態に応じて、その出力トルクを向上させることができる。
【0022】
第8の発明に係る電動機システムは、第1〜7のいずれかの発明に係る電動機を含む。この電動機システムは、インバータと、電動機の運転状態に基づいて回転子の回転と同期するように、インバータから第2の固定子に供給される電流を制御するための制御手段とをさらに含む。
【0023】
第8の発明によると、電動機の運転状態がたとえば高トルクを必要とする状態であるとき(たとえば低速回転時)、電動機システムの制御手段は、回転子の回転と同期するようにインバータから第2の固定子に供給される電流を制御する。また、運転状態が高トルクを必要としないとき(たとえば高速回転時)、制御手段は第2の固定子に電流を供給しない。このとき、銅損等の損失が低減される。このようにして、運転状態に応じて出力トルクあるいは効率を向上させることができる。これにより、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機システムを提供することができる。、
第9の発明に係る電動機システムは、第8の発明の構成に加えて、制御手段は、電動機の回転数が予め定められた回転数を下回る場合、あるいは電動機の出力トルクが要求されるトルクを下回る場合には、回転子の回転と同期するように電流を制御するための手段を含む。
【0024】
第9の発明によると、電動機の回転数が予め定められた回転数を下回る場合、あるいは電動機の出力トルクが要求されるトルクを下回る場合には、電動機の出力トルクを向上させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1〜図7を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0027】
図1を参照して、本実施の形態に係る電動機100の構成を説明する。図1(A)は、電動機100を正面から表わした図である。図1(B)は、図1(A)に示したX−X′軸における電動機100の断面を表わす。
【0028】
図1(A)に示すように、電動機100は、主ステータ110と、ロータ200と、8つの第1の永久磁石210と、8つの第2の永久磁石220と、シャフト230と、補助ステータ300と、補助ステータ300に捲回された補助ステータコイル310とを含む。第1の永久磁石210および第2の永久磁石220は、たとえばフェライト磁石、ネオジム磁石などであるが、特にこれらに限られない。
【0029】
8つの第1の永久磁石210は、その磁束が主ステータ110に鎖交するように配置されている。8つの第2の永久磁石220は、それぞれ、第1の永久磁石210の間に縦方向となるように(その磁束が主ステータ110に鎖交しないように)配置されている。
【0030】
このように配置すると、第2の永久磁石220の磁束は、他の磁束によりその方向が変えられない限り、ロータ200の内部における漏れ磁束となる。そのため、他の磁束が作用するまで、ロータ200は第2の永久磁石220の回転に影響を及ぼさない。
【0031】
なお、第1の永久磁石210および第2の永久磁石220の数は、これに限られず、電動機100の特性に応じて変更することができる。
【0032】
補助ステータコイル310は、外部の電力供給源(図示しない)に接続されており、その供給源から供給される電流に基づいて、磁束を発生する。この電力供給源は、たとえば、バッテリ(図示しない)に接続されたPWM(Pulse Width Modulation)型のインバータであるが、特にこれに限られない。
【0033】
図1(B)に示すように、主ステータ110には主ステータコイル120が捲回されている。シャフト230には、ロータ200が取り付けられている。ロータ200の端面には、エンドプレート250が配置されている。シャフト230には、補助ステータ300を内側に配置できるように凹部が形成されている。シャフト230の内周面と補助ステータ300の外周面には、所定のギャップ260が形成されている。軸受240は、シャフト230と補助ステータ300の取付部との間に設けられている。
【0034】
以上の構造に基づく電動機100の動作について説明する。電動機100の運転状態が高トルクを必要とするとき(たとえば低速回転時)、電流が補助ステータコイル310に供給され、補助ステータコイル310は磁束を発生する。この磁束の方向がロータ200の方向であるとき、第2の永久磁石220の磁束の方向はロータ200の外側に変更され、主ステータ110と鎖交する。その結果、第2の永久磁石220の磁束と主ステータ110による界磁との間においてトルクが発生するため、電動機100の出力トルクが上昇する。
【0035】
