JP2004259924A - 複素結合型分布帰還型半導体レーザ - Google Patents

複素結合型分布帰還型半導体レーザ Download PDF

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Abstract

【課題】複素結合型DFBレーザにおいて、高い単一波長発振特性を保ち、出射光を前方と後方で非対称化し、且つ、ホールバーニングを抑制する。
【解決手段】例えば、位相シフト領域20より前方の第1の回折格子18の長さをL、後方の第2の回折格子19の長さをLとした場合、第1の回折格子の複素結合係数を、屈折率結合係数をki1、利得結合係数をkg1としてk=ki1+ikg1と定義し、第2の回折格子の複素結合係数を、屈折率結合係数をki2、利得結合係数をkg2としてk=ki2+ikg2と定義したとき、ki1≠0,kg1≠0,ki2≠0,kg2≠0 、|k|×L>|k|×L>0であって、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、αth_sh>αth_exを満たすように|k|及びLと|k|及びLの大きさを調節する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分布帰還型半導体レーザに関し、特に、屈折率と利得の両方の摂動により構成される回折格子を備えた複素結合型分布帰還型半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
分布帰還型半導体レーザ(以下、DFBレーザ)は、活性領域に作製された回折格子によるブラック反射を利用することにより、変調時においても単一波長で発振動作が得られるため、光ファイバ通信用の光源として用いられている。DFBレーザは、その回折格子によりいくつかの種類に分類することができ、一般的に複素屈折率の実部すなわち屈折率の摂動よりなる回折格子を有するDFBレーザを屈折率結合型(Index−coupled)DFBレーザ、複素屈折率の虚部すなわち利得もしくは損失の摂動よりなる回折格子を有するDFBレーザを利得結合型(Gain−coupled) DFBレーザ、複素屈折率の実部と虚部の両方の摂動よりなる回折格子を有するDFBレーザを複素結合型(Complex−coupled)DFBレーザと称する。また、回折格子の周期や位相などから分類でき、共振器全体に渡り均一な周期および結合係数を有する回折格子を備えたDFBレーザを均一回折格子DFBレーザ、または、共振器の途中でλ/4分の位相をシフトさせたDFBレーザをλ/4シフトDFBレーザと称する。
【0003】
レーザにおいて、共振器構造により決定されるレーザ発振が始まる光導波路の利得を閾値利得と言うが、DFBレーザにおいては異なる波長で発振するそれぞれのモードで異なる閾値利得を有し、最も低い閾値利得を有するモードで発振する。一般に、回折格子を有する光導波路において、光の透過が著しく妨げられる、すなわち反射率が高い波長帯を阻止帯(ストップバンド)と呼ぶが、屈折率結合型均一回折格子DFBレーザにおいては、ストップバンドに最も近い長波長側のモードとストップバンドに最も近い短波長側のモードで同等な閾値利得を有するため、単一波長発振動作が得られないか、もしくは、端面反射の回折格子に対する位相の非対称性や温度などの周囲環境の非対称性や作製誤差による非対称性により単一波長動作が得られたとしても、最も低い閾値利得を有するモードと次に低い閾値利得を有するモードとの閾値利得の差が小さいため、変調動作などにより容易にモードが移り変わるため安定な単一波長動作が得られない。従って、屈折率結合型均一回折格子においては、一般に、その単一波長発振動作を得るために、図9(a)に示すように、非対称性を作り出すために共振器の片端面もしくは両端面に反射率の異なるコーティング膜(例えば、無反射(AR)コーティング膜17と高反射(HR)コーティング膜22)が施されている。また、非対称性反射率コーティング膜によれば、両端面から出射されるレーザ出力も非対称となり、低反射率端面側から大きな出力が得られる。しかしながら、例えば、非特許文献1に述べられているように、レーザ発振が起こる波長が、ストップバンドの長波長側波長であるか短波長側波長であるかは回折格子に対する端面の位相により決定され、これを制御することは、1.55μm波長帯の一次の回折格子周期は240nmと非常に小さく困難であるため、発振波長を制御することは難しい。
【0004】
一方、屈折率結合型λ/4シフトDFBレーザにおいては、通常、共振器軸方向の中央部に位相シフト領域があり、共振器の両端面は無反射コーティングを施し、導波路の等価屈折率をneq 、回折格子の周期をΛとし、回折格子の次数をqとすると、λ/4シフトにより
λ=2neqΛ/q
で定義され、ストップバンドの中に生じるブラック波長において最も閾値利得が小さくなり単一波長動作し、次に低い閾値利得を有するモードとの閾値利得差も前述の非対称反射率コーティング膜を施した屈折率結合型均一回折格子DFBレーザに比べて大きく取れるため単一波長動作特性が優れている。しかしながら、λ/4シフト部を共振器中央に備えた屈折率結合型λ/4シフトDFBレーザでは、両端面からの光出力が同等であり、一般に前述の非対称反射率コーティング膜を施した屈折率結合型均一回折格子DFBレーザに比べて前方より取り出せる光出力が小さくなる。
