JP2004258949A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロック信号の供給を停止することによりスタンバイ機能を実現する半導体装置において、通常動作状態からスタンバイ状態への移行を安定的に行い、スタンバイ状態から通常動作状態へと復帰した際に、スタンバイ状態移行時に実行していた処理を速やかに再開することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】クロック供給制御回路3が、クロック生成回路2からプロセッサコア5へのクロック信号の供給の停止および再開を、クロック信号のエッジに同期して行う。これにより、クロック信号がエッジに非同期に停止され、クロックの信号幅が規定の幅を満たさなくなることで生じる処理の破綻を未然に防ぐことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】クロック供給制御回路3が、クロック生成回路2からプロセッサコア5へのクロック信号の供給の停止および再開を、クロック信号のエッジに同期して行う。これにより、クロック信号がエッジに非同期に停止され、クロックの信号幅が規定の幅を満たさなくなることで生じる処理の破綻を未然に防ぐことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特に、スタンバイ機能を有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、携帯型オーディオプレーヤ、携帯型情報端末などの携帯用情報機器は、電池や充電パックなどで動作される機会が多く、できるだけ長時間使用できるように、未使用時(電源OFF時)のスタンバイ電流の低減化が強く求められている。
【0003】
このような背景から、これら携帯用情報機器に搭載されるプロセッサLSI(DSP/CISC/RISC)などの半導体装置にも、スタンバイ電流を低減させるためのスタンバイ機能を備えることが求められる。
【0004】
このスタンバイ機能実現によく採用される手法に、半導体装置へのクロック信号の供給を停止させるものがある(例えば、特許文献1参照)。従来のスタンバイ機能を有する半導体装置のスタンバイ機能に関する部分の構成を、図7を用いて説明する。
【0005】
クロック生成回路101は、クロック信号を生成し、後段のカウンタ102およびANDゲート103にクロック信号clockを供給する。
【0006】
カウンタ102は、入力されたクロック信号clockをカウントアップし、オーバーフローが生じた際に、オーバーフロー信号OVFを後段のフリップフロップ104に出力する。
【0007】
フリップフロップ104は、カウンタ102からオーバーフロー信号OVFがセット信号として入力され、出力信号standbyAをANDゲート103へと出力する。
【0008】
また、これらのカウンタ102およびフリップフロップ104には、スタンバイ制御端子105から、スタンバイ制御信号standbyがリセット信号として各々に入力されるようになっている。
【0009】
ANDゲート103は、クロック信号clockおよび信号standbyAとのAND演算を行い、その演算結果をプロセッサコア106へと出力する。
【0010】
プロセッサコア106は、入力されたクロック信号clockに同期して動作する。また、RAM107がプロセッサコア106に接続されている。更に、第1および第2の外部装置108、109が外部端子110、111を介してプロセッサコア106に接続されている。
【0011】
この従来の半導体装置の通常動作状態からスタンバイ状態への移行は、スタンバイ制御信号standbyの論理値を0の状態から1の状態へと切り替えることにより行う。なお、以下では、説明の便宜上、論理値が0の状態を‘L’と、1の状態を‘H’と表現する。
【0012】
スタンバイ制御信号standbyが‘H’となると、フリップフロップ104はリセットされるため、出力信号standbyAが‘L’となり、ANDゲート103の出力信号が‘L’に固定される。すなわち、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となることにより、プロセッサコア106へのクロック信号clockの供給が停止される。なお、このとき、カウンタ102は、スタンバイ制御信号standbyによりリセットされ続ける。
【0013】
逆に、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰には、スタンバイ制御信号standbyを‘H’から‘L’へと切り替える。すると、カウンタ102のリセットが解除され、カウンタ102がクロック信号clockのカウントアップを開始する。カウント動作によりオーバーフローが生じると、オーバーフロー信号OVFがフリップフロップ104へと出力され、フリップフロップ104がセットされる。これにより、出力信号standbyAが‘H’となり、ANDゲート103を介してクロック信号clockがプロセッサコア106へと供給される。
【特許文献1】
特許第2730530号公報(第4頁、図4)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体装置では、スタンバイ状態に移行する際、スタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’へと切り替わると、即座に、プロセッサコア106へのクロック信号clockの供給が停止される。このとき、クロック信号clockの停止されるタイミングによっては、当該半導体装置の実行中の処理が破綻してしまうことがある。
【0015】
例えば、スタンバイ制御信号standbyがクロック信号clockのエッジに非同期に入力されると、クロック信号の幅が実行中の処理における規定の幅を満たさなくなり、その処理が破綻してしまう可能性がある。
【0016】
プロセッサコア106がRAM107へのデータのリード/ライト処理を行っている最中にスタンバイ制御信号standbyが入力された場合を考える。図8は、その際の従来の半導体装置における各信号のタイムチャートである。
【0017】
スタンバイ制御信号standbyが時刻t101にクロック信号clockのエッジに非同期に‘L’から‘H’へと切り替わると、クロック信号clockの供給も時刻t101にエッジに非同期に停止する。このクロック信号clockの供給が停止されるタイミングによっては、図中にNGと示すように、クロック信号が実行中の処理における規定のクロック幅を満たさなくなる。この場合、RAMアクセス信号も、規定の幅を満たさなくなるため、RAM107へのデータのリード/ライトが正常に行われなかったり、メモリアドレスの指定が正常に行われないことで他のアドレスのデータを誤って書き換えてしまったりする可能性がある。
【0018】
また、プロセッサコア106が周辺回路(RAM107)または外部装置(第1および第2の外部装置108、109)とデータの送受信(アクセス)を行っている最中に、スタンバイ制御信号standbyが入力されると、その周辺回路または外部装置が誤動作を起こす可能性がある。
【0019】
ここで、プロセッサコア106が、RAM107、第1の外部装置108、および、第2の外部装置109とアクセス状態にあるときに、スタンバイ制御信号standbyが入力された場合を考える。なお、ここで、第1の外部装置108とプロセッサコア106とのアクセス信号をアクセス信号Aとして示し、第2の外部装置109とプロセッサコア106とのアクセス信号をアクセス信号Bとして示す。図9は、その際の従来の半導体装置における各信号のタイムチャートである。
【0020】
RAM107が時刻t104にプロセッサコア106とのアクセス処理を開始する。このアクセス処理は完全に終了するまでに時刻t107までの時間を必要としている。同様に、第1の外部装置108は時刻t103にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t106までの時間を必要としている。また、第2の外部装置109は時刻t102にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t108までの時間を必要としている。
【0021】
これらのアクセスの実行途中である時刻t105に、スタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’へと切り替わると、その切り替わりとともに、プロセッサコア106へのクロック信号clockの供給が停止される。これにより、時刻t105以降のアクセス処理(斜線で示した部分)が行われず、処理が不完全な状態で強制的にアクセスが中断される。
【0022】
ここで、この中断されたアクセス処理が、例えば、プロセッサコア106からアクセス先のデバイスへの制御レジスタの設定である場合、急にプロセッサコア106がスタンバイ状態へと移行すると、設定が不完全な状態のデバイスが誤動作を起こす可能性がある。また、第1または第2の外部装置108、109が外部MCUであり、中断されたアクセス処理が、この外部MCUからプロセッサコア106へのアクセス処理である場合には、プロセッサコア106がスタンバイ状態に移行すると、プロセッサコア106からの応答が停止するため、外部MCUはエラー処理を行わざるを得なくなる。
【0023】
以上に説明したように、従来のスタンバイ機能を有する半導体装置では、スタンバイ制御信号standbyが入力されるタイミングによって、実行中の処理が破綻する可能性があった。このため、従来の半導体装置は、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰の際に、スタンバイ状態移行時に実行していた処理を途中から再開することはせず、その都度、システムの再初期化処理を行っていた。
しかし、この再初期化処理は、復帰の際に余分な時間を必要とするため、その半導体装置を使い勝手の悪いものとし、システムの仕様上、問題となることがあった。
【0024】
本発明は、以上の背景からなされたものであり、通常動作状態からスタンバイ状態への移行を安定的に行い、スタンバイ状態から通常動作状態へと復帰した際に、スタンバイ状態移行時に実行していた処理を速やかに再開することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答し、前記クロック信号に同期して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行うクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0026】
また、本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、前記内部回路と前記内部回路に接続された周辺回路または外部装置とのアクセス状態を検出するアクセス検出回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行い、かつ、前記クロック信号の供給の停止において、前記アクセス検出回路が前記アクセス状態を検出した場合、このアクセス状態が解除された後に前記クロック信号の供給を停止するクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明に係る半導体装置についての第1の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。本実施の形態に係る半導体装置の構成を図1に示す。なお、図1では、スタンバイ機能によりクロック信号の供給が停止される内部回路の例として、プロセッサコア5を挙げている。また、以下では、説明の便宜上、論理値が0の状態を‘L’と、1の状態を‘H’と表現する。
【0028】
図1に示すように、この半導体装置1は、クロック生成回路2、クロック供給制御回路3、クロック起動時間確保回路4、プロセッサコア5、および、RAM6から構成される。
【0029】
クロック生成回路2は、クロック信号を生成し、後段のクロック供給制御回路3へと出力する回路である。このクロック生成回路2の例としては、水晶発振回路やPLL(Phase Locked Loop)などが挙げられる。
【0030】
