JP2004259779A - ウェーハの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定ウェーハの深さ方向の高い分解能を有し、かつ、今まで測定することが困難であった被測定ウェーハの表面から10μm程度の深さまでのBMDを観察可能とした微小内部結晶欠陥の測定によるウェーハの評価方法を提供する。
【解決手段】被測定ウェーハの主表面に厚さDのエピタキシャル層を形成して微小内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハを作製する工程と、該微小内部結晶欠陥密度を90°散乱光散乱トモグラフ法で測定することによって該微小結晶欠陥密度の深さ方向のプロファイルPを算出する工程と、得られた該微小内部結晶欠陥密度の深さ方向のプロファイルPを前記エピタキシャル層の厚さD分だけ前記被測定ウェーハの主表面方向に平行移動して該被測定ウェーハの主表面から深さ方向への微小内部結晶欠陥密度プロファイルPを算出する工程とを含むようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェーハの微小内部結晶欠陥の評価方法に関するもので、特に表面近傍の微小内部結晶欠陥評価方法に関する。
【0002】
【関連技術】
シリコン単結晶ウェーハ内部には、単結晶育成時に酸素析出核が導入される。この酸素析出核は、その後の熱処理によって酸素析出物に成長して微小内部結晶欠陥(以下BMD(Bulk Micro Defect)ということがある)と呼ばれる欠陥になる。このBMDが前記シリコン単結晶から製造されるシリコンウェーハの表面近傍に存在すると、リーク電流やスリップの発生源となるため、前記ウェーハ表面に形成される半導体装置の不良の原因になる。そのため、表面近傍を含むウェーハ内部のBMDを観察する必要がある。
【0003】
BMDの観察方法としては、90°散乱光散乱トモグラフ法(Light Scattering Tomography:以下90°散乱LST法という)と全反射光散乱トモグラフ法(Light Scattering Tomography:以下全反射LST法という)が広く知られている(例えば非特許文献1及び特許文献1)。90°散乱LST法にはlayer−by−layer法(図8)と断面観察法(図9)があり、図をもとにこの方法を説明する。layer−by−layer法では、まず劈開面14を有する被測定ウェーハ13を準備する。そして、レーザー発振器17から発光された赤外線レーザー光17aは集光レンズ18で集光され、被測定ウェーハ13の劈開面14からウェーハ内部に入射される。入射した赤外線レーザー光17aは結晶欠陥によって散乱するので、赤外線レーザー光17aの進路と直交する方向の散乱光17bを被測定ウェーハ13の主表面(鏡面)15側から対物レンズ19を通して集光し赤外線テレビカメラ20で検出する。
【0004】
一方、断面観察法でも同様の劈開面14を有する被測定ウェーハ13を準備する。この方法では、レーザー発振器17から発光された赤外線レーザー光17aは集光レンズ18で集光され、被測定ウェーハ13の主表面(鏡面)15からウェーハ内部に入射する。入射した赤外線レーザー光17aは結晶欠陥によって散乱するので、光の進路と直交する方向の散乱光17bをウェーハ劈開面14側から対物レンズ19を通して集光し赤外線テレビカメラ20で検出する。この方法は、対物レンズの倍率を変えることにより観察視野を大きく変えることができるため、多種類の欠陥を容易に観察することができる。また、赤外線レーザー光17aを入射させた際、ウェーハ内部を進行する赤外線レーザー光17aの直径範囲内に存在するBMDは全て散乱光を発生させるため、この手法の分解能は入射する赤外線レーザー光17aの直径に等しくなる。赤外線レーザー光17aは集光レンズ18によって細く絞ることができるため、この手法の分解能は極めて高いという特徴を有している。
【0005】
次に、全反射LST法について図10を参照して説明する。まず、90°散乱LST法と同じく劈開面24を有する被測定ウェーハ23を準備する。そして、レーザー発振器27から発光された赤外線レーザー光27aを集光レンズ28で細く絞り、この赤外線レーザー光鎖27aを被測定ウェーハ23の劈開面24から低角度で入射させ、顕微鏡光軸上の被測定ウェーハ23の主表面(鏡面)25で全反射するようにして、顕微鏡直下の欠陥を観察する。この方法では、主表面25の直下のBMDから散乱した光27bが主表面25から出射してくるので、この散乱光27bを対物レンズ29で集光して赤外線テレビカメラ30で検出することにより主表面25の近傍のBMDを観察することが可能である。