一方、電動機100の運転状態が高トルクを必要としないとき(たとえば高速回転時)、電流が補助ステータコイル310に供給されなくなり、磁束がなくなる。このとき、主ステータ110と鎖交していた第2の永久磁石220の磁束は、ロータ200の内部における漏れ磁束となる。そのため、第2の永久磁石220の磁束によるトルクの分だけ、電動機100の出力トルクは低下する。
【0036】
図2を参照して、本実施の形態に係る電動機100の特性について説明する。図2は、電動機100の回転数とトルクとの関係を表わす。図2に示すように、この特性を表わす領域は、領域Aと領域Bとに分けられる。
【0037】
領域Aは、電動機100の主ステータ110のみがトルクを出力する領域である。すなわち、補助ステータコイル310が励磁されない場合に出力されるトルクを表わす。
【0038】
領域Bは、主ステータ110に加えて、補助ステータ300がトルクを出力する領域である。たとえば、車両の発進時などにおいて、電動機100に要求されるトルクが所定のトルクよりも大きい場合には、主ステータ110と補助ステータ300とからトルクが出力される。この所定のトルクとは、たとえば主ステータ110とロータ200とにより発生するトルクである。
【0039】
図3を参照して、電動機100のトルク特性について説明する。図3は、電動機100の補助ステータ300の電流の位相と出力トルクとの関係を表わす。
【0040】
直線(A)は、補助ステータコイル310に起磁力を与えない場合(電流を供給しない場合)における電動機100の出力トルクを表わす。このトルクは、第1の永久磁石210の磁束に基づくトルクとなる。
【0041】
曲線(B)は、500Aの起磁力を補助ステータコイル310に与えた場合の出力トルクを表わす。図3に示したように、電流の位相がおよそ−70度から90度の範囲において出力トルクが上昇する。このような位相となるように電流を供給することにより、電動機100の出力を向上させることができる。なお、0度は、電動機100のd軸(第1の永久磁石210の中心を通る軸)上に、N極が発生する位置である。
【0042】
図4を参照して、ロータ200の内側に配置された補助ステータコイル310の起磁力とトルクとの関係について説明する。図4は、補助ステータコイル310への供給電流の位相が0度の場合における関係を表わす。
【0043】
曲線(A)に示すように、起磁力の増加につれて電動機100の出力トルクも上昇する。この場合、起磁力が1000Aに到達すると電動機100の出力トルクは、ほぼ上限に到達する。したがって、電動機100の必要トルクに応じて1000Aまでの起磁力を与えるように電流を制御すると、電動機100を効率よく運転することができる。
【0044】
曲線(B)は、トルクリプルの変化を表わす。トルクリプルとは、電動機100に定格電流を供給した場合の平均トルクに対する出力トルクの変動分の割合をいう。曲線(B)に示すように、補助ステータコイル310の起磁力が大きくなるにつれて、トルクリプルの値は低下する。したがって、起磁力を大きくすることにより出力トルクの「むら」が小さくなるため、電動機100を安定して回転させることができる。
【0045】
図5および図6を参照して、磁束の波形に基づく電動機の特性を説明する。図5は、従来の電動機におけるギャップ磁束波形、基本波磁束および高調波磁束を表わす。ここで、従来の電動機とは、本実施の形態に係る補助ステータ300を有さず、回転子には永久磁石210に相当する8つの永久磁石が配置された電動機である。
【0046】
曲線(A)に示すように、ギャップ磁束波形は、回転子の位相(機械角)について45度ごとに変化する。これは、ギャップの磁束密度が8つの永久磁石の磁束によって変化することを示す。曲線(B)は、基本波磁束の形状を表わす。曲線(C)は、その基本波磁束に対する高調波磁束の形状を表わす。この高調波磁束については、後述する。
【0047】
図6は、本実施の形態に係る電動機100におけるギャップ磁束波形、基本波磁束および高調波磁束を表わす。
【0048】
曲線(A)に示すように、ギャップ磁束波形は、ロータ200の位相(機械角)について45度の間に2段階にわたって変化する。これは、ロータ200において、8つの永久磁石210に加えて、それらの磁石の間に第2の永久磁石220が配置されたことによる。すなわち、8つの第2の永久磁石220がギャップにおける磁束密度の変化を緩和するため、ギャップ磁束波形は、従来の電動機におけるギャップ磁束波形に比べて、正弦波形に近い形状となる。また、曲線(C)に示す高調波磁束の振幅は、従来の電動機における高調波磁束の波形(図5の曲線(C))に比べて小さくなっている。その結果、磁束の急な変動が抑制され、トルクリプルを低減することができる。
【0049】
以上のようにして、本発明の第1の実施の形態に係る電動機100によると、高トルクが必要とされる場合には、補助ステータコイル310が励磁される。この励磁により、第2の永久磁石の磁束が主ステータ110に鎖交するため、第1の永久磁石210によるトルクに加えて、第2の永久磁石220の磁束によるトルクも出力される。これにより、電動機100は、高トルクを出力することができる。