クロック供給制御回路3は、スタンバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’になったとき、クロック生成回路2から供給されるクロック信号をエッジに同期して遮断して、後段のクロック起動時間確保回路4へのクロック信号clockAの供給を停止し、逆に、スタンバイ制御信号standbyが‘H’から‘L’になったとき、クロック信号clockAの供給を再開する回路である。
【0031】
クロック起動時間確保回路4は、スタンバイ制御信号standbyが‘H’から‘L’となり、クロック供給制御回路3がクロック信号の供給を再開した際、その再開から所定の時間経過した後に、クロック供給制御回路3から入力されたクロック信号を後段のプロセッサコア5へ供給する回路である。
【0032】
プロセッサコア5は、入力されたクロック信号に同期して動作する。RAM6は、プロセッサコア5と接続されており、プロセッサコア5がリード/ライト処理を行えるようになっている。
【0033】
次に、クロック供給制御回路3およびクロック起動時間確保回路4の具体的な構成について説明する。
【0034】
クロック供給制御回路3は、ANDゲート8、ディレイ回路9およびNORゲート10により構成されている。
【0035】
ANDゲート8は、スタンバイ制御端子7から入力されたスタンバイ制御信号standbyとディレイ回路9からの出力信号gateとのAND演算を行い、その演算結果を信号standbyAとしてNORゲート10へ出力する。NORゲート10は、ANDゲート8からの出力信号standbyAとクロック生成回路2から発生されたクロック信号とのNOR演算を行い、クロック信号clockAを出力する。
【0036】
ディレイ回路9は、クロック信号clockAに同期して動作し、入力されたスタンバイ制御信号standbyを遅延させて信号gateとして出力する回路である。このディレイ回路9の構成としては、フリップフロップを、複数段、組み合わせたものなどが考えられる。以下の説明においては、例として、入力されたクロック信号の立ち下がりエッジに同期して動作するネガティブエッジ型のフリップフロップを3段組み合わせたものを挙げて説明する。
【0037】
クロック起動時間確保回路4は、アップカウンタ11、デコーダ12、インバータ13およびNORゲート14により構成されている。
【0038】
アップカウンタ11は、クロック信号clockAの立ち下がりエッジに同期してカウントアップするリセット/イネーブル付のカウンタであり、カウント値がn(任意の値)となると、後段のデコーダ12の出力信号standbyBを‘L’とする。また、カウント値がnとなると、‘L’となった信号standbyBがアップカウンタ11にフィードバックされるため、アップカウンタ11はカウントアップを停止しカウント値nを維持する。更に、アップカウンタ11にはリセット信号resetとして信号standbyAが入力され、信号standbyAが‘H’になったときにカウント値がリセットされる。
【0039】
デコーダ12は、上述したように、アップカウンタ11のカウント値がnのときに信号standbyBを‘L’とし、カウント値がnに満たないときに信号standbyBを‘H’とする回路である。
【0040】
インバータ13は、クロック信号clockAのNOT演算を行い、後段のNORゲート14に出力する。NORゲート14は、クロック信号clockAの反転と信号standbyBとのNOR演算を行い、その演算結果をクロック信号clockBとしてプロセッサコア5へ出力する。
【0041】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行における動作について、図1および2を参照しながら説明する。なお、ここでは、プロセッサコア5がRAM6とアクセスしている際にスタンバイ状態に移行する場合を例に挙げて説明する。図2は、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行における各信号のタイムチャートである。
【0042】
まず、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時(クロック供給停止時)における動作について説明する。
【0043】
スタンバイ状態への移行は、スタインバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyを‘L’から‘H’に切り替えることにより行う。スタンバイ制御信号standbyを時刻t11に‘H’とすると、ディレイ回路9へと入力される信号が‘H’となる。ディレイ回路9は3段のフリップフロップで構成されていることから、ディレイ回路9の出力信号gateは、クロック信号clockAの3回目の立ち下がりエッジに同期して、時刻t12に‘L’から‘H’へと切り替わる。
【0044】
信号gateが‘H’となると、その信号gateとスタンバイ制御信号standbyとのANDゲート8での演算結果(信号standbyA)も時刻t12に‘H’となり、‘H’となった信号standbyAがNORゲート10に入力されることにより、クロック生成回路2からのクロック信号clockAの供給が停止される。
【0045】
また、信号standbyAはアップカウンタ11のリセット信号resetでもあるから、信号standbyAが時刻t12に‘H’となることで、アップカウンタ11のカウンタが時刻t12にリセットされる。そして、このカウンタのリセットに伴い、後段のデコーダ12の出力信号standbyBが‘H’となってNORゲート14へと出力される。これにより、プロセッサコア5に入力されるクロック信号clockBの供給が、クロック信号clockAの立ち下がりに同期して、時刻t12に停止される。
【0046】
このように、クロック信号clockAのエッジに非同期なタイミングでスタンバイ制御信号standbyが入力された場合も、クロック信号clockAの立ち下がりに同期してクロック信号の供給が停止される。このため、スタンバイ状態移行時のクロック幅が規定の幅を満たし、必然的に、RAMアクセス信号が規定の幅を満たした状態でプロセッサコア5とRAM6とのアクセスが中断される。
【0047】
次に、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態解除時(クロック供給再開時)における動作について説明する。
【0048】
スタンバイ状態の解除は、スタンバイ制御信号standbyを‘H’から‘L’に切り替えることにより行う。スタンバイ制御信号standbyを時刻t13に‘L’とすると、ANDゲート8の出力信号standbyAが直ちに‘L’となり、まず、クロック信号clockAが時刻t14に発振を開始する。
【0049】
信号standbyAが‘L’となると、アップカウンタ11のリセットが解除されることから、クロック信号clockAがカウントアップできる程度に達した時刻t15に、アップカウンタ11がクロック信号clockAのカウントアップを開始する。
【0050】
このアップカウンタ11のカウント値がnとなると、後段のデコーダ12の出力信号standbyBが‘L’となり、プロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給が、クロック信号clockAの立ち下がりに同期して、時刻t16に再開される。そして、この時刻t16以降、プロセッサコア5とRAM6とのアクセスが、クロック信号が安定した状態で再開される。なお、standbyBが‘L’となったとき、アップカウンタ11のenable信号も‘L’となるため、アップカウンタ11のカウント値は、nとなった時点で保持される。
【0051】
本実施の形態に係る半導体装置は、クロック信号clockAのエッジに非同期なタイミングでスタンバイ制御信号standbyが入力された場合も、クロック信号clockAの立ち下がりに同期してクロック信号の供給が停止され、スタンバイ状態へと移行する。このため、スタンバイ状態へと移行することにより、クロック幅が規定の幅を満たさなくなり、プロセッサコア5の処理が破綻するということがない。
【0052】
また、本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態の解除時に、クロック信号clockAの立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給が再開される。また、クロック信号clockAが発振を開始し、アップカウンタ11のカウント値がnとなった以降に、クロック信号をプロセッサコア5に供給している。このため、アップカウンタ11のnの値を、クロック信号の立ち上がり時間(発振開始から振幅や周波数が規定のレベルに達するまでの時間(時刻t14から時刻t16までの時間))に合わせて設定しておけば、スタンバイ状態解除時に、充分に安定したクロック信号をプロセッサコア5に供給することができる。
【0053】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態と通常動作状態との移行を安定的に行えることから、スタンバイ状態から通常動作モードに復帰した際に、システムの再初期化処理を行う必要がない。このため、通常動作モードへの復帰後、スタンバイ状態移行前に行った処理を再度行うことなく、速やかに、スタンバイ状態移行時の処理を再開することができる。
【0054】
例えば、プロセッサコア5がRAM6へのリード/ライト処理の最中にスタンバイ状態に移行した場合、スタンバイ状態への移行によりリード/ライト処理が破綻することがないため、スタンバイ中も保持しておきたいデータが破壊されることがなく、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰後、中断されたリード/ライト処理を速やかに再開することができる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、クロック信号が供給される内部回路にプロセッサコア5を示したが、これに限られず、クロック信号に同期して動作する回路であれば、この回路はプロセッサコア以外でも構わない。
【0056】
また、本実施の形態においては、プロセッサコア5に接続された周辺回路としてRAM6を例示したが、これに限られず、RAM以外の回路であっても構わない。例えば、RAM6をROMに置き換えることにより、プロセッサコア5のROMからのリード処理がスタンバイ状態への移行により破綻することを防止することができる。
【0057】
更に、本実施の形態においては、クロック供給制御回路3およびクロック起動時間確保回路4の構成を図1に例示したが、これは、あくまでも例であり、これらの回路の構成は図1に示したものに限られない。
【0058】
更にまた、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止する場合を示したが、ディレイ回路9を、例えば、クロック信号の立ち上がりに同期して動作するポジティブエッジ型のフリップフロップで構成することにより、立ち上がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止させることができる。同様に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を再開する場合を示したが、アップカウンタ11をクロック信号の立ち上がりに同期してカウントアップするカウンタとすることで、立ち上がりエッジに同期して、クロック信号の供給を再開することができる。
【0059】
更に、本実施の形態においては、クロック生成回路2が半導体装置1内に設けられている場合を示したが、これに限られず、このクロック生成回路2が半導体装置1の外部に設けられ、半導体装置1の外部からクロック信号が供給される場合であっても構わない。
(第2の実施の形態)
以下に、本発明に係る半導体装置についての第2の実施の形態を図3および図4を参照して説明する。本実施の形態に係る半導体装置の構成を図3に示す。なお、第1の実施の形態において図1を用いて説明した半導体装置と共通する部分には、図1と同一符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
図3に示すように、本実施の形態に係る半導体装置15は、クロック生成回路2、クロック供給制御回路16、クロック起動時間確保回路4、アクセス検出回路17、プロセッサコア5、周辺回路18から構成されている。また、第1および第2の外部装置19、20が、外部端子21、22を介して半導体装置15の内部へと接続されている。
【0061】
