JP2004260626A - 表面実装型圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に圧電振動素子5が収容された矩形状容器体1の下面に、前記圧電振動素子5の振動に基づいて発振出力を制御する矩形状のIC素子7と、下面に外部端子9bが設けられた少なくとも一対の脚部6a、6bとを、前記IC素子7が一対の脚部6a、6bの間に位置するようにして取着・並設させてなる表面実装型圧電発振器であって、前記脚部6a、6bの側面と対向するIC素子7の2個の側面を前記脚部6a、6bの側面に近接配置させるとともに、前記IC素子7の前記側面と直交する2個の側面を一対の脚部6a、6bの端面間より露出させる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用通信機器等の電子機器に用いられる表面実装型圧電発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯用通信機器等の電子機器に圧電発振器が用いられている。
【0003】
かかる従来の圧電発振器としては、例えば図5に示す如く、下面に複数個の外部端子22が被着されている枠状基体21の上面に、内部に水晶振動素子等の圧電振動素子24が収容されている容器体23を取着させるとともに、前記枠状基体21の内壁面と容器体23の下面とで囲まれるキャビティ部25に前記圧電振動素子24の振動に基づいて発振出力を制御するIC素子26やコンデンサ等の電子部品素子27を配設し、これらのIC素子26や電子部品素子27を前記容器体23の下面に搭載した構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
尚、前記容器体23は、その内部に収容されている圧電振動素子を大気と遮断して気密封止するためのものであり、電気絶縁性材料から成る基板の上面にシールリングを、該シールリングの内側に圧電振動素子をそれぞれ取着させ、前記シールリングの上面に金属製の蓋体をシーム溶接(抵抗溶接)等で接合することによって圧電振動素子が収容されている空間を気密封止している。
【0005】
また、このような容器体23の基板や上述した枠状基体21は、通常、ガラス−セラミック等のセラミック材料によって一体的に形成されており、その内部及び表面には配線導体が形成され、従来周知のセラミックグリーンシート積層法等を採用することによって製作されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2000―151283号公報(図2、図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した表面実装型圧電発振器に使用されるIC素子26としては、上面に複数個の接続パッドを有したフリップチップ型のIC素子が用いられており、かかるフリップチップ型のIC素子26を容器体23の下面に搭載する場合は、IC素子26の接続パッドを半田等の導電性接合材を介して容器体下面の対応する電極パッドに当接させた上、半田等の導電性接合材を高温で加熱・溶融させることによってIC素子26を容器体23に電気的・機械的に接続させていた。
【0008】
しかしながら、上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、IC素子26が枠状基体21の内側に配置されており、IC素子26と容器体23との接合部が枠状基体21によって完全に囲まれていることから、IC素子26を容器体23の下面に搭載する際、熱がIC素子26と容器体23との間に介在させた導電性接合材まで伝達されにくく、IC素子26の搭載作業に長時間を要したり、容器体23に対するIC素子26の接合強度が不足気味になる等の不都合があり、このことが表面実装型圧電発振器の信頼性及び生産性を低下させる原因の一つとなっていた。
【0009】
また従来の表面実装型圧電発振器においては、上述したように、容器体23とIC素子26との接合部が枠状基体21によって取り囲まれており、接合部を直視することができなくなっていることから、製品の検査等に際してIC素子26の接合状態を目視等によって確認することが困難であり、このことも表面実装型圧電発振器の生産性を向上させるにあたり障害となっていた。
【0010】
更に上述した従来の表面実装型圧電発振器においては、枠状基体21がIC素子26を囲繞するように配置されていることから、その全体構造がIC素子26の外寸よりも一回り大きなものとならざるを得ず、表面実装型圧電発振器の小型化に供することも不可となる欠点を有していた。
【0011】