【0050】
また、高トルクが必要とされない場合(高回転時)には、補助ステータコイル310は励磁されない。この場合、第1の永久磁石210に基づくトルクのみが発生するため、電動機100の出力トルクは従来の出力トルクと変わらない。このとき、第2の永久磁石220の磁束はロータ200において漏れ磁束となり、その磁束は主ステータ110に鎖交しない。このようにすると、弱め界磁を制御するための電流を低減できるため、銅損を抑制することができる。
【0051】
高回転時においては、また、引き摺り損失が低減されるため、鉄損を低減することができる。さらに、無負荷誘起電圧の低下により巻数の増加が可能になるため。電動機100に供給する電流を低減することができる。このようにして、高速回転時における電動機の効率を向上させることができる。
【0052】
また、第1の永久磁石210に加えて第2の永久磁石220をロータ200に配置することにより、ギャップ磁束の波形を正弦波状に近づけることができるため、トルクリプルを低減することができる。また、ギャップ部パーミアンスの変動を抑制することができるため、高調波磁束の振れを小さくすることができる。
【0053】
さらに、永久磁石210および永久磁石220を分散してロータ200に配置することにより、永久磁石の遠心力による負荷がロータ200において軽減される。その結果、ロータ200の高速回転が可能になり、電動機100の運転性能を向上させることができる。
【0054】
<第1の実施の形態の変形例>
図7を参照して、本実施の形態の変形例について説明する。図7(A)は、本変形例に係る電動機700を正面から表わした図である。図7(B)は、図7(A)に示したY−Y′軸における電動機700の断面を表わす。
【0055】
電動機700は、補助ステータ760において直流コイル770が巻かれている点で、図1に示した電動機100と異なるが、他の構成については同じであるので、ここでは説明は繰り返さない。
【0056】
以上の構造に基づく本変形例に係る電動機700の動作について説明する。電流が直流コイル770に供給されると、磁束が発生して、ロータ720は磁気飽和の状態になる。このとき、ロータ720に配置されている第2の永久磁石740の磁束が漏れ磁束となって主ステータ710と鎖交するため、磁石トルクが増加する。したがって、高トルクを必要とするとき、直流コイル770に電流を供給することにより、電動機700の出力を大きくすることができる。
【0057】
<第2の実施の形態>
図8および図9を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0058】
図8は、本実施の形態に係る電動機システム1000を備えた電源システム2000の構成を表わす。この電源システム2000は、ハイブリッド車あるいは電気自動車等の車両に搭載される。この電動機システム1000は、電動機100と、インバータECU800と、インバータ810とを含む。この電動機システム1000は、SMR(System Main Relay)830を介して電源820に接続されている。
【0059】
なお、電動機100は、図1に示した第1の実施の形態に係る電動機100と同一であるので、説明は繰り返さない。
【0060】
この電動機システム1000は、たとえば車両の駆動源である。すなわち、電動機100の出力トルクは、シャフト230(図1)を介して駆動輪(図示しない)に伝達される。電源820は、たとえば数百Vの二次電池である。
【0061】
電動機100は、インバータ810から供給される交流電流により駆動される。また、電動機100が回生状態にあるときは、インバータ810を介して発電した電力を電源820に充電する。
【0062】
インバータECU800には、ハイブリッドECU(図示しない)から信号が入力される。この信号には、電動機100の出力トルクを増加する指示、アクセル開度信号、車速、要求トルクなどが含まれている。
【0063】
インバータECU800は、ハイブリッドECUから入力された信号に基づいてインバータ810を制御することにより、電動機100に供給する電流を制御する。インバータECU800は、電動機100が回生制動しているとき、所定の電圧以下の電流が電源820に供給されるように、インバータ810を制御する。これにより、電源820の過充電が防止される。
【0064】
SMR830は、電源システム2000を保護するため、所定の条件に基づいて電源820と電動機システム1000との間の回路の接続および遮断を行う。たとえば電動機システム1000が異常発電している場合には、SMR830は、電源820の過充電を防止するために、電源回路を遮断する。
【0065】
図9を参照して、本実施の形態に係る電動機システム1000の制御構造を、フローチャートに基づいて説明する。