クロック供給制御回路16は、スタンバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’になったとき、クロック生成回路2から供給されるクロック信号を遮断して、後段のクロック起動時間確保回路4へのクロック信号clockAの供給を停止し、逆に、スタンバイ制御信号standbyが‘H’から‘L’になったとき、クロック信号clockAの供給を再開する回路である。また、このクロック供給制御回路16には、アクセス検出回路17からアクセス検出信号BUSYが入力され、スタンバイ制御信号standbyが‘H’になったときでも、アクセス検出信号BUSYが‘H’の場合は、クロック起動時間確保回路4へのクロック信号clockAの供給を継続するようになっている。
【0062】
アクセス検出回路17は、プロセッサコア5と他のデバイスの間に介在し、プロセッサコア5が他のデバイスとアクセス状態にあるとき、アクセス検出信号BUSYをクロック供給制御回路16へと出力する回路である。
【0063】
周辺回路18は、アクセス検出回路17を介してプロセッサコア5へと接続されている。また、第1および第2の外部装置19、20も、同様に、アクセス検出回路17を介してプロセッサコア5へと接続されている。
【0064】
次に、クロック供給制御回路16およびアクセス検出回路17の具体的な構成について説明する。
【0065】
クロック供給制御回路16は、スタンバイ信号生成ゲート23およびNORゲート24から構成される。
【0066】
スタンバイ信号生成ゲート23は、スタンバイ制御信号standbyとアクセス検出信号BUSYとを入力され、アクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとの論理積をとり、その演算結果を出力信号standbyAとしてNORゲート24へと出力する。
【0067】
NORゲート24は、スタンバイ信号生成ゲート23から入力される信号standbyAと、クロック生成回路2から入力されるクロック信号とのNOR演算を行う。
【0068】
アクセス検出回路17は、第1乃至第3のIF制御回路25、26、27、および、アクセス信号生成ゲート28から構成される。
【0069】
第1のIF制御回路25は、プロセッサコア5と周辺回路18との間に介在して、プロセッサコア5と周辺回路18とのアクセス状態を監視し、アクセス中の場合にアクセス検出信号BUSYAを‘H’とする。第2のIF制御回路26は、プロセッサコア5と第1の外部装置19との間に介在し、これらがアクセス中の場合にアクセス検出信号BUSYBを‘H’とする。同様に、第3のIF制御回路27は、プロセッサコア5と第2の外部装置20との間に介在し、これらがアクセス中の場合にアクセス検出信号BUSYCを‘H’とする。
【0070】
アクセス信号生成ゲート28は、各IF制御回路からアクセス検出信号BUSYA、BUSYB、BUSYCが入力され、これらの信号のOR演算を行い、スタンバイ信号生成ゲート23へとアクセス検出信号BUSYを出力する。
【0071】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行時における動作について図3を参照しながら説明する。
【0072】
まず、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時(クロック供給停止時)における動作について説明する。
【0073】
スタンバイ状態への移行は、スタンバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyを‘L’から‘H’に切り替えることにより行う。プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれともアクセス状態にない場合、このスタンバイ制御信号standbyの切り替えにより、直ちにプロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給は停止される。
【0074】
一方、プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれかとアクセス状態にある場合、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となっても、直ちにクロック信号の供給は停止されない。このプロセッサコア5がアクセス状態にある場合のスタンバイ状態移行時の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャートである。
【0075】
周辺回路18が時刻t23にプロセッサコア5とのアクセス処理を開始する。
このアクセス処理は完全に終了するまでに時刻t26までの時間を必要としている。同様に、第1の外部装置19が時刻t21にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t25までの時間を必要としている。また、第2の外部装置20は時刻t22にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t27までの時間を必要としている。
【0076】
スタンバイ制御信号standbyが、これらのアクセス中の時刻t24に‘H’となっても、直ちにクロック信号clockBの供給は停止されない。時刻t24以降のすべてのアクセス(斜線で示した部分)が終了した後(時刻t27)に、クロック信号clockBの供給は停止される。
【0077】
周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20とプロセッサコア5とがアクセス状態にあれば、これらのアクセス状態を監視する各IF制御回路が、‘H’のアクセス検出信号をアクセス信号生成ゲート28へと出力する。アクセス信号生成ゲート28は、各IF制御回路から供給されたアクセス検出信号のOR演算を行うため、3つのアクセス検出信号BUSYA,BUSYB,BUSYCのうち1つでも‘H’であれば、アクセス検出信号BUSYは、‘H’としてスタンバイ信号生成ゲート23へ出力される。
【0078】
スタンバイ信号生成ゲート23では、アクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとのAND演算が行われるため、アクセス検出信号BUSYが‘H’である限り、つまり、プロセッサ5がアクセス状態にある限り、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAは‘L’となる。そして、これにより、プロセッサ5のアクセス状態が解除されるまで、NORゲート24によりクロック信号の供給が継続される。
【0079】
次に、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態解除時(クロック供給再開時)における動作について説明する。
【0080】
スタンバイ制御信号standbyが時刻t28に‘L’となると、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAが直ちに‘L’となり、クロック生成回路2が時刻t29に発振を開始する。
【0081】
信号standbyAが‘L’となると、アップカウンタ11のリセットが解除され、アップカウンタ11がクロック信号clockAのカウントアップ動作を時刻t210に開始する。このカウント値がnとなると、後段のデコーダ12の出力が‘L’となり、プロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給が時刻t211に再開される。
【0082】
本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態へと移行する際に、プロセッサコア5がアクセス状態にある場合は、このアクセス状態が終了した後に、プロセッサコア5へのクロック信号clockの供給を停止する。これにより、本実施の形態に係る半導体装置は、プロセッサコア5のアクセス処理が途中で中断されることにより、アクセス先のデバイスが誤動作を起こす危険性がない。
【0083】
また、本実施の形態に係る半導体装置は、第1の実施の形態同様、スタンバイ状態の解除時に、クロック信号clockAが発振を開始し、アップカウンタ11のカウント値がnとなった以降に、クロック信号のエッジに同期して、クロック信号clockBのプロセッサコア5への供給を再開している。このため、アップカウンタ11のnの値を、クロック信号の立ち上がり時間(発振開始から振幅や周波数が規定のレベルに達するまでの時間(時刻t29から時刻t211までの時間))に合わせて設定しておけば、スタンバイ状態解除時に、充分に安定したクロック信号をプロセッサコア5に供給することができる。
【0084】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態と通常動作状態との移行を安定的に行えることから、スタンバイ状態から通常動作モードに復帰した際に、システムの再初期化処理を行う必要がない。このため、通常動作モードへの復帰後、スタンバイ状態移行前に行った処理を再度行うことなく、速やかに、スタンバイ状態移行時の処理を再開することができる。
【0085】
なお、本実施の形態においては、クロック信号が供給される内部回路としてプロセッサコア5を示したが、第1の実施の形態同様、これに限られず、クロック信号に同期して動作する回路であれば、この回路はプロセッサコア以外でも構わない。
【0086】
また、本実施の形態においては、クロック供給制御回路16、クロック起動時間確保回路4およびアクセス検出回路17の構成を図3に例示したが、これは、あくまでも例であり、これらの回路の構成は図3に示したものに限られない。
【0087】
更に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を再開する場合を示したが、第1の実施の形態同様、アップカウンタ11をクロック信号の立ち上がりに同期してカウントアップするカウンタとすることで、立ち上がりエッジに同期して、クロック信号の供給を再開することができる。
【0088】
更にまた、本実施の形態においては、クロック生成回路2が半導体装置15内に設けられている場合を示したが、第1の実施の形態同様、これに限られず、このクロック生成回路2が半導体装置15の外部に設けられ、半導体装置15の外部からクロック信号が供給される場合であっても構わない。
(第3の実施の形態)
以下に、本発明に係る半導体装置についての第3の実施の形態を図5を参照して説明する。本実施の形態に係る半導体装置の構成を図5に示す。なお、本実施の形態に係る半導体装置の構成は、第2の実施の形態に係る半導体装置の構成において、クロック供給制御回路16の構成に、第1の実施の形態におけるクロック供給制御回路3の構成を付加したものである。よって、第1および第2の実施の形態において説明した半導体装置と共通する部分には、図1および図3と同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0089】
図5に示すように、半導体装置29は、クロック生成回路2、クロック供給制御回路30、クロック起動時間確保回路4、アクセス検出回路17、プロセッサコア5、および、周辺回路18により構成されている。
【0090】
クロック供給制御回路30は、ANDゲート8、ディレイ回路9、NORゲート10およびスタンバイ信号生成ゲート23により構成されている。スタンバイ信号生成ゲート23には、アクセス検出回路17からアクセス検出信号BUSYが入力され、このアクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとのAND演算を行う。これにより、プロセッサコア5が、周辺回路18、第1の外部装置19および第2の外部装置20のいずれかとアクセス状態にあるとき、ディレイ回路9に入力されるスタンバイ制御信号standbyが‘H’とならないようになっている。
【0091】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行時における動作について図5を参照しながら説明する。
【0092】
まず、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時(クロック供給停止時)における動作について説明する。
【0093】