【0006】
【非特許文献1】
津屋英樹 編集「ウェーハ表面完全性の創成・評価技術」 サイエンスフォーラム社 1998年3月11日 p232−p241
【特許文献1】
特開平7−239308号公報(第2−4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法は以下の点で問題があった。layer−by−layer法では、表面近傍のBMDを捕らえるためには赤外線レーザー光を表面近傍へ近づけてやる必要がある。ところが、このようにすると劈開面と鏡面が成す角のだれの影響や、劈開面から鏡面に回り込んだ赤外線レーザー光が鏡面上に付着したパーティクルや劈開クズによって散乱する影響を受ける。さらに表面からの深さ方向が検出側対物レンズの焦点深度方向と一致するため深さ分解能が劣り、表面近傍のBMD検出には限界があった。
【0008】
また、断面観察法は、深さ方向の分解能は高いものの、ウェーハの表面と空気の屈折率が異なるために赤外線レーザー光がウェーハ表面で大きく散乱してしまう。この表面散乱光のため、ウェーハ表面から10μm程度までの深さに存在するBMDからの散乱光はかき消されてしまい、表面近傍のBMD観察は困難であった。
【0009】
一方、全反射LST法では図11に示される通り、赤外線レーザー光27aがウェーハ表面で反射するため表面近傍のBMDが観察可能である。観察可能範囲ΔLは下記式1で与えられる。しかしながら、ΔLの中心に位置する点Aでの観察可能深さΔz(下記式2)とΔLの端領域である点Bでの観察可能深さΔz´(下記式3)が異なるため、それぞれの位置で観察される散乱光の深さ情報に差が出てきて、均一な深さ方向の情報が得られないという問題点があった。また、赤外線レーザー光27aがウェーハの深さ方向に対し斜めに入射するため、赤外線レーザー光27aの照射領域が赤外線レーザー光27aのビーム径dより大きくなってしまい、深さ方向の分解能が90°散乱LST法の断面観察法よりも悪くなるといった問題点もあった。さらに、全反射LST法による測定に際しては十分な散乱光を得る為、赤外線レーザー光27aのビーム径dを3〜4μmまで絞る必要がある。そのため、点Bの観察深さΔzは表層より約4μmの範囲に限定されてしまい、それより深い位置のBMD観察が不可能であるといった問題点もあった。
【0010】
【数1】
ΔL=d/cosθ ・・・・・・・・・・・・(1)
Δz=d/2sinθ ・・・・・・・・・・・・(2)
Δz´=d/sinθ ・・・・・・・・・・・・(3)
【0011】
(上記式(1)(2)(3)において、θは赤外線レーザー光と点Bにおける垂線との交わる角度である)
【0012】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、被測定ウェーハの主表面に厚さDのエピタキシャル層を成長させた後、90°散乱LST法で評価することにより、被測定ウェーハの深さ方向の高い分解能を有し、かつ、今まで測定することが困難であった被測定ウェーハの表面から10μm程度の深さまでのBMDを観察可能とした微小内部結晶欠陥の測定によるウェーハの評価方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明のウェーハの評価方法は、被測定ウェーハの主表面に厚さDのエピタキシャル層を形成して微小内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハを作製する工程と、該微小内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハの微小内部結晶欠陥密度を90°散乱光散乱トモグラフ法で測定することによって該微小内部結晶欠陥密度の深さ方向のプロファイルPを算出する工程と、得られた該微小内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハの微小内部結晶欠陥密度の深さ方向のプロファイルPを前記エピタキシャル層の厚さD分だけ前記被測定ウェーハの主表面方向に平行移動して該被測定ウェーハの主表面から深さ方向への微小内部結晶欠陥密度プロファイルPを算出する工程とを含むことを特徴とする。前記エピタキシャル層の厚さDは少なくとも5μmであればよく、10μm以上20μm以下がより好ましい。
