JP2004258462A - 可変分散補償器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変分散補償器1は、基板4と、前記基板の上に保持され、入力される所定波長の光信号をブラッグ反射するグレーティング2が形成されている光導波路8と、前記基板の上に前記グレーティングに近接して設けられたヒータ3と、前記ヒータを制御して前記グレーティングに所定の温度分布を付与する温度制御装置6とを備え、前記基板の熱伝導率kは5W/(K・m)以下であり、前記基板の厚みは(0.018×k)mm以上であって、(0.46×k)mm以下の範囲内にあることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高速光通信システムにおける分散補償技術に関し、特にチャープグレーティングのチャープ率を変化させて郡遅延時間を制御する可変分散補償器に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバケーブルを信号伝送路に用いた光通信システムでは、光ファイバ伝送路の波長分散(単に分散ともいい、以下、「分散」と称す)により光パルスが歪むため、信号の劣化を生じる。これは波長の異なる光パルスの波束の群速度が異なるためで、光パルスの波束がある一定距離を伝播するのに要する時間、すなわち群遅延時間(単位:ps)が異なるためである。この群遅延時間の波長に対する割合が分散(単位:ps/nm)である。通常の光ファイバ伝送路に用いられるシングルモードファイバ(SMF)では、波長1550nm付近で光ファイバ伝送路1kmあたりの分散は、約16ps/(nm・km)の値を有する。これは波長が1nmのシングルモードファイバを伝播するのに要する群遅延時間の差が16psという意味である。例えば、波長が1nm異なる光パルスが100kmの光ファイバを伝播した場合の群遅延時間は100倍の1600psとなる。
【0003】
一方、変調された光パルスは、変調方式やビットレートにより決まる幾つかの線スペクトルの広がりを持ち、その包絡線はガウス分布型となる。例えばRZ(return−to−zero)変調方式では、それぞれの線スペクトルの間隔は、ビットレート(伝送速度)が10Gbit/sの場合には0.08nmであるが、ビットレート40Gbit/sの場合には0.32nmとなる。また、NRZ(nonreturn−to−zero)変調方式では、RZ変調方式の線スペクトルの半分の広がりとなる。このようにビットレートが高くなるに従って、光パルスの成分である線スペクトルの間隔は広がる。そのため、光ファイバ伝送路を伝播したときの群遅延時間の差が大きくなり光パルスの歪みが増大する。光パルスが受ける光ファイバ伝送路の分散の影響はビットレートの二乗に比例して大きくなる。この光ファイバ伝送路の分散を打ち消す分散を有するデバイスを伝送路に挿入し、全体として分散を零に近づける技術が分散補償技術である。特に40Gbit/s以上のビットレートでは伝送路の分散を精密に零に近づける必要がある。
【0004】
このような分散を補償するデバイスとして、本発明者らが提案したチャープグレーティングを用いた可変分散補償器がある(例えば、非特許文献1参照。)。これはチャープグレーティングを32個の薄膜ヒータ上に設置し、32個の薄膜ヒータの温度をそれぞれ独立に制御することにより、チャープグレーティングに直線的な温度分布を印加して、チャープグレーティングの分散を可変させるものである。この可変分散補償器では、グレーティング長40mmのチャープグレーティングを使用し、一次関数的に変化する0〜60℃の温度分布を設けている。これにより、分散可変幅が100ps/nm以上の可変分散補償器を実現し、40Gbit/sの光信号伝送を行っている。
【0005】
【非特許文献1】
IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL.13,NO.8,827項〜829項(2001年8月発行)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、グレーティングに所定の関数に基づいて変化する温度分布を付与し、その温度分布を制御することにより群遅延時間を制御する可変分散補償器は、簡単に分散を制御できるデバイスとして有用である。
【0007】
一方、ネットワークに用いられる各構成部材には、応答速度が速いこと、具体的にはある条件から異なる条件への変化についての応答時間が8秒以内であることが要求されており、可変分散補償器にも十分な応答速度が要求されている。ここで「8秒以内」とされる理由として、インターネット上のWEBページの表示に要する時間についての「8秒ルール」がある。「8秒ルール」とは、インターネット上のWEBサイトを訪れるユーザは、新たなWEBページの表示に要する時間が8秒を超えるとそのサイトを立ち去るということを意味している。可変分散補償器の場合には、ある分散値から異なる分散値への変化に要する応答時間が十分に短いこと、具体的には8秒以内であることが要求されている。