スタンバイ状態への移行は、スタインバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyを‘L’から‘H’に切り替えることにより行う。プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれともアクセス状態にない場合、このスタンバイ制御信号standbyの切り替えにより、直ちにプロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給は停止される。
【0094】
一方、プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20とアクセス状態にある場合、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となっても、直ちにクロック信号の供給は停止されない。このプロセッサコア5がアクセス状態にある場合のスタンバイ状態移行時の動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャートである。
【0095】
スタンバイ制御信号standbyが、プロセッサコア5がアクセス状態にある時刻t34に‘H’となっても、クロック信号clockBの供給は、直ちに停止されない。時刻t34以降のすべてのアクセス(斜線で示した部分)が終了した後(時刻t38)に、その立ち下がりエッジに同期して、クロック信号clockBの供給が停止される。
【0096】
周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれかとプロセッサコア5とがアクセス状態にあれば、アクセス検出信号BUSYは、‘H’としてスタンバイ信号生成ゲート23へ出力される。
【0097】
スタンバイ信号生成ゲート23では、アクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとのAND演算が行われるため、アクセス検出信号BUSYが‘H’である限り、つまり、プロセッサコア5がアクセス状態にある限り、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAは‘L’となり、クロック信号clockBの供給が継続される。
【0098】
プロセッサコア5のアクセス状態が時刻t37に解除されると、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAが‘H’となって、ディレイ回路9へと入力される。ディレイ回路9は、ネガティブエッジ型のフリップフロップを3段組み合わせたものであるから、クロック信号clockAの3回目の立ち下がりエッジに同期して、ANDゲート8の出力信号standbyBが時刻t38に‘H’となる。これにより、クロック信号clockBの供給が、時刻t38に、その立ち下がりエッジに同期して停止される。
【0099】
本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態解除時(クロック供給再開時)における動作は、第1および第2の実施の形態において説明したものと、略同一である。よって、ここでは、その説明を省略する。
【0100】
本実施の形態に係る半導体装置は、プロセッサコア5がアクセス状態にないときにおいても、クロック信号の供給の停止および再開をクロック信号のエッジに同期して行うため、クロック信号のエッジに非同期にスタンバイ状態へと移行することで処理が破綻するということがない。また、プロセッサコア5がアクセス状態にあるときは、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となってもスタンバイ状態に移行しないため、アクセス中のスタンバイ状態へ移行に起因して、アクセス先のデバイスに誤動作が生じるということがない。
【0101】
また、本実施の形態に係る半導体装置は、第1および第2の実施の形態同様、スタンバイ状態の解除時に、クロック信号clockAが発振を開始し、アップカウンタ11のカウント値がnとなった以降に、クロック信号のエッジに同期して、クロック信号clockBのプロセッサコア5への供給を再開している。このため、アップカウンタ11のnの値を、クロック信号の立ち上がり時間(発振開始から振幅や周波数が規定のレベルに達するまでの時間(時刻t310から時刻t312までの時間))に合わせて設定しておけば、スタンバイ状態解除時に、充分に安定したクロック信号をプロセッサコア5に供給することができる。
【0102】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置は、通常動作状態からスタンバイ状態への移行をより安定的に行うことができる。よって、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰の際にシステムの再初期化処理を必要とせず、スタンバイ状態移行時に中断した処理を速やかに再開することができる。
【0103】
なお、本実施の形態においては、クロック信号が供給される内部回路としてプロセッサコア5を示したが、第1および第2の実施の形態同様、これに限られず、クロック信号に同期して動作する回路であれば、この回路はプロセッサコア以外でも構わない。
【0104】
また、本実施の形態においては、クロック供給制御回路30、クロック起動時間確保回路4およびアクセス検出回路17の構成を図5に例示したが、これは、あくまでも例であり、これらの回路の構成は図5に示したものに限られない。
【0105】
更に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止する場合を示したが、第1の実施の形態同様、ディレイ回路9を、例えば、クロック信号の立ち上がりに同期して動作するポジティブエッジ型のフリップフロップで構成することにより、立ち上がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止させることができる。同様に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を再開する場合を示したが、第1および第2の実施の形態同様、アップカウンタ11をクロック信号の立ち上がりに同期してカウントアップするカウンタとすることで、立ち上がりエッジに同期して、クロック信号の供給を再開することができる。
【0106】
更にまた、本実施の形態においては、クロック生成回路2が半導体装置29内に設けられている場合を示したが、第1および第2の実施の形態同様、これに限られず、このクロック生成回路2が半導体装置29の外部に設けられ、半導体装置29の外部からクロック信号が供給される場合であっても構わない。
【0107】
本発明は、実施段階ではその要旨を変更しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0108】
以上、詳述したように、本発明に係る半導体集積回路の特徴をまとめると以下の通りになる。
【0109】
本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答し、前記クロック信号に同期して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行うクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0110】
また、本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、前記内部回路と前記内部回路に接続された周辺回路または外部装置とのアクセス状態を検出するアクセス検出回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行い、かつ、前記クロック信号の供給の停止において、前記アクセス検出回路が前記アクセス状態を検出した場合、このアクセス状態が解除された後に前記クロック信号の供給を停止するクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0111】
更に、本発明に係る半導体装置は、前記クロック供給制御回路が、前記クロック信号に同期して、前記クロック信号の供給の停止または再開を行うことを特徴としている。
【0112】
更に、本発明に係る半導体装置は、前記クロック供給制御回路と前記内部回路との間に介在し、前記クロック供給制御回路が前記クロック信号の供給を再開する場合、前記クロック信号の発振が安定した後に、前記内部回路への前記クロック信号の供給を再開するクロック起動時間確保回路を具備することを特徴としている。
【0113】
更に、本発明に係る半導体装置は、前記クロック供給制御回路が、前記スタンバイ制御信号が入力され、前記クロック信号に同期して動作するフリップフロップを有する回路であることを特徴としている。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、通常動作状態からスタンバイ状態への移行を安定的に行い、スタンバイ状態から通常動作状態へと復帰した際に、スタンバイ状態移行時に実行していた処理を速やかに再開することができる半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置における、スタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の構成図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置における、スタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャート。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の構成図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置における、スタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャート。
【図7】従来の半導体装置の構成図。
【図8】従来の半導体装置における、RAMへのリード/ライト処理実行中にスタンバイ状態へ移行した際の各信号のタイムチャート。
【図9】従来の半導体装置における、プロセッサコアがアクセス処理実行中にスタンバイ状態へ移行した際の各信号のタイムチャート。
【符号の説明】
1、15、29…半導体装置
2…クロック生成回路
3、16、30…クロック供給制御回路
4…クロック起動時間確保回路
5…プロセッサコア
6…RAM
7…スタンバイ制御信号端子
8…ANDゲート
9…ディレイ回路
10、14、24…NORゲート
11…アップカウンタ
12…デコーダ
13…インバータ
17…アクセス検出回路
18…周辺回路
19…第1の外部装置
20…第2の外部装置
21、22…外部端子
23…スタンバイ信号生成ゲート
25…第1のIF制御回路
26…第2のIF制御回路
27…第3のIF制御回路
28…アクセス信号生成ゲート
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特に、スタンバイ機能を有する半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、携帯型オーディオプレーヤ、携帯型情報端末などの携帯用情報機器は、電池や充電パックなどで動作される機会が多く、できるだけ長時間使用できるように、未使用時(電源OFF時)のスタンバイ電流の低減化が強く求められている。
【0003】
このような背景から、これら携帯用情報機器に搭載されるプロセッサLSI(DSP/CISC/RISC)などの半導体装置にも、スタンバイ電流を低減させるためのスタンバイ機能を備えることが求められる。
【0004】
このスタンバイ機能実現によく採用される手法に、半導体装置へのクロック信号の供給を停止させるものがある(例えば、特許文献1参照)。従来のスタンバイ機能を有する半導体装置のスタンバイ機能に関する部分の構成を、図7を用いて説明する。
【0005】
クロック生成回路101は、クロック信号を生成し、後段のカウンタ102およびANDゲート103にクロック信号clockを供給する。
【0006】
カウンタ102は、入力されたクロック信号clockをカウントアップし、オーバーフローが生じた際に、オーバーフロー信号OVFを後段のフリップフロップ104に出力する。