本発明は上述した課題に鑑み案出されたもので、その目的は、生産性に優れ、全体構造の小型化にも対応することができる表面実装型圧電発振器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面実装型圧電発振器は、内部に圧電振動素子が収容された矩形状容器体の下面に、前記圧電振動素子の振動に基づいて発振出力を制御する矩形状のIC素子と、下面に外部端子が設けられた少なくとも一対の脚部とを、前記IC素子が一対の脚部の間に位置するようにして取着・並設させてなる表面実装型圧電発振器であって、前記脚部の側面と対向するIC素子の2個の側面を前記脚部の側面に近接配置させるとともに、前記IC素子の前記側面と直交する2個の側面を一対の脚部の端面間より露出させたことを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の表面実装型圧電発振器は、前記IC素子の2個の露出側面が前記容器体の外周部に沿って配されていることを特徴とするものである。
【0014】
更に本発明の表面実装型圧電発振器は、前記容器体及び前記脚部、前記容器体及び前記IC素子が異方性導電接着材を介して電気的・機械的に接続されていることを特徴とするものである。
【0015】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器は、前記容器体下面の電極パッドと前記IC素子の接続パッド、前記容器体下面の接合電極と脚部上面の接合電極が導電性接合材を介して接続されており、かつ前記容器体−前記IC素子間の隙間から前記容器体−前記脚部間の隙間にかけて前記導電性接合材を被覆するようにして樹脂材が充填されていることを特徴とするものである。
【0016】
更にまた本発明の表面実装型圧電発振器は、前記容器体の基板がセラミック材料から成り、前記脚部が樹脂材料から成ることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の表面実装型圧電発振器によれば、圧電振動素子が収容されている容器体の下面に、外部端子を有する一対の脚部と発振制御用のIC素子とを、該IC素子の2個の側面が一対の脚部の側面間に露出するようにして取着させたことから、IC素子を半田等の導電性接合材を介して容器体の下面に搭載する際、接合に必要な熱を一対の脚部間より容器体−IC素子間の導電性接合材に良好に伝達させることができるようになり、IC素子が確実に、かつ効率良く搭載されるようになる。これにより、表面実装型圧電発振器の信頼性及び生産性を向上させることが可能となる。
【0018】
また本発明の表面実装型圧電発振器によれば、IC素子の2個の側面が一対の脚部間より露出され、IC素子と容器体との接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認することができ、これによっても表面実装型圧電発振器の生産性向上に供することが可能となる。
【0019】
更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、上述したIC素子の2個の露出側面を容器体の外周部に沿って配置させ、IC素子の残りの2個の側面を該側面に対向する脚部の側面に近接配置させることにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができる。
【0020】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、容器体及び脚部、容器体及びIC素子を異方性導電接着材を介して電気的・機械的に接続させることにより、表面実装型圧電発振器の組み立て作業を簡略化することができ、
更にまた本発明の表面実装型圧電発振器によれば、容器体下面の電極パッドとIC素子の接続パッド、容器体下面の接合電極と脚部上面の接合電極を導電性接着材を介して接続した上、容器体−IC素子間の隙間から容器体−脚部間の隙間にかけて樹脂材を充填・形成し、該樹脂材で前記導電性接合材を被覆しておくことにより、IC素子の接続パッド形成面(上面)を樹脂材で良好に保護することができるとともに、IC素子や脚部の接合部が前記樹脂材でもって補強されるようになり、これによっても表面実装型圧電発振器の信頼性を向上させることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の表面実装型圧電発振器を表面実装型水晶発振器に適用した実施形態を示す斜視図、図2は図1の表面実装型水晶発振器の断面図、図3は図1の表面実装型水晶発振器を下方より見た平面図であり、これらの図に示す表面実装型水晶発振器は、内部に圧電振動素子としての水晶振動素子5を収容した容器体1の下面に、一対の脚部6a,6bと、IC素子7とを取着させた構造を有している。
【0023】