【0008】
しかし、これまでの可変分散補償器では、ある分散値から異なる分散値へ変化させるまでの応答時間が長かった。すなわち、グレーティングに異なる温度分布を付与した時から、新たな温度分布になるまでの時間、すなわち分散値が安定するまでの時間が長く、応答速度が遅いという問題があった。
【0009】
また、高出力のヒータを用いて応答速度を上げようとすると所望の温度に留めることが困難であったり、周辺温度が変化してしまうため、グレーティングに安定して温度分布を付与することが困難になる。さらに、消費電力が余分に必要となってしまいコスト高となる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、消費電力の増大を抑制しながら、応答速度の速い可変分散補償器を提供することである。
【0011】
【発明を解決するための手段】
本発明に係る可変分散補償器は、基板と、
前記基板の上に保持され、入力される所定波長の光信号をブラッグ反射するグレーティングが形成されている光導波路と、
前記基板の上に前記グレーティングに近接して設けられたヒータと、
前記ヒータを制御して前記グレーティングに所定の温度分布を付与する温度制御装置と
を備え、
前記基板の熱伝導率kは5W/(K・m)以下であり、前記基板の厚みは(0.018×k)mm以上であって、(0.46×k)mm以下の範囲内にあることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る可変分散補償器、波長可変フィルタについて、添付図面を用いて説明する。なお、図面においては実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
【0013】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る可変分散補償器について図1の(a)と(b)とを用いて説明する。図1の(a)は、この可変分散補償器の構成を示す概略図である。また、図1の(b)は、図1(a)のA−A’線に沿った断面図である。この可変分散補償器1は、基板4の上にチャープグレーティング2を有する光導波路8が設けられている。また、この可変分散補償器1は、チャープグレーティング2に温度分布を付与するヒータ31、32・・・3Nと各ヒータ3iに電力を供給する複数の第1電極51a、52a・・・5Naと、第2電極5bと、ヒータ制御回路6と、基板4の裏面に設けられたヒートスプレッダ9と、ヒートスプレッダ9を介して設けられたペルチェ素子33と、ヒートスプレッダ9の上面の温度を計測する感温素子25と、ペルチェ素子33を制御するペルチェコントローラ28とを備える。ヒータ31、32・・・3Nと各ヒータ3iに電力を供給する複数の第1電極51a、52a・・・5Naと、第2電極5bと、ヒータ制御回路6とによってグレーティング2に温度分布を付与する温度制御装置を構成している。また、感温素子(サーミスタ)25と、ペルチェ素子とペルチェコントローラ28とによって、基板4の下面の温度を一定に保持している。つまり環境温度の変化があった場合にもその影響を受けないようにすることができる。また、基板4の下面を一定温度に保持することによって、定常状態に導くことができる。さらに、基板4の上面でのヒータ3によって発生した熱流を基板4の下面で吸収し、グレーティング2に所望の温度分布を付与できる。
【0014】
さらに、この可変分散補償器1の構成について説明する。光導波路8は、図1の(b)の断面図に示すように、コア11と該コア11の周囲を覆うクラッド12とからなる光ファイバ8である。また、図1の(a)に示すように、グレーティングの長手方向に沿ってグレーティングピッチが線形に変化するチャープグレーティング2が形成されている。この光導波路8は、基板4上に配置されている。なお、ここでは光ファイバを用いたが、これに限られず、平面光導波路(PLC)であってもよい。また、ヒータ3には窒化タンタルを用いている。基板4には、厚さ0.1mmの石英基板(熱伝導率1.38W/(K・m))を用いている。ヒートスプレッダ9には、窒化アルミ板を用いているが、これに限られず、例えば、アルミナ板、金属板、金箔、セラミック板等を用いてもよい。また、ヒートスプレッダ9は必ずしも必要ではないが、基板の裏面の温度を一定にするために用いてもよい。感温素子(サーミスタ)25は、ヒートスプレッダ9の上面又は基板4の下面に配置するのがよい。なお、ヒートスプレッダを用いない場合は、ペルチエ素子33の上面に配置してもよい。
【0015】
また、この可変分散補償器1では、基板4の熱伝導率kを5W/(K・m)以下とし、厚さdを(0.018×k)mm以上であって、(0.46×k)mm以下の範囲としている。すなわち、下記式(1)を満たす範囲としている。
【数1】
(0.018×k)≦d≦(0.46×k) (1)
【0016】