【0007】
フリップフロップ104は、カウンタ102からオーバーフロー信号OVFがセット信号として入力され、出力信号standbyAをANDゲート103へと出力する。
【0008】
また、これらのカウンタ102およびフリップフロップ104には、スタンバイ制御端子105から、スタンバイ制御信号standbyがリセット信号として各々に入力されるようになっている。
【0009】
ANDゲート103は、クロック信号clockおよび信号standbyAとのAND演算を行い、その演算結果をプロセッサコア106へと出力する。
【0010】
プロセッサコア106は、入力されたクロック信号clockに同期して動作する。また、RAM107がプロセッサコア106に接続されている。更に、第1および第2の外部装置108、109が外部端子110、111を介してプロセッサコア106に接続されている。
【0011】
この従来の半導体装置の通常動作状態からスタンバイ状態への移行は、スタンバイ制御信号standbyの論理値を0の状態から1の状態へと切り替えることにより行う。なお、以下では、説明の便宜上、論理値が0の状態を‘L’と、1の状態を‘H’と表現する。
【0012】
スタンバイ制御信号standbyが‘H’となると、フリップフロップ104はリセットされるため、出力信号standbyAが‘L’となり、ANDゲート103の出力信号が‘L’に固定される。すなわち、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となることにより、プロセッサコア106へのクロック信号clockの供給が停止される。なお、このとき、カウンタ102は、スタンバイ制御信号standbyによりリセットされ続ける。
【0013】
逆に、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰には、スタンバイ制御信号standbyを‘H’から‘L’へと切り替える。すると、カウンタ102のリセットが解除され、カウンタ102がクロック信号clockのカウントアップを開始する。カウント動作によりオーバーフローが生じると、オーバーフロー信号OVFがフリップフロップ104へと出力され、フリップフロップ104がセットされる。これにより、出力信号standbyAが‘H’となり、ANDゲート103を介してクロック信号clockがプロセッサコア106へと供給される。
【特許文献1】
特許第2730530号公報(第4頁、図4)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の半導体装置では、スタンバイ状態に移行する際、スタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’へと切り替わると、即座に、プロセッサコア106へのクロック信号clockの供給が停止される。このとき、クロック信号clockの停止されるタイミングによっては、当該半導体装置の実行中の処理が破綻してしまうことがある。
【0015】
例えば、スタンバイ制御信号standbyがクロック信号clockのエッジに非同期に入力されると、クロック信号の幅が実行中の処理における規定の幅を満たさなくなり、その処理が破綻してしまう可能性がある。
【0016】
プロセッサコア106がRAM107へのデータのリード/ライト処理を行っている最中にスタンバイ制御信号standbyが入力された場合を考える。図8は、その際の従来の半導体装置における各信号のタイムチャートである。
【0017】
スタンバイ制御信号standbyが時刻t101にクロック信号clockのエッジに非同期に‘L’から‘H’へと切り替わると、クロック信号clockの供給も時刻t101にエッジに非同期に停止する。このクロック信号clockの供給が停止されるタイミングによっては、図中にNGと示すように、クロック信号が実行中の処理における規定のクロック幅を満たさなくなる。この場合、RAMアクセス信号も、規定の幅を満たさなくなるため、RAM107へのデータのリード/ライトが正常に行われなかったり、メモリアドレスの指定が正常に行われないことで他のアドレスのデータを誤って書き換えてしまったりする可能性がある。
【0018】
また、プロセッサコア106が周辺回路(RAM107)または外部装置(第1および第2の外部装置108、109)とデータの送受信(アクセス)を行っている最中に、スタンバイ制御信号standbyが入力されると、その周辺回路または外部装置が誤動作を起こす可能性がある。
【0019】
ここで、プロセッサコア106が、RAM107、第1の外部装置108、および、第2の外部装置109とアクセス状態にあるときに、スタンバイ制御信号standbyが入力された場合を考える。なお、ここで、第1の外部装置108とプロセッサコア106とのアクセス信号をアクセス信号Aとして示し、第2の外部装置109とプロセッサコア106とのアクセス信号をアクセス信号Bとして示す。図9は、その際の従来の半導体装置における各信号のタイムチャートである。
【0020】
RAM107が時刻t104にプロセッサコア106とのアクセス処理を開始する。このアクセス処理は完全に終了するまでに時刻t107までの時間を必要としている。同様に、第1の外部装置108は時刻t103にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t106までの時間を必要としている。また、第2の外部装置109は時刻t102にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t108までの時間を必要としている。
【0021】
これらのアクセスの実行途中である時刻t105に、スタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’へと切り替わると、その切り替わりとともに、プロセッサコア106へのクロック信号clockの供給が停止される。これにより、時刻t105以降のアクセス処理(斜線で示した部分)が行われず、処理が不完全な状態で強制的にアクセスが中断される。
【0022】
ここで、この中断されたアクセス処理が、例えば、プロセッサコア106からアクセス先のデバイスへの制御レジスタの設定である場合、急にプロセッサコア106がスタンバイ状態へと移行すると、設定が不完全な状態のデバイスが誤動作を起こす可能性がある。また、第1または第2の外部装置108、109が外部MCUであり、中断されたアクセス処理が、この外部MCUからプロセッサコア106へのアクセス処理である場合には、プロセッサコア106がスタンバイ状態に移行すると、プロセッサコア106からの応答が停止するため、外部MCUはエラー処理を行わざるを得なくなる。
【0023】
以上に説明したように、従来のスタンバイ機能を有する半導体装置では、スタンバイ制御信号standbyが入力されるタイミングによって、実行中の処理が破綻する可能性があった。このため、従来の半導体装置は、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰の際に、スタンバイ状態移行時に実行していた処理を途中から再開することはせず、その都度、システムの再初期化処理を行っていた。
しかし、この再初期化処理は、復帰の際に余分な時間を必要とするため、その半導体装置を使い勝手の悪いものとし、システムの仕様上、問題となることがあった。
【0024】
本発明は、以上の背景からなされたものであり、通常動作状態からスタンバイ状態への移行を安定的に行い、スタンバイ状態から通常動作状態へと復帰した際に、スタンバイ状態移行時に実行していた処理を速やかに再開することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答し、前記クロック信号に同期して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行うクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0026】
また、本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、前記内部回路と前記内部回路に接続された周辺回路または外部装置とのアクセス状態を検出するアクセス検出回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行い、かつ、前記クロック信号の供給の停止において、前記アクセス検出回路が前記アクセス状態を検出した場合、このアクセス状態が解除された後に前記クロック信号の供給を停止するクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明に係る半導体装置についての第1の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。本実施の形態に係る半導体装置の構成を図1に示す。なお、図1では、スタンバイ機能によりクロック信号の供給が停止される内部回路の例として、プロセッサコア5を挙げている。また、以下では、説明の便宜上、論理値が0の状態を‘L’と、1の状態を‘H’と表現する。
【0028】
図1に示すように、この半導体装置1は、クロック生成回路2、クロック供給制御回路3、クロック起動時間確保回路4、プロセッサコア5、および、RAM6から構成される。
【0029】
クロック生成回路2は、クロック信号を生成し、後段のクロック供給制御回路3へと出力する回路である。このクロック生成回路2の例としては、水晶発振回路やPLL(Phase Locked Loop)などが挙げられる。
【0030】
クロック供給制御回路3は、スタンバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’になったとき、クロック生成回路2から供給されるクロック信号をエッジに同期して遮断して、後段のクロック起動時間確保回路4へのクロック信号clockAの供給を停止し、逆に、スタンバイ制御信号standbyが‘H’から‘L’になったとき、クロック信号clockAの供給を再開する回路である。
【0031】
クロック起動時間確保回路4は、スタンバイ制御信号standbyが‘H’から‘L’となり、クロック供給制御回路3がクロック信号の供給を再開した際、その再開から所定の時間経過した後に、クロック供給制御回路3から入力されたクロック信号を後段のプロセッサコア5へ供給する回路である。
【0032】
プロセッサコア5は、入力されたクロック信号に同期して動作する。RAM6は、プロセッサコア5と接続されており、プロセッサコア5がリード/ライト処理を行えるようになっている。
【0033】
次に、クロック供給制御回路3およびクロック起動時間確保回路4の具体的な構成について説明する。
【0034】
クロック供給制御回路3は、ANDゲート8、ディレイ回路9およびNORゲート10により構成されている。
【0035】
ANDゲート8は、スタンバイ制御端子7から入力されたスタンバイ制御信号standbyとディレイ回路9からの出力信号gateとのAND演算を行い、その演算結果を信号standbyAとしてNORゲート10へ出力する。NORゲート10は、ANDゲート8からの出力信号standbyAとクロック生成回路2から発生されたクロック信号とのNOR演算を行い、クロック信号clockAを出力する。
【0036】
ディレイ回路9は、クロック信号clockAに同期して動作し、入力されたスタンバイ制御信号standbyを遅延させて信号gateとして出力する回路である。このディレイ回路9の構成としては、フリップフロップを、複数段、組み合わせたものなどが考えられる。以下の説明においては、例として、入力されたクロック信号の立ち下がりエッジに同期して動作するネガティブエッジ型のフリップフロップを3段組み合わせたものを挙げて説明する。
【0037】
クロック起動時間確保回路4は、アップカウンタ11、デコーダ12、インバータ13およびNORゲート14により構成されている。
【0038】
アップカウンタ11は、クロック信号clockAの立ち下がりエッジに同期してカウントアップするリセット/イネーブル付のカウンタであり、カウント値がn(任意の値)となると、後段のデコーダ12の出力信号standbyBを‘L’とする。また、カウント値がnとなると、‘L’となった信号standbyBがアップカウンタ11にフィードバックされるため、アップカウンタ11はカウントアップを停止しカウント値nを維持する。更に、アップカウンタ11にはリセット信号resetとして信号standbyAが入力され、信号standbyAが‘H’になったときにカウント値がリセットされる。