前記容器体1は、例えば、ガラス−セラミック、アルミナセラミックス等のセラミック材料から成る基板2と、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成るシールリング3と、シールリング3と同様の金属から成る蓋体4とから成り、前記基板2の上面にシールリング3を取着させ、その上面に蓋体4を載置・固定させることによって容器体1が構成され、シールリング3の内側に位置する基板2の上面に水晶振動素子5が実装される。
【0024】
前記容器体1は、その内部、具体的には、基板2の上面とシールリング3の内面と蓋体4の下面とで囲まれる空間内に水晶振動素子5を収容して気密封止するためのものであり、基板2の上面には水晶振動素子5の振動電極に接続される一つの搭載パッド8a等が、基板2の下面には後述する脚部6a,6bの接合電極9aに接続される複数個の接合電極8c(以下、第1接合電極という。)やIC素子7の接続パッド7aに接続される複数個の電極パッド8b等がそれぞれ設けられ、これらのパッドは基板表面の配線パターンや基板内部に埋設されているビアホール導体等によって、対応するパッド同士、相互に電気的に接続されている。
【0025】
尚、前記容器体1の基板2は、ガラス−セラミック等のセラミック材料から成る場合、例えば、セラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に配線導体8となる導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
【0026】
また前記容器体1のシールリング3及び蓋体4は従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に成形することによって製作され、得られたシールリング3を基板2の上面に予め被着させておいた導体層にロウ付けし、続いて水晶振動素子5を導電性接着剤10を用いて基板2の上面に実装・固定した後、上述の蓋体4を従来周知の抵抗溶接等によってシールリング3の上面に接合することによって容器体1が組み立てられる。このようにシールリング3と蓋体4とを抵抗溶接によって接合する場合、シールリング3や蓋体4の表面には予めNiメッキ層やAuメッキ層等を被着させておく。
【0027】
一方、前記容器体1の内部に収容される水晶振動素子5は、所定の結晶軸でカットした水晶片の両主面に一対の振動電極を被着・形成してなり、外部からの変動電圧が一対の振動電極を介して水晶片に印加されると、所定の周波数で厚みすべり振動を起こす。
【0028】
前記水晶振動素子5は、一対の振動電極を導電性接着材10を介して基板上面の搭載パッドに電気的に接続させることによって基板2の上面に搭載され、これによって水晶振動素子5と容器体1との電気的接続及び機械的接続が同時になされる。
【0029】
ここで容器体1の金属製蓋体4を容器体1や脚部6a,6bの配線導体8,9を介して後述するグランド端子用の外部端子9bに接続させておけば、その使用時、蓋体4がアースされることによりシールド機能が付与されることとなるため、水晶振動素子5や後述するIC素子7を外部からの不要な電気的作用より良好に保護することができる。従って、容器体1の金属製蓋体4は容器体1や脚部6a,6bの配線導体8,9を介してグランド端子用の外部端子9bに接続させておくことが好ましい。
【0030】
そして、上述した容器体1の下面に取着される一対の脚部6a,6b及びIC素子7は、IC素子7が一対の脚部6a,6bの間に位置するようにして並設されている。
【0031】
前記一対の脚部6a,6bは、各々がガラス布基材エポキシ樹脂やポリカーボネイト,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料やガラス−セラミック,アルミナセラミックス等のセラミック材料等によって矩形状をなすように形成されており、間にIC素子7を挟んで平行に配置される。
【0032】
また、これら一対の脚部6a,6bの上面には容器体下面の対応する第1接合電極8cに電気的・機械的に接続される複数個の接合電極9a(以下、第2接合電極という。)が、また下面には4つの外部端子9b(電源電圧端子、グランド端子、発振出力端子、発振制御端子)が2個の脚部6a,6bに分かれて2個ずつ設けられており、これらの第2接合電極9bと外部端子9aとは各脚部6a,6bの端面等に設けられた溝部内面の導体膜等を介して電気的に接続されている。
【0033】
上述した4個の外部端子9bは、表面実装型圧電発振器をマザーボード等の外部電気回路に搭載する際、外部電気回路の回路配線と電気的に接続されるようになっており、これら4個の外部端子9bのうち、グランド端子と発振出力端子を一方の脚部6aに、電源電圧端子と発振制御端子を他方の脚部6bに設けておくようにすれば、発振出力端子がグランド電位に接続されるグランド端子に近接して配置されることから、発振出力端子より出力される発振信号にノイズが干渉するのを有効に防止することができる。従って、グランド端子と発振出力端子は共通の脚部に隣接させて設けておくことが好ましい。