【0014】
本発明方法によれば、今まで90°散乱LST法で測定することが困難であった表面から10μm程度の深さまでのBMDを観察することが可能となる。
【0015】
また、BMDをウェーハ内部に析出させるためには、BMD析出熱処理を該ウェーハに行う必要があるが、BMDは前記BMD析出熱処理前に1000℃を超える熱処理を行うと、得られるBMD密度が熱処理を行わないウェーハに比べて変化してしまう。そのため、前記エピタキシャル層の成長は、BMD析出熱処理前に行う場合には1000℃以下の低温で行なうことが好ましく、800℃以下の低温で行うことがより好ましい。
【0016】
一方、BMD析出熱処理後に1100℃を超える熱処理を行うと、BMDが再溶解してしまうため、エピタキシャル層の成長は、BMD析出熱処理後に行う場合には1100℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0018】
図1は、本発明方法において、主表面にエピタキシャル層を形成したシリコンウェーハのBMDを90°散乱LST法で測定する場合の測定手順を示すフローチャートである。また、図2は本発明の方法において、エピタキシャル層を付加した内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハのBMDを90°散乱LST法(断面観察法)で測定する場合の測定原理を示す概略図である。図3は本発明の評価方法の評価原理を示すグラフである。
【0019】
まず、ステップ101(図1)では、表面近傍のBMD密度を測定する被測定ウェーハ3を用意する。この被測定ウェーハ3の主表面5にシリコンエピタキシャル層(以下Cap層という)2を形成することによって、BMD密度測定用ウェーハ(以下Capウェーハという)1を作製する。Cap層2の形成には一般に市販されているエピタキシャル装置を用いることができる。Cap層2の導電型はp型、n型のいずれでも良く、ドーパント濃度は赤外線が透過する0.1Ωcm以上になるように設定すれば良い。また、Cap層2の厚さDは5μm以上であれば良く、より好ましくは10μm以上20μm以下である。5μm以下の場合は、シリコンウェーハ表面で散乱した入射光の影響を十分に除去できないため表面近傍のBMD観察の効果が低下する場合がある。
【0020】
Cap層2の厚さDは、一般的に市販されているFTIR(Fourier Transform Infrared)装置を用いて測定することができる。また、市販の静電容量方式の厚み計やレーザー変位形を用いて測定し、Cap層形成後のCapウェーハ1の厚さからCap層形成前の被測定ウェーハ3の厚さを差し引く方法によって算出してもよい。このCapウェーハ1を劈開することにより、劈開面4をCapウェーハ1に形成する。
【0021】
ステップ102(図1)では、該Cap層2を形成したCapウェーハ1をステージ6にセットし、例えば、図2に示したように90°散乱LST法(断面観察法)でBMD密度を測定する。即ち、レーザー発振器7から発光された赤外線レーザー光7aは集光レンズ8で集光され、Capウェーハ1の表面5aからウェーハ内部に入射し、入射した赤外線レーザー光7aは結晶欠陥によって散乱し、光の進路と直交する方向の散乱光7bをウェーハ劈開面4側から対物レンズ9を通して集光し赤外線テレビカメラ10で検出する。そして、Capウェーハ1の深さ方向への測定を継続して行うことにより、深さ方向のBMD密度プロファイルPを測定する。
【0022】
最後に、ステップ103(図1)において、図3に示したようにステップ102で算出されたBMD密度プロファイルPをCap層の厚さD分だけ主表面方向に平行移動(−D)して、被測定ウェーハ1の深さ方向のBMD密度プロファイルPを算出する。
【0023】
Cap層2の形成は、BMD析出熱処理の前後のどちらでもよい。エピタキシャル成長のような熱処理を被測定ウェーハに行うと、BMD密度が熱処理の影響を受けて変化したり、BMD析出核が再溶解することがある。そのため、BMD析出熱処理の前にCap層形成を行う場合には、Cap層形成のためのエピタキシャル成長温度を1000℃以下、より望ましくは800℃以下の低温にすることが有効である。このようにすれば、熱処理の影響を無視することができるので、BMD密度の変化を防ぐことができる。
【0024】