【0066】
ステップ(以下「ステップ」をSと表わす。)902にて、インバータECU800は、ハイブリッドECUからアクセル開度信号を受信する。S904にて、インバータECU800は、電動機100の回転数を検出する。
【0067】
S906にて、インバータECU800は、電動機100の回転数が所定回転数以下であるか否かを判断する。ここで所定回転数とは、電動機100が搭載される車両あるいは電動機100自身の特性に基づいて予め定められた回転数をいう。電動機100の回転数が所定回転数以下であるとき(S906にてYES)、処理はS908に移される。そうでないとき(S906にてNO)、処理は終了する。
【0068】
S908にて、インバータECU800は、電動機100が要求されているトルク(以下「要求トルク」という。)が所定トルク以上であるか否かを判断する。ここで、所定トルクとは、電動機100の主ステータ110と第1の永久磁石210とにより発生されるトルクをいう。要求トルクが所定トルク以上であるとき(S908にてYES)、処理はS910に移される。そうでないとき(S908にてNO)、処理は終了する。
【0069】
S910にて、インバータECU800は、インバータ810を制御して電動機100の補助ステータコイル310を励磁する。すなわち、所定の起磁力を与える電流が補助ステータコイル310に供給される。
【0070】
S912にて、インバータECU800は、ハイブリッドECUからアクセル開度信号を受信する。S914にて、インバータECU800は、電動機100の回転数を検出する。
【0071】
S916にて、インバータECU800は、補助ステータコイル310の励磁を終了する条件(以下「励磁の終了条件」という。)が成立しているか否かを判断する。この判断は、S912にて受信したアクセル開度信号およびS914にて受信した電動機100の回転数に基づいて行われる。励磁の終了条件が成立する場合は、たとえばアクセル開度信号が所定の値より小さく、電動機100の回転数が所定回転数よりも大きい場合である。励磁の終了条件が成立しているとき(S916にてYES)、処理はS918に移される。そうでないとき(S916にてNO)、処理はS910に戻される。
【0072】
S918にて、インバータECU800は、補助ステータコイル310の励磁を終了する。
【0073】
以上の構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る電動機システム1000の動作について説明する。
【0074】
インバータECU800は、ハイブリッドECUからアクセル開度信号を受信し(S902)、さらに電動機100の回転数を検出する(S904)。車両が低速走行している場合に、電動機100の回転数が所定回転数以下であり(S906にてYES)、要求トルクが所定トルク以上であるとき(S908にてYES)、補助ステータコイル310はインバータ810からの電流によって励磁される(S910)。これにより、ロータ200に向かう磁束が補助ステータコイル310に発生するとともに、ロータ200に配置された第2の永久磁石220の磁束の方向が主ステータ110の方向に変えられる。その結果、主ステータ110に鎖交する磁束が増加するため、増加した分だけ電動機100の出力トルクが上昇する。これにより、車両は加速する。
【0075】
その後再びアクセル開度信号が受信され(S912)、電動機100の回転数が検出される(S914)。車両が所定の速度に到達している場合には、励磁の終了条件が成立するため(S916にてYES)、補助ステータコイル310に対する電流の供給が停止される。これにより、補助ステータコイル310の励磁は終了する(S918)。その結果、第2の永久磁石220の磁束はロータ200の内部における漏れ磁束となるため、電動機100の出力トルクは低下する。車両は、さらに加速することなく走行する。
【0076】
以上のようにして、本実施の形態に係る電動機システム1000によると、インバータECU800は、電動機100の運転状況に基づいてインバータ810から電動機100に供給する電流を制御することにより、電動機100の出力を最適にすることができる。すなわち電動機100が低速回転している場合に高トルクが要求されると、所定の起磁力を与える電流を供給することにより、補助ステータコイル310を励磁する。これにより、第2の永久磁石220の磁束がロータ200から漏れて主ステータ110に鎖交する。その結果、低速回転時における電動機100の出力トルクが増加する。
【0077】
一方、電動機100が高速回転しているときには、トルク要求は大きくないため、補助ステータコイル310は励磁されなくなる。これにより、ロータ200が磁気飽和しなくなるため、第2の永久磁石の磁束220はロータ200の外部に漏れなくなる。その結果、磁石トルクは発生しなくなり、電動機100の出力トルクは低下する。このようにすると、銅損等の損失が低減されるため、電動機システムの効率は向上する。