【0005】
上述の屈折率結合型λ/4シフトDFBレーザの短所を改善するため、例えば、非特許文献2では、屈折率結合型λ/4シフトDFBレーザにおいて、両端面にそれぞれ無反射(AR)コーティングと高反射(HR)コーティングを施し、位相シフト位置を後方のHR側にずらすことによって、発振するモードであるブラック波長と次のモードとの閾値利得差をある程度の値に保持しながら前方光出力を大きく取り出す方法が提案されている。しかしながら、この方法の場合も高反射膜を施した端面の回折格子に対する位相に影響を受け、単一波長動作特性および閾値電流などの発振特性が劣化する。
【0006】
また、λ/4位相シフトを備え、ブラック波長で位相条件が満たされて発振波長となる場合、kLの大きい回折格子の反射率が高くなるため、位相シフトを挟んで存在する2つの回折格子のうちkLの小さい回折格子側へ出力される割合が大きくなる。例えば、非特許文献3では、両端面に無反射コーティングを施したλ/4位相シフトDFBレーザにおいて、図9(b)に示すように、λ/4位相シフト点20を共振器軸方向の中央から前方にずらす、つまり位相シフト点20より前方の第1の回折格子18のkLを位相シフト点20より後方の第2の回折格子19のkLよりも小さくすることにより、単一波長特性を大きく劣化させること無く、前方光出力を向上する方法が述べられている。この例においても発振波長はブラック波長である。しかしながら、出力の非対称性を大きくするに従い、発振波長の閾値利得が上昇し、発振が始まる電流値である閾値電流が上昇するとともに、次に低い閾値利得を有する波長との閾値利得差が小さくなり、よって単一波長特性が劣化するため、ある一定以上非対称性を大きくできない。
【0007】
上述の例では、第1,第2の回折格子18,19のLを変えることでkLを非対称にしているが、図9(c)に示すように、特許文献1などでは、第1,第2の回折格子18,19のkもしくは、kとLの両方を変化させることでkLを非対称にしている。これにより、閾値利得差は改善される。
【0008】
ところで、共振器内部に生じる共振器軸方向での光のフィールド分布により活性層のキャリア濃度分布が生じ、これに応じて導波路の等価屈折率が変化する現象、すなわち空間的軸方向ホールバーニング現象が起きるため、これによっても最も低い閾値利得を持つ発振波長と次に低い閾値利得を持つ波長との閾値利得差が小さくなり単一波長動作特性が劣化するが、λ/4位相シフトDFBレーザにおいてブラッグ波長で発振する場合に大きな問題となっている。空間的軸方向ホールバーニングは、kLが大きいほど反射率が大きくなり、位相シフト部への光の集中が顕著になるため大きな問題となり、レーザの低閾値電流動作化、短共振器化が制限される。従って、これまで例示した図9(b)や図9(c)に示した構造はブラック波長での発振を用いるものであり、空間的軸方向ホールバーニングが問題となる。また、位相シフト量がλ/4のときブラッグ波長で位相条件が完全に整合するが、位相シフト量がλ/4からずれても、そのずれた位相量だけブラッグ波長からずれた波長で共振可能なモードが生じ、λ/4の場合が最も顕著ではあるが、位相シフトにより共振可能となったモードでの発振の場合には、空間的軸方向ホールバーニングの問題が生じる。
【0009】
一方、例えば、非特許文献4などに述べられているように、複素結合型DFBレーザは、均一回折格子であっても単一波長で動作することが可能である。その発振波長は、屈折率の摂動と利得の摂動が同位相の場合、つまり、屈折率の高い部分と利得の高い部分、屈折率の低い部分と利得の低い部分が一致している場合は、ストップバンドの長波長側でストップバンドに最近接の共振モードであり、屈折率の摂動と利得の摂動が逆位相の場合、つまり、屈折率の高い部分と利得の低い部分、屈折率の低い部分と利得の高い部分が一致している場合は、ストップバンドの短波長側でストップバンドに最近接の共振モードである。しかしながら、均一回折格子であるため共振器の両端面からの出射光は基本的に等しい。従って、例えば、異なる反射率を有するコーティング膜をそれぞれの端面に施さなければならず、よって、前記屈折率結合DFBレーザの場合と同様に、発振波長の不確定性や単一波長動作の歩留まりの劣化が生じてしまう。また、λ/4位相シフト領域を回折格子中に導入した場合において、ブラッグ波長が発振波長となる場合、前記ホールバーニング現象の問題が生じる。
【0010】
【非特許文献1】
“Effect of Mirror Facets on Lasing Characteristics of Distributed Feedback InGaAsP/InP Laser Diodes at 1.5 μm Range, ”K. Utaka et al (IEEE J.Quantum Electron., QE−20, No. 3, pp. 236−245, March 1984)
【非特許文献2】
“Analysis of λ/4−phase shifted DFB LD ”M. Yamaguchi et al.(in 1985 Nat. Conv. Rec., IECE Japan, p. 310)
【非特許文献3】
“Asymmetric λ/4−Shift InGaAsP/InP DFB Lasers ”M. Usami et al,(IEEE J. Quantum Electron., QE−23, p.815−821,July 1987)