上記のように基板の厚さdを(0.46×k)mm以下に制限したことにより、ヒータ加熱によってグレーティング2が所定温度に到達するまでの時間が短縮される。そのため、温度分布(分散)を変化させた時から安定するまでの時間、すなわち応答速度が8秒以下と速いことを特徴とする。また、基板厚さdを(0.018×k)mm以上に制限したことにより、消費電力を抑制できる。すなわち、基板の表面と裏面との間の温度差が一定であっても基板厚さが薄くなるにつれて基板厚さ方向の温度勾配は大きくなる。そのため定常状態とする場合に、基板の表面から裏面への熱流は、基板の厚さに反比例して薄いほど熱流、即ちヒータ電力が大きくなる。同様に該熱流を吸収するためのペルチェ素子を駆動する電力も大きくなる。そこで、基板の厚さを上記(0.018×k)mm以下とすることによって、消費電力をおよそ10W以下とすることができる。
【0017】
次に、この可変分散補償器による分散の制御方法について説明する。また、この温度制御装置の動作は、以下の手順で行われる。
(1)まず、ヒータ31、32・・・3Nのそれぞれを制御しながら所定の電力を加えてグレーティング2を加熱する。
(2)ヒートスプレッダ9の上面に設けられた感温素子25で環境温度変化ΔTを検出した場合には、温度変化ΔTをペルチェコントローラ28に伝える。
(3)ペルチェコントローラ28で、ヒートスプレッダ9の上面(基板下面)の温度を所定温度に制御するようにペルチェ素子33へ制御信号を伝達する。
(4)ペルテイエ素子33によって、ヒートスプレッダ9を冷却、または加熱し、一定温度に保持する。これによって所定の定常状態に保持できる。
【0018】
(5)グレーティング2に所定の温度分布が付与される。この場合、グレーティング2の中心温度が一定であって温度分布が異なる温度分布を付与することによって中心波長を一定にすることができる。一方、グレーティング2の中心温度を変化させた温度分布を付与することによって中心波長を変化させることができる。
(6)分散を有する光がグレーティング2に入力され、グレーティング2によって分散補償された光が出力される。
以上によって、この可変分散補償器によって入力光の分散を補償することができる。また、入力光の分散が変化した場合や、入力光に異なる分散を付与する場合には、ヒータ3によってグレーティング2に付与する温度分布を変化させる。この場合に、基板4の熱伝導率kを5W/(K・m)以下とし、厚さdを(0.018×k)mm以上であって、(0.46×k)mm以下の範囲とすることによって、応答速度が8秒以下であって、消費電力が10W以下とすることができる。
【0019】
次に、この可変分散補償器の応答速度の測定について、図2と図3とを用いて説明する。図2は、温度分布aと温度分布bのそれぞれの群遅延特性を示す図である。図3は、温度分布を温度分布aから温度分布bへ変化させた場合の波長λ1における群遅延時間変動を示す図である。まず、グレーティングの温度分布を温度分布aから温度分布bへと変化させて、グレーティングの分散値を分散値aから分散値bに変える時を想定する。ここで応答速度とは、グレーティング2が温度分布aである状態からヒータ3に温度分布bの信号を与えた時から温度分布bの状態が安定するまで、即ち、分散値bの状態で安定するまでの時間として規定する。また、「分散値bで安定する」とは、分散値が分散値b±5ps/nmの範囲になる時点とする。なお、分散値b±5ps/nm以内の変動は、光信号特性のアイ開口ペナルティにおいて約±0.1dBの変動に相当する。
【0020】
ここで、温度分布aの時の分散値Daと、温度分布bの時の分散値Dbとは、それぞれ下記式(2)、式(3)で表される。
Da=(Ta−Tc)/(λc−λ1) (2)
Db=(Tb−Tc)/(λc−λ1) (3)
また、分散値DaとDbとの差ΔDは、下記式(4)で表される。
ΔD=Db−Da=(Tb−Ta)/(λc−λ1)
ΔD=ΔT/Δλ ・・・(4)
となる。
【0021】
また、応答速度は、ある波長λ1での群遅延時間の変動をモニタして測定できる。そのモニタ例を図3に示す。ここで、Dbの変動が±5ps/nm以内に相当する群遅延時間変動は、図2でのΔλが今回の測定では0.3nmであるため、式(4)より、±1.5psとなる。そこで、応答速度は、図3のRtで示される時間として測定される。
【0022】
次に、この可変分散補償器において、基板厚さdに関する検討について、図4から図7を用いて説明する。図4は、石英基板(熱伝導率1.38W/(K・m))を用いた場合の基板厚さと応答時間との関係を示す図である。図5は、基板厚さと消費電力の関係を示す図である。図6は、異なる熱伝導率を持つ基板の厚さと消費電力の関係を示す図である。図7は、基板厚さ/熱伝導率の比と応答速度との関係を示す図である。ここで、可変分散補償器の基板厚を0.02mm、0.1mm、0.5mm、1mmと変化させているが、それ以外の構成についてはそれぞれ実質的に同じである。また、合計の消費電力は、ヒータ電力+ペルチェ電力で表される。さらに、応答時間は、温度分布を+50℃から−50℃、または−50℃から+50℃に変えた場合の最大の時間をプロットしている。
【0023】