【0034】
尚、前記脚部6a,6bは、ガラス布基材エポキシ樹脂から成る場合、ガラス糸を編み込んで形成したガラス布基材にエポキシ樹脂の液状前駆体を含浸させるとともに、該前駆体を高温で重合させることによってベースが形成され、その表面に貼着される銅箔等の金属箔を従来周知のフォトエッチング等を採用し、所定パターンに加工することによって配線導体が形成される。そして、このようにして得られた脚部6a,6bは、その上面に設けられた第2接合電極9aを半田等の導電性接合材11を介して容器体下面の第1接合電極8cに対して当接させ、しかる後、前記導電性接合材11を熱の印加によって溶融させる等して両者を電気的・機械的に接続することにより容器体1の下面に取着される。
【0035】
このような一対の脚部6a,6bは、ガラス布基材エポキシ樹脂等の樹脂材料で形成しておくのが好ましく、かかる樹脂材料で脚部6a,6bを形成しておくことにより、外形切断加工等を容易に行うことができる。
【0036】
また一方、前記一対の脚部6a,6b間に配置されるIC素子7としては、上面に前記容器体1の電極パッド8bに接続される複数個の接続パッド7aを有した矩形状のフリップチップ型ICが用いられ、その回路形成面には、周囲の温度状態を検知する感温素子(サーミスタ)、水晶振動素子5の温度特性を補償する温度補償データを有し、該温度補償データに基づいて前記水晶振動素子5の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路、該温度補償回路に接続されて所定の発振出力を生成する発振回路等が設けられている。このようなIC素子7の発振回路で生成された発振出力は、外部に出力された後、例えば、クロック信号等の基準信号として利用されることとなる。
【0037】
このようなIC素子7は、その上面に設けた複数の接続パッド7aを、容器体下面の対応する電極パッド8bに半田や金バンプ等の導電性接合材11を介して電気的に接続させることによって容器体1の下面に取着され、これによってIC素子7内の電子回路が容器体1の配線導体8や脚部6a,6bの配線導体9等を介して水晶振動素子5や脚部6a,6bの外部端子9b等と電気的に接続される。
【0038】
尚、前記IC素子7の温度補償回路に温度補償データを書き込むための書込端子(図示せず)は前記脚部6a,6bの側面等に設けられ、これらの書込端子にデータ書込装置のプローブ針を当て、IC素子7の温度補償回路内に設けられているメモリに水晶振動素子5の温度特性に応じた温度補償データを書き込むことによって温度補償回路内に温度補償データが格納される。また、このような書込端子は、脚部6a,6b等と一体的に設けられる外部の捨代部に配置させておき、温度補償データの書き込みが終了した後でこの捨代部を脚部6a,6b等から切り離すようにしても良く、そのようにして表面実装型水晶発振器を構成することにより、全体構造を小型化して、構成を簡素化することができる。
【0039】
また更に上述したIC素子7は、4個の側面のうち平行に配置されている2個の側面が、その全面にわたり、上述した脚部6a,6bの側面に対向して近接配置されるようになっており、この2個の側面と直交する残りの2個の側面を一対の脚部6a,6bの端面間より露出させている。ここで、前記IC素子7の側面と前記脚部6a,6bの側面との間にできる間隙の幅は、例えば10μm〜500μmに設定される。
【0040】
そして、前記IC素子7の2個の露出側面は、容器体1の外周部よりも若干内側、例えば、容器体1の外周より1μm〜500μmだけ内側に、容器体1の外周部に沿って配されている。
【0041】
このように、前記IC素子7の露出側面と直交する方向に係る容器体1や脚部6a,6bの幅寸法はIC素子7の一辺の長さと略等しくなるように設計され、またIC素子7の露出側面と平行な方向に係る容器体1の幅寸法はIC素子7の一辺の長さと脚部6a,6bの幅との和と略等しくなるように設計されているため、表面実装型水晶発振器の全体構造を縦・横いずれの方向にも小型に構成することができるようになる。
【0042】
しかもこの場合、IC素子7の2個の露出側面は一対の脚部6a,6bに遮られることなく露出させてあり、IC素子7と容器体1との接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子7の接合状態を目視等によって容易に確認することができ、これによって表面実装型水晶発振器の生産性を向上させることも可能となる。
【0043】
また前記IC素子7の2個の側面は一対の脚部6a,6bの側面間に露出させてあることから、IC素子7を半田等の導電性接合材11を介して容器体1の下面に搭載する際、該接合に必要な熱を一対の脚部6a,6bの側面間より容器体1−IC素子7間の導電性接合材11に対して良好に伝達させることができ、IC素子7を効率良く、確実に搭載することが可能となる。これにより、表面実装型水晶発振器の信頼性及び生産性を向上させることができる。