【非特許文献4】
“High Single−mode Yield 1.55 μm GaInAsP/InP BH−DFB Lasers with Periodic Wirelike Active Regions,”N. Nunoya et al,(The 17th IEEE International Semiconductor Laser Conference, pp.45−46, 9月 2000)
【特許文献1】
特開平11−163464号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来の屈折率結合DFBレーザおよび複素結合DFBレーザでは、単一波長動作かつ前方出力と後方出力を非対称化する場合、次のような問題点があった。均一回折格子DFBレーザにおいて非対称コーティング膜による方法、つまり前方端面に低反射率コーティング膜、後方端面に高反射率コーティング膜を施した場合においては、端面の回折格子に対する位相により、単一波長特性の劣化および発振波長が不確定となる問題が生じる。また、非対称コーティング膜とした上で、λ/4位相シフト位置を共振器軸方向中心より後方の高反射率端面に置く方法であっても、やはり均一回折格子の場合と同様に、反射端面の回折格子に対する位相によって単一波長特性の劣化および発振波長が不確定となる問題が生じる。
【0012】
一方、両端面を低反射化して位相シフト領域の位置を共振器中央より前方に置く方法においては、非対称性の増大に伴い、閾値電流の上昇および単一波長特性が劣化する。また、位相シフトを導入し、その位相シフトによりストップバンド内に生じる共振モードで発振する場合には、軸方向ホールバーニングが問題となる。
【0013】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、DFBレーザにおいて、非対称端面コーティングによらず、高い単一波長発振特性を保ち、かつ共振器の端面からの出射光を前方と後方で非対称化するとともに、位相シフトの導入によるホールバーニングを抑制することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1発明(請求項1)の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、位相シフト点もしくは領域を挟む複素屈折率の実部すなわち屈折率と虚部すなわち利得または損失の両方の摂動により構成される2つの回折格子を備えた分布帰還型レーザダイオードにおいて、主レーザ光を出射する方向を前方とし、前記位相シフト点もしくは領域より前方の第1の回折格子の長さをL、前記位相シフト点もしくは領域より後方の第2の回折格子の長さをLとした場合、前記位相シフト点もしくは領域より前方の第1の回折格子の複素結合係数を、屈折率結合係数をki1、利得結合係数をkg1としてk=ki1+ikg1と定義し、前記位相シフト点もしくは領域より後方の第2の回折格子の複素結合係数を、屈折率結合係数をki2、利得結合係数をkg2としてk=ki2+ikg2と定義したとき、
i1≠0,kg1≠0,ki2≠0,kg2≠0
|k|×L>|k|×L>0
であって、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
αth_sh>αth_ex
を満たすように、|k|およびLと|k|およびLの大きさを調節したことを特徴とする。
【0015】
また、第2発明(請求項2)の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明の複素結合型分布帰還型レーザであって、長さLの第1の回折格子の複素結合係数kと、長さLの第2の回折格子の複素結合係数kが同じであって、
>L
を満たし、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
αth_sh>αth_ex
を満たすように、LとLの大きさを調節したことを特徴とする。
【0016】
また、第3発明(請求項3)の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明の複素結合型分布帰還型レーザであって、第1の回折格子の次数をpとし、第2の回折格子の次数をqとしたとき、
|k|×L>|k|×L>0
の関係を満たすために、
p<q
とし、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
αth_sh>αth_ex
を満たすように、|k|およびLと|k|およびLの大きさを調節したことを特徴とする。
【0017】
また、第4発明(請求項4)の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明もしくは第3発明の複素結合型分布帰還型レーザであって、第1の回折格子もしくは第2の回折格子のどちらか一方もしくは両方の回折格子が、回折格子の山をm個中n個の割合で残す(m>n)ことによって、平均的な結合係数をn/mと減少させた回折格子により構成され、平均的な結合係数が請求項1もしくは請求項3に記載の条件を満たし、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh 、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