図4に示すように、基板が薄くなるほど応答時間は速くなり、厚くなるほど応答時間は遅くなる。また、図5及び図6に示すように、合計の消費電力は基板が厚くなるとほとんど変わらないが、薄くなるにつれて消費電力は急激に増加する。一方、基板の熱伝導率が低いほど消費電力が急激に増加する基板厚さが薄くなり、熱伝導率が高いほど消費電力の急激に増加する基板厚さが厚くなる。さらに、図7に示すように基板厚さd/熱伝導率kの比は応答速度と正の相関関係を有している。以上の関係から、基板厚さdを(0.018×k)mm以上とすることによって消費電力を10W以下とすることができる。また基板厚さdを(0.46×k)mm以下とすることによって、応答速度を8秒以下とすることができる。なお、ここでは熱伝導率1.38W/(K・m)の石英基板を用いたが、熱伝導率5W/(K・m)以下の基板を用いれば同様の効果が得られる。また、熱伝導率5W/(K・m)以上の基板を用いると熱容量が小さくなるため、消費電力が高くなってしまう。
【0024】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る可変分散補償器について説明する。この可変分散補償器は、ヒータ31、32、・・・3Nによって温度分布を変化させるとともに中心温度(中心波長)を一定にし、ペルチェ素子33によって基板の下面温度を一定にして、グレーティング2に温度分布を付与することを特徴とする。この場合には、ペルチェ素子33は環境温度の変化を相殺するためにのみ用いられる。ペルチェ素子33によって中心温度を一定に保つ場合に比べて応答速度が速くなる。
【0025】
この可変分散補償器による応答速度の向上について、図8を用いて説明する。図8は、参考例と本発明の群遅延時間変動を比較した図である。参考例は、ヒータによって温度分布を変化させ、ペルチェ素子によって中心温度(中心波長)を一定にして、グレーティングに異なる温度分布を付与する場合である。また、本発明は、ヒータによって温度分布を変化させるとともに中心温度を一定にし、ペルチェ素子によって基板下面温度を一定にして、グレーティングに温度分布を付与する場合である。ここでは厚さ1mmの石英基板を用いている。図8に示すように、この可変分散補償器によれば応答速度が大きく向上している。
【0026】
なお、ペルチェ素子を用いることなくヒータ31、32、・・・3Nのみによって中心温度(中心波長)を一定にすることも可能である。この場合には、ヒータだけではペルチェ素子のように冷却機能を持たないので、温度分布の最低温度を周辺環境温度以上に設定する必要がある。このためペルチェ素子を使用する場合よりも全体の設定温度は高くなる。
【0027】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る波長可変フィルタについて図9から図11を用いて説明する。この波長可変フィルタは、実施の形態1に係る可変分散補償器と比較すると、チャープグレーティングではなく、ピッチが均一なユニフォームグレーティングを用いている点で相違する。また、複数のヒータではなく、一つのヒータを用いている点においても相違する。この波長可変フィルタでは、図9のようにグレーティングに与える温度分布を温度分布aから温度分布bに変化させることで、図10に示すように中心波長を変えることができる。上記実施の形態1及び2と同様に、基板の熱伝導率kを5W/(K・m)以下、基板の厚さを(0.018×k)mm以上であって、(0.46×k)mm以下の範囲とすることによって、中心波長を変化させる場合の応答速度も高速化できる。これにより高速応答の波長可変フィルタを実現できる。
【0028】
なお、温度分布aから温度分布bへの応答速度の測定は、図11に示すように波長λ1における群遅延時間がTaからTbに到達するまでの時間として計測できる。
【0029】
また、実施の形態1と同様に、チャープグレーティングと、複数のヒータを用いて構成してもよい。この場合にもグレーティングに付与する温度分布を変えずにグレーティング全体の温度を一様に変化させることにより中心波長の異なるフィルタとすることができる。すなわち、全体の温度を一様に増加又は減少させることでフィルタの帯域をシフトさせることができる。なおこの場合にも、基板4の熱伝導率と厚さとを実施の形態1と同様に設定することにより高速応答させることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る可変分散補償器によれば、基板の上にグレーティングに近接して設けられたヒータと、該ヒータを制御してグレーティングに所定の温度分布を付与する温度制御装置とを備えている。さらに、基板の熱伝導率kは5W/(K・m)以下であり、該基板の厚みは(0.018×k)mm以上であって、(0.46×k)mm以下の範囲内にある。