【0078】
これにより、低速回転時において出力トルクが向上し、高速回転時において効率が向上する電動機システムを提供することができる。
【0079】
なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、電動機100の主ステータコイル120は集中巻の構成であったが、これに限られず、分布巻の構成であってもよい。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電動機の構成図である。
【図2】図1に示す電動機の特性を表わす図(その1)である。
【図3】図1に示す電動機の特性を表わす図(その2)である。
【図4】図1に示す電動機の特性を表わす図(その3)である。
【図5】従来の電動機の特性を表わす図である。
【図6】図1に示す電動機の特性を表わす図(その4)である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る電動機の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る電動機システムを備えた電源システムの構成図である。
【図9】図8に示す電動機システムの制御構造を表わすフローチャートである。
【符号の説明】
100,700 電動機、110,710 主ステータ、120 主ステータコイル、200,720 ロータ、210,730 第1の永久磁石、220,740 第2の永久磁石、230,750 シャフト、240 軸受、250 エンドプレート、300,760 補助ステータ、310,770 補助ステータコイル、800 インバータECU、810 インバータ、820 電源、830 SMR、1000 電動機システム、2000 電源システム。
Claims (9)
- 回転子と第1の固定子とを含む電動機であって、
前記回転子には、第1の永久磁石および第2の永久磁石が設けられ、
前記電動機は、運転状態に基づいて前記第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための変更手段を含み、
前記第1の永久磁石は、前記第1の永久磁石による磁束が前記第1の固定子と鎖交するように配置され、
前記第2の永久磁石は、前記第2の永久磁石による磁束が前記回転子の内部に漏れるように配置されている、電動機。 - 前記第2の永久磁石は、前記第2の永久磁石による磁束が短絡するように配置されている、請求項1に記載の電動機。
- 前記第2の永久磁石は、前記第2の永久磁石による磁束が前記回転子の周方向を向くように配置されている、請求項1に記載の電動機。
- 前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石は、それぞれ複数設けられ、
各前記複数の第2の永久磁石は、前記複数の第1の永久磁石の間に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電動機。 - 前記変更手段は、前記電動機が要求されるトルクおよび前記電動機の回転数のいずれかに基づいて、前記第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための磁束変更手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電動機。
- 前記磁束変更手段は、前記電動機の回転数が予め定められた回転数を下回るとき、あるいは、前記電動機が要求されるトルクが予め定められたトルクを下回るとき、前記第2の永久磁石の磁束の方向を変更するための手段を含む、請求項5に記載の電動機。
- 前記変更手段は、前記第1の固定子とは異なる第2の固定子であって、
前記第2の固定子には、コイルが捲回されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電動機。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の電動機を含む電動機システムであって、前記電動機システムは、
インバータと、
前記電動機の運転状態に基づいて、前記回転子の回転と同期するように、前記インバータから前記第2の固定子に供給される電流を制御するための制御手段とをさらに含む、電動機システム。 - 前記制御手段は、前記電動機の回転数が予め定められた回転数を下回る場合、あるいは前記電動機の出力トルクが前記要求されるトルクを下回る場合には、前記回転子の回転と同期するように前記電流を制御するための手段を含む、請求項8に記載の電動機システム。
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