【0044】
更に上述した表面実装型水晶発振器は、平行に配されているIC素子7の2個の側面を一対の脚部6a,6bの側面間より露出させるようにしたことで、IC素子7の搭載領域がその両端部で外部に開放された形となっている。このため、IC素子7を容器体1に半田接合する場合のフラックス洗浄工程や、完成した表面実装型水晶発振器をマザーボード等の外部電気回路に搭載した後に行なわれる洗浄工程等においてIC素子7の表面や容器体1の下面に対して洗浄液を接触させる場合であっても、一対の脚部6a,6b間の領域への洗浄液の流入、及び流出は上述した搭載領域両側の開放端を介して極めてスムーズ、かつ良好になされるようになり、IC素子7の搭載領域に洗浄液が残留してしまうのを有効に防止して、上述の洗浄工程を効率良く行うことができる利点もある。
【0045】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0046】
例えば、上述した実施形態においては、圧電振動素子として水晶振動素子を用いた表面実装型水晶発振器を例にとって説明したが、これに代えて、圧電振動素子としてSAWフィルタ等の他の圧電振動素子を用いる場合にも本発明は適用可能である。
【0047】
また上述した実施形態において、図4(a)に示す如く、IC素子7及び一対の脚部6a,6bを単一の異方性導電接着材12を介して容器体1の下面に取着させるようにしても良く、この場合、容器体1と一対の脚部6a,6bとの電気的接続及び機械的接続、容器体1とIC素子7との電気的接続及び機械的接続が異方性導電接着材12によって一括的になされることから、表面実装型水晶発振器の組み立て作業を大幅に簡略化することができる利点がある。
【0048】
更に上述した実施形態において、図4(b)に示す如く、容器体下面の電極パッド8bとIC素子7の接続パッド7aとの接合領域に形成される容器体1−IC素子7間の隙間から容器体下面の接合電極8aと脚部上面の第2接合電極9aとの接合領域に形成される容器体1−脚部6a,6b間の隙間にかけて樹脂材13を充填・形成し、該樹脂材13で対向するパッド同士、電極同士を接合する導電性接合材11を被覆するようになしておいても良く、その場合、IC素子7の回路形成面を樹脂材13でもって良好に保護することができるとともに、IC素子7や脚部6a,6bの接合部が前記樹脂材13でもって補強されるようになり、これによっても表面実装型水晶発振器の信頼性を向上させることができる。
【0049】
また更に上述した実施形態においては、容器体1の蓋体4をシールリング3を介して基板2に接合させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に接合用のメタライズパターンを形成しておき、このメタライズパターンに対して蓋体4をダイレクトに溶接するようにしても構わない。
【0050】
更にまた上述した実施形態においては、容器体1の基板上面に直接シールリング3を取着させるようにしたが、これに代えて、基板2の上面に基板2と同材質のセラミック材料等から成る枠体を一体的に取着させた上、該枠体の上面にシールリング3を取着させるようにしても構わない。
【0051】
また更に上述した実施形態においては、容器体1の下面に2個の脚部6a,6bを取着させるようにしたが、これに代えて、各脚部6a,6bをそれぞれ2個に分断して得た4個の脚部を容器体1の下面に取着させるようにしたり、或いは、脚部6a,6bのうち一方のみを2つに分断して得た3個の脚部を容器体1の下面に取着させるようにしても良く、このような場合であってもIC素子7の側面が2個の脚部の側面間より露出されるように構成されている限り、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0052】
更にまた上述した実施形態においては、脚部6a,6bの形状を矩形状となしたが、このような脚部6a,6bの内側面や外側面,角部等に切り欠きを設け、この切り欠きと接する脚部6a,6bの表面に導体パターンを被着させたり、或いは、切り欠きによってできたスペースにチップ状コンデンサ等の小さな電子部品素子を配置させるようにしても構わない。
【0053】
また更に上述した実施形態において、IC素子7の側面と脚部6a,6bの側面との間にできる間隙に補強や封止等を目的として樹脂材等を充填するようにしても良いことは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