これによって消費電力を10W以下に抑制するとともに、温度分布を変化させた場合の応答速度を8秒以内とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態1に係る可変分散補償器の構成を示す概略図であり、(b)は、(a)のA−A’線に沿った断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る可変分散補償器の応答速度を説明する概略図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る可変分散補償器の応答速度を測定するためにモニタした群遅延時間変動の概略図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る可変分散補償器の基板厚と応答速度との関係を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る可変分散補償器の基板厚と消費電力の関係を示す図である。
【図6】異なる熱伝導率を持つ基板の厚さと消費電力の関係を示す図である。
【図7】基板厚/熱伝導率の比と応答速度との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る可変分散補償器の応答速度を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態3に係る波長可変フィルタのグレーティングに付与される異なる2つの温度分布を説明する概略図である。
【図10】図9の温度分布aから温度分布bに変化させた場合の波長に対する損失の変化を示す図である。
【図11】図9の温度分布aから温度分布bに変化させた場合の群遅延時間の変化を示す図である。
【符号の説明】
Da 温度分布aの時の分散値、Db 温度分布bの時の分散値、λ1 応答速度測定波長、λc 中心波長、Δλ λc−λ1、Ta 温度分布aの時のλ1での群遅延時間、Tb 温度分布bの時のλ1での群遅延時間、Tc 中心波長での群遅延時間、ΔT Tb−Ta、 1 可変分散補償器、2 チャープグレーティング、3 ヒータ、4 基板、5 電極、6 ヒータ制御回路、7 インターフェース回路、8 光ファイバ、9 ヒートスプレッダ板、11 コア、12 クラッド、33 ペルチェ素子、25 サーミスタ(感温素子)、28 ペルチェコントローラ
Claims (7)
- 基板と、
前記基板の上に保持され、入力される所定波長の光信号をブラッグ反射するグレーティングが形成されている光導波路と、
前記基板の上に前記グレーティングに近接して設けられたヒータと、
前記ヒータを制御して前記グレーティングに所定の温度分布を付与する温度制御装置と
を備え、
前記基板の熱伝導率kは5W/(K・m)以下であり、前記基板の厚みは(0.018×k)mm以上であって、(0.46×k)mm以下の範囲内にあることを特徴とする可変分散補償器。 - 前記基板の前記光導波路を保持する面と反対側の面に放熱板を備えることを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償器。
- 前記基板の前記光導波路を保持する面と反対側の面の温度を計測する感温素子をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変分散補償器。
- 前記基板の前記光導波路を保持する面と反対側の面にペルチェ素子を備えることを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償器。
- 前記基板と前記ペルチェ素子との間に放熱板を備えることを特徴とする請求項4に記載の可変分散補償器。
- 前記放熱板の温度を計測する感温素子をさらに備えることを特徴とする5に記載の可変分散補償器。
- 前記温度制御装置は、前記ヒータを制御して、前記グレーティングの中心温度が一定の温度分布を前記グレーティングに付与することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の可変分散補償器。
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US7379640B2 (en) | 2005-06-14 | 2008-05-27 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Tunable dispersion compensator and method of manufacturing the same |
JP2008257104A (ja) * | 2007-04-09 | 2008-10-23 | Mitsubishi Electric Corp | 可変分散補償器 |
JP2010026296A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Mitsubishi Electric Corp | 可変分散補償器 |
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2003
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