αth_sh >αth_ex
を満たすように、|k|およびLと|k|およびLの大きさを調節したことを特徴とする。
【0018】
また、第5発明(請求項5)の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明から第4発明のいずれか1つの複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が多重量子井戸活性層の一部もしくは全部をエッチングすることによって作製されたことを特徴とする。
【0019】
また、第6発明の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明から第4発明のいずれか1つの複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子がパターン基板上に活性層を成長することによって作製されたことを特徴とする。
【0020】
また、第7発明の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明から第4発明のいずれか1つの複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が活性層の上方または下方に光吸収層を周期的に設けることによって作製されたことを特徴とする。
【0021】
また、第8発明の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明から第4発明のいずれか1つの複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が活性層の上方もしくは下方に電流阻止層を周期的に設けることによって作製されたことを特徴とする。
【0022】
また、第9発明の複素結合型分布帰還型半導体レーザは、第1発明から第4発明のいずれか1つの複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が素子表面に金属膜を周期的に設けることによって作製されたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施の形態のDFBレーザ構造は、次の回折格子構造により課題を解決する。
【0024】
本実施の形態のDFBレーザの回折格子は複素屈折率の実部と虚部の摂動よりなり、屈折率結合と利得結合を同時に有する複素結合型とし、位相シフト領域を有する。複素結合型の回折格子を形成するには、図1に示す共振器軸方向断面の模式図のように、例えば、“1.55μm index/gain coupled DFB lasers with strained layer multiquantum−well active grating, ”G.P.Li et al,(Electron Lett.,vol.28,no.18,pp. 1726−1727, Aug. 1992.)に示されている▲1▼活性層(例えば図示のGaInAsP SCH−歪MQW層12における活性層12a)の一部もしくは全部をエッチングする方法や、例えば、“Fabrication and characteristics of gain−coupled distributed feedback semiconductor lasers with a corrugated active layer, ”Y. Luo et al,(IEEE J. Quantum Electron, vol. QE−27, no. 6, pp. 1724−1731,June 1991.)に示されている▲2▼パターン基板(例えば図示のn−InP基板11)上に活性層(例えば図示のGaInAsP MQW23における活性層23a)を形成する方法や、例えば、“1.55μm Gain−Coupled Quantum−Well Distributed Feedback Lasers with High Single−Mode Yield and Narrow Linewidth, ”B.Borchert et al,(IEEE Trans. Photon. Technol., Lett., vol. 3, no. 11, pp. 955−957, Nov. 1991.) に示されている▲3▼活性層(例えば図示のGaInAsP SCH−歪MQW層12における活性層12a)の上方もしくは下方に光吸収層(例えば図示のp−GaInAs光吸収層24)を周期的に設ける方法や、例えば、“Very−low threshold,highly efficient, and low−chirp 1.55μm complex−coupled DFB lasers with a current−blocking grating, ”Z. M. Chuang et al,(IEEE Photon. Technol. Lett., vol. 8, no. 11, pp. 1438−1440, Nov. 1996.) に示されている▲4▼活性層(例えば図示のGaInAsP SCH−歪MQW層12における活性層12a)の上方もしくは下方に電流阻止層(例えば図示のn−InGaAsP電流阻止層25)を周期的に設ける方法や、例えば、“Cain−coupled DFB lasers with a titanium surface Bragg grating.”T.W.Johannes et al,(Electron. Lett., vol. 31, no. 5, pp. 370−371, Mar. 1995.) に示されている▲5▼素子表面に金属による回折格子(例えば図示の金属回折格子27)を設ける方法などがある。