【0039】
デコーダ12は、上述したように、アップカウンタ11のカウント値がnのときに信号standbyBを‘L’とし、カウント値がnに満たないときに信号standbyBを‘H’とする回路である。
【0040】
インバータ13は、クロック信号clockAのNOT演算を行い、後段のNORゲート14に出力する。NORゲート14は、クロック信号clockAの反転と信号standbyBとのNOR演算を行い、その演算結果をクロック信号clockBとしてプロセッサコア5へ出力する。
【0041】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行における動作について、図1および2を参照しながら説明する。なお、ここでは、プロセッサコア5がRAM6とアクセスしている際にスタンバイ状態に移行する場合を例に挙げて説明する。図2は、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行における各信号のタイムチャートである。
【0042】
まず、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時(クロック供給停止時)における動作について説明する。
【0043】
スタンバイ状態への移行は、スタインバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyを‘L’から‘H’に切り替えることにより行う。スタンバイ制御信号standbyを時刻t11に‘H’とすると、ディレイ回路9へと入力される信号が‘H’となる。ディレイ回路9は3段のフリップフロップで構成されていることから、ディレイ回路9の出力信号gateは、クロック信号clockAの3回目の立ち下がりエッジに同期して、時刻t12に‘L’から‘H’へと切り替わる。
【0044】
信号gateが‘H’となると、その信号gateとスタンバイ制御信号standbyとのANDゲート8での演算結果(信号standbyA)も時刻t12に‘H’となり、‘H’となった信号standbyAがNORゲート10に入力されることにより、クロック生成回路2からのクロック信号clockAの供給が停止される。
【0045】
また、信号standbyAはアップカウンタ11のリセット信号resetでもあるから、信号standbyAが時刻t12に‘H’となることで、アップカウンタ11のカウンタが時刻t12にリセットされる。そして、このカウンタのリセットに伴い、後段のデコーダ12の出力信号standbyBが‘H’となってNORゲート14へと出力される。これにより、プロセッサコア5に入力されるクロック信号clockBの供給が、クロック信号clockAの立ち下がりに同期して、時刻t12に停止される。
【0046】
このように、クロック信号clockAのエッジに非同期なタイミングでスタンバイ制御信号standbyが入力された場合も、クロック信号clockAの立ち下がりに同期してクロック信号の供給が停止される。このため、スタンバイ状態移行時のクロック幅が規定の幅を満たし、必然的に、RAMアクセス信号が規定の幅を満たした状態でプロセッサコア5とRAM6とのアクセスが中断される。
【0047】
次に、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態解除時(クロック供給再開時)における動作について説明する。
【0048】
スタンバイ状態の解除は、スタンバイ制御信号standbyを‘H’から‘L’に切り替えることにより行う。スタンバイ制御信号standbyを時刻t13に‘L’とすると、ANDゲート8の出力信号standbyAが直ちに‘L’となり、まず、クロック信号clockAが時刻t14に発振を開始する。
【0049】
信号standbyAが‘L’となると、アップカウンタ11のリセットが解除されることから、クロック信号clockAがカウントアップできる程度に達した時刻t15に、アップカウンタ11がクロック信号clockAのカウントアップを開始する。
【0050】
このアップカウンタ11のカウント値がnとなると、後段のデコーダ12の出力信号standbyBが‘L’となり、プロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給が、クロック信号clockAの立ち下がりに同期して、時刻t16に再開される。そして、この時刻t16以降、プロセッサコア5とRAM6とのアクセスが、クロック信号が安定した状態で再開される。なお、standbyBが‘L’となったとき、アップカウンタ11のenable信号も‘L’となるため、アップカウンタ11のカウント値は、nとなった時点で保持される。
【0051】
本実施の形態に係る半導体装置は、クロック信号clockAのエッジに非同期なタイミングでスタンバイ制御信号standbyが入力された場合も、クロック信号clockAの立ち下がりに同期してクロック信号の供給が停止され、スタンバイ状態へと移行する。このため、スタンバイ状態へと移行することにより、クロック幅が規定の幅を満たさなくなり、プロセッサコア5の処理が破綻するということがない。
【0052】
また、本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態の解除時に、クロック信号clockAの立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給が再開される。また、クロック信号clockAが発振を開始し、アップカウンタ11のカウント値がnとなった以降に、クロック信号をプロセッサコア5に供給している。このため、アップカウンタ11のnの値を、クロック信号の立ち上がり時間(発振開始から振幅や周波数が規定のレベルに達するまでの時間(時刻t14から時刻t16までの時間))に合わせて設定しておけば、スタンバイ状態解除時に、充分に安定したクロック信号をプロセッサコア5に供給することができる。
【0053】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態と通常動作状態との移行を安定的に行えることから、スタンバイ状態から通常動作モードに復帰した際に、システムの再初期化処理を行う必要がない。このため、通常動作モードへの復帰後、スタンバイ状態移行前に行った処理を再度行うことなく、速やかに、スタンバイ状態移行時の処理を再開することができる。
【0054】
例えば、プロセッサコア5がRAM6へのリード/ライト処理の最中にスタンバイ状態に移行した場合、スタンバイ状態への移行によりリード/ライト処理が破綻することがないため、スタンバイ中も保持しておきたいデータが破壊されることがなく、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰後、中断されたリード/ライト処理を速やかに再開することができる。
【0055】
なお、本実施の形態においては、クロック信号が供給される内部回路にプロセッサコア5を示したが、これに限られず、クロック信号に同期して動作する回路であれば、この回路はプロセッサコア以外でも構わない。
【0056】
また、本実施の形態においては、プロセッサコア5に接続された周辺回路としてRAM6を例示したが、これに限られず、RAM以外の回路であっても構わない。例えば、RAM6をROMに置き換えることにより、プロセッサコア5のROMからのリード処理がスタンバイ状態への移行により破綻することを防止することができる。
【0057】
更に、本実施の形態においては、クロック供給制御回路3およびクロック起動時間確保回路4の構成を図1に例示したが、これは、あくまでも例であり、これらの回路の構成は図1に示したものに限られない。
【0058】
更にまた、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止する場合を示したが、ディレイ回路9を、例えば、クロック信号の立ち上がりに同期して動作するポジティブエッジ型のフリップフロップで構成することにより、立ち上がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止させることができる。同様に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を再開する場合を示したが、アップカウンタ11をクロック信号の立ち上がりに同期してカウントアップするカウンタとすることで、立ち上がりエッジに同期して、クロック信号の供給を再開することができる。
【0059】
更に、本実施の形態においては、クロック生成回路2が半導体装置1内に設けられている場合を示したが、これに限られず、このクロック生成回路2が半導体装置1の外部に設けられ、半導体装置1の外部からクロック信号が供給される場合であっても構わない。
(第2の実施の形態)
以下に、本発明に係る半導体装置についての第2の実施の形態を図3および図4を参照して説明する。本実施の形態に係る半導体装置の構成を図3に示す。なお、第1の実施の形態において図1を用いて説明した半導体装置と共通する部分には、図1と同一符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
図3に示すように、本実施の形態に係る半導体装置15は、クロック生成回路2、クロック供給制御回路16、クロック起動時間確保回路4、アクセス検出回路17、プロセッサコア5、周辺回路18から構成されている。また、第1および第2の外部装置19、20が、外部端子21、22を介して半導体装置15の内部へと接続されている。
【0061】
クロック供給制御回路16は、スタンバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyが‘L’から‘H’になったとき、クロック生成回路2から供給されるクロック信号を遮断して、後段のクロック起動時間確保回路4へのクロック信号clockAの供給を停止し、逆に、スタンバイ制御信号standbyが‘H’から‘L’になったとき、クロック信号clockAの供給を再開する回路である。また、このクロック供給制御回路16には、アクセス検出回路17からアクセス検出信号BUSYが入力され、スタンバイ制御信号standbyが‘H’になったときでも、アクセス検出信号BUSYが‘H’の場合は、クロック起動時間確保回路4へのクロック信号clockAの供給を継続するようになっている。
【0062】
アクセス検出回路17は、プロセッサコア5と他のデバイスの間に介在し、プロセッサコア5が他のデバイスとアクセス状態にあるとき、アクセス検出信号BUSYをクロック供給制御回路16へと出力する回路である。
【0063】
周辺回路18は、アクセス検出回路17を介してプロセッサコア5へと接続されている。また、第1および第2の外部装置19、20も、同様に、アクセス検出回路17を介してプロセッサコア5へと接続されている。
【0064】
次に、クロック供給制御回路16およびアクセス検出回路17の具体的な構成について説明する。
【0065】
クロック供給制御回路16は、スタンバイ信号生成ゲート23およびNORゲート24から構成される。
【0066】
スタンバイ信号生成ゲート23は、スタンバイ制御信号standbyとアクセス検出信号BUSYとを入力され、アクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとの論理積をとり、その演算結果を出力信号standbyAとしてNORゲート24へと出力する。
【0067】
NORゲート24は、スタンバイ信号生成ゲート23から入力される信号standbyAと、クロック生成回路2から入力されるクロック信号とのNOR演算を行う。
【0068】
アクセス検出回路17は、第1乃至第3のIF制御回路25、26、27、および、アクセス信号生成ゲート28から構成される。
【0069】
第1のIF制御回路25は、プロセッサコア5と周辺回路18との間に介在して、プロセッサコア5と周辺回路18とのアクセス状態を監視し、アクセス中の場合にアクセス検出信号BUSYAを‘H’とする。第2のIF制御回路26は、プロセッサコア5と第1の外部装置19との間に介在し、これらがアクセス中の場合にアクセス検出信号BUSYBを‘H’とする。同様に、第3のIF制御回路27は、プロセッサコア5と第2の外部装置20との間に介在し、これらがアクセス中の場合にアクセス検出信号BUSYCを‘H’とする。