また、Cap層2形成のためのエピタキシャル成長をBMD析出熱処理後に行う場合には、すでにBMD析出熱処理でBMD析出核が形成されているため、1100℃より高温で熱処理しない限り、この析出核は溶解せず、BMD密度に影響を与えることがない。したがって、BMD析出熱処理後にCap層を形成する場合においては、Cap層形成のためのエピタキシャル成長は1100℃以下の温度で行うことが好ましい。
【0025】
なお、上記実施の形態では90°散乱LST法の好ましい例として断面観察法を用いた例を示したが,layer−by−layer法を同様に適用できることは勿論である。
【0026】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0027】
(実施例1)
まず、酸素濃度が11ppma(JEIDA)のp型、10Ωcmの被測定シリコンウェーハ3(図2)を複数枚準備し、ウェーハ全体の厚さを厚さ測定器(ADE社製ADE−9600)で測定した。酸素濃度が11ppmaの場合、急速加熱・冷却熱処理(以下、RTA(Rapid Thermal Anneal)という)を行ってからBMD析出熱処理を行わないと、BMDを析出させることができないので、まず、N雰囲気下でRTAを行った。RTAの温度条件は室温付近より1250℃まで30℃/秒で昇温した後、10秒間保持し、その後30℃/秒の降温速度で800℃まで冷却し、その後加熱を切り自然冷却で室温まで下げた後に取り出した。次に、被測定シリコンウェーハ3中のBMDを析出させるため、N雰囲気下で800℃、4時間、次いで1000℃で16時間のアニールを行った。なお、JEIDAは日本電子工業振興協会(現在は、JEITA:日本電子情報技術産業協会に改称された。)の略である。
【0028】
上記処理を行ったウェーハから1枚抜き取って劈開しエッチングした後、顕微鏡で劈開面のBMDの析出状態を観察したところ、ウェーハ表面から9μmの深さまではBMDが析出していないDZ(Denuded Zone)層が形成されていることを確認した(図4)。
【0029】
続いて、複数の前記被測定シリコンウェーハ3をエピタキシャル成長装置に投入してエピタキシャル成長させることにより、抵抗率が10Ω・cmのn型エピタキシャル層2を形成してCapウェーハ1(図2)を作製し、ウェーハ全体の厚さを厚さ測定器(ADE社製ADE−9600)で測定した。このCap層形成後の厚さから形成前の厚さを差し引くことにより、Cap層厚さDを算出した。厚さDは15μmであった。なお、エピタキシャル成長温度は1050℃とした。
【0030】
最後に、上記Capウェーハから1枚抜き取って劈開し、図2に示した測定原理と同様の測定原理を有する90°散乱LST測定装置の測定ステージ6に載置した。そして、鏡面加工され、Cap層2が形成された主表面5より赤外光を入射して、劈開面4から出射した散乱光を検出する90°散乱LST法でCapウェーハ1の深さ方向のBMD密度プロファイルPを測定した(図5)。得られたBMD密度プロファイルPをエピタキシャル層の厚さ15μm分だけウェーハ主表面方向に平行移動させて被測定ウェーハのBMD密度プロファイルPを得た(図6)。
【0031】
図6を見ると、被測定シリコンウェーハ3の表面から深さ10μmまでのBMD密度が正確に測定できていることがわかる。また、被測定ウェーハ3の表面から深さ6μmまではBMD密度が0であり、DZ層が形成されていることも確認できた。ここで、上記顕微鏡で確認したDZ層(9μm)と本発明の方法で確認したDZ層(6μm)の厚さに相違があるが、これは顕微鏡で確認する公知の観察方法に比べ、本発明の方法の方がより小さなBMDまで検出できるため、BMD密度が0の領域、すなわち、DZ層の厚さが狭まるからであり、より正確なDZ層厚さは6μmであることがわかる。
【0032】
(比較例1)
実施例1で用いた被測定シリコンウェーハと同じバッチで処理したウェーハにCap層を形成せずに劈開して、被測定シリコンウェーハ表面を直接90°散乱LST法で測定した(図7)。
【0033】