【0025】
位相シフト領域より前方、つまりレーザ光を取り出す端面方向の第1の回折格子の長さをL、その複素結合係数を屈折率結合係数をki1、利得結合係数をkg1としてk=ki1+ikg1とし、後方の第2の回折格子の長さをLとし、後方の第1の回折格子のブラック波長に対しての複素結合係数を屈折率結合係数をki2、利得結合係数をkg2としてk=ki2+ikg2としたとき、
i1≠0,kg1≠0,ki2≠0,kg2≠0
|k|×L>|k|×L>0
とする。さらに、上述の構造において、|k|およびLと|k|およびLの大きさを位相シフトにより生じた共振モードの閾値利得αth_shよりもストップバンドの外側かつストップバンドに最近接の共振モードの閾値利得αth_exを小さくするように、すなわち、
αth_sh>αth_ex
となるように|k|およびLと|k|およびLの大きさを調節する。閾値利得は、例えば、“Coupled−Wave Theory of Distributed Feedback Lasers”H. Kogelnik et al,(J. Appl. Phys., vol. 43, no. 5, pp. 2327−2335, May 1972) や“A new exact and efficient numerical matrix theory of complicated laser structures: Properties of asymmetric phase−shifted DFB lasers,”G. Bjork et al,(J. Lightwave Technol., vol. LT−5, pp. 140−146, Jpn. 1987) などに記載の、結合波方程式や伝播行列法などにより求めることが可能である。また、結合係数を調節する方法としては、▲1▼回折格子の山と谷の比を変える、▲2▼回折格子の山の高さを変える、▲3▼導波路幅を変えて等価屈折率を変える、▲4▼導波路厚(上下の層の厚さ)を変えて等価屈折率を変えるなどが挙げられる。
【0026】
このとき、最も小さい閾値利得を持つモードは、屈折率と利得の摂動が同相である場合には、ストップバンドの長波長側のモードであり、屈折率と利得の摂動が逆相である場合には、ストップバンドの短波長側のモードである。
【0027】
<作用>
後端面への高反射率膜のコーティングは、その回折格子に対する位相により出来上がるレーザの特性が変化する。しかしながら、例えば、“High Single−mode Yield 1.55 μm GaInAsP/InP BH−DFB Lasers with Periodic Wirelike Active Regions,”N. Nunoya et al, (The 17th IEEE International Semiconductor Laser Conference, pp. 45−46, Sep. 2000)で述べられている活性層をエッチングすることによって作製した利得変化と屈折率変化が同相である回折格子を備えた複素結合型均一回折格子DFBレーザにおいては、均一回折格子であっても非対称端面反射率コーティングによらずストップバンドの長波長側の共振モードで発振し、単一波長動作の指標である発振モードと次モードの出力比である副モード抑圧比(SMSR)が30dB以上の単一波長動作が得られる。また、へき開による反射率30%程度以下の端面反射率であれば、その回折格子に対する位相によらず、発振波長は常にストップバンドの長波長側の波長となる。
【0028】
次に、非対称化を行うため、複素結合型DFBレーザの回折格子への位相シフトの導入を考える。位相シフトにより共振可能となるストップバンドの中に生じるモード、例えば、λ/4位相シフトの場合においてはブラッグ波長が発振波長となると、位相シフト部への光の集中が極端に増加しホールバーニングが生じるため、それに伴う局所的な屈折率の変化によりやはり特性の劣化を招く。このことを逆に考えると、位相シフトを導入しても、それにより存在可能となったストップバンド内の共振モードが発振モードとはならず、他の波長が発振するのであれば、共振器内部の光強度分布も滑らかとなり、空間的軸方向ホールバーニングを抑制できる。位相シフトにより生じたストップバンド内の共振モードでの発振を抑制するためには、位相シフト領域の前方、もしくは、後方の複素結合係数(k=ki1+ikg1,k=ki2+ikg2)と共振器長との積、すなわち、|k|・Lもしくは|k|・Lを小さくする。このとき、位相シフトによるモードは、発振に必要な光の帰還が十分得られず閾値利得が上昇し、ki1とkg1、もしくは、ki2とkg2、が同符号のときは、ストップバンドの長波長側の波長が最低閾値利得を有する波長となって発振が起こり、ki1とki2、もしくは、ki2とkg2、が異符号のときは、ストップバンドの短波長側の波長が最低閾値利得を有する波長となって発振が起こる。これは、あたかも|k|・Lもしくは|k|・Lのうち大きな値を有する回折格子による均一回折格子DFBレーザのようであり、共振器内部の光分布も均一回折格子DFBレーザのそれと似た傾向となるため、位相シフト領域への光の集中は起きず、ホールバーニングは抑制される。