本発明の表面実装型圧電発振器によれば、圧電振動素子が収容されている容器体の下面に、外部端子を有する一対の脚部と発振制御用のIC素子とを、該IC素子の2個の側面が一対の脚部の側面間に露出するようにして取着させたことから、IC素子を半田等の導電性接合材を介して容器体の下面に搭載する際、接合に必要な熱を一対の脚部間より容器体−IC素子間の導電性接合材に良好に伝達させることができるようになり、IC素子が確実に、かつ効率良く搭載されるようになる。これにより、表面実装型圧電発振器の信頼性及び生産性を向上させることが可能となる。
【0055】
また本発明の表面実装型圧電発振器によれば、IC素子の2個の側面が一対の脚部間より露出され、IC素子と容器体との接合部が直視できるようになっているため、製品の検査等に際してIC素子の接合状態を目視等によって容易に確認することができ、これによっても表面実装型圧電発振器の生産性向上に供することが可能となる。
【0056】
更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、上述したIC素子の2個の露出側面を容器体の外周部に沿って配置させ、IC素子の残りの2個の側面を該側面に対向する脚部の側面に近接配置させることにより、表面実装型圧電発振器の全体構造を小型化することができる。
【0057】
また更に本発明の表面実装型圧電発振器によれば、容器体及び脚部、容器体及びIC素子を異方性導電接着材を介して電気的・機械的に接続させることにより、表面実装型圧電発振器の組み立て作業を簡略化することができ、
更にまた本発明の表面実装型圧電発振器によれば、容器体下面の電極パッドとIC素子の接続パッド、容器体下面の接合電極と脚部上面の接合電極を導電性接着材を介して接続した上、容器体−IC素子間の隙間から容器体−脚部間の隙間にかけて樹脂材を充填・形成し、該樹脂材で前記導電性接合材を被覆するようになしておくことにより、IC素子の回路形成面(上面)を樹脂材で良好に保護することができるとともに、IC素子や脚部の接合部が前記樹脂材でもって補強されるようになり、これによっても表面実装型圧電発振器の信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を表面実装型水晶発振器に適用した実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の表面実装型水晶発振器の断面図である。
【図3】図1の表面実装型水晶発振器を下方より見た平面図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る表面実装型圧電発振器の断面図である。
【図5】(a)は従来の表面実装型圧電発振器の断面図、(b)は(a)の表面実装型圧電発振器を下方から見た平面図である。
【符号の説明】
1・・・容器体
2・・・基板
3・・・シールリング
4・・・蓋体
5・・・圧電振動素子(水晶振動素子)
6a,6b・・・一対の脚部
7・・・IC素子
7a・・・接続パッド
8・・・容器体の配線導体
8a・・・搭載パッド
8b・・・電極パッド
8c・・・第1接合電極
9・・・脚部の配線導体
9a・・・第2接合電極
9b・・・外部端子
10、11・・・導電性接合材
12・・・異方性導電接着材
13・・・樹脂材
Claims (5)
- 内部に圧電振動素子が収容された矩形状容器体の下面に、前記圧電振動素子の振動に基づいて発振出力を制御する矩形状のIC素子と、下面に外部端子が設けられた少なくとも一対の脚部とを、前記IC素子が一対の脚部の間に位置するようにして取着・並設させてなる表面実装型圧電発振器であって、
前記脚部の側面と対向するIC素子の2個の側面を前記脚部の側面に近接配置させるとともに、前記IC素子の前記側面と直交する2個の側面を一対の脚部の端面間より露出させたことを特徴とする表面実装型圧電発振器。 - 前記IC素子の2個の露出側面が前記容器体の外周部に沿って配されていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記容器体及び前記脚部、前記容器体及び前記IC素子が異方性導電接着材を介して電気的・機械的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記容器体下面の電極パッドと前記IC素子の接続パッド、前記容器体下面の接合電極と脚部上面の接合電極が導電性接合材を介して接続されており、かつ前記容器体−前記IC素子間の隙間から前記容器体−前記脚部間の隙間にかけて前記導電性接合材を被覆するようにして樹脂材が充填されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記容器体の基板がセラミック材料から成り、前記脚部が樹脂材料から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表面実装型圧電発振器。
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