【0070】
アクセス信号生成ゲート28は、各IF制御回路からアクセス検出信号BUSYA、BUSYB、BUSYCが入力され、これらの信号のOR演算を行い、スタンバイ信号生成ゲート23へとアクセス検出信号BUSYを出力する。
【0071】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行時における動作について図3を参照しながら説明する。
【0072】
まず、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時(クロック供給停止時)における動作について説明する。
【0073】
スタンバイ状態への移行は、スタンバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyを‘L’から‘H’に切り替えることにより行う。プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれともアクセス状態にない場合、このスタンバイ制御信号standbyの切り替えにより、直ちにプロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給は停止される。
【0074】
一方、プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれかとアクセス状態にある場合、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となっても、直ちにクロック信号の供給は停止されない。このプロセッサコア5がアクセス状態にある場合のスタンバイ状態移行時の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャートである。
【0075】
周辺回路18が時刻t23にプロセッサコア5とのアクセス処理を開始する。
このアクセス処理は完全に終了するまでに時刻t26までの時間を必要としている。同様に、第1の外部装置19が時刻t21にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t25までの時間を必要としている。また、第2の外部装置20は時刻t22にアクセス処理を開始し、終了するまでに時刻t27までの時間を必要としている。
【0076】
スタンバイ制御信号standbyが、これらのアクセス中の時刻t24に‘H’となっても、直ちにクロック信号clockBの供給は停止されない。時刻t24以降のすべてのアクセス(斜線で示した部分)が終了した後(時刻t27)に、クロック信号clockBの供給は停止される。
【0077】
周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20とプロセッサコア5とがアクセス状態にあれば、これらのアクセス状態を監視する各IF制御回路が、‘H’のアクセス検出信号をアクセス信号生成ゲート28へと出力する。アクセス信号生成ゲート28は、各IF制御回路から供給されたアクセス検出信号のOR演算を行うため、3つのアクセス検出信号BUSYA,BUSYB,BUSYCのうち1つでも‘H’であれば、アクセス検出信号BUSYは、‘H’としてスタンバイ信号生成ゲート23へ出力される。
【0078】
スタンバイ信号生成ゲート23では、アクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとのAND演算が行われるため、アクセス検出信号BUSYが‘H’である限り、つまり、プロセッサ5がアクセス状態にある限り、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAは‘L’となる。そして、これにより、プロセッサ5のアクセス状態が解除されるまで、NORゲート24によりクロック信号の供給が継続される。
【0079】
次に、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態解除時(クロック供給再開時)における動作について説明する。
【0080】
スタンバイ制御信号standbyが時刻t28に‘L’となると、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAが直ちに‘L’となり、クロック生成回路2が時刻t29に発振を開始する。
【0081】
信号standbyAが‘L’となると、アップカウンタ11のリセットが解除され、アップカウンタ11がクロック信号clockAのカウントアップ動作を時刻t210に開始する。このカウント値がnとなると、後段のデコーダ12の出力が‘L’となり、プロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給が時刻t211に再開される。
【0082】
本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態へと移行する際に、プロセッサコア5がアクセス状態にある場合は、このアクセス状態が終了した後に、プロセッサコア5へのクロック信号clockの供給を停止する。これにより、本実施の形態に係る半導体装置は、プロセッサコア5のアクセス処理が途中で中断されることにより、アクセス先のデバイスが誤動作を起こす危険性がない。
【0083】
また、本実施の形態に係る半導体装置は、第1の実施の形態同様、スタンバイ状態の解除時に、クロック信号clockAが発振を開始し、アップカウンタ11のカウント値がnとなった以降に、クロック信号のエッジに同期して、クロック信号clockBのプロセッサコア5への供給を再開している。このため、アップカウンタ11のnの値を、クロック信号の立ち上がり時間(発振開始から振幅や周波数が規定のレベルに達するまでの時間(時刻t29から時刻t211までの時間))に合わせて設定しておけば、スタンバイ状態解除時に、充分に安定したクロック信号をプロセッサコア5に供給することができる。
【0084】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置は、スタンバイ状態と通常動作状態との移行を安定的に行えることから、スタンバイ状態から通常動作モードに復帰した際に、システムの再初期化処理を行う必要がない。このため、通常動作モードへの復帰後、スタンバイ状態移行前に行った処理を再度行うことなく、速やかに、スタンバイ状態移行時の処理を再開することができる。
【0085】
なお、本実施の形態においては、クロック信号が供給される内部回路としてプロセッサコア5を示したが、第1の実施の形態同様、これに限られず、クロック信号に同期して動作する回路であれば、この回路はプロセッサコア以外でも構わない。
【0086】
また、本実施の形態においては、クロック供給制御回路16、クロック起動時間確保回路4およびアクセス検出回路17の構成を図3に例示したが、これは、あくまでも例であり、これらの回路の構成は図3に示したものに限られない。
【0087】
更に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を再開する場合を示したが、第1の実施の形態同様、アップカウンタ11をクロック信号の立ち上がりに同期してカウントアップするカウンタとすることで、立ち上がりエッジに同期して、クロック信号の供給を再開することができる。
【0088】
更にまた、本実施の形態においては、クロック生成回路2が半導体装置15内に設けられている場合を示したが、第1の実施の形態同様、これに限られず、このクロック生成回路2が半導体装置15の外部に設けられ、半導体装置15の外部からクロック信号が供給される場合であっても構わない。
(第3の実施の形態)
以下に、本発明に係る半導体装置についての第3の実施の形態を図5を参照して説明する。本実施の形態に係る半導体装置の構成を図5に示す。なお、本実施の形態に係る半導体装置の構成は、第2の実施の形態に係る半導体装置の構成において、クロック供給制御回路16の構成に、第1の実施の形態におけるクロック供給制御回路3の構成を付加したものである。よって、第1および第2の実施の形態において説明した半導体装置と共通する部分には、図1および図3と同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0089】
図5に示すように、半導体装置29は、クロック生成回路2、クロック供給制御回路30、クロック起動時間確保回路4、アクセス検出回路17、プロセッサコア5、および、周辺回路18により構成されている。
【0090】
クロック供給制御回路30は、ANDゲート8、ディレイ回路9、NORゲート10およびスタンバイ信号生成ゲート23により構成されている。スタンバイ信号生成ゲート23には、アクセス検出回路17からアクセス検出信号BUSYが入力され、このアクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとのAND演算を行う。これにより、プロセッサコア5が、周辺回路18、第1の外部装置19および第2の外部装置20のいずれかとアクセス状態にあるとき、ディレイ回路9に入力されるスタンバイ制御信号standbyが‘H’とならないようになっている。
【0091】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の通常動作状態とスタンバイ状態との移行時における動作について図5を参照しながら説明する。
【0092】
まず、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時(クロック供給停止時)における動作について説明する。
【0093】
スタンバイ状態への移行は、スタインバイ制御端子7から入力されるスタンバイ制御信号standbyを‘L’から‘H’に切り替えることにより行う。プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれともアクセス状態にない場合、このスタンバイ制御信号standbyの切り替えにより、直ちにプロセッサコア5へのクロック信号clockBの供給は停止される。
【0094】
一方、プロセッサコア5が周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20とアクセス状態にある場合、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となっても、直ちにクロック信号の供給は停止されない。このプロセッサコア5がアクセス状態にある場合のスタンバイ状態移行時の動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャートである。
【0095】
スタンバイ制御信号standbyが、プロセッサコア5がアクセス状態にある時刻t34に‘H’となっても、クロック信号clockBの供給は、直ちに停止されない。時刻t34以降のすべてのアクセス(斜線で示した部分)が終了した後(時刻t38)に、その立ち下がりエッジに同期して、クロック信号clockBの供給が停止される。
【0096】
周辺回路18、第1の外部装置19、または、第2の外部装置20のいずれかとプロセッサコア5とがアクセス状態にあれば、アクセス検出信号BUSYは、‘H’としてスタンバイ信号生成ゲート23へ出力される。
【0097】
スタンバイ信号生成ゲート23では、アクセス検出信号BUSYの反転とスタンバイ制御信号standbyとのAND演算が行われるため、アクセス検出信号BUSYが‘H’である限り、つまり、プロセッサコア5がアクセス状態にある限り、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAは‘L’となり、クロック信号clockBの供給が継続される。
【0098】
プロセッサコア5のアクセス状態が時刻t37に解除されると、スタンバイ信号生成ゲート23の出力信号standbyAが‘H’となって、ディレイ回路9へと入力される。ディレイ回路9は、ネガティブエッジ型のフリップフロップを3段組み合わせたものであるから、クロック信号clockAの3回目の立ち下がりエッジに同期して、ANDゲート8の出力信号standbyBが時刻t38に‘H’となる。これにより、クロック信号clockBの供給が、時刻t38に、その立ち下がりエッジに同期して停止される。
【0099】