【0029】
以上のことを図2に示す本発明の原理の図を用いて説明する。座標Zは共振器軸方向に沿って共振器前端面を0とした。簡単化のために両端面はARコーティング膜17を施して無反射とし、第1の回折格子18と第2の回折格子19の周期および結合係数は同じである場合を考える。まず、回折格子が屈折率結合型の場合を考える。図3に屈折率結合型DFBレーザの場合のスペクトルの計算例を示す。20の位相シフト位置がL/(L+L)=0.5の位置にあるとき、λ/4位相シフトによるモードがストップバンドの中央にできるが、L/(L+L)=0.8とすることで、k・Lが小さくなり、ブラッグ波長の閾値利得が上昇し、ストップバンドの両側のモードの閾値利得が最小となるため、ブラッグ波長では発振しない。ただし、屈折率結合の場合、ストップバンドの両側のモードの閾値利得がほぼ同等となるので、スペクトルの計算結果からも明らかなように単一モード動作が得られない。次に、回折格子が屈折率と利得の摂動が同相である複素結合型の場合を考える。図4に、複素結合型DFBレーザの場合のスペクトル計算結果を示す。位相シフト20がL/(L+L)=0.5の位置にあるとき、λ/4位相シフトによるモードがストップバンドの中央にできるのは、前述の屈折率結合型DFBレーザの場合と同様である。しかしながら、L/(L+L)=0.8とすることで、k・Lが小さくなると、均一回折格子の場合と同じようにストップバンドの長波長側のモードの閾値利得が最小となり単一モード動作する。すなわち、本発明の動作原理は複素結合型回折格子によるDFBレーザに特徴的な現象を用いたものである。
【0030】
図5に示した複素結合型DFBレーザにおける位相シフト位置を変えた場合の共振器内部の光パワー密度分布の計算例を見ると、同じ前方出力を得ようとした場合、λ/4位相シフトを中央部に入れたL/(L+L)=0.5や前方出力を大きくするためにλ/4位相シフト部を前方に置いたL/(L+L)=0.4の場合、λ/4位相シフトにより生じるストップバンド内のモード、すなわちブラック波長が共振モードとなるため、位相シフト部への光の集中が大きくなる。これは、屈折率結合型DFBレーザの場合も同様である。一方で、L/(L+L)=0.8の場合は、図4で示したようにストップバンドの外側の波長で発振するため、位相シフト部への極端な光の集中は起きず起伏の緩やかな平坦に近い分布となる。このとき、位相シフトを前方よりに挿入した場合の前後端面の出力比とほぼ同じ出力比が得られる。また、図5からわかるように、前方端面からの出力を後方端面からの出力よりも大きくする場合には、位相シフト位置を後方に置く、すなわち、|k|・Lを|k|・Lよりも小さくする。
【0031】
前述のように、複素結合型回折格子の場合、均一回折格子の場合でも単一波長動作が可能であり、端面反射の影響を受けにくいため、端面の無反射(AR)コーティング膜は、必ずしも完全である必要は無く、へき開面程度以下の反射率であれば良い。加えて位相シフトが存在するため、共振器構造は非対称となり、複素結合係数と共振器長との積を小さくした側とは反対の端面から光が出射する割合が増大する。位相シフトは、共振構造を非対称化するためのものであり、位相シフトによる共振モードは発振させないため、位相シフト量は必ずしもλ/4である必要は無い。
【0032】
次に、回折格子の構造について述べる。第2の回折格子19の結合係数と回折格子長さの積を小さくする、特に、結合係数を小さくする場合を考える。第1の方法は、第1の回折格子18よりも第2の回折格子19側の回折格子の山の高さを低くすることによって結合係数を小さくすることができる。ただし、2つの領域を別々に作製しなければ精度良く作製することは難しいと考えられる。第2の方法は、回折格子の山谷の比を1:1からずらすことで結合係数を小さくすることが可能である。この方法によれば、同時に異なる結合係数を有する2つの回折格子を作製可能である。しかしながら、例えば1.55μm波長帯の1次の回折格子の場合、回折格子周期は240nmであり、この中で山谷の比を精度良く制御することは困難である。第3の別の方法としては、優れたレーザ特性を得るためには1次の回折格子が望ましいが、高次の回折格子によっても動作原理は変わらないため、結合係数と回折格子長さの積を小さくするために高次回折格子を用いても良い。この方法によれば、例えば、1次の回折格子と2次の回折格子を同時に形成することが可能であり加工制御性も改善される。さらに別の第4の方法を考えると、回折格子の山をm個中n個の割合で残す方法(m>n)等により、平均的な結合係数をn/mと減少させることによって回折格子のk・Lを調節してもよい。
【0033】
ここで、図6〜図8に基づき、本発明の実施例について説明する。
【0034】
<第1実施例>
図6は、本発明の第1実施例[請求項1、請求項2に対応]であり、複素結合型分布帰還型半導体レーザの構造を示す断面図である。図6において、11はInP基板、12は発光波長1.55μmのInGaAsPの多層歪量子井戸(MQW)活性層とそれを挟み込むバンドギャップ波長1.2μmのSCH層よりなるSCH−歪MQW層、13はp−InPクラッド層、14はp−コンタクト層、15はp側電極、16はn側電極、17はARコーティング膜、18,19は第1,第2の回折格子である。
【0035】