図7を見ると、被測定シリコンウェーハの表面から深さ10μmまでのBMD密度は5×1010cm−3(90°散乱LST法の測定上限値)となっているが、これは先述したように、鏡面加工された主表面から赤外光を入射する際に、主表面で散乱した迷光の影響である。もちろん、この測定値が被測定シリコンウェーハの表面近傍に存在するBMD密度を表す可能性もあるが、Cap層分だけ主表面方向にデータを平行移動させる前の実施例1のデータ、すなわちCap層表面からのウェーハ深さ方向のBMD密度プロファイルP(図5)を見ると、Cap層2の表面から深さ10μmまでのBMD密度は同様に5×1010cm−3となっている。エピタキシャル成長は、酸素が存在しない雰囲気下で行われるため、酸素析出物であるBMDはエピタキシャル層中には形成されないことが知られている。したがって、この点からも、主表面から深さ10μmまでの深さで検出される5×1010cm−3という異常に多いBMD密度は、主表面で散乱した光の影響であることは明白である。
【0034】
また、図6、図7を比較してみると、被測定シリコンウェーハの主表面からの深さが10μmを超える深さのBMD密度は、同じような値となっている。したがって、本発明の方法によるエピタキシャル層(Cap層)の成長は、Cap層を被測定シリコンウェーハの主表面上に形成しても該ウェーハが内部にもともと持っていたBMD密度を変化させないことがわかる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明のウェーハ評価方法を用いれば、被測定ウェーハの表面から10μmまでの深さ方向のBMD密度を簡便かつ正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の評価方法の工程順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の方法においてCap層を付加した被測定ウェーハを90°散乱LST法(断面観察法)で測定する場合の測定原理を示す概略図である。
【図3】本発明の評価方法の評価原理を示すグラフである.
【図4】実施例1においてBMD析出熱処理を行った後の被測定ウェーハの劈開面をエッチングした状態を示す顕微鏡観察した写真の模式図である。
【図5】実施例1で測定されたCapウェーハの表面からの深さとBMD密度との関係を表すグラフである。
【図6】実施例1で測定された被測定ウェーハの表面からの深さとBMD密度との関係を表すグラフである。
【図7】比較例1で測定された被測定ウェーハの表面からの深さとBMD密度との関係を表すグラフである。
【図8】従来の90°散乱LST法の測定方法の一例(layer−by−layer法)を示す概略図である。
【図9】従来の90°散乱LST法の測定方法の別の例(断面観察法)を示す概略図である。
【図10】従来の全反射LST法の測定方法の一例を示す概略図である。
【図11】従来の全反射LST法における表面での全反射の状況を表した概略図である。
【符号の説明】
1:Capウェーハ、2:Cap層、3,13,23:被測定シリコンウェーハ、4,14,24:劈開面、5,15,25:ウェーハ主表面、6,16,26:ステージ、7,17,27:レーザー発振器、8,18,28:集光レンズ、9,19,29:対物レンズ、10,20,30:赤外線テレビカメラ。

Claims (4)

  1. 被測定ウェーハの主表面に厚さDのエピタキシャル層を形成して微小内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハを作製する工程と、該微小内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハの微小内部結晶欠陥密度を90°散乱光散乱トモグラフ法で測定することによって該微小結晶欠陥密度の深さ方向のプロファイルPを算出する工程と、得られた該微小内部結晶欠陥測定用エピタキシャルウェーハの微小内部結晶欠陥密度の深さ方向のプロファイルPを前記エピタキシャル層の厚さD分だけ前記被測定ウェーハの主表面方向に平行移動して該被測定ウェーハの主表面から深さ方向への微小内部結晶欠陥密度プロファイルPを算出する工程とを含むことを特徴とするウェーハの評価方法。
  2. 前記エピタキシャル層の厚さDが少なくとも5μmであることを特徴とする請求項1記載のウェーハの評価方法。
  3. 前記エピタキシャル層の成長を、微小内部結晶欠陥析出熱処理前に1000℃以下の低温で行うことを特徴とする請求項1又は2記載のウェーハの評価方法。
  4. 前記エピタキシャル層の成長を、微小内部結晶欠陥析出熱処理後に1100℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1又は2記載のウェーハの評価方法。
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