本実施の形態に係る半導体装置のスタンバイ状態解除時(クロック供給再開時)における動作は、第1および第2の実施の形態において説明したものと、略同一である。よって、ここでは、その説明を省略する。
【0100】
本実施の形態に係る半導体装置は、プロセッサコア5がアクセス状態にないときにおいても、クロック信号の供給の停止および再開をクロック信号のエッジに同期して行うため、クロック信号のエッジに非同期にスタンバイ状態へと移行することで処理が破綻するということがない。また、プロセッサコア5がアクセス状態にあるときは、スタンバイ制御信号standbyが‘H’となってもスタンバイ状態に移行しないため、アクセス中のスタンバイ状態へ移行に起因して、アクセス先のデバイスに誤動作が生じるということがない。
【0101】
また、本実施の形態に係る半導体装置は、第1および第2の実施の形態同様、スタンバイ状態の解除時に、クロック信号clockAが発振を開始し、アップカウンタ11のカウント値がnとなった以降に、クロック信号のエッジに同期して、クロック信号clockBのプロセッサコア5への供給を再開している。このため、アップカウンタ11のnの値を、クロック信号の立ち上がり時間(発振開始から振幅や周波数が規定のレベルに達するまでの時間(時刻t310から時刻t312までの時間))に合わせて設定しておけば、スタンバイ状態解除時に、充分に安定したクロック信号をプロセッサコア5に供給することができる。
【0102】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置は、通常動作状態からスタンバイ状態への移行をより安定的に行うことができる。よって、スタンバイ状態から通常動作状態への復帰の際にシステムの再初期化処理を必要とせず、スタンバイ状態移行時に中断した処理を速やかに再開することができる。
【0103】
なお、本実施の形態においては、クロック信号が供給される内部回路としてプロセッサコア5を示したが、第1および第2の実施の形態同様、これに限られず、クロック信号に同期して動作する回路であれば、この回路はプロセッサコア以外でも構わない。
【0104】
また、本実施の形態においては、クロック供給制御回路30、クロック起動時間確保回路4およびアクセス検出回路17の構成を図5に例示したが、これは、あくまでも例であり、これらの回路の構成は図5に示したものに限られない。
【0105】
更に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止する場合を示したが、第1の実施の形態同様、ディレイ回路9を、例えば、クロック信号の立ち上がりに同期して動作するポジティブエッジ型のフリップフロップで構成することにより、立ち上がりエッジに同期してクロック信号の供給を停止させることができる。同様に、本実施の形態においては、立ち下がりエッジに同期してクロック信号の供給を再開する場合を示したが、第1および第2の実施の形態同様、アップカウンタ11をクロック信号の立ち上がりに同期してカウントアップするカウンタとすることで、立ち上がりエッジに同期して、クロック信号の供給を再開することができる。
【0106】
更にまた、本実施の形態においては、クロック生成回路2が半導体装置29内に設けられている場合を示したが、第1および第2の実施の形態同様、これに限られず、このクロック生成回路2が半導体装置29の外部に設けられ、半導体装置29の外部からクロック信号が供給される場合であっても構わない。
【0107】
本発明は、実施段階ではその要旨を変更しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0108】
以上、詳述したように、本発明に係る半導体集積回路の特徴をまとめると以下の通りになる。
【0109】
本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答し、前記クロック信号に同期して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行うクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0110】
また、本発明に係る半導体装置は、クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、前記内部回路と前記内部回路に接続された周辺回路または外部装置とのアクセス状態を検出するアクセス検出回路と、スタンバイ制御信号の切り替えに応答して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行い、かつ、前記クロック信号の供給の停止において、前記アクセス検出回路が前記アクセス状態を検出した場合、このアクセス状態が解除された後に前記クロック信号の供給を停止するクロック供給制御回路とを具備することを特徴としている。
【0111】
更に、本発明に係る半導体装置は、前記クロック供給制御回路が、前記クロック信号に同期して、前記クロック信号の供給の停止または再開を行うことを特徴としている。
【0112】
更に、本発明に係る半導体装置は、前記クロック供給制御回路と前記内部回路との間に介在し、前記クロック供給制御回路が前記クロック信号の供給を再開する場合、前記クロック信号の発振が安定した後に、前記内部回路への前記クロック信号の供給を再開するクロック起動時間確保回路を具備することを特徴としている。
【0113】
更に、本発明に係る半導体装置は、前記クロック供給制御回路が、前記スタンバイ制御信号が入力され、前記クロック信号に同期して動作するフリップフロップを有する回路であることを特徴としている。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、通常動作状態からスタンバイ状態への移行を安定的に行い、スタンバイ状態から通常動作状態へと復帰した際に、スタンバイ状態移行時に実行していた処理を速やかに再開することができる半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置における、スタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の構成図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置における、スタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャート。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の構成図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置における、スタンバイ状態移行時の各信号のタイムチャート。
【図7】従来の半導体装置の構成図。
【図8】従来の半導体装置における、RAMへのリード/ライト処理実行中にスタンバイ状態へ移行した際の各信号のタイムチャート。
【図9】従来の半導体装置における、プロセッサコアがアクセス処理実行中にスタンバイ状態へ移行した際の各信号のタイムチャート。
【符号の説明】
1、15、29…半導体装置
2…クロック生成回路
3、16、30…クロック供給制御回路
4…クロック起動時間確保回路
5…プロセッサコア
6…RAM
7…スタンバイ制御信号端子
8…ANDゲート
9…ディレイ回路
10、14、24…NORゲート
11…アップカウンタ
12…デコーダ
13…インバータ
17…アクセス検出回路
18…周辺回路
19…第1の外部装置
20…第2の外部装置
21、22…外部端子
23…スタンバイ信号生成ゲート
25…第1のIF制御回路
26…第2のIF制御回路
27…第3のIF制御回路
28…アクセス信号生成ゲート
Claims (5)
- クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、
スタンバイ制御信号の切り替えに応答し、前記クロック信号に同期して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行うクロック供給制御回路とを具備することを特徴とする半導体装置。 - クロック信号が入力され、このクロック信号に同期して動作する内部回路と、
前記内部回路と前記内部回路に接続された周辺回路または外部装置とのアクセス状態を検出するアクセス検出回路と、
スタンバイ制御信号の切り替えに応答して、前記内部回路への前記クロック信号の供給の停止または再開を行い、かつ、前記クロック信号の供給の停止において、前記アクセス検出回路が前記アクセス状態を検出した場合、このアクセス状態が解除された後に前記クロック信号の供給を停止するクロック供給制御回路とを具備することを特徴とする半導体装置。 - 前記クロック供給制御回路が、前記クロック信号に同期して、前記クロック信号の供給の停止または再開を行うことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
- 前記クロック供給制御回路と前記内部回路との間に介在し、前記クロック供給制御回路が前記クロック信号の供給を再開する場合、前記クロック信号の発振が安定した後に、前記内部回路への前記クロック信号の供給を再開するクロック起動時間確保回路を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体装置。
- 前記クロック供給制御回路が、前記スタンバイ制御信号が入力され、前記クロック信号に同期して動作するフリップフロップを有する回路であることを特徴とする請求項1、3または4のいずれか1項記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048524A JP2004258949A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003048524A JP2004258949A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004258949A true JP2004258949A (ja) | 2004-09-16 |
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Family Applications (1)
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JP2003048524A Pending JP2004258949A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 半導体装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004258949A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006121437A1 (en) * | 2005-05-10 | 2006-11-16 | Telairity Semiconductor, Inc. | Method and apparatus for clock synchronization between a processor and external devices |
JP2008123075A (ja) * | 2006-11-09 | 2008-05-29 | Meidensha Corp | タイマ起動回路 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003048524A patent/JP2004258949A/ja active Pending
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WO2006121437A1 (en) * | 2005-05-10 | 2006-11-16 | Telairity Semiconductor, Inc. | Method and apparatus for clock synchronization between a processor and external devices |
JP2008123075A (ja) * | 2006-11-09 | 2008-05-29 | Meidensha Corp | タイマ起動回路 |
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