第1の回折格子18および第2の回折格子19は、SCH−歪MQW層12を周期(Λ)240nmでエッチングしInPにより埋め込み再成長することにより形成されるため、屈折率と利得の摂動により回折格子が構成され、それぞれ同じ大きさの複素結合係数kとkを有する。屈折率結合係数はおよそ360cm−1であり、利得結合係数を正確に見積もることは困難であるが、およそ数〜数十cm−1となる。回折格子の作製法は、本実施例では図1に示されている▲1▼MQW層(活性層)のエッチングによるもの[請求項5に対応]であるが、同図の他の方法、即ち、▲2▼パターン基板上に活性層を形成する方法[請求項6に対応]や、活性層の上方もしくは下方に光吸収層を周期的に設ける方法[請求項7に対応]や、▲4▼活性層の上方もしくは下方に電流阻止層を周期的に設ける方法[請求項8に対応]や、▲5▼表面金属回折格子による方法[請求項9に対応]などによって複素結合型回折格子を実現しても良い。λ/4位相シフト領域20を挟んで、前方の第1の回折格子18の長さをL=160μmとし、後方の第2の回折格子19の長さをL=40μmとしており、λ/4位相シフト領域が、
|k|×L>|k|×L>0
を満たすように形成されている。
【0036】
活性層は、バルクでもかまわないが、歪MQW層とすることにより光出力特性が向上するため、ここでは歪MQW層を用いている。レーザ構造は、導波路の両脇を極性の異なる半導体層を積層した電流阻止層や半絶縁体層で埋め込んだ埋め込みヘテロ構造としている。しかし、本発明の原理はリッジ構造やその他の導波路構造でもなんら問題はない。
【0037】
本第1実施例の構造により、最低閾値利得を有するモードは、λ/4位相シフトによるブラック波長とはならず、ストップバンドの長波長側のモードとなるため、ホールバーニング効果が抑制される。また、単一波長動作であり、35dB以上の副モード抑圧比(SMSR)が得られる。さらに、非対称構造となるため、第1の回折格子18側からの出力、すなわち出射端面側からの出力が第2の回折格子19側、すなわち後端面側からの出力よりも大きくなり、8以上の出力比が得られる。本実施例はInP基板11上のGaInAsP量子井戸を用いた例であるが、例えばGaAsなどのInP以外の材料の基板を用いても原理的に本発明を適用可能なのは明らかである。
【0038】
<第2実施例>
図7は、本発明の第2実施例[請求項1、請求項3に対応]であり、本第2実施例では図6に示した第1実施例の構造図中の第2の回折格子19の次数を第1の回折格子18の次数より高次にする。
【0039】
具体的には、本第2実施例では、第1の回折格子18の周期(Λ)を1.5μm波長帯の1次の回折格子周期である240nmとし、第2の回折格子19の周期(Λ)を2次の回折格子周期である480nmとした。λ/4位相シフト領域20を挟んで、第1の回折格子18の長さをL=120μmとし、第2の回折格子19の長さをL=80μmとしており、λ/4位相シフト領域20が、
|k|×L>|k|×L>0
を満たすように形成されている。これにより、第1実施例と同じ効果が得られる。
【0040】
<第3実施例>
図8は、本発明の第3実施例[請求項1、請求項4に対応]であり、本第3実施例では図6に示した第1実施例の構造図中の第2の回折格子19の山をm個中、n個にして平均的な結合係数を下げる。
【0041】
具体的には、本第3実施例では、第1の回折格子18と第2の回折格子19の周期が同じ240nmであるが、第2の回折格子19の山3つのうち1つを除去した。λ/4位相シフト領域20を挟んで、第1の回折格子18の長さをL=140μmとし、第2の回折格子19の長さをL=60μmとしており、λ/4位相シフト領域20が、
|k|×L>|k|×L>0
を満たすように形成されている。これにより、第1実施例と同じ効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複素結合型分布帰還型半導体レーザによれば、副モード抑圧比の大きな劣化無しで、非対称端面コーティング膜を用いずに、両端面共に無反射コーティングとしても出力を非対称化することが可能であるため、高反射端面コーティングの回折格子に対する位置の不確定性による発振波長の不安定性を除去できる。さらには、端面コーティングが困難な集積光回路構成に用いる良好な光源が実現できる。また、必ずしも端面無反射コーティングが必要では無く、端面コーティングプロセスを削除できるため、コスト低下においても有効である。さらに、位相シフトにより生じる共振モードを用いないため、スペクトルホールバーニングを抑制でき、高出力時にも安定した特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複素結合型回折格子を説明する図である。
【図2】発明原理を説明する図である。
【図3】発振波長を説明する図(屈折率結合型DFBレーザの場合)である。
【図4】発振波長を説明する図(複素結合型DFBレーザの場合)である。
【図5】共振器内部の光のパワー密度分布の計算例である。
【図6】本発明の第1実施例の複素結合型分布帰還型半導体レーザを説明する図である。
【図7】本発明の第2実施例の複素結合型分布帰還型半導体レーザを説明する図である。
【図8】本発明の第3実施例の複素結合型分布帰還型半導体レーザを説明する図である。
【図9】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
11 n−InP基板
12 GaInAsP SCH−歪MQW層
13 p−InPクラッド層
14 p−GaInAsコンタクト層
15 p側電極
16 n側電極
17 ARコーティング膜
18 回折格子1
19 回折格子2
20 位相シフト
21 GaInAsPガイド層
22 HRコーティング膜
23 GaInAsP MQW
24 p−GaInAs光吸収層
25 n−InGaAsP電流阻止層
26 i−InP
27 金属回折格子

Claims (9)

  1. 位相シフト点もしくは領域を挟む複素屈折率の実部すなわち屈折率と虚部すなわち利得または損失の両方の摂動により構成される2つの回折格子を備えた分布帰還型レーザダイオードにおいて、主レーザ光を出射する方向を前方とし、前記位相シフト点もしくは領域より前方の第1の回折格子の長さをL、前記位相シフト点もしくは領域より後方の第2の回折格子の長さをLとした場合、前記位相シフト点もしくは領域より前方の第1の回折格子の複素結合係数を、屈折率結合係数をki1、利得結合係数をkg1としてk=ki1+ikg1と定義し、前記位相シフト点もしくは領域より後方の第2の回折格子の複素結合係数を、屈折率結合係数をki2、利得結合係数をkg2としてk=ki2+ikg2と定義したとき、
    i1≠0,kg1≠0,ki2≠0,kg2≠0
    |k|×L>|k|×L>0
    であって、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
    αth_sh>αth_ex
    を満たすように、|k|およびLと|k|およびLの大きさを調節したことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  2. 請求項1に記載の複素結合型分布帰還型レーザであって、長さLの第1の回折格子の複素結合係数kと、長さLの第2の回折格子の複素結合係数kが同じであって、
    >L
    を満たし、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
    αth_sh>αth_ex
    を満たすように、LとLの大きさを調節したことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  3. 請求項1に記載の複素結合型分布帰還型レーザであって、第1の回折格子の次数をpとし、第2の回折格子の次数をqとしたとき、
    |k|×L>|k|×L>0
    の関係を満たすために、
    p<q
    とし、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
    αth_sh>αth_ex
    を満たすように、|k|およびLと|k|およびLの大きさを調節したことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  4. 請求項1もしくは請求項3に記載の複素結合型分布帰還型レーザであって、第1の回折格子もしくは第2の回折格子のどちらか一方もしくは両方の回折格子が、回折格子の山をm個中n個の割合で残す(m>n)ことによって、平均的な結合係数をn/mと減少させた回折格子により構成され、平均的な結合係数が請求項1もしくは請求項3に記載の条件を満たし、位相シフトによりストップバンド内に生じるモードの閾値利得をαth_sh 、ストップバンドの外側かつストップバンドに最近接のモードの閾値利得をαth_exとしたとき、
    αth_sh >αth_ex
    を満たすように、|k|およびLと|k|およびLの大きさを調節したことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が多重量子井戸活性層の一部もしくは全部をエッチングすることによって作製されたことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子がパターン基板上に活性層を成長することによって作製されたことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  7. 請求項1から4のいずれか1項に記載の複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が活性層の上方または下方に光吸収層を周期的に設けることによって作製されたことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  8. 請求項1から4のいずれか1項に記載の複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が活性層の上方もしくは下方に電流阻止層を周期的に設けることによって作製されたことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
  9. 請求項1から4のいずれか1項に記載の複素結合型分布帰還型半導体レーザであって、複素結合型回折格子が素子表面に金属膜を周期的に設けることによって作製されたことを特徴とする複素結合型分布帰還型半導体レーザ。
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